特許第6694082号(P6694082)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6694082
(24)【登録日】2020年4月20日
(45)【発行日】2020年5月13日
(54)【発明の名称】逆入力遮断クラッチ
(51)【国際特許分類】
   F16D 43/26 20060101AFI20200427BHJP
【FI】
   F16D43/26 C
【請求項の数】8
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2018-565175(P2018-565175)
(86)(22)【出願日】2017年2月2日
(86)【国際出願番号】JP2017003861
(87)【国際公開番号】WO2018142550
(87)【国際公開日】20180809
【審査請求日】2019年7月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000110206
【氏名又は名称】株式会社TOK
(74)【代理人】
【識別番号】100104204
【弁理士】
【氏名又は名称】峯岸 武司
(72)【発明者】
【氏名】織田 信寿
(72)【発明者】
【氏名】高橋 大輔
【審査官】 西藤 直人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−192295(JP,A)
【文献】 実公昭41−20496(JP,Y1)
【文献】 特開2002−213486(JP,A)
【文献】 特開2003−120715(JP,A)
【文献】 特開平9−303428(JP,A)
【文献】 特開2016−205557(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 43/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項8】
回転軸を中心に回転する入力部材と、前記回転軸を中心に回転する出力部材と、前記回転軸を中心に前記入力部材とともに回転するクラッチと、を備える逆入力遮断クラッチにおいて、
前記入力部材は、一端にトルクが加えられる前記回転軸を中心軸とする円筒状の小径筒状部と、前記一端とは反対側の前記小径筒状部の端部を覆うように形成される前記回転軸を中心軸とする円筒状の第一側面部及び前記第一側面部の前記一端側の端に形成される第一底面部を有する有底筒状体で構成される大径筒状部と、を有し、
前記クラッチは、前記回転軸を中心軸とする円筒状の第二側面部及び前記回転軸方向の一方側である前記入力部材側と反対側の端に設けられる第二底面部を有する有底筒状体からなり、前記第二底面部の中心部には貫通孔が形成され、前記第二底面部の前記回転軸方向の一方側の面に第一クラッチ部が形成され、
前記出力部材は、円盤状の円盤部と、この円盤部の前記回転軸方向の一方側の面の中心部から立設する前記回転軸を中心軸とする円筒状の第一円筒部と、前記円盤部の前記回転軸方向の他方側の面の中心部から立設する前記回転軸を中心軸とする第二円筒部とを有し、前記円盤部の前記回転軸方向の一方側の側面に平滑面が形成され、前記円盤部の前記回転軸方向の他方側の側面に、前記回転軸方向において前記第一クラッチ部に対向配置される第二クラッチ部が形成され、
前記入力部材の前記第一側面部の内周面と前記小径筒状部の外周面との間に前記第一底面部から前記回転軸に平行な方向に立設して形成される第一係止片と、前記クラッチの前記第二側面部の内側に前記第二底面部から前記回転軸に平行な方向に立設して形成される第二係止片との間に配置されて、前記入力部材と前記クラッチとの間に回転方向の付勢力を与える弾性体と、
前記回転軸方向の一方側及び他方側に開口部が形成された円筒状のローター側面部を有し、前記ローター側面部の内周に形成された前記回転軸方向に直交する面に前記平滑面が当接させられて前記出力部材を収納し、前記第二円筒部に前記貫通孔が挿入されて前記クラッチを収納し、前記第二側面部に前記第一側面部が前記回転軸方向に直交する方向に重なって配置されて前記大径筒状部を収納する、前記クラッチに連動して回転するローターと、
円盤状の円盤部とこの円盤部の中心部から前記回転軸方向に立設して前記小径筒状部が挿入される円筒状の円筒部とを有し、前記第一底面部を前記出力部材側に押し付けながら、前記ローターの前記回転軸方向の他方側に形成された前記開口部を封止するローターキャップと、
前記ローターの回転に抵抗を加えることで、前記クラッチの回転に抵抗を加える抵抗部材と、を備え、
前記クラッチは前記第二側面部の外周に係合部が形成され、
前記ローターは、前記係合部に係合する幅を有し、前記係合部の前記回転軸に平行な方向の長さより長い被係合部が前記ローター側面部の内周に形成され、前記係合部に前記被係合部が係合させられることで、前記クラッチに連動して回転すると共に、前記クラッチとの間で前記回転軸方向に相対移動し、
前記入力部材の前記第一側面部及び前記クラッチの前記第二側面部の一方が凸部を有するとともに他方が前記凸部に係合する溝を有し、
前記溝は前記回転方向に対して斜めに延在し、
前記入力部材と前記クラッチとが第一の相対位置にあるときは前記溝の一方の端部に前記凸部が位置して前記クラッチの前記第一クラッチ部と前記出力部材の前記第二クラッチ部とが離間し、
前記入力部材と前記クラッチとが前記第一の相対位置とは前記回転方向及び前記回転軸方向に相対位置が異なる第二の相対位置にあるときは前記溝の他方の端部に前記凸部が位置して前記クラッチの前記第一クラッチ部と前記出力部材の前記第二クラッチ部とが係合し、
前記抵抗部材から前記クラッチが抵抗を受けて前記クラッチの回転が前記入力部材の回転に対して遅れるときに前記入力部材と前記クラッチとが前記第一の相対位置から前記第二の相対位置に移動し、
前記入力部材と前記クラッチとが前記第二の相対位置にあるときに前記入力部材の回転が停止することで、前記入力部材と前記クラッチとが前記弾性体により前記回転方向の互いに反対側に付勢されて前記第二の相対位置から前記第一の相対位置に移動する
ことを特徴とする逆入力遮断クラッチ。
【請求項10】
前記入力部材と前記クラッチとが前記第一の相対位置にあるときに前記入力部材が回転方向のどちら回りに移動しても前記入力部材と前記クラッチとが前記第二の相対位置に移動する
ことを特徴とする請求項8に記載の逆入力遮断クラッチ。
【請求項11】
前記溝は端部が連結された一対の溝部を有し、
前記一対の溝部はそれぞれ前記回転方向に対して斜めに延在し、
前記凸部が一方の前記溝部内を一方の前記回転方向に移動すると前記クラッチが前記回転軸に沿った一方側に移動し、
前記凸部が他方の前記溝部内を他方の前記回転方向に移動すると前記クラッチが前記回転軸に沿った前記一方側に移動し、
前記一対の溝部の連結部分に前記凸部があるときに前記入力部材と前記クラッチとが前記第一の相対位置にあり、
前記一対の溝部それぞれの前記連結部分とは反対側の端部に前記凸部があるときに前記入力部材と前記クラッチとが前記第二の相対位置にある
ことを特徴とする請求項10に記載の逆入力遮断クラッチ。
【請求項12】
前記入力部材と前記クラッチとが前記第一の相対位置にあるときに前記入力部材が一方の回転方向に移動するときのみ前記入力部材と前記クラッチとが前記第二の相対位置に移動する
ことを特徴とする請求項8に記載の逆入力遮断クラッチ。
【請求項13】
前記ローターを収容するハウジングを更に備え、
前記ローターの外周面と前記ハウジングの内周面との間に前記抵抗部材として粘性流体が満たされる
ことを特徴とする請求項8または請求項10から請求項12のいずれが1項に記載の逆入力遮断クラッチ。
【請求項14】
前記ローターの外周面のうちの前記回転軸方向の他方側の面に、前記回転軸方向に平行な複数の溝を有するガイド溝部が形成され、前記ローターの外周面のうちの前記ガイド溝部が形成されていない前記回転軸方向の一方側の面は平滑に形成され、
前記ハウジングの内周面のうちの、前記ローターの外周面に形成された平滑な面に対向する面に、前記回転軸方向に平行な複数の溝を有するガイド溝部が形成され、前記ハウジングの内周面のうちの、前記ローターの外周面に形成された前記ガイド溝部に対向する面は平滑に形成される
ことを特徴とする請求項13に記載の逆入力遮断クラッチ。
【請求項15】
前記ハウジングは、有底筒状体の底面部の内側面に、前記回転軸方向に立設されて前記回転軸を中心軸とする内側円筒部が形成され、前記ローターの前記回転軸方向の一方側に形成された前記開口部側の外側面が前記内側面に接し、前記ロータの前記回転軸方向の一方側に形成された前記開口部に前記内側円筒部が挿入されて、前記ロータを内部に収容する
ことを特徴とする請求項13または請求項14に記載の逆入力遮断クラッチ。
【請求項16】
前記抵抗部材が前記ローターの回転に摺動抵抗を加える部材である
ことを特徴とする請求項8または請求項10から請求項12のいずれか1項に記載の逆入力遮断クラッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力側から加えられるトルクを出力側に伝達し、出力側から加えられるトルクを入力側に伝達しない逆入力遮断クラッチに関する。
【背景技術】
【0002】
逆入力遮断クラッチは、外部から入力されるトルクによって回転する入力部材と、入力部材の回転により回転して外部にトルクを伝える出力部材と、入力部材から出力部材へはトルクを伝える一方で出力部材から入力部材へはトルクを伝えないトルク伝達部材とを備えている。このような逆入力遮断クラッチは家庭用や業務用の様々な機器に組み込まれており、電動で動作する機器にも手動で動作する機器にも組み込まれている。
【0003】
下記特許文献1には、逆入力遮断クラッチに関する技術が開示されている。特許文献1に開示されている逆入力遮断クラッチは、入力部材としての入力外輪、出力部材としての出力内輪、及び、入力外輪と出力内輪との間に配置されるトルク伝達部材としての複数のローラを備えている。当該ローラは、同心円状に配置される入力外輪と出力内輪との間に形成される隙間に配置されるとともに、保持器によって保持されている。また、保持器はセンタリングばねによって入力外輪に連結されている。ローラが配置される隙間はローラの直径より間隔が広い部分とローラの直径より間隔が狭い部分とを有する楔状に形成されており、入力外輪が回転していない状態ではローラは当該隙間の広い部分に位置している。入力外輪が回転すると、センタリングばねで入力外輪に連結されている保持器も一緒に回転する。ただし、入力外輪がある程度回転すると保持器は間接的に摺動抵抗を受け、保持器の回転は入力外輪の回転に対して遅れる。保持器の回転が遅れることで入力外輪に対するローラの相対位置がずれ、ローラは上記隙間の狭い部分に食い込む。すなわち、ローラは入力外輪と出力内輪とに押さえられる。この状態ではローラが入力外輪と出力内輪とに接しているので、入力外輪に加えられるトルクがローラを介して出力内輪へと加えられ、入力外輪と共に出力内輪が回転する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−120715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に開示されている逆入力遮断クラッチでは、上述したように、ローラが入力外輪と出力内輪とに押さえられることによって入力外輪に加えられるトルクがローラを介して出力内輪へと伝達される。入力外輪の回転が止まった後に出力内輪から入力外輪へとトルクが伝わらないようにするためには、ローラが楔状の隙間の狭い部分から離脱し、ローラが入力外輪又は出力内輪から離れた状態にならなければならない。このローラの離脱が確実に行われるためには、ローラ、入力外輪及び出力内輪がそれぞれ金属のような硬質な材料で構成されることが好ましい。例えば、ローラ、入力外輪及び出力内輪のいずれかが樹脂のようなある程度の弾性を有する材料で構成される場合、ローラが楔状の隙間の狭い部分から離脱することが難しくなる場合がある。よって、特許文献1に開示されている逆入力遮断クラッチでは、ローラ、入力外輪及び出力内輪のいずれかが樹脂のようなある程度の弾性を有する材料で構成される場合、動作の安定性が劣る場合がある。
【0006】
しかし、逆入力遮断クラッチの製造コスト削減や軽量化等の観点から、逆入力遮断クラッチを構成する部材の材料として樹脂を使用したいという要望がある。
【0007】
そこで、本発明は、構成部材の材料として樹脂を用いる場合でも動作の安定性が影響を受けにくい逆入力遮断クラッチを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の逆入力遮断クラッチは、回転軸を中心に回転する入力部材と、前記回転軸を中心に回転する出力部材と、前記回転軸を中心に前記入力部材とともに回転するクラッチと、を備える逆入力遮断クラッチにおいて、前記入力部材は、一端にトルクが加えられる前記回転軸を中心軸とする円筒状の小径筒状部と、前記一端とは反対側の前記小径筒状部の端部を覆うように形成される前記回転軸を中心軸とする円筒状の第一側面部及び前記第一側面部の前記一端側の端に形成される第一底面部を有する有底筒状体で構成される大径筒状部と、を有し、前記クラッチは、前記回転軸を中心軸とする円筒状の第二側面部及び前記回転軸方向の一方側である前記入力部材側と反対側の端に設けられる第二底面部を有する有底筒状体からなり、前記第二底面部の中心部には貫通孔が形成され、前記第二底面部の前記回転軸方向の一方側の面に第一クラッチ部が形成され、前記出力部材は、円盤状の円盤部と、この円盤部の前記回転軸方向の一方側の面の中心部から立設する前記回転軸を中心軸とする円筒状の第一円筒部と、前記円盤部の前記回転軸方向の他方側の面の中心部から立設する前記回転軸を中心軸とする第二円筒部とを有し、前記円盤部の前記回転軸方向の一方側の側面に平滑面が形成され、前記円盤部の前記回転軸方向の他方側の側面に、前記回転軸方向において前記第一クラッチ部に対向配置される第二クラッチ部が形成され、前記入力部材の前記第一側面部の内周面と前記小径筒状部の外周面との間に前記第一底面部から前記回転軸に平行な方向に立設して形成される第一係止片と、前記クラッチの前記第二側面部の内側に前記第二底面部から前記回転軸に平行な方向に立設して形成される第二係止片との間に配置されて、前記入力部材と前記クラッチとの間に回転方向の付勢力を与える弾性体と、前記回転軸方向の一方側及び他方側に開口部が形成された円筒状のローター側面部を有し、前記ローター側面部の内周に形成された前記回転軸方向に直交する面に前記平滑面が当接させられて前記出力部材を収納し、前記第二円筒部に前記貫通孔が挿入されて前記クラッチを収納し、前記第二側面部に前記第一側面部が前記回転軸方向に直交する方向に重なって配置されて前記大径筒状部を収納する、前記クラッチに連動して回転するローターと、円盤状の円盤部とこの円盤部の中心部から前記回転軸方向に立設して前記小径筒状部が挿入される円筒状の円筒部とを有し、前記第一底面部を前記出力部材側に押し付けながら、前記ローターの前記回転軸方向の他方側に形成された前記開口部を封止するローターキャップと、前記ローターの回転に抵抗を加えることで、前記クラッチの回転に抵抗を加える抵抗部材と、を備え、前記クラッチは前記第二側面部の外周に係合部が形成され、前記ローターは、前記係合部に係合する幅を有し、前記係合部の前記回転軸に平行な方向の長さより長い被係合部が前記ローター側面部の内周に形成され、前記係合部に前記被係合部が係合させられることで、前記クラッチに連動して回転すると共に、前記クラッチとの間で前記回転軸方向に相対移動し、前記入力部材の前記第一側面部及び前記クラッチの前記第二側面部の一方が凸部を有するとともに他方が前記凸部に係合する溝を有し、前記溝は前記回転方向に対して斜めに延在し、前記入力部材と前記クラッチとが第一の相対位置にあるときは前記溝の一方の端部に前記凸部が位置して前記クラッチの前記第一クラッチ部と前記出力部材の前記第二クラッチ部とが離間し、前記入力部材と前記クラッチとが前記第一の相対位置とは前記回転方向及び前記回転軸方向に相対位置が異なる第二の相対位置にあるときは前記溝の他方の端部に前記凸部が位置して前記クラッチの前記第一クラッチ部と前記出力部材の前記第二クラッチ部とが係合し、前記抵抗部材から前記クラッチが抵抗を受けて前記クラッチの回転が前記入力部材の回転に対して遅れるときに前記入力部材と前記クラッチとが前記第一の相対位置から前記第二の相対位置に移動し、前記入力部材と前記クラッチとが前記第二の相対位置にあるときに前記入力部材の回転が停止することで、前記入力部材と前記クラッチとが前記弾性体により前記回転方向の互いに反対側に付勢されて前記第二の相対位置から前記第一の相対位置に移動することを特徴とする。
【0009】
本発明の逆入力遮断クラッチによれば、入力部材が回転するとき、入力部材に係合するクラッチも回転する。そして、クラッチが抵抗部材から抵抗を受けてクラッチの回転が入力部材の回転に対して遅れるとき、入力部材とクラッチとが第一の相対位置から第二の相対位置に移動する。すなわち、回転方向及び回転軸方向における入力部材とクラッチとの相対位置が変わり、クラッチは出力部材から離間している位置から出力部材に係合する位置へと移動する。その結果、入力部材から出力部材へとクラッチを介してトルクが伝わるようになり、入力部材と共に出力部材が回転し、トルクを外部に伝えることができる。また、入力部材が回転していないときは入力部材とクラッチとを第一の相対位置へ移動させることによって、クラッチを出力部材から離間させることができるので、出力部材から入力部材へとトルクが伝わらないようにすることができる。このような本発明の逆入力遮断クラッチによれば、入力部材、クラッチ及び出力部材が弾性を有していても入力部材とクラッチとを第二の相対位置から第一の相対位置に戻すことが容易である。よって、本発明の逆入力遮断クラッチは入力部材、クラッチ及び出力部材を構成する材料として樹脂を用いても動作の安定性が影響を受けにくい。従って、逆入力遮断クラッチを構成する部材の材料として樹脂を用いることによって、逆入力遮断クラッチの製造コスト削減や軽量化等を図ることができる。
また、本発明の逆入力遮断クラッチは、前記クラッチに連動して回転するローターを備え、前記抵抗部材が前記ローターの回転に抵抗を加えることによって、ローターを介して間接的にクラッチの回転に抵抗を加えることができる。
また、入力部材の回転が止まった後、入力部材から出力部材へとトルクが伝わらないようにするためには、クラッチと出力部材とを離間させればよい。すなわち、クラッチと出力部材とが離間するように、入力部材とクラッチとを第二の相対位置から第一の相対位置へと移動させればよい。よって、入力部材とクラッチとが第二の相対位置にあるときに入力部材及びクラッチを前記回転方向の互いに反対側に付勢する弾性体が用いられることによって、入力部材の回転が止まった後に当該弾性体の付勢力によってクラッチを回転させることができ、入力部材とクラッチとを第二の相対位置から第一の相対位置へ自動的に戻すことができる。
【0010】
また、本発明の逆入力遮断クラッチは、前記入力部材と前記クラッチとが前記第一の相対位置にあるときに前記入力部材が回転方向のどちら回りに移動しても前記入力部材と前記クラッチとが前記第二の相対位置に移動することが好ましい。
このような形態とすることによって、入力部材をどちらに回してもクラッチを出力部材に係合させることができる。従って、入力部材がどちらに回転する場合にも出力部材を回転させることができる。
【0011】
また、本発明の逆入力遮断クラッチにおいて入力部材がどちら回りに回転する場合にも出力部材を回転させたい場合、前記溝は端部が連結された一対の溝部を有し、前記一対の溝部はそれぞれ前記回転方向に対して斜めに延在し、前記凸部が一方の前記溝部内を一方の前記回転方向に移動すると前記クラッチが前記回転軸に沿った一方側に移動し、前記凸部が他方の前記溝部内を他方の前記回転方向に移動すると前記クラッチが前記回転軸に沿った前記一方側に移動し、前記一対の溝部の連結部分に前記凸部があるときに前記入力部材と前記クラッチとが前記第一の相対位置にあり、前記一対の溝部それぞれの前記連結部分とは反対側の端部に前記凸部があるときに前記入力部材と前記クラッチとが前記第二の相対位置にあることが好ましい。
このような形態の逆入力遮断クラッチによれば、入力部材がどちら回りに回転しても入力部材とクラッチとを第二の相対位置に移動させることができる。従って、入力部材がどちらに回転する場合にも出力部材を回転させることができる。
【0012】
また、本発明の逆入力遮断クラッチは、前記入力部材と前記クラッチとが前記第一の相対位置にあるときに前記入力部材が一方の回転方向に移動するときのみ前記入力部材と前記クラッチとが前記第二の相対位置に移動することも好ましい。
このような形態とすることによって、入力部材が一方の回転方向に移動する場合にのみクラッチを出力部材に係合させることができる。従って、入力部材が一方向に回転する場合のみ出力部材を回転させることができる。
【0015】
また、本発明の逆入力遮断クラッチは、前記ローターを収容するハウジングを更に備え、前記ローターの外周面と前記ハウジングの内周面との間に前記抵抗部材として粘性流体が満たされることが好ましい。
抵抗部材としてローターに抵抗を加える粘性流体を用いることによって、クラッチは当該粘性流体のせん断抵抗により間接的に抵抗を受ける。また、この形態では、ローターの回転が速くなる程ローターの回転に大きな抵抗を加えることができる。よって、入力部材の回転を速くすると入力部材に係合するクラッチ及びクラッチと連動するローターの回転も速くなり、ローターの回転に加わる抵抗が大きくなる。ローターの回転に加わる抵抗が大きくなると、クラッチの回転が入力部材の回転に対して遅れやすくなるので、入力部材とクラッチとが第二の相対位置にある状態を維持し易くなり、クラッチと出力部材とが係合した状態を維持しやすくなる。すなわち、この形態では入力部材の回転が速い程、入力部材からクラッチを介して出力部材へとトルクが伝わりやすくなる。
【0016】
本発明の逆入力遮断クラッチに上記のように抵抗部材として粘性流体が用いられる場合、ローターが止まっているときには抵抗部材からローターに抵抗が加えられず、ローターが回転し始めるときやローターの回転が遅いときには抵抗部材からローターに加えられる抵抗が小さくなる。そのため、入力部材の回転が止まってローターの回転も止まった状態から再びローターを回転させるとき、弱い力でローター及びローターに連動するクラッチを回転させることができる。
【0017】
また、本発明の逆入力遮断クラッチは、前記抵抗部材が前記ローターの回転に摺動抵抗を加える部材であることも好ましい。
抵抗部材として摺動抵抗を加える部材を用いる場合、ローターに連動するクラッチが回転し始める当初からクラッチに大きな抵抗が加えられる。そのため、入力部材が回転し始める当初からクラッチの回転を入力部材の回転に対して遅らせやすくなるので、入力部材が回転し始める当初から入力部材とクラッチとの相対位置がずらされてクラッチと出力部材とが係合する。従って、抵抗部材として摺動抵抗を加える部材を用いることによって、入力部材が回転し始める当初から出力部材へとトルクを伝達しやすくなる
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明の逆入力遮断クラッチによれば、構成部材の材料として樹脂を用いる場合でも動作の安定性が影響を受けにくい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態に係る逆入力遮断クラッチの分解斜視図である。
図2図1に示す逆入力遮断クラッチを異なる方向から見る分解斜視図である。
図3図1に示す入力部材の斜視図である。
図4図1に示す入力部材を他の方向から見る斜視図である。
図5図1に示すクラッチの斜視図である。
図6図1に示すクラッチを他の方向から見る斜視図である。
図7図1に示すクラッチを更に他の方向から見る斜視図である。
図8図1に示すねじりばねの斜視図である。
図9図1に示す出力部材の斜視図である。
図10図1に示す出力部材を他の方向から見る斜視図である。
図11図1に示すローターの斜視図である。
図12図1に示すローターの回転軸を含む面で破断した断面図である。
図13図1に示すハウジングの斜視図である。
図14図1に示す逆入力遮断クラッチの側面図である。
図15図1に示す逆入力遮断クラッチの回転軸を通る面で破断した断面図であって、クラッチが出力部材から離間している状態を示す図である。
図16図1に示す逆入力遮断クラッチの側面図であって、クラッチが出力部材から離間している状態を示す図である。
図17】クラッチが出力部材から離間しているときの図14に示すB−B’断面矢示図である。
図18図1に示す逆入力遮断クラッチの回転軸を通る面で破断した断面図であって、クラッチが出力部材と係合している状態を示す図である。
図19図1に示す逆入力遮断クラッチの側面図であって、クラッチが出力部材と係合している状態を示す図である。
図20】クラッチが出力部材と係合しているときの図14に示すB−B’断面矢示図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る逆入力遮断クラッチの好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
図1は、本実施形態に係る逆入力遮断クラッチの分解斜視図である。図2は、図1とは異なる方向から見る本実施形態に係る逆入力遮断クラッチの分解斜視図である。図1図2及び以下に示す各図において、見易さのため符号を一部省略している場合がある。
【0022】
本実施形態の逆入力遮断クラッチ1は、ハウジング10、ローター20、第一シール部材30、出力部材40、クラッチ50、ねじりばね60、入力部材70、ローターキャップ80、第二シール部材35、ハウジングキャップ90、及び、図に示していない粘性流体を有している。これらの部材のうち粘性流体を除く部材は図1及び図2に一点鎖線で示す回転軸に沿って配置される。また、ローター20、出力部材40、クラッチ50、ねじりばね60及び入力部材70は、図1及び図2に一点鎖線で示す回転軸を中心にハウジング10に対して回転できるように構成されている。以下、これらの構成部材について詳細に説明する。なお、以下の説明において、回転軸とは図1及び図2に一点鎖線で示す回転軸を意味し、回転軸方向とは当該回転軸が延在する方向を意味し、回転方向とは当該回転軸を中心として回転する方向を意味し、径方向とは当該回転軸に垂直な方向を意味する。
【0023】
図3は入力部材70の斜視図である。図4は入力部材70を他の方向から見る斜視図である。入力部材70は、外部から加えられるトルクによって回転軸を中心に回転する部材である。入力部材70は一端に切り欠き71が形成されている円筒状の小径筒状部72を有しており、当該切り欠き71に係合される棒状又は板状の部材からトルクが加えられて、入力部材70は回転する。
【0024】
また、入力部材70は小径筒状部72の切り欠き71が形成されている側とは反対側の端部を覆うように形成される大径筒状部73を有している。大径筒状部73は回転軸を中心軸とする円筒状の第一側面部76と第一側面部76の切り欠き71側の端に形成される底面部77とを有する有底筒状体の部位である。底面部77は中心部に貫通孔を有するとともに小径筒状部72が当該貫通孔を貫通しており、底面部77と小径筒状部72とは一体となっている。また、底面部77には中心部に形成される上記貫通孔以外に当該貫通孔を挟んで対向する位置に他の貫通孔78,79が形成されている。貫通孔78,79は後述する第一係止片75を含む第一側面部76の内側の形状を容易に形成するための孔である。また、第一側面部76の外側にはガイド部74が形成されている。ガイド部74は、第一側面部76から径方向外側に突出する凸部である。本実施形態の入力部材70ではガイド部74は4つ形成されているが、ガイド部74の数は特に限定されず、入力部材70の大きさ等に応じて適切な数のガイド部74が形成される。
【0025】
また、第一側面部76の内周面と小径筒状部72の外周面との間には第一係止片75が形成されている。第一係止片75は底面部77から回転軸に平行な方向に立設している。第一係止片75の回転軸方向に垂直な断面の形状は半円弧状である。ただし、第一係止片75の回転方向の一方の端部には、底面部77の反対側において回転方向に突出した突出部75aが形成されている。
【0026】
図5はクラッチ50の斜視図である。図6はクラッチ50を他の方向から見る斜視図である。図7はクラッチ50を更に他の方向から見る斜視図である。クラッチ50は後述するように回転軸を中心に入力部材70とともに回転し、入力部材70から出力部材40にトルクを伝える部材である。クラッチ50は回転軸を中心軸とする円筒状の第二側面部51と第二側面部51の端部に設けられる底面部52とを有する有底筒状体の部材である。底面部52の中心部には貫通孔53が形成されており、底面部52の外側の面には貫通孔53の周囲に第一クラッチ部56が形成されている。第一クラッチ部56は、径方向に沿って延在する凹部及び凸部が回転方向に沿って交互に複数並列される部位である。また、底面部52には貫通孔59が形成されている。貫通孔59は後述する第二係止片55を含む第二側面部51の内側の形状を容易に形成するための孔である。
【0027】
また、第二側面部51は入力部材70のガイド部74に係合する案内溝54を有している。案内溝54は、端部が連結された一対の溝部である第一溝部541と第二溝部542とを有する。一対の溝部541,542はそれぞれ回転方向に対して斜めに延在している。また、ガイド部74が第一溝部541内を一方の回転方向に移動すると回転軸に沿った一方側にクラッチ50が移動し、ガイド部74が第二溝部542内を他方の回転方向に移動すると回転軸に沿った上記一方側にクラッチ50が移動するように、一対の溝部541,542は形成されている。すなわち、案内溝54は回転方向の中央部54aにおいて第一溝部541の一方の端部と第二溝部542の一方の端部とが連結しており、中央部54aから第一溝部541の他方の端部54bと第二溝部542の他方の端部54cに向かうにつれて底面部52から離れる方向に延在している。また、第一溝部541の端部54bには回転軸に平行な方向に延在する溝である導入溝58が連結しており、導入溝58は第二側面部51の底面部52とは反対側の端部まで延在している。なお、本実施形態のクラッチ50では案内溝54及び導入溝58が第二側面部51の内周面側から外周面側まで第二側面部51の肉が削がれて貫通している溝となっているが、案内溝54及び導入溝58はガイド部74と係合できる溝であれば良く、第二側面部51の内周面側の肉が彫られて形成される貫通していない溝でもよい。
【0028】
また、第二側面部51には係合凸部57が形成されている。係合凸部57は第二側面部51から径方向外側に突出する凸部である。係合凸部57は後述するローター20の係合凹部27と係合する。
【0029】
さらに、第二側面部51の内側には第二係止片55が形成されている。第二係止片55は底面部52から回転軸に平行な方向に立設している。第二係止片55の回転軸方向に垂直な断面の形状は半円弧状である。ただし、第二係止片55の回転方向の一方の端部には、底面部52の反対側において回転方向に突出した突出部55aが形成されている。なお、上述した突出部75aが突出する方向と突出部55aが突出する方向とは、回転方向において互いに反対側である。
【0030】
図8はねじりばね60の斜視図である。ねじりばね60は螺旋状に巻回された線材からなる螺旋部61と螺旋部61を構成する線材の両端部がそれぞれ径方向外側に折り曲げられて形成される二つの係止部62a,62bとを有する弾性体である。
【0031】
図9は出力部材40の斜視図である。図10は出力部材40を他の方向から見る斜視図である。出力部材40は回転軸を中心に回転して外部にトルクを伝える部材である。出力部材40は円盤状の円盤部41と円盤部41の中心部から立設する円筒状の円筒部42及び円筒部43とを有している。円筒部42は回転軸を中心とする円筒状の部位であり、円盤部41の一方の面から回転軸方向に立設している。また、円筒部43は回転軸を中心とする円筒状の部位であり、円盤部41の他方の面から回転軸方向に立設している。
【0032】
円盤部41のうち円筒部43が立設する側の面には円筒部43の周囲に第二クラッチ部46が形成されている。第二クラッチ部46は、円盤部41の径方向に沿って延在する凹部及び凸部が回転方向に沿って交互に複数並列された部位である。第二クラッチ部46は後述するようにクラッチ50の第一クラッチ部56と係合する。
【0033】
一方、円盤部41の第二クラッチ部46と反対側の面45は平滑な面である。当該平滑面45側に立設する円筒部42の中空部は、回転軸方向に垂直な断面の形状が円の一部を切り欠いた形状になっている。当該中空部に当該中空部の形状に合う棒状の部材が挿入されることにより、出力部材40が回転するときに当該棒状の部材を介してトルクが外部に出力される。
【0034】
図11はローター20の斜視図である。図12はローター20の回転軸を含む面で破断した断面図である。ローター20は円筒状の側面部26を有する。側面部26の内側には径方向に延在する複数の面によって複数の段差が形成されており、側面部26の内径は一方の開口部24から他方の開口部25に向かうにつれて段階的に小さくなっている。具体的には、一方の開口部24から他方の開口部25に向かって、径方向に延在する第一面21a、第二面22a、第三面23aが順に形成されている。また、開口部24と第一面21aとの間には円筒状の第一内周面21bが形成され、第一面21aと第二面22aとの間には円筒状の第二内周面22bが形成され、第二面22aと第三面23aとの間には円筒状の第三内周面23bが形成されている。
【0035】
また、ローター20はクラッチ50と連動して回転する筒状の部材であり、第二内周面22bにはクラッチ50の係合凸部57と係合する係合凹部27が形成されている。係合凹部27は第一面21aから回転軸に平行な方向に延在する凹部である。係合凸部57は係合凹部27の第一面21a側から挿入されて係合する。本実施形態のクラッチ50は図6及び図7に示すように4つの係合凸部57を有しており、係合凹部27は係合凸部57の数に応じて4つ形成されているが、図11には2つの係合凹部27のみ表れている。ただし、係合凹部27及び係合凸部57の数は特に限定されない。
【0036】
さらに、側面部26の外周面のうち開口部24側には複数の溝を有するガイド溝部28が形成されている。ガイド溝部28は回転軸方向に平行な溝が複数形成される部位である。ローター20の外周面のうちガイド溝部28が形成されていない開口部25側の面29は平滑な面になっている。
【0037】
図13はハウジング10の斜視図である。ハウジング10は円筒状の側面部11と側面部11の一方の端部に設けられる底面部12とを有する有底筒状体の部材である。側面部11の外周面には径方向外側に突出した固定部13が形成されている。固定部13をねじ等の公知の固定手段によって逆入力遮断クラッチ1が備えられる機器に固定することによって、逆入力遮断クラッチ1が当該機器に固定される。
【0038】
また、側面部11の内周面のうち底面部12側の部分には複数の溝を有するガイド溝部15が形成されている。ガイド溝部15は回転軸方向に平行な溝が複数形成される部位である。側面部11の内周面のうちガイド溝部15が形成されていない開口部18側の面16は平滑な面になっている。
【0039】
さらに、ハウジング10の内側において底面部12の中心部には回転軸方向に立設し回転軸を中心軸とする円筒状の円筒部14が形成されている。
【0040】
次に、逆入力遮断クラッチ1を構成する部材が組み立てられた状態について説明しつつ、これまでに説明していない逆入力遮断クラッチ1の構成部材について説明する。図14は逆入力遮断クラッチ1の側面図である。図15図14に示すA−A’線を通る断面、すなわち逆入力遮断クラッチ1の回転軸を通る断面の図であって、クラッチ50が出力部材40から離間している状態を示す図である。図16は逆入力遮断クラッチ1の側面図であって、クラッチ50が出力部材40から離間している状態を示す図である。なお、図16では説明の便宜上、ローター20、ハウジング10及びハウジングキャップ90は省略している。図17は、クラッチ50が出力部材40から離間しているときの図14に示すB−B’断面矢示図である。
【0041】
ローター20は開口部25側の外側の面がハウジング10の底面部12の内側の面と接するようにハウジング10に収容される。また、ハウジング10の円筒部14はローター20の開口部25に挿入される。円筒部14の外径と開口部25の内径とは略同じ大きさである。従って、ローター20は回転するときに径方向にぶれることが抑制される。さらに、ハウジング10のガイド溝部15とローター20の平滑面29とが対向するとともに、ハウジング10の平滑面16とローター20のガイド溝部28とが対向する。このようにハウジング10の内周面及びローター20の外周面が形成されることによって、ハウジング10の内周面とローター20の外周面との間に抵抗部材である粘性流体を注入しやすくなる。
【0042】
図には示していないが、ハウジング10のガイド溝部15及び平滑面16とローター20の平滑面29及びガイド溝部28との間にはローター20の回転に抵抗を加える抵抗部材として粘性流体が満たされる。この粘性流体としては、例えば、温度による粘度変化が少ないなどの観点からシリコーンオイルを用いることが好ましい。
【0043】
出力部材40は、円盤部41の平滑面45がローター20の第二面22aに接するようにローター20に収容される。また、後述するように出力部材40の円筒部43が入力部材70によって押さえられるため、平滑面45は第二面22aに押し付けられ、出力部材40の回転軸方向の位置が固定される。そして、平滑面45が第二面22aに接しながら出力部材40が回転するため、第二面22aはスラスト軸受面とされる。また、出力部材40の円筒部42はハウジング10の円筒部14に挿入される。円筒部42の外径と円筒部14の内径とは略同じ大きさである。従って、円筒部14は軸受とされ、出力部材40は回転するときに径方向にぶれることが抑制される。
【0044】
第一シール部材30は円形の部材であって、ローター20の第三面23a及び第三内周面23bとハウジング10の円筒部14の外周面と出力部材40の平滑面45とによって形成される空間においてこれらの部材に接するように配置される。第一シール部材30がこのように配置されることによって、ローター20の外周面とハウジング10の内周面との間に注入される粘性流体がハウジング10から外部に漏洩したりローター20の内側に侵入したりすることが防止される。
【0045】
クラッチ50は第一クラッチ部56が出力部材40の第二クラッチ部46と対向するようにローター20に収容される。また、クラッチ50の底面部52の貫通孔53には出力部材40の円筒部43が挿入される。貫通孔53の内径と円筒部43の外径は略同じ大きさである。従って、クラッチ50の回転軸と出力部材40の回転軸とが同じになり、クラッチ50は回転するときに径方向にぶれることが抑制される。
【0046】
また、図には現れていないが、クラッチ50の係合凸部57はローター20の係合凹部27と係合する。係合凹部27の回転方向の幅は係合凸部57の回転方向の幅とほぼ同じ大きさであり、係合凹部27の回転軸に平行な方向の長さは係合凸部57の回転軸に平行な方向の長さより長く形成されている。従って、係合凸部57と係合凹部27とが係合することによって、クラッチ50はローター20と連動して回転し、クラッチ50はローター20に対して回転軸方向には相対移動が可能となる。
【0047】
入力部材70は大径筒状部73を含む一部分がローター20に収容される。また、入力部材70は切り欠き71がローター20及びハウジング10から突出するように配置され、小径筒状部72の切り欠き71と反対側の端面は出力部材40の円筒部43の端面と接するようにローター20に収容される。そして大径筒状部73の底面部77が後述するローターキャップ80によって出力部材40側に押し付けられる。これにより、入力部材70と出力部材40との回転軸方向における相対位置が固定される。
【0048】
また、入力部材70は、第一係止片75と第一側面部76との間にクラッチ50の第二係止片55が配置されるとともに、クラッチ50の第二側面部51と第二係止片55との間に第一側面部76が配置されるように、クラッチ50と組み合わせられる。さらに、第一係止片75と第二係止片55とは径方向に重なるように配置される。
【0049】
さらに、入力部材70のガイド部74はそれぞれクラッチ50の導入溝58から案内溝54へと挿入されて案内溝54と係合する。ガイド部74と案内溝54とが係合することによって、ガイド部74は案内溝54に沿って移動する。すなわち、クラッチ50は、回転方向における入力部材70との相対位置に応じて回転軸方向における入力部材70との相対位置が変わるように入力部材70に係合している。入力部材70が回転していない状態では図16に示すようにガイド部74は案内溝54の中央部54aに位置しており、入力部材70とクラッチ50とがこの位置関係にあるときはクラッチ50が出力部材40から離間している。このようにクラッチ50と出力部材40とが離間しているときの入力部材70とクラッチ50との相対位置を第一の相対位置という。一方、クラッチ50と出力部材40とが係合しているときの入力部材70とクラッチ50との相対位置を第二の相対位置という。第一の相対位置と第二の相対位置とでは、回転方向及び回転軸方向において入力部材70とクラッチ50との相対位置が異なる。
【0050】
ねじりばね60は、螺旋部61が入力部材70の小径筒状部72の外周面と第一係止片75との間に位置するように配置される。そして、クラッチ50が出力部材40から離間している状態、すなわち、入力部材70とクラッチ50とが第一の相対位置にあるときは、係止部62a,62bはそれぞれ第一係止片75及び第二係止片55の回転方向端部に接している。また、係止部62aはクラッチ50の底面部52と第二係止片55の突出部55aとの間に配置され、係止部62bが大径筒状部73の底面部77と第一係止片75の突出部75aとの間に配置されることによって、ねじりばね60が回転軸方向にずれて外れることが防止される。
【0051】
ローターキャップ80はローター20の開口部24を封止する部材である。図15に示すように、ローターキャップ80は円盤状の円盤部81と円盤部81の中心部から回転軸方向に立設する円筒状の円筒部82とを有する。また、円盤部81の外周部には回転方向に沿った溝が形成されており、当該溝にはリング状のシール部材83が配置されている。このシール部材83がローター20の第一内周面21bに押し付けられるようにローターキャップ80が配置されることによって、開口部24が封止される。また、円筒部82には入力部材70の小径筒状部72が挿入される。円筒部82の内径と小径筒状部72の外径は略同じ大きさである。従って、円筒部82は軸受となり、入力部材70は回転するときに径方向にぶれることが抑制される。
【0052】
ハウジングキャップ90はハウジング10の開口部18を封止する部材である。ハウジングキャップ90は中心部に貫通孔91(図1及び図2参照)を有する円盤状の部材である。また、図15に示すように、ハウジングキャップ90はハウジング10の内側となる面において貫通孔91の周囲に凹部92を有する。さらに、ハウジングキャップ90の外周部には回転方向に沿った溝が形成されており、当該溝にはリング状のシール部材93が配置されている。このシール部材93がハウジング10の内周面に押し付けられるようにハウジングキャップ90が配置されることによって、開口部18が封止される。また、貫通孔91にはローターキャップ80の円筒部82が挿入される。貫通孔91の内径と円筒部82の外径は略同じ大きさである。
【0053】
第二シール部材35は円形の部材であって、ローターキャップ80とハウジングキャップ90の凹部92とによって形成される空間においてこれらの部材に接するように配置される。第二シール部材35がこのように配置されることによって、ローター20の外周面とハウジング10の内周面との間に注入される粘性流体がハウジング10から外部に漏洩することが防止される。
【0054】
次に、逆入力遮断クラッチ1の動作について説明する。図18図14に示すA−A’線を通る断面、すなわち逆入力遮断クラッチ1の回転軸を通る断面の図であって、クラッチ50が出力部材40と係合している状態を示す図である。図19は逆入力遮断クラッチ1の側面図であって、クラッチ50が出力部材40と係合している状態を示す図である。なお、図19では説明の便宜上、ローター20、ハウジング10及びハウジングキャップ90は省略している。図20はクラッチ50が出力部材40と係合しているときの図14に示すB−B’断面矢示図である。
【0055】
入力部材70が回転し始める前の状態では、ねじりばね60の係止部62a,62bはそれぞれ第一係止片75及び第二係止片55の回転方向端部に係止している。そして、入力部材70が回転し始める前の状態では、ねじりばね60の付勢力によって入力部材70とクラッチ50の相対位置が調整され、図16に示すようにガイド部74が案内溝54の中央部54aに位置している。このように入力部材70とクラッチ50とが第一の相対位置にあるとき、クラッチ50は出力部材40から離間しており、出力部材40の第二クラッチ部46とクラッチ50の第一クラッチ部56は係合していない。従って、出力部材40が回転してもそのトルクは入力部材70へ伝わらない。
【0056】
上記のように入力部材70とクラッチ50とが第一の相対位置にある状態から入力部材70が回転し始めると、ねじりばね60、クラッチ50及びローター20も回転する。そして、入力部材70の回転数がある程度に達すると、ハウジング10とローター20の間に介在している抵抗部材である粘性流体からローター20が受けるせん断抵抗が増大する。そして、ローター20が抵抗部材から受ける抵抗力がねじりばね60の弾性力に勝ると、ねじりばね60が撓んでローター20及びローター20に連動して回転するクラッチ50の回転が入力部材70の回転に対して遅れる。このようにクラッチ50の回転が入力部材70の回転に対して遅れると、ガイド部74は案内溝54内を回転方向端部に向かって移動する。詳細には以下の通りである。ガイド部74と案内溝54とが係合しているので、回転軸方向における入力部材70とクラッチ50との相対位置がずれるとき、ガイド部74は案内溝54に沿って中央部54aから端部54b又は端部54cへと移動する。ガイド部74が端部54b側へ移動するか端部54c側へ移動するかは入力部材70の回転方向に依存する。図19及び図20に示す例では、入力部材70の切り欠き71が突出している側から逆入力遮断クラッチ1を見たときに反時計方向になるように入力部材70を回転させており、ガイド部74は端部54c側へ移動している。ガイド部74が案内溝54の端部54cへ移動すると、クラッチ50が回転軸方向において入力部材70から離れて出力部材40側に移動する。そして、クラッチ50の第一クラッチ部56が出力部材40の第二クラッチ部46に押し付けられて噛み合う。このように、抵抗部材からクラッチ50が抵抗を受けてクラッチ50の回転が入力部材70の回転に対して遅れるときに入力部材70とクラッチ50とが第一の相対位置から第二の相対位置に移動する。そして、入力部材70、ねじりばね60、クラッチ50、出力部材40及びローター20が一体になって回転し、入力部材70のトルクがクラッチ50を介して出力部材40に伝達される。
【0057】
逆入力遮断クラッチ1によれば、抵抗部材としてローター20に抵抗を加える粘性流体を用いることによって、クラッチ50は当該粘性流体のせん断抵抗により間接的に抵抗を受ける。また、この形態では、ローター20の回転が速くなる程ローター20の回転に大きな抵抗を加えることができる。よって、入力部材70の回転を速くすると入力部材70に係合するクラッチ50及びクラッチ50と連動するローター20の回転も速くなり、ローター20の回転に加わる抵抗が大きくなる。ローター20の回転に加わる抵抗が大きくなると、クラッチ50の回転が入力部材70の回転に対して遅れやすくなるので、入力部材70とクラッチ50とが第二の相対位置にある状態を維持し易くなり、クラッチ50と出力部材40とが係合した状態を維持しやすくなる。すなわち、この形態では入力部材70の回転が速い程、入力部材70からクラッチ50を介して出力部材40へとトルクが伝わりやすくなる。ここで、温度による粘度変化が少ないシリコーンオイルなどが粘性流体として用いられることによって、粘性流体の温度が変化しても粘性流体からローター20の回転に加えられる抵抗が変化することが抑制される。従って、粘性流体の温度が変化する場合であっても、クラッチ50と出力部材40とを係合させるときに必要となる入力部材70の回転数が変化することが抑制される。
【0058】
また、入力部材70の回転が止まった後、入力部材70から出力部材40へとトルクが伝わらないようにするためには、クラッチ50と出力部材40とが離間されればよい。すなわち、クラッチ50と出力部材40が離間するように、入力部材70とクラッチ50とを第二の相対位置から第一の相対位置へと移動させればよい。入力部材70の回転が停止すると、ねじりばね60、クラッチ50、出力部材40及びローター20も停止する。このとき、ハウジング10の内周面とローター20の外周面との間に介在している粘性流体からローター20に加えられるせん断抵抗が消失する。そして、この状態ではねじりばね60は上述したように撓んでいるため、ねじりばね60が元の状態に戻ろうとするときに働く力によって第一係止片75及び第二係止片55が付勢される。すなわち、クラッチ50が出力部材40と係合する位置にあるときには入力部材70及びクラッチ50はねじりばね60によって回転方向の互いに反対側に付勢される。このねじりばね60の付勢力によって、ガイド部74が案内溝54の中央部54aに位置するようにクラッチ50が回転させられ、クラッチ50の第一クラッチ部56が出力部材40の第二クラッチ部46から切り離される。
【0059】
このように、抵抗部材として粘性流体を用いることによって、ローター20の回転が止まっているときには抵抗部材からローター20に抵抗が加えられず、ローター20が回転し始めるときやローター20の回転が遅いときには抵抗部材からローター20に加えられる抵抗が小さくなる。そのため、入力部材70の回転が止まってローター20の回転も止まった状態から再びローター20を回転させるとき、弱い力でローター20及びローター20に連動するクラッチ50を回転させることができる。よって、入力部材70とクラッチ50とが第二の相対位置にあるときに入力部材70及びクラッチ50を互いに反対側に付勢するねじりばね60が用いられることによって、入力部材70の回転が止まった後にねじりばね60の付勢力によってクラッチ50を回転させることができ、入力部材70とクラッチ50とを第二の相対位置から第一の相対位置へ自動的に戻すことができる。
【0060】
このような逆入力遮断クラッチ1によれば、入力部材70、クラッチ50及び出力部材40が弾性を有していても入力部材70とクラッチ50とを第二の相対位置から第一の相対位置に戻すことが容易である。よって、逆入力遮断クラッチ1は入力部材70、クラッチ50及び出力部材40を構成する材料として樹脂を用いても動作の安定性が影響を受けにくい。従って、逆入力遮断クラッチ1を構成する部材の材料として樹脂を用いることによって、逆入力遮断クラッチ1の製造コスト削減や軽量化等を図ることができる。
【0061】
これまでの本発明に係る逆入力遮断クラッチの説明では、入力部材70がガイド部74を有するとともにクラッチ50がガイド部74に係合する案内溝54を有する形態について説明した。ただし、本発明は係る形態に限定されず、クラッチがガイド部を有するとともに入力部材がガイド部に係合する案内溝を有する形態であってもよい。
【0062】
また、これまでの本発明に係る逆入力遮断クラッチの説明では、入力部材70とクラッチ50とが第一の相対位置にあるときに入力部材70がどちら回りに回転しても入力部材70とクラッチ50とが第二の相対位置に移動する形態について説明した。このような形態とすることによって、入力部材70が回転軸を中心にどちら回りに回転してもクラッチ50が出力部材40と係合する。従って、入力部材70がどちらに回転する場合にも出力部材40を回転させることができる。ただし、本発明は係る形態に限定されず、逆入力遮断クラッチの用途に応じて、入力部材が回転方向の一方に回転する場合にのみ出力部材を回転させられる形態であってもよい。すなわち、入力部材とクラッチとが第一の相対位置にあるときに入力部材が回転方向の一方に回転するときのみ、入力部材とクラッチとが第二の相対位置に移動する形態としてもよい。この場合、入力部材及びクラッチの一方が凸部を有するとともに他方が凸部に係合する案内溝を有し、案内溝は回転方向に対して斜めに延在し、案内溝の一方の端部に凸部があるときに入力部材とクラッチとが第一の相対位置にあり、案内溝の他方の端部に凸部があるときに入力部材とクラッチとが第二の相対位置にある形態とすることができる。例えば、上述した案内溝54において第一溝部541及び第二溝部542のどちらか一方がない形態とすればよい。このような形態とすることによって、入力部材が回転方向の一方に回転する場合にのみクラッチを出力部材に係合させることができる。従って、入力部材が一方向に回転する場合のみ出力部材を回転させることができる。
【0063】
また、これまでの本発明に係る逆入力遮断クラッチの説明では、抵抗部材として粘性流体が用いられる形態について説明したが、本発明は係る形態に限定されない。本発明において抵抗部材は、クラッチの回転に抵抗を加えてクラッチの回転を入力部材の回転に対して遅らせることができるものであれば良い。抵抗部材の他の例としては、摺動抵抗を加える部材が挙げられる。抵抗部材のより具体的な他の例としては、ローターの外周面に接するように配置されるゴム、金属、樹脂、繊維強化樹脂等が挙げられる。抵抗部材としてローターに摺動抵抗を加える部材を用いる場合、ローターが回転し始める当初からローターに大きな抵抗が加えることができる。そのため、入力部材が回転し始める当初からローターに連動するクラッチの回転を入力部材の回転に対して遅らせることができるので、入力部材が回転し始める当初から入力部材とクラッチとの相対位置がずらされてクラッチと出力部材とが係合する。従って、抵抗部材としてローターに摺動抵抗を加える部材を用いることによって、入力部材が回転し始める当初から出力部材へとトルクを伝達することができる。
【0064】
また、これまでの本発明に係る逆入力遮断クラッチの説明では、抵抗部材がローターの回転に抵抗を加えることで間接的にクラッチの回転に抵抗を加える形態について説明したが、本発明は係る形態に限定されない。本発明において抵抗部材はクラッチに直接抵抗を加える部材であってもよい。
【0065】
また、これまでの本発明に係る逆入力遮断クラッチの説明では、ねじりばね60を用いることによって入力部材の回転が止まった後に自動的にクラッチと出力部材とを離間させる形態について説明したが、本発明は係る形態に限定されない。ねじりばね60に替えて板ばね等の他の弾性体をねじりばね60と同様に用いることができる。また、弾性体が用いられずに、入力部材の回転が止まった後に手動で入力部材を回転していた方向とは反対方向に回転させることによって入力部材とクラッチとの相対位置が第一の相対位置に戻され、クラッチと出力部材とが離間されてもよい。
【0066】
また、これまでの本発明に係る逆入力遮断クラッチの説明では、回転軸に沿って入力部材、クラッチ、出力部材の順で配置される形態について説明したが、本発明は係る形態に限定されない。回転軸に沿って入力部材、出力部材、クラッチの順に配置されてもよい。すなわち、クラッチの底面部の内側の面に第二クラッチ部を形成し、クラッチの内側において出力部材の第一クラッチ部とクラッチの第二クラッチ部とが対向する形態でも良い。この場合、案内溝の形状はこれまでに説明した形状に対して、回転軸に垂直な面に対して対象となる形状に形成されれば良い。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明の逆入力遮断クラッチは、入力側から加えられるトルクを出力側に伝達し、出力側から加えられるトルクを入力側に伝達しないようにする機能を有する。従って、本発明の逆入力遮断クラッチは、このような機能を必要とする家庭用や業務用の様々な機器に利用可能性がある。
【符号の説明】
【0068】
1・・・逆入力遮断クラッチ
10・・・ハウジング
20・・・ローター
30・・・第一シール部材
35・・・第二シール部材
40・・・出力部材
50・・・クラッチ
54・・・案内溝(溝)
54a・・・中央部(案内溝の中央部)
54b・・・端部(案内溝の一方の端部)
54c・・・端部(案内溝の他方の端部)
60・・・ねじりばね
70・・・入力部材
74・・・ガイド部(凸部)
80・・・ローターキャップ
90・・・ハウジングキャップ
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