特許第6694090号(P6694090)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6694090DA変換回路、不良ビット数検出回路及び不揮発性半導体記憶装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6694090
(24)【登録日】2020年4月20日
(45)【発行日】2020年5月13日
(54)【発明の名称】DA変換回路、不良ビット数検出回路及び不揮発性半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
   H03M 1/74 20060101AFI20200427BHJP
   G11C 7/16 20060101ALI20200427BHJP
   G11C 16/34 20060101ALI20200427BHJP
【FI】
   H03M1/74
   G11C7/16
   G11C16/34 140
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-37523(P2019-37523)
(22)【出願日】2019年3月1日
【審査請求日】2019年3月1日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519213274
【氏名又は名称】力晶積成電子製造股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Powerchip Semiconductor Manufacturing Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】木谷 朋文
【審査官】 竹内 亨
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−013234(JP,A)
【文献】 特開2001−111427(JP,A)
【文献】 特開2007−096504(JP,A)
【文献】 特開昭63−067920(JP,A)
【文献】 特開平11−122111(JP,A)
【文献】 特開2002−140899(JP,A)
【文献】 特開平06−303143(JP,A)
【文献】 特開2009−027282(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03M 1/00−1/88
G11C 7/16
G11C 16/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の入力デジタル電圧に対して複数の入力キャパシタを有する入力回路と、第1の帰還回路とを有する第1の差動増幅器を備えたスイッチドキャパシタ回路で構成され、前記複数の入力デジタル電圧をアナログ電圧にDA変換する並列積分型DA変換回路であって、
第2の帰還回路を有する第2の差動増幅器を備えたオフセットキャンセル回路を備え、
前記オフセットキャンセル回路は、
サンプリング期間において、前記第2の帰還回路が短絡された状態で、第1のキャパシタを介した前記第1の差動増幅器の出力電圧と、所定の基準電圧との差電圧を前記第2の差動増幅器の反転入力端子に帰還し、
ホールド期間において、前記第2の帰還回路が短絡されない状態で、前記第1のキャパシタを介した基準電圧と、前記基準電圧との差電圧を第2のキャパシタを介して前記第1の差動増幅器の反転入力端子に入力することにより、
前記第1の差動増幅器のオフセットを、前記第2の差動増幅器のオフセットの存在にかかわらず補償することを特徴とするDA変換回路。
【請求項2】
請求項1記載のDA変換回路を備えた、不揮発性半導体記憶装置のための不良ビット数検出回路であって、
前記第1の差動増幅器の反転入力端子に接続され、複数の第3のキャパシタを介して接地する数を不良ビット検出数として設定する不良ビット検出数設定回路を備え、
前記入力回路は、前記不揮発性半導体記憶装置のメモリアレイ内の各メモリセルのベリファイフェイルのときに所定の電圧を前記各入力キャパシタを介して前記第1の差動増幅器の反転入力端子に入力し、
記不揮発性半導体記憶装置のメモリアレイ内の各メモリセルの不良ビット検出数が所定の設定数未満のとき、前記第1の差動増幅器の出力電圧が前記基準電圧を超えるように構成されたことを特徴とする不良ビット数検出回路。
【請求項3】
請求項2記載の不良ビット数検出回路を備えたことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば並列積分型デジタルアナログ変換回路(以下、デジタルアナログ変換をDA変換という。)であるDA変換回路と、前記DA変換回路を用いた不揮発性半導体記憶装置のための不良ビット数検出回路と、前記不良ビット数検出回路を備えた不揮発性半導体記憶装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、従来例に係るスイッチドキャパシタ回路を用いた並列積分型DA変換回路の構成例を示す回路図である。当該DA変換回路は例えば特許文献1において開示されている。
【0003】
図1において、DA変換回路は、差動増幅器1と、帰還回路1Fと、入力回路30とを備えて構成される。ここで、差動増幅器はオペアンプともいう。帰還回路1Fは差動増幅器1の出力端子と反転入力端子との間に接続され、スイッチSと、容量C10のキャパシタ5との並列回路で構成される。入力回路30は、複数n個のインバータ3−1〜3−nと、キャパシタ4−1〜4−nとを備えて構成される。ここで、キャパシタ4−1〜4−nは入力キャパシタであって、それぞれ容量C〜Cを有する。
【0004】
入力回路30において、入力デジタル電圧VIN1はインバータ3−1及びキャパシタ4−1を介して差動増幅器1の反転入力端子に入力され、入力デジタル電圧VIN2はインバータ3−2及びキャパシタ4−2を介して差動増幅器1の反転入力端子に入力され、以下同様に、入力デジタル電圧VINnはインバータ3−n及びキャパシタ4−nを介して差動増幅器1の反転入力端子に入力される。差動増幅器1の非反転力端子には所定の基準電圧VREFが印加される。
【0005】
以上のように構成されたDA変換回路は、DAC用の基本的なスイッチトキャパシタ回路を用いて構成され、一般に、サンプリング期間と、ホールド期間を有する。サンプリング期間中は、スイッチSはオンされ、すべての入力デジタル電圧VIN1〜VINnが仮想的に接地される。このとき、反転入力端子の電圧Vm1は出力電圧VOUT1になる。次いで、ホールド期間に移る。このホールド期間中、スイッチSはオフされ、すべての入力デジタル電圧VIN1〜VINnの信号をアナログ電圧にDA変換する。ここで、出力電圧VOUT1は次式で表される。
【0006】
【数1】
【0007】
従って、すべての入力容量C〜Cが同じであるとき、出力電圧VOUT1は次式で表される。
【0008】
【数2】
【0009】
最下位ビット(LSB)の電圧VLSBは次式で表される。
【0010】
【数3】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平6−303143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
図2図1のDA変換回路におけるビットエラーの概念を示すためのグラフであって、ビット計数値に対する出力電圧VOUT1を示すグラフである。
【0013】
一般に、どの差動増幅器にもオフセット電圧VOFSTが存在する。しかし、最下位ビット(LSB)の電圧VLSBがオフセット電圧VOFSTより十分大きい限り、問題は発生しない。このとき、入力ビット数nが増大すると、最下位ビット(LSB)の電圧VLSBは小さくなる。最終的には、最下位ビット(LSB)の電圧VLSBはオフセット電圧VOFSTに近いか、もしくはオフセット電圧VOFSTよりも小さい。この場合、ビットエラーが発生したことを意味する(図2)。なお出力電圧VOUT1とオフセット電圧VOFSTとの関係は次式で表される。
【0014】
【数4】
【0015】
ところで、フラッシュメモリはプログラムベリファイ動作中に不良ビットの検出機能を有する。元々、フラッシュメモリはすべてのプログラムされたビットが正確にプログラムされた否かをチェックする。当該フラッシュメモリをアドバンスさせるために、いくつかのフラッシュメモリはプログラムベリファイ動作中にいくつかの不良ビットを許容する。また、フラッシュメモリは、読み出し動作中にエラーコレクションコーディング(ECC)を用いてこれらのエラービットを修正することもできる。従って、フラッシュメモリのために、不良ビット数検出回路を提供する必要があった。
【0016】
本発明の目的は以上の問題点を解決し、スイッチドキャパシタ回路を用いたDA変換回路において、オフセット電圧VOFSTを補償することができるDA変換回路と、前記DA変換回路を用いて不揮発性半導体記憶装置の不良ビット数を検出する不良ビット数検出回路と、前記不良ビット数検出回路を備える不揮発性半導体記憶装置とを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明に係るDA変換回路は、
複数の入力デジタル電圧に対して複数の入力キャパシタを有する入力回路と、第1の帰還回路とを有する第1の差動増幅器を備えたスイッチドキャパシタ回路で構成され、前記複数の入力デジタル電圧をアナログ電圧にDA変換する並列積分型DA変換回路であって、
第2の帰還回路を有する第2の差動増幅器を備えたオフセットキャンセル回路を備え、
前記オフセットキャンセル回路は、
サンプリング期間において、前記第2の帰還回路が短絡された状態で、第1のキャパシタを介した前記第1の差動増幅器の出力電圧と、所定の基準電圧との差電圧を前記第2の差動増幅器の反転入力端子に帰還し、
ホールド期間において、前記第2の帰還回路が短絡されない状態で、前記第1のキャパシタを介した基準電圧と、前記基準電圧との差電圧を第2のキャパシタを介して前記第1の差動増幅器の反転入力端子に入力することにより、
前記第1の差動増幅器のオフセットを、前記第2の差動増幅器のオフセットの存在にかかわらず補償することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
従って、本発明によれば、スイッチドキャパシタ回路を用いたDA変換回路において、オフセット電圧VOFSTを補償することができるDA変換回路と、前記DA変換回路を用いて不揮発性半導体記憶装置の不良ビット数を検出する不良ビット数検出回路と、前記不良ビット数検出回路を備える不揮発性半導体記憶装置とを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】従来例に係る並列積分型DA変換回路の構成例を示す回路図である。
図2図1のDA変換回路におけるビットエラーの概念を示すためのグラフであって、ビット計数値に対する出力電圧VOUT1を示すグラフである。
図3】実施形態1に係る並列積分型DA変換回路の構成例を示す回路図である。
図4A図3の差動増幅器1とその周辺回路におけるサンプリング期間の動作を示す回路図である。
図4B図3の差動増幅器1とその周辺回路におけるホールド期間の動作を示す回路図である。
図5A図3の差動増幅器2とその周辺回路におけるサンプリング期間の動作を示す回路図である。
図5B図3の差動増幅器2とその周辺回路におけるホールド期間の動作を示す回路図である。
図6A】実施形態2に係るフラッシュメモリのための不良ビット数検出回路の構成例を示す回路図であって、サンプリング期間の動作を示す回路図である。
図6B図6Aの不良ビット数検出回路におけるサンプリング期間の動作を示す回路図である。
図7図6Aの不良ビット数検出回路における不良ビット検出数と設定数SDETnとの関係の設定テーブルである。
図8図6Aの不良ビット数検出回路を用いたフラッシュメモリのプログラム処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明にかかる実施形態について図面を参照して説明する。なお、同一又は同様の構成要素については同一の符号を付している。
【0021】
(実施形態1)
図3は実施形態1に係る並列積分型DA変換回路の構成例を示す回路図である。図3のDA変換回路は、図1のDA変換回路に比較して、オフセットキャンセル回路40をさらに備えたことを特徴とする。
【0022】
において、オフセットキャンセル回路40は、差動増幅器2と、帰還回路2Fと、キャパシタ6及び8とを備えて構成される。帰還回路2Fは、スイッチSと容量C20のキャパシタ7の並列回路で構成される。キャパシタ6は容量C20を有し、キャパシタ8は容量C22を有する。差動増幅器1の出力端子は、スイッチSの接点a及びキャパシタ6を介して差動増幅器2の反転入力端子に接続され、当該反転入力端子は帰還回路2Fを介して差動増幅器2の出力端子に接続される。当該出力端子はキャパシタ8を介して差動増幅器1の反転入力端子に接続される。差動増幅器2の非反転入力端子には所定の基準電圧VREFが印加され、当該基準電圧VREFはスイッチSの接点b及びキャパシタ6を介して差動増幅器2の反転入力端子に印加される。なお、制御信号発生回路50は、スイッチS〜Sを切り替える制御信号を発生してスイッチS〜Sの各制御端子に出力する。
【0023】
ここで、キャパシタ5,8の容量C10,C22は互いに同一値に設定され、キャパシタ6,7の容量C21,C20は互いに同一値に設定される。なお、差動増幅器1のオフセット電圧をVOFST1とし、差動増幅器2のオフセット電圧をVOFST2とする。
【0024】
本実施形態において、オフセット電圧VOFSTはホールド期間に補正される。従って、入力デジタル電圧VINnは1ビットの論理信号なので、出力電圧VOUT1は次式で表される。
【0025】
【数5】
【0026】
図4A図3の差動増幅器1とその周辺回路におけるサンプリング期間の動作を示す回路図である。また、図4B図3の差動増幅器1とその周辺回路におけるホールド期間の動作を示す回路図である。ここで、図4A及び図4Bはオフセット電圧VOFSTを補償して相殺する方法を示す。
【0027】
図4Aのサンプリング期間において、スイッチSがオンされ、キャパシタ8の一端にはスイッチSを介して電圧VOUT1−φ1が印加され、キャパシタ8の他端には電圧VOUT2−φ1が印加され、このとき、出力電圧VOUT1−φ1は次式で表される。
【0028】
【数6】
【0029】
次いで、図4Bのホールド期間において、スイッチSがオフされる。このとき、電圧VOUT2−φ1は電圧VOUT2−φ2になる。従って、電圧VOUT1−φ2は次式で表される。
【0030】
【数7】
【0031】
図5A図3の差動増幅器2とその周辺回路におけるサンプリング期間の動作を示す回路図である。また、図5B図3の差動増幅器2とその周辺回路におけるホールド期間の動作を示す回路図である。図5A及び図5Bは差動増幅器2の詳細動作を示す。
【0032】
図5Aのサンプリング期間において、スイッチSはオンされ、スイッチSは接点a側に切り替えられて電圧VOUT1−φ1に接続される。このとき、キャパシタ6の一端には電圧VOUT1−φ1が印加され、その他端にはスイッチSを介して電圧VOUT2−φ1が印加される。このとき、電圧VOUT2−φ1は次式で表される。
【0033】
【数8】
【0034】
次いで、図5Bのホールド期間において、スイッチSはオフされ、スイッチSは接点b側に切り替えられ基準電圧VREFに接続される。このとき、電圧VOUT2−φ2は次式で表される。
【0035】
【数9】
【0036】
ここで、C21=C20であるので、式(6)は式(9)に代入され、次式を得る。
【0037】
【数10】
【0038】
また、C22=C10であるので、式(8)および(10)は式(7)に代入され、次式を得る。
【0039】
【数11】
【0040】
式(12)から明らかなように、出力電圧VOUT1にはオフセットが存在しない。その上、差動増幅器2のオフセット電圧VOFST2は差動増幅器1の動作に影響を与えない。正しくオフセット電圧VOFST1を帰還させるためには、C21=C20とC22=C10の条件が必要であり、これにより、差動増幅器1のオフセット電圧VOFST1を相殺できる。
【0041】
以上説明したように、実施形態1に係るDA変換回路によれば、複数の入力デジタル電圧VIN1〜VINnをアナログ電圧である出力電圧VOUT1にDA変換する。ここで、差動増幅器1のオフセット電圧VOFST1を、差動増幅器2を有するオフセットキャンセル回路40により相殺して補償することができる。
【0042】
(実施形態2)
図6Aは実施形態2に係るフラッシュメモリのための不良ビット数検出回路の構成例を示す回路図であって、サンプリング期間の動作を示す回路図である。また、図6B図6Aの不良ビット数検出回路におけるサンプリング期間の動作を示す回路図である。
【0043】
図6A及び図6Bの不良ビット数検出回路は、図3のDA変換回路に比較して以下の点が異なる。
(1)入力回路30として、入力回路30に代えて、例えばフラッシュメモリのページバッファ20−1〜20−nを備える。
(2)差動増幅器1の反転入力端子に接続され、不良ビット検出数を設定する不良ビット検出数設定回路32をさらに備える。
【0044】
図6A及び図6Bの不良ビット数検出回路は、フラッシュメモリのプログラムベリファイ中にどの程度の不良ビットがあるかをチェックする(不良ビット数を検出する)ための回路である。
【0045】
ページバッファ20−1において、メモリアレイ10のビット線に接続されたセンス回路11は、ビット線電圧を検出してセンス電圧SNSとして出力し、当該センス電圧SNSは、スイッチSのMOSトランジスタM13を介してラッチLAT1の一端に印加されて、プログラムベリファイデータQが保持される。なお、不良ビットを検出したときに、プログラムベリファイデータQがLレベルになり、検出しないときに、プログラムベリファイデータQがHレベルになる(図6A参照)。ラッチLAT1は一対のインバータ12,13で構成され、保持されたプログラムベリファイデータQの反転データQ1BがスイッチS及び容量C1のキャパシタ4−1を介して差動増幅器1の反転入力端子に出力される。ここで、保持されたプログラムベリファイデータQの反転データQ1BをDA変換回路によりアナログ電圧VOUT1に変換するために、スイッチSとキャパシタ4−1(入力回路30の一部の素子)が設けられる。また、ページバッファ20−2〜20−nにおいても、ページバッファ20−1と同様に構成されて、各保持されたプログラムベリファイデータの反転データが差動増幅器1の反転入力端子に出力される。
【0046】
図6A及び図6Bの不良ビット数検出回路において、不良ビット検出数を設定するために、不良ビット検出数設定回路32が設けられる。不良ビット検出数設定回路32は、スイッチS,SDET1〜SDETnと、キャパシタ15−0〜15−nとを備えて構成される。ここで、キャパシタ15−0は容量0.5Cを有し、キャパシタ15−0の他端はスイッチSの接点aを介して電源電圧VDDに接続され、スイッチSの接点bは接地される。また、キャパシタ15−1は容量Cを有し、キャパシタ15−1の他端はスイッチSDET1の接点aを介して電源電圧VDDに接続され、スイッチSDET1の接点bは接地される。以下同様にして、キャパシタ15−nは容量Cを有し、キャパシタ15−nの他端はスイッチSDETnの接点aを介して電源電圧VDDに接続され、スイッチSDETnの接点bは接地される。
【0047】
ここで、スイッチSとキャパシタ15−0は、差動増幅器1の出力電圧VOUT1を、基準電圧VREFよ0.5LSBに対応する電圧だけ低くするために設けられる。
【0048】
図7図6Aの不良ビット数検出回路における不良ビット検出数と設定数SDETnとの関係の設定テーブルである。図7から明らかなように、不良ビット検出数をMとすると、(M−1)個のスイッチSDET1〜SDETnが接点b側に切り替えられてオンされる。



【0049】
不良ビット検出数mがM以上になると、出力電圧VOUT1は基準電圧VREFよりくなる。フラッシュメモリは出力電圧VOUT1が基準電圧VREFより低いときにプログラム動作を継続するように構成される。
【0050】
図6Aのサンプリング期間において、スイッチSがオンされる。センス回路11はメモリアレイ10の所定のメモリセルからのビット線の電圧をセンスし、そのセンス電圧SNSのプログラムベリファイデータはスイッチSを介してラッチLAT1に転送されて一時的に記憶される。ここで、プログラムベリファイデータがHレベルのときはベリファイパスを表す一方、プログラムベリファイデータがLレベルのときはベリファイフェイル(不良ビット発生を示す。ここで、DA変換回路において、スイッチS,Sはオンされ、スイッチS3は接点a側に切り替えられて出力電圧VOUT1に接続される。スイッチSは接点a側に切り替えられて接地され、スイッチSは接点a側に切り替えられて電源電圧VDDに接続される。前記のラッチLAT1へのデータ転送後、ホールド期間に移行する。
【0051】
次いで、図6Bのホールド期間において、スイッチS,Sはオフされ、スイッチSは接点b側に切り替えられて基準電圧VREFに接続される。また、スイッチSは接点a側に切り替えられてラッチLA1の他端に接続され、スイッチSは接点b側に切り替えられて接地される。ラッチLAT1に記憶されたプログラムベリファイデータがLレベルであってベリファイフェイルのときは、ページバッファ20−1〜20−n内のキャパシタC14の一端(ラッチLAT1側)の電位は0Vから電源電圧VDDに変化する一方、その他端は0Vに保持される。従って、M−1個のSDET1〜SDETnがオンに設定されるとき、出力電圧VOUT1は次式で表される。
【0052】
【数12】
【0053】
なお、ベリファイが失敗した場合、差動増幅器1への入力電圧VINnは電源電圧VDDになり、ベリファイ成功のときは入力電圧VINnが0Vになる。
【0054】
以上のように構成された図6A及び図6Bの不良ビット数検出回路によれば、不良ビット検出数mがM以上になると、出力電圧VOUT1は基準電圧VREFよりくなる。フラッシュメモリは出力電圧VOUT1が基準電圧VREFより低いときにプログラム動作を継続するように構成される。
【0055】
図8図6Aの不良ビット数検出回路を用いたフラッシュメモリのプログラム処理を示すフローチャートである。
【0056】
図8のステップS1において、所定のメモリセルに対してプログラムのための高電圧を印加するプログラムストレス処理を実行し、ステップS2のプログラムベリファイ処理において、当該メモリセルに対してデータが正確にプログラムされたか否かがベリファイされる。ステップS3で、図6Aの不良ビット数検出回路により検出された不良ビット数mが設定数M以であるとき、プログラム動作を継続するためステップS1に戻る。一方、ステップS3で、図6Aの不良ビット数検出回路により検出された不良ビット数mが設定数M未満であると当該プログラム処理を終了する。
【0057】
以上の実施形態においては、フラッシュメモリのための不良ビット数を検出する不良ビット数検出回路について説明しているが、本発明はこれに限らず、他の種々の不揮発性半導体記憶装置に適用できる。
【0058】
以上説明したように、本実施形態1,2によれば、スイッチドキャパシタ回路を用いたDA変換回路において、オフセット電圧VOFSTを補償することができるDA変換回路を実現できる。また、当該DA変換回路を用いて、フラッシュメモリ等の不揮発性半導体記憶装置のための不良ビット数を検出する不良ビット数検出回路を実現できる。さらに、当該不良ビット数検出回路を備えて、フラッシュメモリ等の不揮発性半導体記憶装置を実現できる。
【符号の説明】
【0059】
1,2 差動増幅器(オペアンプ)
3−1〜3−n インバータ
4−1〜4−n キャパシタ
5〜8,14,15−0〜15−n キャパシタ
10 メモリアレイ
11 センス回路
12,13 インバータ
20−1〜20−n ページバッファ
30 入力回路
32 不良ビット数設定回路
40 オフセットキャンセル回路
50 制御信号発生回路
LAT1 ラッチ
M13 MOSトランジスタ
〜S,SDET1〜SDETn スイッチ
【要約】
【課題】スイッチドキャパシタ回路を用いたDA変換回路において、オフセット電圧VOFSTを補償する。
【解決手段】複数の入力デジタル電圧に対して複数の入力キャパシタを有する入力回路を有する第1の差動増幅器を備えたスイッチドキャパシタ回路で構成され、複数の入力デジタル電圧をアナログ電圧にDA変換する並列積分型DA変換回路であって、第2の差動増幅器を備えたオフセットキャンセル回路は、サンプリング期間において、第2の差動増幅器の帰還回路が短絡された状態で、第1のキャパシタを介した第1の差動増幅器の出力電圧と、所定の基準電圧との差電圧を第2の差動増幅器の反転入力端子に帰還し、ホールド期間において、第2の差動増幅器の帰還回路が短絡されない状態で、第1のキャパシタを介した基準電圧と、基準電圧との差電圧を第2のキャパシタを介して第1の差動増幅器の反転入力端子に入力する。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8