【実施例】
【0065】
つぎに、本発明を実施例に基づいて説明する。ただし、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。なお、例中、「部」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
【0066】
〔実施例1〕
まず、実施例となる光導波路の作製に先立ち、クラッド層形成材料およびコア層形成材料である各感光性ワニスを調製した。
【0067】
<クラッド層形成材料の調製>
遮光条件下にて、固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂(JER1001(軟化点64℃)、三菱化学社製)70部、固形多官能脂肪族エポキシ樹脂(EHPE3150(軟化点70〜90℃)、ダイセル社製)20部、長鎖二官能含半脂肪族エポキシ樹脂(EXA−4816(液状)、DIC社製)10部、光カチオン重合開始剤(光酸発生剤)(CPI−101A、サンアプロ社製)0.5部、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(Songnox1010、共同薬品社製)0.5部、リン酸エステル系酸化防止剤(HCA、三光社製)0.5部を、乳酸エチル50部に混合し、100℃加熱下にて撹拌完溶させ、その後室温(25℃)まで冷却した後、直径1.0μmのメンブランフィルタを用いて加熱加圧濾過を行なうことにより、クラッド層形成材料となる感光性ワニスを調製した。
【0068】
<コア層形成材料の調製>
遮光条件下にて、固形多官能芳香族エポキシ樹脂(YDCN−700−3、新日鐵化学社製)50部、固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂(JER1002、三菱化学社製)30部、固形フルオレン含有二官能エポキシ樹脂(オグソールPG−100、大阪ガスケミカル社製)20部、光酸発生剤(CPI−101A、サンアプロ社製)0.5部、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(Songnox1010、共同薬品社製)0.5部、リン酸エステル系酸化防止剤(HCA、三光社製)0.125部を、乳酸エチル50部に混合し、105℃加熱下にて撹拌完溶させ、その後室温(25℃)まで冷却した後、直径1.0μmのメンブランフィルタを用いて加熱加圧濾過を行なうことにより、コア層形成材料となる感光性ワニスを調製した。
【0069】
《光導波路の作製》
<アンダークラッド層の作製>
総厚22μmのフレキシブルプリント回路(FPC)基材の裏面上に、スピンコーターを用いて上記クラッド層形成材料である感光性ワニスを塗工した後、ホットプレート上にて有機溶剤(乳酸エチル)の乾燥(130℃×10分間)を行なった。ついで、UV照射機〔5000mJ/cm
2(I線フィルタ)〕によりマスクパターン露光を行ない、さらに後加熱(130℃×10分間)を行なった。ついで、γ−ブチロラクトン中にて現像(室温25℃下、3分間)して、水洗した後、ホットプレート上で水分を乾燥(120℃×5分間)させることにより、アンダークラッド層(厚み:15μm)を作製した。
【0070】
<コア層の作製>
上記のようにして形成されたアンダークラッド層上に、スピンコーターを用いて、コア層形成材料である感光性ワニスを塗工した後、ホットプレート上にて有機溶剤(乳酸エチル)を乾燥させる(130℃×5分間)ことにより、未硬化フィルム状態の未硬化層を形成した。形成された未硬化層に対して、UV照射機〔超高圧水銀ランプ、全光線(バンドパスフィルタ無し)〕にて8000mJ/cm
2(波長365nm積算)のガラスマスクパターン露光〔パターン幅/パターン間隔(L/S)=50μm/200μm〕を行ない、後加熱(140℃×10分間)を行なった。その後、γ−ブチロラチクトン中にて現像(室温25℃下、3分間)した後、水洗し、ホットプレート上にて水分を乾燥(120℃×5分間)させることにより、所定パターンのコア層(厚み50μm)を作製した。
【0071】
<オーバークラッド層の作製>
上記のようにして形成されたコア層上に、スピンコーターを用いて、クラッド層形成材料である感光性ワニスを塗工した後、ホットプレート上にて有機溶剤(乳酸エチル)の乾燥(130℃×10分間)を行なった。その後、5000mJ/cm
2(I線フィルタ)の露光、130℃×10分間の露光後加熱処理(PEB処理)を行ない、さらに、γ−ブチロラチクトン中にて現像(室温25℃下、3分間)した後、水洗し、ホットプレート上にて水分を乾燥(120℃×10分間)させることにより、オーバークラッド層(コア層上のオーバークラッド層厚み10μm)を作製した。
【0072】
このようにして、FPC基材の裏面上に、所定パターンのアンダークラッド層が形成され、このアンダークラッド層上に所定パターンのコア層が形成され、さらにこのコア層上にオーバークラッド層が形成された光導波路(光導波路総厚み75μm)を作製した。
【0073】
〔実施例2〕
クラッド層形成材料である感光性ワニスの調製において、樹脂成分の配合組成を、固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂(JER1002(軟化点78℃)、三菱化学社製)70部、固形多官能脂肪族エポキシ樹脂(EHPE3150(軟化点70〜90℃)、ダイセル社製)20部、長鎖二官能含半脂肪族エポキシ樹脂(EXA−4816(液状)、DIC社製)10部に変えた。それ以外は実施例1と同様にしてクラッド層形成材料となる感光性ワニスを調製し、光導波路を作製した。
【0074】
〔実施例3〕
クラッド層形成材料である感光性ワニスの調製において、樹脂成分の配合組成を、固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂(JER1002(軟化点78℃)、三菱化学社製)65部、固形多官能脂肪族エポキシ樹脂(EHPE3150(軟化点70〜90℃)、ダイセル社製)25部、長鎖二官能含半脂肪族エポキシ樹脂(EXA−4816(液状)、DIC社製)10部に変えた。それ以外は実施例1と同様にしてクラッド層形成材料となる感光性ワニスを調製し、光導波路を作製した。
【0075】
〔実施例4〕
クラッド層形成材料である感光性ワニスの調製において、樹脂成分の配合組成を、固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂(JER1002(軟化点78℃)、三菱化学社製)60部、固形多官能脂肪族エポキシ樹脂(EHPE3150(軟化点70〜90℃)、ダイセル社製)30部、長鎖二官能含半脂肪族エポキシ樹脂(EXA−4816(液状)、DIC社製)10部に変えた。それ以外は実施例1と同様にしてクラッド層形成材料となる感光性ワニスを調製し、光導波路を作製した。
【0076】
〔実施例5〕
クラッド層形成材料である感光性ワニスの調製において、樹脂成分の配合組成を、固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂(JER1002(軟化点78℃)、三菱化学社製)65部、固形多官能脂肪族エポキシ樹脂(EHPE3150(軟化点70〜90℃)、ダイセル社製)30部、長鎖二官能含半脂肪族エポキシ樹脂(EXA−4816(液状)、DIC社製)5部に変えた。それ以外は実施例1と同様にしてクラッド層形成材料となる感光性ワニスを調製し、光導波路を作製した。
【0077】
〔実施例6〕
クラッド層形成材料である感光性ワニスの調製において、樹脂成分の配合組成を、固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂(JER1002(軟化点78℃)、三菱化学社製)60部、固形多官能脂肪族エポキシ樹脂(EHPE3150(軟化点70〜90℃)、ダイセル社製)35部、長鎖二官能含半脂肪族エポキシ樹脂(EXA−4816(液状)、DIC社製)5部に変えた。それ以外は実施例1と同様にしてクラッド層形成材料となる感光性ワニスを調製し、光導波路を作製した。
【0078】
〔実施例7〕
クラッド層形成材料である感光性ワニスの調製において、樹脂成分の配合組成を、固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂(JER1003(軟化点89℃)、三菱化学社製)70部、固形多官能脂肪族エポキシ樹脂(EHPE3150(軟化点70〜90℃)、ダイセル社製)20部、長鎖二官能含半脂肪族エポキシ樹脂(EXA−4816(液状)、DIC社製)10部に変えた。それ以外は実施例1と同様にしてクラッド層形成材料となる感光性ワニスを調製し、光導波路を作製した。
【0079】
〔比較例1〕
クラッド層形成材料である感光性ワニスの調製において、樹脂成分の配合組成を、固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂(JER1001(軟化点64℃)、三菱化学社製)75部、固形多官能脂肪族エポキシ樹脂(EHPE3150(軟化点70〜90℃)、ダイセル社製)20部、長鎖二官能含半脂肪族エポキシ樹脂(EXA−4816(液状)、DIC社製)5部に変えた。それ以外は実施例1と同様にしてクラッド層形成材料となる感光性ワニスを調製し、光導波路を作製した。
【0080】
〔比較例2〕
クラッド層形成材料である感光性ワニスの調製において、樹脂成分の配合組成を、固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂(JER1001(軟化点64℃)、三菱化学社製)45部、固形多官能脂肪族エポキシ樹脂(EHPE3150(軟化点70〜90℃)、ダイセル社製)45部、長鎖二官能含半脂肪族エポキシ樹脂(EXA−4816(液状)、DIC社製)10部に変えた。それ以外は実施例1と同様にしてクラッド層形成材料となる感光性ワニスを調製し、光導波路を作製した。
【0081】
〔比較例3〕
クラッド層形成材料である感光性ワニスの調製において、樹脂成分の配合組成を、固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂(JER1002(軟化点78℃)、三菱化学社製)80部、固形多官能脂肪族エポキシ樹脂(EHPE3150(軟化点70〜90℃)、ダイセル社製)10部、長鎖二官能含半脂肪族エポキシ樹脂(EXA−4816(液状)、DIC社製)10部に変えた。それ以外は実施例1と同様にしてクラッド層形成材料となる感光性ワニスを調製し、光導波路を作製した。
【0082】
〔比較例4〕
クラッド層形成材料である感光性ワニスの調製において、樹脂成分の配合組成を、固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂(JER1002(軟化点78℃)、三菱化学社製)75部、固形多官能脂肪族エポキシ樹脂(EHPE3150(軟化点70〜90℃)、ダイセル社製)15部、長鎖二官能含半脂肪族エポキシ樹脂(EXA−4816(液状)、DIC社製)10部に変えた。それ以外は実施例1と同様にしてクラッド層形成材料となる感光性ワニスを調製し、光導波路を作製した。
【0083】
〔比較例5〕
クラッド層形成材料である感光性ワニスの調製において、樹脂成分の配合組成を、固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂(JER1002(軟化点78℃)、三菱化学社製)70部、固形多官能脂肪族エポキシ樹脂(EHPE3150(軟化点70〜90℃)、ダイセル社製)30部とし、長鎖二官能含半脂肪族エポキシ樹脂(EXA−4816(液状)、DIC社製)を用いなかった。それ以外は実施例1と同様にしてクラッド層形成材料となる感光性ワニスを調製し、光導波路を作製した。
【0084】
〔比較例6〕
クラッド層形成材料である感光性ワニスの調製において、樹脂成分の配合組成を、固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂(JER1002(軟化点78℃)、三菱化学社製)65部、固形多官能脂肪族エポキシ樹脂(EHPE3150(軟化点70〜90℃)、ダイセル社製)20部、長鎖二官能含半脂肪族エポキシ樹脂(EXA−4816(液状)、DIC社製)15部に変えた。それ以外は実施例1と同様にしてクラッド層形成材料となる感光性ワニスを調製し、光導波路を作製した。
【0085】
〔比較例7〕
クラッド層形成材料である感光性ワニスの調製において、樹脂成分の配合組成を、固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂(JER1002(軟化点78℃)、三菱化学社製)50部、固形多官能脂肪族エポキシ樹脂(EHPE3150(軟化点70〜90℃)、ダイセル社製)40部、長鎖二官能含半脂肪族エポキシ樹脂(EXA−4816(液状)、DIC社製)10部に変えた。それ以外は実施例1と同様にしてクラッド層形成材料となる感光性ワニスを調製し、光導波路を作製した。
【0086】
〔比較例8〕
クラッド層形成材料である感光性ワニスの調製において、樹脂成分の配合組成を、固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂(JER1003(軟化点89℃)、三菱化学社製)75部、固形多官能脂肪族エポキシ樹脂(EHPE3150(軟化点70〜90℃)、ダイセル社製)20部、長鎖二官能含半脂肪族エポキシ樹脂(EXA−4816(液状)、DIC社製)5部に変えた。それ以外は実施例1と同様にしてクラッド層形成材料となる感光性ワニスを調製し、光導波路を作製した。
【0087】
〔比較例9〕
クラッド層形成材料である感光性ワニスの調製において、樹脂成分の配合組成を、固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂(JER1002(軟化点78℃)、三菱化学社製)50部、固形多官能脂肪族エポキシ樹脂(EHPE3150(軟化点70〜90℃)、ダイセル社製)40部、長鎖二官能含半脂肪族エポキシ樹脂(EXA−4816(液状)、DIC社製)10部に変えた。それ以外は実施例1と同様にしてクラッド層形成材料となる感光性ワニスを調製し、光導波路を作製した。
【0088】
〔比較例10〕
クラッド層形成材料である感光性ワニスの調製において、樹脂成分の配合組成を、固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂(JER1007(軟化点128℃)、三菱化学社製)70部、固形多官能脂肪族エポキシ樹脂(EHPE3150(軟化点70〜90℃)、ダイセル社製)20部、長鎖二官能含半脂肪族エポキシ樹脂(EXA−4816(液状)、DIC社製)10部に変えた。それ以外は実施例1と同様にしてクラッド層形成材料となる感光性ワニスを調製し、光導波路を作製した。
【0089】
このようにして得られた各クラッド層形成材料である感光性ワニス、および、各光導波路を用いて、R−to−R適合性、クラッド層の屈折率、クラッド層のパターニング性、レーザー加工性、総合評価に関して下記に示す方法に従って測定・評価した。これらの結果をクラッド層形成材料の構成成分とともに後記の表1〜表2に併せて示す。
【0090】
[R−to−R適合性]
上記実施例および比較例において調製したクラッド層形成材料となる感光性ワニスを用いて、下記の測定・評価を行なった。
【0091】
(1)タック性
シリコンウエハ上にクラッド層形成材料(感光性ワニス)を塗工した後、これをホットプレート上にて130℃×5分間のプリベーク(加熱乾燥)を行なうことにより、厚み約50μmとなる塗工膜を作製した。上記塗工膜の表面を10秒間指触した後、指を離した際の表面状態によりタック発生の有無を確認した。
【0092】
(2)未硬化物(未硬化フィルム)柔軟性
ポリエチレンテレフタレート(PET)基材上にクラッド層形成材料(感光性ワニス)を塗工した後、加熱乾燥(130℃×5分間)することにより厚み約50μmの未硬化フィルム(アモルファスフィルム)を作製した。つぎに、PET基材上のアモルファスフィルムを曲率半径8cmおよび4cmの各巻き芯に沿って巻回した後、巻回後のアモルファスフィルムに発生したクラックの有無を確認した。
【0093】
(3)硬化物(硬化フィルム)柔軟性
PET基材上にクラッド層形成材料(感光性ワニス)を塗工した後、加熱乾燥(130℃×5分間)することにより厚み約50μmの未硬化フィルム(アモルファスフィルム)を作製した。つぎに、PET基材上のアモルファスフィルムに対して、混線(超高圧水銀ランプ使用、バンドパスフィルタなし)にて波長365nm照度を基準に8000mJ/cm
2にて、厚み5mmのガラスマスク(パターンなし)を介して露光を行なった。その後、140℃×10分間の後加熱を行なうことにより硬化フィルムを作製した。作製したPET基材上の硬化フィルムを曲率半径8cmの巻き芯および曲率半径4cmの巻き芯に沿って、硬化フィルムをそれぞれ外巻きに巻回した。その際、硬化フィルムに関してクラック発生の有無を目視により確認した。
【0094】
上記各測定項目の確認の結果から、下記の基準に基づきR−to−R適合性を評価した。
○:タックの発生がなく、かつ未硬化フィルムおよび硬化フィルムをそれぞれ曲率半径4cmの巻き芯に巻き付けたが、クラックは発生しなかった。
△:タックの発生がなく、かつ未硬化フィルムおよび硬化フィルムを曲率半径8cmの巻き芯にそれぞれ巻き付けたが、クラックが発生しなかった。さらに、硬化フィルムをそれぞれ曲率半径4cmの巻き芯に巻き付けた結果、クラックが発生した。
×:未硬化フィルムおよび硬化フィルムを曲率半径8cmの巻き芯にそれぞれ巻き付けた結果、クラックが発生した。もしくはタックが発生した。あるいは、クラックとタックの双方とも発生した。
【0095】
[屈折率]
厚み0.8mmのシリコンウエハ上に、得られたクラッド層形成材料(感光性ワニス)をスピンコーターにて塗工した後、130℃×10分間の加熱乾燥を行なった。ついで、混線(超高圧水銀ランプ使用、バンドパスフィルタなし)にて365nm照度を基準に、8000mJ/cm
2にて、厚み5mmのガラスマスク(パターンなし)を介して露光を行なった。その後、140℃×10分間の後加熱を行なうことにより屈折率評価用サンプル(厚み:10μm)を作製した。作製したサンプルを用いて、SAIRON TECHNOLOGY社製プリズムカップラー(SPA−4000型番)により、波長850nmにおける屈折率を確認した。その結果、下記の基準に基づき評価した。
【0096】
○:波長850nmでの屈折率が1.560以下であった。
△:波長850nmでの屈折率が1.560を超え1.565以下であった。
×:波長850nmでの屈折率が1.565を超えるものであった。
【0097】
[パターニング性]
上記クラッド層作製条件にて得られたパターン形状の外観を顕微鏡にて観察した。その結果、下記の基準に基づき評価した。
○:矩形状で作製されていた。
△:パターン上部に丸みが確認されたが、機能上問題のないものであった。
×:形状異常であり、機能上問題が発生するものであった。
【0098】
[レーザー加工性]
作製した光導波路を用い、クラッド層表面をエキシマレーザーを用いて一定の加工条件(条件:エネルギー密度:300mJ/cm
2、周波数:50Hz)にて処理することにより、45°ミラー加工面を作製した。その後、レーザー加工により45°ミラー加工面が作製されてなる光導波路を用い、波長850nmにおけるVCSEL光源OP250(三喜社製)から発振された光をマルチモードファイバー〔三喜社製,FFP−G120−0500(直径50μmMMF、NA=0.2)〕にて集光し、上記サンプルとなる光導波路に入射した。そして、サンプルから出射された光をレンズ〔清和光学製作所社製,FH14−11(倍率20、NA=0.4)〕で集光し、光計測システム(アドバンテスト社製,オプティカルマルチパワーメーターQ8221)にて6チャンネルを評価した。その結果、下記の基準に基づき評価した。
○:作製した45°ミラーの光損失が1.0dB以下であった。
△:作製した45°ミラーの光損失が1.0dBを超え1.5dB以下であった
×:作製した45°ミラーの光損失が1.5dBを超えるものであった。
【0099】
[総合評価]
上記各評価結果を基に、下記の基準に従い総合的に評価した。
○:すべての評価項目において○の評価であった。
△:評価項目中△の評価項目が1つあった。
×:評価項目中1つ以上×の項目、もしくは2つ以上△の項目があった。
【0100】
【表1】
【0101】
【表2】
【0102】
上記結果から、樹脂成分として特定の軟化点を有する固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂(a)、特定の軟化点を有する固形多官能脂肪族エポキシ樹脂(b)、液状長鎖二官能含半脂肪族エポキシ樹脂(c)を特定の割合にて含有する感光性エポキシ樹脂組成物を用いてなる実施例は、R−to−R適合性、屈折率、パターニング性およびレーザー加工性に関して、いずれも良好な結果が得られた。中でも、固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂(JER1002(軟化点78℃)、三菱化学社製)、固形多官能脂肪族エポキシ樹脂(EHPE3150(軟化点70〜90℃)、ダイセル社製)、長鎖二官能含半脂肪族エポキシ樹脂(EXA−4816(液状)、DIC社製)を特定の配合割合にて用いてなる実施例4、5は、全ての評価項目において良好な結果が得られており、特に優れたものであるといえる。
【0103】
これに対して、樹脂成分として、特定の軟化点を有する固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂(a)、特定の軟化点を有する固形多官能脂肪族エポキシ樹脂(b)、液状長鎖二官能含半脂肪族エポキシ樹脂(c)を特定の配合割合を外れた割合にて含有してなる比較例1〜9、および、軟化点が128℃の固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂(a)を用いた比較例10に関しては、評価項目において少なくとも1つに×の項目があり、特性評価に劣る結果となった。