【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するために、本発明の放射パネルは、筒状体である複数の冷温媒配管と、隣接する前記冷温媒配管の端部を接続する連結配管で構成され、冷温媒が流れる流路を形成する冷温媒経路と、前記冷温媒配管の一方の面側に配置されると共に、所定の面を有し、かつ、同冷温媒配管の前記一方の面側を覆う第1の配管被覆部が形成された第1のベース部と、該第1のベース部に複数設けられると共に、前記冷温媒配管と対向する側と反対側に突出して形成された第1のフィンと、前記第1のベース部と対をなし、前記冷温媒配管の他方の面側に配置されると共に、所定の面を有し、かつ、同冷温媒配管の前記他方の面側を覆って、前記第1の配管被覆部と共に同冷温媒配管の外周面を覆う第2の配管被覆部が形成された第2のベース部と、該第2のベース部に複数設けられると共に、前記冷温媒配管と対向する側と反対側に突出して形成された第2のフィンと、前記第1のフィンの上方に配置され、前記冷温媒配管の配列方向に沿って形成された第1の桟部材と、一方の端部が前記第1の桟部材の前記第1のフィン側の端部に連設された第1の連設部材と、該第1の連設部材の他方の端部側の少なくとも一部に形成され、前記第1のベース部の上端部側かつ同第1のベース部の前記第1のフィン側の面に当接する第1の固定片と、前記第2のフィンの上方に配置され、前記冷温媒配管の配列方向に沿って、前記第1の桟部材と略平行に形成された第2の桟部材と、一方の端部が前記第2の桟部材の前記第2のフィン側の端部に連設された第2の連設部材と、該第2の連設部材の他方の端部側に形成され、前記第2のベース部の上端部側かつ同第2のベース部の前記第2のフィン側の面に当接する第2の固定片と、前記第1の固定片及び前記第2の固定片で、前記第1のベース部及び前記第2のベース部を挟んだ状態で、同第1の固定片及び同第2の固定片を連結して固定する第1の挟持固定部と、前記第1の桟部材及び前記第2の桟部材よりも外側かつ両側に位置して、同第1の桟部材の両端部及び同第2の桟部材の両端部を固定する柱部材とを備える。
【0015】
ここで、冷温媒経路が、筒状体である複数の冷温媒配管と、隣接する冷温媒配管の端部を接続する連結配管で構成されたことによって、冷温媒配管及び連結配管に冷温媒を流して、放射パネルを加熱又は冷却することができる。なお、冷温媒とは、例えば、所定の熱源を介して冷却又は加温可能な水道水、又は、不凍液等を用いることができる。また、ここでの冷温媒経路は、配管経路が直列となる構造となる。
【0016】
また、第1のベース部が、冷温媒配管の一方の面側に配置されると共に、所定の面を有することによって、この面から放射放熱及び対流放熱を生じさせることができる。
なお、ここでいう冷温媒配管の一方の面側とは、例えば配管が円柱状に形成されていれば、その外周面の円周の約半分の領域を指すものを含んでいる。
【0017】
また、第1のフィンが、第1のベース部に複数設けられると共に、冷温媒配管と対向する側と反対側に突出して形成されたことによって、第1のフィンを放熱パネルの放熱部として、実表面積及び見かけの表面積を大きくすることができる。この結果、放射放熱及び対流放熱による冷暖効果を高めることができる。
【0018】
また、第2のベース部が、第1のベース部と対をなし、冷温媒配管の他方の面側に配置されると共に、所定の面を有することによって、この面から放射放熱及び対流放熱を生じさせることができる。また、第2のベース部が、第1のベース部と対をなして冷温媒配管の他方の面側に配置されることから、冷温媒配管から見て、一方の面側及び他方の面側の両方から放射放熱及び対流放熱を生じさせることができ、より一層、室内空間に対する冷暖効果を高めることができる。
なお、ここでいう冷温媒配管の他方の面側とは、例えば配管が円柱状に形成されていれば、一方の面側とは逆側であり、その外周面の円周の約半分の領域を指すものを含んでいる。
【0019】
また、第1のベース部に、冷温媒配管の一方の面側を覆う第1の配管被覆部が形成され、第2のベース部に、冷温媒配管の他方の面側を覆って、第1の配管被覆部と共に冷温媒配管の外周面を覆う第2の配管被覆部が形成されたことによって、冷温媒配管を配置する空間を設けることができる。また、冷温媒配管を流れる冷温媒からの熱又は冷気を、第1のベース部や、第2のベース部を構成する冷温媒配管の配列方向及び冷温媒配管の長手方向と略平行な面に伝えることができる。
【0020】
また、第2のフィンが、第2のベース部に複数設けられると共に、冷温媒配管と対向する側と反対側に突出して形成されたことによって、第2のフィンを放熱パネルの放熱部として、実表面積及び見かけの表面積を大きくすることができる。この結果、放射放熱及び対流放熱による冷暖効果を高めることができる。また、第2のフィンが、第1のフィンとは反対の方向に向けて突出した構造となることから、より一層、室内空間に対する冷暖効果を高めることができる。
【0021】
また、第1のフィンの上方に配置され、冷温媒配管の配列方向に沿って形成された第1の桟部材と、一方の端部が第1の桟部材の第1のフィン側の端部に連設された第1の連設部材と、第1の連設部材の他方の端部側の少なくとも一部に形成され、第1のベース部の上端部側かつ第1のベース部の第1のフィン側の面に当接する第1の固定片によって、第1のフィン及び第1のベース部の上方に、第1のベース部及び第1のフィンを安定して支持する支持構造を構築することができる。
【0022】
また、第2のフィンの上方に配置され、冷温媒配管の配列方向に沿って、第1の桟部材と略平行に形成された第2の桟部材と、一方の端部が第2の桟部材の第2のフィン側の端部に連設された第2の連設部材と、第2の連設部材の他方の端部側に形成され、第2のベース部の上端部側かつ第2のベース部の第2のフィン側の面に当接する第2の固定片によって、第2のフィン及び第2のベース部の上方に、第2のベース部及び第2のフィンを安定して支持する支持構造を構築することができる。
【0023】
また、第1の挟持固定部が、第1の固定片及び第2の固定片で、第1のベース部及び第2のベース部を挟んだ状態で、第1の固定片及び第2の固定片を連結して固定することによって、第1の桟部材、第1の連設部材、第1の固定片で構成された構造体と、第2の桟部材、第2の連設部材、第2の固定片で構成された構造体とで、第1のベース部及び第2のベース部挟んで、強固に固定することができる。この結果、第1のベース部及び第2のベース部の面構造や、第1のフィン及び第2のフィンを形成して、放射パネル全体の重量や体積が大きくなった場合でも、放射パネルの安定性や強度を担保することができる。更に、例えば、強度を担保するために、放熱部となるフィン同士を連結するように桟部材を設ける構造と比較して、放熱部となる領域と接触する部分が、第1の固定片及び第2の固定片に限定されるため、結露が発生した際にも、桟部材を介した結露の飛散を抑止しやすい構造となる。
【0024】
また、柱部材が、第1の桟部材及び第2の桟部材よりも外側かつ両側に位置して、第1の桟部材の両端部及び第2の桟部材の両端部を固定することによって、第1の桟部材及び第2の桟部材を、柱部材で支持することができる。即ち、第1のベース部、第1のフィン、第2のベース部及び第2のフィンを、第1の桟部材及び第2の桟部材で支持して強度を担保しながら、この構造を更に、柱部材で支持することができる。また、柱部材を介して、放射パネルを床面等に立設させることができる。
【0025】
また、上記の目的を達成するために、本発明の放射パネルは、供給側と排出側から成り、筒状体である複数の冷温媒配管と、供給側の冷温媒配管の供給口に近い端部を連結する第1の連結配管と、供給側の冷温媒配管の供給口から遠い端部及び排出側の冷温媒配管の排出口から遠い端部を連結する第2の連結配管と、排出側の冷温媒配管の排出口に近い端部を連結する第3の連結配管と、を含む連結配管、で構成され、冷温媒が流れる流路を形成する冷温媒経路と、前記冷温媒配管の一方の面側に配置されると共に、所定の面を有し、かつ、同冷温媒配管の前記一方の面側を覆う第1の配管被覆部が形成された第1のベース部と、該第1のベース部に複数設けられると共に、前記冷温媒配管と対向する側と反対側に突出して形成された第1のフィンと、前記第1のベース部と対をなし、前記冷温媒配管の他方の面側に配置されると共に、所定の面を有し、かつ、同冷温媒配管の前記他方の面側を覆って、前記第1の配管被覆部と共に同冷温媒配管の外周面を覆う第2の配管被覆部が形成された第2のベース部と、該第2のベース部に複数設けられると共に、前記冷温媒配管と対向する側と反対側に突出して形成された第2のフィンと、前記第1のフィンの上方に配置され、前記冷温媒配管の配列方向に沿って形成された第1の桟部材と、一方の端部が前記第1の桟部材の前記第1のフィン側の端部に連設された第1の連設部材と、該第1の連設部材の他方の端部側の少なくとも一部に形成され、前記第1のベース部の上端部側かつ同第1のベース部の前記第1のフィン側の面に当接する第1の固定片と、前記第2のフィンの上方に配置され、前記冷温媒配管の配列方向に沿って、前記第1の桟部材と略平行に形成された第2の桟部材と、一方の端部が前記第2の桟部材の前記第2のフィン側の端部に連設された第2の連設部材と、該第2の連設部材の他方の端部側に形成され、前記第2のベース部の上端部側かつ同第2のベース部の前記第2のフィン側の面に当接する第2の固定片と、前記第1の固定片及び前記第2の固定片で、前記第1のベース部及び前記第2のベース部を挟んだ状態で、同第1の固定片及び同第2の固定片を連結して固定する第1の挟持固定部と、前記第1の桟部材及び前記第2の桟部材よりも外側かつ両側に位置して、同第1の桟部材の両端部及び同第2の桟部材の両端部を固定する柱部材とを備える。
【0026】
ここで、冷温媒経路が、供給側と排出側から成り、筒状体である複数の冷温媒配管と、供給側の冷温媒配管の供給口に近い端部を連結する第1の連結配管と、供給側の冷温媒配管の供給口から遠い端部及び排出側の冷温媒配管の排出口から遠い端部を連結する第2の連結配管と、排出側の冷温媒配管の排出口に近い端部を連結する第3の連結配管と、を含む連結配管、で構成されたことによって、冷温媒配管及び連結配管に冷温媒を流して、放射パネルを加熱又は冷却することができる。なお、冷温媒とは、例えば、所定の熱源を介して冷却又は加温可能な水道水、又は、不凍液等を用いることができる。また、ここでの冷温媒経路は、配管経路が並列となる構造となる。
【0027】
また、第1の連設部材が、一方の端部から前記第1のベース部側かつ同第1のベース部の上端部に向けて傾斜して形成されたことによって、第1の桟部材に結露が発生した際に、結露を第1の連設部材を介して、第1のベース部側に流しやすくなる。即ち、第1のフィンが突出した方向において、放射パネルの中央部側に結露を誘導して集めやすい構造となる。
【0028】
また、第2の連設部材が、一方の端部から前記第2のベース部側かつ同第2のベース部の上端部に向けて傾斜して形成されたことによって、第2の桟部材に結露が発生した際に、結露を第2の連設部材を介して、第2のベース部側に流しやすくなる。即ち、第2のフィンが突出した方向において、放射パネルの中央部側に結露を誘導して集めやすい構造となる。
【0029】
また、第1の突出部が、第1の桟部材の第1のフィン側と反対側の端部に連設され、第1のベース部側に突出して形成された場合には、第1の桟部材、第1の連設部材及び第1の固定片で構成された支持構造の強度を高めることができる。
【0030】
また、第2の突出部が、第2の桟部材の第2のフィン側と反対側の端部に連設され、第2のベース部側に突出して形成された場合には、第2の桟部材、第2の連設部材及び第2の固定片で構成された支持構造の強度を高めることができる。
【0031】
また、第1のフィンの下方に配置され、冷温媒配管の配列方向に沿って形成された第3の桟部材と、一方の端部が第3の桟部材の第1のフィン側の端部に連設された第3の連設部材と、第3の連設部材の他方の端部側の少なくとも一部に形成され、第1のベース部の下端部側かつ第1のベース部の第1のフィン側の面に当接する第3の固定片を有する場合には、第1のフィン及び第1のベース部の下方に、第1のベース部及び第1のフィンを安定して支持する支持構造を構築することができる。
【0032】
また、第2のフィンの下方に配置され、冷温媒配管の配列方向に沿って、第3の桟部材と略平行に形成された第4の桟部材と、一方の端部が第4の桟部材の第2のフィン側の端部に連設された第4の連設部材と、第4の連設部材の他方の端部側に形成され、第2のベース部の下端部側かつ第2のベース部の第2のフィン側の面に当接する第4の固定片を有する場合には、第2のフィン及び第2のベース部の下方に、第2のベース部及び第2のフィンを安定して支持する支持構造を構築することができる。
【0033】
また、第2の挟持固定部が、第3の固定片及び第4の固定片で、第1のベース部及び第2のベース部を挟んだ状態で、第3の固定片及び第4の固定片を連結して固定する場合には、第3の桟部材、第3の連設部材、第3の固定片で構成された構造体と、第4の桟部材、第4の連設部材、第4の固定片で構成された構造体とで、第1のベース部及び第2のベース部挟んで、強固に固定することができる。この結果、第1のベース部及び第2のベース部の面構造や、第1のフィン及び第2のフィンを形成して、放射パネル全体の重量や体積が大きくなった場合でも、より確実に、放射パネルの安定性や強度を担保することができる。更に、例えば、強度を担保するために、放熱部となるフィン同士を連結するように桟部材を設ける構造と比較して、放熱部となる領域と接触する部分が、第1の固定片及び第2の固定片に限定されるため、結露が発生した際にも、桟部材を介した結露の飛散を抑止しやすい構造となる。
【0034】
また、柱部材が、第3の桟部材及び第4の桟部材よりも外側かつ両側に位置して、第3の桟部材の両端部及び第4の桟部材の両端部を固定する場合には、第3の桟部材及び第4の桟部材を、柱部材で支持することができる。即ち、第1のベース部、第1のフィン、第2のベース部及び第2のフィンを、第3の桟部材及び第4の桟部材で支持して強度を担保しながら、この構造を更に、柱部材で支持することができる。
【0035】
また、第3の突出部が、第3の桟部材の第1のフィン側と反対側の端部に連設され、第1のベース部側に突出して形成された場合には、第3の桟部材、第3の連設部材及び第3の固定片で構成された支持構造の強度を高めることができる。
【0036】
また、第4の突出部が、第4の桟部材の第2のフィン側と反対側の端部に連設され、第2のベース部側に突出して形成された場合には、第4の桟部材、第4の連設部材及び第4の固定片で構成された支持構造の強度を高めることができる。
【0037】
また、第1のフィンは、突出した側の端部かつ下端部側に、突出した側の端部から下方かつ第1のベース部側に向けて傾斜した第1のフィンテーパ部が形成された場合には、第1のフィンで結露が発生した際に、第1のフィンテーパ部を介して、結露を第1のフィンの下端側に流しやすくなる。即ち、第1のフィンが突出した方向において、放射パネルの中央部側かつ下方に結露を誘導して集めやすい構造となる。
【0038】
また、第2のフィンは、突出した側の端部かつ下端部側に、突出した側の端部から下方かつ第2のベース部側に向けて傾斜した第2のフィンテーパ部が形成された場合には、第2のフィンで結露が発生した際に、第2のフィンテーパ部を介して、結露を第2のフィンの下端側に流しやすくなる。即ち、第2のフィンが突出した方向において、放射パネルの中央部側かつ下方に結露を誘導して集めやすい構造となる。
【0039】
また、第1のフィンの突出した端部より外側に配置され、冷温媒配管の上端及びこれに対応する連結配管を覆う第1のルーバー部を備える場合には、第1のフィンより上部側の冷温媒配管及び連結配管を外観上見えにくくして、意匠性を高めることができる。
【0040】
また、第1のルーバー部が、第1のフィン側から外側かつ下方に傾斜した第1の上部突出片と、第1の上部突出片の端部に連設され、第1のフィン側かつ下方に傾斜して、その傾斜した領域の長さが、第1の上部突出片の傾斜した領域の長さよりも長く形成された第2の上部突出片とが繰り返し設けられた段差部で構成され、第1の上部突出片の少なくとも一部に貫通孔が形成された場合には、暖房時に放射パネルの内部で発生した上昇気流の流れを第1の上部突出片の方に誘導して、孔部から放射パネルの外部に放出しやすくなる。この結果、暖房時の空気の対流を促し、熱交換率を向上させることができる。
【0041】
また、第2のフィンの突出した端部より外側に配置され、前記冷温媒配管の上端及びこれに対応する連結配管を覆う第2のルーバー部を備える場合には、第2のフィンより上部側の冷温媒配管及び連結配管を外観上見えにくくして、意匠性を高めることができる。
【0042】
また、第2のルーバー部が、第2のフィン側から外側かつ下方に傾斜した第3の上部突出片と、第3の上部突出片の端部に連設され、第2のフィン側かつ下方に傾斜して、その傾斜した領域の長さが、第3の上部突出片の傾斜した領域の長さよりも長く形成された第4の上部突出片とが繰り返し設けられた段差部で構成され、第3の上部突出片の少なくとも一部に貫通孔が形成された場合には、暖房時に放射パネルの内部で発生した上昇気流の流れを第3の上部突出片の方に誘導して、孔部から放射パネルの外部に放出しやすくなる。この結果、暖房時の空気の対流を促し、熱交換率を向上させることができる。
【0043】
また、第1のフィンの突出した端部より外側に配置され、冷温媒配管の下端及びこれに対応する連結配管を覆う第3のルーバー部を備える場合には、第1のフィンより下部側の冷温媒配管及び連結配管を外観上見えにくくして、意匠性を高めることができる。
【0044】
また、第3のルーバー部が、第1のフィン側から外側かつ下方に傾斜した第1の下部突出片と、第1の下部突出片の端部に連設され、第1のフィン側かつ下方に傾斜して、その傾斜した領域の長さが、第1の下部突出片の傾斜した領域の長さよりも短く形成された第2の下部突出片とが繰り返し設けられた段差部で構成され、第2の下部突出片の少なくとも一部に貫通孔が形成された場合には、冷房時に放射パネルの内部で発生した下降気流の流れを第2の下突出片の方に誘導して、孔部から放射パネルの外部に放出しやすくなる。この結果、冷房時の空気の対流を促し、放射パネルの下部で結露が生じにくくすることができる。
【0045】
また、第2のフィンの突出した端部より外側に配置され、冷温媒配管の下端及びこれに対応する連結配管を覆う第4のルーバー部を備える場合には、第2のフィンより下部側の冷温媒配管及び連結配管を外観上見えにくくして、意匠性を高めることができる。
【0046】
また、第4のルーバー部が、第2のフィン側から外側かつ下方に傾斜した第3の下部突出片と、第3の下部突出片の端部に連設され、第2のフィン側かつ下方に傾斜して、その傾斜した領域の長さが、第3の下部突出片の傾斜した領域の長さよりも短く形成された第4の下部突出片とが繰り返し設けられた段差部で構成され、第4の下部突出片の少なくとも一部に貫通孔が形成された場合には、冷房時に放射パネルの内部で発生した下降気流の流れを第4の下突出片の方に誘導して、孔部から放射パネルの外部に放出しやすくなる。この結果、冷房時の空気の対流を促し、放射パネルの下部で結露が生じにくくすることができる。
【0047】
また、柱部材が、柱本体と、柱本体の外側から着脱可能であり、柱本体に取り付けた際に柱本体との間に空間が形成されるカバー体とで構成された場合には、カバー体を着脱して、柱本体とカバー体との間の空間に、断熱材を配置可能となる。この結果、柱部材の内部に結露が生じにくくすることができる。
【0048】
また、冷温媒配管がステンレスで形成され、第1のベース部及び第2のベース部はアルミニウムで形成され、冷温媒配管と、第1の配管被覆部及び第2の配管被覆部との間は、接着剤を介して接合された場合には、腐食の発生を抑止可能となる。即ち、冷温媒と直接接触する冷温媒配管が腐食に強いステンレスで形成されたことで、冷温媒との接触による腐食が生じにくくなる。また、冷温媒配管と、第1のベース部及び第2のベース部とが、ステンレスとアルミニウムの異種金属の組み合わせで形成されても、接着剤を介して接合することで、金属同士が直接接触しないため、異種金属の接触による腐食が生じにくくなる。この結果、冷温媒として、腐食が生じにくい不凍液だけでなく、水道水を利用することが可能となる。
【0049】
また、上記の目的を達成するために、本発明の放射パネルは、筒状体である複数の冷温媒配管と、隣接する前記冷温媒配管の端部を接続する連結配管で構成され、冷温媒が流れる流路を形成する冷温媒経路と、前記冷温媒配管の一方の面側に配置されると共に、所定の面を有し、かつ、同冷温媒配管の前記一方の面側を覆う第1の配管被覆部が形成された第1のベース部と、該第1のベース部に複数設けられると共に、前記冷温媒配管と対向する側と反対側に突出して形成された第1のフィンと、前記第1のベース部と対をなし、所定の壁面に沿って、前記冷温媒配管の他方の面側に配置されると共に、前記冷温媒配管の前記他方の面側を覆って、前記第1の配管被覆部と共に同冷温媒配管の外周面を覆う第2の配管被覆部が形成された第2のベース部と、前記第1のフィンの上方に配置され、前記冷温媒配管の配列方向に沿って形成された第1の桟部材と、一方の端部が前記第1の桟部材の前記第1のフィン側の端部に連設された第1の連設部材と、該第1の連設部材の他方の端部側の少なくとも一部に形成され、前記第1のベース部の上端部側かつ同第1のベース部の前記第1のフィン側の面に当接する第1の固定片と、前記第2のベース部の上方に配置され、前記冷温媒配管の配列方向に沿って、前記第1の桟部材と略平行に形成された第2の桟部材と、一方の端部が前記第2の桟部材の前記第2のベース部側の端部に連設された第2の連設部材と、該第2の連設部材の他方の端部側に形成され、前記第2のベース部の上端部側かつ同第2のベース部の前記所定の壁面側の面に当接する第2の固定片と、前記第1の固定片及び前記第2の固定片で、前記第1のベース部及び前記第2のベース部を挟んだ状態で、同第1の固定片及び同第2の固定片を連結して固定する第1の挟持固定部と、前記第1の桟部材及び前記第2の桟部材よりも外側かつ両側に位置して、同第1の桟部材の両端部及び同第2の桟部材の両端部を固定する柱部材とを備える。
【0050】
ここで、第2のベース部が、第1のベース部と対をなし、所定の壁面に沿って、冷温媒配管の他方の面側に配置されることによって、放射パネルを室内の壁面に沿って設けて、第1のベース部及び第2のフィンを放熱部として、冷温媒配管の一方の面側から放射放熱及び対流放熱を生じさせることができる。
【0051】
また、上記の目的を達成するために、本発明の放射パネルは、供給側と排出側から成り、筒状体である複数の冷温媒配管と、供給側の冷温媒配管の供給口に近い端部を連結する第1の連結配管と、供給側の冷温媒配管の供給口から遠い端部及び排出側の冷温媒配管の排出口から遠い端部を連結する第2の連結配管と、排出側の冷温媒配管の排出口に近い端部を連結する第3の連結配管と、を含む連結配管、で構成され、冷温媒が流れる流路を形成する冷温媒経路と、前記冷温媒配管の一方の面側に配置されると共に、所定の面を有し、かつ、同冷温媒配管の前記一方の面側を覆う第1の配管被覆部が形成された第1のベース部と、該第1のベース部に複数設けられると共に、前記冷温媒配管と対向する側と反対側に突出して形成された第1のフィンと、前記第1のベース部と対をなし、所定の壁面に沿って、前記冷温媒配管の他方の面側に配置されると共に、前記冷温媒配管の前記他方の面側を覆って、前記第1の配管被覆部と共に同冷温媒配管の外周面を覆う第2の配管被覆部が形成された第2のベース部と、前記第1のフィンの上方に配置され、前記冷温媒配管の配列方向に沿って形成された第1の桟部材と、一方の端部が前記第1の桟部材の前記第1のフィン側の端部に連設された第1の連設部材と、該第1の連設部材の他方の端部側の少なくとも一部に形成され、前記第1のベース部の上端部側かつ同第1のベース部の前記第1のフィン側の面に当接する第1の固定片と、前記第2のベース部の上方に配置され、前記冷温媒配管の配列方向に沿って、前記第1の桟部材と略平行に形成された第2の桟部材と、一方の端部が前記第2の桟部材の前記第2のベース部側の端部に連設された第2の連設部材と、該第2の連設部材の他方の端部側に形成され、前記第2のベース部の上端部側かつ同第2のベース部の前記所定の壁面側の面に当接する第2の固定片と、前記第1の固定片及び前記第2の固定片で、前記第1のベース部及び前記第2のベース部を挟んだ状態で、同第1の固定片及び同第2の固定片を連結して固定する第1の挟持固定部と、前記第1の桟部材及び前記第2の桟部材よりも外側かつ両側に位置して、同第1の桟部材の両端部及び同第2の桟部材の両端部を固定する柱部材とを備える。
【0052】
ここで、第2のベース部が、第1のベース部と対をなし、所定の壁面に沿って、冷温媒配管の他方の面側に配置されることによって、放射パネルを室内の壁面に沿って設けて、第1のベース部及び第2のフィンを放熱部として、冷温媒配管の一方の面側から放射放熱及び対流放熱を生じさせることができる。