(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1に記載のポリマーを含んでいる物品であって、前記請求項1に記載のポリマーを含んでいるポリマー組成物が、約10重量%〜約70重量%の量で前記物品中に存在する、物品。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の様々な特定の実施形態およびバージョンが、好ましい実施形態および本明細書で採用される定義を含めて、これから記載される。以下の詳細な説明は特定の好ましい実施形態を与えるけれども、当業者はこれらの実施形態が例示のためのみであり、本発明が他の方法でも実施されることができることを認識するだろう。本「発明」へのどのような言及も、特許請求の範囲によって定義された実施形態の1つ以上であるが必ずしも全てではないものに言及していてもよい。標題の使用は便宜のみの目的のためにあり、本発明の範囲を限定しない。
【0008】
本明細書の詳細な説明および特許請求の範囲内の全ての数値は、「約」または「ほぼ」表示された値によって修飾されており、当業者によって予測されるであろう実験誤差および変動を考慮に入れている。
【0009】
本明細書で使用される様々な用語は以下で定義される。特許請求の範囲で使用される用語が以下で定義されないことを限度として、その用語は、少なくとも1つの印刷された刊行物(たとえば、辞書または論文)、発行された特許または公表された出願に反映されているような当業者がその用語に与えた最も広い定義が与えられなければならない。
【0010】
「連続的な」:プロセスまたはプロセスの様相、たとえばプロセス工程を記載するために使用された場合、用語「連続的な」およびその派生語、たとえば「連続的に」とは、定常状態、安定した反応条件が達成されることができるように、反応剤および反応させられた生成物が連続的に供給され取り出される任意のプロセスまたは工程を対象にするものとする。
【0011】
「ポリマー」:特定の文脈によって要求される場合を除いて、本明細書で使用される用語「ポリマー」は、特定の重合ゾーンまたはリアクター中で特定の連続重合によって製造された製品である。
【0012】
「重合」:本明細書で使用される、当業者によって使用される最も広い意味を与えられるべき用語「重合」とは、モノマーのポリマーへの転化を言う。重合ゾーンとは、そこで重合が起こり、重合が一般に実質的にランダムなポリマーを形成するための逆混合型リアクターによって形成されるゾーンを言う。
【0013】
「融点、融解熱および結晶化」:本明細書に記載されたポリマーおよび組成物は、それらの融点および融解熱の観点から特性付けられることができ、これらの特性はポリマー鎖による微結晶の形成を妨げるコモノマーまたは立体的不純物の存在によって影響を受けることがある。サンプルは、粉体、顆粒、ペレット、フィルム、シートおよび成型された試料の形で試験されてもよい。DSCの2回目の融解実験を使用して、融点(Tm)および融解熱(Hf)の値は得られた。測定は、Perkin Elmer社製Pyris1型示差走査熱量計で行われた。ポリマーおよび組成物の融解温度Tmは、オートサンプラーを備えたPerkin Elmer社製Pyris1型DSCを使用して測定された。インジウム標準物が所与の日の最初の使用の前に試験に供されて、測定器の性能がチェックされた。典型的には、5〜10mgのサンプルが気密蓋付きのアルミニウムパンの中に封入され、測定器中に仕込まれた。窒素環境中で、サンプルは最初に−40℃に冷却され、10分間保持された。サンプルは10℃/分で200℃まで加熱され、融解データ(1回目の加熱)が得られた。これは「受け取ったままの」条件での融解挙動に関する情報を提供し、これは熱履歴とともにサンプル調製方法によって影響を受けることがある。サンプルはその後、熱履歴の消去を確実にするために200℃で10分間保持された。結晶化データ(1回目の冷却)が、サンプルを融解物から−40℃まで冷却することによって得られた。サンプルは−40℃に10分間保持され、次にサンプルを10℃/分で200℃まで加熱することによって2回目の加熱が行われた。融点は、サンプルの融解の範囲内の最大の熱吸収の温度として記録される。吸熱性の融解転移が分析され、ピーク温度がTmとされ、ピーク下の面積が融解熱(Hf)とされた。
【0014】
「コモノマー含有量」:ポリマーのコモノマー含有量が
13C核磁気共鳴(NMR)を使用して測定される。
13C溶液NMRの測定は、90°のフリップ角およびデカップリングによる十分なNOEを用いてテトラクロロエタン−d2溶媒中120℃で少なくとも600MHzの磁場で10mmの広帯域プローブ上で行われた。サンプルの調製(ポリマーの溶解)は140℃で行われ、0.20グラムのポリマーが適当な量の溶媒に溶解されて、3mLの最終ポリマー溶液体積量が得られた。化学シフトは、最も強いプロピレンのメチル基シグナルを21.83ppmに設定することによって参照された。エチレンプロピレンコポリマーの組成計算は、「エチレンに基いたポリマーの高分解能液体炭素13核磁気共鳴による特性解析の総説」、Polymer Reviews、第29巻、第2号、201〜317頁(1989年)にRandallによって記載されている。
【0015】
「分子量特性」:Mw、MnおよびMw/Mnは、3台のインライン検出器、すなわち示差屈折率(DRI)検出器、光散乱(LS)検出器および粘度計を備えた高温ゲル透過クロマトグラフィー(Agilent社製PL−220)を使用することによって測定される。実験の詳細、たとえば検出器の較正はT.Sun、P.Brant、R.R.ChanceおよびW.W.Graessley、Macromolecules、第34巻、第19号、6812〜6820頁、(2001年)およびその中の参考文献に記載されている。3個のAgilent社製PLゲル10μm混合BのLSカラムが使用される。名目流量は0.5mL/分であり、名目注入量は300μLである。様々な移送ライン、カラム、粘度計および示差屈折率計(DRI検出器)は、145℃に保たれたオーブンに収容される。実験用の溶媒は、6グラムのブチル化ヒドロキシトルエンを酸化防止剤として4リットルのAldrich社製試薬等級1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB)中に溶解することによって調製される。TCB混合物は次に0.1μmのテフロン(登録商標)フィルターを通してろ過される。TCBは次にオンライン脱ガス装置で脱ガスされ、その後GPC−3Dに入れられる。ポリマー溶液は、乾燥したポリマーをガラス容器に入れ、所望量のTCBを加え、それから混合物を約2時間連続動揺させながら160℃に加熱することによって調製される。全ての量は重量法で測定される。質量/体積単位でポリマー濃度を表すために使用されたTCBの密度は、室温で1.463g/mlおよび145℃で1.284g/mlである。注入濃度は0.5〜2.0mg/mlであり、より低い濃度はより高い分子量のサンプルに使用される。各サンプルを流す前に、DRI検出器および粘度計はパージされる。装置内の流量がその後0.5ml/分に増加され、DRIは8時間放置安定化させられ、その後最初のサンプルが注入される。LSレーザーは、サンプルを流す1〜1.5時間前に作動状態にされる。クロマトグラムの各点での濃度cは、ベースラインを差し引かれたDRIシグナルI
DRIから以下の式を使用して計算される:
c=K
DRII
DRI/(dn/dc)
この式で、K
DRIはDRIを較正することによって決定される定数であり、(dn/dc)はその系の屈折率増分である。屈折率nは、145℃のTCBについてn=1.500であり、およびλ=690nmである。GPC−3D法についての本明細書の記載全体を通してのパラメーターの単位はたとえば、濃度はg/cm
3で表され、分子量はg/モルで表され、および固有粘度はdL/gで表される。
LS検出器はWyatt Technology社製高温DAWN HELEOSである。クロマトグラムの各点でのポリマー分子量Mは、静的光散乱についての以下のZimmモデル(M.B.Huglin、「ポリマー溶液からの光散乱」、Academic Press社刊、1971年)を使用してLS出力を分析することによって決定される:
【数1】
上記の式で、ΔR(θ)は散乱角θで測定された超過レーリー散乱強度であり、cはDRI分析から測定されたポリマー濃度であり、A
2は第二ビリアル係数である。P(θ)は単分散ランダムコイルについての形状因子であり、K
oは以下の式の系の光学定数である:
【数2】
この式で、N
Aはアボガドロ数であり、(dn/dc)はその系の屈折率増分であり、これはDRI法から得られる値と同じ値をとる。屈折率nは、145℃のTCBについてn=1.500であり、およびλ=657nmである。
【0016】
Viscotek社からの高温粘度計は、2台の圧力変換器を備えたホイートストンブリッジ配置に配列された4本のキャピラリーを有する粘度計であり、これが比粘度を測定するために使用された。1台の変換器は、検出器全体にわたる全圧力損失を測定し、ブリッジの2つの側の間に配置された他方は、差圧を測定する。粘度計を通って流れる溶液の比粘度η
sは、これらの出力から計算される。クロマトグラムの各点での固有粘度[η]は、以下の式から計算される:
η
s=c[η]+0.3(c[η])
2
この式で、cは濃度であり、DRIの出力から決定される。
分枝指数g’(g’
vis)は、GPC−DRI−LS−VIS法の出力を使用して以下のように計算される。サンプルの平均固有粘度[η]
avgは、以下の式によって計算され:
【数3】
この式で、総和は積算限界間のクロマトグラフのスライスiにわたってされる。
分枝指数g’
visは以下のように定義され:
【数4】
この式で、Mvは、LS分析によって測定された分子量に基いた粘度平均分子量である。Z平均分枝指数(g’
Zave)は、ポリマーピークのスライスiのポリマー濃度(Ci)にそのスライスの質量の2乗(Mi
2)を乗じたものを使用して計算される。
【0017】
他様に明示されない限り全ての分子量は重量平均である。他様に明示されない限り全ての分子量はg/モル単位で報告される。
「分枝指数」:本明細書に記載されるエチレンエラストマーは、好ましくは約0.5超の分枝指数を有する。エチレン、アルファオレフィン中の相対的な分枝の程度は、分枝指数因子(BI)を使用して決定される。この因子を計算するには、VerStrate、Gary、「エチレン−プロピレンエラストマー」、Encyclopedia of Polymer Science and Engineering、第6巻、第2版(1986年)に開示された溶液中のポリマー特性の一連の3個の実験室で得られる測定値が必要になる。これらの3個の実験室で得られる測定値は以下のとおりである:(i)ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)と組み合された低角度レーザー光散乱検出器(LALLS)技術を使用して測定されたMw,GPC LALLS、重量平均分子量、(ii)GPCと組み合された示差屈折率(DRI)検出器を使用する重量平均分子量(MwDRI)および粘度平均分子量(MvDRI)、および(iii)135℃のデカリン中で測定された固有粘度(IV)。最初の2個の測定値(iおよびii)は、トリクロロベンゼン中のポリマーのろ過された稀薄溶液を使用してGPCで得られる。
【0018】
平均分枝指数(すなわち、本明細書で使用される分枝指数)は以下のように定義される:
BI=Mv,br×Mw,DRI/Mw,GPC LALLS×Mv,GPC DRI、ここで、Mv,br=(IV/k)1/a;および「a」はMark−Houwink定数(135℃のデカリン中のエチレン、プロピレンジエンエラストマーポリマーについてa=0.759)である。式(1)から、直鎖状ポリマーについての分枝指数は1.0であることになる。分枝状ポリマーの場合、分枝の程度は直鎖状ポリマーとの相対比として定義される。一定の数平均分子量Mnでは(MW)
分枝>(MW)
直鎖状であるので、分枝状ポリマーについてのBIは1.0未満であり、BI値が小さいほど分枝のレベルが高いことを示す。デカリン中のIVを測定する代わりに、DRIおよびLALLS検出器と連携した粘度検出器、いわゆるGPC−3D測定器を使用してIVを測定することも許容される。この場合、GPC溶媒に適した「k」値および「a」値が上記の式で使用されなければならない。
【0019】
「ムーニー粘度」:用語「ムーニー粘度」とは、本明細書のあるポリマー、ポリマー成分およびポリマー組成物を特性付けるために使用される用語である。本明細書で使用される用語「ムーニー粘度(ML(1+4)@125℃)」または単に「ムーニー粘度」は、米国特許第6,686,415号に記載された定義および測定方法によって定義され測定されたものであり、同特許は参照によってその全体が本明細書に組み入れられる。あるいは、本明細書で参照されたどのような「ムーニー粘度」値(特許請求の範囲におけるものを含む。)も、ムーニー粘度を測定するものとして認識され公表された方法に従って測定されたどのようなムーニー粘度をも包含するものと見なされる。
【0020】
「MI」:本明細書で使用される用語「MI」とは「メルトインデックス」を表す。「MI」の単位は、10分間当たりのグラムであり、MFR/MIを測定するための本明細書の試験は、190℃で2.16kgを使用するASTM−1238に記載された任意のバージョンおよび条件で記載される。
【0021】
「分枝指数」:本明細書に記載されたエチレンポリマーは、好ましくは約0.5超の分枝指数を有する。エチレン、アルファオレフィンポリマーの相対的な分枝の程度は、分枝指数因子(BI)を使用して決定される。この因子を計算するには、VerStrate、Gary、「エチレン−プロピレンエラストマー」、Encyclopedia of Polymer Science and Engineering、第6巻、第2版(1986年)に開示された溶液中のポリマー特性の一連の3個の実験室で得られる測定値が必要になる。これらの3個の実験室で得られる測定値は以下のとおりである:(i)ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)と組み合された低角度レーザー光散乱検出器(LALLS)技術を使用して測定されたMw,
GPC LALLS,重量平均分子量、(ii)GPCと組み合された示差屈折率(DRI)検出器を使用する重量平均分子量(Mw
DRI)および粘度平均分子量(Mv
DRI)、および(iii)135℃のデカリン中で測定された固有粘度(IV)。最初の2個の測定値(iおよびii)は、トリクロロベンゼン中のポリマーのろ過された稀薄溶液を使用してGPCで得られる。
【0022】
平均分枝指数(すなわち、本明細書で使用される分枝指数)は以下のように定義される:
BI=Mv,br×Mw,DRI/Mw,GPC LALLS×Mv,GPC DRI、ここで、M
v,br=(IV/k)
1/a;および「a」はMark−Houwink定数(135℃のデカリン中のエチレン、プロピレンジエンエラストマーポリマーについてa=0.759)である。式(1)から、直鎖状ポリマーについての分枝指数は1.0であることになる。分枝状ポリマーの場合、分枝の程度は直鎖状ポリマーとの相対比として定義される。一定の数平均分子量M
nでは(M
W)
分枝>(M
W)
直鎖状であるので、分枝状ポリマーについてのBIは1.0未満であり、BI値が小さいほど分枝のレベルが高いことを示す。デカリン中のIVを測定する代わりに、DRIおよびLALLS検出器と連携した粘度検出器、いわゆるGPC−3D測定器を使用してIVを測定することも許容される。この場合、GPC溶媒に適した「k」値および「a」値が上記の式で使用されなければならない。
【0023】
「反応性比」:好ましくは、エチレンポリマーは0.5〜1.5の反応性比を有する。反応性比積は、「ポリマー化学の教科書」、F. W. Billmeyer,Jr.、Interscience Publishers社刊、米国、ニューヨーク州、221頁以下参照(1957年)により十分に記載されている。反応性比積r
1r
2は、この式でr
1はエチレンの反応性比であり、r
2はプロピレンの反応性比であり、測定されたダイアド分布(本明細書の命名法ではPP、EE、EPおよびPE)から以下の式を適用することによって計算されることができる:nr
2=4(EE)(PP)/(EP)
2r
1=K
11/K
12=[2(EE)/(EP)]Xr
2=K
22/K
21=[2(PP)/(EP)]X。P=(PP)+(EP/2)、E=(EE)+(EP/2)、この式でモル%E=[(E)/(E+P)]×100であり、X=リアクター中のE/Pであり、K
11およびK
12はエチレンについての動的挿入定数であり、K
21およびK
22はプロピレンについての動的挿入定数である。
【0024】
当業者に知られているように、0の反応性比積r
1r
2は「交互」コポリマーを定義することができ、1の反応性比積は「統計的にランダムな」コポリマーを定義すると言われている。言いかえれば、0.6〜1.5の反応性比積r
1r
2を有するコポリマーは、一般にランダムであると言われる(厳密に理論的に言えば、一般に、1.5超の反応性比積r
1r
2を有するコポリマーのみが相対的に長いホモポリマー連鎖を含んでおり、「ブロック状」であると言われる。)。本発明のポリマーは、1.5未満、または1.3未満、または1.0未満、または0.8未満および0.5超の反応性比積r
1r
2を有する。本発明の実施形態のポリマー鎖内のコモノマーの実質的に均一な分布は一般に、本明細書に開示された分子量(重量平均)についてのポリマー鎖内の有意な量のプロピレン複数単位またはプロピレン連鎖の可能性を排除する。
【0025】
「2,1挿入に基いて逆挿入されたプロピレン単位の割合」:好ましくは、エチレンポリマーは、2,1挿入に基いて0.5重量%未満の逆挿入されたプロピレン単位の割合を有する。プロピレンポリマー中の全てのプロピレン挿入基に対する2,1挿入の割合は、雑誌Polymer、第30巻(1989年)、1350頁の記事を参照して以下の式によって計算された。
【0026】
2,1挿入に基いて逆挿入された単位の割合(%)=
【数5】
上記の式中のピークの名前は、雑誌Rubber Chemistry and Technology、第44巻(1971年)、781頁中のCarmanらによる方法に従って付けられ、この式でI
αδはαδ
+第2級炭素ピークのピーク面積を表す。ピークの重なりのためにIαβ(構造(ii))からIαβ(構造(i))のピーク面積を分離するのは困難である。対応する面積を有する炭素ピークがそれに代わって使用されることができる。
【0027】
本明細書に記載された組成物の1種以上では、エチレンポリマーは、ポリマー組成物の全重量に基いて50重量%以上の量で組成物中に存在する。
【0028】
本明細書に記載された組成物の1種以上は、フィラーまたは可塑剤またはそれらの両方をさらに含んでいる。
【0029】
本明細書に記載された組成物の1種以上では、ポリマー組成物はジエン由来単位を実質的に含んでいない。
【0030】
本明細書に記載された組成物の1種以上では、エチレンポリマーは低結晶性のエチレンプロピレンコポリマーである。
エチレンポリマー
【0031】
本明細書に記載されたポリマーは主にエチレン、すなわち70重量%超のエチレンモノマーに由来する単位を有する。本明細書に記載された組成物の1種以上では、エチレンポリマーのエチレン含有量は、約70重量%以上、好ましくは約75重量%超、または77重量%から約85重量%未満または約90重量%未満である。1つの実施形態では、エチレンポリマーは、約30重量%未満、好ましくは25重量%未満、または23重量%から約15重量%超、または約10重量%超のプロピレン含有量を有する。1つの実施形態では、エチレンポリマーは約5重量%未満のC
4〜C
20アルファオレフィン含有量を有する。
【0032】
好ましくは、本明細書に記載されたポリマー(「エチレンポリマー」とも呼ばれる。)はいくらかの結晶性(「半結晶性」を含む。)を有し、これは本明細書では「エチレンに由来する結晶性」とも呼ばれる。しかし、このポリマーのどのような結晶性も、好ましくはエチレンに由来する。このような場合の結晶化度パーセントはポリエチレンの結晶化度パーセントとして測定され、したがって結晶化度がエチレンに由来することは確立している。
【0033】
好ましくは、エチレンに由来する単位に加えて、ポリマーはアルファオレフィンモノマーに由来する単位を含んでいる。好適なアルファオレフィンモノマーとしては、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテンまたはオクテンおよびこれらの異性体が挙げられるが、これらに限定されない。好都合なことに、ポリマーは上記の列挙から選ばれた様々なアルファオレフィンモノマーおよび/または様々な量のモノマー、たとえば様々な量のエチレンおよびアルファオレフィンモノマーを使用して配合化されて、様々な量のタイプのポリマー、たとえば所望の特性を有するエチレンポリマーが調製されることができる。
【0034】
好ましくは、このポリマーは好ましくは(ムーニー粘度によって測定される)高い分子量および低い結晶化度を有するエチレンポリマー(エチレン−環状オレフィンおよびエチレン−アルファオレフィン−ジオレフィンを含む。)であるポリマーを含んでいる(またはポリマーである)。ポリマーは、任意の適当な触媒ではあるが好ましくは以下に記載される触媒を使用して調製されることができる。選択された組成(たとえば、モノマーのタイプおよび含有量)および特性を有する多数のポリマーが形成されることができる。
重合プロセス
【0035】
本明細書に開示されるのは、エチレンポリマーを含んでいるポリマー組成物をつくるプロセスであり、このプロセスは、モノマー系および触媒系が一緒にされた供給原料を重合ゾーンの溶媒中で重合して、エチレンポリマーを含んでいる混合物を提供する工程を含み、当該エチレンポリマーは好ましくはエチレン由来単位とプロピレン由来単位とのランダムコポリマーであり、当該エチレンポリマーは非結晶性であるかまたはエチレンタイプの結晶性を有する。
重合触媒
【0036】
最も広い形態では、組成物は任意のSSC(シングルサイト触媒)を使用して調製されることができる。このような触媒は、一般に周期表の3〜10族の遷移金属を含んでいる遷移金属錯体;および重合の間、遷移金属に結合されたままである少なくとも1種の補助配位子であってもよい。好ましくは、遷移金属は還元されたカチオン状態で使用され、共触媒または活性剤によって安定化させられる。
【0037】
補助配位子は、そのようなシクロペンタジエニルタイプの環構造とπ結合を形成することができる構造であってもよい。補助配位子はまた、ピリジニルまたはアミドの配位子であってもよい。遷移金属は、好ましくは周期表の4族の遷移金属、たとえばチタン、ハフニウムまたはジルコニウムであり、これらの遷移金属は以下に、より詳細に記載されるようにd
0の1価カチオン状態で重合に使用され、1個または2個の補助配位子を有する。配位重合用のこのような触媒の重要な特徴は、引き抜き能力を有する配位子およびその配位子中にエチレン(オレフィン性)基が挿入されることができることである。
【0038】
遷移金属錯体は、適当なキラリティーによってプロピレンモノマーにある程度の立体的秩序を強制してもよい。より高い分子量の第1のポリマーが所望されまたはより高い重合温度が所望される場合には、それは共触媒として非配位性または弱配位性アニオン(本明細書で使用される非配位性アニオンの用語は弱配位性アニオンを包含する。)よりも好ましい。あるいは、アルミノキサンまたはオキシ−アルミニウム部分を取り込んでいる錯体が使用されてもよい。
【0039】
非配位性アニオンの前駆体が、還元された原子価状態で供給された遷移金属錯体とともに使用されてもよい。前駆体はレドックス反応を起こしてもよい。前駆体は、ボラン錯体のように中性であり、それから配位子を引き抜くことによって遷移金属カチオンを形成してもよい。前駆体は、それから前駆体カチオン、たとえばボレートがある方法で中和されおよび/または除去されるイオン対であってもよい。前駆体カチオンは欧州特許第277003号および欧州特許第277004号におけるようなアンモニウム塩であってもよい。前駆体カチオンは欧州特許第426637号におけるようなトリフェニルカルボニウム誘導体であってもよい。非配位性アニオンは10〜14族錯体であることができ、そこではホウ素またはアルミニウムが、ハロゲン化されたおよびとりわけパーフルオロ化されたものでもよい配位子によって遮蔽された電荷保持原子である。好ましくは、テトラアリール基で置換された10〜14族の非炭素元素に基いたアニオン、特にアリール基上のまたはこれらのアリール基上のアルキル置換基上の水素原子を置換するフッ素基であるものまたはフッ素基を有するものである。
【0040】
非配位性アニオンは、遷移金属錯体に対してほぼ等モル、たとえば少なくとも0.25モル、好ましくは少なくとも0.5モル、とりわけ少なくとも0.8モル、およびたとえば4モル以下、好ましくは2モル以下、とりわけ1.5モル以下の量で使用されてもよい。
【0041】
遷移金属錯体は、オレフィン重合に有用なピリジンアミン錯体、たとえば国際公開第WO 03/040201号に記載されたものであってもよい。遷移金属錯体は、米国特許第6,559,262号におけるような、周期的な分子内再配置を行って立体規則性の所望の中断をもたらすような流動性錯体であってもよい。遷移金属錯体はプロピレン挿入に対して混合された影響を有する立体的に剛直な錯体であってもよく、欧州特許第1070087号を参照せよ。
【0042】
好ましくは、遷移金属錯体は式L
AL
BL
iCMDEを有するキラルな架橋されたビスシクロペンタジエニル誘導体であり、この式でL
AおよびL
Bは、Mにパイ結合された、置換または非置換のシクロペンタジエニルまたはヘテロシクロペンタジエニル補助配位子であって、L
AおよびL
B配位子が14族元素連結基によって共有結合で一緒に架橋されたものであり;L
iCは、Mへの配位結合を有する任意的な中性の非酸化性配位子であり(iは0〜3である。);Mは4族または5族の遷移金属であり;DおよびEは独立に、1価アニオンの不安定配位子であって、それぞれMへのシグマ結合を有し、任意的に互いにまたはL
AにまたはL
Bに架橋されているものである。1価アニオン配位子は適当な活性剤によって変位可能であり、重合可能なモノマーの挿入を可能にし、またはマクロモノマーは配位重合の場合に遷移金属成分の空配位座上に挿入されることができる。
【0043】
触媒を使用するときに、全触媒系は一般に捕捉剤として1種以上の有機金属化合物を追加的に含んでいる。本出願において使用されるそのような化合物は、反応環境から極性不純物を除去して触媒活性を増加させるのに有効な化合物を含むことが意図されている。
【0044】
少なくとも1つの実施形態では、重合プロセスは、ビス(シクロペンタジエニル)金属化合物、および(1)非配位性互換性アニオン活性剤または(2)アルモキサン活性剤のいずれかから成りまたはこれらを含んでいる。使用されることができる触媒系の非限定的な例は、米国特許第5,198,401号および第5,391,629号に記載されている。この実施形態の特定の様相では、アルモキサン活性剤は、1:1〜20,000:1のアルミニウムとメタロセンとのモル比を提供する量で使用されることができる。この実施形態の別の特定の様相では、非配位性互換性アニオン活性剤は、10:1〜1:1のビスシクロペンタジエニル金属化合物と非配位性アニオンとのモル比を提供する量で使用されることができる。この実施形態のさらに別の特定の様相では、重合反応は、−0℃〜200℃の温度で1秒間〜10時間、本明細書に記載された触媒系の存在下にモノマーを反応させることによって行われる。
【0045】
ある実施形態では、本発明のエチレンポリマーは、キラルのメタロセン触媒とともに活性剤および任意的な捕捉剤の存在下に製造されてもよい。シングルサイト触媒の使用がポリマーの均質性を高めるために好ましい。ほんの限られた立体規則性があればよいので、多くの様々な形態のシングルサイト触媒が使用されてもよい。可能なシングルサイト触媒は、メタロセン、たとえば米国特許第5,026,798号に記載されたものであり、これは単一のシクロペンタジエニル環、好都合には置換されたものおよび/または多環状構造体の一部を形成するもの;およびヘテロ原子、一般的には窒素原子、しかし可能なものとしてまたリン原子またはフェノキシ基であって、4族遷移金属、好ましくはチタン、しかし可能なものとしてジルコニウムまたはハフニウムに結合されたものを有する。さらなる例は、400万までのMnを有するポリプロピレンを製造するのに使用されるような、B(CF)
3で活性化されたMe
5CpTiMe
3であり、Sassmannshausen、Bochmann、Rosch、Lilge、J.Organomet.Chem.(1997年)第548巻、23〜28頁を参照せよ。
【0046】
他の可能なシングルサイト触媒は、4族遷移金属、好ましくはハフニウムまたはジルコニウムを有するビスシクロペンタジエニル誘導体であるメタロセンである。このようなメタロセンは、米国特許第4,522,982号または第5,747,621号におけるような非架橋なものでもよい。メタロセンは、米国特許第5,969,070号におけるような主にプロピレン誘導単位を含んでいるポリマーを製造するように適合化されたものでもよく、同米国特許は非架橋ビス(2−フェニルインデニル) ジルコニウムジクロリドを使用して、79℃超の融点を有する均質なポリマーを製造している。このシクロペンタジエニル環は、上記の米国特許に記載されたように置換されたものおよび/または多環状系の一部であってもよい。
【0047】
他の可能なメタロセンとしては、2個のシクロペンタジエニル基が架橋によって、一般に単一の原子、たとえばケイ素または炭素原子の架橋によって、所望によっては2個の残りの原子価を占有する基の架橋によって結合されたものが挙げられる。このようなメタロセンは、米国特許第6,048,950号に記載されており、同米国特許はビス(インデニル)ビス(ジメチルシリル)ジルコニウムジクロリドおよびMAOを開示し;国際出願第WO98/27154号はジメチルシリルで架橋されたビスインデニルハフニウムジメチルとともに非配位性アニオン活性剤を開示し;欧州特許第1070087号は架橋されたビスシクロペンタジエニル触媒を開示し、この触媒は2個のシクロペンタジエニル配位子の間に非対称の要素を有して弾性特性を備えたポリマーを与え;および米国特許第6,448,358号および第6,265,212号に記載されたメタロセンが挙げられる。
【0048】
シングルサイト触媒の活性化の方法は様々であることができる。アルモキサンおよび好ましくはメチルアルモキサンが使用されることができる。公表された特許技術、たとえば欧州特許第277004号、第426637号および多くの他のものに豊富に記載されたいずれかの方法で誘導され生成された非配位性または弱配位性アニオン活性剤(NCA)を使用して、より高い分子量が得られることができる。活性化は、一般にアニオン基、たとえばメチル基を引き抜いてメタロセンカチオンを形成することが係わっていると考えられている。もっとも、いくつかの文献によれば両性イオンが生成されている可能性もある。NCA前駆体はボレートまたはアルミネートのイオン対であることができ、そこから前駆体カチオン、たとえばテトラキスペンタフルオロフェニルホウ素のトリチルまたはアンモニウム誘導体がある様式で活性化後に除去される(欧州特許第277004号を参照せよ。)。NCA前駆体は中性の化合物、たとえばボランであることができ、これは、メタロセンから引き抜かれたアニオン基の引き抜きおよびそれの取り込みによってカチオンへと変えられる(欧州特許第426638号を参照せよ。)。
特定の触媒
【0049】
上記の重合プロセスの際に、適当な触媒が様々な方法でリアクターに送達されてもよい。たとえば、それは溶液またはスラリーとしてリアクターの直前でインラインで活性化されて送達され、または予め活性化されて活性化された溶液またはスラリーとしてリアクターに送り込まれてもよい。重合はリアクター中で実施され、反応物成分(たとえば、所望のモノマー、コモノマー、触媒/活性剤、捕捉剤および任意的な変性剤)がリアクターに好ましくは連続的に加えられる。
【0050】
1つの実施形態では、1種以上の触媒を含んでいる触媒混合物が、エチレンポリマーを調製するために使用される単一のリアクター中に存在してもよい。
【0051】
プロセスおよび組成物のある実施形態では、米国特許第6,207,756号に記載された触媒が重合プロセスで使用されることができ、その特許は参照によってその全体が、特に触媒について記載する部分、たとえば第8欄、20行目〜第14欄、21行目が本明細書に組み入れられる。好ましい触媒はアイソ特異性であるものである。触媒は好ましくは1,
1−ビス(4−トリエチルシリルフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,8−ジ−第3級ブチル−1−フレオレニル)ハフニウムジメチルおよびジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート活性剤である。
ポリマー組成物をつくるための好ましい手順
【0052】
本発明のポリマー組成物の製造は、以下の方法に従うことができる。このような材料は融解物加工処理装置においてせん断劣化を被ることがないので、この材料は独特の特性を保持する。
【0053】
エチレンに、より富むエチレンポリマーは、好ましくは約50〜90%のエチレン、より好ましくは50〜75%のエチレンを含んでおり、これは適当な重合リアクター容器中でメタロセン触媒を用いてつくられる。
【0054】
ある方法では、モノマー(反応物とも呼ばれる。)は炭化水素溶媒中に溶解される。炭化水素溶媒はモノマーのうちの1種でもよく、または不活性の溶媒であってもよい。好ましい方法では、溶媒、たとえばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンまたは他のパラフィンが使用される。溶媒は、組み合されてまたは単独で使用されてもよい。いくつかの例では、シクロアルカンまたは芳香族溶媒、たとえばトルエンが使用されてもよい。このような溶媒が多くの場合に選択される。というのは、これらのものがその中に触媒を溶解するためにより良好な媒体を提供するからである。異なるタイプの溶媒の混合物を使用することも可能である。
【0055】
反応が溶媒中で行われるようなプロセスは、本明細書では溶液プロセスと呼ばれる。溶液プロセスは、改善された熱伝導を提供し、ポリマーの粘度を低減し、それによってポリマーを取り扱うことをより簡単にする。モノマーは炭化水素溶媒中に溶解され、この「混合供給原料」流れがリアクターに供給される。モノマーおよび溶媒はまた、個別の入口を経由してリアクターに供給されることもできる。触媒および活性剤が次に注入ポートを経由してリアクター中に導入される。触媒の活性化がリアクターの外部で行われ、活性化された触媒錯体が次にリアクター中に導入されてもよい。別の好ましい方法では、触媒成分はリアクター中に別々に注入されてもよく、その場合には活性化された錯体はリアクター中でその場で(in−situ)形成される。ある例では、リアクターに入る前の混合供給原料流れ中に触媒を注入することが好ましいこともある。
【0056】
別の形態では、コポリマーはスラリーリアクター中でつくられる。製品および/または触媒は、使用される溶媒へのその溶解度を超える濃度で存在してもよい。これらの化学種の不溶性成分は、その後搬送媒体中でスラリーを形成する。
【0057】
さらに別の形態では、スラリーリアクターが、成長鎖の近傍中のモノマー濃度に影響を及ぼすために使用され、それによって、コポリマーの形態(morphology)に影響を与える。
【0058】
別の実施形態では、コポリマーは単一の栓流リアクターで製造される。さらに下流での精製の前に、触媒が次に、極性物質、たとえば水、アルコールまたはアミンを導入することによって非活性化される。つくられたポリマー製品は、次に当該分野で知られており一般に実施されているいくつかの方法によって搬送媒体または溶媒から分離される。ある方法では、溶液中のポリマーは、ポリマーに富むまたは濃厚な相とポリマーに乏しいまたは希薄な相とに分離される。セパレーター中の圧力および温度は、濃厚な相中のポリマーの濃厚化を優先的に高めるように調節される。その中にポリマーをほとんど有しない、より軽質な相は最上部に浮かび、そして除去される。濃厚な相は、次に溶媒のフラッシュ蒸発によってさらに濃縮され、それから脱揮発性成分ミキサーまたは押出機に供給される。クロスヘッド押出機が脱揮発性成分ミキサーまたは押出機の出口に取り付けられて、ポリマーがダイプレートを通されてさらに圧搾される。本発明の1つの実施形態では、ポリマーは、ダイプレートを通されて直接、押し出され、それが脱揮発性成分ミキサーまたは押出機を出た後にペレット化される。ポリマーは、水中ペレタイザーを使用して小さいペレットにカットされる。1つの実施形態では、ポリマーは、ストランドカッターまたは当該分野で知られている他のペレタイザーによってペレット化されてもよい。ペレットはスピンドライヤーに搬送され、水が除去される。その後、ペレットは流動床ドライヤーに進み、湿分および他の揮発性成分が除去される。乾燥された製品は次に販売のために包装される。
有用な物品
【0059】
本発明の好ましい組成物はフィルム用途に特に有用である。
【0060】
フィルムは単層または多層フィルムであることができる。1つの実施形態では、フィルムは、フィルム層の全重量に基いて約5重量%〜約95重量%のポリマー組成物から構成される少なくとも1つの層、すなわち単層フィルムの唯一の層か、あるいは多層フィルムの1つの層を含んでいる。1つの実施形態では、フィルム層の厚さは、約1μm〜約2,000μm、約5μm〜約150μm、約10μm〜約100μm、約20μm〜約90μmまたは約15μm〜約75μmの厚さを有する。多層フィルム構造の一部の場合には、フィルム層は、全フィルム厚さの少なくとも5%、または少なくとも10%、または少なくとも15%、または少なくとも17%、または少なくとも20%、または全フィルム厚さの少なくとも50%を占める。
【0061】
フィルムは、多数の周知の積層、押し出しまたは共押し出しの技術によって形成されることができる。一般に使用される任意のブローン、テンターまたはキャストフィルム技術が適している。たとえば、キャストフィルムプロセスでは、樹脂組成物はフラットダイを通して融解状態で押し出され、次に冷却されて、フィルムが形成されることができる。あるいは、組成物は環状のダイを通されて融解状態で押し出され、次にブロー成形され冷却されて、管状、ブローンフィルムが形成されることができ、これは次に袋またはスリットをつくるために、および広げられてフラットフィルムを形成するために使用されることができる。
【0062】
本発明のポリマー組成物を用いたフィルムは、機械的性質、靭性、シール性および付着性/接着性の優れたバランスを有することが期待される。フィルムはまた、シュリンクフィルムに使用され、および耐酷使性が要求される充填およびシール用途を構成することができる。フィルムはまた、任意の温度における食品包装に有用である良好な柔軟性/手触りおよび光学的/透明性の特性も有する。
【0063】
具体的な用途としては、ごみ袋、成人ケア品目、農業用フィルム、アルミホイルラミネート、アルミニウムラミネート、アスファルトフィルム、自動車パネルフィルム、ベーコンパッケージング、バッグインボックスの液体パッケージング用途、パン製品、バナナフィルム、バッチ包含バッグ、トイレットペーパー外装、2軸配向フィルム、2軸配向ポリプロピレン(BOPP)フィルム、ビスケットパッケージ、ブティックバッグ、パンバッグ、気泡シート、建物フィルム、ケーキミックスパッケージング、ごみ袋、キャンディーラップ、ボール紙液体パッケージング、カーペットフィルム、キャリーアウトサック、セメントパッケージング、シリアルライナー、チーズパッケージング、化学品パッケージング、透明フィルム、コーヒーパッケージング、コインバッグ、照合シュリンクフィルム、菓子製造パッケージング、建築シート、建築フィルム、消費財、消費者ごみ袋、連続ラップ、便宜パッケージング、化粧品パッケージング、カウンターバッグ、カバーフィルム、カップ/刃物外装、デリカテッセンパッケージング、洗剤パッケージング、おむつバックシート、ディスポ製品(おむつ、衛生品など)、乾燥食品包装、乾燥穀粒、ダンネージバッグ、肥料、魚およびシーフードパッケージング、食品包装、基礎フィルム、冷凍乾燥製品、冷凍装置フィルム、冷凍食品、フルーツジュースパッケージング、家具バッグ、庭袋、ガーメントバッグ、ジオメンブレンライナー、グローブ、砂利袋、温室フィルム、買物袋、丈夫な袋、高透明照合シュリンクフィルム、高透明フィルム、高速パッケージング用途、高剛性外装フィルム、水平型充填シール(HFFS)包装、家庭のラップ、衛生外装フィルム、氷嚢、切り込みドレープ、産業器材パッケージング、工業ライナー、工業ごみ袋、産業予備部品パッケージング、店内セルフサービスバッグ、絶縁バッグ、業務用ライナー、ジュースバッグ、キッチンバッグ、修景バッグ、積層フィルム、軽量シュリンクフィルム、石灰バッグ、ライナー、液体パッケージング、液体および顆粒食品包装、低剛性外装フィルム、マガジン外装、郵便バッグ、郵便封筒/袋、マスキングフィルム、マヨネーズパッケージング、肉パッケージング、医療品、医用ドレーピング、中型バッグ、商品バッグ、含金属ラミネート、軍用品パッケージング、ミルクバッグ、粉ミルクパッケージング、改善雰囲気パッケージング、マルチフィルム、多重壁サックライナー、新聞バッグ、鼻組織外装、オリーブオイルパッケージング、豆パッケージング、グラウトのような接合製品パッケージング、乾燥して鋭い製品のパッケージング、パレットシュリンクフィルム、パンケーキバターバッグ、紙ハンカチ外装、ラミネート紙、パスタ外装、ペレット化ポリマー、香水パッケージング、パーソナルケアパッケージング、殺虫剤パッケージング、医薬品パッケージング、顔料パッケージング、ピザパッケージング、ポリアミドラミネート、ポリエステルラミネート、じゃがいも製品パッケージング、鉢植え用土バッグ、小袋、鶏肉パッケージング、プレフォーム小袋、農産物袋、農産物パッケージング、ラックアンドカウンターフィルム、調理済食品パッケージング、レトルト製品パッケージング、ゴム産業用フィルム、サンドイッチバッグ、塩バッグ、ソーセージパッケージング、シーフードパッケージング、輸送袋、シュリンクバッグ、シュリンク束ねフィルム、シュリンクフィルム、シュリンクシュラウド、シュリンクトレー、シュリンクラップ、スナック食品パッケージング、清涼飲料パッケージング、土バッグ、スープパッケージング、香辛料パッケージング、自立パウチ、保存用バッグ、ストレッチフィルム、ストレッチフーダー、ストレッチラップ、スーパーマーケットバッグ、外科衣、テークアウト食品バッグ、織物フィルム、ゴミ袋、熱成形コンテナー、薄膜、組織外装、タバコパッケージング、トマトパッケージング、ケチャップパッケージング、ごみ袋、Tシャツバッグ、真空スキン包装、野菜パッケージング、垂直型充填シール(FFS)包装、水平型FFS包装、管状FFS包装、および水筒パッケージングが挙げられる。
【0064】
フィルムに加えて、本明細書に記載されたブレンドは、他の用途、たとえば押し出しコーティング、射出成形、回転成形およびブロー成形用途に利用される。
【0065】
フィルムの物理的性質は、使用されるフィルム成形加工技術に応じて、ポリマー組成物の性質とは異なることがある。フィルムのある独特な特性は、より詳細に以下に記載される。
[実施例]
【0066】
実施例において、E−1〜E−5は、本発明の、単一のリアクターで調製されたメタロセン触媒によるエチレン−プロピレンポリマーである。本発明のポリマーを調製するために使用された触媒は全て、1,
1−ビス(4−トリエチルシリルフェニル)メチレン−(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−第3級ブチル−9−フレオレニル)ハフニウムジメチルであり、活性剤はジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートであった。E−1〜E−5は本明細書に記載されたプロセスによって重合された。共重合は、供給原料が連続流れで系に供給され平衡条件下にある製品が連続的に抜き出される、単一相の液体充満の撹拌槽型リアクターで実施された。全ての重合は、一般にヘキサン溶媒と呼ばれる主にC
6アルカンを含んでいる溶媒中で、可溶性のメタロセン触媒および共触媒として個別性非配位性ボレートアニオンを使用して行われた。ヘキサン中のトリ−n−オクチルアルミニウムの均質の希薄溶液が、反応を維持するのに適した濃度で捕捉剤として使用された。水素が、分子量を調節するために必要に応じて添加された。ヘキサン溶媒は、3Aモレキュラーシーブおよび塩基性アルミナの床上で精製された。全ての供給原料は、エチレンを除いて、定量ポンプによってリアクターに送り込まれ、エチレンはマスフローメーター/調節器を通してガスとして流された。リアクター温度は、供給原料の調節された冷却によっておよび重合熱をリアクターを加熱するために使用して断熱的に調節された。リアクターは、反応物混合物の蒸気圧を超える圧力に維持されて、反応物が液相に保たれた。このように、リアクターは液体充満の均質の単一相で操作された。エチレンおよびプロピレン供給原料は1つの流れへと一緒にされ、次に予め冷却されたヘキサン流れと混合された。トリ−n−オクチルアルミニウム捕捉剤のヘキサン溶液が、溶媒およびモノマーの一緒にされた流れにそれがリアクターに入る直前に加えられて、あり得る触媒毒の濃度がさらに低減された。溶媒中の触媒成分の混合物は、リアクターに別途に送られ、別のポートを通して入れられた。反応混合物は、約750rpmまでに設定された3方向に対向する傾斜パドル撹拌機を備えたマグナ駆動装置を使用して激しく撹拌されて、広い範囲の溶液粘度にわたって完全な混合が提供された。流量は、約10分間のリアクター中の平均滞留時間を維持するように設定された。リアクターを出ると直ぐに、コポリマー混合物は、クエンチング、一連の濃縮工程、加熱および真空ストリッピング、およびペレット化に付され、これらの全般的な条件は国際出願第WO 99/45041号に記載されており、同出願の内容は参照によってその全体が本明細書に組み入れられる。E−1〜E−5の特性は下の表1に示され、本明細書に記載された方法に従って測定された。
【表1】
【0067】
特定の実施形態および特徴が、1組の数値上の上限および1組の数値上の下限を使用して記載されてきた。特に指定のない限り、任意の下限から任意の上限までの範囲が目論まれていることが理解されなければならない。全ての数値は「約」または「おおよそ」表示された値であり、また当業者によって予測される実験誤差および変動を考慮に入れている。
【0068】
本明細書で使用される句「実質的に・・・ない」および「実質的に含んでいない」とは、対象の項目がいかなる量においても意図的には使用されないまたは加えられないが、環境上またはプロセス条件に起因する不純物として存在する非常に少量で存在することがあることを意味するように意図されている。
【0069】
特許請求の範囲で使用される用語が上で定義されていない限度において、それは当業者がその用語に与えた、少なくとも一つの印刷された刊行物または発行された特許に反映されているような最も広い定義が与えられなければならない。その上、本出願で引用された全ての特許、試験方法等の文書は参照によって本明細書に組み込まれるが、そのような開示内容が本出願と矛盾せず、その組み込みが許される全ての法管轄区域での目的のためを限度とする。
【0070】
これまでの記載は本発明の実施形態に関するものであるけれども、本発明のそれ以外のおよびさらなる実施形態が、本発明の基本的な範囲から逸脱することなく考案されることができ、またその範囲は、以下に続く特許請求の範囲によって決定される。