(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1のバスバーが、ASTM B905−00(2010年再承認)の方法Bによって決定される、少なくとも4の分類を有する、請求項1に記載のエレクトロクロミックデバイス。
前記ドープされた金属酸化物が、第13族元素でドープされた酸化スズ、第13族元素でドープされた酸化亜鉛、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項5に記載のエレクトロクロミックデバイス。
前記耐酸化層が、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化チタン、窒化タングステン、窒化タンタル、窒化ケイ素チタン、窒化ケイ素タングステン、または窒化ケイ素タンタルを含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載のエレクトロクロミックデバイス。
【発明の概要】
【0006】
以下の説明は、図と組み合わせて、本明細書に開示される教示の理解を助けるために提供される。以下の考察は、教示の特定の実装形態及び実施形態に焦点を合わせる。この焦点は、教示の説明を助けるために提供され、教示の範囲または適用性を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0007】
ポリマーには、ホモポリマー及びコポリマーが含まれる。ホモポリマーは単一のポリマー前駆体から形成され、コポリマーは異なるポリマー前駆体から形成される。
【0008】
本明細書において、屈折率は550nmで測定される。
【0009】
用語「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有している(having)」、またはこれらの任意の他の変形は、非排他的包含を網羅するように意図される。例えば、特徴の列挙を含むプロセス、方法、物品、または装置は、必ずしもそれらの特徴のみに限定されるわけではないが、明確には列挙されていないか、またはこのような方法、物品、もしくは装置に固有である他の特徴を含んでもよい。さらに、そうではないと明確に記載されない限り、「または(or)」は、包含的または(inclusive−or)を指し、排他的または(exclusive−or)を指すものではない。例えば、条件AまたはBは、以下のうちのいずれか1つよって満たされる:Aが真であり(または存在し)かつBが偽である(または存在しない)、Aが偽であり(または存在しない)かつBが真である(または存在する)、及びAとBの両方が真である(または存在する)。
【0010】
また、「a」または「an」の使用は、本明細書に説明される要素及び構成要素を説明するために用いられる。これは、単に便宜性のために、また本発明の範囲の一般的な意味を付与するために行われる。この説明は、それがそうではないように意味されることが明白でない限り、1つ、少なくとも1つを含むように読まれるべきであり、または単数形は複数形も含み、逆も同様である。
【0011】
「約」、「およそ」または「実質的に」という単語の使用は、パラメータの値が記載された値または位置に近いことを意味することを意図している。しかしながら、軽微な相違は、値または位置が正確に述べられていることを妨げる可能性がある。したがって、値の最大10パーセント(10%)の差は、記載されたとおりの理想的な目標との妥当な相違である。
【0012】
別段に定義されない限り、本明細書に使用される全ての専門用語及び科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって通常理解されるものと同じ意味を有する。材料、方法、及び実施例は、単に例証的なものであり、限定的であることを意図されない。本明細書に記載されていない限り、特定の材料及び処理行為に関する多くの詳細は、従来のものであり、教科書及ガラス、蒸着及びエレクトロクロミック技術内の他の情報源に見出され得る。
【0013】
エレクトロクロミックデバイスは、透明導電性酸化物及び基板のような低抵抗率及び下地材料への良好な接着性を有するバスバーを含むことができ、その各々はバスバーと物理的に接触することができる。エレクトロクロミックデバイスは、基板と、基板上の透明導電性酸化物層と、基板上のバスバーとを含むことができる。バスバーは銀を含み、最大8.0×10
−6Ω*cmの抵抗率、ASTM B905−00(2010年再承認)の方法Aによって測定される、20回の測定に基づく少なくとも3NのSiO
2に対する平均接着強度、ASTM B905−00(2010年再承認)の方法Bによって決定される、少なくとも3の分類、またはそれらの任意の組み合わせを有することができる。
【0014】
別の態様では、エレクトロクロミックデバイスを形成するプロセスは、基板上に透明導電性酸化物層を形成することと、基板上にバスバー前駆体を形成することであって、バスバー前駆体が銀を含む、形成することと、バスバー前駆体を焼成してバスバーを形成することであって、焼成することが、バスバーが少なくとも390℃の温度になるように行われる、形成することと、を含む。
【0015】
透明導電性酸化物がバスバーの形成中に著しく悪影響を受ける可能性を低減するために、耐酸化層を使用することができる。耐酸化層は、耐酸化層と形成されたエレクトロクロミックデバイスと比較して相対的に高い焼結温度を有する銀系のフリットを使用することを可能にすることができる。特定の実施形態では、耐酸化層は、透明導電性酸化物が許容可能な抵抗率を有する必要があるので望ましくない透明導電性酸化物の過度の酸化がないように助ける。
【0016】
耐酸化層は、基板とエレクトロクロミックスタックとの間に使用することもできる。そのような実施形態は、Li
+、Na
+などのような可動イオンが基板(例えば、ソーダ石灰ガラス)からエレクトロクロミックスタックにまたはエレクトロクロミックスタックから基板に移動し得ることを低減するのに役立ち得る。別の実施形態では、耐酸化層は、エレクトロクロミックスタックの対向する主表面に沿ってあってもよい。
【0017】
耐酸化層は、空気または別のガスに隣接している場合、キャッピング層は、耐酸化層と空気または他のガスとの間に配置することができる。キャッピング層は、耐酸化層と空気または他のガスの屈折率の間にある屈折率を有することができる。キャッピング層は、全反射を低減するのに役立つことができる。
【0018】
図面に示され以下に説明される実施形態は、本明細書に記載された概念を実装するための特定の用途の理解を助ける。実施形態は例示的なものであり、添付の特許請求の範囲を限定するものではない。
【0019】
図1は、一実施形態によるエレクトロクロミックデバイスを形成するプロセスフローを含む。このプロセスは、ブロック102において、基板上にエレクトロクロミックスタックを形成することを含むことができる。
図2は、エレクトロクロミックスタックを形成した後に部分的に製作されたエレクトロクロミックデバイスの断面図の図解を含む。エレクトロクロミックデバイスは、ガラス基板、サファイア基板、アルミニウムオキシナイトライド(AlON)基板、スピネル基板、または透明ポリマーを含む透明基板200を含むことができる。特定の実施形態では、透明基板200は、50ミクロン〜300ミクロンの範囲の厚さを有する鉱物ガラスである超薄型ガラスを含むことができる。透明ポリマーは、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリシロキサン、ポリエーテル、ポリビニル化合物、他の好適な種類の透明ポリマー、またはそれらの混合物を含むことができる。別の実施形態では、透明基板200は、前述の透明基板を構成する材料の層を含む積層体であってもよい。別の実施形態では、積層体は、紫外線放射を反射する太陽光制御層または低放射率材料を含むことができる。基板200は可撓性であっても可撓性でなくてもよい。
【0020】
一実施形態では、透明基板200は、SiO
2及び1つ以上の他の酸化物を含む鉱物ガラスであり得るガラス基板であり得る。このような他の酸化物は、Al
2O
3、アルカリ金属の酸化物、アルカリ土類金属の酸化物、B
2O
3、ZrO
2、P
2O
5、ZnO、SnO
2、SO
3、As
2O
2、またはSb
2O
3を含むことができる。透明基板200は、鉄、バナジウム、チタン、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、セリウム、ネオジム、プラセオジムまたはエルビウムの酸化物のような着色剤、または銅、銀また金のような金属コロイド、またはセレンまたは硫黄のような元素形態またはイオン形態のものを含むことができる。
【0021】
透明基板200がガラス基板である実施形態では、ガラス基板は少なくとも50重量%のSiO
2である。一実施形態では、SiO
2含有量は、50重量%〜85重量%の範囲内である。Al
2O
3は、例えば主表面が、形成されている積層体の曝露された表面に沿っている場合に、耐引掻性を助けることができる。存在する場合、Al
2O
3含有量は、1重量%〜20重量%の範囲内であり得る。B
2O
3は、ガラスの粘性及びその熱膨張係数の両方を低減するために有用に使用することができる。B
2O
3含有量は、20重量%以下、特定の実施形態では15重量%未満であってもよい。アルカリ土類金属には、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、及びバリウムが含まれる。アルカリ土類金属の酸化物は、膨張係数に著しく不利益を与えることなく、ガラスの粘度を低減し、融着を促進するのに有用である。カルシウム及びマグネシウムは、いくつかの他の酸化物と比較して、ガラスの密度に比較的低い影響を有する。アルカリ金属酸化物の全含有量は、25重量%、20重量%、または15重量%以下であってもよい。アルカリ金属の酸化物は、ガラス基板の粘性及び失透傾向を低減することができる。アルカリ金属酸化物の全含有量は、8重量%以下、5重量%または1重量%以下であってもよい。いくつかの用途では、ガラス基板は透明であることが望ましく、したがって着色剤の含有量は低い。特定の実施形態では、鉄含有量は200ppm未満である。
【0022】
ガラス基板は、熱強化ガラス、焼戻しガラス、部分的熱強化または焼戻しガラス、またはアニールされたガラスを含むことができる。これらの用語が当技術分野で知られているように、「熱強化ガラス」及び「焼戻しガラス」は、表面圧縮を誘発し、そうでなければガラスを強化するために熱処理されたタイプのガラスの両方である。熱処理されたガラスは、完全に焼戻しされるか、または熱強化されるかのいずれかに分類される。一実施形態では、ガラス基板は焼戻しガラスであり、約69MPa以上の表面圧縮及び約67MPa以上のエッジ圧縮を有する。別の実施形態では、透明基板は、熱強化され、24MPa〜69MPaの範囲の表面圧縮及び38MPa〜67MPaのエッジ圧縮を有する。用語「アニールされたガラス」は、熱処理及びその後の急速冷却によって付与された内部歪みを伴わずに製造されたガラスを意味する。したがって、アニールされたガラスは、熱強化ガラスまたは焼戻しガラスを排除するだけである。ガラス基板はレーザ切断することができる。
【0023】
透明導電性酸化物層202は、透明な基板200の上に重なる。透明導電性酸化物層202は、ドープされた金属酸化物を含むことができる。ドープされた金属酸化物は、酸化亜鉛または酸化スズを含むことができ、そのいずれかは、Al、GaまたはInなどの第13族元素でドープされてもよい。インジウムスズ酸化物(ITO)及びアルミニウム酸化亜鉛(AZO)は、使用することができる例示的な非限定的な材料である。
図2に示すように、透明導電性酸化物層202は、このようなバスバーが透明導電性酸化物層202の左側部分に電気的に短絡することなく、後に形成されたバスバーが透明導電性酸化物層202の右側部分に接触することを可能にするための切り欠きを有する。透明導電性酸化物層202の厚さは、150nm〜600nmの範囲である。
【0024】
電極層204、電解質層206、及び別の電極層208は、透明導電性酸化物層202及び透明基板200の上に重なる。電極層204は、エレクトロクロミック(EC)層または対向電極(CE)層のいずれか一方であり得、電極層208は、CE層またはEC層の他方である。
【0025】
EC層は、バイアス条件に依存して、可視光及び近赤外線(例えば、700nm〜2500nmの範囲の波長を有する、電磁放射)の可変透過率を有することができる。例えば、電界が存在しない場合、エレクトロクロミックデバイスは、高い透過(「漂白された」)状態にあり、電界によって、Li
+、Na
+またはH
+などの可動イオンがCE層から、電解質層を介してEC層へ移動し、エレクトロクロミックデバイスを介す可視光線及び近赤外線の透過を減少させる。より低い透過状態は、有色状態または着色状態と呼ぶこともできる。EC層は、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、タングステン、マンガン、コバルトなどの遷移金属の酸化物を含むことができる。特定の実施形態では、CE層はWO
3を含む。当初形成されたように、EC層は、EC層に減少した透過率を生じさせるような,いかなる有意な量の可動イオンも含まないことがある。別の実施形態では、EC層は、少なくともいくつかの可動イオンを含むことができるが、エレクトロクロミックデバイスは、逆バイアスされて、可動イオンをEC層から電解質層206を介してCE層に移動させ得る。一実施形態では、堆積されるEC層の厚さは、80nm〜600nmの範囲内にある。
【0026】
CE層は、可動イオンの主な供給源を提供することができる。さらに、CE層は、エレクトロクロミックデバイスが高透過状態または低透過状態にあるとき、可視光に対して実質的に透明のままである。CE層は、遷移金属元素の酸化物を含むことができる。実施形態では、CE層はニッケルの酸化物を含むことができる。ニッケルは、その二価状態(Ni
2+)、三価状態(Ni
3+)、またはそれらの組み合わせであり得る。CE層は、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、タングステン、マンガン、コバルトなどのような遷移金属元素の酸化物を含むことができる。CE層はまた、電解質層206を通過することができる可動イオン源を提供することができる。可動イオンの供給源は、CE層が形成されるときにCE層に組み込むことができる。仕上げデバイスでは、CE層は、化学式:
A
xNi
2+(1−y)Ni
3+yM
zO
a、で表され
ここで:
Aは、Li、Na、またはHなどの可動イオンを生成する元素であり、
Mは、金属であり、かつ
0≦x≦10、0≦y≦1、0≦z≦10であり、(0.5x+1+0.5y+z)≦a≦(0.5x+1+0.5y+3.5z)である。
【0027】
特定の非限定的な実施形態において、Aは、Liであり、Mは、Wであり、仕上げデバイスでは、CE層は、化学式:
Li
xNi
2+(1−y)Ni
3+yW
zO
(1+0.5x+0.5y+3z)で表され、
ここで、1.5≦x≦3、0.4≦y≦0.95、及び0.15≦z≦1である。
【0028】
一実施形態では、CE層の厚さは、80nm〜500nmの範囲内にある。
【0029】
電解質層206は、電解質層を横切る電界が高い透過状態から低い透過状態に変化するとき、または逆に変化するとき、電解質層206を介してイオンが移動することを可能にする固体電解質を含む。一実施形態では、電解質層206は、セラミック電解質であってもよい。別の実施形態では、電解質層206は、ケイ酸塩系材料またはホウ酸塩系材料を含むことができる。電解質層206は、ケイ酸塩、ケイ酸アルミニウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸塩、ケイ酸ジルコニウム、ニオブ酸塩、ホウケイ酸塩、リンケイ酸塩、窒化物、フッ化アルミニウム、または他の好適なセラミック材料を含むことができる。ランタニド−遷移金属酸化物に基づく五酸化タンタル、またはガーネットまたはペロブスカイト材料のような他の好適なイオン伝導材料を使用することができる。別の他の実施形態では、形成されると、電解質層206は、可動イオンを含むことができる。したがって、上記のいずれかのリチウムドープまたはリチウム含有化合物を使用することができる。電解質層206は、少なくとも1対の隣接する層の間に反応生成物を含む交互または異なる材料を有する複数の層を含むことができる。さらなる実施形態では、電解質層206の屈折率及び厚さは、許容可能な可視光透過率を有するように選択され、電子電流は非常に低く保たれる。別の実施形態では、電解質層206は、低いかまたは顕著ではない電子伝導性(例えば、低い漏れ電流)を有する。電解質層206の厚さは、10nm〜70nmの範囲内とすることができる。
【0030】
透明導電性酸化物層210が、透明基板200、透明導電性酸化物層202、電極層204、電解質層206、及び電極層208の上に重なる。透明導電性酸化物層210は、透明導電性酸化物層202に関して先に説明した材料のうちのいずれかを含むことができる。透明導電性酸化物層210は、透明導電性酸化物層202と比較して、同じ材料または異なる材料を含むことができる。透明導電性酸化物層210の厚さは、150nm〜600nmの範囲内である。
【0031】
エレクトロクロミックスタック内の層は、物理蒸着、化学蒸着、原子層堆積、別の好適な技法、またはそれらの任意の組み合わせによって形成することができる。
【0032】
方法は、さらに、
図1のブロック122において、エレクトロクロミックスタック上の耐酸化層を形成することを含むことができる。耐酸化層は、後に形成されるバスバーのアニールまたは硬化、基板200を所望の曲率または形状に曲げるための加熱、または別の目的で使用される熱サイクルの間、下地層を保護するのを助ける。エレクトロクロミックスタック内の1つ以上の層の性能は、熱サイクルによって悪影響を受ける可能性がある。特定の実施形態では、透明導電性酸化物層202及び210は、部分的に酸化されかつ完全に酸化されていない透明導電性酸化物を含むことができる。透明導電性酸化物が完全に酸化されると、透明導電性酸化物は十分な導電性を有さなくなり、完全に酸化された場合には過度に高い抵抗性または絶縁性になり得る。耐酸化層は、透明導電性酸化物層202、210、またはその両方が過度に酸化されるのを防ぐのを助ける。
【0033】
図3は、透明導電性酸化物層210の上に耐酸化層302を形成した後のエレクトロクロミックデバイスの図解を含む。耐酸化層302は、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化チタン、窒化タングステン、窒化タンタル、窒化ケイ素チタン、窒化ケイ素タングステン、窒化ケイ素タンタルまたは他の金属窒化物などの窒化物を含むことができる。特定の実施形態では、耐酸化層302は、窒化ケイ素を含む。耐酸化層302の厚さは、可視光の十分な透過を提供するように選択される。一実施形態では、耐酸化層の厚さは、連続層を提供するために、少なくとも10nm〜20nmの範囲内であり、別の実施形態では、厚さは最大300nmまたは最大250nmであり、厚さが厚いほど、層間剥離の原因となる圧縮応力が高くなりすぎることがある。特定の実施形態では、圧縮応力は、最大1GPaであってもよい。特定の実施形態では、過度のストレスを引き起こすことなく十分な耐酸化性を有する連続層を形成することを可能にするために、厚さは50nm〜100nmの範囲である。
【0034】
本方法は、
図1のブロック124において、耐酸化層の上に中間屈折率を有する層を形成することをさらに含むことができる。耐酸化層302は、比較的高い屈折率を有することができ、耐酸化層302の主表面が空気または他のガスに曝露されると、屈折率の相対的な相違によって、高すぎる全反射を引き起こす。したがって、耐酸化層の屈折率と空気または他のガスの屈折率との中間の屈折率を有する層は、全反射を低減するのに役立ち得る。
【0035】
図4は、耐酸化層302上に中間屈折率を有するキャッピング層402を形成した後のエレクトロクロミックデバイスの図解を含む。キャッピング層402は、絶縁層とすることができる。一実施形態では、キャッピング層402は、酸化ケイ素、または別の好適な酸化物などの酸化物を含むことができる。酸化物は、多孔質であっても多孔質でなくてもよい。例えば、酸化物粒子と有機粒子との混合物を適用することができ、その後の焼成中に有機粒子を焼失させて多孔性酸化物を残すことができる。
【0036】
層402の厚さは、全反射に著しく影響を及ぼすのに十分に厚くすることができる。実際には、SiO
2のスパッタリングは比較的遅いプロセスであるため、上限値は機器のスループットによって制限されることがある。実際の厚さに関して、特定の実施形態では、キャッピング層402は、少なくとも30nm、少なくとも40nm、または少なくとも50nmの厚さを有することができ、別の特定の実施形態では、キャッピング層402は、最大200nm、最大150nm、または最大150nmの厚さを有することができる。範囲に関して、キャッピング層402は、30nm〜200nm、40〜150nm、または50nm〜120nmの範囲内の厚さを有することができる。
【0037】
層302及び402は、物理蒸着、化学蒸着、原子層堆積、別の好適な技法、またはそれらの任意の組み合わせによって形成することができる。
【0038】
この方法は、
図1のブロック142において、バスバーが次に形成される領域でエレクトロクロミックスタックの部分を除去することを含むことができる。
図4を参照すると、バスバーの一方は、
図4の左側付近の透明導電性酸化物層202に電気的に接続され、他方のバスバーは、
図4の右側付近の透明導電性酸化物層202に電気的に接続される。エレクトロクロミックスタックの部分の除去は、レーザアブレーションのようなアブレーション技法を使用して行われてもよく、またはエッチング技法を使用して除去されてもよい。
図5に図解するように、層204、206、208、210、302、及び402は、透明導電性酸化物層202が曝露する開口部502及び504を画定するようにパターン化される。別の実施形態では、開口部504は、開口部502と比較して異なる深さまで延びることができる。例えば、開口部504は、透明導電性酸化物層210が開口部504内に曝露されている限り、様々な異なる深さまで延びることができる。一実施形態では、層302及び402はパターン化され、透明導電層210は開口部504の底部に沿って曝露される。別の実施形態では、開口部504は、基板200が開口部504の底部に沿って曝露されるように、透明導電性酸化物層202を介して延ばすことができる。この明細書を読んだ後、当該業者は、特定の用途の必要性または要望を満たす開口部504の深さを決定することができる。
【0039】
本方法は、
図1のブロック144でバスバー前駆体を堆積させ、ブロック146において、バスバー前駆体を焼成してバスバーを形成することをさらに含むことができる。バスバー前駆体は、銀を含むことができ、したがってバスバーは銀を含むことができる。一実施形態では、バスバー前駆体は、銀ペーストであってもよい。耐酸化層302の使用は、銀含有フリットのより多くの選択及びより積極的な焼成条件を可能にする。例えば、より高い焼成温度を必要とする銀含有フリット、焼成中のより反応性の高い雰囲気、またはそれらの任意の組み合わせを使用することができる。透明導電性酸化物層210が酸化され過ぎる原因となる焼成条件によって、透明導電性酸化物層210が悪影響を受けるため、本明細書で特許請求された発明以前には、銀含有フリット及び焼成条件の選択に限界があった。例えば、銀含有フリットは、透明導電性酸化物層210に著しく悪影響を及ぼさないように、390℃未満の温度で焼成することができる。しかしながら、このような比較的低い温度での焼成は、透明導電性酸化物層202及び基板200(例えば、鉱物ガラス材料)のようなバスバーと接触する下地材料へのバスバーの比較的高い抵抗率及び劣った接着性を提供する。
【0040】
耐酸化層302は、積極的な焼成条件によって透明導電性酸化物層210が著しく悪影響を及ぼされる可能性を低減するのを助けることができる。したがって、より多様な銀含有フリット及び焼成条件を使用することができる。少なくとも390℃の焼成温度を使用することができ、抵抗率が低く、下地材料へのより良好な接着性を有するバスバーを提供することができる。
【0041】
図6は、バスバー602及び610を形成した後の図解を含む。堆積及び焼成パラメータのいくつかは、焼成が行われた後のバスバー602及び610の所望の特性に依存し得る。バスバー602及び610は、最大8.0×10
−6Ω*cmの抵抗率を有することができる。別の実施形態では、抵抗率は、最大6.0×10
−6Ω*cm、最大5.0×10
−6Ω*cm、最大4.0×10
−6Ω*cm、または最大3.0×10
−6Ω*cmである。焼成温度は、より低い抵抗率を提供することができる。抵抗率は、化学ハンドブックに報告されているような純銀の抵抗率よりも高くなるため、抵抗率は1.59×10
−8Ω*cmより大きい。バスバー602及び610の厚さは、抵抗率と関連して、シート抵抗率に影響を与える。一実施形態では、バスバー602及び610の厚さは、少なくとも2ミクロン、少なくとも7ミクロン、または少なくとも12ミクロンであり得る。知られていない理論上の上限はあるが、最大厚さは用途に依存することがある。別の実施形態では、厚さは最大80ミクロン、最大60ミクロン、または最大40ミクロンであり得る。多くの用途では、バスバー602及び610の厚さは、12ミクロン〜40ミクロンの範囲内にある。この明細書を読んだ後、当業者はバスバー602及び610の必要または所望の電気特性を提供するために厚さを決定することができる。
【0042】
バスバー前駆体は、印刷、シルクスクリーンなどによって堆積させることができる。バスバー前駆体は、バスバー前駆体が焼成された後にバスバー602及び610の所望の厚さを達成するのに十分な厚さを有することができる。バスバー前駆体の厚さは、溶媒、樹脂、または前駆体内の他の有機または揮発性成分の量に依存し得る。バスバー前駆体は、焼成後にバスバー602及び610の厚さの1.1倍〜4倍の厚さに堆積させることができる。非限定的な例として、バスバー602〜610が20ミクロンの焼成後の厚さを有する場合、バスバー前駆体は、22ミクロン〜80ミクロンの範囲の厚さに堆積することができる。
【0043】
バスバー前駆体は、バスバー602及び610を形成するために焼成することができる。焼成は、1つ以上の温度で行うことができる。一実施形態では、バスバー前駆体内に溶媒、樹脂、または他の有機材料が存在する場合、基板200を約100℃〜350℃の範囲内の温度に加熱して、溶媒を蒸発させ、樹脂を焼失させ、任意の他の有機材料、またはそれらの任意の組み合わせを揮発させることができる。基板200の温度を焼結温度まで上昇させて、バスバー前駆体中の銀系のフリットを焼結させる。基板200の温度は、少なくとも390℃、少なくとも400℃、少なくとも425℃、少なくとも450℃、または少なくとも475℃であり得る。バスバー602及び610の抵抗率を下げることができ、今や焼結のためにより高い温度を使用できるので、下地材料への接着性を高めることができる。焼成中の耐酸化層302の存在は、焼成中に透明導電性酸化物層210が著しく悪影響を受ける可能性を低減するのに役立つ。したがって、焼成中に様々な周囲環境を使用することができる。一実施形態では、焼成は不活性ガス(N
2、Arなど)中で行うことができ、または不活性ガスと酸化ガス(O
2、N
2Oなど)の組み合わせを含むことができる。特定の実施形態では、雰囲気は、空気を含む。別の実施形態では、焼成は、不活性ガスを含まない酸化性ガス中で行うことができる。焼結部分の間の時間は、2分〜120分の範囲であり得る。特定の時間は、銀系のフリットの組成に依存することがあり、したがって、商業的供給者は、焼成の焼結部分に推奨される時間範囲を提供することができる。
【0044】
一実施形態では、前述のような焼成は、個別の操作として行われてもよく、または別の目的のために行われる熱サイクル中に起こってもよい。したがって、焼成が行われるタイミングは柔軟性があり、ユーザーが焼成を既存のプロセスフローに統合する際のさらなる余裕を可能にする。さらに、焼成操作の異なる部分は、プロセスフローの異なるポイントで行われてもよい。例えば、バスバー前駆体から溶媒を蒸発させ、樹脂を焼失させ、他の有機材料を揮発させるか、またはそれらの任意の組み合わせを1回の熱サイクル中に行うことができ、もしくは異なる熱サイクル中に焼結を行うことができる。必要であれば、または所望であれば、異なる熱サイクル間で1つ以上の他のプロセス操作を行うことができる。
【0045】
方法は、さらに、
図1のブロック162において、仕上げ操作を行うことを含むことができる。特定の仕上げ操作は、特定の用途に依存してもよい。
図7に図解するように、開口部702で層210、302及び402の一部が除去され、その結果、バスバー602は、透明導電性酸化物層210のほとんどに電気的に接続されない。したがって、バスバー602は、透明導電性酸化物層202の主な接続部であり、バスバー610は、透明導電性酸化物層210の主な接続部である。このプロセスのこの時点で、エレクトロクロミックデバイス700が形成される。別の実施形態(図解せず)では、バスバー602は、
図5に図解するように、開口部502内のスタックの側面に接触しないように形成される。この実施形態では、層210、302、及び402の部分の除去は不要である。
【0046】
さらなる実施形態では、エレクトロクロミックデバイス700は、車両の窓の少なくとも一部であり得る。車両用途では、エレクトロクロミックデバイス700は、車両の本体形状に適合するように曲げられてもよく、またはそうでなければ成形されてもよい。エレクトロクロミックデバイスを曲げるかまたはそうでなければ成形するための温度は、少なくとも600℃の温度であり得る。特定の実施形態では、温度は600℃〜700℃の範囲内である。熱は局所的に加えられてもよい。耐酸化層302は、曲げ中またはそうでなければ成形中に透明導電性酸化物層210に著しく悪影響を与える可能性を低減するのを助けることができる。バスバーを形成するための焼成の焼結部分は、エレクトロクロミックデバイスを曲げるために使用される熱サイクルの間に起こり得る。
【0047】
一実施形態では、
図8に図解するように、絶縁ガラスユニット800を形成することができる。エレクトロクロミックデバイス700は、可視光に対して透明な対向基板802に連結することができる。対向基板802は、焼戻しガラスまたは強化ガラスを含むことができる。特定の実施形態では、エレクトロクロミックデバイス700と対向基板802との間に接着剤(図示せず)を使用することができる。絶縁ガラスユニット800は、ガラスパネル804、スペーサ822、及びシール材料824をさらに含むことができる。対向基板802と同様に、ガラスパネル804は、焼戻しガラスまたは強化ガラスを含むことができる。さらに、ガラスパネル804は、基板200に関して先に説明した太陽光制御層と同様の太陽光制御層を含むことができる積層体の一部であってもよい。絶縁ガラスユニットは、ガラスパネル804ではなく、基板200内に太陽光制御層を含むことができ、ガラスパネル804内またはそこに取り付けられた太陽光制御層、または基板200の各々を有し、ガラスパネル804内に、またはそこに取り付けられた、太陽光制御層を使用することができる。この最後の代替案では、太陽光制御層は、異なる機能を果たすことができる。例えば、建物の外側により近い太陽光制御層は、近赤外線を排除するのに役立ち、建物の内側により近い太陽光制御層は、低放射率材料を含むか、または紫外線を排除するのを助ける。シール動作中、アルゴン、N
2などの不活性ガスをギャップ806に充填してもよい。
【0048】
任意選択で、エレクトロクロミックデバイス700を形成した後、エレクトロクロミックデバイス700を、応力を低減するため、または別の目的のためにアニールしてもよい。アニールは、焼成とは別個に行うことができる。別の実施形態では、焼成の焼結部分をアニール操作と結合することができる。耐酸化層302は、透明導電性酸化物層210に著しい悪影響を与えることなく、アニールのためのより高い温度、空気のような酸化雰囲気、または両方を使用することを可能にする。アニールは、100℃〜600℃の範囲の温度で行うことができる。
【0049】
実施形態は、従来のエレクトロクロミックデバイスと比較して利点を提供することができる。バスバーの焼成の焼結部分の中のより高い温度は、より多くの銀系のフリットを使用することを可能にする。本発明の前に、焼成中の温度は、透明導電性酸化物層210が過度に酸化しないように制限される。焼成温度が上昇するにつれて、透明導電性酸化物に大きな影響を及ぼす可能性が増加する。焼成中に酸化雰囲気が使用されると、透明導電性酸化物が過度に酸化され、バスバーが過度に抵抗性になることがある。今や、390℃未満の温度で十分に焼結しない銀系のフリットを使用できるようになる。このような銀系のフリットは、同じ焼結温度を使用しても、390℃未満の温度で焼結するように設計された銀系のフリットよりも低い抵抗率を提供することができる。
【0050】
焼結中により高い温度を使用することができることにより、下地材料とのバスバーのより良好な接着が可能になる。バスバーは、エレクトロクロミックスタック及び基板内の層に接触してもよい。図解の実施形態では、バスバー602及び610は、エレクトロクロミックスタックから離れた領域で、透明導電性酸化物層202及び基板200と接触する。特定の実施形態では、透明導電性酸化物層202は、透明導電性酸化物であり、バスバー602及び610に接触する基板200の表面は、SiO
2を含む鉱物ガラスであり得る。ASTM B905−00(再承認)2010を使用してSiO
2への接着性を試験することができる。ASTM規格の方法Aを使用する実施形態において、SiO
2に対する平均接着強度は、20回の測定に基づいて少なくとも3N、少なくとも5N、または少なくとも7Nである。問題となる接着の理論上の限界はないが、平均接着強度(方法A)は、1000N未満であってもよい。非常に良好な接着強度は、少なくとも15Nと考えることができる。問題となる接着の理論上の限界はないが、平均接着強度(方法A)は、1000N未満であってもよい。非常に良好な接着強度は、少なくとも15Nと考えることができる。ASTM規格の方法Bを使用する実施形態では、SiO
2に対する平均接着強度は、20回の測定に基づいて少なくとも3回または少なくとも4回である。
【0051】
多くの異なる態様及び実施形態が可能である。それらの態様及び実施形態のいくつかを以下に説明する。本明細書を読めば、当業者は、それらの態様及び実施形態が単に例証的なものであり、本発明の範囲を限定しないことを認識するであろう。例示的実施形態は、下記に列挙されるもののうちの任意の1つ以上に従い得る。
【0052】
実施形態1.エレクトロクロミックデバイスであって、
基板と、
基板上の第1の透明導電性酸化物層と、
基板上の第1のバスバーであって、銀を含み、
最大8.0×10
−6Ω*cmの抵抗率と、
ASTM B905−00(2010年再承認)の方法Aによって決定される、20回の測定に基づいて少なくとも3NのSiO
2に対する平均接着強度と
ASTM B905−00(2010年再承認)の方法Bによって決定される、20回の測定に基づいて少なくとも3のSiO
2に対する平均接着強度と、
またはそれらの組み合わせと、を有する、第1のバスバーと、を備える、エレクトロクロミックデバイス。
【0053】
実施形態2.(1)基板と第1の透明導電性酸化物層との間または(2)第1の透明導電性酸化物層上の耐酸化層をさらに含む、実施形態1に記載のエレクトロクロミックデバイス。
【0054】
実施形態3.エレクトロクロミックデバイスを形成するプロセスであって、
基板上に第1の透明導電性酸化物層を形成することと、
基板上にバスバー前駆体を形成することであって、バスバー前駆体が銀を含む、形成することと、
第1のバスバーが、少なくとも390℃の温度になるように焼成することと、を含む方法。
【0055】
実施形態4.前記耐酸化層が、(1)基板と前第1の透明導電性酸化物層との間または(2)第1の透明導電性酸化物層の上にあるように、耐酸化層を形成することをさらに含む、実施形態3に記載のプロセス。
【0056】
実施形態5.耐酸化層を形成することが、スパッタ堆積技法で行われる、実施形態3または4に記載のプロセス。
【0057】
実施形態6.バスバー前駆体を焼成することが、第1のバスバーが400℃超、少なくとも425℃、少なくとも450℃、少なくとも475℃の温度になるように行われる、実施形態3〜5のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
【0058】
実施形態7.バスバー前駆体を基板上に形成した後、及びバスバー前駆体を焼成する前に、バスバー前駆体から有機材料を除去することをさらに含む、実施形態3〜6のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
【0059】
実施形態8.有機材料を除去することが、最大350℃、最大325℃、または最大300℃の温度で行われる、実施形態7に記載のプロセス。
【0060】
実施形態9.バスバー前駆体を焼成することが、第1の透明導電性酸化物層を形成した後に行われる、実施形態2〜8のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
【0061】
実施形態10.バスバー前駆体を焼成した後に、エレクトロクロミックデバイスを成形することをさらに含み、曲げが、少なくとも600℃の温度で行われる、実施形態2〜9のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
【0062】
実施形態11.耐酸化層が、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化チタン、窒化タングステン、窒化タンタル、窒化ケイ素チタン、窒化ケイ素タングステン、または窒化ケイ素タンタルを含む、実施形態2及び4〜9のうちのいずれか1つに記載のエレクトロクロミックデバイスまたはそのプロセス。
【0063】
実施形態12.第1のバスバーが、最大6.0×10
−6Ω*cm、最大5.0×10
−6Ω*cm、最大4.0×10
−6Ω*cm、または最大3.0×10
−6Ω*cmの抵抗率を有する、実施形態1〜11のうちのいずれか1つに記載のエレクトロクロミックデバイスまたはそのプロセス。
【0064】
実施形態13.第1のバスバーが、1.59×10
−8Ω*cmを超える抵抗率を有する、実施形態1〜12のうちのいずれか1つに記載のエレクトロクロミックデバイスまたはそのプロセス。
【0065】
実施形態14.第1のバスバーが、ASTM B905−00(2010年再承認)の方法Aによって決定される20回の測定に基づいて、少なくとも3N、少なくとも5Nまたは少なくとも7NのSiO
2に対する平均接着強度を有する、実施形態1〜13のうちのいずれか1つに記載のエレクトロクロミックデバイスまたはそのプロセス。
【0066】
実施形態15.第1のバスバーが、ASTM B905−00(2010年再承認)の方法Bによって決定される少なくとも3または少なくとも4の分類を有する、実施形態1〜14のうちのいずれか1つに記載のエレクトロクロミックデバイスまたはそのプロセス。
【0067】
実施形態16.第1のバスバーが、ASTM B905−00(2010年再承認)の方法Aに決定される20回の測定に基づいて、最大1000NのSiO
2に対する平均接着強度を有する、実施形態1〜15のうちのいずれか1つに記載のエレクトロクロミックデバイスまたはそのプロセス。
【0068】
実施形態17.第1の透明導電性酸化物層が、ドープされた金属酸化物を含む、実施形態1〜16のうちのいずれか1つに記載のエレクトロクロミックデバイスまたはそのプロセス。
【0069】
実施形態18.ドープされた金属酸化物が、第13族元素でドープされた酸化スズ、第13族元素でドープされた酸化亜鉛、またはそれらの任意の組み合わせを含む、実施形態1〜17のうちのいずれか1つに記載のエレクトロクロミックデバイスまたはそのプロセス。
【0070】
実施形態19.エレクトロクロミック電極または対向電極である第1の電極と、
エレクトロクロミック電極または対向電極の他方である第2の電極と、
第1の電極と第2の電極との間に配置されたセラミック電解質層と、を備え、
第1の電極よりも第2電極の近くにある第2の透明導電性酸化物層と、
第1の透明導電性酸化物層は、第2の電極よりも第1の電極の近くにある、実施形態1〜18のうちのいずれか1つに記載のエレクトロクロミックデバイスまたはそのプロセス。
【0071】
実施形態20.第2のバスバーをさらに備え、第1のバスバーが、第1の透明導電性酸化物層と電気的に接続され、第2のバスバーが、第2の透明導電性酸化物層と電気的に接続される、実施形態19に記載のエレクトロクロミックデバイスまたはそのプロセス。
【0072】
実施形態21.耐酸化層の上にある絶縁層をさらに備え、絶縁層が、酸化物を含む、実施形態1〜20のうちのいずれか1つに記載のエレクトロクロミックデバイスまたはそのプロセス。
【0073】
実施形態22.絶縁層が、SiO
2を含む、実施形態21に記載のエレクトロクロミックデバイスまたはそのプロセス。
【0074】
実施形態23.基板が、最大1重量%のアルカリ金属酸化物を含む、実施形態1〜22のうちのいずれか1つに記載のエレクトロクロミックデバイスまたはそのプロセス。
【0075】
実施形態24.基板が鉱物ガラス層を含む、実施形態22に記載のエレクトロクロミックデバイスまたはそのプロセス。
【0076】
実施形態25.鉱物ガラス層が、最大300ミクロンの厚さを有する、実施形態24に記載のエレクトロクロミックデバイスまたはそのプロセス。
【0077】
実施形態26.基板が可撓性である、実施形態1〜25のうちのいずれか1つに記載のエレクトロクロミックデバイスまたはそのプロセス。
【0078】
概要または実施例にて上記に説明される行為の全てが必要とされるわけではないこと、特定の行為のうちの一部は必要とされない場合があること、また1つ以上のさらなる行為が説明されるものに加えて実施される場合があることに留意されたい。またさらに、行為が列挙される順序は、必ずしもそれらが行われる順序ではない。
【0079】
明瞭にするために、別個の実施形態の文脈において本明細書に記載される特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよい。逆に、簡潔さのために、単一の実施形態の文脈において説明される様々な特徴はまた、別個にまたは任意の副組み合わせで提供されてもよい。さらに、範囲内に述べられている値への言及は、その範囲内各々かつ全ての値を含む。
【0080】
利益、他の利点、及び問題の解決策が、特定の実施形態に関して上記に説明されてきた。しかしながら、任意の利益、利点、または解決策を生じさせるか、またはより明白にさせることができる利益、利点、問題の解決策、及び任意の特徴(複数可)は、特許請求の範囲のうちのいずれかまたは全ての決定的な、必須の、または本質的な特徴と解釈されるべきではない。
【0081】
本明細書に説明される実施形態の明細書及び図解は、様々な実施形態の構造の一般的な理解を提供することを意図される。明細書及び図解は、本明細書に説明される構造または方法を使用する装置及びシステムの要素及び特徴の全ての徹底的及び包括的説明として機能することを意図されない。別個の実施形態はまた、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよく、逆に、簡潔さのために単一の実施形態の文脈において説明される様々な特徴はまた、別個にまたは任意の副組み合わせで提供されてもよい。さらに、範囲内に述べられている値への言及は、その範囲内の各々かつ全ての値を含む。多数の他の実施形態は、本明細書を単に読んだ後に当業者に明らかとなり得る。他の実施形態は、構造的置換、論理的置換、または別の変更が本開示の範囲から逸脱することなくなされ得るように、本開示から使用及び派生され得る。したがって、本開示は、制限的であるよりもむしろ例証的であるとみなされるべきである。