(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6694570
(24)【登録日】2020年4月22日
(45)【発行日】2020年5月20日
(54)【発明の名称】テーブル
(51)【国際特許分類】
A47B 13/08 20060101AFI20200511BHJP
A47B 7/00 20060101ALI20200511BHJP
A47B 13/02 20060101ALI20200511BHJP
A47B 13/00 20060101ALI20200511BHJP
【FI】
A47B13/08 A
A47B7/00 Z
A47B13/02
A47B13/00 Z
【請求項の数】7
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2019-218269(P2019-218269)
(22)【出願日】2019年12月2日
(62)【分割の表示】特願2017-174981(P2017-174981)の分割
【原出願日】2017年9月12日
(65)【公開番号】特開2020-28806(P2020-28806A)
(43)【公開日】2020年2月27日
【審査請求日】2019年12月2日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】林 友彦
(72)【発明者】
【氏名】加納 隆芳
(72)【発明者】
【氏名】小山 幸乃
(72)【発明者】
【氏名】加藤 善雅
【審査官】
下井 功介
(56)【参考文献】
【文献】
実開平04−071527(JP,U)
【文献】
特開平11−266934(JP,A)
【文献】
特開2014−144028(JP,A)
【文献】
特開平09−108045(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 1/00〜41/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右対をなす脚体の上端同士を天板受部材により結合し、前記天板受部材上に天板とこの天板の反使用端に沿って左右に延びるトレーとを設けたテーブルであって、
前記トレーが、底壁と、その底壁の反天板側の縁に沿って設けられた起立壁とを備えたものであり、同一の部材により前記天板受部材と一体に形成されているテーブル。
【請求項2】
左右対をなす脚体の上端同士を天板受部材により結合し、前記天板受部材上に天板とこの天板の反使用端に沿って左右に延びるトレーとを設けたテーブルであって、
前記トレーが、底壁と、その底壁の反天板側の縁に沿って設けられた起立壁とを備えたものであり、前記天板受部材と一体に形成されており、
前記天板は、使用端が反使用端よりも低くなるように傾斜させてあり、前記トレーは、前記底壁が略水平となるように配されているテーブル。
【請求項3】
前記天板は、使用端が反使用端よりも低くなるように傾斜させてあり、前記トレーは、前記底壁が略水平となるように配されている請求項1記載のテーブル。
【請求項4】
前記天板受部材が、前記天板を支持する傾斜部と、前記トレーを支持する水平部とを一体に備えたものであり、
前記トレーが、同一の部材により前記水平部と一体に形成されている請求項2又は3記載のテーブル。
【請求項5】
前記傾斜部と前記水平部とは、左右に延びる屈曲線部を介して連続している請求項4記載のテーブル。
【請求項6】
左右対をなす前記脚体の上端部は前記天板受部材に剛結されており、これら両脚体の少なくとも下半部は相互に連結されていない請求項1、2、3、4又は5記載のテーブル。
【請求項7】
左右対をなす前記脚体が、ベースと、このベースに立設された支柱とを備えたものであり、
前記支柱の上端部近傍部間が横架材により連結されている請求項6記載のテーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソファ等と組み合わせて使用するのに好適なテーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のテーブルとして、ベッドやソファなどに着座した状態で使用するサポートテーブル等と称されるものが知られている(例えば、非特許文献1を参照)。
【0003】
ところで、近時のオフィス等においては、複数人が共通のディスプレーを見ながらソファに着座してプレゼンテーションやTV会議等を行うようなワークスタイルが普及しつつあり、各着座者には、パーソナルコンピューターや筆記用具等を載置して使用するサポートテーブルが割り当てられることも少なくない。
【0004】
ところが、かかるアクティブな状況で使用されるテーブルには、ベッド脇で使用されるような重厚なものは相応しくなく、軽量でしかも頑丈なものが望まれる。
【0005】
しかしながら、軽量化を促進すると全体の剛性が損なわれ易く、逆に丈夫なものにすると重量が増加するというジレンマがある。
【0006】
このような課題は、必ずしもソファの前で使用されるテーブルに限らず、他の用途に使用されるテーブルにおいても同様に存在する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】株式会社キンタロー、「『サポートテーブルB』ベッドサイドでの食事に最適 日本製 キンタロー 木製 介護用|木製手すり 天然木 サポート家具通販のキンタロー」、[online]、平成29年、株式会社キンタロー、[平成29年9月4日検索]、インターネット<url:https://support-kagu.com/goods/s#table/spt008.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、以上説明した事情に着目してなされたもので、天板の反使用端側にトレーを配することによって利便性を高めつつ、軽量化と全体の剛性アップとを両立させることができるテーブルを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の発明は、左右対をなす脚体の上端同士を天板受部材により結合し、前記天板受部材上に天板とこの天板の反使用端に沿って左右に延びるトレーとを設けたテーブルであって、前記トレーが、底壁と、その底壁の反天板側の縁に沿って設けられた起立壁とを備えたものであり、
同一の部材により前記天板受部材と一体に形成されているテーブルである。
【0010】
なお、本発明において、「トレーが天板受部材に剛結されている」とは、トレーと天板受け部材とが溶接等により離脱不能に結合されたものだけでなく、トレーと天板とが同一の部材により形成された状態で一体に結合されているものも含む概念である。
【0011】
請求項2記載の発明は、
左右対をなす脚体の上端同士を天板受部材により結合し、前記天板受部材上に天板とこの天板の反使用端に沿って左右に延びるトレーとを設けたテーブルであって、前記トレーが、底壁と、その底壁の反天板側の縁に沿って設けられた起立壁とを備えたものであり、前記天板受部材と一体に形成されており、前記天板は、使用端が反使用端よりも低くなるように傾斜させてあり、前記トレーは、前記底壁が略水平となるように配されているテーブルである。
【0012】
請求項3記載の発明は、
前記天板は、使用端が反使用端よりも低くなるように傾斜させてあり、前記トレーは、前記底壁が略水平となるように配されている請求項1記載のテーブルである。
【0013】
請求項4記載の発明は、
前記天板受部材が、前記天板を支持する傾斜部と、前記トレーを支持する水平部とを一体に備えたものであり、前記トレーが、同一の部材により前記水平部と一体に形成されている請求項2又は3記載のテーブルである。
【0014】
請求項5記載の発明は、
前記傾斜部と前記水平部とは、左右に延びる屈曲線部を介して連続している請求項4記載のテーブルである。
【0015】
請求項6記載の発明は、
左右対をなす前記脚体の上端部は前記天板受部材に剛結されており、これら両脚体の少なくとも下半部は相互に連結されていない請求項1、2、3、4又は5記載のテーブルである。
請求項7記載の発明は、左右対をなす前記脚体が、ベースと、このベースに立設された支柱とを備えたものであり、前記支柱の上端部近傍部間が横架材により連結されている
請求項6記載のテーブルである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、天板の反使用端側にトレーを配することによって利便性を高めつつ、軽量化と全体の剛性アップとを両立させることができるテーブルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係るテーブルを示す斜視図。
【
図5】
図4におけるA−A線に沿った要部拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施形態を、
図1〜
図5を参照しつつ以下に述べる。
【0019】
本実施形態に係るテーブルTは、
図2〜
図4に示すように、左右対をなす脚体1の上端1a同士を天板受部材2により結合し、前記天板受部材2上に、天板3と、この天板3の反使用端3aに沿って左右に延びるトレー4とを設けたものであって、前記トレー4が、底壁と5、その底壁5の反天板側及び天板側の縁に沿ってそれぞれ設けられた起立壁6、7とを備えた剛性を有するものであり、そのトレー4が、前記天板受部材2に剛結されている。
【0020】
前記脚体1は、
図1〜
図5に示すように、ベース11と、このベース11の後端近傍部に立設された支柱13とを備えたもので、これら両脚体1の上端部は後述するように前記天板受部材2に剛結されている。詳述すれば、前記ベース11は、
図3〜
図5に示すように、支柱13にネジv1を用いて取り付けられ下方に開口した扁平箱型をなすベース本体15と、このベース本体15に下側から嵌合させ複数の皿ネジv2を用いて当該ベース本体15に固定された底部材17と、この底部材17の前後両端部に取り付けられた接地体19とを具備してなる。前記支柱13は金属製、具体的にはスチール製の丸パイプ材により構成されたもので、下端近傍部に前記ネジv1が螺着されるナット21を備えている。
このパイプ材の下端部1箇所には、ベース本体15に突設された位置決め突起15aが嵌合する位置決め凹所13xが設けられている。以上説明した左右の脚体1は、その支柱13の上端部間が前記天板受け部材2により結合されており、さらに、前記支柱13の上端近傍部間が横架材23により連結されている。すなわち、これら両脚体1の下半部は相互に連結されておらず、それら両脚体1間に下肢空間Sが形成されている。
【0021】
前記天板受部材2は、金属製、具体的にはスチール製の厚肉板金素材により作られたもので、
図2〜
図5に示すように、前記天板3を支持する傾斜部25と、前記トレー4を支持する水平部27とを一体に備えている。すなわち、前記傾斜部25と前記水平部27とは、左右に延びる屈曲線部2aを介して連続している。前記傾斜部25には支柱挿入孔29が設けられており、この支柱挿入孔29に前記脚体1の上端部すなわち前記支柱13の上端部が挿入されている。そして、この支柱13の上端面13aと前記支柱挿入孔29の内周面29aとが溶接継ぎ手31を介して剛結されている。また、前記水平部27には、前記トレー4が剛結されている。具体的には、前記水平部27に、トレー溶接用の溶接孔33が左右方向に複数間隔をあけて貫設されている。これら溶接孔33は、当該天板受部材2の先端から一定距離離れた屈曲線部2aの近傍部分に設けられている。そして、これら溶接孔33の内周面33aと前記トレー4の底壁5の下面5aとを第1の溶接継ぎ手35を介して剛結するとともに、前記天板受部材2の先端面2bと前記トレー4の底壁5の下面5aとを第2の溶接継ぎ手37を介して剛結している。
【0022】
前記天板3は、
図1〜
図5に示すように、例えば平板状をなす木製の厚板状のもので、複数の皿ネジv3を用いて前記天板受け部材2の傾斜部25上に止着されている。すなわち、この天板3は、前記天板受け部材2の傾斜部25に対応して、使用端3bが反使用端3aよりも低くなるように傾斜している。そして、この天板3の反使用端3a側に沿って前記トレー4を配している。
【0023】
前記トレー4は、
図3〜
図5に示すように、前記底壁5と、この底壁5の反天板側の縁に沿って設けられた反天板側の起立壁6と、前記底壁5の天板側の縁に沿って設けられた天板側の起立壁7とを備えてなる金属製、具体的にはスチール製のチャンネル状のものであり、前記天板側の起立壁7の上端7aと前記天板3の上面3sとが略面一に連続している。前記底壁5は、略水平となるように配されている。また、このトレー4は、前述したように前記天板受部材2の水平部27に前記溶接継ぎ手35、37を介して剛結されている。
【0024】
なお、前記
図4では、天板3及びトレー4の一部を破断して示している。
【0025】
このようなものであれば、天板3の反使用端3a側にトレー4を配することによって、そのトレー4に筆記具その他の備品を落下することなく収容しておくことができ、利便性や使い勝手が向上するだけでなく、そのトレー4が天板受部材2の補強材としても機能するため、天板受部材2自体を比較的軽量なものにしても全体の剛性を確保することが容易となる。そして、このように全体の剛性を確保していることから、両脚体1の下半部を相互に連結せずに、両脚体1間の下肢空間Sを十分に確保できる。
【0026】
なお、本発明は以上に述べた実施形態に限らない。
【0027】
例えば、天板受け部材及びトレーの材料やこれらを剛結するための手段は任意のものを採用することができる。また、同一の部材により天板受け部材及びトレーを一体に形成したものを採用することもできる。
【0028】
また、前記トレーは、上述した実施形態におけるもののようなチャンネル状のものに限らず、底壁と、この底壁の反天板側の縁に沿って設けられた反天板側の起立壁のみを有するアングル状のもの等を採用してもよい。但し、上述した実施形態のように、底壁と、この底壁の反天板側の縁に沿って設けられた反天板側の起立壁と、前記底壁の天板側の縁に沿って設けられた天板側の起立壁とを備えてなるチャンネル状のものであり、前記天板側の起立壁の上端と前記天板の上面とが略面一に連続している構成を採用すれば、軽量化を図りつつ全体の剛性を高めることができ、また、前記天板側の起立壁の上端と前記天板の上面とが略面一に連続していることにより外観を整えることもできる。一方、底壁と、反天板側の起立壁のみを有するアングル状のトレーを採用すれば、強度をより高めることができる。
【0029】
さらに、天板は、上述した実施形態におけるもののように使用端が反使用端よりも低くなるように傾斜させてあるものに限らず、上面(天板面)が水平であるものを採用してもよい。但し、上述した実施形態のように、前記天板の使用端が反使用端よりも低くなるように傾斜させてあれば、ソファに着座した着座者の前に配置して使用する際に天板が使いやすいという効果を得ることができる。
【0030】
そして、天板受部材の形状も任意のものを採用してかまわない。但し、上述した実施形態のように、天板受部材が前記天板を支持する傾斜部と前記トレーを支持する水平部とを一体に備えたものであり、前記トレーが前記水平部に剛結されているものであれば、天板受部材が屈曲しているので、トレーが剛結されていることと相まって天板受部材の曲げ剛性の向上を図ることができる。
【0031】
加えて、左右対をなす脚体間に相互に連結するための横架材を一切設けない構成や、逆に両脚体の下半部間を相互に連結するための横架材を設ける構成等を採用してももちろんよい。
【0032】
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変更してよい。
【符号の説明】
【0033】
T…テーブル
1…脚体
1a…脚体の上端
2…天板受部材
3…天板
3a…天板の反使用端
4…トレー
5…底壁
6…反天板側の起立壁