(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6694619
(24)【登録日】2020年4月22日
(45)【発行日】2020年5月20日
(54)【発明の名称】基板保持部材及びこれを装着してなる基板用トレイ
(51)【国際特許分類】
H01L 21/673 20060101AFI20200511BHJP
B65D 85/68 20060101ALI20200511BHJP
B65D 85/86 20060101ALI20200511BHJP
【FI】
H01L21/68 U
B65D85/68 Z
B65D85/86 400
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-70771(P2019-70771)
(22)【出願日】2019年4月2日
【審査請求日】2019年8月7日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591056097
【氏名又は名称】淀川ヒューテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001438
【氏名又は名称】特許業務法人 丸山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】山中 昭浩
(72)【発明者】
【氏名】島田 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】益子 忠信
【審査官】
宮久保 博幸
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−140163(JP,A)
【文献】
特開2006−278375(JP,A)
【文献】
韓国公開特許第10−2008−0042392(KR,A)
【文献】
特開2014−063818(JP,A)
【文献】
特開2011−073688(JP,A)
【文献】
特開2010−212298(JP,A)
【文献】
特開2007−184465(JP,A)
【文献】
特開平10−064982(JP,A)
【文献】
特開2013−184717(JP,A)
【文献】
特開2019−014488(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/673
B65D 85/68
B65D 85/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板用トレイの載置面に取り付けられ基板を保持する基板保持部材であって、
前記載置面に位置決め可能に配置される基部と、前記基部に設けられ、前記基板を保持する保持部と、を具える複数の保持部材を間隔を存して配置し、
前記保持部材の前記保持部間に紐状体又はネットを張設し、前記紐状体又はネットに前記基板を保持する、
基板保持部材。
【請求項2】
前記保持部材の前記基部は、前記載置面の任意の位置に位置決め可能である、
請求項1に記載の基板保持部材。
【請求項3】
前記保持部材の前記保持部は、弾性材料から形成される、
請求項1又は請求項2に記載の基板保持部材。
【請求項4】
前記保持部材の前記基部は、磁石を具える、
請求項1乃至請求項3の何れかに記載の基板保持部材。
【請求項5】
前記保持部材の前記基部及び前記保持部は、ゲル製である、
請求項1乃至請求項4の何れかに記載の基板保持部材。
【請求項6】
載置面を有し、
前記載置面の任意の位置に請求項1乃至請求項5の何れかに記載の基板保持部材の前記保持部材を装着してなる、
基板用トレイ。
【請求項7】
磁性材料を含む載置面を有し、
前記載置面の任意の位置に請求項6に記載の基板保持部材の前記保持部材を磁石で装着してなる、
基板用トレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶パネルやプラズマディスプレイパネルなどの基板を保持し、保管、搬送等することのできる基板用トレイに用いられる基板保持部材と、これを装着してなる基板用トレイに関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶パネル、プラズマディスプレイパネル、有機ELディスプレイパネルなどの基板が種々の機器に採用されている。これら基板は、大型のものから、スマートフォン用、車載用等の比較的小型のものまで大きさ、形状も様々である。また、近年、平面基板だけでなく、湾曲した曲面基板など、多種多様な基板が開発、製造されている。
【0003】
基板は、保管や搬送の際に、基板用トレイに載置される。たとえば、特許文献1では、矩形枠の内側に基板を支持する複数の突起が形成された複数列の支持部を設けた基板用トレイが提案されている。基板は、複数の突起に支持されると共に、基板を収容した基板用トレイを複数積層できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−205991公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
基本的には、基板1種類に対して1種類の専用トレイを製作しているが、上記のとおり、基板の大きさ、形状等が多種多様化しているため、基板用トレイも基板に対応して種類が増加し、基板用トレイの保管や製造にコストが嵩む問題がある。
【0006】
本発明は、種々の大きさ、形状の基板を保持することのできる基板保持部材と、これを装着してなる基板要トレイを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の基板保持部材は、
基板用トレイの載置面に取り付けられ基板を保持する基板保持部材であって、
前記載置面に位置決め可能に配置される基部と、
前記基部に設けられ、前記基板を保持する保持部と、
を具える。
【0008】
前記基部は、前記載置面の任意の位置に位置決め可能とすることが望ましい。
【0009】
前記保持部は、弾性材料から形成することができる。
【0010】
前記保持部は、前記基板との当接部が曲面形状とすることができる。
【0011】
前記保持部は、前記基部に対して上下方向にスライド可能に配置され、
付勢部材によって前記保持部は、前記基部に対して上向きに付勢されている構成とすることができる。
前記保持部は、段部を有する形状であって、相対的に高さの低い低段部に前記基板が保持される構成とすることができる。
【0012】
複数の前記基板保持部材を間隔を存して配置し、
前記保持部間に紐状体又はネットを張設し、前記紐状体又はネットに前期基板を保持する構成とすることができる。
【0013】
前記基部は、磁石を具えることが望ましい。
【0014】
前記基部及び前記保持部は、ゲル製とすることができる。
【0015】
また、本発明の基板用トレイは、
載置面を有し、
前記載置面の任意の位置に上記何れかに記載の基板保持部材を装着してなる。
【0016】
磁性材料を含む載置面を有し、
前記載置面の任意の位置に基板保持部材を磁石で装着してなる構成とすることができる。
【0017】
前記載置面に前記保持部の高さが異なる複数の前記基板保持部材を装着してなり、
湾曲した曲面基板を保持することが望ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の基板保持部材は、基部を基板用トレイの載置面の任意の位置に配置することができる。基板保持部材は、基板の大きさ、形状に合わせて間隔を違えて複数を基板用トレイに配置することで、種々の基板を保持することができる。また、保持部の高さが異なる基板保持部材を準備することで、湾曲した曲面基板も保持することができる。
【0019】
基板保持部材の基部に磁石を配置し、載置面に磁性材料を含んだ構成とすることで、基板保持部材を任意の位置に載置面に吸着させることができる。磁石により基板保持部材を載置面に吸着させることで、振動や多少の傾きがあっても基板保持部材はズレなく配置できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る基板保持部材を配置した基板用トレイの斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態に係る基板保持部材の斜視図である。
【
図5】
図5は、基板保持部材で基板を保持した状態を示す説明図であって、(a)は平面基板、(b)は曲面基板を保持した状態を示している。
【
図6】
図6は、複数の基板用トレイを積層した状態を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、基板保持部材の異なる実施例を示す斜視図である。
【
図8】
図8は、基板保持部材の異なる実施例を示す斜視図である。
【
図9】
図9は、基板保持部材の異なる実施例を示す斜視図である。
【
図10】
図10は、基板保持部材の異なる実施例を示す斜視図である。
【
図11】
図11は、基板保持部材の異なる実施例を示す斜視図である。
【
図12】
図12は、基板保持部材の異なる実施例を示す斜視図である。
【
図13】
図13は、基板保持部材の異なる実施例を示す斜視図である。
【
図14】
図14は、基板保持部材の異なる実施例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態に係る基板用トレイ10とこれに配置される基板保持部材20の一例について図面を参照しながら説明を行なう。
【0022】
本発明の基板用トレイ10は、
図1に示すように、複数の基板保持部材20を載置面11上に配置し、液晶パネル、プラズマディスプレイパネル、有機ELディスプレイパネルなどの基板30を基板保持部材20上で保持し、基板30を保管や搬送するものである。基板30の大きさ、形状は限定されない。
【0023】
本発明の基板用トレイ10は、
図1及び
図2に示すように、トレイ枠13に載置面11を載せて形成することができる。トレイ枠13は、たとえば樹脂製とすることができ、図示の実施形態では外形略矩形としている。トレイ枠13には、下面側に搬送用のアームやフォークを挿入する抜き穴14が形成されており、上面側には重ねたときに通気口15となる凹みが形成されている。トレイ枠13の内周側には、平板状のベースプレート16が設けられており、ベースプレート16には、載置面11が装着可能となっている。もちろん、基板用トレイ10は、トレイ枠13と一体に載置面11を設けることもでき、この場合、ベースプレート16は不要である。なお、図示の実施形態では、トレイ枠13に基板用トレイ10を識別するためのID情報を埋め込んだRFタグ17を装着している。
【0024】
基板30の液晶の拡散や気泡の除去等のために基板30を加熱する必要がある場合には、トレイ枠13やベースプレート16は耐熱性を具備する材料を使用する。このとき、通気口15は熱風の通路になる。
【0025】
載置面11は、略矩形のフラットな板材である。後述するとおり、基板保持部材20を磁石23で載置面11に吸着させる構成とする場合には、載置面11は、ステンレスやスチールなどの磁性材料から作製することができる。
【0026】
基板用トレイ10の載置面11には、基板保持部材20が任意の位置に装着可能となっている。基板保持部材20は、一実施形態として、
図3及び
図4に示すように、基部21と保持部26を具える。基部21は、載置面11に載置され、保持部26は基板30の下面を支持する。なお、後述する
図7乃至
図14のとおり、基板保持部材20は種々の変形例を採用することができる。
【0027】
基板保持部材20を構成する基部21と保持部26は、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトンなどのプラスチック樹脂、ウレタンゴム、アクリルゴムなどのゴム材料、ゲル等から作製することができる。基板30の傷つきや基板30の滑りを抑えるために、保持部26は弾性材料から構成することが望ましい。たとえば、基板保持部材20は、基部21と保持部26を一体成形することで作製できる。なお、基板30の液晶の拡散や気泡の除去等のために基板30を加熱する必要がある場合には、基部21や保持部26は耐熱性を具備する材料から構成する。
【0028】
基部21は、載置面11に基板保持部材20を安定して位置決めするための基台であって、保持部26の台座を兼ねる。図示の実施形態では基部21は、平面視略矩形に形成されている。また、保持部26は、円柱状に形成され、その先端は、基部21を安定して保持できるように曲面形状に面取りしている。基部21及び保持部26の大きさ、形状、高さ等は図示の実施形態に限定されないことは勿論である。たとえば、
図5(b)に示すように、保持部26は高さの異なるものを複数準備することもできる。また、保持部26の高さに応じて、基部21の大きさ等も適宜調整可能である。
【0029】
基部21には、
図4に示すように下面側に凹み22を形成し、当該凹み22に磁石23を挿入している。そして、凹み22を塞ぐようにシート24を貼着している。シート24は、クッション性を高め、また、載置面11に対するズレを防止するためにエラストマー等の材料から構成することが望ましい。なお、磁石23は、吸着性を高めるために、基部21の下面近傍に配置することが望ましい。もちろん、磁石23を基部21の下面に直接貼着した構成とすることもできる。また、基板保持部材20に磁石23に代えて下面に粘着性の高いゲル状のシートを配備することで、基板用トレイ10の載置面11の任意の位置に基板保持部材20を配置することもできる。この場合、載置面11は磁性材料でなくてもよい。
【0030】
然して、
図1に示すように、トレイ枠13に載置面11を載せた基板用トレイ10に対し、基板30の大きさ、形状に合わせて複数の基板保持部材20を載置面11に載置する。たとえば基板保持部材20は、チャック機構を有するロボットアームを用いて載置面11の所望の位置に載置することができる。
図1では、大きさの異なる2枚の基板30を1つの基板用トレイ10に載せるため、基板保持部材20の間隔や数を変えている。本発明では、基板30を保持する基板保持部材20の数や間隔を、基板30の重量や厚さ(変形のし易さ)等によって適宜決定することができ、また、基板保持部材20は磁石23を具えるから、磁性材料の載置面11の任意の位置に装着することができる。
【0031】
図5(a)は、平面基板30を複数の基板保持部材20で保持した実施形態である。また、
図5(b)は、保持部26の高さの異なる複数の基板保持部材20を準備し、曲面基板30をその湾曲形状や高さに合わせて複数の基板保持部材20で保持した実施形態である。基板保持部材20は、基板30の形状、大きさに応じて載置面11の任意の位置、間隔で配置して位置決めすることができ、基板30を安定して保持することができる。従って、基板30の大きさ、形状等に合わせた専用の基板用トレイ10を不要とすることができ、基板用トレイ10を共通化して、その保管や製造のコスト増を抑えることができる。
【0032】
基板30を載置した基板用トレイ10は、
図6に示すように複数積層して保管、搬送等することができる。
【0033】
上記説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或いは範囲を限縮するように解すべきではない。また、本発明の各部構成は、上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【0034】
図7乃至
図14は、基板保持部材20の変形例を示している。なお、磁石23等は図示していないが、適宜基部21に配置される。
【0035】
図7(a)は、円柱形の基部21に半球形状の保持部26を形成した実施例、同じく
図7(b)、(c)は円柱形の基部21と頂部がフラットな保持部26の実施例である。
図7(d)は円柱形の基部21の先端を尖らせて保持部26を形成した実施例である。
図7(e)は円柱形の基部21の先端に矩形平板状の保持部26を形成した実施例、
図7(f)は円柱形の基部21の先端に皿状の保持部26を形成した実施例である。
【0036】
図8(a)はバネ状の基部21の先端に皿状の保持部26を形成した実施例、
図8(b)は先端が尖った基部21の上に揺動可能に皿状の保持部26を形成した実施例である。また、
図8(c)、(d)は円柱形の基部21の先端に揺動可能な細径の繋ぎ部26a(
図8(d)では繋ぎ部26aは見えていない)を配置し、繋ぎ部26aの上に
図8(c)では球状の保持部26、
図8(d)では複数の溝27が形成された矩形板状の保持部26を配置している。保持部26に溝27を形成することで、保持部26に弾力性を具備できると共に、溝27によって保持部26の全面が基板30と接触せず、溝27の部分に空気が通る構成とすることができるため、基板30が保持部26に吸着して外れなくなることを防止できる。
図8(e)は基板保持部材20を球状とした実施例であり、底部が基部21、頂部が保持部26を構成する。
【0037】
図9(a)は屈曲形状の基部21の先端に繋ぎ部26aを介して球状の保持部26を形成した実施例、
図9(b)は基部21を3つに枝分かれさせ、各先端に保持部26を形成した実施例である。
図9(c)は、円筒形の基部21内に付勢部材としてバネ25を内装し、下縁に鍔26bが形成されて抜止めの役割をなす円柱形の保持部26を上下方向にスライド可能且つバネ25により保持部26を上向きに付勢した実施例である。
【0038】
図10は、立方体形状の基部21の1コーナーに段部28a,28bを形成し、相対的に高さの低い低段部28aに基板30を載置した実施例である。相対的に高い高段部28bを
図1等のトレイ枠13側に配置することで、高段部28bが基板30とトレイ枠13の接触を防ぐ。たとえば矩形の基板30であれば、4つの角のそれぞれ、或いは、2つの対角に
図10の基板保持部材20を配置すればよい。
【0039】
図11(a)は、平角状の基部21の先端を曲面形状に面取りして保持部26を形成した実施例、
図11(b)は保持部26の頂部をフラットにした実施例である。
【0040】
図12は、
図8(c)の基板保持部材20を4つ使用し、基板保持部材20間にネット29を張設して全体として基板保持部材20aを形成した実施例である。ネット29は、繋ぎ部26aに括られている。基板はネット29上に載置できる。
図12(b)は、同じく
図8(c)の基板保持部材20を間隔を存して配置し、基板保持部材20間に紐状体29aを張設して全体として基板保持部材20aを形成した実施例である。紐状体29aは繋ぎ部26aに括られている。2つの基板保持部材20,20と紐状体29aからなる組み合わせを、平行に複数配置し、紐状体29aの上に懸架するよう基板を載置することができる。
【0041】
図13は、
図9(b)の基板保持部材20の基部21を8つに枝分かれさせ、各先端に保持部26を形成した実施例である。基板は、3つ又はそれ以上の保持部26に跨がるよう載置すればよい。
【0042】
図14は、ゲルによって基板保持部材20を形成した実施例である。基板保持部材20は矩形平板状に形成しており、下面側が基部21、上面側が保持部26を構成する。保持部26には基板30の吸着を防止する溝27が複数形成されている。基板保持部材20をゲルから構成することで、
図1に示す基板用トレイ10の載置面11の任意の位置に基板保持部材20を配置することができ、また、基板30の滑りも防止できる。
【符号の説明】
【0043】
10 基板用トレイ
11 載置面
20 基板保持部材
21 基部
23 磁石
26 保持部
30 基板
【要約】
【課題】本発明は、種々の大きさ、形状の基板を保持することのできる基板保持部材と、これを装着してなる基板要トレイを提供する。
【解決手段】本発明の基板保持部材20は、基板用トレイ10の載置面11に取り付けられ、基板30を保持する基板保持部材20であって、前記載置面に位置決め可能に配置される基部21と、前記基部に設けられ、基板を保持する保持部26と、を具える。前記基部は、前記載置面の任意の位置に位置決め可能である、
【選択図】
図1