(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ある種のスクリーン印刷装置では、2つのスクリーン印刷部において基板に半田ペーストを順次印刷する場合がある。例えば、先ず薄肉のマスクを用いて小型部品用の半田パターンを基板に印刷する第1印刷処理を施し、次いで、第1印刷処理後の基板に対して厚肉のマスクを用いて大型部品用の半田パターンを印刷する第2印刷処理を行うという、順次印刷タイプのスクリーン印刷装置がある。このタイプのスクリーン印刷装置において、不適切な第1印刷処理が行われると、基板上の本来ならば印刷されてはならない箇所に半田ペーストが印刷され、第2印刷処理においてマスク裏面に半田ペーストが付着することがある。この場合、その後の第2印刷処理に支障を来す、つまり印刷不良の基板を発生させてしまうという問題が生じる。
【0006】
本発明の目的は、2つのスクリーン印刷部において基板に粘性材を順次印刷するスクリーン印刷装置において、マスクへの粘性材の付着に起因する印刷不良の発生を抑止することができるスクリーン印刷装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面に係るスクリーン印刷装置は、第1マスク及び第1印刷部を備え、基板に対して粘性材をスクリーン印刷する第1印刷処理を行う第1スクリーン印刷部と、第2マスク及び第2印刷部を備え、前記第1印刷処理が行われた基板に対して粘性材をスクリーン印刷する第2印刷処理を行う第2スクリーン印刷部と、前記第1印刷処理又は前記第2印刷処理に起因した前記粘性材の付着予想位置として、予め指定された指定ポイントを撮像する撮像部と、前記撮像部が取得した画像に基づいて、前記指定ポイントに前記粘性材が存在するか否かを判定する判定部と、を備える
スクリーン印刷装置において、前記指定ポイントが、前記第1印刷処理が行われた基板の特定位置であり、前記撮像部は前記第1印刷処理後に前記基板の特定位置を撮像するものであって、前記第1印刷処理及び前記第2印刷処理の動作を制御する印刷制御部をさらに備え、前記基板の特定位置が、正規の前記第1印刷処理では前記粘性材が付着し得ない所定の非正規位置であって、前記印刷制御部は、前記判定部が前記非正規位置に前記粘性材が存在すると判定した場合に、前記第2印刷処理の実行を中止させる。
また、本発明の他の局面に係るスクリーン印刷装置は、第1マスク及び第1印刷部を備え、基板に対して粘性材をスクリーン印刷する第1印刷処理を行う第1スクリーン印刷部と、第2マスク及び第2印刷部を備え、前記第1印刷処理が行われた基板に対して粘性材をスクリーン印刷する第2印刷処理を行う第2スクリーン印刷部と、前記第1印刷処理又は前記第2印刷処理に起因した前記粘性材の付着予想位置として、予め指定された指定ポイントを撮像する撮像部と、前記撮像部が取得した画像に基づいて、前記指定ポイントに前記粘性材が存在するか否かを判定する判定部と、を備えるスクリーン印刷装置において、
前記指定ポイントが、前記第1印刷処理が行われた基板の特定位置であり、前記撮像部は前記第1印刷処理後に前記基板の特定位置を撮像するものであって、前記第1印刷処理及び前記第2印刷処理の動作を制御する印刷制御部をさらに備え、前記基板の特定位置が、正規の前記第1印刷処理で前記粘性材が付着する所定の正規位置であって、前記印刷制御部は、前記判定部が前記正規位置に前記粘性材が存在しないと判定した場合に、前記第2印刷処理の実行を中止させる。
【0008】
このスクリーン印刷装置によれば、撮像部が粘性材の付着予想位置としての指定ポイントを撮像する。前記付着予想位置は、例えば、想定される誤った印刷処理が行われた場合に前記粘性材が付着してしまう箇所、或いは、正規の印刷処理が行われた場合に前記粘性材が付着する箇所である。そして、判定部が指定ポイントに前記粘性材が存在するか否かを判定する。前記指定ポイントにおける前記粘性材の有無により、誤った印刷処理又は正規の印刷処理が行われたか否かを把握することができる。従って、判定部の判定結果に基づき、印刷不良の発生を防止する種々の対策を取ることが可能となる。
【0009】
上記のスクリーン印刷装置において、前記指定ポイントが前記第2マスクの裏面の特定位置であり、前記撮像部は前記第2印刷処理後に前記第2マスクの前記特定位置を撮像するように構成することが望ましい。
【0010】
このスクリーン印刷装置によれば、判定部は第2マスクの裏面に粘性材が付着しているか否かを判定することができる。例えば、第1マスクが正規の位置に取り付けられない状態で第1印刷処理が実行された場合、基板上の第1印刷処理による印刷パターンと第2マスクに備えられている逃がしパターンとの位置が合わなくなり、第2マスクの裏面(基板との対向面)に粘性材が付着する。しかも、第1マスクの取り付けミスは、一般に正規の位置に対して反転して取り付けられることで発生し、当該ミスが生じた場合に第2マスクのどの位置に粘性材が付着するかの予想ができる。従って、第2マスク裏面の特定位置への粘性材の付着を検知することで第1印刷処理の誤りを知見することができ、その後の印刷不良の発生を防止することが可能となる。
【0011】
この場合、前記第2マスクの裏面をクリーニングするクリーニング部をさらに備え、前記クリーニング部は、前記判定部が前記第2マスクの裏面に前記粘性材が存在すると判定した場合に、前記第2マスクの裏面をクリーニングすることが望ましい。
【0012】
このスクリーン印刷装置によれば、第2マスクの裏面に付着した粘性材がクリーニング部によって除去される。従って、その後の第2印刷処理において、第2マスクから基板の意図しない箇所に粘性材が付着することを防止することができる。
【0013】
上記のスクリーン印刷装置において、前記指定ポイントが、前記第1印刷処理が行われた基板の特定位置であり、前記撮像部は前記第1印刷処理後に前記基板の特定位置を撮像するように構成することが望ましい。
【0014】
このスクリーン印刷装置によれば、撮像部が第1印刷処理後に基板の特定位置を撮像する。これにより、第1印刷処理が正規に実行されたか否かを確認することが可能となる。
【0015】
上記のスクリーン印刷装置において、前記第1印刷処理及び前記第2印刷処理の動作を制御する印刷制御部をさらに備え、前記基板の特定位置が、正規の前記第1印刷処理では前記粘性材が付着し得ない所定の非正規位置であって、前記印刷制御部は、前記判定部が前記非正規位置に前記粘性材が存在すると判定した場合に、前記第2印刷処理の実行を中止させることが望ましい。
【0016】
このスクリーン印刷装置によれば、基板の非正規位置への粘性材の付着が検知されると、第2印刷処理が中止される。非正規位置へ粘性材が付着する要因は、第1マスクの取り付けミスや、第1スクリーン印刷部から第2スクリーン印刷部への基板移動時における基板の位置決めミスなどがある。このようなミスが生じた場合、印刷制御部によって第2印刷処理の実行が中止されるので、印刷不良の発生を防止することができる。
【0017】
上記のスクリーン印刷装置において、前記第1印刷処理及び前記第2印刷処理の動作を制御する印刷制御部をさらに備え、前記基板の特定位置が、正規の前記第1印刷処理で前記粘性材が付着する所定の正規位置であって、前記印刷制御部は、前記判定部が前記正規位置に前記粘性材が存在しないと判定した場合に、前記第2印刷処理の実行を中止させることが望ましい。
【0018】
このスクリーン印刷装置によれば、基板の正規位置への粘性材の付着が検知されない場合に、第2印刷処理が中止される。正規位置へ粘性材が付着しない要因は、第1マスクの取り付けミスや、基板移動時における基板の位置決めミスなどがある。このようなミスが生じた場合、印刷制御部によって第2印刷処理の実行が中止されるので、印刷不良の発生を防止することができる。
【0019】
この場合、前記基板を前記第1スクリーン印刷部から前記第2スクリーン印刷部へ搬送する基板搬送部をさらに備え、前記撮像部は、前記第1スクリーン印刷部に配置され、前記印刷制御部は、前記第2印刷処理の実行を中止させるために、前記基板搬送部による前記基板の前記第1スクリーン印刷部から前記第2スクリーン印刷部への搬送を停止させることが望ましい。
【0020】
このスクリーン印刷装置によれば、第1印刷処理において不具合が生じた場合に、当該基板の第2スクリーン印刷部への搬送を行わせない。従って、速やかに印刷不良に対する対策を取ることが可能となる。
【0021】
上記のスクリーン印刷装置において、前記第1マスクは、所定の第1厚さを有し、所定の第1パターン開口を備え、前記第2マスクは、前記第1厚さよりも厚い第2厚さを有し、所定の第2パターン開口と前記第1パターン開口に対応する位置に設けられた逃がし凹部とを備える構成とすることができる。
【0022】
このスクリーン印刷装置によれば、小型部品用の第1印刷処理、これに続く大型部品用の第2印刷処理が行われる順次印刷型のスクリーン印刷装置に本発明を適用することができる。すなわち、第1印刷処理による印刷パターンが第2マスクの逃がし凹部で回避されず、第2マスクに粘性材が付着することに伴う印刷不良の発生を防止することができる。
【0023】
上記のスクリーン印刷装置において、前記第1、第2スクリーン印刷部が各々独立した装置構成を備え、前記第1スクリーン印刷部と前記第2スクリーン印刷部との間に配置され、オペレータがアクセス可能な状態で前記基板を搬送する連結コンベアをさらに備える構成とすることができる。
【0024】
このスクリーン印刷装置によれば、第1印刷処理を終え、連結コンベアを搬送されている基板をオペレータが取り出すことが可能となる。その基板を連結コンベアへ戻す際、基板の搭載方向を誤るミスを犯し得るが、本発明によれば、このようなミスを検出し、第2印刷処理において印刷不良が発生することを防止できる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、2つのスクリーン印刷部において基板に粘性材を順次印刷するスクリーン印刷装置において、マスクへの粘性材の付着に起因する印刷不良の発生を抑止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[スクリーン印刷装置の全体構造]
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るスクリーン印刷装置100の平面図、
図2は、スクリーン印刷装置100のY方向の模式的な側面図、
図3は、X方向の模式的な側面図である。本実施形態では、プリント基板(以下、基板5)の上面に半田ペーストをマスク印刷するスクリーン印刷装置100を例示する。すなわち、本実施形態において粘性材は半田ペーストである。
【0028】
図1に示すように、スクリーン印刷装置100は、搬送方向上流側(X方向右側)の搬入位置EnのローダLDから基板5が搬入され、当該基板5に対してスクリーン印刷処理を施し、搬送方向下流側(X方向左側)の搬出位置Exから下流側装置Mへと基板5を搬出する。なお、基板5の搬送方向がX方向であり、水平面内でX方向と直交する方向がY方向である。また、XおよびY方向と直交する上下方向がZ方向である。下流側装置Mは、例えば、半田ペーストが印刷された基板5上に各種の電子部品を実装する部品実装装置である。
【0029】
スクリーン印刷装置100は、基台1と、基板5の保持および搬送を行う基板作業テーブル2と、基板5に半田ペーストのスクリーン印刷を行う第1スクリーン印刷部3A及び第2スクリーン印刷部3Bとを備えている。第1スクリーン印刷部3Aは、小型部品用マスク6(第1マスク)を具備する第1印刷テーブル30Aと、小型部品用マスク6を介して基板5に半田ペーストをスクリーン印刷する第1印刷処理を行うための第1スキージユニット4A(第1印刷部)とを備える。第2スクリーン印刷部3Bは、大型部品用マスク7(第2マスク)を具備する第2印刷テーブル30Bと、大型部品用マスク7を介して、前記第1印刷処理が行われた基板5に半田ペーストをスクリーン印刷する第2印刷処理を行うための第2スキージユニット4B(第2印刷部)とを備える。また、スクリーン印刷装置100には、以下に説明する各部の動作制御を行うための後述する制御部90(
図12参照)が内蔵されている。
【0030】
基台1は、スクリーン印刷装置100の下部に配置され、当該スクリーン印刷装置100が備える各装置を支持する。基板作業テーブル2は、基台1上に配置され、搬入位置Enで基板5を受け取り、印刷作業時には順次第1、第2印刷テーブル30A、30Bに対向して基板5を支持して固定し、印刷済みの基板5を搬出位置Exから搬出する機能を有する。なお、第2のローダLDをY方向に並置すると共に、基台1にY方向に並ぶように第2の基板作業テーブル2を配置する構成としても良い。
【0031】
基板作業テーブル2は、Y方向に移動可能な可動台21と、この可動台21上に配置された搬送コンベア22、クランプユニット23、マスク認識カメラ24(撮像部)及びクリーニングユニット25(クリーニング部)とを含む。搬送コンベア22は、搬送方向(X方向)に延びる一対のコンベアレールからなる。クランプユニット23は、搬送コンベア22上の基板5を、当該搬送コンベア22から上方に離間した状態で印刷作業が可能なように保持しつつ、X方向に移動させるための機構である。マスク認識カメラ24は、クランプユニット23に付設されている。クリーニングユニット25は、可動台21上に配置されている。
【0032】
可動台21は、基台1上にY方向に延びるように配設されているガイドレール11により、Y方向に移動可能に支持されている。可動台21は、テーブル駆動機構によってガイドレール11上をY方向に移動される。具体的には可動台21は、Y方向に延びるねじ軸12と、ねじ軸12を回転駆動するサーボモータ13とによってY方向に移動される。可動台21のY方向の移動範囲は、第1及び第2印刷テーブル30A、30Bの直下の位置へそれぞれ移動できるように設定されている。
【0033】
搬送コンベア22は、スクリーン印刷装置100のX方向の略全長にわたって延びる一対のコンベアレールを含む。搬送コンベア22の位置を搬入位置En及び搬出位置ExのY軸座標に一致させることで、基板5の搬入及び搬出が可能である。搬送コンベア22の前記一対のコンベアレールの一方を、可動台21上でY方向に移動させることが可能である。このため、搬送される基板5のサイズに合わせて、コンベア幅(コンベアレール間の間隔)を変更することができる。
【0034】
クランプユニット23は、搬送コンベア22の前記一対のコンベアレールをY方向両外側から抱え込むように配置された可動ユニットである。クランプユニット23は、可動台21上に設けられたX軸移動機構51(
図2参照)により、ガイドレール51a上をX方向に移動可能である。すなわち、クランプユニット23は、搬送コンベア22に沿ってX方向に移動可能である。なお、クランプユニット23のY方向の幅は、搬送コンベア22の前記コンベア幅に対応して変更可能である。
【0035】
クランプユニット23は、基板5の側辺を把持して固定するためのクランプ機構52と、搬送コンベア22上の基板5を持ち上げて支持するための支持機構53とを含む。
図3に示されているように、クランプ機構52は、基板5のY2方向の側辺に沿って配置された固定クランプ部52aと、基板5のY2方向の側辺に沿って配置された移動クランプ部52bとを備える。移動クランプ部52bは、図示しないエアシリンダの駆動によって、固定クランプ部52aに近付く方向に移動可能であり、これによりクランプ機構52は、搬送コンベア22上の基板5をY方向の両側から挟み込むようにクランプすることができる。なお、前記エアシリンダを逆方向に作動させることで、前記クランプが解除される。
【0036】
支持機構53は、複数のバックアップピン53aと、このバックアップピン53aを上下に移動させる昇降機構53bとを含む。バックアップピン53aは、基板5の下側に立設され、基板5の下面に当接するピン先端部を有する。昇降機構53bは、バックアップピン53aを上昇させて前記ピン先端部を基板5の下面に接触させ、さらに搬送コンベア22上の基板5を持ち上げて支持させる。支持機構53によって持ち上げられた基板5がクランプ機構52によって把持されることにより、基板5が搬送コンベア22から上方に離間した状態で固定的に保持される。これにより、基板作業テーブル2上で基板5にスクリーン印刷作業を行うことが可能となる。
【0037】
マスク認識カメラ24は、CCDエリアセンサなどからなり、クランプユニット23のY1方向の外側に、撮像方向を上方に向けて取り付けられている。このため、マスク認識カメラ24は、基板作業テーブル2の移動に伴ってY方向に移動可能で、クランプユニット23の移動に伴ってX方向に移動可能である。マスク認識カメラ24は、第1、第2スクリーン印刷部3A、3Bに各々保持されたスクリーンマスク(後述する小型部品用マスク6、大型部品用マスク7)の下面側に付されたマスク認識マークを下方から撮像する。この撮像により得られた画像データから、前記スクリーンマスクの位置及び姿勢が認識される。
【0038】
クリーニングユニット25は、前記スクリーンマスクのクリーナーである。クリーニングユニット25は、前記スクリーンマスクの基板接触面(下面)に接触されるパッドと、前記パッドを介して負圧吸引を行う吸引ノズルと、を含むクリーニングヘッドを備えている。前記クリーニングヘッドを前記スクリーンマスクの基板接触面に接触させた状態で、基板作業テーブル2とスクリーンマスクとをY方向に相対移動(摺動)させることにより、前記基板接触面やパターン開口内に付着した半田ペーストが除去される。前記クリーニングヘッドは、基板作業テーブル2に対して上下に昇降可能であり、マスク清掃時以外には、前記スクリーンマスクと非接触となる下降位置に退避する。
【0039】
上述の本来の役目に加えて、本発明の一つの実施形態ではマスク認識カメラ24は、半田ペーストの付着予想位置として予め指定された前記スクリーンマスク(本実施形態では大型部品用マスク7)の指定ポイントを撮像する役目も果たす。また、クリーニングユニット25は、前記指定ポイントに半田ペーストが存在していると判定された場合に、前記スクリーンマスクをクリーニングする。これらの点については、後記で詳述する。
【0040】
基台1上には、一対のフレーム構造体14が立設されている。一対のフレーム構造体14は、基板作業テーブル2の上方を跨いでそれぞれY方向に延び、X方向に所定の間隔を隔てて配置されている。各々のフレーム構造体14は、門型構造を有しており、基台1のY方向の両端部近傍から上方に延びる一対の脚部14aと、脚部14aの上端同士を水平方向に繋ぐ梁部14bとを含む。
【0041】
基板作業テーブル2の上方を跨ぐ搬送方向上流側(
図1の右側)のフレーム構造体14(梁部14b)の下面側には、2つの基板認識カメラ15(
図3参照)が固定的に設置されている。基板認識カメラ15は、基板作業テーブル2上の基板5を撮像するためのカメラである。基板認識カメラ15は、CCDエリアセンサなどからなり、撮像方向を下方に向けて設置されている。基板認識カメラ15は、基板5の上面に付された図示しない基板認識マークを撮像する。この撮像により得られた画像データから、クランプユニット23に把持された基板5の位置および姿勢が認識される。
【0042】
この機能に加えて基板認識カメラ15は、本発明の他の実施形態では半田ペーストの付着予想位置として予め指定された基板5の指定ポイントを撮像する役目も果たす。指定ポイントは、正規の印刷処理で半田ペーストが付着する位置、或いは正規の印刷処理では半田ペーストが付着し得ない位置などである。これらの点については、後記で詳述する。
【0043】
第1印刷テーブル30Aは、一対のフレーム構造体14に設けられた一対のガイドレール33aによりX方向の両側を支持され、基板作業テーブル2よりも上方の位置に配置されている。第1印刷テーブル30Aは、Y方向に延びるガイドレール33aに沿ってY方向に移動可能であると共に、上下方向(Z方向)に移動可能である。同様に、第2印刷テーブル30Bもガイドレール33aで支持され、Y方向に移動可能である。第1、第2印刷テーブル30A、30Bは各々、スクリーンマスクが着脱可能に組み付けられる略矩形状のマスク固定部材31と、マスク固定部材31を昇降(Z軸方向移動)させるマスク昇降機構32と、マスク固定部材31をZ軸回りに回動させるとともに、Y方向に移動させるための一対のマスク駆動機構33とを有している。
【0044】
第1印刷テーブル30Aのマスク固定部材31には、小型部品用マスク6が組み付けられている。
図4(A)は、小型部品用マスク6の一例を模式的に示す縦断面図である。小型部品用マスク6は、所定の第1厚さt1を有し、所定の小パターン開口61(第1パターン開口)を備えている。小パターン開口61は、例えば0402サイズの電子部品やボールピッチが0.4mmのBGA等の小型電子部品に対応したパターンで穿孔された微小な開口である。第1厚さt1は、前記小型電子部品に適した厚みに設定される。好適な第1厚さt1は、例えば70μmである。小型部品用マスク6を用いてスクリーン印刷を行うことにより、基板5の表面には、小パターン開口61に応じた半田パターンが印刷される。この半田パターンの高さは、第1厚さt1と同じ、若しくは当該半田パターンに作用する重力のため第1厚さt1より僅かに小さい高さとなる。
【0045】
一方、第2印刷テーブル30Bのマスク固定部材31には、大型部品用マスク7が組み付けられている。
図4(B)は、大型部品用マスク7の一例を模式的に示す縦断面図である。大型部品用マスク7は、第1厚さt1よりも厚い第2厚さt2を有し、所定の大パターン開口71(第2パターン開口)と、小パターン開口61に対応する位置に設けられた逃がし凹部72とを備えている。大パターン開口71は、例えばシールドケース等の大型電子部品に対応したパターンで穿孔された比較的大きな開口である。第2厚さt2は、前記大型電子部品に適した厚みに設定される。好適な第2厚さt2は、例えば130μmである。大型部品用マスク7を用いてスクリーン印刷を行うことにより、基板5の表面には、大パターン開口71に応じた半田パターンが印刷される。この半田パターンの高さは、第2厚さt2と同じか、第2厚さt2より僅かに小さい高さとなる。
【0046】
逃がし凹部72は、大型部品用マスク7の基板接触面(下面)側に凹設されている。上述の小パターン開口61に対応する位置とは、小型部品用マスク6を用いたスクリーン印刷により小型部品用の半田パターンが形成された基板5に、大型部品用マスク7を用いて同じ基板5にスクリーン印刷を追加的に行う場合(順次印刷する場合)に、その小型部品用半田パターンが大型部品用マスク7に対向する位置を意味する。逃がし凹部72の窪み深さt3は、小型部品用マスク6の第1厚さt1よりも大きく設定されている。また、逃がし凹部72のXYサイズは、小型部品用の半田パターンの形成部分を取り囲むことができるサイズに設定されている。
【0047】
このため、小型部品用マスク6を用いた第1印刷処理後の基板5に対して、順次印刷のため大型部品用マスク7の版合わせを行うと、小型部品用マスク6により形成された小型部品用の半田パターンが逃がし凹部72の内部に収まり、大型部品用マスク7と前記半田パターンとが非接触の状態に保たれる。この状態で大型部品用マスク7を用いた第2印刷処理を行うことにより、基板5には、小型部品用の半田パターンに追加して、大型部品用の半田パターンが印刷されるものである。
【0048】
マスク昇降機構32は、マスク固定部材31を昇降させる機構である。マスク昇降機構32は、マスク固定部材31を支持するとともに、図示しないガイド、ねじ軸、および、ねじ軸を駆動するZ軸モータによってマスク固定部材31を昇降させる。マスク昇降機構32は、一対のガイドレール33a上にX方向の両端を支持されている。
【0049】
一対のマスク駆動機構33は、Y方向に延びる一対のガイドレール33a及びねじ軸33bと、一対のねじ軸33bを各々駆動する2個のY軸モータ33cとを含み、一対のフレーム構造体14上にそれぞれ設置されている。一対のマスク駆動機構33は、X方向の両側から独立的にマスク昇降機構32をY方向に駆動することが可能である。一対のマスク駆動機構33の両方を等速度で駆動すれば、マスク昇降機構32ごとマスク固定部材31を平行にY方向に移動させることができる。これに対し、一対のマスク駆動機構33間で駆動量に差を設ければ、マスク昇降機構32ごとマスク固定部材31を水平面内(X−Y面内)で回動させることができる。
【0050】
以上の機構により、第1、第2印刷テーブル30A、30Bを、移動範囲内においてY方向の任意の位置へ移動させて基板5に対する印刷を行うことが可能であり、保持する小型部品用マスク6又は大型部品用マスク7のX−Y面内における詳細な位置合わせ(Y方向位置および水平面内の傾き)を行うことが可能である。X方向位置の位置合わせはクランプユニット23の移動調整によりなされる。第1、第2印刷テーブル30A、30Bは、印刷時には、マスク昇降機構32によってZ2方向に下降してマスク6、7を基板5の上面に当接させる版合わせ動作を行い、印刷後には、Z1方向に上昇してマスク6、7を基板5の上面から離間させる版離れ動作を行う。
【0051】
第1スキージユニット4Aは、X方向に延びる可動梁42の中央部で支持され、第1印刷テーブル30Aの上方に配置されている。第2スキージユニット4Bは他の可動梁42の中央部で支持され、第2印刷テーブル30Bの上方に配置されている。第1、第2スキージユニット4A、4Bは各々、マスク6、7の上面に対して半田ペーストを押圧しながらY方向に往復して摺動するスキージ41(
図2参照)と、印刷時にスキージ41を昇降させる図略の昇降機構と、マスク6、マスク7に対するスキージ41の傾き方向および傾き角度を変更するための図略のスキージ角度可変機構とを含む。
【0052】
可動梁42は、一対のフレーム構造体14の上面上にY方向に沿って延びるように設けられた一対のガイドレール43上で、移動可能に支持されている。可動梁42は、フレーム構造体14に設けられたY方向に延びるねじ軸44およびスキージ軸モータ45によって、Y方向に移動される。各スキージ41は、第1、第2スキージユニット4A、4Bが可動梁42の移動に伴ってY方向に移動することで、マスク6、7の上面をY方向に摺動し、印刷動作を行う。第1スキージユニット4Aは、小型部品用マスク6を備えた第1印刷テーブル30Aを用いて基板5に第1印刷処理を行う。第2スキージユニット4Bは、前記第1印刷処理の後、大型部品用マスク7を備えた第2印刷テーブル30Bを用いて同じ基板5に第2印刷処理を行う。以下、このような順次印刷の手順を図説する。
【0053】
[順次印刷の手順]
図5〜
図10は、第1、第2スクリーン印刷部3A、3Bによる順次印刷の動作を時系列順に示す模式図である。順次印刷では、先ず第1スクリーン印刷部3Aにおいて、小型部品用マスク6を用いて小型部品用の半田パターンを基板5にスクリーン印刷する第1印刷処理が実行される。
図5に示すように、基板作業テーブル2が、基板5を第1印刷テーブル30Aのマスク固定部材31が保持する小型部品用マスク6の直下へ移動する。小型部品用マスク6の上面には、半田ペーストの塊である半田溜まりSdを抱え込んだスキージ41が当接されている。
【0054】
続いて、
図6に示すように、マスク昇降機構32によりマスク固定部材31と共に小型部品用マスク6が下降され、基板5の上面に小型部品用マスク6を当接させる版合わせ動作が行われる。この際、スキージ41も下降される。そして、スキージ41が、基板5の上面に対して半田溜まりSdを押圧しながら、小型部品用マスク6上を右方向(Y方向)に摺動する。これにより、基板5の上面には、小型部品用マスク6の小パターン開口61に対応した小パターンSd1が印刷される(第1印刷処理)。
【0055】
その後、
図7に示すように、第1スクリーン印刷部3Aにおいて小型部品用マスク6を基板5の上面から上方へ離間させる版離れ動作が実行される。スキージ41も同時に上昇される。第1印刷処理の基板5は、第2スクリーン印刷部3Bへ移動される。すなわち、基板作業テーブル2が、小パターンSd1が印刷された基板5を第2印刷テーブル30Bのマスク固定部材31が保持する大型部品用マスク7の直下へ移動する。大型部品用マスク7の上面には、半田溜まりSdを抱え込んだスキージ41が当接されている。
【0056】
続いて、大型部品用マスク7の版合わせ動作が行われる。
図8は、第2印刷テーブル30Bのマスク昇降機構32により、マスク固定部材31と共に大型部品用マスク7が下降され、基板5の上面に大型部品用マスク7が当接された状態を示している。この版合わせの際、先に基板5に印刷された小パターンSd1は、逃がし凹部72に収容される。
図4に基づき先述した通り、小型部品用マスク6の第1厚さt1と逃がし凹部72の窪み深さt3との関係はt1<t3であるので、小パターンSd1は大型部品用マスク7と接触することはない。
【0057】
しかる後、スキージ41が、基板5の上面に対して半田溜まりSdを押圧しながら、大型部品用マスク7上を左方向(Y方向)に摺動する。これにより、基板5の上面には、大型部品用マスク7の大パターン開口71に対応した大パターンSd2が追加的に印刷される(第2印刷処理)。その後、
図10に示すように、第2スクリーン印刷部3Bにおいて大型部品用マスク7を基板5の上面から上方へ離間させる版離れ動作が実行される。
【0058】
このように、順次印刷を行うことが可能なスクリーン印刷装置100によれば、1枚の基板5に対して必要な半田ペースト印刷用のパターン開口を、厚みの異なる小型部品用マスク6の小パターン開口61と大型部品用マスク7の大パターン開口71とに分担し、個別に印刷処理を行う。これにより、部品サイズに応じたアスペクト比(半田高さ/半田底面積、すなわち、マスク厚み/開口面積)の半田パターンである小パターンSd1及び大パターンSd2を、それぞれ基板5の表面上に形成することができる。或いは、第1、第2スクリーン印刷部3A、3Bで使用する粘性材を変えることで、異種の粘性材の印刷(例えば、半田ペーストと接着剤との印刷)を行うことができる。
【0059】
[順次印刷における印刷不良の発生要因]
順次印刷は、上述のようなメリットがあるが、一つの基板5に対して第1印刷処理及び第2印刷処理の2回の印刷処理を行うことに起因して、印刷不良が発生してしまうことがある。その一つが、スクリーンマスクの装着方向誤りである。
図11は、マスクの装着ミスによる順次印刷の失敗例を示す模式図である。ここでは、小型部品用マスク6が、その装着方向が正規の方向に対して180°反転した状態で、第1スクリーン印刷部3Aのマスク固定部材31に取り付けられた場合を例示している。一般にスクリーンマスクは、平面視で長方形の形状を有しており、オペレータは90°だけ装着方向を間違うことは無いが、180°反転した装着を行ってしまうことはある。
【0060】
この状態で第1印刷処理が行われると、小パターンSd1は基板5上の予め定められた正規位置ではなく、反転された小パターン開口61に応じた非正規位置に印刷されてしまうことになる。このような小パターンSd1を伴う基板5が第2スクリーン印刷部3Bに移送され、第2印刷処理のために大型部品用マスク7との版合わせが行われると、小パターンSd1の半田ペーストが大型部品用マスク7の下面に付着する。すなわち、大型部品用マスク7の逃がし凹部72と、基板5上の小パターンSd1との位置が合わなくなるため、小パターンSd1と大型部品用マスク7の下面とが接触してしまう。
【0061】
このようなマスク装着ミスが生じた場合、非正規位置に小パターンSd1が印刷されたしまった基板5が印刷不良になるのは勿論である。これに加え、当該基板5の以降に印刷処理される基板5に対して、大型部品用マスク7に付着してしまった半田ペーストが転写されてしまうことから、さらなる印刷不調の基板5を誘発してしまうことになる。
【0062】
同様な不具合が、基板5の投入方向の誤りによって起こり得る。第1スクリーン印刷部3Aと第2スクリーン印刷部3Bとが各々独立した装置構成を備え、両印刷部間においてオペレータが検査や目視確認等の目的で基板5を一旦取り出すことが可能とされている場合がある。この場合、取り出した基板5をオペレータが印刷ラインに再投入する際に、その投入方向を誤ってしまうことがある。起こり得るのは、正規の投入方向に対して180°反転した状態で基板5が再投入される誤りである。このようなケースでも、
図11に示した態様と同じになり、小パターンSd1の半田ペーストが大型部品用マスク7の下面に付着することになる。本実施形態では、このような印刷不良を抑止するスクリーン印刷装置100を提供する。
【0063】
[スクリーン印刷装置の電気的構成]
図12は、スクリーン印刷装置100の電気的構成を示すブロック図である。スクリーン印刷装置100は、上述の基板認識カメラ15及びマスク認識カメラ24に加えて、センサー81、基板搬送モータ82、作業テーブル駆動部83、クリーニング駆動部84、クランプ駆動部85、マスク駆動部86、スキージ駆動部87及び制御部90(印刷制御部)を備えている。
【0064】
本実施形態において撮像部として機能する基板認識カメラ15及びマスク認識カメラ24は、本来の基板認識及びマスク認識の撮像に加えて、第1、第2スクリーン印刷部3A、3Bにおいて実行される第1、第2印刷処理に起因した半田ペーストの付着予想位置として、予め指定された指定ポイントを撮像する。
【0065】
具体的な態様を例示すると、第1スクリーン印刷部3Aに配置されている基板認識カメラ15は、第1印刷処理後の基板5の、正規の印刷処理で半田ペーストが付着する正規位置、又は正規の印刷処理では半田ペーストが付着し得ない非正規位置を撮像する。第2スクリーン印刷部3Bに配置されている基板認識カメラ15は、第1印刷処理後に第2スクリーン印刷部3Bに導入される基板5、若しくは第2印刷処理後の基板5の、前記正規位置又は前記非正規位置を撮像する。マスク認識カメラ24は、第1印刷処理後の小型部品用マスク6の裏面の特定位置、若しくは、第2印刷処理後の大型部品用マスク7の裏面の特定位置を撮像する。前記特定位置は、マスク6、7の取り付けミスや基板5の投入ミスが生じた場合に、半田ペーストが付着すると予想される指定ポイントである。
【0066】
センサー81は、温度センサーや湿度センサー等の環境条件を計測するセンサー、位置センサー、圧力センサー等、スクリーン印刷装置100の制御のために必要な情報を取得する。基板搬送モータ82は、搬送コンベア22が備えるベルトコンベアを駆動するための駆動源である。基板搬送モータ82の駆動により、搬送コンベア22は基板5をX方向に搬送する。
【0067】
作業テーブル駆動部83は、基板作業テーブル2の駆動源であり、X軸サーボモータ831、Y軸サーボモータ832及びZ軸サーボモータ833を含む。X軸サーボモータ831は、クランプユニット23をX方向に移動させる上述のX軸移動機構51に相当する。Y軸サーボモータ832は、可動台21をY方向に移動させる上述のサーボモータ13に相当する。Z軸サーボモータ833は、基板を昇降させる支持機構53の昇降機構53bの駆動源である。
【0068】
クリーニング駆動部84は、クリーニングユニット25の駆動源であり、上述のクリーニングヘッドの吸引ノズルに吸引力を発生する機構、前記クリーニングヘッドを昇降させる機構などを含む。なお、クリーニングユニット25のY方向の移動は、Y軸サーボモータ832に依存する。
【0069】
クランプ駆動部85は、クランプユニット23の移動クランプ部52bを、基板5の側辺に圧接して当該基板5をクランプする位置と、このクランプを解除する位置との間で移動させる駆動源である。クランプ駆動部85は、例えばエアシリンダである。
【0070】
マスク駆動部86は、第1印刷テーブル30Aにおいて小型部品用マスク6を、第2印刷テーブル30Bにおいて大型部品用マスク7を、それぞれY方向及びZ方向に移動させると共に、Z軸回りに回動させるための駆動部である。マスク駆動部86は、上述のマスク昇降機構32及びマスク駆動機構33が相当する。
【0071】
スキージ駆動部87は、第1、第2スキージユニット4A、4Bの各可動梁42をY方向に移動させる駆動源であり、上述のスキージ軸モータ45を含む。スキージ駆動部87は、さらに、スキージ41を昇降させる昇降機構、及びスキージ41の傾き角を調整するスキージ角度可変機構を含む。
【0072】
制御部90は、マイクロコンピューター等からなり、スクリーン印刷装置100の動作、すなわち上述の第1、第2印刷処理動作を統括的に制御する。制御部90は、所定のプログラムが実行されることで、機能的に撮像制御部91、画像処理部92、演算処理部93(判定部)、搬送制御部94、作業テーブル制御部95、クリーニング制御部96、クランプ制御部97、マスク制御部98及びスキージ制御部99を有するように動作する。
【0073】
撮像制御部91は、基板認識カメラ15及びマスク認識カメラ24の撮像動作を制御する。具体的には撮像制御部91は、基板認識カメラ15に基板5の認識処理のため基板認識マークを撮像させる動作、マスク認識カメラ24に小型部品用マスク6及び大型部品用マスク7に付されたマスク認識マークを撮像させる動作を実行させる。本実施形態ではこれに加え、撮像制御部91は、半田ペーストの付着予想位置として予め指定された基板5の指定ポイントを基板認識カメラ15に撮像させる動作、若しくは、マスク6又はマスク7の指定ポイントをマスク認識カメラ24に撮像させる動作を実行させる。
【0074】
画像処理部92は、基板認識カメラ15及びマスク認識カメラ24によって取得された画像データに、基板認識マーク及びマスク認識マーク形状認識のためのエッジ検出処理等の画像処理を行う。さらに画像処理部92は、基板認識カメラ15及びマスク認識カメラ24が前記指定ポイントを撮像した画像データに、半田ペーストの付着部分を抽出するための画像処理を行う。
【0075】
演算処理部93は、スクリーン印刷装置100の制御のために必要な各種の演算処理や、センサー81が取得した各種の情報に基づいた状況認識、制御条件変更のための演算処理などを行う。これに加えて演算処理部93は、画像処理部92による前記指定ポイントの画像データの画像処理結果に基づいて、前記指定ポイントに半田ペースト(粘性材)が存在するか否かを判定する判定処理を行う。
【0076】
搬送制御部94は、搬送コンベア22のベルトコンベアによる基板5の基板搬送動作を制御するために、基板搬送モータ82を制御する。作業テーブル制御部95は、作業テーブル駆動部83を制御することによって、基板作業テーブル2の移動動作、クランプユニット23の移動及び昇降動作の動作を制御し、基板5のマスク6、7への位置決め動作等を実行させる。
【0077】
クリーニング制御部96は、クリーニング駆動部84を制御して、クリーニングユニット25によりマスク6、7の裏面を拭き取るクリーニング動作を実行させる。本実施形態では、予め定められた定期のクリーニング動作に加え、演算処理部93が前記指定ポイントに半田ペーストが存在すると判定した場合に、クリーニング制御部96は、大型部品用マスク7の裏面に対するクリーニング動作を実行させる。
【0078】
クランプ制御部97は、クランプ駆動部85を制御することによって、クランプユニット23の移動クランプ部52bの移動動作を制御する。クランプ駆動部85がエアシリンダである場合、クランプ制御部97は、前記エアシリンダに付設されているレギュレータを制御し、所定の基板押圧パラメータに応じて前記エアシリンダの推力を制御する。
【0079】
マスク制御部98は、マスク駆動部86を制御して、小型部品用マスク6及び大型部品用マスク7の基板に対する位置合わせのための水平移動及び昇降移動を実行させる。スキージ制御部99は、スキージ駆動部87を制御して、第1、第2スキージユニット4A、4Bのスキージ41による第1、第2印刷処理動作を各々実行させる。
【0080】
[半田検出処理の第1実施形態]
図13は、スクリーン印刷装置100による、前記指定ポイントの撮像による半田検出処理の第1実施形態を示すフローチャートである。第1実施形態では、小型部品用マスク6が、正規方向に対して180°反転した状態で第1スクリーン印刷部3Aのマスク固定部材31に取り付けられたことに起因する印刷不良を想定する。半田ペーストが存在するか否かを見る指定ポイントは大型部品用マスク7(第2マスク)の裏面の特定位置であり、撮像は第2印刷処理の後に実行される。
【0081】
上記の印刷不良を想定して、制御部90は、大型部品用マスク7の裏面の特定位置に指定ポイントを設定し、この設定を撮像制御部91に教示する(ステップS1)。取り付け方向が180°反転した小型部品用マスク6を用いて第1スクリーン印刷部3Aにて第1印刷処理が行われると、小パターンSd1は基板5の、正規位置に対して180°反転した非正規位置に印刷されることになる。そして、このような基板5に第2印刷処理のために大型部品用マスク7の版合わせが行われると、前記非正規位置に対向する箇所に半田ペーストが付着することが予想できる(付着予想位置)。このような付着予想位置が前記特定位置であり、当該位置に指定ポイントが設定される。
【0082】
続いて基板5に対する印刷処理が実行される。搬送制御部94が搬送コンベア22を動作させてローダLDから基板5を取り入れ、作業テーブル制御部95が基板作業テーブル2を動作させることにより、当該基板5が第1スクリーン印刷部3Aに搬入される(ステップS2)。
【0083】
次に、クランプ制御部97、マスク制御部98及びスキージ制御部99が、それぞれクランプ駆動部85、マスク駆動部86及びスキージ駆動部87を制御することにより、第1スクリーン印刷部3Aにおいて基板5に第1印刷処理が施される(ステップS3、
図6も参照)。これにより、基板5には、小型部品用マスク6の小パターン開口61に応じた小パターンSd1が印刷される。ここで、小型部品用マスク6が正規に取り付けられていれば、小パターンSd1は基板5の正規位置に印刷される(
図7参照)。一方、小型部品用マスク6が180°反転して取り付けられていれば、小パターンSd1は基板5の非正規位置に印刷されることになる(
図11参照)。
【0084】
続いて、作業テーブル制御部95が、基板作業テーブル2を動作させて、基板5を第2スクリーン印刷部3Bへ移動させる(ステップS4)。そして、クランプ制御部97、マスク制御部98及びスキージ制御部99が、それぞれクランプ駆動部85、マスク駆動部86及びスキージ駆動部87を制御することにより、第2スクリーン印刷部3Bにおいて基板5に第2印刷処理が施される(ステップS5、
図9も参照)。これにより、基板5には、小パターンSd1に加えて、大型部品用マスク7の大パターン開口71に応じた大パターンSd2が印刷される(
図10参照)。
【0085】
第1印刷処理が、正規に取り付けられた小型部品用マスク6にて実行されていれば、この第2印刷処理において小パターンSd1は、
図9に示すように大型部品用マスク7の逃がし凹部72に収容される。一方、第1印刷処理が、180°反転して取り付けられた小型部品用マスク6にて実行されていれば、小パターンSd1は逃がし凹部72に収容されない。そればかりでなく、大型部品用マスク7のステップS1で設定された指定ポイントに、小パターンSd1の半田ペーストが付着する。
【0086】
第2印刷処理の後、撮像制御部91がマスク認識カメラ24に、大型部品用マスク7の裏面の指定ポイントを撮像させる(ステップS6)。前記撮像により取得された画像データは画像処理部92に送られ、画像中の半田ペーストの付着部分を抽出する画像処理が実行される。そして、当該画像処理結果に基づき、演算処理部93が、前記指定ポイントに半田ペーストが存在するか否かを判定する(ステップS7)。
【0087】
指定ポイントに半田ペーストが存在しないと判定された場合(ステップS7でNO)、正規の第1印刷処理が基板5に行われたことになる。この場合、制御部90は、印刷処理を行うべき後続の基板5が存在するか否かを確認し(ステップS8)、後続の基板5が存在する場合は(ステップS8でYES)、ステップS2に戻って処理を繰り返す。
【0088】
一方、指定ポイントに半田ペーストが存在すると判定された場合(ステップS7でYES)、小型部品用マスク6の取り付けミスが発生し、正規の第1印刷処理が基板5に対して行われなかったことになる。この場合、制御部90は、クリーニング制御部96にクリーニング動作を実行させる。クリーニング制御部96は、クリーニング駆動部84を制御して、大型部品用マスク7の裏面をクリーニングする動作を実行させる(ステップS9)。このクリーニング動作により、大型部品用マスク7の裏面に付着した半田ペーストが除去される。
【0089】
さらに、制御部90は、図略の表示パネル若しくは音声源に、印刷不良発生の報知を行わせると共に、スクリーン印刷装置100をエラー停止させる(ステップS10)。これは、直前に第1、第2印刷処理が施された基板5に印刷不良が発生したことをオペレータに伝達すると共に、オペレータに当該基板のスクリーン印刷装置100からの取り出しを行わせるためである。エラー処理後、スクリーン印刷装置100は再起動され、ステップS2に戻って処理が継続される。
【0090】
[半田検出処理の第2実施形態]
図14は、スクリーン印刷装置100による、前記指定ポイントの撮像による半田検出処理の第2実施形態を示すフローチャートである。第2実施形態では、上述の第1実施形態と同様な小型部品用マスク6の取り付けミスが発生したことを、基板5の特定位置を撮像することによって知見する例を示す。前記撮像のタイミングは、第1実施形態とは異なり、第1印刷処理の実行後であって第2印刷処理の実行前である。
【0091】
上記の印刷不良を想定して、制御部90は、基板5の表面の特定位置に指定ポイントを設定し、この設定を撮像制御部91に教示する(ステップS11)。上述の通り、取り付け方向が180°反転した小型部品用マスク6を用いて第1印刷処理が行われると、小パターンSd1は基板5の、正規位置に対して180°反転した非正規位置に印刷される。この非正規位置は、正規の第1印刷処理では半田ペーストが付着し得ない位置である。制御部90は、当該非正規位置(特定位置)を付着予想位置として、指定ポイントに設定する。
【0092】
続いて基板5に対する印刷処理が実行される。基板5が第1スクリーン印刷部3Aに搬入され(ステップS12)、当該基板5に第1印刷処理が施される(ステップS13)。これにより、基板5には小パターンSd1が印刷される。小型部品用マスク6が正規に取り付けられていれば、小パターンSd1は基板5の正規位置に印刷され、180°反転して取り付けられていれば、小パターンSd1は基板5の非正規位置に印刷される。第1印刷処理の後、基板5が第2スクリーン印刷部3Bへ移動される(ステップS14)。
【0093】
その後、撮像制御部91が第2スクリーン印刷部3Bに備えられている基板認識カメラ15に、第2スクリーン印刷部3Bへ移動された基板5の前記指定ポイントを撮像させる(ステップS15)。この撮像により取得された前記指定ポイントの画像に基づいて、演算処理部93が、前記指定ポイントに半田ペーストが存在するか否かを判定する(ステップS16)。
【0094】
指定ポイントに半田ペーストが存在しないと判定された場合(ステップS16でNO)、正規の第1印刷処理が基板5に行われたことになる。この場合、制御部90は、第2スクリーン印刷部3Bにおいて基板5に対する第2印刷処理を実行させる(ステップS17)。しかる後、制御部90は、印刷処理を行うべき後続の基板5が存在するか否かを確認し(ステップS18)、後続の基板5が存在する場合は(ステップS18でYES)、ステップS12に戻って処理を繰り返す。
【0095】
一方、指定ポイントに半田ペーストが存在すると判定された場合(ステップS18でYES)、小型部品用マスク6の取り付けミスが発生し、正規の第1印刷処理が基板5に対して行われなかったことになる。この場合、制御部90は、第2印刷処理の実行を中止させる。すなわち、制御部90は、印刷不良発生の報知を行わせると共に、スクリーン印刷装置100をエラー停止させる(ステップS19)。
【0096】
第2実施形態によれば、基板5に対する第2印刷処理が実行される前に印刷不良を検知することができる。従って、既に不良品となっている基板5に対する無用な第2印刷処理の実行を回避できると共に、大型部品用マスク7に半田ペーストが付着することを未然に防止できる利点がある。
【0097】
[半田検出処理の第3実施形態]
図15は、スクリーン印刷装置100による、前記指定ポイントの撮像による半田検出処理の第3実施形態を示すフローチャートである。第3実施形態は、第2実施形態と同様に基板5の特定位置を撮像する態様であるが、小型部品用マスク6が正規に取り付けられた状態で第1印刷処理が実行された場合に、半田ペーストが正規に印刷される正規位置を前記特定位置(付着予定位置)として撮像する例を示す。第2実施形態とは逆に、第3実施形態では前記正規位置を指定ポイントとし、その指定ポイントに半田ペーストが存在しないことをもって、印刷不良の発生を検知する。
【0098】
制御部90は、正規の第1印刷処理が行われた場合に小パターンSd1が印刷される正規位置に指定ポイントを設定し、この設定を撮像制御部91に教示する(ステップS21)。基板5が第1スクリーン印刷部3Aに搬入され(ステップS22)、当該基板5に第1印刷処理が施される(ステップS23)。
【0099】
その後、撮像制御部91が第1スクリーン印刷部3Aに備えられている基板認識カメラ15に、第1印刷処理後の基板5の前記指定ポイントを撮像させる(ステップS24)。この撮像により取得された前記指定ポイントの画像に基づいて、演算処理部93が、前記指定ポイントに半田ペーストが存在するか否かを判定する(ステップS25)。
【0100】
指定ポイントに半田ペーストが存在すると判定された場合(ステップS25でYES)、正規の第1印刷処理が基板5に行われたことになる。この場合、制御部90は、基板5を第2スクリーン印刷部3Bへ移動させ(ステップS26)、さらに第2スクリーン印刷部3Bにおいて当該基板5に対する第2印刷処理を実行させる(ステップS27)。しかる後、制御部90は、印刷処理を行うべき後続の基板5が存在するか否かを確認し(ステップS28)、後続の基板5が存在する場合は(ステップS28でYES)、ステップS22に戻って処理を繰り返す。
【0101】
一方、指定ポイントに半田ペーストが存在しないと判定された場合(ステップS25でNO)、小型部品用マスク6の取り付けミスが発生し、正規の第1印刷処理が基板5に対して行われなかったことになる。この場合、制御部90は、基板5の第2スクリーン印刷部3Bへの搬送を停止させることで、第2印刷処理の実行を中止させる。すなわち、制御部90は、印刷不良発生の報知を行わせると共に、スクリーン印刷装置100をエラー停止させる(ステップS29)。これにより、基板作業テーブル2による基板5の第2スクリーン印刷部3Bへの搬送が停止される。この第3実施形態によっても、上記第2実施形態と同様に、無用な第2印刷処理の実行を回避できるメリットがある。
【0102】
[半田検出処理の第4実施形態]
図16は、スクリーン印刷装置による、前記指定ポイントの撮像による半田検出処理の第4実施形態を説明するための模式図である。
図16に示すスクリーン印刷装置は、第1スクリーン印刷部3Cと第2スクリーン印刷部3Dが各々独立した装置構成を備え、両者間に連結コンベア22A(基板搬送部)が配置されている例を示している。
【0103】
第1スクリーン印刷部3Cは、小型部品用マスク6、基板認識カメラ15C及びマスク認識カメラ24Cを具備し、第2スクリーン印刷部3Dは、大型部品用マスク7、基板認識カメラ15D及びマスク認識カメラ24Dを具備している。連結コンベア22Aは、第1スクリーン印刷部3Cで第1印刷処理を終えた基板5を第2スクリーン印刷部3Dへ搬送する。連結コンベア22Aは、基板5を外部に露呈した状態で搬送するため、オペレータは連結コンベア22A上において基板5にアクセス可能な状態となる。
【0104】
上記のスクリーン印刷装置によれば、第1印刷処理を終え、連結コンベア22Aを搬送されている基板5をオペレータが取り出すことが可能となる。例えば、第1印刷処理の仕上がり具合を確認すべく、連結コンベア22Aを止めてオペレータは基板5を取り出すことがある。その基板5を連結コンベア22Aへ戻す際、基板5の搭載方向を180°誤るミスを犯し得る。この場合、正しい第1印刷処理が基板5に対して行われても、第2スクリーン印刷部3Dでの第2印刷処理において印刷不良が発生することになる。
図16において、基板5上のマーク「A」が、第1スクリーン印刷部3C内と連結コンベア22Aとで反転しているのは、上記のミスが生じたケースを模式的に表している。
【0105】
この場合の印刷不良の検出方法としては、上述の第1〜第3実施形態を適用することができる。すなわち、第1実施形態に沿った検出方法は、第2スクリーン印刷部3Dでの第2印刷処理の後に、当該第2スクリーン印刷部3Dの大型部品用マスク7を撮像する方法である。具体的には、連結コンベア22Aから第2スクリーン印刷部3Dへ搬入された基板に第2印刷処理が行われた後に、マスク認識カメラ24Dに大型部品用マスク7を撮像させる。連結コンベア22A上での基板5の戻しミスが生じた場合、大型部品用マスク7の指定ポイントに半田ペーストが付着する。従って、印刷不良を検出することができる。
【0106】
第2、第3実施形態に沿った印刷不良の検出方法は、連結コンベア22Aから第2スクリーン印刷部3Dへ搬入された基板に第2印刷処理が行われる前に、基板認識カメラ15Dで基板5を撮像する方法である。撮像されるポイントは、基板5の表面において予め指定された上述の非正規位置(第2実施形態)又は正規位置(第3実施形態)からなる指定ポイントである。これらの指定ポイントの撮像によって、前記戻しミスに起因する印刷不良を検出することができる。
【0107】
[半田検出処理の第5実施形態]
図17は、スクリーン印刷装置による、前記指定ポイントの撮像による半田検出処理の第5実施形態を説明するための模式図である。
図17に示すスクリーン印刷装置は、
図16と同様に、第1スクリーン印刷部3Cと第2スクリーン印刷部3Dが各々独立した装置構成を備え、両者間に連結コンベア22Aが配置されてなる。
【0108】
第1スクリーン印刷部3Cにおいて、小型部品用マスク6の取り付け方向を誤るミスが発生しない場合でも、印刷不良が生じてしまう場合がある。例えば、何らかの原因で小型部品用マスク6と基板5との版合わせが生じたような場合である。
図18(A)に示すように、基板5に対して小型部品用マスク6が位置ずれして版合わせされた状態で第1印刷処理が行われたとする。この場合、小パターンSd1が、基板5の本来の印刷位置に対してマスクの位置ずれの分だけシフトした位置に印刷される印刷ずれが発生する。この場合、
図18(B)に示すように、第2印刷処理において、小パターンSd1が大型部品用マスク7の逃がし凹部72の収容されないケースが生じ、印刷不良が発生し得る。
【0109】
この場合の印刷不良の検出方法としても、上述の第1〜第3実施形態を適用することができる。すなわち、第1実施形態に沿った検出方法は、第2スクリーン印刷部3Dでの第2印刷処理の後に、当該第2スクリーン印刷部3Dの大型部品用マスク7を撮像する方法である。具体的には、連結コンベア22Aから第2スクリーン印刷部3Dへ搬入された基板に第2印刷処理が行われた後に、マスク認識カメラ24Dに大型部品用マスク7を撮像させる。第1印刷処理において小パターンSd1の大きな印刷ずれが生じた場合、大型部品用マスク7の大パターン開口71の周辺に半田ペーストが付着する。従って、大パターン開口71の周辺を前記指定ポイントとして撮像を行わせることで、印刷不良を検出することができる。
【0110】
第2、第3実施形態に沿った印刷不良の検出方法は、連結コンベア22Aから第2スクリーン印刷部3Dへ搬入された基板に第2印刷処理が行われる前に、基板認識カメラ15Dで基板5を撮像する方法である。撮像されるポイントは、基板5の表面の、小パターンSd1の印刷位置である。この印刷位置を指定ポイントとして基板認識カメラ15Dに撮像を行わせるによって、前記印刷ずれに起因する印刷不良を検出することができる。
【0111】
これに代えて、第1スクリーン印刷部3Cの基板認識カメラ15Cで基板5上の小パターンSd1の印刷位置を撮像させるようにしても良い。すなわち、第1印刷処理を終えた後の基板5を、第1スクリーン印刷部3Cの内部で撮像する。そして、当該撮像によって小パターンSd1の印刷ずれが検出された場合に、第2印刷処理の実行を中止させるために、連結コンベア22Aによる第1スクリーン印刷部3Cから第2スクリーン印刷部3Dへの基板5の搬送を停止させる。この態様によっても、同様に印刷不良を検出することができる。