(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6694783
(24)【登録日】2020年4月22日
(45)【発行日】2020年5月20日
(54)【発明の名称】アラーム表示装置および方法
(51)【国際特許分類】
G05B 23/02 20060101AFI20200511BHJP
G06F 3/0481 20130101ALI20200511BHJP
G06F 3/0484 20130101ALI20200511BHJP
G06F 3/14 20060101ALI20200511BHJP
【FI】
G05B23/02 301X
G06F3/0481
G06F3/0484 120
G06F3/14 320C
G06F3/14 340D
G06F3/14 370A
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-167686(P2016-167686)
(22)【出願日】2016年8月30日
(65)【公開番号】特開2018-36748(P2018-36748A)
(43)【公開日】2018年3月8日
【審査請求日】2019年3月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】大山 浩志
【審査官】
堀内 亮吾
(56)【参考文献】
【文献】
特開平02−292696(JP,A)
【文献】
特開平08−211926(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/00−23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
優先度が高い第1のアラームとこの第1のアラームよりも優先度が低い第2のアラームとを含む優先度が定められた複数のアラームの発生状態を画面上に定められた1つの表示領域において表示するアラーム表示装置であって、
前記第1のアラームが発生した場合、前記表示領域を前記第1のアラームに対して定められている第1の色で点滅表示させる第1の表示処理手段と、
前記表示領域の前記第1の色での点滅表示中、前記第1のアラームの発生元が確認された場合、前記表示領域の前記第1の色での点滅表示を前記第1の色での点灯表示に変更する第2の表示処理手段と、
前記表示領域の前記第1の色での点灯表示中、前記第2のアラームが発生した場合、前記表示領域を第1の表示領域と第2の表示領域とに分け、前記第1の表示領域を前記第1の色での点灯表示とし、前記第2の表示領域を前記第2のアラームに対して定められている第2の色での点滅表示とする第3の表示処理手段と
を備えることを特徴とするアラーム表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載されたアラーム表示装置において、
前記表示領域を前記第1の表示領域と前記第2の表示領域とに分けてのアラームの表示中、前記第2のアラームの発生元が確認された場合、前記第1の表示領域と前記第2の表示領域とに分けられている表示領域を元の1つの表示領域に戻し、この1つに戻された表示領域を前記第1の色での点灯表示とする第4の表示処理手段
を備えることを特徴とするアラーム表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載されたアラーム表示装置において、
前記表示領域を前記第1の表示領域と前記第2の表示領域とに分けてのアラームの表示中、前記第1のアラームよりも優先度が低く前記第2のアラームよりも優先度が高い第3のアラームが発生した場合、前記第2の表示領域を前記第3のアラームに対して定められている第3の色での点滅表示とする手段
を備えることを特徴とするアラーム表示装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載されたアラーム表示装置において、
前記表示領域にこの領域がアラームの発生状態を通知する領域であることを示すマークを表示する手段
を備えることを特徴とするアラーム表示装置。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか1項に記載されたアラーム表示装置において、
発生元が確認されていない前記アラームの総数を未確認数として求め、この求めた未確認数を前記表示領域に表示する手段
を備えることを特徴とするアラーム表示装置。
【請求項6】
優先度が高い第1のアラームとこの第1のアラームよりも優先度が低い第2のアラームとを含む優先度が定められた複数のアラームの発生状態を画面上に定められた1つの表示領域において表示するアラーム表示方法であって、
前記第1のアラームが発生した場合、前記表示領域を前記第1のアラームに対して定められている第1の色で点滅表示させる第1の表示処理ステップと、
前記表示領域の前記第1の色での点滅表示中、前記第1のアラームの発生元が確認された場合、前記表示領域の前記第1の色での点滅表示を前記第1の色での点灯表示に変更する第2の表示処理ステップと、
前記表示領域の前記第1の色での点灯表示中、前記第2のアラームが発生した場合、前記表示領域を第1の表示領域と第2の表示領域とに分け、前記第1の表示領域を前記第1の色での点灯表示とし、前記第2の表示領域を前記第2のアラームに対して定められている第2の色での点滅表示とする第3の表示処理ステップと
を備えることを特徴とするアラーム表示方法。
【請求項7】
請求項6に記載されたアラーム表示方法において、
前記表示領域を前記第1の表示領域と前記第2の表示領域とに分けてのアラームの表示中、前記第2のアラームの発生元が確認された場合、前記第1の表示領域と前記第2の表示領域とに分けられている表示領域を元の1つの表示領域に戻し、この1つに戻された表示領域を前記第1の色での点灯表示とする第4の表示処理ステップ
を備えることを特徴とするアラーム表示方法。
【請求項8】
請求項7に記載されたアラーム表示方法において、
前記表示領域を前記第1の表示領域と前記第2の表示領域とに分けてのアラームの表示中、前記第1のアラームよりも優先度が低く前記第2のアラームよりも優先度が高い第3のアラームが発生した場合、前記第2の表示領域を前記第3のアラームに対して定められている第3の色での点滅表示とするステップ
を備えることを特徴とするアラーム表示方法。
【請求項9】
請求項6〜8の何れか1項に記載されたアラーム表示方法において、
前記表示領域にこの領域がアラームの発生状態を通知する領域であることを示すマークを表示するステップ
を備えることを特徴とするアラーム表示方法。
【請求項10】
請求項6〜9の何れか1項に記載されたアラーム表示方法において、
発生元が確認されていない前記アラームの総数を未確認数として求め、この求めた未確認数を前記表示領域に表示するステップ
を備えることを特徴とするアラーム表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優先度が定められた複数のアラームの発生状態を画面上に定められた1つの表示領域において表示するアラーム表示装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、プロセスの状態などを管理する監視制御システムでは、中央の監視室に設けられているディスプレイの画面上で各種の管理ポイントからのアラームを通知するようにしている。このアラームの通知は、常時認識する必要があるため、音や色でオペレータに伝える方法が一般的である。特に、色に関しては、緊急度に応じて色を変化させたり、点滅させるなどして、アラームの発生状態や重要度を伝えている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
従来のアラーム通知方法の一例として、緊急度に応じて優先度が定められた複数のアラームの発生状態を画面上に定められた1つの表示領域(以下、この1つの表示領域をアラーム表示領域とも呼ぶ。)において表示するという方法がある。
【0004】
この方法では、例えば、優先度が高い順にアラームをエマージェンシーアラーム、ハイアラーム、ローアラームとして定め、エマージェンシーアラームが発生するとアラーム表示領域を赤色で点滅表示し、ハイアラームが発生するとアラーム表示領域を黄色で点滅表示し、ローアラームが発生するとアラーム表示領域を藍色で点滅表示する。
【0005】
この場合、赤,黄,藍などの色で点滅表示されているアラーム表示領域をマウスでクリックするなどして選択すると、発生中のアラームに関しての詳細な画面が現れる。この詳細な画面で、アラームの発生元を確認すると、点滅表示されていたアラーム表示領域が点灯表示へと変わる。
【0006】
これにより、例えば、アラーム表示領域が赤色で点滅表示していれば、エマージェンシーアラームの発生中で、そのアラームが未確認の状態であることが分かる。また、アラーム表示領域が赤色で点灯表示していれば、エマージェンシーアラームの発生中ではあるが、そのアラームが確認された状態にあることが分かる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−222012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来においては、発生中且つ未確認のアラームを伝えることを最優先としているため、確認済みの優先度の高いアラームが見過ごされてしまう虞があった。この問題について、
図12を用いて、具体的に説明する。なお、
図12において、ARは画面上に定められたアラーム表示領域であり、#X,#Y,#Zは遷移後の表示状態である。
【0009】
今、エマージェンシーアラームEが発生したとする。すると、画面上のアラーム表示領域ARが赤色で点滅する(#X)。アラーム表示領域ARをマウスでクリックするなどして選択すると、発生中のアラームに関しての詳細な画面が表示される。この詳細な画面で、エマージェンシーアラームEの発生元を確認すると、画面上のアラーム表示領域ARが赤色での点灯表示に変わる(#Y)。
【0010】
この状態で、例えば、ローアラームLが発生したとする。すると、画面上のアラーム表示領域ARが藍色で点滅する(#Z)。この場合、エマージェンシーアラームEを確認したオペレータは、まだエマージェンシーアラームEが発生していることを認識しているが、画面上のアラーム表示領域ARは藍色での点滅に変わっているため、他のオペレータは画面上のアラーム表示領域ARを見ただけでは、ローアラームLが発生中であることしか認識することができない。このため、エマージェンシーアラームEが見過ごされてしまう可能性がある。
【0011】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、確認済みの優先度の高いアラームの発生を見過ごしてしまう虞のないアラーム表示装置および方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
このような目的を達成するために本発明は、優先度が高い第1のアラームとこの第1のアラームよりも優先度が低い第2のアラームとを含む優先度が定められた複数のアラームの発生状態を画面上に定められた1つの表示領域(アラーム表示領域(AR))において表示するアラーム表示装置であって、第1のアラームが発生した場合、アラーム表示領域を第1のアラームに対して定められている第1の色で点滅表示させる第1の表示処理手段(1)と、アラーム表示領域の第1の色での点滅表示中、第1のアラームの発生元が確認された場合、アラーム表示領域の第1の色での点滅表示を第1の色での点灯表示に変更する第2の表示処理手段(2)と、アラーム表示領域の第1の色での点灯表示中、第2のアラームが発生した場合、アラーム表示領域を第1の表示領域(AR1)と第2の表示領域(AR2)とに分け、第1の表示領域を第1の色での点灯表示とし、第2の表示領域を第2のアラームに対して定められている第2の色での点滅表示とする第3の表示処理手段(3)とを備えることを特徴とする。
【0013】
この発明において、優先度の高い第1のアラーム(例えば、エマージェンシーアラーム)が発生すると、アラーム表示領域が第1のアラームに対して定められている第1の色(例えば、赤色)で点滅表示する。なお、この場合のアラーム表示領域の点滅表示は、アラーム表示領域全体を点滅表示させるようにしてもよいし、アラーム表示領域の一部の領域を点滅表示させるものとしてもよい。例えば、第1の表示領域(AR1)を赤色で点灯させ、第2の表示領域AR2を赤色で点滅させるなどの方法が考えられる。
【0014】
このアラーム表示領域の第1の色での点滅表示中、第1のアラームの発生元が確認されると、アラーム表示領域の第1の色での点滅表示が第1の色での点灯表示に変更される。このアラーム表示領域の第1の色での点灯表示中、第2のアラーム(例えば、ローアラーム)が発生した場合、アラーム表示領域が第1の表示領域と第2の表示領域とに分けられ、第1の表示領域が第1の色での点灯表示とされ、第2の表示領域が第2のアラームに対して定められている第2の色(例えば、藍色)での点滅表示とされる。
【0015】
これにより、確認済みの優先度の高い第1のアラームと発生中の優先度の低い第2のアラームとが同時に1つのアラーム表示領域中に表示されるものとなり、確認済みの優先度が高いアラームを見過ごしてしまう虞がなくなる。
【0016】
なお、上記説明では、一例として、発明の構成要素に対応する図面上の構成要素を、括弧を付した参照符号によって示している。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したことにより、本発明によれば、画面上のアラーム表示領域が第1の表示領域と第2の表示領域とに分けられ、優先度が高い確認済みのアラームが第1の表示領域に、優先度が低い未確認のアラームが第2の表示領域に表示されるものとなり、確認済みの優先度の高いアラームの発生を見過ごしてしまう虞がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態に係るアラーム表示装置のハードウェア構成の概略を示す図である。
【
図2】
図2は、
図1に示したアラーム表示装置におけるCPUがアラーム表示プログラムに従って実行する処理動作の第1例(実施の形態1)を説明する図(アラーム発生時の表示状態の遷移図)である。
【
図3】
図3は、アラームAの発生時にアラーム領域の一部を点滅表示させるようにした例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施の形態1のアラーム表示装置の要部の機能ブロック図である。
【
図5】
図5は、
図1に示したアラーム表示装置におけるCPUがアラーム表示プログラムに従って実行する処理動作の第2例(実施の形態2)を説明する図(アラーム発生時の表示状態の遷移図)である。
【
図6】
図6は、エマージェンシーアラームEの発生時にアラーム領域の一部を点滅表示させるようにした例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施の形態2のアラーム表示装置の要部の機能ブロック図である。
【
図8】
図8は、アラーム表示領域にマークおよび未確認数を表示するようにした例を示す図である。
【
図9】
図9は、
図8においてアラーム表示領域を第1の表示領域と第2の表示領域とに分けた場合の表示例を示す図である。
【
図10】
図10は、アラーム表示領域を3つのアラーム表示領域に分けるようにした例を示す図である。
【
図11】
図11は、アラーム表示領域にマークおよび未確認数を表示する機能を実施の形態1のアラーム表示装置に追加した例を示す図である。
【
図12】
図12は、従来の問題を具体的に説明する図(従来のアラーム発生時の表示状態の遷移図)である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に本発明の実施の形態に係るアラーム表示装置100のハードウェア構成の概略を示す。
【0020】
このアラーム表示装置100は、中央演算処理装置(CPU)101と、ランダムアクセスメモリ(RAM)102と、読み出し専用メモリ(ROM)103と、ハードディスクなどの記憶装置104と、各種インタフェース105〜107とを備えたコンピュータからなり、周辺機器として、ディスプレイ108やキーボード109、マウス110などが接続されている。
【0021】
このアラーム表示装置100には、本実施の形態の特有のプログラムとして、アラーム表示プログラムPG1がインストールされている。このアラーム表示プログラムPG1は、例えばCD−ROMなどの記録媒体に記録された状態で提供され、この記録媒体から読み出されて記憶装置104に記録され、使用可能な状態としてアラーム表示装置100にインストールされている。
【0022】
このアラーム表示装置100において、CPU101は、インターフェイス105〜107を介して与えられる各種入力情報を処理することで、RAM102やROM103、記憶装置104にアクセスしながら、アラーム表示装置100にインストールされているアラーム表示プログラムPG1に従って動作する。
【0023】
〔実施の形態1〕
先ず、実施の形態1として、
図2に示す表示状態の遷移図を用いて、アラーム表示プログラムPG1に従ってCPU101が実行する処理動作の第1例を説明する。
【0024】
なお、この実施の形態1では、最も単純な例として、発生するアラームは、優先度が高いアラームAと、アラームAよりも優先度が低いアラームBの2つとする。また、アラーム表示領域ARは、ディスプレイ108の画面の上部に他の機能の表示領域と併せてインディケータのボタンとして常に表示されており、アラームの未発生時の色はグレーとされている。この実施の形態1では、アラームAが本発明でいう優先度が高い第1のアラームに相当し、アラームBが優先度が低い第2のアラームに相当する。
【0025】
CPU101は、アラームAが発生すると、アラーム表示領域ARをアラームAに対して定められている色(この例では、赤色)で点滅表示(赤⇔グレー)させる(#1)。CPU101は、アラーム表示領域ARがマウス110でクリックするなどして選択されると、発生中のアラームに関しての詳細な画面を表示する。この詳細な画面で、アラームAの発生元が確認されると、CPU101は、アラーム表示領域ARを赤色での点灯表示に変える(#2)。
【0026】
この状態(#2の表示状態)で、アラームBが発生したとする。すると、CPU101は、アラーム表示領域ARを第1の表示領域AR1(左上の領域)と第2の表示領域(右下の領域)AR2とに分け、第1の表示領域AR1を赤色での点灯表示とし、第2の表示領域AR2をアラームBに対して定められている色(この例では、藍色)での点滅表示(藍⇔グレー)とする(#3)。
【0027】
このようにして、本実施の形態では、画面上のアラーム表示領域ARが第1の表示領域AR1と第2の表示領域AR2とに分けられ、優先度が高い確認済みのアラームAが第1の表示領域AR1に、優先度が低い未確認のアラームBが第2の表示領域AR2に表示されるものとなり、確認済みの優先度の高いアラームAの発生を見過ごしてしまう虞がなくなる。
【0028】
なお、#3の表示状態において、第2の表示領域AR2がマウス110でクリックするなどして選択されると、CPU101は、発生中のアラームに関しての詳細な画面を表示する。この詳細な画面で、アラームBの発生元が確認されると、CPU101は、2つに分けられているアラーム表示領域AR1,AR2を元の1つのアラーム表示領域ARに戻し、この1つに戻されたアラーム表示領域ARを赤色での点灯表示とする(#2)。
【0029】
また、#2の表示状態において、アラームAが発生した場合、CPU101は、アラーム表示領域ARを赤色での点滅表示とする(#1)。また、#3の表示状態において、アラームAが発生した場合、CPU101は、2つに分けられているアラーム表示領域AR1,AR2を元の1つのアラーム表示領域ARに戻し、この1つに戻されたアラーム表示領域ARを赤色での点滅表示とする(#1)。
【0030】
なお、
図2に示した例では、アラームAの発生時、アラーム表示領域AR全体を赤色で点滅表示させるようにしたが、
図3に示すように、アラーム表示領域ARを第1の表示領域AR1と第2の表示領域AR2とに分け、第1の表示領域AR1を赤色での点灯表示とし、第2の表示領域AR2を赤色での点滅表示とするようにしてもよい。この場合、アラーム発生領域ARの全体ではなく、アラーム発生領域ARの一部が点滅表示するが、アラームAの発生時のアラーム表示領域ARの赤色での点滅表示として、このような形態の点滅表示も含まれるものである。
【0031】
図4に、実施の形態1のアラーム表示装置100(100A)の要部の機能ブロック図を示す。このアラーム表示装置100Aは、CPU101の処理機能として、優先度が高いアラームAが発生した場合、アラーム表示領域ARをアラームAに対して定められている色(この例では、赤色)で点滅表示させる第1の表示処理部1と、アラーム表示領域ARの赤色での点滅表示中、アラームAの発生元が確認された場合、アラーム表示領域ARの赤色での点滅表示を赤色での点灯表示に変更する第2の表示処理部2とを備えている。
【0032】
また、アラーム表示装置100Aは、アラーム表示領域ARの赤色での点灯表示中、優先度が低いアラームBが発生した場合、アラーム表示領域ARを第1の表示領域AR1と第2の表示領域ARとに分け、第1の表示領域AR1を赤色での点灯表示とし、第2の表示領域AR2をアラームBに対して定められている色(この例では、藍色)での点滅表示とする第3の表示処理部3と、アラーム表示領域ARを第1の表示領域AR1と第2の表示領域AR2とに分けてのアラームの表示中、アラームBの発生元が確認された場合、第1の表示領域AR1と第2の表示領域AR2とに分けられているアラーム表示領域ARを元の1つのアラーム表示領域ARに戻し、この1つに戻されたアラーム表示領域ARを赤色での点灯表示とする第4の表示処理部4とを備えている。
【0033】
なお、このアラーム表示装置100Aにおいて、第1の表示処理部1は、上述した機能に加えて、アラーム表示領域ARの赤色での点灯中やアラーム表示領域ARを第1の表示領域AR1と第2の表示領域AR2とに分けてのアラームの表示中、アラームAが発生した場合、アラーム表示領域ARを赤色での点滅表示とする機能も備えている。
【0034】
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2として、
図5に示す表示状態の遷移図を用いて、アラーム表示プログラムPG1に従ってCPU101が実行する処理動作の第2例を説明する。
【0035】
なお、この実施の形態2において、発生するアラームは、エマージェンシーアラームE、ハイアラームH、ローアラームLの3つとする。また、アラーム表示領域ARは、ディスプレイ108の画面の上部に他の機能の表示領域と併せてインディケータのボタンとして常に表示されており、アラームの未発生時の色はグレーとされている。
【0036】
この実施の形態2では、エマージェンシーアラームEが本発明でいう第1のアラームに相当し、ローアラームLが第2のアラームに相当し、ハイアラームHが第3のアラームに相当する。これらのアラームは、エマージェンシーアラームE、ハイアラームH、ローアラームLの順に優先度が高いアラームとされている。
【0037】
CPU101は、エマージェンシーアラームEが発生すると、アラーム表示領域ARをエマージェンシーアラームEに対して定められている色(この例では、赤色)で点滅表示(赤⇔グレー)させる(#11)。CPU101は、アラーム表示領域ARがマウス110でクリックするなどして選択されると、発生中のアラームに関しての詳細な画面を表示する。この詳細な画面で、エマージェンシーアラームEの発生元が確認されると、CPU101は、アラーム表示領域ARを赤色での点灯表示に変える(#12)。
【0038】
この状態(#12の表示状態)で、ハイアラームが発生したとする。すると、CPU101は、アラーム表示領域ARを第1の表示領域AR1(左上の領域)と第2の表示領域(右下の領域)AR2とに分け、第1の表示領域AR1を赤色での点灯表示とし、第2の表示領域AR2をハイアラームHに対して定められている色(この例では、黄色)での点滅表示(黄⇔グレー)とする(#13)。
【0039】
また、#12の表示状態で、ローアラームLが発生したとする。すると、CPU101は、アラーム表示領域ARを第1の表示領域AR1(左上の領域)と第2の表示領域(右下の領域)AR2とに分け、第1の表示領域AR1を赤色での点灯表示とし、第2の表示領域AR2をローアラームLに対して定められている色(この例では、藍色)での点滅表示(藍⇔グレー)とする(#14)。
【0040】
このようにして、本実施の形態では、画面上のアラーム表示領域ARが第1の表示領域AR1と第2の表示領域AR2とに分けられ、優先度が最も高い確認済みのエマージェンシーアラームEが第1の表示領域AR1に、優先度が低い未確認のハイアラームHやローアラームLが第2の表示領域AR2に表示されるものとなり、確認済みの優先度が最も高いエマージェンシーアラームEの発生を見過ごしてしまう虞がなくなる。
【0041】
なお、#14の表示状態において、ハイアラームHが発生すると、CPU101は、第2の表示領域AR2を黄色での点滅表示とする。これにより、#14の表示状態は、#13の表示状態に遷移する。#13の表示状態において、ローアラームLが発生した場合、CPU101は、#13の表示状態を維持する。
【0042】
また、#13の表示状態において、第2の表示領域AR2がマウス110でクリックするなどして選択されると、CPU101は、発生中のアラームに関しての詳細な画面を表示する。この詳細な画面で、ハイアラームHの発生元が確認されると、CPU101は、2つに分けられているアラーム表示領域AR1,AR2を元の1つのアラーム表示領域ARに戻し、この1つに戻されたアラーム表示領域ARを赤色での点灯表示とする(#12)。
【0043】
また、#14の表示状態において、第2の表示領域AR2がマウス110でクリックするなどして選択されると、CPU101は、発生中のアラームに関しての詳細な画面を表示する。この詳細な画面で、ローアラームLの発生元が確認されると、CPU101は、2つに分けられているアラーム表示領域AR1,AR2を元の1つのアラーム表示領域ARに戻し、この1つに戻されたアラーム表示領域ARを赤色での点灯表示とする(#12)。
【0044】
また、#12の表示状態において、エマージェンシーアラームEが発生した場合、CPU101は、アラーム表示領域ARを赤色での点滅表示とする(#11)。また、#13の表示状態や#14の表示状態において、エマージェンシーアラームEが発生した場合、CPU101は、2つに分けられているアラーム表示領域AR1,AR2を元の1つのアラーム表示領域ARに戻し、この1つに戻されたアラーム表示領域ARを赤色での点滅表示とする(#11)。
【0045】
なお、
図5に示した例では、エマージェンシーアラームEの発生時、アラーム表示領域AR全体を赤色で点滅表示させるようにしたが、
図6に示すように、アラーム表示領域ARを第1の表示領域AR1と第2の表示領域AR2とに分け、第1の表示領域AR1を赤色での点灯表示とし、第2の表示領域AR2を赤色での点滅表示とするようにしてもよい。この場合、アラーム発生領域ARの全体ではなく、アラーム発生領域ARの一部が点滅表示するが、エマージェンシーアラームEの発生時のアラーム表示領域ARの赤色での点滅表示として、このような形態の点滅表示も含まれるものである。
【0046】
図7に、実施の形態2のアラーム表示装置100(100B)の要部の機能ブロック図を示す。このアラーム表示装置100Bは、CPU101の処理機能として、エマージェンシーアラームEが発生した場合、アラーム表示領域ARをエマージェンシーアラームEに対して定められている色(この例では、赤色)での点滅表示とする第1の表示処理部11と、アラーム表示領域ARの赤色での点滅表示中、エマージェンシーアラームEの発生元が確認された場合、アラーム表示領域ARの赤色での点滅表示を赤色での点灯表示に変更する第2の表示処理部12とを備えている。
【0047】
また、アラーム表示装置100Bは、アラーム表示領域ARの赤色での点灯表示中、ローアラームLが発生した場合、アラーム表示領域ARを第1の表示領域AR1と第2の表示領域ARとに分け、第1の表示領域AR1を赤色での点灯表示とし、第2の表示領域AR2をローアラームLに対して定められている色(この例では、藍色)での点滅表示とする第3の表示処理部13と、アラーム表示領域ARを第1の表示領域AR1と第2の表示領域AR2とに分けてのアラームの表示中、ローアラームLの発生元が確認された場合、第1の表示領域AR1と第2の表示領域AR2とに分けられているアラーム表示領域ARを元の1つのアラーム表示領域ARに戻し、この1つに戻されたアラーム表示領域ARを赤色での点灯表示とする第4の表示処理部14とを備えている。
【0048】
また、アラーム表示装置100Bは、アラーム表示領域ARの赤色での点灯表示中、ハイアラームHが発生した場合、アラーム表示領域ARを第1の表示領域AR1と第2の表示領域ARとに分け、第1の表示領域AR1を赤色での点灯表示とし、第2の表示領域AR2をハイアラームHに対して定められている色(この例では、黄色)での点滅表示とする第5の表示処理部15と、アラーム表示領域ARを第1の表示領域AR1と第2の表示領域AR2とに分けてのアラームの表示中、ハイアラームHの発生元が確認された場合、第1の表示領域AR1と第2の表示領域AR2とに分けられているアラーム表示領域ARを元の1つのアラーム表示領域ARに戻し、この1つに戻されたアラーム表示領域ARを赤色での点灯表示とする第6の表示処理部16とを備えている。
【0049】
なお、このアラーム表示装置100Bにおいて、第1の表示処理部11は、上述した機能に加えて、アラーム表示領域ARの赤色での点灯中やアラーム表示領域ARを第1の表示領域AR1と第2の表示領域AR2とに分けてのアラームの表示中、エマージェンシーアラームEが発生した場合、アラーム表示領域ARを赤色での点滅表示とする機能も備えている。
【0050】
また、第5の表示処理部15は、第3の表示処理13によるアラーム表示領域ARを第1の表示領域AR1と第2の表示領域AR2とに分けてのアラームの表示中、ハイアラームHが発生した場合、第2の表示領域AR2をハイアラームHに対して定められている色(この例では、黄色)での点滅表示とする機能も備えている。
【0051】
なお、上述した実施の形態では、アラーム表示領域ARの色をアラームの優先度に応じて変化させたり、点滅/点灯させるなどして、アラームの発生状態を伝えるようにしたが、このアラーム表示領域ARにこの領域がアラームの発生状態を通知する領域であることを示すマークを表示させるようにしてもよい。また、このアラーム表示領域ARに発生元が確認されていないアラームの総数を未確認数として表示させるようにしてもよい。
【0052】
例えば、
図8に示すように、アラーム表示領域ARにこの領域がアラームの発生状態を通知する領域であることを示すマークM1(この例では、ベルのマーク)を表示させるようにする。また、発生元が確認されていないアラームの総数を求め、この求めたアラームの総数を未確認数M2としてアラーム表示領域ARに表示させるようにする。この例において、未確認数M2は最大3桁とし、3桁未満の場合0埋めしないものとする。
【0053】
図8に示した例において、アラーム表示領域ARを赤色で点滅表示させるような場合には、マークM1や未確認数M2の背景の色を赤色とし、この赤色とされた背景を点滅させるようにするとよい。
【0054】
また、
図8に示した例において、アラーム表示領域ARを第1の表示領域AR1と第2の表示領域AR2とに分け、第2の表示領域AR2を赤色や黄色、藍色で点滅表示させるような場合には、
図9に示すように、マークM1や未確認数M2が透けるような形で点滅表示させるようにするとよい。
【0055】
図11に、アラーム表示領域ARにマークM1や未確認数M2を表示する機能を実施の形態1のアラーム表示装置100Aに追加した例をアラーム表示装置100A’として示す。このアラーム表示装置100A’では、
図4に示したアラーム表示装置100Aに対して、マーク表示部5と未確認数算出表示部6とが追加されている。このアラーム表示装置100A’において、マーク表示部5は、アラーム表示領域ARにマークM1を表示する。未確認数算出表示部6は、発生元が確認されていないアラームの総数を求め、この求めたアラームの総数を未確認数M2としてアラーム表示領域ARに表示する。
【0056】
また、上述した実施の形態では、画面上のアラーム表示領域ARを第1の表示領域AR1と第2の表示領域AR2の2つに分けるようにしたが、2つに限られるものではない。例えば、
図10に示すように、アラーム表示領域ARを3つの表示領域AR1,AR2,AR3に分けるようにし、表示領域AR1に確認済みのエマージェンシーアラームEを表示するようにし、表示領域AR2に未確認のハイアラームHを表示するようにし、表示領域AR3に未確認のローアラームLを表示するなどしてもよい。
【0057】
また、上述した実施の形態2では、優先度が定められたアラームの数をエマージェンシーアラーム、ハイアラーム、ローアラームの3つとしたが、優先度が定められたアラームの数(アラームの種別)をさらに増やしてもよい。
【0058】
〔実施の形態の拡張〕
以上、実施の形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明の技術思想の範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0059】
1…第1の表示処理部、2…第2の表示処理部、3…第3の表示処理部、4…第4の表示処理部、5…マーク表示部、6…未確認数算出表示部、11…第1の表示処理部、12…第2の表示処理部、13…第3の表示処理部、14…第4の表示処理部、15…第5の表示処理部、16…第6の表示処理部、AR…アラーム表示領域、AR1…第1の表示領域、AR2…第2の表示領域、AR3…第3の表示領域、M1…マーク、M2…未確認数、100(100A,100B)…アラーム表示装置、101…CPU、102…RAM、103…ROM、104…記憶装置、105〜107…インターフェイス、108…ディスプレイ、109…キーボード、110…マウス。