(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記端末管理サーバの前記支払管理サーバ制御部は、計算した前記残金と前記支払情報に含まれる前記支払うべき料金との差額の大きさに応じて、前記新たな支払期限を設定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のモバイルマネジメントシステム。
前記支払管理サーバの前記支払管理サーバ制御部は、計算された前記残金がなくなるまでくりかえし前記更新支払情報を生成し、前記端末管理サーバの前記端末管理サーバ通信部は、前記残金を含む前記更新支払情報をくりかえし前記ユーザ端末に通知する、
ことを特徴とする請求項1に記載のモバイルマネジメントシステム。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。但し、図面はもっぱら解説のためのものであって本発明の範囲を限定するものではない。
また、以下の説明は最大構成の内容について記載する。
【0009】
図1は、コンピュータネットワークシステム(モバイルマネジメントシステム)100の構成図である。コンピュータネットワークシステム100は、モバイルユーザ端末を管理する端末管理サーバであるモバイルマネジメントサーバ101と、銀行端末103と、モバイルユーザ端末104、105と、ユーザが現実に料金を支払うための各銀行ATM107と、料金の支払を管理する支払管理サーバである支払事業会社管理サーバ108がネットワーク102に接続されて構成される。本例では、1台の銀行端末と2台のモバイルユーザ端末を示しているが、その台数は任意である。
【0010】
モバイルマネジメントサーバ101は、モバイルユーザ端末104、105を管理するサーバであり、データセンタなどの屋内に設置される。銀行ユーザ端末103と、モバイルユーザ端末104および105は、それぞれユーザが業務に使用する端末である。例えば、銀行ユーザ端末103は、銀行の係員が操作して窓口業務を行う端末である。また、例えば、モバイルユーザ端末104および105は、当該銀行等の金融機関と取引のあるユーザが操作して取引処理を行う端末である。窓口業務の例としては、窓口での振込み取引がある。また、取引処理の例としては、公共料金の支払い処理がある。
【0011】
銀行ユーザ端末103と、モバイルユーザ端末104および105は、モバイルマネジメントサーバ101が処理した出力情報に基づいて端末側の処理を実行する。支払事業会社管理サーバ108は、ユーザの個人取引情報を管理するサーバである。支払事業会社管理サーバ108は、ユーザ端末106(銀行ユーザ端末103と、モバイルユーザ端末104、105)および各銀行ATM107に対し、ステータス情報や管理情報などを伝送する。ホストコンピュータ109は、銀行等の金融機関が管理するサーバであり、当該金融機関が行う各種取引に関する処理(例えば、利用者との間で行われる入金処理)を実行する。
図2は、モバイルマネジメントサーバ101を示す構成図である。モバイルマネジメントサーバ101は、記憶部301と、コントローラ(CPUなどの制御部)302と、メモリ303と、表示部304と、通信制御部305とを具備する。記憶部301には、取引ログファイルデータ310(
図6)と、ATM−IDマスタ311(
図7)と、モバイルIDマスタ312(
図8)と、口座IDマスタ313(
図9)と、ATM−ID、モバイルID、口座ID管理テーブル(以下、ID管理テーブルとする。
図10)314と、各種取引管理マスタ315(
図11〜13)と、個人IDマスタ316、ログ分析部3000と、管理表示部(BR管理マネージャ・取引履歴)4100が格納される。モバイルマネジメントサーバ101が実行する処理や格納されるデータについては後述する。個人IDマスタ316は、特に図示していないが、ユーザを認証するための認証情報(例えば、指静脈や指紋等、ユーザの生体情報)が、ユーザを識別するための個人IDに対応付けて記憶されている。
【0012】
図3は、支払事業会社管理サーバ108を示す構成図である。支払事業会社管理サーバ101は、記憶部301と、コントローラ(CPUなどの制御部)302と、メモリ303と、通信制御部304と、表示部305とを具備する。記憶部301には、取引ログファイルデータ310と、ATM−IDマスタ311と、モバイルIDマスタ312と、口座IDマスタ313と、ATM−ID、モバイルID、口座ID管理テーブル314と、各種取引管理マスタ315と個人IDマスタ316、ログ分析部3000と、管理表示部(BR管理マネージャ・取引履歴)4100が格納される。支払事業会社管理サーバ108に記憶されるデータについては
図2と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0013】
図4は、銀行ユーザ端末103の概略構成を機能ブロック化して示す説明図、
図5はモバイルユーザ端末104、105の概略構成を機能ブロック化して示す説明図である。これら図に示すように、各ユーザ端末は、同じ構成を備えるので、以下、銀行ユーザ端末103を例に採り、説明する。銀行ユーザ端末103は、記憶部401と、コントローラ(CPUなどの制御部)402と、メモリ403と、表示部404と、通信制御部405とを具備する。記憶部401には、ログ分析部3000と、管理表示部4100とが格納される。なお、処理部(ログ分析部3000、管理表示部4100)は、どの端末(モバイルマネジメントサーバ101、銀行ユーザ端末103、モバイルユーザ端末104、105)も有しているが、これらの処理部は、どの装置でも同じ処理内容が実行される。以下で、自装置内の処理部の処理対象のデータが自装置内に存在しないときには、他装置から処理対象のデータを受信したり、送信したりする。例えば、銀行ユーザ端末103と、保守会社ユーザ端末104のログ分析部3000が、取引ログファイルデータ310を読み込むときには、モバイルマネジメントサーバ101のログ分析部3000から当該ログ分析部の分析結果を受信する。
【0014】
図6は、取引ログファイルデータ310のデータ構成を示す説明図である。
図6に示すログファイルデータ310は、本システムで管理される全てのATM107において、それぞれのATM107で発生した全ての取引ログを登録するためのテーブルである。
図6に示すように、取引ログファイルデータ310は、年月日時コード701と、銀行を識別する銀行コード702と、支店を識別する支店/営業所コード703と、ATMを識別し、各取引を判定するATM−ID704と、そのATMで取引されたときのログを識別するバーコードNo705と、その取引を実行した業種を識別する業種コード706と、その取引で処理された取引金額707と、その取引後の残金を示す差額708とをそれぞれ対応づけて構成され、支払事業会社管理サーバ108に格納されている。取引ログファイルデータ310は、それぞれのATM107における取引が実行され、その取引結果である取引ログファイルが各ATM107から送信された際に、更新される。年月日時コード701は、ATM107が取引を実行したときの時間である。銀行コード702は、その取引が完了したATM107を運用する銀行の銀行コードが格納される。支店/営業店コード703は、その取引が完了したATM107を運用する銀行の支店/営業店のコードが格納される。ATM−ID704は、その取引が完了したATM107の製造番号等が格納される。バーコードNO705は、ATM107での取引が完了したときのログのコードが格納される。業種コード706は、ATMで行われた取引の業種が格納される。取引金額707は、ATMで行われた取引の金額が格納される。差額708は、ATMで取引が行われた後の残高が格納される。
【0015】
図7は、ATM−IDマスタ311のデータ構成を示す説明図である。ATM−IDマスタ311は、フィールドで稼動しているATMを識別するための情報(製造番号など)をあらかじめ格納するテーブルである。
図7に示すように、ATM−IDマスタ311は、銀行コード801、支店/営業店コード802、エリアコード803、ATM−ID804を関連付けて格納する。銀行コード801は、登録対照とする銀行のコードを格納する。支店/営業店コード802は、本システムの登録対象とする支店/営業店のコードを格納する。エリアコード803は、その支店や営業点があるエリアを格納する。ATM−ID804は、前記支店/営業店コードの支店/営業店に設置されているATM107のATM−IDを格納する。これらのほか、ATM107のハードウェアの構成情報を格納してもよい。ATM−IDマスタ311は、支店や営業店等でのATM107の追加や変更が発生したときに、データの入力を受けて更新されるが、データの入力・更新は、銀行本店や支店の管理コンピュータや銀行ユーザ端末103からのデータの入力・更新に限られる。つまり、モバイルユーザ端末104、或いはATM107における保守管理用操作部のデータの入力操作では、ATM−IDマスタ311のデータ書き換えは不可とされる。なお、上記ハードウェアの構成情報は、個々のATMに特有のハード的な機器情報の他、ATMでの運用が想定されている複数のモバイルごとのモバイルIDの組み合わせ情報も含まれ、このモバイル組合せ情報にあっても、その更新は、銀行本店や支店の管理コンピュータや銀行ユーザ端末103からのデータ更新に限られる。
【0016】
図8は、モバイルIDマスタ312のデータ構成例である。モバイルIDマスタ312は、フィールドで稼動しているモバイルユーザ端末104、105を識別するための情報をあらかじめ格納するテーブルである。
図8に示すように、モバイルIDマスタ312は、業種コード901、モバイルID902を関連付けて格納する。業種コード901は、本システムに登録して鳥非違を実行する業種のコードを格納する。モバイルID902は、銀行の資産管理部門において登録される。例えば、上記業種の取引を金融機関を介して実行するモバイルユーザ端末104、105の識別情報が、当該金融機関の資産管理部門のコンピュータから登録される。モバイルIDマスタ312は、モバイルユーザ端末の追加や変更が発生したときに更新される。例えば、ユーザがある業種の取引を実行する際に利用する金融機関を業種コード901、モバイルID902とともに申込書に記入し、その業種の企業から当該金融機関にその申込書が送付され、当該金融機関の行員が、資産管理部門のコンピュータから上記申込書に記入された業種コード901、モバイルID902を入力する際に更新される。実際には、モバイルID902とともに、その個人の携帯電話番号およびメールアドレスが登録される。
【0017】
図9は、口座IDマスタ313のデータ構成を示す説明図である。口座IDマスタ313は、ユーザが利用する銀行の口座IDを格納するテーブルである。
図9に示すように、口座IDマスタ313は、銀行コード1001と、口座ID1002と、個人ID1003とを関連付けて格納する。銀行コード1001は、
図7における銀行コードと同様のコードである。口座ID1002は、ユーザが取引で使用する口座番号を格納する。個人ID1003は、ユーザ自身を識別するためのIDを格納する。口座IDマスタ313は、口座や、個人IDなどの追加や変更が発生したときに更新される。例えば、ユーザが取引に利用する口座が、転居等によりある支店から別の支店に移った場合に、そのユーザからの住所変更届に基づいて更新される。
【0018】
図10は、各業種IDマスタ314のデータ構成を示す説明図である。各業種IDマスタ314は、各銀行と取引のある各業種のIDを格納するテーブルである。
図10に示すように、各業種IDマスタ314は、銀行コード1101、支店/営業店コード1102、業種コード1103を関連付けて格納する。銀行コード1101は、登録対象とする銀行のコードを格納する。支店/営業店コー1102は、登録対象とする支店/営業店のコードを格納する。業種コード1103は、銀行と取引のある業種のコードを格納する。各業種IDマスタ314は、銀行との取引の追加や変更が発生したときに、データの入力を受けて更新されるが、データの入力・更新は、銀行本店や支店の管理コンピュータや銀行ユーザ端末103からのデータの入力・更新に限られる。つまり、モバイルユーザ端末104や105では、各業種IDマスタ314のデータ書き換えは不可とされる。これらの各項目についてはすでに述べたとおりであるため、ここではその説明を省略する。
【0019】
図11は、各種取引管理マスタ315に記憶されるステータスマスタ317のデータ構成例である。ステータス情報マスタ317は、取引記録のステータス情報を格納する。取引ステータスの追加や変更が発生したときに、ステータスマスタ317が読み取られ、取引ステータスが更新される。
【0020】
図12は、各種取引管理マスタ315に記憶される各業種取引管理表318のデータ構成例である。各業種取引管理表318は、フィールドで取引される取引記録を格納するテーブルである。各業種取引管理表318は、バーコードNO1201、業種コード1202、取引先口座1203、銀行コード1204、支店/営業店コード1205、銀行口座ID1206、取引金額1207を関連付けて格納する。バーコードNO1201、業種コード1202は、
図6に示したものと同様であり、取引先口座1203は
図9に示した口座IDと同様であるためここではその説明を省略する。
【0021】
銀行コード1504は、登録対象とする銀行のコードを格納する。支店/営業店コード1505は、登録対象とする支店/営業店のコードを格納する。モバイル内金種1506はモバイルIDと関連付けてモバイル内金種1506を格納する。モバイルIDマスタ312は、支店や営業店、モバイルの追加や変更が発生したときに更新される。ここでは、モバイル内金種を複数持たせることも可能である。
【0022】
図13は、各種取引管理マスタ315に記憶されるATM取引管理表319のデータ構成例である。ATM取引管理表319は、フィールドで稼動しているATM107の取引記録を格納するテーブルである。銀行コード1301、支店/営業店コード1302、エリアコード1303、ATM−ID1304、年月日時1305、取引金額1306を関連付けて格納する。銀行コード1301、支店/営業店コード1302、エリアコード1303、ATM−ID1304は、
図7に示した銀行コード、支店/営業店コード、エリアコード、ATM−IDと同様であるためここではその説明を省略する。年月日時1305は、実際に取引が行われた日時であり、取引金額1306は、そのときに取引された金額である。
【0023】
次に、
図14を参照して、ATM107の構成について説明する。
図14は、ATM107の機能構成を示すブロック図である。ATM107は、表示入力部11、明細書発行部12、紙幣部13及びカード部14の他に、ネットワーク3を経由してホストコンピュータと接続された通信制御部15と、ATM1の制御プログラム、取引記録、ATM1内の紙幣情報などを記憶する記憶部16と、これらの部位を制御する制御部20とを備える。なお、表示入力部11は、取引操作を受け付けたり、取引結果を表示するタッチパネルのほか、後述するバーコードやQRコード(登録商標)を読み取るための読取部であるリーダを含む。
【0024】
また、紙幣部13は、入金処理時に利用者により投入された紙幣(入金紙幣)の受け付けと出金処理時に利用者に対して出金される紙幣(出金紙幣)の払い出しを行う入出金部18と、入金処理時、出金処理時及び精査処理時に紙幣の金種、正損、真偽、折れ・破れなどの紙幣状態などを判別する紙幣判別部19と、紙幣判別部19で読み取った入金紙幣の金種、枚数、合計金額などを利用者により確認され、ホストコンピュータ109にて入金処理が確定するまでの間、紙幣を一時的に収納する一時保留部20と、紙幣の収納を行う収納部40と、紙幣を各部に搬送する紙幣搬送部30と、これらの部位を制御する紙幣制御部17とを備える。本例では、紙幣に関する処理部について示しているが、実際には、紙幣と同様の機能を有した硬貨部を有し、紙幣部および硬貨部を含む取引部を構成している。
【0025】
図15は、ATM107での取引情報を読取り、ステータスの更新をする取引処理の処理手順を示すフローチャートである。この処理は、モバイルユーザ端末104、105のコントローラ502により実行される。モバイルユーザ端末104、105は、タッチパネルから構成される表示部504から入金取引操作が受け付けられたか否かを判定する(S1501)。入金取引操作は、例えば、あらかじめ上記端末にインストールされたアプリケーションを起動してメニュー画面に含まれる入金取引ボタンの押下を受け付けることにより判定することができる。
【0026】
S1501で入金取引操作が受け付けられたと判定された場合(S1501;Yes)、次に、モバイルユーザ端末104、105の表示部504は、ユーザから入金額の仮登録操作を受け付け、コントローラ502は、受け付けた入金額をメモリ503に記憶する(S1502)。仮登録される入金額としては、例えば、ユーザが毎月の公共料金として少なくとも1,000円の支払いをする場合には、その金額が入力される。S1502では、上記金額のほか、
図12に示した各業種取引管理表318の各項目の情報が入力される。
【0027】
続いて、モバイルユーザ端末104、105のコントローラ502は、取引情報を読込み、適切な取引であるか否かを判定する(S1503)。取引情報とは、例えば、
図9に示した口座IDマスタ313を参照して、あらかじめシステムに登録されたユーザであるかといった本人認証や、あらかじめ登録されている銀行の口座であるかといった口座確認に関する処理結果であり、これらの処理結果が肯定的な結果(例えば、本人認証された旨、口座が登録されている旨)を支払事業会社管理サーバ108に問い合わせることにより得られる情報である。
【0028】
コントローラ502は、上記判定の結果、適切な取引の場合(S1503;Yes)、S1502で仮登録した金額と、そのユーザの個人IDと、その個人IDに対応する銀行コードと口座IDとを
図9に示した口座マスタ313を参照して取得するとともに、これらの情報とS1502で入力された
図12に示した各業種取引管理表318の各項目とをバーコード化し、メモリ503に記憶する(S1504)。バーコード化の手法については、従来から知られている様々な手法を用いることができる。本例ではバーコードについて説明しているが、QRコード等の他の形態により構成される様々なコード情報についても同様に適用することができる。モバイルユーザ端末104、105のコントローラ502は、バーコードを生成すると、その旨を支払事業会社管理サーバ108に通知するとともに、生成したバーコードを送信し、支払事業会社管理サーバ108のコントローラ302は、ステータスマスタ317のステータスを更新するとともに、送信されたバーコードを、
図12に示した各業種取引管理表318の各項目を含むレコードに対応付けて記憶する(S1505)。例えば、コントローラ302は、上記通知を受けると、初期値(例えばスペース)から、バーコードが登録され取引実行前の状態を示す「取引待ち」に更新する。ステータスは、個人ごとの取引を特定するため、実際には、上記個人IDや日時に対応付けて記憶される。
【0029】
S1501の過程で入金取引操作以外の取引操作が受け付けられたと判定された場合(S1501;No)、モバイルユーザ端末104、105のコントローラ502は、入力された金額が出金に関する金額であると判断し、入金額の場合と同様に、その出金額を仮登録する(S1506)。続いて、モバイルユーザ端末104、105のコントローラ502は、S1503と同様、取引情報を読込み、適切な取引であるか否かを判定する(S1507)。コントローラ502は、上記判定の結果、適切な取引の場合(S1507;Yes)、S1504と同様、S1506で仮登録した金額と、そのユーザの個人IDと、その個人IDに対応する銀行コードと口座IDとを
図9に示した口座マスタ313を参照して取得するとともに、これらの情報とS1506で入力された
図12に示した各業種取引管理表318の各項目とをバーコード化し、メモリ503に記憶する(S1508)。モバイルユーザ端末104、105のコントローラ502は、バーコードを生成すると、その旨を支払事業会社管理サーバ108に通知するとともに、生成したバーコードを送信し、支払事業会社管理サーバ108のコントローラ302は、ステータスマスタ317のステータスを更新するとともに、送信されたバーコードを、
図12に示した各業種取引管理表318の各項目を含むレコードに対応付けて記憶する(S1509)。
【0030】
一方、コントローラ502は、S1507で適切な取引でないと判定した場合(S1507;No)、その旨を支払事業会社管理サーバ108に通知し、支払事業会社管理サーバ108のコントローラ302は、例えば、ステータスマスタ317のステータスを上記初期値から取引不可であることを示す「取引否」に更新して取引を終了する(S1510)。本処理が終了すると、適切な取引と判断された場合には、ユーザのバーコードが生成される。バーコードの生成は、ユーザ所望のタイミングで、金額を変更することができる。例えば、上記例では入金金額を1,000円である前提で説明したが、ある任意の月の支払いを2,000円とすることができる。
【0031】
図16は、
図15の処理においてバーコードが生成された場合の入金処理の処理手順を示すフローチャートである。まず、ATM107の表示入力部11の読取部は、モバイルユーザ端末104、105で生成されたバーコードを読み取り、登録されているバーコードであるか否かを判定する。(S1601)。実際には、ユーザがモバイルユーザ端末104、105のコントローラ502が、
図15の処理でメモリ503に記憶したバーコードを読み出して表示部504に表示し、そのバーコードをATM107の表示入力部11にかざすことにより、読み取られる。ATM107の制御部20は、読み取られたバーコードを支払事業会社管理サーバ108に送信し、あらかじめ登録されているバーコードと比較して一致するか否かを判定することにより、正しいバーコードであるか否かを判定する。そして、正しいバーコードと判定された場合(S1601;Yes)、次に、ATM107の制御部20は、ホストコンピュータ109に問い合わせる等してそのユーザの本人認証を行う。本人認証は、例えば、静脈認証等の生体認証により行われる(S1602)。本人認証については、従来から知られている様々な技術を利用することができる。
【0032】
ATM107の制御部20は、上記生体認証で本人確認が出来た場合(S1602;Yes)、さらにそのユーザの個人IDを確認する(S1603)。例えば、ATM107の制御部20は、あらかじめ登録されているバーコードに含まれる個人IDと、読み取られたバーコードに含まれる個人IDとを比較して一致するか否かを判定することにより、正しいバーコードであるか否かを判定する。ATM107の制御部20は、個人IDを確認できた場合に入金取引を開始する(S1604)。
【0033】
さらに、ATM107の制御部20は、紙幣部13の入出金部18から入金を受け付けて、入金された金額が適正額か否かを判定する(S1605)。例えば、制御部20は、入出金部18から入金された紙幣を紙幣識別部19が識別した結果得られた金額と、上記バーコードに含まれる金額(
図12に示した各業種取引管理表318の取引金額1207)とが一致しているか否かを判定することにより、上記適正額を判定する。
【0034】
ATM107の制御部20は、上記金額が一致して適性額であると判定した場合(S1605;Yes)、その後、紙幣搬送部30が入金された金額分の紙幣を収納部40まで搬送して収納し、入金取引を終了させる(S1606)。
【0035】
ATM107の制御部20は、入金取引を終了させると、その旨を支払事業会社管理サーバ108に通知し、支払事業会社管理サーバ108のコントローラ302は、ステータスマスタ317のステータスを更新する(S1607)。例えば、コントローラ302は、上記通知を受けると、「取引中」から、入金取引の終了を示す「完了」に更新する。ステータスは、個人ごとの取引を特定するため、実際には、上記個人IDや日時に対応付けて記憶される。
【0036】
一方、ATM107の制御部20は、上記金額が一致せず適性額でないと判定した場合(S1605;No)、後日残金分通知処理を実行する(S1608)。後日残金分通知処理については、
図19を用いて後述する。
【0037】
図17は、
図15の処理においてバーコードが生成された場合の出金処理の処理手順を示すフローチャートである
図16の場合と同様、まず、ATM107の表示入力部11は、モバイルユーザ端末104、105で生成されたバーコードを読み取り、登録されているバーコードであるか否かを判定する(S1701)。そして、正しいバーコードと判定された場合(S1701;Yes)、次に、ATM107の制御部20は、
図16の場合と同様、ユーザの本人認証を行う(S1702)。
【0038】
ATM107の制御部20は、上記生体認証で本人確認が出来た場合(S1702;Yes)、
図16の場合と同様、さらにそのユーザの個人IDを確認する(S1703)。ATM107の制御部20は、個人IDを確認できた場合に出金取引を開始する(S1704)。
【0039】
さらに、ATM107の制御部20は、紙幣部13の収納部40から紙幣を繰出して、出金された金額が適正額か否かを判定する(S1705)。例えば、制御部20は、収納部40から繰出された紙幣を紙幣判別部19が判別し、その結果得られた金額と、上記バーコードに含まれる金額(
図12に示した各業種取引管理表318の取引金額1207)とが一致しているか否かを判定することにより、上記適正額を判定する。
【0040】
ATM107の制御部20は、上記金額が一致して適性額であると判定した場合(S1705;Yes)、その後、紙幣搬送部30が繰出された金額分の紙幣を入出金部18まで搬送し、不図示のシャッタを開けて出金取引を終了させる(S1706)。
【0041】
ATM107の制御部20は、出金取引を終了させると、その旨を支払事業会社管理サーバ108に通知し、支払事業会社管理サーバ108のコントローラ302は、ステータスマスタ317のステータスを更新する(S1707)。例えば、コントローラ302は、上記通知を受けると、「取引中」から、入金取引の終了を示す「完了」に更新する。ステータスは、個人ごとの取引を特定するため、実際には、上記個人IDや日時に対応付けて記憶される。
【0042】
なお、本例では、出金については入金の場合のように一部の金額の紙幣を出金する場合について示していないが、入金の場合と同様、上記金額が一致せず適性額でないと判定した場合(S1705;No)、後日残金分通知処理を実行してもよい。
【0043】
図18は、
図15の処理においてバーコードが生成された場合の公共料金などの入金処理の変形例の処理手順を示すフローチャートである。
図16に示した例では、あらかじめ登録されているバーコードであることや、本人確認のための認証を行った上で入金取引を開始することとした。しかし、あらかじめこのような確認が事前になされている場合には、これらの確認を行うことなく処理を実行するほうが処理時間を短縮することができ、ユーザにとって利便性が高くなる。そのため、
図18に示すように、ATM107の表示入力部11の読取部は、モバイルユーザ端末104、105で生成されたバーコードを読み取り(S1801)、次に、
図16のS1604と同様に入金取引を開始し、以降、
図16のS1605〜S1608までと同様の処理を実行する(S1803〜S1806)。なお、
図18では入金処理について説明したが、出金処理の場合も同様に考えることができる。
【0044】
図19は、残金が発生した場合の処理(後日残金分通知処理)の処理手順を示すフローチャートである。本処理では、
図16、18で残金が発生した場合に全支払い額と入金額の差額について確認する(S2101)。例えば、ATM107の制御部20は、入出金部18から入金された紙幣を紙幣識別部19が識別した結果得られた金額と、上記バーコードに含まれる金額(
図12に示した各業種取引管理表318の取引金額1207)との差額を算出する。そして、ATM107の制御部20は、上記バーコードに含まれる個人データ(例えば、ユーザの個人ID、その個人IDに対応する銀行コードと口座ID)をキーにして、ユーザの取引状況を示すデータを収集する(S2102)。
【0045】
ATM107の制御部20は、収集したデータと算出した差額を元に帳票を作成する(S2103)。例えば、ATM107の制御部20は、個人IDごとに、上記差額である支払いの残額を記載した帳票データを出力する。ATM107の制御部20は、モバイルID902に対応するメールアドレスに、上記帳票データを送信して通知する
(S2104)。ユーザは、このような通知を受け取ることにより、未払い残高があることを容易に把握することができる。
【0046】
図20は、本システムで行われる取引処理を示すイメージ図である。
図20に示すように、まず、支払事業者管理サーバ108がモバイルIDマスタ312、口座IDマスタ313、各業種IDマスタ314、個人IDマスタ316、各業種取引管理表318、ATM取引管理表319を参照して支払情報(支払info)を生成し、モバイルマネジメントサーバ101に送信する(1)。支払情報は、例えば、あらかじめ定められた毎月支払うべき公共料金の金額、契約や支払い方法に応じた取引種類(口座引き落とし、振り込み等)、支払先口座、モバイルユーザ端末104、105のモバイルID、メールアドレスなど、ユーザやモバイルユーザ端末を識別するための情報を含む。
【0047】
モバイルマネジメントサーバ101は、支払事業者管理サーバ108から受信した支払情報をモバイルユーザ端末104、105に送信して通知する(2)。ユーザは、このタイミングで、支払うべき金額を把握することができる。モバイルユーザ端末104、105は、仮登録された金額を含む支払情報からバーコードやQRコード等のコード情報を生成し(3)、ATM107が、コード情報を読み取って取引を実行し、現実に支払われた額と支払情報との差額をチェックし、その結果をモバイルマネジメントサーバ101に通知する(4)。
【0048】
モバイルマネジメントサーバ101は、現実に支払われた額と支払情報との差額から残金を計算し(5)、支払情報のほか現実に支払われた額および上記差額を示す残金情報(残金info)を支払事業者管理サーバ108に通知する(6)。支払事業者管理サーバ108は、通知された残金情報に含まれる残金をチェックして未回収となっている金額を確認し、その金額に応じて支払期限を計算して新たな支払期限として再設定し、支払情報を参照して上記新たな支払期限および残金情報を含む更新支払情報(更新支払info)を生成する(7)。例えば、現実に支払われた額が本来支払うべき額の10%(閾値)に満たない場合には、次回に残金を全額回収することは困難であると判断して支払期限を延期するなど、残金の大きさに応じて支払期限を変更して再設定し、現在から変更後の期限までの期間で残金を均等割りした更新支払情報を生成する。更新支払情報には、上記支払情報の内容を含む。
【0049】
支払事業者管理サーバ108は、生成した更新支払情報をモバイルマネジメントサーバ101に送信し(8)、モバイルマネジメントサーバ101は、支払事業者管理サーバ108から受信した更新支払情報を、支払情報により示されたモバイルユーザ端末104、105に送信して通知する(9)。ユーザは、このタイミングで、支払うべき残金や支払期限を把握することができる。以降、上記(3)〜(9)と同様の処理が、残金支払が完了するまでくりかえし実行され、残金がなくなるまでくりかえしユーザに通知される。
【0050】
なお、本発明は前記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段などは、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計するなどによりハードウェアで実現してもよい。また、前記の各構成、機能などは、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。
【0051】
各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイルなどの情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)などの記録装置、または、IC(Integrated Circuit)カード、SDカード、DVDなどの記録媒体に置くことができる。また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際にはほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。