(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
それぞれが架橋デキストランを含む複数のマイクロスフェアと、マルトース、スクロースおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される水溶性のプレバイオティクス炭水化物と、ラクトバチルス・ロイテリ(L.reuteri)と、薬学的に許容される担体とを含み、前記架橋デキストランが、エピクロロヒドリンと架橋されたデキストランである、マイクロスフェア組成物。
【発明を実施するための形態】
【0033】
配列表
配列番号1は、Haemophilus influenzae 86−028NP株IhfAの全長野生型(wt);Genbank受託番号:AAX88425.1(最終アクセス:2011年3月21日):
MATITKLDIIEYLSDKYHLSK QDTKNVVENFLEEIRLSLESGQDVKLSGFGNFELRDKSSRPGRNPKTGDVVPVSARRVVTFKPGQKLRARVEKTK
である。
【0034】
配列番号2は、Haemophilus influenzae 86−028NP株HUの全長野生型;Genbank受託番号:YP_248142.1(最終アクセス:2011年3月21日):
MRFVTIFINHAFNSSQVRLSFAQFLR QIRKDTFKESNFLFNRRYKFMNKTDLIDAIANAAELNKKQAKAALEATLDAITASLKEGEPVQLIGFGTFKVNERAARTGRNPQTGAEIQIAASKVPAFVSGKALKDAIK
である。
【0035】
配列番号3は、Haemophilus influenzae R2846株IhfAの全長wt;Genbank受託番号:ADO96375(最終アクセス:2011年3月21日):
MATITKLDIIEYLSDKYHLSKQDTKNVVENFL EEIRLSLESGQDVKLSGFGNFELRDKSSRPGRNPKTGDVVPVSARRVVTFKPGQKLRARVEKTK
である。
【0036】
配列番号4は、Haemophilus influenzae Rd株IhfAの全長野生型;Genbank受託番号:AAC22959.1(最終アクセス:2011年3月21日):
MATITKLDIIEYLSDKYHLSKQDTK NVVENFLEEIRLSLESGQDVKLSGFGNFELRDKSSRPGRNPKTGDVVPVSARRVVTFKPGQKLRARVEKTK;
である。
【0037】
配列番号5は、E.coli K12株IhfAの全長野生型;Genbank受託番号:AAC74782.1(最終アクセス:2011年3月21日):
MALTKAEMSEYLFDKLGLSKRDAKELVELFFE EIRRALENGEQVKLSGFGNFDLRDKNQRPGRNPKTGEDIPITARRVVT FRPGQKLKSRVENASPKDE;DNA Genbank番号:NC_000913
である。
【0038】
配列番号6は、P.aeruginosa PA01株IhfAの全長野生型;Genbank受託番号:AAG06126.1(最終アクセス:2011年3月21日):
MGALTKAEIAERLYEELGLNKREA KELVELFFEEIRQALEHNEQVKLSGFGNFDLRDKRQRPGRNPKTGEEIPITARRVVTFRPGQKLKARVEAYAGTKS
である。
【0039】
配列番号7は、(IHFα)のβ−3およびα−3部分:TFRPGQおよびKLKSRVENASPKDEである。
【0040】
配列番号8は、(IHFβ)のβ−3およびα−3部分:HFKPGKおよびELRDRANIYGである。
【0041】
配列番号9は、β−3およびα−3部分:TFKPGQおよびKLRARVEKTKである。
【0042】
配列番号10は、Haemophilus influenzae 2019株IhfAのβ−3およびα−3部分:TFKPGQおよびKLRARVENTKである。
【0043】
配列番号11は、β−3およびα−3部分:TFKPGQおよびKLRARVEKTKである。
【0044】
配列番号12は、β−3およびα−3部分:TFRPGQおよびKLKSRVENASPKDEである。
【0045】
配列番号13は、β−3およびα−3:TFRPGQおよびKLKARVEAYAGTKSである。
【0046】
配列番号14は、E.coli hupA株;Genbank受託番号:AP_003818(最終アクセス:2011年3月21日):
MNKTQLIDVIAEKAELSKTQAKAALESTLAAITESLKEGDAVQLVGFGTFK VNHRAERTGRNPQTGKEIKIAAANVPAFVSGKALKDAVK
である。
【0047】
配列番号15は、E.coli hupB株;Genbank受託番号:AP_001090.1(最終アクセス:2011年3月21日):
MNKSQLIDKIAAGADISKAAAGRALDAIIASVTESLKEGDDVALVGFG TFAVKERAARTGRNPQTGKEITIAAAKVPSFRAGKALKDAVN
である。
【0048】
配列番号16は、β−3およびα−3部分:AFVSGKおよびALKDAVKである。
【0049】
配列番号17は、β−3およびα−3部分:SFRAGKおよびALKDAVNである。
【0050】
配列番号18は、IHFαのC末端の20アミノ酸:TFRPGQKLKSRVENASPKDEである。
【0051】
配列番号19は、IHFβのC末端の20アミノ酸:KYVPHFKPGKELRDRANIYGである。
【0052】
配列番号20は、DNABII結合性コンセンサス配列:WATCAANNNNTTR[配列中、Wは、AまたはTであり、Nは、任意の塩基であり、Rは、プリンである]である。
【0053】
配列番号21は、E.coli IHFアルファ:GRNPKTGEDIPIである。
【0054】
配列番号22は、E.coli IHFベータ:GRNPKTGDKVELである。
【0055】
配列番号23は、E.coli HUアルファ:GRNPQTGKEIKIである。
【0056】
配列番号24は、E.coli HUベータ:GRNPQTGKEITIである。
【0057】
詳細な説明
本発明は、当然ながら変化しうるので、記載される特定の実施形態に限定されないことを理解されたい。また、本発明の範囲は、付属の特許請求の範囲によってのみ限定されるので、本明細書で使用される用語法は、特定の実施形態について記載することだけを目的とするものであり、限定的であることを意図するものではないことも理解されたい。
【0058】
そうでないことが規定されない限りにおいて、本明細書で使用される全ての科学技術用語は、本発明が属する技術分野の当業者により一般に理解される意味と同じ意味を有する。本発明の実施または試行では、本明細書で記載される方法および材料と類似または同等の任意の方法および材料を使用しうるが、ここでは、好ましい方法、デバイス、および材料について記載する。本明細書で引用される全ての技術的刊行物および特許公開は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。本明細書のいかなる内容も、本発明が、先行発明により、このような開示に先行する権利がないことの容認とはみなされないものとする。
【0059】
本技術の実施では、そうでないことが示されない限りにおいて、当技術分野の技術の範囲内にある、組織培養、免疫学、分子生物学、微生物学、細胞生物学、および組換えDNAについての従来の技法を利用する。例えば、SambrookおよびRussell編(2001年)Molecular Cloning: A Laboratory Manual、3版;Ausubelら編(2007年)Current Protocols in Molecular Biologyシリーズ;Methods in Enzymology(Academic Press, Inc.、N.Y.)シリーズ;MacPhersonら(1991年)PCR 1: A Practical Approach(Oxford University Press内、IRL Press);MacPhersonら(1995年)PCR 2: A Practical Approach;HarlowおよびLane編(1999年)Antibodies, A Laboratory Manual;Freshney(2005年)Culture of Animal Cells: A Manual of Basic Technique、5版;Gait編(1984年)Oligonucleotide Synthesis;米国特許第4,683,195号;HamesおよびHiggins編(1984年)Nucleic Acid Hybridization;Anderson(1999年)Nucleic Acid Hybridization;HamesおよびHiggins編(1984年)Transcription and Translation;Immobilized Cells and Enzymes(IRL Press(1986年));Perbal(1984年)A Practical Guide to Molecular Cloning;MillerおよびCalos編(1987年)Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells(Cold Spring Harbor Laboratory);Makrides編(2003年)Gene Transfer and Expression in Mammalian Cells;MayerおよびWalker編(1987年)Immunochemical Methods in Cell and Molecular Biology(Academic Press、London);ならびにHerzenbergら編(1996年)Weir’s Handbook of Experimental Immunologyを参照されたい。
【0060】
範囲を含む、全ての数値表示、例えば、pH、温度、時間、濃度、および分子量は、必要に応じて、(+)もしくは(−)1.0もしくは0.1の増分、または代替的に±15%、または代替的に10%、または代替的に5%、または代替的に2%の変動で変化する概数である。常に明示的に言明されているわけではないが、全ての数値表示は、「約」という用語を前置することを理解されたい。また、常に明示的に言明されているわけではないが、本明細書で記載される試薬は、単に例示的なものであり、当技術分野では、このような試薬の同等物が公知であることも理解されたい。
【0061】
本明細書および特許請求の範囲で使用される、単数形の「a」、「an」、および「the」は、文脈により明らかにそうでないことが指示されない限りにおいて、複数の指示対象を含む。例えば、「細菌(a bacterium)」という用語は、それらの混合物を含む複数の細菌を含む。
【0062】
本明細書で使用される場合、「含む」という用語は、組成物および方法は、列挙される要素を含むが、他の要素を除外しないことを意味するように意図される。組成物および方法を規定するのに使用される場合の「から本質的になる」とは、意図される使用のための組み合わせに本質的な重要性を有さない他の要素を除外することを意味するものとする。したがって、本明細書で規定される要素から本質的になる組成物は、単離法および精製法、ならびにリン酸緩衝食塩水、保存剤など、薬学的に許容される担体から、微量の夾雑物を除外しないであろう。「からなる」とは、本発明の組成物を投与するための、微量を超える他の成分の要素および実質的な方法ステップを除外することを意味するものとする。これらの移行句の各々により規定される実施形態は、本発明の範囲内にある。
【0063】
「バイオフィルム」とは、微生物が分泌および/または放出するDNAなどのポリマーと併せて、有機の場合もあり、無機の場合もある、構造の表面に時折付着しうる、微生物の薄層または組織化された群落を意図する。バイオフィルムは、抗生物質(microbiotics)および抗微生物剤に対して極めて抵抗性である。バイオフィルムは、歯肉組織、歯、および修復物に寄生し、歯周プラーク疾患としてもまた公知の、齲蝕および歯周病を引き起こす。バイオフィルムはまた、慢性中耳感染も引き起こす。バイオフィルムはまた、歯科インプラント、ステント、カテーテルライン、およびコンタクトレンズの表面上にも形成されうる。バイオフィルムは、ペースメーカー、心弁置換、人工関節、および他の外科インプラント上で成長する。米国疾病管理予防センターは、院内(nosocomial(hospital−acquired))感染のうちの65%超は、バイオフィルムにより引き起こされると推定している。また、真菌バイオフィルムも、高頻度で医療デバイスを汚染する。真菌バイオフィルムは、慢性膣感染を引き起こし、免疫系が機能不全を来している患者における、致死性の全身感染をもたらす。バイオフィルムはまた、多数の疾患にも関与している。例えば、嚢胞性線維症患者は、抗生物質抵抗性バイオフィルムを結果としてもたらすことが多い、Pseudomonas感染を有する。
【0064】
「プレバイオティクス」とは、プロバイオティクス細菌のための栄養補充物質を意図する。プレバイオティクスとは、被験体により(例えば、ヒトなどの哺乳動物により)消化不能であり、1もしくは複数の有益な細菌の成長もしくは活性を刺激し、かつ/または1もしくは複数の病原性細菌の成長もしくは活性を阻害する食物成分、例えば、オリゴ糖である。プレバイオティクスは、被験体における、1または限定数の細菌の成長および/または活性を選択的に刺激しうる。
【0065】
「プレバイオフィルミクス」とは、バイオフィルムの形成および耐久性を支援する物質を意図し、例えば、プレバイオフィルミクスとは、DNA結合性ポリペプチドまたはタンパク質のような、バイオフィルムの細胞外マトリックスを支援する物質の場合もあり、代替的に、付着を促進する物質、例えば、スクロースに転換されうる基質の場合もある。
【0066】
「DNABIIポリペプチドまたはタンパク質」とは、DNA結合性ドメインから構成され、したがって、DNAに対する特異的または一般的アフィニティーを有する、DNA結合性タンパク質またはポリペプチドを意図する。一態様では、それらは、副溝において、DNAに結合する。DNABIIタンパク質の非限定的な例は、組込み宿主因子(IHF)タンパク質およびE.coli U93株由来のヒストン様タンパク質(HU)であり、これらの例を配列番号1〜24に提示し、さらなる株およびポリペプチドを表4に提示する。また、ポリペプチド断片、およびタンパク質もしくはポリペプチドの生物学的活性を実質的に変化させないアミノ酸修飾を有する同等のポリペプチド、またはそれらの活性断片も意図される。それらの活性断片は、例えば、タンパク質またはポリペプチドのC末端側の半分またはC末端側の3分の1を含む。バイオフィルムと会合しうる、他のDNA結合性タンパク質は、DPS(Genbank受託番号:CAA49169)、H−NS(Genbank受託番号:CAA47740)、Hfq(Genbank受託番号:ACE63256)、CbpA(Genbank受託番号:BAA03950)およびCbpB(Genbank受託番号:NP_418813)のほか、同等のポリペプチドおよびそれらの活性断片を含む。
【0067】
「マイクロスフェア」とは、列挙される特定のサイズ範囲内の、バイオフィルム保有粒子状材料もしくはバイオフィルム保有顆粒状材料、および/または化合物保有(例えば、薬物保有)粒子状材料もしくは化合物保有(例えば、薬物保有)顆粒状材料を意図する。本明細書で使用される場合、マイクロスフェアは、50ミリメートルまたはこれ未満の直径であり、かつ、1ミクロンまたはこれを超える(例えば、1〜100、または代替的に1〜75ミクロン、または代替的に1〜50、または代替的に1〜25、または代替的に1〜10ミクロンの)直径である粒子からなる。このようなマイクロスフェアの非限定的な例は、一部の態様では、医薬または薬物を含有しうる中空マイクロスフェア、マイクロカプセル(この中で、賦形剤は、薬物などのカーゴを取り囲み、含有する、スキンまたはシェルを形成する)、およびマイクロ粒子を含み、これらは、これらの用語が当技術分野で典型的に使用される通り、球状であれ、球状でないのであれ、列挙されたサイズ範囲内の任意の粒子についての総称的用語として使用される。
【0068】
「生体分解性ポリマー」とは、生体適合性であり、身体での過程により、体内でたやすく処理可能であり、体内に蓄積されない産物へとin vivoにおいて分解されうるポリマーを意図する。
【0069】
「生体適合性」とは、送達系の成分が、組織損傷もヒト生体系に対する損傷も引き起こさないことを意味する。生体適合性を付与するには、ヒトにおける安全使用歴があるか、またはGRAS(Generally Recognized As Safe)ステータスの、ポリマーおよび賦形剤を優先的に使用する。生体適合性とは、組成物中で使用される成分および賦形剤が、身体への有害作用を伴わずに、体内で最終的に「生体吸収される」か、または除去されることを意味する。組成物が生体適合性であり、非毒性とみなされるためには、組成物は、細胞に対して毒性を引き起こしてはならない。同様に、「生体吸収性」という用語は、患者における材料の長期にわたる蓄積を回避するように、ある期間にわたり、in vivoにおいて生体吸収を受ける材料から作製されたマイクロスフェアを指す。生体適合性ナノ粒子は、2年間未満、好ましくは1年間未満、さらにより好ましくは6カ月間未満にわたり生体吸収される。生体吸収の速度は、粒子のサイズ、使用される材料、および当業者によりよく認識されている他の因子と関連する。生体吸収性材料、生体適合性材料の混合物を使用して、本発明で使用されるマイクロスフェアを形成することができる。
【0070】
「組込み宿主因子」または「IHF」タンパク質とは、バクテリオファージにより、それらのDNAを宿主細菌に組み込むのに使用される細菌タンパク質である。これらは、遺伝子組換えのほか、転写および翻訳の調節においても機能する、DNA結合性タンパク質である。これらはまた、細胞外微生物のDNAにも結合する。E.coli内のIHFタンパク質サブユニットをコードする遺伝子は、himA(Genbank受託番号:POA6X7.1)およびhimD(POA6Y1.1)遺伝子である。このようなタンパク質の非限定的な例を、添付の配列表に提示し、表4でこれらについて言及する。
【0071】
「HU」または「E.coli U93株に由来するヒストン様タンパク質」とは、E.coliと会合することが典型的なヘテロ二量体タンパク質のクラスを指す。HUタンパク質は、DNA接合部に結合することが公知である。他の微生物から、類縁のタンパク質が単離されている。E.coli HUの完全アミノ酸配列は、Laineら(1980年)Eur. J. Biochem.、103巻(3号):447〜481頁により報告された。HUタンパク質に対する抗体は、Abcamから市販されている。このようなタンパク質の非限定的な例を、添付の配列表に提示する。
【0072】
「タンパク質」、「ペプチド」、および「ポリペプチド」という用語は、2つもしくはこれを超えるサブユニットのアミノ酸、アミノ酸類似体、またはペプチド模倣体の化合物を指すように、互換的に、かつ、それらの最も広い意味で使用する。サブユニットは、ペプチド結合で連結することができる。別の実施形態では、サブユニットは、他の結合、例えば、エステル、エーテルなどで連結することができる。タンパク質またはペプチドは、少なくとも2つのアミノ酸を含有しなければならないが、タンパク質の配列またはペプチドの配列を含みうるアミノ酸の最大数は、限定されない。本明細書で使用される場合、「アミノ酸」という用語は、グリシン、ならびにD光学異性体およびL光学異性体の両方、アミノ酸類似体およびペプチド模倣体を含む、天然および/または非天然もしくは合成のアミノ酸を指す。
【0073】
「C末端ポリペプチド」とは、ポリペプチドのうちのC末端側の半分またはC末端側の3分の1を意図する。例として述べると、90アミノ酸を含有するポリペプチドでは、C末端ポリペプチドは、アミノ酸46〜90またはアミノ酸60〜90を含むであろう。別の態様では、用語は、カルボキシ末端からのC末端20アミノ酸を意図する。
【0074】
「N末端ポリペプチド」とは、ポリペプチドのうちのN末端側の半分を意図する。例として述べると、90アミノ酸を含有するポリペプチドでは、N末端ポリペプチドは、アミノ酸1〜45を含むであろう。別の態様では、用語は、アミノ末端からのN末端20アミノ酸を意図する。
【0075】
「ポリヌクレオチド」および「オリゴヌクレオチド」という用語は、互換的に使用され、デオキシリボヌクレオチドもしくはリボヌクレオチドまたはその類似体である、任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態を指す。ポリヌクレオチドは、任意の三次元構造を有することが可能であり、公知または未知の任意の機能を果たしうる。以下はポリヌクレオチドの非限定的な例である:遺伝子または遺伝子断片(例えば、プローブ、プライマー、ESTまたはSAGEタグ)、エクソン、イントロン、メッセンジャーRNA(mRNA)、転移RNA、リボソームRNA、RNAi、リボザイム、cDNA、組換えポリヌクレオチド、分枝状ポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、任意の配列の単離DNA、任意の配列の単離RNA、核酸プローブ、およびプライマー。ポリヌクレオチドは、メチル化ヌクレオチドなどの修飾ヌクレオチドおよびヌクレオチド類似体を含みうる。存在する場合、ヌクレオチド構造に対する修飾は、ポリヌクレオチドのアセンブリーの前または後に付与することができる。ヌクレオチドの配列は、ヌクレオチドではない成分で中断させることができる。ポリヌクレオチドは、標識化成分とのコンジュゲーションを介するなど、重合化の後でさらに修飾することができる。用語はまた、二本鎖分子および一本鎖分子の両方を指す。そうでないことが指定または要求されない限りにおいて、ポリヌクレオチドである本発明の任意の実施形態は、二本鎖形態、および二本鎖形態を構成することが公知であるかまたは予測される、2つの相補的な一本鎖形態の各々の両方を包含する。
【0076】
ポリヌクレオチドは、4つのヌクレオチド塩基:アデニン(A);シトシン(C);グアニン(G);チミン(T);および、ポリヌクレオチドがRNAである場合の、チミンに代えたウラシル(U)の特異的配列から構成される。したがって、「ポリヌクレオチド配列」という用語は、ポリヌクレオチド分子のアルファベット表示である。このアルファベット表示は、中央演算処理装置を有するコンピュータ内のデータベースに入力することが可能であり、機能的ゲノミクス研究および相同性研究などのバイオインフォーマティックス適用に使用することができる。
【0077】
DNAまたはRNAなどの核酸に関して本明細書で使用される「単離」または「組換え」という用語は、高分子ならびにポリペプチドの天然の供給源中に存在する他のDNAまたはRNAのそれぞれから分離される分子を指す。「単離または組換え核酸」という用語は、断片として天然に存在しておらず、天然の状態では見出されない核酸断片を含むことを意味する。本明細書では、「単離」という用語は、他の細胞タンパク質から単離された、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体、およびタンパク質を指すようにも使用され、精製ポリペプチドおよび組換えポリペプチドの両方を包含することを意味する。他の実施形態では、「単離または組換え」という用語は、細胞構成要素および他の形の構成要素であって、細胞、組織、ポリヌクレオチド、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、抗体、またはこれらの断片が、天然では通常会合している、構成要素から分離されていることを意味する。例えば、単離細胞とは、表現型または遺伝子型が類似しない組織または細胞から分離された細胞である。単離ポリヌクレオチドは、例えば、染色体上の、その天然(nativeまたはnatural)環境では通常会合している、3’側および5’側の連続ヌクレオチドから分離されている。当業者に明らかな通り、天然に存在していないポリヌクレオチド、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、抗体、またはこれらの断片は、その天然に存在している対応物と識別するのに、「単離」を要求しない。
【0078】
明示的な列挙を伴わないが、そうでないことが意図されない限りにおいて、本発明が、ポリペプチド、タンパク質、ポリヌクレオチド、または抗体に関する場合、これらの同等物または生物学的同等物は、本発明の範囲内にあることが意図されることを推察されたい。本明細書で使用される場合、「その生物学的同等物」という用語は、参照タンパク質、参照抗体、参照ポリペプチド、参照ポリヌクレオチドまたは参照核酸に言及する場合の「その同等物」と同義であることを意図し、所望の構造または機能性をなおも維持しながら、最小限の相同性を有する生物学的同等物を意図する。本明細書で具体的に列挙されない限りにおいて、本明細書で言及される、任意の核酸、ポリヌクレオチド、ポリペプチドまたはタンパク質はまた、その同等物も含むことが想定される。例えば、同等物は、タンパク質またはその特定の断片にわたり、少なくとも約70%、または代替的に80%の相同性もしくは同一性を意図し、代替的に少なくとも約85%、または代替的に少なくとも約90%、または代替的に少なくとも約95%、または代替的に98%の相同性パーセントもしくは同一性パーセントを意図し、参照タンパク質、参照ポリペプチド、または参照核酸と実質的に同等な生物学的活性を呈示する。
【0079】
別の配列と、ある特定の百分率(例えば、80%、85%、90%、または95%)の「配列同一性」を有するポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチド領域(またはポリペプチドもしくはポリペプチド領域)とは、アラインさせた場合、2つの配列を比較する際の、その塩基(またはアミノ酸)が同じである百分率を意味する。アライメントおよび相同性パーセントまたは配列同一性パーセントは、当技術分野で公知のソフトウェアプログラム、例えば、Current Protocols in Molecular Biology、(Ausubelら編、1987年)、補遺30巻、7.7.18節、表7.7.1において記載されているソフトウェアプログラムを使用して決定することができる。アライメントのためには、デフォルトのパラメータを使用することが好ましい。好ましいアライメントプログラムは、デフォルトのパラメータを使用するBLASTである。特に、好ましいプログラムは、以下のデフォルトのパラメータ:遺伝子コード=標準;フィルター=なし;鎖=両方;カットオフ=60;期待値=10;行列=BLOSUM62;記載=50配列;ソート=高スコア;データベース=非冗長である、GenBank+EMBL+DDBJ+PDB+GenBank CDS translations+SwissProtein+SPupdate+PIRを使用する、BLASTNおよびBLASTPである。これらのプログラムの詳細は、以下のインターネットアドレス:ncbi.nlm.nih.gov/cgi−bin/BLASTにおいて見出すことができる。
【0080】
「相同性」または「同一性」または「類似性」とは、2つのペプチドの間または2つの核酸分子の間の配列類似性を指す。相同性は、比較を目的としてアラインされうる各配列内の位置を比較することにより決定することができる。比較される配列内の位置が、同じ塩基またはアミノ酸により占有される場合、分子は、その位置において相同である。配列の間の相同性の程度は、配列により共有される、マッチする位置または相同な位置の数の関数である。「非類縁の」または「非相同な」配列は、本発明の配列のうちの1つと、40%未満の同一性、または代替的に25%未満の同一性を共有する。
【0081】
本明細書で使用される場合、「発現」とは、ポリヌクレオチドが、mRNAに転写される過程、および/または転写されたmRNAが、その後、ペプチド、ポリペプチド、もしくはタンパク質に翻訳される過程を指す。ポリヌクレオチドが、ゲノムDNAに由来する場合、発現は、真核細胞内のmRNAのスプライシングを含みうる。
【0082】
ポリヌクレオチドに適用される場合の「コードする」という用語は、その天然状態において、または当業者に周知の方法により操作されると、ポリペプチドおよび/またはその断片のmRNAを産生するように転写および/または翻訳されうる場合に、ポリペプチドを「コードする」と言われるポリヌクレオチドを指す。アンチセンス鎖とは、このような核酸の相補体であり、コード配列は、それから推定することができる。
【0083】
診断または処置の「被験体」または「患者」とは、細胞または哺乳動物もしくはヒトなどの動物である。診断または処置に供される非ヒト動物とは、感染または動物モデルに供されるもの、例えば、サル、ラット、マウス、チンチラなどのネズミ科動物、イヌなどのイヌ科動物、ウサギなどのウサギ科動物、家畜、競技用動物、および愛玩動物である。
【0084】
本明細書で使用される場合、本明細書では「処置する」、「処置」などの用語を、所望の薬理学的および/または生理学的効果を得ることを意味するように使用する。効果は、障害またはその徴候もしくは症状を完全または部分的に防止する点で予防的である場合もあり、かつ/あるいは障害かつ/または障害に起因する有害作用の部分的もしくは完全な治癒の点で治療的である場合もある。
【0085】
「防止する」とは、障害または影響に対して素因のある系または被験体における、in vitroまたはin vivoの障害または影響を防止することを意図する。このような「〜を防止する」ことの例は、バイオフィルムを産生することが公知の微生物に感染した系内のバイオフィルムの形成を防止することである。
【0086】
「培養する」という用語は、多様な種類の培地上または培地中、in vitroにおける、細胞または生物の繁殖を指す。培養物中で成長させた(grown)細胞の子孫は、親細胞と、完全に(すなわち、形態的に、遺伝子的に、または表現型的に)同一ではない場合もあることが理解される。「拡大増殖させた(expanded)」とは、細胞の任意の増殖(proliferation)または分裂を意味する。
【0087】
「薬学的に許容される担体」とは、本発明の組成物中で使用されうる、任意の希釈剤、賦形剤、または担体を指す。薬学的に許容される担体は、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミンなどの血清タンパク質、リン酸塩、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウムなどの緩衝物質、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、プロタミン硫酸塩、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウムなどの塩または電解質、ポリビニルピロリドン、セルロースベースの物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、蝋、ポリエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリエチレングリコール、および羊毛脂を含む。適切な医薬担体については、本分野における標準的な参照用教科書である、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Companyにおいて記載されている。それらは、意図される投与形態、すなわち、経口錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、シロップなどに関して選択され、従来の薬学的実施に沿うことが好ましい。
【0088】
「生体適合性足場」とは、被験体への投与時に、バイオフィルムの増殖を支援する能力を伴う足場またはマトリックスを指す。他の実施形態では、生体適合性足場とは、宿主における、望ましくない、局所性または全身性の影響の誘発を伴わずに、宿主内の所望の程度の組込みを伴う、その意図される機能を果たす能力を有する植込み型デバイスの前駆体である。生体適合性足場については、米国特許第6,638,369号および同第8,815,276号において記載されている。
【0089】
「投与」は、単回用量で実行することもでき、処置の過程にわたり、連続的に実行することもでき、間欠的に実行することもできる。投与の最も効果的な手段および投与量を決定する方法は、当業者に公知であり、治療のために使用される組成物、治療目的、処置される標的細胞、および処置される被験体と共に変化するであろう。単回または複数回投与を実行することができ、用量レベルおよび投与パターンは、処置する医師により選択される。当技術分野では、適切な剤形および薬剤を投与する方法が公知である。また、投与経路も決定することができ、最も効果的な投与経路を決定する方法は、当業者に公知であり、処置のために使用される組成物、処置目的、処置される被験体および標的細胞または組織の健康状態または疾患の病期と共に変化するであろう。投与経路の非限定的な例は、経口投与、膣への投与、鼻への投与、注射、局所適用、および坐剤による適用を含む。
【0090】
「有効量」という用語は、有益または所望の結果または効果を達成するのに十分な量を指す。治療的または予防的適用の文脈では、有効量は、問題の状態の種類および重症度、ならびに全般的健康、年齢、性別、体重、および医薬組成物に対する耐性など、個々の被験体の特徴に依存するであろう。治療用組成物の文脈において、一部の実施形態では、有効量は、病原体に対する防御的応答を結果としてもたらすのに十分な量である。他の実施形態では、有効量は、抗原に対する抗体の産生を結果としてもたらすのに十分な量である。一部の実施形態では、有効量は、それを必要とする被験体に対して受動免疫を付与するのに要求される量である。一部の実施形態では、量は、1)病原体を除去すること;2)健康な微生物叢を回復させること;3)免疫系をモジュレートすること;ならびに4)代謝および代謝経路を維持することのうちの1または複数を達成するのに十分である。
【0091】
in vitroにおける適用の場合、一部の実施形態では、有効量は、問題となる適用のサイズおよび性質に依存するであろう。それはまた、in vitro標的の性質および感受性、ならびに使用される方法にも依存するであろう。当業者は、これらの検討事項および他の検討事項に基づき、有効量を決定することが可能であろう。有効量は、実施形態に応じて、1回または複数回の組成物の投与を含みうる。
【0092】
薬剤および組成物は、医薬の製造において使用することができ、医薬組成物中の有効成分など、従来の手順に従う投与により、ヒトおよび他の動物の処置のためにも使用することができる。
【0093】
本発明の薬剤は、治療のために、任意の適切な投与経路により投与することができる。また、好ましい経路は、レシピエントの状態および年齢、ならびに処置される疾患と共に変化することも認識されるであろう。
【0094】
壊死性腸炎(「NEC」)とは、腸の部分が、壊死(組織の死)を経る、早産児において主に見られる医学的状態である。NECは、生後に生じ(すなわち、死産児では見られない)、2番目に多い死亡原因である。全新生児集中治療室入院患者のうちの7%は、NEC関連である。死亡率は、12%である。
【0095】
本開示を実施するための方式
下痢性疾病は、世界中で、毎年約40億人の個体において生じ、200万人を超える死亡を引き起こす。乳児および若齢の小児における下痢性疾病の最も重要な細菌性原因の中には、生着すると、炎症性サイトカインの増大および結腸組織の構造的変化と関連する、下痢性疾患を誘導する、接着/破壊(A/E)病原体がある。この急性感染症は、胃腸の健康に対して持続的な影響を及ぼすことがあり、A/E病原体の感染および過剰な炎症応答は、感染後過敏性腸症候群の発症の公知の危険因子である。
【0096】
プロバイオティクスは、胃腸の微生物叢を保護し、健康な状態へと回復させる天然の方式であり、生着部位の遠位において、健康を促進することが示されている。Mackosら(2013年)Infection and Immunity、81巻、9号(3253〜3262頁)を参照されたい。残念ながら、最適条件下であってもなお、プロバイオティクス細菌は、定着するか、または十分に存続するに至っておらず、それらの健康的な効果の大きさおよび持続性は最小限である。律速段階のうちの1つは、導入された細菌が、持続するバイオフィルムを形成する能力である。細菌が、プランクトン様(遊離生息)形態と対比して、既にバイオフィルム(表面付着型群落)の形態にある場合、細菌は、よりたやすく定着し、存続する。プロバイオティクス細菌の肯定的な効果は、それらをバイオフィルム状態で供給することにより、増強することができ、これは、生体適合性であり、かつ、非毒性であるマイクロスフェアの表面上で細菌を成長させることによりたやすく達成することができる。生体適合性マイクロスフェアは、生体分解性ポリマー、非生体分解性ポリマー、金属、またはこれらの組み合わせでありうる。この表面がマイクロスフェアの形態である場合、プレバイオティクス物質および/またはプレバイオフィルミクス物質を、プロバイオティクス細菌性バイオフィルムの定着および維持を促進するカーゴとして添加することができる。
【0097】
マイクロスフェアは、病原性細菌の攻撃を制限しながら、プロバイオティクス細菌の定着および生存を促進する一助となりうる、拡散性プレバイオティクス(プロバイオティクス細菌に特異的/排他的な栄養補充物質)カーゴを理想的な形で供給する点において価値を付加している。少なくとも、プロバイオティクス細菌であるLactobacillus reuteriでは、バイオフィルム状態は、マウスの胃腸内の定着において、プランクトン様形態にある同じ細菌より有利である。
【0098】
さらに、マウスにバイオフィルムとして導入されるL.reuteriは、腸管病原性細菌であるCitrobacter rodentiumの病因に対して、そのプランクトン様形態にあるL.reuteriより、頑健で持続する予防的効果を及ぼす。これらの結果に基づき、腸内菌共生バランス失調に対して、より大きく、持続的な効果をもたらし、患者のコンプライアンスに対する必要を大幅に低減して、胃腸における病因を防止するか、またはさらに処置する、プロバイオティクスの新規の製剤をもたらす3つの高度な統合例が開発された。
【0099】
バイオフィルム生成性プロバイオティクス細菌は、生体適合性マイクロスフェアの表面に付着し、バイオフィルムを生成させる。生体適合性マイクロスフェアは、中実または中空コアを有する。生体適合性マイクロスフェアが中空コアを有する場合、それは、プレバイオティクス、およびプロバイオティクス細菌のための任意の栄養補充物質を、カーゴとして保有しうる。プレバイオティクスは、中空コア内に封入することができる。マイクロスフェアはまた、病原体の成長または増殖に対して選択性である、薬物または化合物または薬剤も保有しうる。生体適合性マイクロスフェア、バイオフィルム生成性プロバイオティクス、およびプレバイオティクスに加えて、新規のプロバイオティクス製剤はまた、バイオフィルムの形成および耐久性を支援する物質である、プレバイオフィルミクスも含有することが可能であり、具体的に、プレバイオフィルミクスは、DNA結合性ポリペプチドもしくはタンパク質、および/またはDNABIIポリペプチドもしくはタンパク質、これらの各々の断片および/または同等物である。このようなタンパク質の非限定的な例を、添付の配列表に提示する。1または複数の薬物、化合物、または薬剤のほか、1または複数のプレバイオフィルミクスも、単一のマイクロスフェア内に存在しうる。
【0100】
プレバイオティクスは、バイオフィルム生成性細菌を含む、任意のプロバイオティクス細菌の成長を支援しうる。プレバイオティクスは通例、イヌリン、オリゴフルクトース、フルクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、グルコース、マルトース、マルトデキストリン、ポリデキストロース、スクロース、フルクトース、ラクトース、イソマルツロース、ポリオール、およびグリセロールなど、水溶性の炭水化物のうちの1または複数である。多様なプレバイオティクスの組み合わせを使用して、プロバイオティクスの成長を支援することができる。
【0101】
プロバイオティクスは、健康上の利益を有する、任意の種類の微生物である。プロバイオティクスはまた、一般に、ヨーグルト中、ダイズヨーグルト中などに、活性の生培養物を特別に添加した、発酵食品の一部として、または栄養補助食品として摂取される。プロバイオティクスはまた、坐剤としても摂取することができる。プロバイオティクスの一部の限定的な例は、L.acidophilus、L.crispatus、L.gasseri、群L.delbrueckii、L.salivarius、L.casei、L.paracasei、L.plantarum、L.rhamnosus、L.reuteri、L.brevis、L.buchneri、L.fermentum、L.rhamnosus、B.adolescentis、B.angulation、B.bifidum、B.breve、B.catenulatum、B.infantis、B.lactis、B.longum、B.pseudocatenulatum、およびS.thermophilesである。
【0102】
プロバイオティクスは、病原体の生着を防止し、かつ/または過剰な炎症応答を制限することにより、抗菌免疫を支援する。理論に束縛されることなしに述べると、プロバイオティクスは、サイトカインおよびケモカインの産生を下方調節する。
【0103】
生体適合性マイクロスフェアは、生体分解性ポリマー、非生体分解性ポリマー、金属、またはそれらの混合物のうちの1または複数でありうる。生体分解性ポリマーは、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)またはPLGA;ポリカプロラクトンまたはPLC;キトサン;ゼラチン;DNA水素;アセタール化デキストラン;ポリ(ラクチド);ポリ(グリコリド);ポリ(ラクチド−co−グリコリド);ポリ(乳酸);ポリ(グリコール酸);ポリ(乳酸−co−グリコール酸);ポリ(ラクチド)/ポリ(エチレングリコール)コポリマー;ポリ(グリコリド)/ポリ(エチレングリコール)コポリマー;ポリ(ラクチド−co−グリコリド)/ポリ(エチレングリコール)コポリマー;ポリ(乳酸)/ポリ(エチレングリコール)コポリマー;ポリ(グリコール酸)/ポリ(エチレングリコール)コポリマー;ポリ(乳酸−co−グリコール酸)/ポリ(エチレングリコール)コポリマー;ポリ(カプロラクトン);ポリ(カプロラクトン)/ポリ(エチレングリコール)コポリマー;ポリ(オルトエステル);ポリ(ホスファゼン);ポリ(ヒドロキシブチレート);ポリ(ヒドロキシブチレート);ポリ(ラクチド−co−カプロラクトン);ポリカーボネート;ポリエステルアミド;ポリ無水物;ポリ(ジオキサノン);ポリ(アルキレンアルキレート);ポリエチレングリコール/ポリオルトエステルコポリマー;ポリウレタン;ポリ(アミノ酸);ポリエーテルエステル;ポリアセタール;ポリシアノアクリレート;ポリ(オキシエチレン)/ポリ(オキシプロピレン)コポリマー;Sephadex(登録商標)コポリマー(エピクロロヒドリンと架橋されたデキストランから作製され、Sigma−Aldrichから市販され、KooおよびWankat(1988年)Korean Biochem. J.、21巻(1号)において言及されている)、および/またはこれらの組み合わせから選択されうるがこれらに限定されない。非生体分解性ポリマーは、ポリ(エチレン酢酸ビニル)、ポリ(酢酸ビニル)、シリコーンポリマー、ポリウレタン、セルロース性ポリマーおよびセルロース誘導体、アシル置換酢酸セルロースおよびそれらの誘導体などの多糖、ポリ(エチレングリコール)とポリ(ブチレンテレフタレート)とのコポリマー、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリ(ビニルイミダゾール)、クロロスルホン化ポリオレフィン、ポリエチレンオキシド、ならびにこれらのコポリマーおよびブレンドから選択されうるがこれらに限定されない。金属は、コバルト、クロム、金、ニッケル、白金、ステンレス鋼、チタン、タンタル、ニッケル−チタン、ならびにこれらの合金および組み合わせから選択されうるがこれらに限定されない。
【0104】
プロバイオティクスのバイオフィルムの耐久性および頑健性を促進するように選択されたマイクロスフェアを同定し、特徴付ける。生体分解性(かつFDA承認済み)表面である、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)(PLGA)上で形成されたプロバイオティクスのバイオフィルムは、上皮バリアを介する病原体のトランスロケーションの防止に優れたバイオフィルムをもたらすことが示されている。また、バイオフィルムを成長させる表面を創出するのに使用しうる、他のFDA承認済みまたはGRAS(Generally Recognized As Safe)の材料も検討される。動物モデルにおける生物学的有効性および耐久性ならびに保管寿命を基本的な基準として使用して、結果に優先順位をつける。最後に、プロバイオティクスのバイオフィルムの導入および維持の有効性をさらに改善するため、マイクロスフェア内の拡散性カーゴを介して、プレバイオティクス物質を、プロバイオティクスのバイオフィルム表面へと施す。
【0105】
組成物
本開示は、生体適合性マイクロスフェア、バイオフィルム生成性プロバイオティクス細菌、およびプレバイオティクスを含むか、または代替的にこれらから本質的になるか、またはさらにはこれらからなる組成物であって、プレバイオティクスが、プロバイオティクス細菌の培養および/または成長のための栄養食物供給源または補充物質を含むか、または代替的にこれから本質的になるか、またはさらにはこれからなる組成物を提供する。組成物はさらに、プレバイオフィルミクスを含みうる。プレバイオフィルミクスは、バイオフィルムの形成および耐久性を特異的に支援する物質を含み、プレバイオフィルミクスは、DNA結合性ポリペプチドもしくはタンパク質、および/またはDNABIIポリペプチドもしくはタンパク質でありうる。一態様では、組成物を凍結させる、例えば、瞬時凍結させる。別の態様では、組成物を、粉末形態で凍結乾燥または乾燥させる。さらなる態様では、組成物を、坐剤としての投与または摂取可能形態(例えば、錠剤)での投与のために製剤化する。組成物はさらに、上記で言及されたマイクロスフェアの混合物、例えば、2つもしくはこれを超えるプロバイオティクス細菌、ならびに/または2つもしくはこれを超えるプレバイオフィルミクス、ならびに/またはプロバイオティクス細菌の培養および/もしくは成長を支援する、2つもしくはこれを超える栄養物質および/もしくは補充物質を含有する混合物を含みうる。
【0106】
一部の実施形態では、プレバイオティクスは、イヌリン、オリゴフルクトース、フルクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、グルコース、マルトース、マルトデキストリン、ポリデキストロース、スクロース、フルクトース、ラクトース、イソマルツロース、ポリオール、グリセロール、およびこれらの組み合わせのうちの1または複数から選択されるがこれらに限定されない水溶性の炭水化物を含む。一態様では、組成物は、薬学的に許容される担体などの固体または液体担体をさらに含む。
【0107】
当業者に明らかな通り、プレバイオティクスおよびプレバイオフィルミクスは、各組成物中で、プロバイオティクス細菌の成長を特異的に支援するように選択する。例だけを目的として述べると、プロバイオティクス細菌が、L.reuteriを含む場合、組成物は、被験体または患者に投与されると、プロバイオティクスの成長および維持を支援するのに有効な量の、スクロースと、グリセロールと、任意選択で、HUポリペプチドまたはタンパク質とを含む。プレバイオフィルミクス組成物の非限定的な例は、限定されないが、配列番号1〜24に提示されるポリペプチド、それらのC末端断片、もしくはそれらのN末端断片、または表4に提示されるポリペプチドの全長もしくはC末端断片もしくはN末端断片など、さらなる株ならびにポリペプチドおよびそれらの断片、ならびにこれらの各々の同等物のうちの1または複数を含む。他のプロバイオティクス細菌を支援するためのさらなる栄養補充物質は、Bergey’s Manual of Determinative Bacteriology、9版、Holtら編、Williams Wilkins(1994年)において開示されている。
【0108】
組成物中の使用のためのプロバイオティクス細菌の非限定的な例は、限定されないが、L.acidophilus、L.crispatus、L.gasseri、群L.delbrueckii、L.salivarius、L.casei、L.paracasei、L.plantarum、L.rhamnosus、L.reuteri、L.brevis、L.buchneri、L.fermentum、L.rhamnosus、B.adolescentis、B.angulation、B.bifidum、B.breve、B.catenulatum、B.infantis、B.lactis、B.longum、B.pseudocatenulatum、S.thermophiles、またはこれらの組み合わせのうちの1または複数を含む。当業者に明らかな通り、1または複数の細菌は、単一の組成物中に組み合わせることができる。一部の実施形態では、プロバイオティクス細菌は、Lactobacillus reuteriである。細菌は、American Type Culture Collection(ATCC)など、市販品供給元から入手可能である。一態様では、組成物中の1または複数のプロバイオティクス細菌は、抗菌免疫を支援する。他の態様では、組成物中の1または複数のプロバイオティクス細菌は、サイトカインおよびケモカインの産生を下方調節することにより、病原体の生着を防止し、かつ/または過剰な炎症応答を制限する。一部の実施形態では、組成物は、薬剤をさらに含み、薬剤は、競合的病原体などの病原体に対して選択性である。
【0109】
生体適合性マイクロスフェアは、生体分解性ポリマー、非生体分解性ポリマー、金属、またはこれらの組み合わせのうちの1または複数を含む。一部の実施形態では、マイクロスフェアは、中実コアを含む。一部の実施形態では、マイクロスフェアは、中空コアを含む。一部の実施形態では、プレバイオティクスは、マイクロスフェアの中空コア内に封入されている。
【0110】
一態様では、本開示は、PLGA生体適合性マイクロスフェアと、1または複数のバイオフィルム生成性プロバイオティクス細菌と、プロバイオティクス細菌の成長を支援する量の、スクロースまたはグリセロールのうちの1または複数を含む栄養補充物質とを含むか、または代替的にこれらから本質的になるか、またはさらにはこれらからなる組成物を提供する。バイオフィルム生成性プロバイオティクス細菌は、Lactobacillus reuteri(「L.reuteri」)を含みうる。組成物は、有効量のHUポリペプチドまたはタンパク質をさらに含みうるか、または代替的にこれらから本質的になりうるか、またはさらにはこれらからなりうる。組成物はさらに、薬学的に許容される担体または生体適合性足場を含むことが可能であり、任意選択で、坐剤として製剤化される。
【0111】
マイクロスフェアのサイズは、約0.5ミクロン〜約100ミクロンの範囲でありうる。ある特定の実施形態では、マイクロスフェアは、約100ミクロン未満の直径である。他の実施形態では、マイクロスフェアは、約50ミクロン未満、または約40ミクロン未満、または約30ミクロン未満、約20ミクロン未満、約10ミクロン未満、または約5ミクロン未満、または3ミクロン未満〜0.5ミクロンの直径である。さらなる実施形態では、マイクロスフェアは、約0.5ミクロン〜約90ミクロン、または約0.5ミクロン〜約80ミクロン、または約0.5ミクロン〜約70ミクロン、または約0.5ミクロン〜約60ミクロン、または約0.5ミクロン〜約50ミクロン、または約0.5ミクロン〜約40ミクロン、または約0.5ミクロン〜約30ミクロン、または約0.5ミクロン〜約20ミクロン、または約0.5ミクロン〜約10ミクロン、または約0.5ミクロン〜約5ミクロン、または約0.5ミクロン〜約3ミクロン、または約0.5ミクロン〜約2ミクロン、または約0.5ミクロン〜約1ミクロンの直径である。代替的に、直径は、約1〜約100、または代替的に約1〜約75、または代替的に約1〜約50、または代替的に約1〜約25、または代替的に約1〜約15、または代替的に約1〜約10ミクロンの直径である。
【0112】
一部の実施形態では、マイクロスフェアは、生体分解性ポリマーであり、このような生体分解性ポリマーの非限定的な例は、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)(「PLGA」);ポリカプロラクトン(「PLC」);キトサン;ゼラチン;DNA水素;アセタール化デキストラン;ポリ(ラクチド);ポリ(グリコリド);ポリ(ラクチド−co−グリコリド);ポリ(乳酸);ポリ(グリコール酸);ポリ(乳酸−co−グリコール酸);ポリ(ラクチド)/ポリ(エチレングリコール)コポリマー;ポリ(グリコリド)/ポリ(エチレングリコール)コポリマー;ポリ(ラクチド−co−グリコリド)/ポリ(エチレングリコール)コポリマー;ポリ(乳酸)/ポリ(エチレングリコール)コポリマー;ポリ(グリコール酸)/ポリ(エチレングリコール)コポリマー;ポリ(乳酸−co−グリコール酸)/ポリ(エチレングリコール)コポリマー;ポリ(カプロラクトン);ポリ(カプロラクトン)/ポリ(エチレングリコール)コポリマー;ポリ(オルトエステル);ポリ(ホスファゼン);ポリ(ヒドロキシブチレート);ポリ(ヒドロキシブチレート);ポリ(ラクチド−co−カプロラクトン);ポリカーボネート;ポリエステルアミド;ポリ無水物;ポリ(ジオキサノン);ポリ(アルキレンアルキレート);ポリエチレングリコール/ポリオルトエステルコポリマー;ポリウレタン;ポリ(アミノ酸);ポリエーテルエステル;ポリアセタール;ポリシアノアクリレート;ポリ(オキシエチレン)/ポリ(オキシプロピレン)コポリマー;およびこれらの組み合わせを含む。一部の実施形態では、生体分解性ポリマーは、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)またはPLGAである。
【0113】
一部の実施形態では、マイクロスフェアは、非生体分解性ポリマーを含む。非生体分解性ポリマーの非限定的な例は、限定されないが、ポリ(エチレン酢酸ビニル)、ポリ(酢酸ビニル)、シリコーンポリマー、ポリウレタン、セルロース性ポリマーおよびセルロース誘導体、アシル置換酢酸セルロースおよびそれらの誘導体などの多糖、ポリ(エチレングリコール)とポリ(ブチレンテレフタレート)とのコポリマー、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリ(ビニルイミダゾール)、クロロスルホン化ポリオレフィン、ポリエチレンオキシド、ならびにこれらのコポリマーおよびブレンドのうちの1または複数を含む。
【0114】
一部の実施形態では、マイクロスフェアは、金属を含む。金属は、コバルト、クロム、金、ニッケル、白金、ステンレス鋼、チタン、タンタル、ニッケル−チタン、ならびにこれらの合金および組み合わせのうちの1または複数から選択されうるがこれらに限定されない。
【0115】
医薬組成物
組成物は、凍結組成物、例えば、保管および/または輸送のために、瞬時凍結させるか、乾燥させるか、または凍結乾燥させた組成物として製剤化することができる。加えて、組成物は、単独で投与することもでき、薬学的に許容される担体または生体適合性足場などの担体と組み合わせて投与することもできる。本発明の組成物は、従来の通り、坐剤として直腸内投与することもでき、注射による非経口投与、例えば、静脈内投与、皮下投与、または筋内投与することもできる。他の投与方式に適するさらなる製剤は、経口製剤を含む。経口製剤は、例えば、医薬グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなど、通常利用される賦形剤を含む。これらの組成物は、溶液剤、坐剤、懸濁剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、持続放出製剤、または散剤の形態をとり、約10%〜約95%、好ましくは約25%〜約70%の有効成分を含有する。
【0116】
組成物は、剤形に適合する方式で、かつ、処置される疾患または状態のために、治療的に有効な量で投与することが典型的である。投与される量は、処置される被験体に依存する。投与される組成物の正確な量は、医療従事者の判断に依存する。また、初回投与および追加投与(booster)に適するレジメンも、可変的であるが、初回投与に続いて、後続の投与を施すことにより典型となる。
【0117】
多くの場合、約、最大で約、または少なくとも約3、4、5、6、7、8、9、10日間またはこれを超えて、複数回にわたり組成物を投与することが望ましいであろう。投与は通常、2日間〜12週間間隔、より通例では、1〜2週間間隔の範囲であろう。免疫系の状態を維持するには、0.5〜5年間、通例、2年間の間隔での定期的な追加投与が望ましいことがある。
【0118】
一部の実施形態では、さらなる医薬組成物を被験体に投与して、本明細書で記載される組成物を支援または増強する。本発明の異なる態様は、有効量の組成物を被験体に投与することを伴う。加えて、このような組成物は、免疫系の修飾因子と組み合わせて投与することができる。このような組成物は一般に、薬学的に許容される担体または水性媒体中に溶解させるかまたは分散させる。
【0119】
「薬学的に許容される」または「薬理学的に許容される」という語句は、動物またはヒトに投与したときに、有害反応、アレルギー反応、または他の望ましくない反応をもたらさない、分子的実体および組成物を指す。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」は、ありとあらゆる溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤などを含む。当技術分野では、医薬活性物質のための、このような媒体および薬剤の使用が周知である。任意の従来の媒体または薬剤が、有効成分と不適合性である場合を除き、免疫原性組成物および治療用組成物中のその使用が想定される。
【0120】
担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリ(エチレングリコール)など)、それらの適切な混合物、および植物油を含有する溶媒または分散媒でありうる。適正な流動性は、例えば、レシチンなど、コーティングの使用により、分散液の場合は、要求される粒子サイズの維持により、かつ、界面活性剤の使用により維持することができる。望ましくない微生物の作用の防止は、多様な抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどによりもたらすことができる。多くの場合、等張剤、例えば、糖または塩化ナトリウムを含むことが好ましいであろう。注射用組成物の遅延吸収は、組成物中の、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの使用によりもたらすことができる。
【0121】
治療用組成物の有効量は、意図される目標に基づき決定する。「単位用量」または「投与量」という用語は、被験体における使用に適する、物理的に個別の単位を指し、各単位は、その投与、すなわち、適切な経路およびレジメンと関連して、上記で論じられた所望の応答をもたらすように計算された、所定量の組成物を含有する。処置回数および単位用量の両方に従い投与される量は、所望の結果および/または保護に依存する。組成物の正確な量はまた、医療従事者の判断にも依存し、各個体に特有である。用量に影響を及ぼす因子は、被験体の身体的状態および臨床状態、投与経路、意図される処置目標(症状の緩和 対 治癒)、ならびに効力、安定性、および特定の組成物の毒性を含む。製剤化されると、溶液は、剤形に適合する方式で、治療的または予防的に有効な量で投与されるであろう。製剤は、上記で記載した注射用溶液の種類など、様々な剤形で容易に投与される。
【0122】
組成物を調製するためのプロセス
本開示はまた、本明細書で記載される組成物を調製するための方法であって、生体適合性マイクロスフェアを、バイオフィルム生成性プロバイオティクス細菌およびプレバイオティクスと混合、接触または培養するステップを含むか、または代替的にこれらから本質的になるか、またはさらにはこれらからなる方法も提供する。一態様では、方法は、細菌によるバイオフィルムの形成および成長を支援するプレバイオフィルミクスを添加または混合するステップをさらに含む。このようなプレバイオフィルミクスの非限定的な例は、DNA結合性ポリペプチドもしくはタンパク質、および/またはDNABIIポリペプチドもしくはタンパク質のうちの1または複数を含む。方法において活用されるプレバイオティクスは、イヌリン、オリゴフルクトース、フルクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、グルコース、マルトース、マルトデキストリン、ポリデキストロース、スクロース、フルクトース、ラクトース、イソマルツロース、ポリオール、グリセロール、およびこれらの組み合わせのうちの1または複数から選択されうるがこれらに限定されない、水溶性の炭水化物を含む。
【0123】
治療方法
一部の実施形態では、被験体における疾患を処置または防止するための方法であって、上記で記載した有効量の組成物を、このような処置を必要とする被験体に投与するステップを含む方法が提供される。本明細書で使用される場合、「被験体」とは、動物(例えば、ネズミ科動物、ウシ科動物、イヌ科動物、ネコ科動物、ウマ科動物、サル科動物)またはヒトを意図する。処置される非限定的疾患は、うつ病または不安などの心理学的障害、腸管感染性疾患、感染誘導性大腸炎、旅行者下痢、炎症性腸疾患(IBD)、大腸炎、下痢性疾病、膣症(vaginosis)、創傷、火傷、乾癬、皮膚炎、歯齲蝕、歯周炎、副鼻腔炎、または健常な細菌(healthy bacteria)にとって代わる病原性細菌により引き起こされる慢性および/もしくは再発性疾患のうちのいずれか、または壊死性腸炎(NEC)を含むがこれらに限定されない。加えて、組成物は、抗菌免疫を支援するか、消化管バリアを増強もしくは支援するか、または疾患に関連する細菌感染に拮抗するためにも投与することができる。一部の実施形態では、疾患は、膣症である。一部の実施形態では、疾患は、大腸炎または旅行者下痢である。当業者に明らかな通り、組成物は、処置される疾患のために、特異的に選択される。一部の実施形態では、組成物は、プレバイオフィルミクスをさらに含む。一部の実施形態では、プレバイオフィルミクスは、DNA結合性ポリペプチドもしくはタンパク質、および/またはDNABIIポリペプチドもしくはタンパク質、例えば、HU、その断片、および/またはそれら各々の同等物を含む。一部の実施形態では、組成物を、坐剤として投与する。
【0124】
一部の実施形態では、方法の組成物を、約1×10
7〜約1×10
9CFU/mlのバイオフィルム生成性プロバイオティクス細菌を提供するように投与する。一部の実施形態では、組成物を、約6、12、18、24、36、48、および72時間で投与する。一部の実施形態では、組成物を、単回用量で投与する。
【0125】
一部の実施形態では、プロバイオティクスを投与する方法であって、生体適合性マイクロスフェア、バイオフィルム生成性プロバイオティクス細菌、プレバイオティクス、およびプレバイオフィルミクスを含むか、または代替的にこれらから本質的になるか、なおまたはこれらからなる、ある用量の上記の組成物を、このような処置を必要とする被験体に投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、方法の組成物を、約1×10
7〜約1×10
9CFU/mlのバイオフィルム生成性プロバイオティクス細菌を提供するように投与する。一部の実施形態では、組成物を、約6、12、18、24、36、48、および72時間で投与する。一部の実施形態では、組成物を、単回用量で投与する。
【0126】
キット
一部の実施形態では、本明細書で記載される、1または複数の組成物を含有するキットが提供される。キットは、上記の組成物と、使用のための指示書とを含むか、または代替的にこれらから本質的になるか、またはさらにはこれらからなる。代替的に、キットは、マイクロスフェアと、上記の組成物を作製するための指示書とを含む。一態様ではまた、細菌およびプレバイオティクスも、キットにおいて提供される。
【実施例】
【0127】
(実施例1)
バイオフィルム状態のL.reuteriが、マウスの胃腸内の定着のために、プランクトン様細菌より優れているかどうかを決定するために、L.reuteriを、経口胃管栄養法を介して導入したが、プランクトン様細菌の保持および有益な効果のために典型的に必要とされる(15、41)、毎日の経口胃管栄養法を繰り返す代わりに、L.reuteriの単回投与を提供した。L.reuteriは、バイオフィルム培養物中、またはポリ(乳酸−co−グリコール酸)(PLGA)マイクロスフェア、もしくはFDAで承認済みであり、生体分解性で(乳酸およびグリコール酸へと加水分解され)、直径を20〜300μmの範囲とする、他のマイクロスフェア(Beerら、(1998年)Poly (Lactic−Glycolic) Acid Copolymer Encapsulation of Recombinant Adenovirus Reduces Immunogenicity in Vivo、Gene Ther、5巻、740〜6頁;Kumariら、(2010年)Biodegradable Polymeric Nanoparticles Based Drug Delivery Systems、Colloids Surf B Biointerfaces、75巻、1〜18頁)上で成長するバイオフィルム内で成長させた。
【0128】
プランクトン様細菌の同様の調製物を調製したが、PLGAマイクロスフェアおよびプレバイオフィルミクスを、胃管栄養法の直前に添加した。
図3において示される通り、7日後にL.reuteriがマウス結腸内で検出されたマウスの数は、プランクトン様で成長させた細胞と比べて、バイオフィルムとして導入された場合に増大した。また、PLGAの存在も、細菌がプランクトン様状態であるか、バイオフィルム状態であるかに関わらず、L.reuteriについて陽性であるマウスの数を、PLGAが存在しない条件と比較して増大させたが、これは、この短い相互作用(30分間未満)の間であってもなお、L.reuteriが、バイオフィルム形成の前段階である、PLGAへの付着を開始しうることを示しうる。胃では、全てのマウスがL.reuteriを保持する唯一の条件は、PLGAを添加したバイオフィルムで成長させた細胞であった。したがって、PLGAの存在下にあるバイオフィルム内でL.reuteriを成長させることにより、胃内および結腸内の生着および存続が、プランクトン様で成長させた細胞の場合と比較して増強されることが明らかである。
【0129】
(実施例2)
in vitroにおける、L.reuteri 対 C.rodentium L.reuteriが、in vitroにおけるバイオフィルムとして、またはプランクトン様状態において、C.rodentiumと良好に競合する能力を有するかどうかを決定するため、競合アッセイを開発した。本実施例では、C.rodentiumバイオフィルムを、ガラス製スライドチャンバー(LB培地、24時間、37℃、5%のCO2)内であらかじめ形成した。次いで、L.reuteri(108コロニー形成単位(CFU))を、両方の生物に適合する培地中のプランクトン様形態として、または3つのバイオフィルム形態のうちの1つ(バイオフィルム、PLGAバイオフィルム、PLGA+HUバイオフィルム;
図3における通りの調製)による処理として添加した。16時間後、スライドチャンバーのバイオフィルム内容物を取り出し、アリコートを、L.reuteri(MRS)およびC.rodentium(LB)に選択的な培地上で平板培養した。L.reuteriバイオフィルムで処理されたC.rodentiumは、導入されたL.reuteriの状態に関わらず、非処理の場合と比較して、1ml当たりのCFUに2分の1未満の減少を示した(表1)。より興味深いことは、16時間の攻撃の間、全てのL.reuteriが増殖したが、バイオフィルムの形態で導入されたL.reuteriは、プランクトン様形態で添加される場合の10倍を超えるCFUをもたらしたことである。
【表1】
【0130】
逆の実験では、L.reuteriバイオフィルムをまず導入し、次いで、プランクトン様形態およびバイオフィルム形態のC.rodentium(10
8CFU)で処理した。前の実験とは対照的に、L.reuteriは、C.rodentiumの存在に関わらず、10倍を超えてCFUが増大する増殖がなおも可能(条件間の差異は2倍未満)であったが、C.rodentiumは、16時間の攻撃の間に増殖せず、プランクトン様で導入した場合は、実際にはCFUが低減された。これらのin vitro結果は、C.rodentiumバイオフィルムを、L.reuteriにより、効果的に攻撃することが可能であり、バイオフィルム状態で導入された場合、L.reuteriは、プランクトン様細胞より良好に存続することを示す。さらに、あらかじめ形成されたL.reuteriバイオフィルムは、プランクトン様C.rodentiumによる攻撃が確立されるのには適さない環境を創出する。
【0131】
(実施例3)
in vivoにおける、L.reuteri 対 C.rodentium
L.reuteriが、in vivoにおけるバイオフィルムとして、またはプランクトン様状態において、C.rodentiumとより良好に競合する能力を有するかどうかを決定するため、公表されている競合アッセイのあるバージョンを活用した(Mackosら、(2013年)Probiotic Lactobacillus reuteri Attenuates the Stressor−Enhanced Severity of Citrobacter Rodentium Infection、Infect Immun、81巻、3253〜63頁)。略述すると、L.reuteriを、上記で記載した通りに、経口胃管栄養法により、マウスに導入した(in vivoにおける、プランクトン様L.reuteri対L.reuteriバイオフィルム)。12時間後、同等数のプランクトン様C.rodentiumもまた、胃管栄養法により添加した。12日後、全てのマウスを剖検のために屠殺した。プランクトン様L.reuteriの毎日の用量により、C.rodentiumによる刷子縁上皮の透過および脾臓への伝播を阻止することが可能であることを示す、公表されている研究(Mackosら、(2013年)Probiotic Lactobacillus reuteri Attenuates the Stressor−Enhanced Severity of Citrobacter rodentium Infection、Infect Immun、81巻、3253〜63頁)と異なり、単回用量による、プレバイオフィルミクスで処理されたL.reuteriバイオフィルム内では、C.rodentiumによる脾臓への透過において、統計学的に有意な10分の1の低下が見られた(
図4)。この結果は、プレバイオフィルミクスで処理されたプロバイオティクスバイオフィルムが、in vivoにおいて、より耐久性の高い表現型を示す程度および頑健性と符合する。
【0132】
(実施例4)
プロバイオティクス治療用バイオフィルムの、耐久性および頑健性についての特徴付け
本実施例は、バイオフィルム状態のプロバイオティクスが、プランクトン様で成長させた細菌より優れた製剤をもたらすという強力な証拠を提示している。本実施例はまた、これらのバイオフィルムをどのようにして調製するのかについての1つの例であって、投与頻度を含む例も提示する。加えて、本実施例では、バイオフィルム状態がプランクトン様細菌よりも優れている理由を決定する端緒となるように、バイオフィルム自体の性質を検討する。最後に、本実施例では、ヒト宿主内で実施する低減の前段階として、調製物の保管寿命を検討する。まとめると、本実施例では、プロバイオティクスのバイオフィルム調製物のための条件および構成要素を同定し、特徴付ける。
【0133】
(実施例4.1)
成長相の効果
L.reuteriは、in vitroにおいて、頑健なバイオフィルムを形成し、24時齢バイオフィルム内のL.reuteriが、マウスの胃腸内に良好に定着することが示された。本実施例では、バイオフィルムの時齢(age)を変化させて、バイオフィルムの定着に最適な時齢を決定する。
【0134】
in vivoにおけるL.reuteriバイオフィルム。L.reuteriは、表面へと曝露されると、ほぼ即時的に付着し始める。6時間後、目視可能であり、かつ、古典的なバイオフィルム構造(例えば、キノコ、AbeeおよびKuipers(2011年)Understanding Microbial Behavior within and Outside the Host to Improve Food Functionality and Safety、Curr Opin Biotechnol、22巻、133〜5頁)の形成を始めるのに十分なバイオマスがもたらされた。CFU(108)に対して正規化し、胃管栄養法により、それらをマウス(三連の実験に由来する、時点1つ当たり9例ずつ)に導入して、HUおよび仔ウシ胸腺DNAを伴うPGLAマイクロスフェア上で成長させた(上記で記載した通りに)、L.reuteriバイオフィルムを、約6、12、18、24、36、48、および72時間で単離する。各マウスは、糞便試料(MRS寒天上で培養される)中の総乳酸菌レベルを12日間にわたり毎日カウントすることにより評価する。
【0135】
加えて、本実施例では、リアルタイムPCR法を使用して、Lactobacillus属(プライマー特異性に関する困難のために、Weisella、Pediococcus、およびLeuconostocの一部の種を含む)、および、具体的には、L.reuteriについて、16S rRNA遺伝子配列コピー数を評価する。16S rRNA遺伝子コピー数は、糞便中で12日間にわたり毎日決定するほか、結腸内、盲腸内、小腸内(回腸内、空腸内、および十二指腸内を含む)、および胃内(噴門洞内を含む)でも、リアルタイムPCRを使用して、経口接種後1、3、6、および12日目において決定する。プランクトン様細胞を伴う偽処置(sham)マウスおよびプランクトン様細胞を伴わない偽処置マウスを対照として用いる。バイオフィルムで成長させたL.reuteriで処置されたマウスにおけるL.reuteriレベルの、偽処置マウスまたはプランクトン様処置マウスと比較した顕著な上昇は、耐久性および頑健性の指標である。
【0136】
(実施例4.2)
成長条件の効果
現在までのところ、成長条件の1つのセットである、MRS培地中、37℃の静置培養(JonesおよびVersalovic、(2009年)Probiotic Lactobacillus reuteri Biofilms Produce Antimicrobial and Anti−Inflammatory Factors、BMC Microbiol、9巻:35頁)が使用されている。網羅的なリストではないが、本明細書の本実施例では、培地、プレバイオフィルミクスのほか、pHおよび好気性(aerobicity)も変化させる。
【0137】
in vitroにおける種々の成長条件。L.reuteriは、各培地中、多様な程度で成長するので、本実施例では、LB、THYE(酵母抽出物を伴うTHB)、mTSB(修飾トリプシンダイズ培養液)を含むMRSの代わりに、バイオフィルムを成長させる他の培地を使用する。加えて、L.reuteriの成長は、より酸性の条件下が好適であるので、本実施例ではまた、出発pHも、約5.5、6、6.5、または7に変化させる。L.reuteriは、5%のCO2下で微好気的に成長しうるが、ストレス性条件がバイオフィルムの成長に好適な場合もあり(FlemmingおよびWingender、(2010年)The Biofilm Matrix、Nat Rev Microbiol、8巻、623〜33頁)、本明細書ではまた、L.reuteriバイオフィルムを、空気中または酸素の非存在下でも成長させる(嫌気性チャンバー)。最後に、本実施例では、HU(約0.1、1、10、100μg/ml)および仔ウシ胸腺DNA(約0.1、1、10、100μg/ml)のプレバイオフィルミクスを変化させる。前述のバイオフィルムは全て、LIVE/DEAD(登録商標)染色によるCSLMにより、頑健な成長の指標としての、高さ、平均厚さ、およびバイオマスについて、三連で評価する。
【0138】
in vivoにおける種々の成長条件。バイオフィルムの成長に最適な条件を、初期標準条件ならびにバイオフィルムの創出が最も不良な条件(対照)の両方に対して比較する。バイオフィルムを、実施例4.1で最適化された条件下で、経口胃管栄養法により、各試験について、9匹のマウス(三連の実験に由来する)に導入する。プランクトン様細胞を伴う偽処置マウスおよびプランクトン様細胞を伴わない偽処置マウスを対照として用いる。L.reuteriレベルは、実施例4.1における通りに、攻撃後の1、3、6、および12日目において、評価する。
【0139】
(実施例4.3)
細菌投与の効果
L.reuteriの投与;頻度およびサイズ。投与の頻度および/またはサイズにより、L.reuteriの導入の耐久性および頑健性が改善されるかどうかを決定する。L.reuteriバイオフィルムを、HUおよび仔ウシ胸腺DNAを添加したPLGAマイクロスフェア上で、24時間(または実施例4.1および4.2で決定された時齢条件)にわたり成長させる。L.reuteriバイオフィルムを、経口胃管栄養法により、マウスに導入し、用量(10
7、10
8、および10
9CFU)ならびに頻度(単回用量、または毎日用量で最長3日にわたる)を変化させる行列を創出し、9つの異なる条件をもたらす。L.reuteriレベルは、実施例4.1で概括した通り、in vivoで、胃管栄養法後1、3、6、および12日目において評価する。各時点における各条件について、9匹のマウス(三連の実験に由来する)を使用する。プランクトン様細胞を伴う偽処置マウスおよびプランクトン様細胞を伴わない偽処置マウスを対照として用いる。
【0140】
(実施例4.4)
分散したバイオフィルム細菌の試験
分散したバイオフィルム由来L.reuteriの試験。分散した細菌を、マウスの胃腸内のそれらの耐久性および頑健性について検討する。L.reuteriバイオフィルムは、DNABIIファミリーメンバー(例えば、E.coli IHF)に対する抗血清により分散させることができる。本明細書の本実施例では、抗IHF処理に起因して放出(分散)された細菌について調べる。スライドチャンバー内で成長させた、24時齢L.reuteriバイオフィルム(分散を促進するように、PLGA、HU、またはDNAを添加しない)を、抗IHFで処理する(20)。分散のピークは、処理の約8〜12時間後である(Goodmanら(2011年)Biofilms Can Be Dispersed by Focusing the Immune System on a Common Family of Bacterial Nucleoid−Associated Proteins、Mucosal Immunol、4巻、625〜37頁)ので、抗体処理の12時間後に分散したL.reuteriを含有する馴化培地を、経口胃管栄養法によるマウスへの導入のために使用する。L.reuteriレベルは、実施例4.1で概括した通り、in vivoで、攻撃後1、3、6、および12日目において評価する。プランクトン様細菌を使用する対照と、最適化されたバイオフィルム細菌とを同様数とする(実施例4.1〜4.3)、各時点について、9匹のマウス(三連の実験に由来する)を使用する。
【0141】
バイオフィルムは、胃腸内のプロバイオティクス細菌の定着、存続、および持続性に優れていることが見出される。プランクトン様細菌より優れた特徴を保有するのは、バイオフィルム自体ではなく、バイオフィルムから分散した細菌である。事実上、バイオフィルムは、分散された細菌の生成器として作用するであろう。実際、分散した細菌の、実験室で成長させたプランクトン様細菌と比較した生理学的差異(例えば、抗生物質感受性の差異)が観察されている。
【0142】
(実施例4.5)
保管寿命
実施の低減および使用の容易さのために、L.reuteri調製物は、十分に安定的な形態であることが必要である。
【0143】
凍結。L.reuteriバイオフィルムを瞬時凍結させ、CFUおよび最小阻害濃度またはMIC(2mg/mlを超えるアンピシリン;プランクトン様L.reuteriのMICは、4μg/ml未満である)の減少は見出されなかったことから、L.reuteriは、そのバイオフィルム状態の少なくとも1つの特性であり、MICの増強を保持することが示唆される。グリセロール(凍結保護剤(cryo−protectant);実施例2もまた参照されたい)を含むおよび含まない−20℃および−80℃への周囲空気中での凍結のために、ならびに−80℃への瞬時凍結(新鮮に調製した細菌懸濁物を含む保存用チューブを、ドライアイス−エタノール中に入れる)のために最適化されたL.reuteriバイオフィルム(実施例4.1〜4.3)を検討する。
【0144】
培地をまず除去し、結果として得られるバイオフィルムをこすり取り、凍結するように処理する。細菌を、これらの温度で、1日間、1週間、または1カ月間にわたり保存し、次いで、経口胃管栄養法によるマウスへの導入に使用するように、周囲室温で解凍する。プランクトン様細菌を使用する対照と、最適化されたバイオフィルム細菌とを同様数とする(実施例4.1〜4.3)、三連の実験に由来する9匹のマウスを使用する。各マウスは、実施例4.1における通りに評価する。
【0145】
乾燥。実施例4.5における、最適化された技法を使用する凍結の後の凍結乾燥により最適化されたL.reuteriバイオフィルム(実施例4.1〜4.3)を検討する。乾燥細菌は、室温で、約1日間、1週間、または1カ月間にわたり保存し、次いで、胃管栄養法によるマウスへの導入に使用するように、周囲室温で、元のバイオフィルム容量の滅菌蒸留水により再び湿潤化する(rehydrate)。プランクトン様細菌を使用する対照と、最適化されたバイオフィルム細菌とを同様数とする(実施例4.1〜4.3)、三連の実験に由来する9匹のマウスを使用する。各マウスは、実施例4.1における通りに評価する。
【0146】
最後に、1つのL.reuteri(ATCC23272)株を活用する。また、L.reuteriのさらなる株(例えば、100−23株、ATCCPTA6475、ATCC55730)も、株の差異を評価するのに検討する。さらなる対照として、市販のL.reuteri株(1錠当たり約1億CFUの、Fleet(登録商標)Pedia−Lax(商標)Probiotic Yums(商標)、1分量(serving)(5滴、約200ul)当たり約1億CFUの、L.reuteri Protectis(登録商標)DSM 17938およびGerber(登録商標)Soothe Colic Drops、L.reuteri Protectis(登録商標)DSM 17938)を検討する。本実施例は、各製品を水中で溶解させ、C.rodentiumとのin vitro競合実験において、それらを直接使用することにより、各製品が、プランクトン様形態のL.reuteri株と同等程度であることが示されることを見出す。
【0147】
(実施例5)
プロバイオティクスバイオフィルムの耐久性および頑健性を促進する、生体分解性表面およびプレバイオティクス物質の同定および特徴付け
他の種類のマイクロスフェア、ならびにプロバイオティクスの成長を促進し得るか病原体を阻害し得る固有のカーゴも、探索される。
【0148】
(実施例5.1)
空のマイクロスフェアの試験
本実施例では、in vitroにおける空のマイクロスフェアである、DNA、ゼラチン、ポリ乳酸、ポリ−α−カプロラクトン、キトサン、およびアセタール化デキストランについて検討する。
【0149】
PLGAマイクロスフェアを、バイオフィルムを成長させる表面として活用するが、目標に有利であると証明され得る他のFDA承認済みまたはGRASの生体分解性マイクロスフェアが存在する。表2において示される通り、5つのさらなる種類のマイクロスフェアを検討する(F. Chellatら、(2000年)In Vitro and in Vivo Biocompatibility of Chitosan−Xanthan Polyionic Complex、J Biomed Mater Res.、51巻、107〜16頁;D. Costaら、(2012年)Swelling Behavior of a New Biocompatible Plasmid DNA Hydrogel、Colloids Surf B Biointerfaces、92巻、106〜12頁;Kauffmanら、(2012年)Synthesis and Characterization of Acetalated Dextran Polymer and Microparticles with Ethanol as a Degradation Product、ACS Appl Mater Interfaces、4巻、4149〜55頁;Kumariら、(2010年)Biodegradable Polymeric Nanoparticles
Based Drug Delivery Systems、Colloids Surf B Biointerfaces、75巻、1〜18頁;Sinhaら、(2004年)Poly−Epsilon−Caprolactone Microspheres and Nanospheres: An Overview、Int J Pharm、278巻、1〜23頁;TopuzおよびO. Okay、(2009年)Formation of Hydrogels by Simultaneous Denaturation and Cross−Linking of DNA、Biomacromolecules、10巻、2652〜61頁)。したがって、DNAは、バイオフィルムのためのEPSの基礎であるので、マイクロスフェア材料として使用することができる。
【0150】
本実施例は、実施例4による、in vitroおよびin vivoにおける最適化戦略の例である。表2および実施例4.1〜4.5における材料からマイクロスフェアを構築する。初期の測定規準としての、高さ、厚さ、およびバイオマスを使用する、in vitroにおける頑健なバイオフィルムの成長を支援しなかったマイクロスフェアは、もはや検討しない。同様に、その後、in vivoの測定規準において、プランクトン様細菌を上回らなかったマイクロスフェアの種類もまた、もはや検討しない。また、細菌を伴う保管寿命および細菌を伴わない保管寿命、低pH(胃内の条件)における安定性も想定する。
【表2】
【0151】
(実施例5.2)
カーゴとしてプロバイオティクスに好適な、プレバイオティクス栄養物質および添加剤の試験
PLGAのカーゴは、マイクロスフェアの加水分解速度と比べて、ゆっくりと拡散するか、またはさらに全く拡散しないことが公知である(Fredenbergら(2011年)The Mechanisms of Drug Release in Poly(Lactic−Co−Glycolic Acid)−Based Drug Delivery Systems−−a Review、Int J Pharm、415巻、34〜52頁)。本実施例では、プレバイオティクスカーゴを伴うマイクロスフェアを合成し、in vitroおよびin vivoのマウスモデルにおいて、L.reuteriの成長を支援するそれらの能力について評価した。
【0152】
本実施例では、栄養物質について、in vitroにおいて検討する。初期試験として、カーゴを、それらの合成中に、PLGAマイクロスフェアにロードする(マイクロスフェアの内部に封入されるように)。これらのカーゴは、乳酸菌の成長を支援するので、イヌリン、フルクトオリゴ糖、およびガラクトオリゴ糖を含むがこれらに限定されない。加えて、MRS培地は、それらの一部が病原体であるグラム陰性菌に制約され、グリセロールは、ロイテリン(reuterin)(L.reuteriに、競合細菌に対する利点をもたらすと考えられる抗微生物分子)の産生を刺激するので、MRS培地および/またはグリセロールを伴うマイクロスフェアを作製する。これらのマイクロスフェア上のL.reuteriバイオフィルムの成長は、実施例4(または改変体マイクロスフェアを伴う実施例5.1)において観察される条件で実施し、高さ、厚さ、およびバイオマスについて、CSLMにより判定する。
【0153】
本実施例では、プレバイオフィルミクスについて、in vitroにおいて調べる。実施例4.2における通り、PLGAマイクロスフェア(および実施例5.1によるマイクロスフェアの種類)内のカーゴであって、in vitroにおけるバイオフィルムの成長を支援するカーゴとしての、プレバイオフィルミクス(HUおよびDNA)の能力を検討した。各場合に、バイオフィルムを、実施例4において観察される条件下で、HUおよび/またはDNAの存在下で(マイクロスフェアの内部に封入されるように)合成されたマイクロスフェアと共に成長させ、高さ、厚さ、およびバイオマスについて、CSLMにより判定する。
【0154】
本実施例では、プレバイオティクスとプレバイオフィルミクスとの組み合わせについて、in vitroにおいて調べる。本実施例では、2つのプロバイオティクスと、2つのプレバイオフィルミクスカーゴとの組み合わせ(2つずつによる全部で16通りの組み合わせ、3つずつによる全部で4通りの組み合わせ、および4つ全てによる単一の組み合わせで、合計21通りの組み合わせとなる)についての行列を創出して、適切なプレバイオティクスまたはプレバイオフィルミクスを見出す。各場合に、バイオフィルムを、実施例1において観察される条件下で、カーゴの存在下で合成されたPLGAマイクロスフェア(および実施例5.1によるマイクロスフェアの種類)と共に成長させ、高さ、厚さ、およびバイオマスについて、CSLMにより判定する。
【0155】
本実施例では、最適化された成分について、in vivoにおいて調べる。バイオフィルムをもたらした実施例5.2による条件を、in vivo実験に使用する。PLGAマイクロスフェアカーゴ(または実施例5.1による、2つの最も有望なPLGA、および2つの最も有望な、他の種類のマイクロスフェア)についての、4つの最も有望な条件について、各々が三連の実験に由来する9匹のマウスにおいて調べる。各マウスは、実施例4.1における通りに、L.reuteriの導入後1、3、6、および12日目において評価する。偽処置マウス(細菌なし)およびプランクトン様細菌を対照として用いる。
【0156】
(実施例5.3)
病原体を妨害するプレバイオティクス栄養物質
多様なプロバイオティクスカーゴを含有するマイクロスフェアについて検討して、それらが、病原体バイオフィルムの成長を支援するかどうかを決定する。プレバイオフィルミクスを含有するマイクロスフェアを、病原体(すなわち、C.rodentium DBS120株(pCRP1::Tn5))ならびにプロバイオティクスと接触させる。
【0157】
本実施例では、病原体妨害性栄養物質について、in vitroにおいて調べる。実施例5.2による、同じプレバイオティクスおよびプレバイオフィルミクス物質を、in vitroにおいてバイオフィルムを成長させるカーゴとして使用する。C.rodentiumを、LB培地中で成長させ、PLGAおよび前述のカーゴを伴うバイオフィルムを播種するのに使用する。バイオフィルムを、空のPLGAマイクロスフェアと比較して、高さ、厚さ、およびバイオマスについて、CSLMにより判定する。
【0158】
本実施例では、病原体妨害性栄養物質について、in vivoにおいて調べる。実施例5.3におけるin vitroバイオフィルムデータからの結果を考慮して、C.rodentiumバイオフィルムの成長のための4つのカーゴ、およびin vivoのマウスモデルにおけるそれらの使用について検討する。時点1つ当たり、各条件について、9匹のマウス(三連の実験に由来する)を、対照としてのプランクトン様C.rodentiumおよび偽処置(細菌なし)と共に使用する。糞便中のC.rodentiumレベルは、培養物を介して、経口C.rodentium投与後の全ての日数において決定する。経口C.rodentium投与後1、6、12、および24日目において、結腸を取り出し、長手方向に離断して、リアルタイムRT−PCRを介して、結腸の半分において、炎症性サイトカイン(例えば、TNF−α)、炎症性メディエーター(例えば、誘導性一酸化窒素シンターゼ(iNOS))、およびケモカイン(例えば、CCL2)を評価し得る。組織のうちの第二の半分では、免疫組織化学を使用して、白血球(例えば、F4/80+マクロファージ;ミエロペルオキシダーゼ(MPO)+多形核細胞)の結腸への浸潤について評価する。前述の免疫構成要素は、C.rodentiumに対する防御的免疫に必要であるが、過剰に産生されると、組織損傷性大腸炎をもたらしうる。したがって、結腸病態は、組織のうちの第二の半分におけるH&E染色を介して評価する。
【0159】
したがって、マイクロスフェアバイオフィルム調製物は、代替的な種類のマイクロスフェアおよび様々なカーゴを含みうる。本出願人らの考えでは、バイオフィルム(表面と関係なく)は、in vivoにおける播種時のプロバイオティクスによる生着において、プランクトン様細菌より優れている。
【0160】
カーゴの非限定的な例は、限定されないが、腸内菌共生バランス失調をもたらす過程の一部である炎症を低減する生得免疫の特異的エフェクターを含む。例えば、L.reuteriは、そのような物質を産生するので、マイクロスフェアは、L.reuteriに由来する馴化培地を含みうる。同様に、腸内菌共生バランス失調に起因する病態については一般に、他の細菌、例えば、C.rodentiumおよびL.reuteriは、本開示の範囲内にある。
【0161】
(実施例6)
マウス胃腸の腸管病原性細菌であるC.rodentiumを制限または置換するL.reuteriの能力についての特徴付け
前の実施例では、マウスの胃腸内で良好な耐久性および頑健性を伴う、L.reuteriバイオフィルムを創出する手段を同定し、特徴付ける一方で、また、これらの条件が、どのようにして、マウス腸管病原性C.rodentiumに影響を及ぼしうるのかについても検討した。本実施例では、L.reuteriバイオフィルムの製剤について検討して、それらが、C.rodentiumの影響を低減しうるか、またはさらに、導入されているかもしくは現存する病原体を部分的に除去しうるかを決定する。
【0162】
(実施例6.1)
C.rodentiumの攻撃における、最適化されたL.reuteriバイオフィルムの成長条件の試験;L.reuteriの作製 in vitroにおける、L.reuteriに対する、C.rodentiumによる攻撃。本実施例では、条件のうちのいずれが、C.rodentiumによる攻撃に対する、L.reuteriによる予防を改善するかを体系的に決定する。表3において示される通り、本実施例では、L.reuteriを、バイオフィルム(種々の時齢を反映するために、約12、24、および48時齢のバイオフィルム)内で成長させ、次いで、種々の量のプランクトン様C.rodentium(10
7、10
8、および10
9CFU)で処理する、in vitroにおける実験を体系的に実施する。実施例4.2(例えば、プレバイオフィルミクスに関して、攻撃のための培地は、両方の細菌種の成長を少なくとも促進とすることが必要とするため)のほか、2.1、2.2、および2.3による、L.reuteriバイオフィルムの成長条件について検討する。混合されたバイオフィルムを、処理の12または24時間後に、選択性培地上のCSLMおよびプレートのカウントにより評価して、各条件下で、どちらの種の構築および数が優勢であるかを決定する。対照は、各条件下で、他方の細菌種を伴わない各細菌種(例えば、各スライドチャンバー内で、L.reuteriを伴わずに、PLGAマイクロスフェアに添加されるC.rodentium)を含む。全ての実験は、三連で行う。
【表3】
【0163】
in vivoにおける、L.reuteriに対する、C.rodentiumによる攻撃。動物への導入のためのL.reuteriバイオフィルム調製物には、観察されるL.reuteriの最大の保持または優位に基づき優先順位をつける。加えて、L.reuteriは、実施例4.1、4.4、および4.5に由来する何らかの成功に基づいて調製する。一般に、L.reuteriバイオフィルムを、C.rodentiumによる経口攻撃の12時間前に導入する。三連の実験は、攻撃の1、6、12、および24日後(ピークのC.rodentium感染は、約12日目に生じる)において評価される、各条件および各時点につき9匹のマウスによる最終試料サイズについて実行する。糞便中のC.rodentiumレベルを評価し、病原体誘導性大腸炎は、実施例5.3における通りに評価する。L.reuteriレベルはまた、実施例4.1における通りにも評価する。いずれの場合にも、対照は、L.reuteriを伴わないC.rodentiumと、プランクトン様L.reuteriを加えたC.rodentiumによる攻撃とを含む。
【0164】
(実施例6.2)
攻撃投与の条件の試験
in vivoにおける、C.rodentiumによる攻撃を伴う、L.reuteriの投与頻度および時期。本明細書の本実施例では、L.reuteriの投与が、C.rodentiumによる攻撃に対する予防薬として作用するその能力に、どのようにして影響を及ぼすのかについて調べる。本実施例では、実施例4.3に由来する、最も頑健で持続する結果を反映する、上位3つのL.reuteri投与条件に優先順位をつける。次いで、本実施例では、これらの条件を使用して、これらの、L.reuteriで処置されたマウスを、C.rodentiumで攻撃する(最終回のL.reuteri処置の約12、24、または36時間後)。各条件および各時点について、9匹のマウス(三連の実験に由来する)を使用する。C.rodentiumおよび単回のプランクトン様L.reuteriで感染させたビヒクルマウスを対照として用いる。C.rodentiumレベルおよび病原体誘導性大腸炎は、実施例5.3における通りに、攻撃後の1、6、12、および24日目において評価し、L.reuteriレベルを実施例4.1における通りに評価する。
【0165】
(実施例6.3)
実施例6.1および6.2における結果に基づく、病原性処理の後の治療用プロバイオティクスによる攻撃の試験
実施例6.1および6.2では、C.rodentiumにより引き起こされる病態に対する予防薬としてのL.reuteriを使用するための条件を最適化した。本実施例では、C.rodentiumを、L.reuteriの前に導入して、L.reuteriによる攻撃が、現存するC.rodentiumによる病因に対してどのような効果を及ぼすかを決定した。
【0166】
in vitroにおける、C.rodentiumに対する、L.reuteriバイオフィルムによる攻撃。本実施例は、L.reuteriバイオフィルムが、C.rodentiumバイオフィルムを、プランクトン様L.reuteriより効果的に攻撃したことを示す。本実施例では、実施例6.1による3つの条件に従ってパターン化された条件下でバイオフィルム形態にあるL.reuteriを使用する。略述すると、C.rodentiumバイオフィルム(12、24、または36時齢)を、L.reuteriバイオフィルム(10
7、10
8、および10
9CFU)で攻撃する。混合されたバイオフィルムは、L.reuteriによる、C.rodentiumバイオフィルムに対する攻撃の12または24時間後に、選択性培地上のCSLMおよびプレートのカウントにより評価して、各条件下で、どちらの種の構築および数が優勢であるかをそれぞれ決定する。対照は、各条件下で、他方の細菌種を伴わない各細菌種(例えば、C.rodentiumが現存しないスライドチャンバーへのL.reuteriの添加)を含む。全ての実験は、三連で行う。
【0167】
in vivoにおける、C.rodentiumに対する、L.reuteriバイオフィルムによる攻撃。本明細書の本実施例では、L.reuteriバイオフィルムが、マウスモデルにおける先にあるC.rodentium感染を攻撃しうるかどうかを決定する。L.reuteriによる攻撃の前における、3つの異なるC.rodentium条件(単回胃管栄養法の12、24、または36時間)について検討した。投与を含む、4つのL.reuteriバイオフィルム条件(実施例6.2)を使用して、C.rodentiumを攻撃する。これらの条件のうちの少なくとも2つは、実施例6.1に由来する。三連の実験に由来する9匹のマウスを使用して、これらの12の条件の各々について調べる。病原体誘導性大腸炎は、実施例5.3における通りに評価し、L.reuteriレベルを実施例4.1における通りに評価する。
【0168】
本明細書の、本実施例では、バイオフィルムの形態で導入されたL.reuteriは、C.rodentiumによる攻撃に対する予防薬として、かつ、現存するC.rodentium感染のための処置として、どれほど効果的であるかを決定する。現在まで、条件下のL.reuteriは、C.rodentiumのような病原体を除去できていないため、プロバイオティクスが、腸管病原性感染を、防止しうるか、またはさらに治癒させうる条件を見出しうるかどうかは特に重要である。本明細書の結果は、将来のプロバイオティクス手法の根拠をもたらす。
【0169】
最後に、in vitroアッセイを、将来のin vivo実験の前段階として、他の病原体について実施する。in vitro調査に含まれる病原体は、感染方式が異なる腸管病原体であって、侵襲性病原体(例えば、Salmonella enterica subspecies TyphimuriumおよびShigella flexneri)、さらなるA/E病原体(例えば、腸管出血性E.coli O157:H7;および腸管病原性E.coli)、および毒素産生性病原体(例えば、Vibrio choleraおよび腸管毒素原性E.coli)を含む腸管病原体であり、これらの実験の律速段階は、in vivo状態を十分に模倣する共培養条件を見出すことである。
【0170】
(実施例7)
統計学的解析および試料サイズの決定
大半の実験は、複数のパラメータおよび群を伴う。したがって、2、3、または4因子による分散分析(ANOVA)を、主に使用する。実施例4.1における統計学的手法についての一例として、対象間ANOVAは、対象間変数としての、プロバイオティクス(すなわち、プロバイオティクス 対 ビヒクル対照)、条件(すなわち、バイオフィルム
対 プランクトン様)、および培養時間(すなわち、6、12、18、24、または36時間)と共に使用する。マウスの異なる群は、経口接種後1、3、6、および12日目において採取されるため、採取日も、対象間変数として使用する。
【0171】
有意な4元相互作用(4−way interaction)はまず、複数の比較について適用される、改変ボンフェローニ補正係数を伴う、事後独立試料によるt検定を使用して解釈する。その後、事後検定を介して、3元および2元相互作用を解釈した後、主効果について解釈する。in vitro実験およびin vivo実験の両方において、この一般的手法に従う。
【0172】
in vivo実験の固有の可変性のため、群間の統計学的な有意差を同定するのに必要とされる試料サイズの決定にかなりの時間を費やした。集団平均を3.95とし、集団分散を0.75とする6つの異なる群(予備的試料サイズを6とする)によるL.reuteri投与後におけるC.rodentiumレベルについて探索する予備的データを使用して実行した検定力解析により、α=0.05の統計学的有意性を得るには、検定力を0.8に維持しながら、時点1つ当たり条件1つ当たりn=9の試料サイズを必要とすることが示された。したがって、全ての動物実験は、処置および時点1つ当たりの試料サイズ9を伴う。これは、各々が処置および時点1つ当たりn=3のマウスを含有する三連の実験に由来するデータを組み合わせることにより達成される。
【0173】
プロバイオティクスは、消化上の健康利益のために広く使用されているが、病原体の生着を実際に防止し、炎症応答を低減するプロバイオティクスは少数である。プロバイオティクス細菌の効果は、それらを宿主へと導入する方式により、具体的には、それらをバイオフィルムの形態で成長させることにより、著明に改善することができる。データは、プロバイオティクスであるL.reuteriによる、in vivoにおける生着が、バイオフィルムとして成長させる場合、プランクトン様で成長させた細胞と比較して大幅に増強されることを示唆する。加えて、L.reuteriを、生体分解性表面(PLGA)の存在下で成長させた場合、生着も増大したことから、条件の最適化により、宿主内のL.reuteriの定着に関して、大幅な改善が可能となったことが示される。
【0174】
予測外であり、かつ、驚くべきことに、本出願人らは、in vitroおよびin vivoの両方において、細菌性病原体であるC.rodentiumによる攻撃の前における、PLGAの存在下にあるバイオフィルムとしてのL.reuteriによる処置は、C.rodentiumの数の、プランクトン様L.reuteriによる処置と比較して、有意な低減を引き起こすことを裏付けた。これらのデータは、プロバイオティクスが、バイオフィルムとして提示された場合に、良好に生着しうることから、細菌を導入する方式が、疾患の転帰を大きく反映しうることが示されることを明らかにする。
【0175】
(実施例8)
プロバイオティクス微生物はまた、他の点では健康なヒトおよび実験動物における、不安およびうつ病を低減することも示されている。30日間にわたり毎日投与される、Lactobacillus helviticusと、B.longumとの組み合わせは、健康なヒトボランティアおよび健康なラットにおける不安およびうつ病を低減することが示された(Messoudiら(2011年)Beneficial psychological effects of a probiotic formulation (Lactobacillus helveticus R0052 and Bifidobacterium longum R0175) in healthy human volunteers、Br J Nutri、105巻、755〜764頁)。
【0176】
本実験では、感染性大腸炎自体に対する効果を評価する上記で言及された研究と同じ実験デザインを、わずかに改変して使用して、L.reuteri調製物が、感染性大腸炎誘導性疾病、不安様挙動、およびうつ病様挙動を軽減するのに優れているかどうかについて調べる。主要な差異は、動物の挙動について評価するほか、循環サイトカイン、循環ホルモン、および脳内のニューロン活性化についても評価することである。
【0177】
予防的L.reuteriが、不安様挙動およびうつ病様挙動などのC.rodentium誘導性疾病を防止しうるかどうかを決定するため、L.reuteriバイオフィルムによる予防的処置を評価して、L.reuteriが、細菌誘導性疾病、不安様挙動、およびうつ病様挙動を防止するかどうかを決定する。in vitroアッセイにおいて優れていることが見出されたL.reuteriバイオフィルムの調製物を、経口胃管栄養法を介して、C.rodentiumによる経口攻撃の12時間前に、マウスに投与する。三連の実験は、攻撃後の1、6、12、および24日目において評価される、各条件および各時点につき9匹のマウスによる最終試料サイズについて実行する(ピークのC.rodentium感染は、約12日目に生じる)。各時点において、動物の挙動を、運動活性(オープンフィールド試験などにおける)、不安様挙動(明暗選択箱試験(light:dark preference test)および高架式十字迷路などにおける)、うつ病様挙動(尾懸垂試験(tail suspension test)およびポーソルト強制水泳試験(Porsolt forced swim task)などにおける)、および疾病挙動(スクロース選択性試験(sucrose preference test)などによる)について評価する。情動的および疾病挙動と関連する血清サイトカイン(例えば、IL−1α/βおよびIL−6)は、各日において評価する。また、循環コルチコステロンレベルも評価する。脳内ニューロン、特に、視床下部室傍核の活性化は、c−Fosの免疫反応性を使用して評価する。
【0178】
また、L.reuteriを、C.rodentium誘導性疾病、不安様挙動、およびうつ病様挙動を処置する治療薬として使用しうるかどうかも評価する。例えば、確立されたC.rodentium感染を処置することにより、疾病、不安様挙動、およびうつ病様挙動が軽減されるかどうかを決定するために、組成物について調べる。in vitroアッセイにおいて優れていることが見出されたL.reuteriの調製物を、経口胃管栄養法を介して、C.rodentiumによる経口攻撃の12、24、および/または36時間後に、マウスに投与する。C.rodentiumによる攻撃後の1、6、12、および24日目において、動物の挙動を、運動活性(オープンフィールド試験などにおける)、不安様挙動(明暗選択箱試験および高架式十字迷路などにおける)、うつ病様挙動(尾懸垂試験およびポーソルト強制水泳試験などにおける)、および疾病挙動(スクロース選択性試験などによる)について評価する。情動的および疾病挙動と関連する循環サイトカイン(例えば、IL−1α/βおよびIL−6)は、各日において評価する。また、循環コルチコステロンレベルも評価する。脳内ニューロン、特に、視床下部室傍核の活性化は、c−Fosの免疫反応性を使用して評価する。
【0179】
これらの実施例は、より頑健で長期にわたり耐久性があるプロバイオティクスを創出するように、条件を変更することを許容し、確立されると、細菌感染およびヒト疾患のための処置を最終的に反映しうるin vivoモデルにおいて、これらの条件について調べることを可能とする。
【0180】
(実施例9)
NEC
プロバイオティクスの投与は、NECの防止において有益でありうる。しかし、有益な効果を達成するには、プロバイオティクスは、毎日投与しなければならない。本出願人らは、本明細書において、プロバイオティクスを、プレバイオティクスをロードした生体適合性マイクロスフェアの表面上のバイオフィルムとして成長させ、単回の処置だけで、増強され、より持続する有効性を可能とする新規のプロバイオティクス送達系について記載する。
【0181】
帝王切開による分娩後、新生児ラットを、実験的NEC[低酸素状態/低体温状態/高張性飼料(ストレス)]にかけた。1日目に、仔ラットを無作為化して、以下の単回腸内用量を受容させた:(1)ビヒクルだけ(100μLの滅菌水)(N=32);(2)1mL当たり1×10
9CFUのLactobacillus reuteri(N=9);(3)プレバイオティクスをロードした生体適合性マイクロスフェア(N=12);または(4)プレバイオティクスをロードした生体適合性マイクロスフェアとカップリングさせた、1mL当たり1×10
9CFUのL.reuteri(N=33)。対照仔ラットは、ストレスにかけられなかった(N=10)。NECの臨床的徴候が発生した時点で、または出生の96時間後までに、仔ラットを屠殺した。検証済みの組織学的NEC損傷段階分けシステムを使用して、グレード2またはこれを超える損傷を、NECと符合すると考えて、NECの発生率および重症度を測定した。
【0182】
図5にグラフで描示する通り、ストレスにかけられた非処置仔ラットのうちの69%が、NECを発症した。ストレスにかけられた非処置仔ラットと比較して、L.reuteriで処置された仔ラットのうちの67%(p=0.329)、プレバイオティクスをロードしたマイクロスフェアで処置された仔ラットのうちの50%(p=0.364)、およびプレバイオティクスをロードしたマイクロスフェアとカップリングさせたL.reuteriで処置された仔ラットのうちの33%(p=0.003)が、NECを発症した。ストレスにかけられなかった仔ラットは、NECを発症しなかった。
【0183】
プレバイオティクスをロードした生体適合性マイクロスフェアとカップリングさせたLactobacillusバイオフィルムの単回用量は、NECの発生率を低減し、したがって、効果的な処置である。理論に束縛されることなしに述べると、本明細書で開示される組成物は、このような処置を必要とする被験体におけるそれらの使用において、予防的である。
【0184】
(実施例10)
乾燥耐性アッセイ
本出願人らの発明の別の利点は、プロバイオティクス細菌の、改善された長期にわたる生存である。乾燥耐性アッセイを使用して、マイクロスフェアと組み合わされた細菌の安定性および生存可能性について調べた。アッセイは一般に、以下のステップを実施することにより実行することができる。細菌培養物を成長させるために、1ml〜1.5mlの培養物を、マイクロ遠心管(試験時間当たり条件1つ当たりの遠心管1本)に移す。約10μlの湿潤化させたマイクロスフェア、トレハロースを遠心管に添加するか、または遠心管になにも添加しない。遠心管を30分間にわたりインキュベートし、次いで、遠心分離により、細胞をペレット化させる。上清を除去し、ペレットを滅菌食塩水で2回洗浄する。その後、全ての液体をペレットから除去する。開放した遠心管を、密閉容器内のDrieriteの上部に置き、容器を、40℃のインキュベーター内に置く。7日後、遠心管を取り出し、再び湿潤化させ、ペレットを、1mlの成長培地中に、5分間にわたり懸濁させる。次いで、生存コロニー形成単位について、系列希釈および平板培養を行う。最後に、30日後および90日後において、再度の湿潤化および播種を繰り返す。
【0185】
P.fluorescensおよび特許権のあるAzospirillum sp.を、強力な乾燥剤であるDrierite上におきながら、40℃で90日間にわたるインキュベーションにかけ、次いで、再び湿潤化させ、生存可能性について調べた。マイクロスフェアを伴わないP.fluorescensは、これらの条件でわずか1週間後にコロニー形成単位(CFU)の完全な喪失を示すが、セルロースマイクロスフェアと共にインキュベートすると、これらの条件で90日後において、10
5個の細胞が生存可能である。Azospirillum sp.は、マイクロスフェア製剤を伴わずに成長させると、30日後にCFUの著明な喪失を示し、90日後には完全な喪失を示すが、過酷な条件で、マイクロスフェアを伴って保存すると、90日後であってもなお、1ml当たり10
6CFUのAzospirillum sp.が生存可能である。
【0186】
(実施例11)
酸耐性プロトコール(48ウェルプレート)
L.reuteriの成長培地をカーゴとして充填したマイクロスフェアを、低pHにおける生存率を増強するバイオフィルムを形成するために、緩衝化された栄養物質を細菌へと滲出させる表面をもたらすのに活用した。マイクロスフェアを伴う細菌細胞は、pH2の胃酸中、4時間にわたる静置の後で、マイクロスフェアを伴わない細胞と比較して、生存コロニー形成単位の、2logを超える増大を示す。さらに、マイクロスフェアを伴うL.reuteriは、マウス結腸細胞への付着の増大を示し、経口投与された細菌の生着および存続性の不良の問題に対処する。まとめると、新規のマイクロスフェア製剤は、低pHにおける生存率を増大させるだけでなく、また、胃腸内の有益な細菌の生着にも寄与し、L.reuteriを、より効果的なプロバイオティクスとしている。
【0187】
上記の情報を生み出すのに使用されるアッセイなどの酸耐性プロトコールアッセイは一般に、以下のステップを実施することにより実行することができる。まず、5mlの培養物を、37℃で(5%のCO
2で、または嫌気的に)一晩にわたり成長させ、次いで、培養物を、新鮮な培地中で1:2500に希釈する。試験時間当たり条件1つ当たり500mlを、48ウェルプレートに移す。約10ulの湿潤化させたマイクロスフェアをウェルに移すか、またはウェルになにも移さない。その後、37℃、5%のCO
2で(または嫌気的に)20時間にわたり(一晩にわたり)インキュベートする。20時間で、使用済みの培地を、バイオフィルムから除去し、pH2の胃酸で置きかえる。2および4時間後、酸をバイオフィルムから除去し、成長培地中のピペット混合により、細胞を懸濁させる。最後に、細胞を系列希釈し、平板培養する。
【0188】
(実施例12)
細胞付着アッセイ
L.reuteriの成長培地をカーゴとして充填したマイクロスフェアを、低pHにおける生存率を増強するバイオフィルムを形成するために、緩衝化された栄養物質を細菌へと滲出させる表面をもたらすのに活用した。マイクロスフェアを伴う細菌細胞は、pH2の胃酸中、4時間にわたる静置の後で、マイクロスフェアを伴わない細胞と比較して、生存コロニー形成単位の、2logを超える増大を示す。さらに、マイクロスフェアを伴うL.reuteriは、マウス結腸細胞への付着の増大を示し、経口投与された細菌の生着および存続性の不良の問題に対処する。これらの結果は、新規のマイクロスフェア製剤が、低pHにおける生存率を増大させるだけでなく、胃腸内の有益な細菌の生着にも寄与し、L.reuteriを、より効果的なプロバイオティクスとしていることを示す。
【0189】
上記の情報を生み出すのに使用されるアッセイなどの細胞付着アッセイは一般に、以下のステップを実施することにより実行することができる。まず、哺乳動物細胞系培養物を成長させ、1ml当たりの細胞約10
6個まで希釈する。希釈された哺乳動物細胞系500ulを、48ウェルプレートに移す。次いで、コンフルエンシーまで成長させ(時間を変化させるが、少なくとも16時間)、細菌培養物を一晩にわたり成長させる。その後、500ulの細菌培養物を、1.5mlのマイクロ遠心管(期間当たり条件1つ当たりの管1本)に移す。遠心分離により細菌細胞をペレット化させ、ペレットを2〜3回洗浄して、全ての成長培地を除去する。ペレット化させた細菌を、細胞系培養培地中で再懸濁させる。細胞系培養培地中で湿潤化させたマイクロスフェア、MRS中で湿潤化させたマイクロスフェアを懸濁細菌に添加するか、または懸濁細菌になにも添加しない。
【0190】
成長培地を、コンフルエンシー状態の哺乳動物細胞培養物ウェルから除去する。細胞系成長培地を伴う細菌条件を、哺乳動物細胞培養物ウェルへと吸引する。37℃、5%のCO
2でインキュベートする。1時間後、使用済みの培地上清を、各ウェルから除去し、細胞を滅菌PBSで2回洗浄して、付着しなかった細菌を除去する。500ulのトリプシンを各ウェルに添加して、付着した哺乳動物細胞を、プラスチックからはがし、37℃で5〜10分間にわたりインキュベートする。各ウェル内の液体を完全に混合して、哺乳動物細胞を再懸濁させる。次いで、系列希釈および平板培養を行って、哺乳動物細胞への付着を維持した細菌の数を計算する。4および8時間で、使用済みの培地上清を、各ウェルから除去し、細胞を滅菌PBSで2回洗浄して、付着しなかった細菌を除去する。500μlのトリプシンを、各ウェルに添加して、付着した哺乳動物細胞を、プラスチックからはがし、37℃で5〜10分間にわたりインキュベートする。各ウェル内の液体を完全に混合して、哺乳動物細胞を再懸濁させる。次いで、系列希釈および平板培養を行って、哺乳動物細胞への付着を維持した細菌の数を計算する。
【0191】
そうでないことが規定されない限りにおいて、本明細書で使用される全ての科学技術用語は、本発明が属する技術分野の当業者により一般に理解される意味と同じ意味を有する。
【0192】
本明細書で例示的に記載される本発明は、本明細書では具体的に開示されない、任意の1または複数の要素、1または複数の限定の非存在下で、適切に実施することができる。したがって、例えば、「含む(comprising)」、「含む(including)」、「含有する(containing)」などの用語は、外延的に、限定を伴わずに読み取るものとする。加えて、本明細書で援用される用語および表現は、限定的な用語ではなく、記載的な用語として使用されており、このような用語および表現の使用において、示され、記載される特徴の任意の同等物またはそれらの部分を除外する意図は存在せず、特許請求される本発明の範囲内では、多様な変更が可能であることが認識されている。
【0193】
したがって、本明細書で提示される材料、方法、および例は、好ましい実施形態を表すものであり、例示的なものであり、本発明の範囲に対する限定として意図されるものではないことを理解すべきである。
【0194】
本明細書では、本発明について、広く、かつ、一般的に記載してきた。一般的開示の中に収まるより狭い種および下位属的群分けの各々もまた、本発明の一部を形成する。これは、削除される素材が、本明細書で具体的に列挙されるかどうかに関わらず、本発明についての一般的記載であって、任意の対象物を属から除外する条件または否定的限定を伴う記載を含む。
【0195】
加えて、マーカッシュ群に関して本発明の特徴または側面について記載する場合、これにより、本発明はまた、マーカッシュ群の任意の個々のメンバーまたはメンバーの下位群に関しても記載されることを、当業者は認識するであろう。
【0196】
本明細書で言及される、全ての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、各々が参照により個別に組み込まれた場合と同じ程度に、参照によりそれらの全体が明示的に組み込まれる。利益相反の場合は、定義を含む本明細書により管理する。
【0197】
他の実施形態は、以下の特許請求の範囲において示される。
【表4-1】
【表4-2】
【表4-3】
【表4-4】
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】