特許第6694907号(P6694907)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6694907
(24)【登録日】2020年4月22日
(45)【発行日】2020年5月20日
(54)【発明の名称】判定装置、判定方法及び判定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/70 20170101AFI20200511BHJP
【FI】
   G06T7/70 B
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-52437(P2018-52437)
(22)【出願日】2018年3月20日
(65)【公開番号】特開2019-164620(P2019-164620A)
(43)【公開日】2019年9月26日
【審査請求日】2018年10月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】504130809
【氏名又は名称】東芝インフォメーションシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲裴▼ 秉哲
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 翔太
【審査官】 ▲広▼島 明芳
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−141676(JP,A)
【文献】 特開平11−112791(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00 − 7/90
H04N 5/232
H04N 5/247
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を撮像する撮像部によって撮像された画像内の所定の領域から特徴点を抽出する抽出部と、
前記特徴点を基に生成される仮想的な面である特徴面及び水平面と前記撮像部の撮像面との間の角度を計算する計算部と、
前記撮像部によって撮像される前記所定の領域の画像の、マーカレスAR(Augmented Reality)のマーカとしての可用性に関する所定の条件が満たされているか否かを、前記特徴点及び前記角度を基に判定する判定部と、
前記撮像部によって撮像された画像を表示部に表示させ、前記領域を示す枠、前記特徴面を示すグリッド、及び前記特徴点を示す点を、前記撮像部によって撮像された画像に重ねて前記表示部に表示させ、前記判定部によって前記所定の条件が満たされていないと判定された場合、前記所定の条件が満たされていない旨のメッセージを前記表示部に表示させる表示制御部と、
を有することを特徴とする判定装置。
【請求項2】
ユーザによって指定された領域を、前記所定の領域に設定する設定部をさらに有し、
前記判定部は、前記設定部によって設定された前記所定の領域の少なくとも一部が前記撮像部の撮像範囲から出ている場合に、前記所定の条件が満たされていないと判定することを特徴とする請求項1に記載の判定装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記領域に含まれる前記特徴点の数が所定の閾値以下である場合、又は前記角度が所定の範囲内にない場合に、前記所定の条件が満たされていないと判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の判定装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記撮像部の仮想的な撮像面にある第1のマークと、前記特徴面に平行であって、前記仮想的な撮像面と前記特徴面が平行になった場合に、前記第1のマークと重なり合う第2のマークと、をさらに表示させることを特徴とする請求項に記載の判定装置。
【請求項5】
前記判定部によって前記所定の条件が満たされていると判定された場合に、前記撮像部によって撮像された第1の画像を、前記所定の領域を特定する情報とともに取得する取得部をさらに有することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の判定装置。
【請求項6】
前記取得部は、前記所定の領域を含む画像であって、前記第1の画像よりも撮像範囲が広い第2の画像をさらに取得することを特徴とする請求項に記載の判定装置。
【請求項7】
前記設定部は、前記撮像部によって撮影された画像内の、前記ユーザによって指定された2点を対頂点とする矩形の領域を前記所定の領域に設定することを特徴とする請求項2に記載の判定装置。
【請求項8】
コンピュータによって実行される判定方法であって、
撮像部によって撮像された画像内の所定の領域から特徴点を抽出する抽出工程と、
前記特徴点を基に生成される仮想的な面である特徴面及び水平面と前記撮像部の撮像面との間の角度を計算する計算工程と、
前記撮像部によって撮像される前記所定の領域の画像の、マーカレスAR(Augmented Reality)のマーカとしての可用性に関する所定の条件が満たされているか否かを、前記特徴点及び前記角度を基に判定する判定工程と、
前記撮像部によって撮像された画像を表示部に表示させ、前記領域を示す枠、前記特徴面を示すグリッド、及び前記特徴点を示す点を、前記撮像部によって撮像された画像に重ねて前記表示部に表示させ、前記判定工程によって前記所定の条件が満たされていないと判定された場合、前記所定の条件が満たされていない旨のメッセージを前記表示部に表示させる表示制御工程と、
ことを特徴とする判定方法。
【請求項9】
コンピュータを、
撮像部によって撮像された画像内の所定の領域から特徴点を抽出する抽出手段と、
前記特徴点を基に生成される仮想的な面である特徴面及び水平面と前記撮像部の撮像面との間の角度を計算する計算手段と、
前記撮像部によって撮像される前記所定の領域の画像の、マーカレスAR(Augmented Reality)のマーカとしての可用性に関する所定の条件が満たされているか否かを、前記特徴点及び前記角度を基に判定する判定手段と、
前記撮像部によって撮像された画像を表示部に表示させ、前記領域を示す枠、前記特徴面を示すグリッド、及び前記特徴点を示す点を、前記撮像部によって撮像された画像に重ねて前記表示部に表示させ、前記判定手段によって前記所定の条件が満たされていないと判定された場合、前記所定の条件が満たされていない旨のメッセージを前記表示部に表示させる表示制御手段と、
ことを特徴とする判定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、判定装置、判定方法及び判定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像から所定の対象を認識し、当該画像にオブジェクトを重畳表示するAR(Augmented Reality)技術が知られている。また、AR技術の方式には、マーカAR及びマーカレスARがある。
【0003】
マーカARは、QR(Quick Response)コード(登録商標)等の、コンピュータによって認識されることを目的として作成された特定の認識対象を利用する方式である。一方、マーカレスARは、QRコードのような特定の認識対象を利用することなく、あらかじめ設定された任意の画像を認識対象とする方式である。また、マーカレスARを利用したコンテンツを作成するためのツールが知られている(例えば、非特許文献1及び2を参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】ptc、“Vuforia”、[online]、[平成30年3月6日検索]、インターネット(https://developer.vuforia.com/)
【非特許文献2】CYBERNET、“SmartAR”、[online]、[平成30年3月6日検索]、インターネット(http://www.cybernet.co.jp/ar-vr/products/smartar/)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術には、マーカレスARを利用したコンテンツを容易に作成することが困難な場合があるという問題がある。例えば、マーカレスARを利用したコンテンツを作成する場合、認識精度を向上させるためには、認識対象に適した画像を用意する必要がある。ここで、従来のツールを利用する場合、用意した画像が認識対象に適しているか否かは、当該画像をツールに取り込んだ後に判断される。そのため、認識対象に適した画像を、ツールへの取り込みの前に用意するためには、一定以上の知識や技術が求められ、特に初心者にとっては、マーカレスARを利用したコンテンツを作成することが困難になる場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の判定装置は、抽出部と、計算部と、判定部とを有する。抽出部は、画像を撮像する撮像部によって撮像された画像内の所定の領域から特徴点を抽出する。計算部は、特徴点を基に生成される仮想的な面である特徴面及び水平面と撮像部の撮像面との間の角度を計算する。判定部は、撮像部によって撮像される所定の領域の画像の、マーカレスARのマーカとしての可用性に関する所定の条件が満たされているか否かを、特徴点及び角度を基に判定する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1の実施形態に係る判定装置の概要について説明するための図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る判定装置の構成の一例を示す図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る判定装置の画面の一例を示す図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る判定装置の画面の一例を示す図である。
図5図5は、第1の実施形態に係る判定装置の画面の一例を示す図である。
図6図6は、第1の実施形態に係る判定装置の画面の一例を示す図である。
図7図7は、第1の実施形態に係る判定装置の画面の一例を示す図である。
図8図8は、第1の実施形態に係る判定装置の画面の一例を示す図である。
図9図9は、第1の実施形態に係る判定装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本願に係る判定装置、判定方法及び判定プログラムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態により限定されるものではない。なお、以降の説明では、マーカレスARにおける認識対象の画像を「マーカ」と呼ぶ場合がある。
【0009】
(第1の実施形態)
まず、図1を用いて、本実施形態の判定装置の概要について説明する。図1は、第1の実施形態に係る判定装置の概要について説明するための図である。図1に示すように、判定装置10は、ユーザ10aによって所持さている。例えば、判定装置10は、タブレット端末、スマートフォン等である。
【0010】
また、判定装置10は、判定装置10に備えられた撮像部を使って撮像した画像を表示部12に表示することができる。ここでは、判定装置10には、撮像部としてカメラが備えられているものとする。図1の例では、判定装置10は、設備20の周辺の光景を撮像している。なお、判定装置10の撮像対象は、マーカレスARの認識対象を含むものであればよく、設備20に限られず、サーバ装置、制御盤、プリンタ等の人工物であってもよいし、自然物であってもよい。
【0011】
判定装置10は、撮像した画像内の所定の領域が、マーカとしての使用可能であるか否かを判定する判定処理を行い、判定結果をユーザ10aに提示する。図1に示すように、判定装置10は、各ボタンを介してユーザ10aの操作を受け付ける。また、判定装置10は、ユーザ10aに情報を提示するためのオブジェクトを、撮像した画像に重畳表示する。
【0012】
まず、スタートボタン121bが押下されると、判定装置10は処理を開始する。ここで、判定装置10は、ユーザ10aからマーカとして利用する領域の指定を受け付ける。例えば、ユーザ10aが撮像画像上の2点を指定すると、判定装置10は、当該2点を対頂点とする矩形の領域をマーカとして利用する領域に設定し、当該領域を示す枠122aを表示する、また、リセットボタン121aが押下された場合は、指定された領域がリセットされる。
【0013】
次に、特徴点抽出ボタン121cが押下されると、判定装置10は、領域内の特徴点を抽出する。なお、判定装置10は、領域外の特徴点を同時に抽出してもよい。例えば、判定装置10は、画像のエッジ部分を特徴点として抽出する。この場合、物体の角や線の部分、及び明暗や色の差が明確に表れている部分ほど特徴点として抽出されやすい。また、複数の特徴点が同一平面上に存在している方が認識用の画像として望ましい。ここで、判定装置10は、領域内から十分な特徴点を抽出することができなかった場合、領域指定のやり直しを促すメッセージを表示する。
【0014】
また、判定装置10は、抽出した特徴点を点122bとして表示する。さらに、枠122aの一部又は全部が、判定装置10のカメラの撮像範囲からはみ出した場合、領域の一部又は全部が撮像範囲に入っていない旨のメッセージを表示する。
【0015】
さらに、判定装置10は、カメラの姿勢が正しいか否かを判断するための処理を行う。カメラが水平、かつカメラの撮像面と抽出した特徴点から生成される仮想的な面である特徴面とが平行である場合に、判定装置10は、カメラの姿勢が正しいと判断する。
【0016】
判定装置10は、カメラが水平かつ、特徴面とカメラの撮像面が平行であるか否かを判断するための角度を計算する。具体的には、判定装置10は、特徴面及び水平面と、カメラの撮像面との間の角度を計算する。なお、判定装置10は、ジャイロセンサを使って判定装置10の水平面との間の角度を計算することができる。また、特徴面とカメラの撮像面が平行であることは、特徴面とカメラの光軸が垂直であることと同意である。
【0017】
そして、判定装置10は、計算した角度が所定の範囲内にある場合、キャプチャボタン121dを操作可能に制御する。また、判定装置10は、計算した角度が所定の範囲内にない場合、キャプチャボタン121dを操作不可能に制御し、角度が水平又は垂直とみなせる範囲内となるように、カメラの姿勢の修正を促すメッセージを表示する。
【0018】
また、判定装置10は、特徴面にグリッド122cを重ねて表示する。また、判定装置10は、マーク122dを仮想的な撮像面に表示する。また、判定装置10は、マーク122eを、特徴面に表示する。このとき、判定装置10は、仮想的な撮像面と特徴面が平行になった場合に、マーク122dとマーク122eが重なり合うように表示する。また、マーク122dとマーク122eとの間の距離は、仮想的な撮像面と特徴面が平行であるほど小さくなっていく。また、マーク122d及びマーク122eは、それぞれ第1のマーク及び第2のマークの一例である。
【0019】
また、キャプチャボタン121dが押下されると、判定装置10はカメラによって撮像されている画像をマーカ用画像として取得する。このとき、判定装置10は、さらに、撮像範囲を広げた画像を編集用画像として取得する。判定装置10は、撮像範囲を広げた画像を取得するため、ユーザ10aに対し、カメラを引くように指示するメッセージを表示してもよい。なお、マーカ用画像及び編集用画像は、それぞれ第1の画像及び第2の画像の一例である。
【0020】
例えば、図1の例では、マーカ画像には枠122aがアップで表示され、編集用画像には設備20及び物体30の両方が表示される。マーカ画像は、マーカレスARのマーカの生成に利用される。一方、編集用画像は、マーカに対してARオブジェクトを配置する際の目印として利用される。
【0021】
(第1の実施形態の判定装置の構成)
図2を用いて、判定装置10の構成について説明する。図2は、第1の実施形態に係る判定装置の構成の一例を示す図である。図2に示すように、判定装置10は、入力部11、表示部12、撮像部13、記憶部14及び制御部15を有する。
【0022】
入力部11は、ユーザからのデータの入力を受け付ける。入力部11は、例えば、マウスやキーボード等の入力装置である。また、表示部12は、画面の表示を行うディスプレイ等の表示装置である。なお、入力部11及び表示部12は、タッチパネルディスプレイであってもよい。撮像部13は、画像を撮像する。例えば、撮像部13はカメラである。
【0023】
記憶部14は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、光ディスク、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、NVSRAM(Non Volatile Static Random Access Memory)等の記憶装置である。記憶部14は、判定装置10で実行されるOS(Operating System)やプログラムを記憶する。さらに、記憶部14は、プログラムの実行で用いられる各種情報を記憶する。
【0024】
制御部15は、判定装置10を制御する。制御部15は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等である。例えば、制御部15は、抽出部151、計算部152、判定部153、設定部154、表示制御部155及び取得部156として機能する。
【0025】
抽出部151は、撮像部13によって撮像された画像内の所定の領域から特徴点を抽出する。抽出部151は、画像のエッジ部分を特徴点として抽出することができる。また、抽出部151は、ユーザによって指定された領域の特徴点を抽出してもよいし、画像の全領域の特徴点を抽出してもよい。
【0026】
計算部152は、特徴点を基に生成される仮想的な面である特徴面及び水平面と撮像部13の撮像面との間の角度を計算する。まず、計算部152は、ユークリッド復元を用いて、撮像部13の撮像面を特定する。さらに、計算部152は、逆投影により領域を含む特徴面を特定する。そして、計算部152は、特定した特徴面と撮像面との間の角度を計算する。また、計算部152ジャイロセンサを用いて、水平面と撮像面との間の角度を計算することができる。
【0027】
判定部153は、撮像部13によって撮像される所定の領域の画像の、マーカレスARのマーカとしての可用性に関する所定の条件が満たされているか否かを、特徴点及び角度を基に判定する。また、判定部153は、設定部154によって設定された所定の領域の少なくとも一部が撮像部13の撮像範囲から出ている場合に、所定の条件が満たされていないと判定する。
【0028】
また、判定部153は、領域に含まれる特徴点の数が所定の閾値以下である場合、又は角度が所定の範囲内にない場合に、所定の条件が満たされていないと判定する。例えば、判定部153は、領域に含まれる特徴点が5個以下の場合に条件が満たされていないと判定する。また、例えば、判定部153は、特徴面と撮像面との間の角度が−2°から2°の範囲にない場合に条件が満たされていないと判定する。また、水平面と撮像面との間の角度が88°から92°の範囲にない場合に条件が満たされていないと判定する。
【0029】
設定部154は、ユーザによって指定された領域を、所定の領域に設定する。設定部154は、撮像部13によって撮影された画像内の、ユーザによって指定された2点を対頂点とする矩形の領域を所定の領域に設定することができる。設定部154は、ユーザによる指定がない場合は、自動的に領域を設定してもよい。
【0030】
表示制御部155は、撮像部13によって撮像された画像を表示部12に表示させ、判定部153によって所定の条件が満たされていないと判定された場合、所定の条件が満たされていない旨のメッセージを表示部12に表示させる。また、表示制御部155は、領域を示す枠122a、特徴面を示すグリッド122c、及び特徴点を示す点122bを、撮像部13によって撮像された画像に重ねて表示させる。また、表示制御部155は、撮像部13の仮想的な撮像面にあるマーク122dと、特徴面に平行であって、仮想的な撮像面と特徴面が平行になった場合に、マーク122dと重なり合うマークeと、をさらに表示させる。
【0031】
ここで、図3から図7を用いて、表示制御部155が表示部12に表示させる各画面について説明する。図3から7は、第1の実施形態に係る判定装置の画面の一例を示す図である。まず、図3に示すように、スタートボタン121bが押下されると、表示制御部155は、操作を説明するためのメッセージを表示させる。
【0032】
また、図4に示すように、表示制御部155は、指定された領域を示す枠122aを表示させる。さらに、表示制御部155は、特徴点抽出ボタン121cが押下されると、抽出した特徴点を示す点122bを表示させる。このとき、枠122a内の特徴点の数が所定の閾値以下である場合、表示制御部155は、「特徴点抽出失敗、やり直してください。」というメッセージを表示させる。
【0033】
また、図5に示すように、枠122aの一部又は全部が撮像範囲から出ている場合、表示制御部155は、「画面から特徴点がはみ出しています。」というメッセージを表示させる。
【0034】
また、図6に示すように、水平面と撮像面との角度が所定の範囲にない場合、表示制御部155は、「端末を水平にしてください。」というメッセージを表示させる。さらに、図7に示すように、特徴面と撮像面の角度が所定の範囲にない場合、表示制御部155は、「端末を垂直にしてください。」というメッセージを表示させる。また、図7の例では、特徴面と撮像面との関係が平行から大きく離れているため、図6等の例と比べて、マーク122dとマーク122eの間の距離が大きい。
【0035】
取得部156は、判定部153によって所定の条件が満たされていると判定された場合に、撮像部13によって撮像されたマーカ用画像を、所定の領域を特定する情報とともに取得する。また、取得部156は、所定の領域を含む画像であって、マーカ用画像よりも撮像範囲が広い編集用画像をさらに取得する。
【0036】
例えば、図8に示すように、取得部156は、編集用画像として、設備20、枠122a及び物体30の全てが撮像範囲に入るようにした上で画像を取得する。図8は、第1の実施形態に係る判定装置の画面の一例を示す図である。このとき、判定装置10は、ユーザに撮像部13を引くことを促すメッセージを表示してもよいし、撮像範囲が広がるように撮像部13の焦点距離を変化させてもよい。
【0037】
(第1の実施形態の処理)
図9を用いて、判定装置10は、ユーザの指定に基づいて撮像した画像内の領域を設定する(ステップS101)。そして、判定装置10は、設定した領域から特徴点を抽出する(ステップS102)。ここで、領域内の特徴点が十分でない場合(ステップS103、No)、判定装置10は、領域指定のやり直しを促すメッセージを表示し(ステップS104)、ステップS101の処理に戻る。
【0038】
一方、領域内の特徴点が十分である場合(ステップS103、Yes)、判定装置10は、特徴面及び水平面と、撮像部13の撮像面との間の角度を基に、撮像部13の姿勢が正しいか否かを判定する(ステップS105)。ここで、撮像部13の姿勢が正しくない場合(ステップS105、No)、判定装置10は、撮像部13の姿勢の修正を促すメッセージを表示し(ステップS106)、ステップS105の処理に戻る。
【0039】
一方、撮像部13の姿勢が正しい場合(ステップS105、Yes)、領域が撮像部13の撮影範囲内にあるか否かを判定する(ステップS107)。ここで、領域が撮像部13の撮影範囲内にない場合(ステップS107、No)、判定装置10は、領域が撮像部13の撮影範囲内にない旨のメッセージを表示し(ステップS108)、ステップS107の処理に戻る。
【0040】
一方、領域が撮像部13の撮影範囲内にある場合(ステップS107、Yes)、判定装置10は、画像を取得する(ステップS109)。このとき、判定装置10は、マーカ用画像及び編集用画像を取得することができる。
【0041】
(第1の実施形態の効果)
実施形態において、抽出部151は、撮像部13によって撮像された画像内の所定の領域から特徴点を抽出する。また、計算部152は、特徴点を基に生成される仮想的な面である特徴面及び水平面と撮像部13の撮像面との間の角度を計算する。判定部153は、撮像部13によって撮像される所定の領域の画像の、マーカレスARのマーカとしての可用性に関する所定の条件が満たされているか否かを、特徴点及び角度を基に判定する。
【0042】
このように、判定装置10は、撮像している画像がマーカレスARのマーカとして利用可能であるか否かを自動的に判定することができる。このため、第1の実施形態によれば、初心者であっても、マーカレスARを利用したコンテンツを容易に作成することができる。
【0043】
設定部154は、ユーザによって指定された領域を、所定の領域に設定する。また、判定部153は、設定部154によって設定された所定の領域の少なくとも一部が撮像部13の撮像範囲から出ている場合に、所定の条件が満たされていないと判定する。これにより、抽出した特徴点が取得される画像に含まれなくなることを防止することができる。
【0044】
判定部153は、領域に含まれる特徴点の数が所定の閾値以下である場合、又は角度が所定の範囲内にない場合に、所定の条件が満たされていないと判定する。これにより、マーカ用の画像としての有用性の高い画像を取得することが可能となる。
【0045】
表示制御部155は、撮像部13によって撮像された画像を表示部12に表示させ、判定部153によって所定の条件が満たされていないと判定された場合、所定の条件が満たされていない旨のメッセージを表示部12に表示させる。これにより、ユーザは、撮像中の画像がマーカ用の画像として不適当であることを認識することができる。
【0046】
表示制御部155は、領域を示す枠122a、特徴面を示すグリッド122c、及び特徴点を示す点122bを、撮像部13によって撮像された画像に重ねて表示させる。これにより、ユーザは、撮像面と特徴点が存在する面との関係を直感てきに把握することができる。
【0047】
表示制御部155は、撮像部13の仮想的な撮像面にあるマーク122dと、特徴面に平行であって、仮想的な撮像面と特徴面が平行になった場合に、マーク122dと重なり合うマークeと、をさらに表示させる。これにより、ユーザは、撮像面と特徴点が存在する面とが正対したことを明確に認識することができる。
【0048】
取得部156は、判定部153によって所定の条件が満たされていると判定された場合に、撮像部13によって撮像されたマーカ用画像を、所定の領域を特定する情報とともに取得する。これにより、マーカ用の画像としての有用性の高い画像を取得することが可能となる。
【0049】
取得部156は、所定の領域を含む画像であって、マーカ用画像よりも撮像範囲が広い編集用画像をさらに取得する。これにより、マーカ用の画像に加えて編集用の画像を取得することが可能となる。
【0050】
設定部154は、撮像部13によって撮影された画像内の、ユーザによって指定された2点を対頂点とする矩形の領域を所定の領域に設定する。これにより、ユーザは直感的に領域を指定することができる。
【0051】
なお、本実施形態の判定装置10で実行されるプログラムは、ROM等にあらかじめ組み込まれて提供される。本実施形態の判定装置10で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0052】
さらに、本実施形態の判定装置10で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施形態の判定装置10で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
【0053】
本実施形態の判定装置10で実行されるプログラムは、上述した各部(抽出部151、計算部152、判定部153、設定部154、表示制御部155、及び取得部156)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPUが上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、抽出部151、計算部152、判定部153、設定部154、表示制御部155、及び取得部156が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0054】
本発明の実施形態を説明したが、実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0055】
10 判定装置
10a ユーザ
11 入力部
12 表示部
13 撮像部
14 記憶部
15 制御部
20 設備
30 物体
121a リセットボタン
121b スタートボタン
121c 特徴点抽出ボタン
121d キャプチャボタン
122a 枠
122b 点
122c グリッド
122d、122e マーク
図1
図2
図3
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図5
図6
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図9