特許第6694919号(P6694919)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6694919照明パネルおよびその製造方法、照明モジュール、照明装置、並びに照明システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6694919
(24)【登録日】2020年4月22日
(45)【発行日】2020年5月20日
(54)【発明の名称】照明パネルおよびその製造方法、照明モジュール、照明装置、並びに照明システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 33/26 20060101AFI20200511BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20200511BHJP
   H05B 33/28 20060101ALI20200511BHJP
   H05B 33/04 20060101ALI20200511BHJP
   H05B 33/22 20060101ALI20200511BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20200511BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20200511BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20200511BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20200511BHJP
【FI】
   H05B33/26 Z
   H05B33/14 A
   H05B33/28
   H05B33/04
   H05B33/22 Z
   H05B33/02
   H05B33/10
   F21S2/00 100
   F21Y115:15
【請求項の数】23
【全頁数】36
(21)【出願番号】特願2018-131215(P2018-131215)
(22)【出願日】2018年7月11日
(65)【公開番号】特開2019-21629(P2019-21629A)
(43)【公開日】2019年2月7日
【審査請求日】2018年7月11日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0088046
(32)【優先日】2017年7月11日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(72)【発明者】
【氏名】キム ナムク
(72)【発明者】
【氏名】イ ジュンウン
(72)【発明者】
【氏名】キム テオク
【審査官】 ▲うし▼田 真悟
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/153700(WO,A1)
【文献】 特開2014−096334(JP,A)
【文献】 特表2015−535138(JP,A)
【文献】 特表2016−509359(JP,A)
【文献】 特表2013−521563(JP,A)
【文献】 特表2012−527092(JP,A)
【文献】 特表2016−535403(JP,A)
【文献】 特表2015−526862(JP,A)
【文献】 特許第3162407(JP,B2)
【文献】 韓国公開特許第10−2011−0003080(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 33/00−33/28
H01L 51/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機発光素子を用いる照明パネルであって、
基板上に設けられた物質層と、
前記物質層内に埋め込まれた補助電極と、
前記埋め込まれた補助電極と電気的に接続される、前記物質層上における第1電極と、
前記第1電極に形成され、前記照明パネルの各画素の発光領域の外側を取り囲むように形成される短絡防止パターンと、
前記第1電極が設けられた前記基板の照明部に設けられた有機発光層および第2電極と、
前記基板の照明部に設けられた封止手段とを備え、
前記短絡防止パターンは、第1、第2、第3、第4、および第5の部分を有し、前記第1〜第5の部分は互いに順次連続して接続し、前記第1〜第5の部分はそれぞれ直線状のパターンであり、四角形状に発光領域の外側を取り囲み、前記第1の部分と前記第5の部分は前記四角形状の同一の辺の外側に形成されている部分であり互いに分離している、有機発光素子を用いる照明パネル。
【請求項2】
前記第1電極は、前記補助電極と接する平坦化された面を持つ、請求項1に記載の有機発光素子を用いる照明パネル。
【請求項3】
前記物質層の上面は、前記補助電極の上面と同一平面上にある、請求項2に記載の有機発光素子を用いる照明パネル。
【請求項4】
前記補助電極と接触する前記第1電極の位置は、前記物質層の上面より低い、請求項2に記載の有機発光素子を用いる照明パネル。
【請求項5】
前記物質層は、バッファー層を含む、請求項1に記載の有機発光素子を用いる照明パネル。
【請求項6】
前記物質層は、前記基板と前記バッファー層との間に、内部光抽出層をさらに含む、請求項5に記載の有機発光素子を用いる照明パネル。
【請求項7】
前記補助電極は、前記バッファー層のみに埋め込まれ、前記補助電極は、前記バッファー層の厚さまで埋め込まれたり、または前記バッファー層の一部の厚さまで埋め込まれたりする、請求項5または請求項6に記載の有機発光素子を用いる照明パネル。
【請求項8】
前記補助電極の上面は、前記バッファー層の上面と同一平面上に位置し、前記第1電極は、平坦化された面を持つ、請求項7に記載の有機発光素子を用いる照明パネル。
【請求項9】
前記バッファー層の前記一部の厚さ以外の前記バッファー層の厚さに対応する部分は、前記第1電極で満たされ、前記第1電極は、前記補助電極と接する平坦化された面を持つ、請求項7に記載の有機発光素子を用いる照明パネル。
【請求項10】
前記補助電極は、前記バッファー層の厚さまで埋め込まれ、前記内部光抽出層の厚さまで、または前記内部光抽出層の一部の厚さまでさらに埋め込まれ、
前記補助電極の上面は、前記バッファー層の上面と同一平面上に位置し、前記第1電極は、平坦化された面を持つ、請求項6に記載の有機発光素子を用いる照明パネル。
【請求項11】
前記補助電極は、前記バッファー層の下面から前記バッファー層の一部の厚さまで埋め込まれ、前記内部光抽出層の厚さまで、または前記内部光抽出層の上面から前記内部光抽出層の一部の厚さまでさらに埋め込まれ、
前記バッファー層の前記一部の厚さ以外の前記バッファー層の厚さに対応する部分は、前記第1電極で満たされ、前記第1電極は、平坦化された面を持つ、請求項6に記載の有機発光素子を用いる照明パネル。
【請求項12】
前記補助電極は、前記バッファー層の上部へ突出しない、請求項5に記載の有機発光素子を用いる照明パネル。
【請求項13】
前記補助電極は、その上部の幅が下部の幅より広い逆テーパー状になるように埋め込まれる、請求項1に記載の有機発光素子を用いる照明パネル。
【請求項14】
前記第1、第3、および第5の部分は第1の方向に沿って延伸し、前記第2および第4の部分は、前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って延伸し、
前記第1の部分は前記第3の部分と前記第5の部分との間に配置される、請求項1に記載の有機発光素子を用いる照明パネル。
【請求項15】
前記短絡防止パターンを覆う第1保護層をさらに含む、請求項14に記載の有機発光素子を用いる照明パネル。
【請求項16】
前記第1保護層は、前記補助電極と、その上部の前記第1電極をさらに覆う、請求項15に記載の有機発光素子を用いる照明パネル。
【請求項17】
前記基板の下部に貼り付けられた外部光抽出層をさらに備える、請求項1に記載の有機発光素子を用いる照明パネル。
【請求項18】
請求項1乃至請求項17のいずれか1項に記載の照明パネルを備える照明モジュール。
【請求項19】
請求項1乃至請求項17のいずれか1項に記載の照明パネルと、請求項18に記載の照明モジュールのうちの少なくとも1つを備える照明装置。
【請求項20】
請求項1乃至請求項17のいずれか1項に記載の照明パネルと、請求項18に記載の照明モジュール、および請求項19に記載の照明装置のうちの少なくとも1つを備える照明システム。
【請求項21】
基板上に内部光抽出層および/またはバッファー層を形成する工程と、
前記内部光抽出層および/または前記バッファー層の一部領域を除去し、前記内部光抽出層および/または前記バッファー層に、陰刻形状の補助電極パターンを形成する工程と、
前記補助電極パターン内に補助電極を埋め込む工程と、
前記バッファー層上に、前記埋め込まれた補助電極と電気的に接続される第1電極を形成する工程と、
前記第1電極に短絡防止パターンを、前記照明パネルの各画素の発光領域の外側を取り囲むように形成する工程と、
前記第1電極が設けられた前記基板の照明部に有機発光層および第2電極を形成する工程と、
前記基板の照明部に封止手段を形成する工程とを備え、
前記短絡防止パターンは、第1、第2、第3、第4、および第5の部分を有し、前記第1〜第5の部分は互いに順次連続して接続し、前記第1〜第5の部分はそれぞれ直線状のパターンであり、四角形状に発光領域の外側を取り囲み、前記第1の部分と前記第5の部分は前記四角形状の同一の辺の外側に形成されている部分であり互いに分離している、有機発光素子を用いる照明パネルの製造方法。
【請求項22】
前記補助電極パターン内に補助電極を埋め込む工程は、
前記補助電極パターンを除いた前記バッファー層上に感光膜パターンを形成する工程と、
前記補助電極パターンの内部を含め、前記基板の全面に導電物質を蒸着して前記感光膜パターン上に導電膜を形成する工程と、
リフトオフ工程によって前記感光膜パターンおよび前記感光膜パターン上の導電膜を選択的に除去し、前記補助電極パターンの内部に前記導電物質からなる補助電極を形成する工程とを備える、請求項21に記載の有機発光素子を用いる照明パネルの製造方法。
【請求項23】
前記補助電極パターン内に補助電極を埋め込む工程は、
前記補助電極パターンの内部を含め、前記基板の全面に液状の金属をコーティングして金属層を形成する工程と、
ブレードを前記基板の一方から他方へスライドさせ、前記補助電極パターンの内部を除いた前記基板の表面の金属層を除去し、前記補助電極パターンの内部に補助電極を形成する工程とを備える、請求項21に記載の有機発光素子を用いる照明パネルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明パネルに関するものであり、さらに詳細には、有機発光素子を用いる照明パネルおよびその製造方法、照明モジュール、照明装置、そして照明システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、照明パネルとしては主に蛍光灯や白熱灯などを使用している。その中で、白熱灯は、演色指数(Color Rendering Index:CRI)が優れているが、エネルギー効率が非常に低いという短所があり、蛍光灯は、効率はよいが演色指数が低く、水銀を含有しているため、環境問題が生じ得る。
【0003】
演色指数とは、色再現を表す指数であって、光源によって照明された物体の色に対し、特定光源によって照明された場合と基準光源によって照明された場合とを比較して、色感がどの程度類似するのかを表す指数である。例えば、太陽光のCRIは100である。
【0004】
かかる従来の照明パネルの問題を解決するため、近年、発光ダイオード(LED)が照明パネルとして提案されている。発光ダイオードは、無機物発光物質で構成され、青色の波長帯で発光効率が最も高く、赤色、および最も視感度の高い緑色の波長帯域に行くにつれて発光効率が低下する。したがって、赤色の発光ダイオードと、緑色の発光ダイオードと、青色の発光ダイオードとを組み合わせて白色光を発光する場合、発光効率が低くなるという短所がある。
【0005】
他の代案として、有機発光素子(Organic Light Emitting Diode:OLED)を用いる照明パネルが開発されている。一般的な有機発光素子を用いる照明パネルは、ガラス基板上にITOからなるアノード(anode)電極が形成される。そして、有機発光層とカソード(cathode)電極が形成され、その上に保護層と、封止手段としてラミネーションフィルムが貼り付けられて製造される。
【0006】
有機発光素子を用いる照明パネルの場合、面発光する照明パネルの輝度均一度のため、補助電極を形成するが、補助電極の高いテーパーによって、封止手段をラミネーションする工程の後、保護層およびカソードにおいて割れが生じ得る。
【0007】
図1は、一般的な補助電極のテーパーおよびその上部の積層構造の例を示す写真である。
【0008】
図1では、Mo/Alの二層からなる補助電極のテーパーおよびその上部の積層構造を例に挙げている。
【0009】
図1を参照すると、Mo/Alの二層からなる補助電極は70°以上、一例に80°の高いテーパー角度を有することが分かる。
【0010】
このとき、補助電極のテーパー角度が大きい程、封止手段をラミネーションする際に、その上部の保護層およびカソードにおいてクラックの発生可能性が高くなる。補助電極の高いテーパー角度によって段差が生じ、封止手段をラミネーションする際に物理的圧力によって、クラックに弱い部分においてクラックが発生することになる。
【0011】
かかるクラックによってパネルのエッジから水分の浸透経路が形成され、パネルを駆動する際に暗点(dark spot)を生成させ、パネルの信頼性を低下させることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は上記した問題を解決するためのものであって、補助電極を、内部光抽出層および/またはバッファー層の中に埋め込んで形成することで、補助電極の段差およびテーパーに起因する保護層およびカソードの割れを根本から防止するようにした、有機発光素子を用いる照明パネルおよびその製造方法、照明モジュール、照明装置、そして照明システムを提供することを目的とする。
【0013】
その他、本発明の他の目的および特徴は、後述する発明の構成および特許請求の範囲において説明する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記した目的を達成するため、本発明の一実施例に係る有機発光素子を用いる照明パネルは、基板上に設けられた物質層と、前記物質層内に埋め込まれた補助電極と、前記埋め込まれた補助電極と電気的に接続される、前記物質層上における第1電極とを備えて構成することができる。また、前記第1電極が設けられた前記基板の照明部に設けられた有機発光層と第2電極、および前記基板の照明部に設けられた封止手段を備える。
【0015】
また、他の観点から、本発明の実施例に係る照明パネルを備える照明モジュールが提供される。
【0016】
さらに、他の観点から、本発明の実施例に係る照明パネルと照明モジュールのうち、少なくとも1つを備える照明装置が提供される。
【0017】
また、他の観点から、本発明の実施例に係る照明パネルと照明モジュール、照明装置のうち、少なくとも1つを備える照明システムが提供される。
【0018】
本発明の一実施例に係る有機発光素子を用いる照明パネルの製造方法は、基板上に内部光抽出層および/または前記バッファー層を形成する工程と、前記光抽出層および/または前記バッファー層の一部領域を除去し、内部光抽出層および/またはバッファー層内に、陰刻形状の補助電極パターンを形成する工程と、前記補助電極パターン内に補助電極を埋め込む工程と、前記バッファー層上に、前記埋め込まれた補助電極と電気的に接続される第1電極を形成する工程とを備える。また、前記第1電極が設けられた前記基板の照明部に有機発光層および第2電極を形成する工程と、前記基板の照明部に封止手段を形成する工程とを備える。
【発明の効果】
【0019】
前述したように、本発明の一実施例に係る有機発光素子を用いる照明パネルおよびその製造方法は、既存の補助電極における段差およびテーパーに起因する保護層およびカソードの割れを根本から防止することによって照明パネルの信頼性を向上させる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】一般的な補助電極のテーパーおよびその上部の積層構造を例に挙げて示す写真である。
図2】本発明の第1実施例に係る有機発光素子を用いる照明パネルを例示的に示す断面図である。
図3】本発明の第1実施例に係る有機発光素子を用いる照明パネルを概略的に示す平面図である。
図4図3に示される本発明の第1実施例に係る有機発光素子を用いる照明パネルのI−I′線に沿った断面を概略的に示す図面である。
図5A図3に示される本発明の第1実施例に係る有機発光素子を用いる照明パネルの製造方法を順次に示す平面図である。
図5B図3に示される本発明の第1実施例に係る有機発光素子を用いる照明パネルの製造方法を順次に示す平面図である。
図5C図3に示される本発明の第1実施例に係る有機発光素子を用いる照明パネルの製造方法を順次に示す平面図である。
図5D図3に示される本発明の第1実施例に係る有機発光素子を用いる照明パネルの製造方法を順次に示す平面図である。
図5E図3に示される本発明の第1実施例に係る有機発光素子を用いる照明パネルの製造方法を順次に示す平面図である。
図5F図3に示される本発明の第1実施例に係る有機発光素子を用いる照明パネルの製造方法を順次に示す平面図である。
図5G図3に示される本発明の第1実施例に係る有機発光素子を用いる照明パネルの製造方法を順次に示す平面図である。
図6A図4に示される本発明の第1実施例に係る有機発光素子を用いる照明パネルの製造方法を順次に示す断面図である。
図6B図4に示される本発明の第1実施例に係る有機発光素子を用いる照明パネルの製造方法を順次に示す断面図である。
図6C図4に示される本発明の第1実施例に係る有機発光素子を用いる照明パネルの製造方法を順次に示す断面図である。
図6D図4に示される本発明の第1実施例に係る有機発光素子を用いる照明パネルの製造方法を順次に示す断面図である。
図6E図4に示される本発明の第1実施例に係る有機発光素子を用いる照明パネルの製造方法を順次に示す断面図である。
図6F図4に示される本発明の第1実施例に係る有機発光素子を用いる照明パネルの製造方法を順次に示す断面図である。
図6G図4に示される本発明の第1実施例に係る有機発光素子を用いる照明パネルの製造方法を順次に示す断面図である。
図7図5Dに示される照明部の一部を拡大して示す図面である。
図8A図6Bに示される補助電極の製造方法を具体的に示す断面図である。
図8B図6Bに示される補助電極の製造方法を具体的に示す断面図である。
図8C図6Bに示される補助電極の製造方法を具体的に示す断面図である。
図9A図6Bに示される補助電極の他の製造方法を具体的に示す断面図である。
図9B図6Bに示される補助電極の他の製造方法を具体的に示す断面図である。
図10A図6Bに示される補助電極のさらに他の製造方法を具体的に示す断面図である。
図10B図6Bに示される補助電極のさらに他の製造方法を具体的に示す断面図である。
図10C図6Bに示される補助電極のさらに他の製造方法を具体的に示す断面図である。
図11】本発明の第2実施例に係る有機発光素子を用いる照明パネルを概略的に示す平面図である。
図12図11に示される本発明の第2実施例に係る有機発光素子を用いる照明パネルのII−II′線に沿った断面を概略的に示す図面である。
図13】本発明の第3実施例に係る有機発光素子を用いる照明パネルを概略的に示す断面図である。
図14】本発明の第4実施例に係る有機発光素子を用いる照明パネルを概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照し、本発明に係る有機発光素子を用いる照明パネルおよびその製造方法の好適な実施例を、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるよう、詳細に説明する。
【0022】
本発明の利点、特徴、そしてそれらを達成する方法は、図面と共に詳細に後述する実施例によって明確になるであろう。しかしながら、本発明は、以下に開示する実施例に限定されるものではなく、互いに異なる様々な形態に具現化されるだろう。本実施例は、本発明の開示が完全であるようにすると共に、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完璧に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求の範囲の範疇によって定義されるだけである。明細書全体に亘って、同一の参照符号は同一の構成要素を示す。図面における層および領域の大きさや相対的な大きさは、明瞭な説明のために誇張することがある。
【0023】
素子(element)、若しくは異なる層の素子、若しくは「上(on)」と称されるものは、別の素子、または層の真上だけでなく、間に別の層若しくは別の素子を介在した場合を全て含む。一方、素子が「直上(directly on)」または「真上」と称されるものは、間に別の素子若しくは層を介在しないことを示す。
【0024】
空間的に相対的な用語である「下(below、beneath)」、「下部(lower)」、「上(above)」、「上部(upper)」などは、図面に示すように1つの素子若しくは構成要素と、他の素子若しくは構成要素との相関関係を容易に記述するために用いることができる。空間的に相対的な用語は、図面に示す方向に加えて、使用時または動作時の素子の相違の方向を含む用語として理解しなければならない。例えば、図面に示す素子をひっくり返した場合、他の素子の「下(below)」若しくは「下(beneath)」と記述された素子は、他の素子の「上(above)」に位置し得る。したがって、例示的な用語である「下」は、上下方向を全て含むことができる。
【0025】
本発明に用いられる用語は、実施例を説明するためのものであって、本発明を制限しようとするものではない。本明細書において、単数形の表現は、別に言及しない限り複数形も含む。明細書において用いられる「備える、含む(compriseおよび/またはcomprising)」は、言及された構成要素、工程、動作および/または素子の場合は1つ以上の他の構成要素、工程、動作および/または素子の存在または追加を排除しない。
【0026】
図2は、本発明の第1実施例に係る有機発光素子を用いる照明パネルを例示的に示す断面図である。
【0027】
図3は、本発明の第1実施例に係る有機発光素子を用いる照明パネルを概略的に示す平面図である。
【0028】
そして、図4は、図3に示される本発明の第1実施例に係る有機発光素子を用いる照明パネルのI−I′線に沿った断面を概略的に示す図面である。
【0029】
本発明では、無機物質からなる無機発光素子を用いる照明パネルではなく、有機物質からなる有機発光素子を用いる照明パネルを提供する。
【0030】
有機発光物質からなる有機発光素子は、無機発光素子に比べて緑色および赤色の発光効率が相対的に良好である。また、有機発光素子は、無機発光素子に比べ、赤色と緑色、青色の発光ピークの幅が相対的に広いため、演色指数が向上し、発光装置の光がより太陽光と類似になるというメリットもある。
【0031】
以下において、本発明の照明パネルは、軟性を持った曲げられる照明パネルとして説明されるが、本発明は、曲げられる照明パネルだけでなく、曲げられない一般の照明パネルに適用されてもよい。
【0032】
図2乃至図4を参照すると、本発明の第1実施例に係る有機発光素子を用いる照明パネル100は、面発光が行われる有機発光素子ユニット100aと、有機発光素子ユニット100aを封止する封止部102とを含むことができる。
【0033】
このとき、有機発光素子ユニット100aの下部には、ヘイズを増加させるための外部光抽出層145をさらに備えることができる。但し、本発明がこれに限定されるものではなく、外部光抽出層を備えなくてもよい。
【0034】
外部光抽出層145は、樹脂内にTiOなどの散乱粒子が分散して構成され、粘着層(不図示)を介して基板110の下部に貼り付けることができる。
【0035】
有機発光素子ユニット100aは、基板110上に設けられた有機発光素子からなり、このとき、基板110と有機発光素子との間には内部光抽出層140をさらに備えることができる。但し、本発明は、これに限定されるものではなく、内部光抽出層を備えなくてもよい。
【0036】
内部光抽出層140は、樹脂内にTiO、ZrOなどの散乱粒子が分散して構成され得るが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0037】
内部光抽出層140の上部には、バッファー層101をさらに備えることができる。
【0038】
このとき、基板110は、実際に光を発光して外部へ出力する照明部EAと、コンタクト電極127、128を介して外部と電気的に接続され、照明部EAに信号を印加するコンタクト部CA1、CA2を含むことができる。
【0039】
コンタクト部CA1、CA2は、金属フィルム170の封止手段および/または保護フィルム175によって覆われないので、コンタクト電極127、128を介して外部と電気的に接続されることができる。したがって、金属フィルム170および/または保護フィルム175を、コンタクト部CA1、CA2を除いた基板110の照明部EAの全面に貼り付けることができる。但し、本発明がこれに限定されるものではない。
【0040】
このとき、コンタクト部CA1、CA2は、照明部EAの外側に位置することができる。図3では、第2コンタクト部CA2が第1コンタクト部CA1同士の間に位置することを例に示すが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0041】
また、図3は、コンタクト部CA1、CA2が照明部EAの一外側のみに位置することを例に示すが、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、本発明のコンタクト部CA1、CA2は、照明部EAの上下外側に全て位置することもできる。
【0042】
基板110の上部には、第1電極116および第2電極126が配置され、第1電極116と第2電極126との間には有機発光層130が配置され、有機発光素子を形成することができる。かかる構造の照明パネル100において、有機発光素子の第1電極116および第2電極126に電流が印加されることによって有機発光層130が発光し、照明部EAを通じて光を出力する。
【0043】
有機発光層130は、白色光を出力する発光層で構成することができる。一例に、有機発光層130は、青色発光層、赤色発光層、および緑色発光層で構成してもよく、青色発光層と黄色‐緑色発光層とを含むタンデム構造に構成してもよい。しかしながら、本発明の有機発光層130が前述した構造に限定されるものではなく、様々な構造が適用されてもよい。
【0044】
また、本発明の有機発光層130は、発光層に電子と正孔をそれぞれ注入する電子注入層および正孔注入層、注入された電子と正孔をそれぞれ発光層に輸送する電子輸送層および正孔輸送層、そして電子および正孔のような電荷を生成する電荷生成層をさらに含むことができる。
【0045】
このとき、照明部EAの外側のコンタクト部CA1、CA2には、第1保護層115aと有機発光層130と第2電極126とが形成されていないため、コンタクト電極127、128が外部へ露出され得る。
【0046】
このとき、図面には示していないが、照明部EAには、有機発光層130および第2電極126を覆うよう、有機物質の第2保護層と無機物質の第3保護層を形成することができる。
【0047】
一般に、有機発光物質を構成するポリマーは水分と結合する場合、発光特性が急速に劣化し、有機発光層130の発光効率が低下する。特に、照明パネル100において、有機発光層130の一部が外部へ露出される場合、水分は有機発光層130に沿って照明パネル100の内部に広がり、照明パネル100の発光効率を低下させることになる。そのため、本発明では、照明部EAの有機発光層130および第2電極126を覆うよう、第2保護層および第3保護層を形成することで、実際に光を発光して出力する照明パネル100における照明部EAの有機発光層130へ水分が浸透することを防止する。したがって、歩留まりが向上し、製造コストが減少すると共に、信頼性を確保できる効果を有する。
【0048】
前述したように、透明物質からなる基板110上には、第1コンタクト電極127を含む第1電極116と第2コンタクト電極128が配置される。基板110としては、ガラスのような硬い物質を用いることができるが、プラスチックのような軟性物質を用いることで、曲げられる照明パネル100の作製が可能となる。また、本発明では、軟性を持ったプラスチック物質を基板110に用いることで、ロールを利用した工程が可能となり、照明パネル100の迅速な作製が可能となる。
【0049】
第1コンタクト電極127を含む第1電極116と第2コンタクト電極128は、照明部EAおよび第1・第2コンタクト部CA1、CA2に形成され、伝導性がよくて仕事関数の高い透明な導電物質で形成することができる。一例に、本発明では、第1コンタクト電極127を含む第1電極116と第2コンタクト電極128に、ITO(Indium Tin Oxide)の酸化スズ系の導電物質や、IZO(Indium Zinc Oxide)の酸化亜鉛系の導電物質などを用いることができ、また、透明な伝導性高分子を用いることもできる。
【0050】
このとき、本発明の場合は、個々の画素に電流が供給される第1電極116に短絡防止(Short Reduction)パターン117が形成されて、狭い幅の経路(narrow path)が反映され、上部の第1保護層115aで短絡防止パターン117をカバーして短絡発生を防止する。すなわち、短絡防止パターン117は、個々の画素における発光領域の外側を取り囲むように形成され、個々の画素に抵抗を加えて短絡発生領域へ流れる電流を制限することになる。
【0051】
第1電極116は、照明部EAの外側の第1コンタクト部CA1に延伸されて第1コンタクト電極127を構成し、第2コンタクト部CA2には、第1電極116と電気的に絶縁された第2コンタクト電極128を配置することができる。すなわち、第2コンタクト電極128は、第1電極116と同一層内に配置されるが、第1電極116と分離されて電気的に絶縁されることができる。
【0052】
一例に、図3では、第1コンタクト電極127を含む第1電極116が全体的に四角形状を有し、上部の中央部分が除去されて凹部(recession)を構成し、該凹部に第2コンタクト電極128が配置されることを例に示すが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0053】
基板110の照明部EAおよび第1コンタクト部CA1には補助電極111が配置され、第1電極116および第1コンタクト電極127に電気的に接続されることができる。第1電極116は、透明な高抵抗導電膜で形成され、発光される光を透過させるというメリットを有するが、不透明な金属に比べて電気抵抗が非常に高いという短所がある。したがって、大面積の照明パネル100を作製する場合は、透明な高抵抗導電膜における大きな抵抗により、広い照明領域に印加される電流分布にムラが生じ、かかる不均一な電流分布は、大面積の照明パネル100の均一な輝度の発光を不可能とする。
【0054】
補助電極111は、照明部EAの全体に亘って、きめ細かいメッシュ形状、メッシュ形状、六角形や八角形若しくは円形状などに配置され、照明部EAの全体における第1電極116に均一な電流が印加されるよう、大面積の照明パネル100において、均一な輝度の発光を可能とする役割をする。
【0055】
図4では、補助電極111が、第1コンタクト電極127を含む第1電極116の下部に配置され、内部光抽出層140とバッファー層の中に埋め込まれる形で形成されることを例に挙げて示すが、本発明がこれに限定されるものではない。本発明の補助電極111は、内部光抽出層140内のみに埋め込まれてもよく、バッファー層101内のみに埋め込まれてよい。また、本発明の補助電極111は、内部光抽出層140および/またはバッファー層101の厚さまで埋め込まれてもよく、内部光抽出層140および/またはバッファー層101の一部の厚さまで埋め込まれてもよい。さらに、本発明は、補助電極111を埋め込むため、無機膜からなる特定の層を形成することも可能である。
【0056】
このとき、図4では、補助電極111が内部光抽出層140およびバッファー層101の中に、逆テーパー状になるように埋め込まれたことを例に挙げて示すが、本発明がこれに限定されるものではなく、実質的に90°のテーパー状になるように埋め込まれてもよい。ここで、逆テーパーとは、内部光抽出層140およびバッファー層101の中に埋め込まれた補助電極111における上部の幅が下部の幅より広いことを意味する。したがって、補助電極111が90°のテーパー状になった場合、その上部の幅と下部の幅は実質的に同一となる。
【0057】
本発明に係る補助電極111は、埋め込まれた層(すなわち、内部光抽出層140および/またはバッファー層101)の上部へ突出せずに、同一層や下部層内に埋め込まれることができる。
【0058】
このように、補助電極111が内部光抽出層140および/またはバッファー層101の中に埋め込まれて形成される場合、その上部層との段差が発生しないため、既存の補助電極における段差およびテーパーに起因する保護層(すなわち、第1・第2・第3保護層115a)およびカソード(すなわち、第2電極126)の割れを根本から防止できるようになる。その結果、照明パネルの信頼性を向上させる効果を有することができる。
【0059】
このとき、第1コンタクト部CA1に配置された補助電極111は、第1コンタクト電極127を介して第1電極116への電流の伝達経路として使用されるが、外部と接触し、外部の電流を第1電極116に印加するコンタクト電極として働くこともできる。
【0060】
かかる補助電極111は、Al、Au、Cu、Ti、W、Mo、またはこれらの合金のように伝導性のよい金属で構成することができる。補助電極111は、上部の補助電極と下部の補助電極の2層構造に構成することもできるが、本発明がこれに限定されるものではなく、単層で構成することもできる。
【0061】
基板110の照明部EAには、第1保護層115aを積層することができる。図3では、第1保護層115aが全体的に一定の幅を持った四角いフレーム状に示されるが、実際は、発光領域において、第1保護層115aが除去されて、メッシュ形状に配置された補助電極111を覆うよう、メッシュ形状に形成されてもよい。但し、本発明がこれに限定されるものではない。
【0062】
照明部EAに配置された第1保護層115aは、補助電極111およびその上部の第1電極116を覆うように構成することができるが、実際に光が発光する発光領域には、第1保護層115aが配置されない。
【0063】
第1保護層115aは、SiOxやSiNxなどの無機物質で構成することができる。しかしながら、第1保護層115aは、フォトアクリルといった有機物質で構成してもよく、無機物質と有機物質の複数層で構成してもよい。
【0064】
そして、第1電極116および第1保護層115aが配置された基板110の上部には、有機発光層130および第2電極126を配置することができる。このとき、照明部EAに位置する第2コンタクト電極128の上部における第1保護層115aは、所定領域が除去されて第2コンタクト電極128を露出させるコンタクトホール114を備えることができる。したがって、第2電極126は、コンタクトホール114を介し、その下部の第2コンタクト電極128に電気的に接続されることができる。
【0065】
前述したように、有機発光層130は白色の有機発光層であって、赤色発光層、青色発光層、および緑色発光層で構成してもよく、青色発光層と黄色‐緑色発光層とを含むタンデム構造に構成してもよい。また、有機発光層130は、発光層に電子と正孔をそれぞれ注入する電子注入層および正孔注入層、注入された電子と正孔をそれぞれ発光層に輸送する電子輸送層および正孔輸送層、そして電子および正孔のような電荷を生成する電荷生成層を含むことができる。
【0066】
第2電極126は、有機発光層130への電子注入が容易にできるよう、仕事関数の小さい物質であることが望ましい。第2電極126に用いられる物質は、例えば、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、チタニウム、インジウム、イットリウム、リチウム、ガドリニウム、アルミニウム、銀、スズ、および鉛のような金属、またはこれらの合金から構成することができる。
【0067】
照明部EAにおける第1電極116と、有機発光層130、および第2電極126は、有機発光素子を構成する。このとき、第1電極116が有機発光素子のアノードであり、第2電極126がカソードであって、第1電極116と第2電極126に電流が印加されると、電子が第2電極126から有機発光層130へ注入され、正孔が第1電極116から有機発光層130へ注入される。その後、有機発光層130内には励起子(excition)が生成されるが、該励起子が消滅(decay)することにより、発光層におけるLUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital)とHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)のエネルギー差に対応する光が発生して、下部方向(図面において基板110側)に発散することになる。
【0068】
このとき、図面に示していないが、第2電極126が形成された基板110には、第2保護層および第3保護層を設けることができる。
【0069】
本発明の第1実施例に係る第2保護層は、前述した通り、照明部EAにおける有機発光層130と第2電極126を覆うように形成され、照明部EAの有機発光層130へ水分が浸透することを防止する役割をすることができる。
【0070】
すなわち、本発明の場合は、粘着剤118と金属フィルム170の封止手段の他に、第2保護層と第3保護層を、照明部EAにおける有機発光層130および第2電極126を覆うように形成することによって、実際に光が発光されて出力される照明パネル100の照明部EAにおける有機発光層130へ水分が浸透することを防止することができる。
【0071】
第2保護層は、フォトアクリルといった有機物質で構成することができる。また、第3保護層は、SiOxやSiNxなどの無機物質で構成することができる。但し、本発明がこれに限定されるものではない。
【0072】
第3保護層の上部には、所定の封止剤を設けることができ、かかる封止剤には、エポキシ系化合物、アクリレート系化合物、またはアクリル系化合物などを用いることができる。
【0073】
前述したように、第1コンタクト部CA1の基板110においては、第1電極116から延伸された第1コンタクト電極127が外部へ露出されている。そして、第2コンタクト部CA2の基板110においては、コンタクトホール114を介して第2電極126と電気的に接続された第2コンタクト電極128が外部へ露出されている。したがって、第1コンタクト電極127および第2コンタクト電極128は、外部の電源と電気的に接続され、第1電極116および第2電極126にそれぞれ電流を印加することができる。
【0074】
第3保護層上には、PSA(Pressure Sensitive Adhesive)のような粘着剤118が塗布され、その上に金属フィルム170が配置されて、金属フィルム170が第3保護層に貼り付けられることにより、照明パネル100を封止することができる。
【0075】
このとき、粘着剤118と金属フィルム170の封止手段は、第2保護層および第3保護層を十分に覆うように貼り付けることができる。
【0076】
そして、その上に所定の保護フィルム175を、コンタクト部CA1、CA2を除いた基板110の照明部EAの全面に貼り付けることができる。
【0077】
粘着剤118には、光硬化性粘着剤、または熱硬化性粘着剤を用いることができる。
【0078】
以下では、本発明の第1実施例に係る有機発光素子を用いる照明パネルの製造方法について、図面を参照し、詳細に説明する。
【0079】
図5A乃至図5Gは、図3に示される本発明の第1実施例に係る有機発光素子を用いる照明パネルの製造方法を順次に示す平面図である。
【0080】
また、図6A乃至図6Gは、図4に示される本発明の第1実施例に係る有機発光素子を用いる照明パネルの製造方法を順次に示す断面図である。
【0081】
そして、図7は、図5Dに示される照明部の一部を拡大して示す図面である。
【0082】
まず、図5Aおよび図6Aを参照すると、基板110の全面に内部光抽出層140を形成する。但し、本発明がこれに限定されるものではなく、内部光抽出層を形成しなくてもよい。
【0083】
このとき、内部光抽出層140は、樹脂内にTiO、ZrOなどの散乱粒子が分散して構成され得るが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0084】
内部光抽出層140の上部には、バッファー層101をさらに備えることができる。
【0085】
このとき、基板110は、実際に光を発光して外部へ出力する照明部と、コンタクト電極を介して外部と電気的に接続され、照明部に信号を印加するコンタクト部を含むことができる。
【0086】
次に、図5Bおよび図6Bを参照すると、内部光抽出層140および/またはバッファー層101の一部領域を除去した後、その除去された部分に導電物質を蒸着し、埋め込んで所定の補助電極111を形成する。
【0087】
このとき、前述したように、本発明の第1実施例に係る補助電極111は、内部光抽出層140とバッファー層101の中に埋め込まれる形で形成されることを例に挙げているが、本発明がこれに限定されるものではない。本発明の補助電極111は、内部光抽出層140内のみに埋め込まれてもよく、バッファー層101内のみに埋め込まれてよい。また、本発明の補助電極111は、内部光抽出層140および/またはバッファー層101の厚さまで埋め込まれてもよく、内部光抽出層140および/またはバッファー層101の一部の厚さまで埋め込まれてもよい。さらに、本発明は、補助電極111を埋め込むため、無機膜からなる特定の層を形成することも可能である。
【0088】
このとき、図6Bでは、補助電極111が内部光抽出層140およびバッファー層101の中に、逆テーパー状になるように埋め込まれたことを例に挙げて示すが、本発明がこれに限定されるものではなく、実質的に90°のテーパー状になるように埋め込まれてもよい。
【0089】
また、本発明の第1実施例に係る補助電極111は、埋め込まれた層(すなわち、内部光抽出層140および/またはバッファー層101)の上部へ突出せずに、同一層や下部層内に埋め込まれることができる。したがって、補助電極111が埋め込まれたバッファー層101は、その表面が平坦化(planarization)され得る。この場合、補助電極111とその上部層との間に段差が発生しないため、既存の補助電極における段差およびテーパーに起因する保護層およびカソードの割れを根本から防止できるようになる。その結果、照明パネルの信頼性を向上させる効果を有することができる。
【0090】
また、補助電極111は、照明部の全体に亘って、きめ細かいメッシュ形状(図5Bを参照)、メッシュ形状、六角形や八角形若しくは円形状などに配置され、照明部の全体における第1電極に均一な電流が印加されるよう、大面積の照明パネルにおいて、均一な輝度の発光を可能とする役割をする。
【0091】
かかる本発明の第1実施例に係る埋め込まれる形の補助電極111は、レーザーパターニングやフォトリソグラフィ工程など、様々な方法で形成することができる。これについては、図面を参照して詳細に説明する。
【0092】
図8A乃至図8Cは、図6Bに示される補助電極の製造方法を具体的に示す断面図である。
【0093】
このとき、図8A乃至図8Cに示される補助電極の製造方法は、レーザーパターニングを利用して内部光抽出層およびバッファー層をパターニングし、フォトリソグラフィ工程で補助電極を形成する場合を例に挙げている。
【0094】
図8Aを参照すると、内部光抽出層140およびバッファー層101が形成された基板110の上部にレーザー150を照射し、所定領域の内部光抽出層140およびバッファー層101を除去する。
【0095】
このとき、選択的に除去された内部光抽出層140およびバッファー層101は、陰刻形状の補助電極パターンTを備える。補助電極パターンTは、後で補助電極が形成される領域に備えることができる。
【0096】
このとき、図8Aでは、上部から下部へ行くにつれて補助電極パターンTの幅が狭まるようにパターニングされた場合を例に挙げているが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0097】
その後、図8Bを参照すると、補助電極を形成するため、補助電極パターンTを除いたバッファー層101上に所定の感光膜パターン160を形成する。
【0098】
そして、図8Cを参照すると、補助電極パターンTの内部を含め、基板110の全面に所定の導電物質を蒸着して、感光膜パターン160上に導電膜120を形成する。
【0099】
このとき、補助電極パターンTの内部に蒸着された導電物質は、補助電極111を構成することになる。
【0100】
補助電極111および導電膜120を構成する導電物質は、Al、Au、Cu、Ti、W、Mo、またはこれらの合金のように伝導性のよい金属を含むことができる。
【0101】
その後、リフトオフ工程によって、感光膜パターン160および感光膜パターン160上の導電膜120を選択的に除去することで、内部光抽出層140およびバッファー層101の内部、すなわち、補助電極パターンTの内部に導電物質からなる補助電極111を形成する。
【0102】
図9A乃至図9Bは、図6Bに示される補助電極の他の製造方法を具体的に示す断面図である。
【0103】
このとき、図9Aおよび図9Bに示される補助電極の他の製造方法は、補助電極を形成する際、フォトリソグラフィ工程の代わりに溶液コーティング(soluble coating)工程を利用することを除いては、前述した図8A乃至図8Cに示される補助電極の製造方法と実質的に同一である。
【0104】
図9Aを参照すると、前述したレーザーパターニングを利用して、内部光抽出層140およびバッファー層101の所定領域を除去し、陰刻形状の補助電極パターンを形成する。
【0105】
その後、液状の金属を基板110の全面にコーティングし、金属層111′を形成する。このとき、金属層111′は、補助電極パターンの内部を含め、基板110の全面に形成することができる。
【0106】
そして、ブレード155のような道具を基板110の一方から他方へスライドさせ、補助電極パターンの内部を除いた基板110の表面の金属層を除去し、所定の補助電極111を形成する。
【0107】
図10A乃至図10Cは、図6Bに示される補助電極のさらに他の製造方法を具体的に示す断面図である。
【0108】
このとき、図10A乃至図10Cに示される補助電極のさらに他の製造方法は、レーザーパターニングの代わりに、フォトリソグラフィ工程を利用して、内部光抽出層およびバッファー層をパターニングすると共に、補助電極を形成する場合を例に挙げている。
【0109】
図10Aを参照すると、内部光抽出層140およびバッファー層101が形成された基板110上に所定の感光膜パターン160を形成する。
【0110】
このとき、感光膜パターン160は、後で補助電極が形成される領域を除いたバッファー層101上に形成することができる。
【0111】
次に、図10Bを参照すると、感光膜パターン160をマスクにして、その下部における内部光抽出層140およびバッファー層101を選択的に除去し、内部光抽出層140およびバッファー層101の内部に陰刻形状の補助電極パターンTを形成する。
【0112】
このとき、図10Bでは、上部から下部へ行くにつれて補助電極パターンTの幅が狭まるようにパターニングされた場合を例に挙げているが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0113】
次に、図10Cを参照すると、補助電極パターンTの内部を含め、基板110の全面に所定の導電物質を蒸着して感光膜パターン160上に導電膜111′を形成する。
【0114】
このとき、補助電極パターンTの内部に蒸着された導電物質は、補助電極111を構成することになる。
【0115】
補助電極111および導電膜111′を構成する導電物質は、Al、Au、Cu、Ti、W、Mo、またはこれらの合金のように伝導性のよい金属を含むことができる。
【0116】
その後、リフトオフ工程によって、感光膜パターン160および感光膜パターン160上の導電膜111′を選択的に除去することで、内部光抽出層140およびバッファー層101の内部、すなわち、補助電極パターンTの内部に導電物質からなる補助電極111を形成する。
【0117】
そして、図5Cおよび図6Cを参照すると、基板110の全面に亘ってITOやIZOのような透明導電物質を積層し、エッチングして、照明部および第1・第2コンタクト部に、第1コンタクト電極127を含む第1電極116および第2コンタクト電極128を形成する。
【0118】
このとき、第1電極116は、照明部の外側の第1コンタクト部へ延伸されて第1コンタクト電極127を構成し、照明部の一部および第2コンタクト部には、第1電極116と電気的に絶縁された第2コンタクト電極128を形成することができる。すなわち、第2コンタクト電極128は、第1電極116と同一層内に形成されるが、第1電極116と分離され、電気的に絶縁されることができる。
【0119】
一例に、図5Cでは、第1コンタクト電極127を含む第1電極116が全体的に四角形状を有し、上部の中央部分が除去されて凹部(recession)を構成し、該凹部に第2コンタクト電極128が形成されることを例に示すが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0120】
このとき、発光領域の内部の端部における第1電極116には、所定の短絡防止パターン117を形成することができる。
【0121】
本発明の場合は、補助電極111が内部光抽出層140およびバッファー層101の中に埋め込まれて形成されることにより、その上部の第1電極116が段差を有することなく、形成されることを特徴とする。
【0122】
そして、図5Dおよび図6Dを参照すると、基板110の全体に亘り、SiNxやSiOxのような無機物質、またはフォトアクリルのような有機物質を積層する。その後、無機物質や有機物質をエッチングして、照明部の補助電極111の上部に第1保護層115aを形成すると共に、第2コンタクト電極128の一部を露出させるコンタクトホール114を形成する。
【0123】
このとき、第1保護層115aは、補助電極111を覆うように第1電極116の上部に形成されるが、実際に光が発光する発光領域には、第1保護層115aが形成されない(但し、図5Dおよび図7を参照すると、実際に照明部の中央には、第1保護層115aがメッシュ形状に配置された補助電極111を覆うよう、メッシュ形状に形成されることができる)。図5Dでは、第1保護層115aが全体的に一定の幅を持った四角いフレーム状であるが、実際には、前述したように照明部の中央において、第1保護層115aが、メッシュ形状に配置された補助電極111を覆うよう、メッシュ形状に形成されてもよい。また、図5Dには、第1電極116の上部の第1保護層115aと第2コンタクト電極128の上部の第1保護層115aとが、互いに分離(断絶)された場合を例に示すが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0124】
このとき、第1保護層115aは、短絡防止パターン117の内部にも形成することができる。
【0125】
その後、図5E図5Fおよび図6E図6Fを参照すると、基板110の照明部内に、それぞれ有機発光物質と金属からなる有機発光層130および第2電極126をそれぞれ形成する。
【0126】
まず、図5Eおよび図6Eを参照すると、基板110の照明部内に有機発光物質からなる有機発光層130を形成する。
【0127】
このとき、有機発光層130は白色の有機発光層であって、赤色発光層、青色発光層、および緑色発光層で構成してもよく、青色発光層と黄色‐緑色発光層とを含むタンデム構造に構成してもよい。また、有機発光層130は、発光層に電子と正孔をそれぞれ注入する電子注入層および正孔注入層、注入された電子と正孔をそれぞれ発光層に輸送する電子輸送層および正孔輸送層、そして電子および正孔のような電荷を生成する電荷生成層を含むことができる。
【0128】
次に、図5Fおよび図6Fを参照すると、基板110の照明部内に、有機発光層130を覆うよう、金属からなる第2電極126を形成する。
【0129】
このとき、第2電極126は、コンタクトホール114を介して、その下部の第2コンタクト電極128と電気的に接続されることができる。
【0130】
第2電極126は、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、チタニウム、インジウム、イットリウム、リチウム、ガドリニウム、アルミニウム、銀、スズ、および鉛のような金属、またはこれらの合金から形成することができる。
【0131】
照明部における第1電極116と、有機発光層130、および第2電極126は、有機発光素子を構成する。
【0132】
このとき、照明部の補助電極111の上部には第1保護層115aが配置されるので、補助電極111の上部の有機発光層130は、第1電極116と直接接触せず、補助電極111の上部には、有機発光素子が形成されない。
【0133】
続いて、図面に示していないが、基板110の照明部内に、有機発光層130および第2電極126を覆うよう、有機物質からなる第2保護層を形成することができる。
【0134】
このとき、第2保護層は、前述した通り、照明部における有機発光層130と第2電極126を覆うように形成され、照明部の有機発光層130へ水分が浸透することを防止する役割をすることができる。
【0135】
かかる有機発光層130と、第2電極126、および第2保護層は、ロール製造装置でインラインで形成することができるが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0136】
次に、基板110の照明部に、第2保護層を覆うよう、第3保護層を形成することができる。
【0137】
第3保護層は、さらに他のロール製造装置で形成することができる。
【0138】
第3保護層は、SiOxやSiNxなどの無機物質で構成することができる。但し、本発明がこれに限定されるものではない。
【0139】
第3保護層の上部には、所定の封止剤をさらに設けることができ、かかる封止剤には、エポキシ系化合物、アクリレート系化合物、またはアクリル系化合物などを用いることができる。
【0140】
続いて、図5Gおよび図6Gを参照すると、基板110の照明部上に、光硬化性接着物質、または熱硬化性接着物質からなる粘着剤118を塗布する。そして、その上に金属フィルム170を位置させた後、粘着剤118を硬化させることによって金属フィルム170を貼り付ける。
【0141】
このとき、第1・第2コンタクト電極は、金属フィルム170の封止手段によって覆われないので、第1・第2コンタクト電極127、128を通じて外部と電気的に接続されることができる。
【0142】
その後、コンタクト部を除いた基板110における照明部の全面に、所定の保護フィルム175を貼り付けることで、照明パネルを完成することができる。
【0143】
このように、本発明の第1実施例は、補助電極を内部光抽出層およびバッファー層の内部に、光抽出層およびバッファー層の厚さまで埋め込んで形成することを特徴とする。かかる本発明は、補助電極における段差およびテーパーに起因する第1保護層乃至第3保護層、および第2電極の割れを根本から防止することができ、照明パネルの信頼性を向上させることができる。
【0144】
但し、前述したように、本発明の補助電極は、内部光抽出層内のみに埋め込まれてもよく、バッファー層内のみに埋め込まれてよい。また、本発明の補助電極は、内部光抽出層および/またはバッファー層の一部の厚さまで埋め込まれてもよい。さらに、本発明は、補助電極を埋め込むため、無機膜からなる特定の層をさらに形成することも可能である。これについて、第2実施例乃至第4実施例を通して詳細に説明する。
【0145】
図11は、本発明の第2実施例に係る有機発光素子を用いる照明パネルを概略的に示す平面図である。
【0146】
そして、図12は、図11に示される本発明の第2実施例に係る有機発光素子を用いる照明パネルのII−II′線に沿った断面を概略的に示す図面である。
【0147】
図11および図12に示される本発明の第2実施例に係る有機発光素子を用いる照明パネルは、内部光抽出層が除去され、補助電極がバッファー層のみに埋め込まれて形成されることを除いては、前述した本発明の第1実施例と実質的に同一の構成である。
【0148】
すなわち、本発明の第2実施例に係る有機発光素子を用いる照明パネルは、面発光が行われる有機発光素子ユニットと、有機発光素子ユニットを封止する封止部を含むことができる。
【0149】
このとき、有機発光素子ユニットの下部には、ヘイズを増加させるための外部光抽出層をさらに備えることができる。但し、本発明がこれに限定されるものではなく、外部光抽出層を備えなくてもよい。
【0150】
外部光抽出層は、樹脂内にTiOなどの散乱粒子が分散して構成され、粘着層を介して基板の下部に貼り付けることができる。
【0151】
有機発光素子ユニットは、基板上に設けられた有機発光素子からなり、このとき、本発明の第2実施例の場合は、基板と有機発光素子との間に内部光抽出層をさらに備えないことを特徴とする。
【0152】
このとき、図11および図12を参照すると、基板210は、実際に光を発光して外部へ出力する照明部EAと、コンタクト電極227、228を介して外部と電気的に接続され、照明部EAに信号を印加するコンタクト部CA1、CA2を含むことができる。
【0153】
コンタクト部CA1、CA2は、金属フィルム270の封止手段および/または保護フィルム275によって覆われないので、コンタクト電極227、228を介して外部と電気的に接続されることができる。したがって、金属フィルム270および/または保護フィルム275を、コンタクト部CA1、CA2を除いた基板210の照明部EAの全面に貼り付けることができる。但し、本発明がこれに限定されるものではない。
【0154】
このとき、コンタクト部CA1、CA2は、照明部EAの外側に位置することができる。図11では、第2コンタクト部CA2が第1コンタクト部CA1同士の間に位置することを例に示すが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0155】
また、図11は、コンタクト部CA1、CA2が照明部EAの一外側のみに位置することを例に示すが、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、本発明のコンタクト部CA1、CA2は、照明部EAの上下外側に全て位置することもできる。
【0156】
基板210の上部には、第1電極216および第2電極226が配置され、第1電極216と第2電極226との間には有機発光層230が配置され、有機発光素子を形成することができる。かかる構造の照明パネル200において、有機発光素子の第1電極216および第2電極226に電流が印加されることによって有機発光層230が発光し、照明部EAを通じて光を出力する。
【0157】
このとき、照明部EAの外側のコンタクト部CA1、CA2には、第1保護層215aと有機発光層230と第2電極226とが形成されていないため、コンタクト電極227、228が外部へ露出され得る。
【0158】
図面には示していないが、照明部EAには、有機発光層230および第2電極226を覆うよう、有機物質の第2保護層と無機物質の第3保護層を形成することができる。
【0159】
前述したように、透明物質からなる基板210上には、第1コンタクト電極227を含む第1電極216と第2コンタクト電極228が配置される。基板210としては、ガラスのような硬い物質を用いることができるが、プラスチックのような軟性物質を用いることで、曲げられる照明パネル200の作製が可能となる。また、本発明では、軟性を持ったプラスチック物質を基板210に用いることで、ロールを利用した工程が可能となり、照明パネル200の迅速な作製が可能となる。
【0160】
第1コンタクト電極227を含む第1電極216と第2コンタクト電極228は、照明部EAおよび第1・第2コンタクト部CA1、CA2に形成され、伝導性がよくて仕事関数の高い透明な導電物質で形成することができる。
【0161】
このとき、本発明の場合は、個々の画素に電流が供給される第1電極216に短絡防止パターン217が形成されて、狭い幅の経路(narrow path)が反映され、上部の第1保護層215aで短絡防止パターン217をカバーして短絡発生を防止する。すなわち、短絡防止パターン217は、個々の画素における発光領域の外側を取り囲むように形成され、個々の画素に抵抗を加えて短絡発生領域へ流れる電流を制限することになる。
【0162】
第1電極216は、照明部EAの外側の第1コンタクト部CA1に延伸されて第1コンタクト電極227を構成し、第2コンタクト部CA2には、第1電極216と電気的に絶縁された第2コンタクト電極228を配置することができる。すなわち、第2コンタクト電極228は、第1電極216と同一層内に配置されるが、第1電極216と分離されて電気的に絶縁されることができる。
【0163】
一例に、図11では、第1コンタクト電極227を含む第1電極216が全体的に四角形状を有し、上部の中央部分が除去されて凹部(recession)を構成し、該凹部に第2コンタクト電極228が配置されることを例に示すが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0164】
基板210の照明部EAおよび第1コンタクト部CA1には補助電極211が配置され、第1電極216および第1コンタクト電極227に電気的に接続されることができる。
【0165】
前述した本発明の第1実施例と同様に、補助電極211は、照明部EAの全体に亘って、きめ細かいメッシュ形状、メッシュ形状、六角形や八角形若しくは円形状などに配置され、照明部EAの全体における第1電極216に均一な電流が印加されるよう、大面積の照明パネル200において、均一な輝度の発光を可能とする役割をする。
【0166】
図12では、補助電極211が、第1コンタクト電極227を含む第1電極216の下部に配置され、バッファー層202内に埋め込まれる形で形成されることを例に挙げて示すが、本発明がこれに限定されるものではない。本発明の補助電極211は、バッファー層202の厚さまで埋め込まれてもよく、バッファー層202の一部の厚さまで埋め込まれてもよい。
【0167】
このとき、本発明の第2実施例に係るバッファー層202は、補助電極211を埋め込むため、無機膜からなることができる。
【0168】
このとき、図12では、補助電極211がバッファー層202内に、逆テーパー状になるように埋め込まれたことを例に挙げて示すが、本発明がこれに限定されるものではなく、実質的に90°のテーパー状になるように埋め込まれてもよい。前述したように、逆テーパーとは、バッファー層202内に埋め込まれた補助電極211における上部の幅が下部の幅より広いことを意味する。したがって、補助電極211が90°のテーパー状になった場合、その上部の幅と下部の幅は実質的に同一となる。
【0169】
本発明の第2実施例に係る補助電極211は、バッファー層202の上部へ突出せずに、バッファー層202内に埋め込まれることができる。
【0170】
このように、補助電極211がバッファー層202内に埋め込まれて形成される場合、その上部層との段差が発生しないため、既存の補助電極における段差およびテーパーに起因する保護層(すなわち、第1・第2・第3保護層215a)およびカソード(すなわち、第2電極226)の割れを根本から防止できるようになる。その結果、照明パネルの信頼性を向上させる効果を有することができる。
【0171】
このとき、第1コンタクト部CA1に配置された補助電極211は、第1コンタクト電極227を介して第1電極216への電流の伝達経路として使用されるが、外部と接触し、外部の電流を第1電極216に印加するコンタクト電極として働くこともできる。
【0172】
かかる補助電極211は、Al、Au、Cu、Ti、W、Mo、またはこれらの合金のように伝導性のよい金属で構成することができる。補助電極211は、上部の補助電極と下部の補助電極の2層構造に構成することもできるが、本発明がこれに限定されるものではなく、単層で構成することもできる。
【0173】
基板210の照明部EAには、第1保護層215aを積層することができる。図11では、第1保護層215aが全体的に一定の幅を持った四角いフレーム状に示されるが、実際は、発光領域において、第1保護層215aが除去されて、メッシュ形状に配置された補助電極211を覆うよう、メッシュ形状に形成されてもよい。但し、本発明がこれに限定されるものではない。
【0174】
照明部EAに配置された第1保護層215aは、補助電極211およびその上部の第1電極216を覆うように構成することができるが、実際に光が発光する発光領域には、第1保護層215aが配置されない。
【0175】
第1保護層215aは、SiOxやSiNxなどの無機物質で構成することができる。しかしながら、第1保護層215aは、フォトアクリルといった有機物質で構成してもよく、無機物質と有機物質の複数層で構成してもよい。
【0176】
そして、第1電極216および第1保護層215aが配置された基板210の上部には、有機発光層230および第2電極226を配置することができる。このとき、照明部EAに位置する第2コンタクト電極228の上部における第1保護層215aは、所定領域が除去されて第2コンタクト電極228を露出させるコンタクトホール214を備えることができる。したがって、第2電極226は、コンタクトホール214を介し、その下部の第2コンタクト電極228に電気的に接続されることができる。
【0177】
第2電極226は、有機発光層230への電子注入が容易にできるよう、仕事関数の小さい物質であることが望ましい。第2電極226に用いられる物質は、例えば、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、チタニウム、インジウム、イットリウム、リチウム、ガドリニウム、アルミニウム、銀、スズ、および鉛のような金属、またはこれらの合金から構成することができる。
【0178】
照明部EAにおける第1電極216と、有機発光層230、および第2電極226は、有機発光素子を構成する。
【0179】
このとき、図面に示していないが、第2電極226が形成された基板210には、第2保護層および第3保護層を設けることができる。
【0180】
本発明の第2実施例に係る第2保護層は、前述した通り、照明部EAにおける有機発光層230と第2電極226を覆うように形成され、照明部EAの有機発光層230へ水分が浸透することを防止する役割をすることができる。
【0181】
すなわち、本発明の場合は、粘着剤218と金属フィルム270の封止手段の他に、第2保護層と第3保護層を、照明部EAにおける有機発光層230および第2電極226を覆うように形成することによって、実際に光が発光されて出力される照明パネル200の照明部EAにおける有機発光層230へ水分が浸透することを防止することができる。
【0182】
第2保護層は、フォトアクリルといった有機物質で構成することができる。また、第3保護層は、SiOxやSiNxなどの無機物質で構成することができる。但し、本発明がこれに限定されるものではない。
【0183】
第3保護層の上部には、所定の封止剤を設けることができ、かかる封止剤には、エポキシ系化合物、アクリレート系化合物、またはアクリル系化合物などを用いることができる。
【0184】
前述したように、第1コンタクト部CA1の基板210においては、第1電極216から延伸された第1コンタクト電極227が外部へ露出されている。そして、第2コンタクト部CA2の基板210においては、コンタクトホール214を介して第2電極226と電気的に接続された第2コンタクト電極228が外部へ露出されている。したがって、第1コンタクト電極227および第2コンタクト電極228は、外部の電源と電気的に接続され、第1電極216および第2電極226にそれぞれ電流を印加することができる。
【0185】
第3保護層上には、PSA(Pressure Sensitive Adhesive)のような粘着剤218が塗布され、その上に金属フィルム270が配置されて、金属フィルム270が第3保護層に貼り付けられることにより、照明パネル200を封止することができる。
【0186】
このとき、粘着剤218と金属フィルム270の封止手段は、第2保護層および第3保護層を十分に覆うように貼り付けることができる。
【0187】
そして、その上に所定の保護フィルム275を、コンタクト部CA1、CA2を除いた基板210の照明部EAの全面に貼り付けることができる。
【0188】
粘着剤218には、光硬化性粘着剤、または熱硬化性粘着剤を用いることができる。
【0189】
図13は、本発明の第3実施例に係る有機発光素子を用いる照明パネルを概略的に示す断面図である。
【0190】
図13に示される本発明の第3実施例に係る有機発光素子を用いる照明パネルは、内部光抽出層および/またはバッファー層の厚さの一部まで補助電極が埋め込まれて形成されることを除いては、前述した本発明の第1・第2実施例と実質的に同一の構成である。
【0191】
すなわち、本発明の第3実施例に係る有機発光素子を用いる照明パネルは、面発光が行われる有機発光素子ユニットと、有機発光素子ユニットを封止する封止部を含むことができる。
【0192】
このとき、有機発光素子ユニットの下部には、ヘイズを増加させるための外部光抽出層をさらに備えることができる。但し、本発明がこれに限定されるものではなく、外部光抽出層を備えなくてもよい。
【0193】
外部光抽出層は、樹脂内にTiOなどの散乱粒子が分散して構成され、粘着層を介して基板の下部に貼り付けることができる。
【0194】
有機発光素子ユニットは、基板上に設けられた有機発光素子からなり、図13を参照すると、基板310と有機発光素子との間には、内部光抽出層340をさらに備えることができる。但し、本発明がこれに限定されるものではなく、内部光抽出層を備えなくてもよい。
【0195】
内部光抽出層340は、樹脂内にTiO、ZrOなどの散乱粒子が分散して構成され得るが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0196】
内部光抽出層340の上部には、バッファー層301をさらに備えることができる。
【0197】
このとき、基板310は、実際に光を発光して外部へ出力する照明部EAと、コンタクト電極327、328を介して外部と電気的に接続され、照明部EAに信号を印加するコンタクト部CA1、CA2を含むことができる。
【0198】
コンタクト部CA1、CA2は、金属フィルム370の封止手段および/または保護フィルム375によって覆われないので、コンタクト電極327、328を介して外部と電気的に接続されることができる。したがって、金属フィルム370および/または保護フィルム375を、コンタクト部CA1、CA2を除いた基板310の照明部EAの全面に貼り付けることができる。但し、本発明がこれに限定されるものではない。
【0199】
基板310の上部には、第1電極316および第2電極326が配置され、第1電極316と第2電極326との間には有機発光層330が配置されて、有機発光素子を形成することができる。かかる構造の照明パネル300において、有機発光素子の第1電極316および第2電極326に電流が印加されることによって有機発光層330が発光し、照明部EAを通じて光を出力する。
【0200】
このとき、照明部EAの外側のコンタクト部CA1、CA2には、第1保護層315aと有機発光層330と第2電極326とが形成されていないため、コンタクト電極327、328が外部へ露出され得る。
【0201】
このとき、図面には示していないが、照明部EAには、有機発光層330および第2電極326を覆うよう、有機物質の第2保護層と無機物質の第3保護層を形成することができる。
【0202】
前述したように、透明物質からなる基板310上には、第1コンタクト電極327を含む第1電極316と第2コンタクト電極328が配置される。基板310としては、ガラスのような硬い物質を用いることができるが、プラスチックのような軟性物質を用いることで、曲げられる照明パネル300の作製が可能となる。また、本発明では、軟性を持ったプラスチック物質を基板310に用いることで、ロールを利用した工程が可能となり、照明パネル300の迅速な作製が可能となる。
【0203】
第1コンタクト電極327を含む第1電極316と第2コンタクト電極328は、照明部EAおよび第1・第2コンタクト部CA1、CA2に形成され、伝導性がよくて仕事関数の高い透明な導電物質で形成することができる。
【0204】
このとき、本発明の場合は、個々の画素に電流が供給される第1電極316に短絡防止パターン317が形成されて、狭い幅の経路(narrow path)が反映され、上部の第1保護層315aで短絡防止パターン317をカバーして短絡発生を防止する。すなわち、短絡防止パターン317は、個々の画素における発光領域の外側を取り囲むように形成され、個々の画素に抵抗を加えて短絡発生領域へ流れる電流を制限することになる。
【0205】
第1電極316は、照明部EAの外側の第1コンタクト部CA1に延伸されて第1コンタクト電極327を構成し、第2コンタクト部CA2には、第1電極316と電気的に絶縁された第2コンタクト電極328を配置することができる。すなわち、第2コンタクト電極328は、第1電極316と同一層内に配置されるが、第1電極316と分離されて電気的に絶縁されることができる。
【0206】
基板310の照明部EAおよび第1コンタクト部CA1には補助電極311が配置され、第1電極316および第1コンタクト電極327に電気的に接続されることができる。
【0207】
前述した本発明の第1・第2実施例と同様に、補助電極311は、照明部EAの全体に亘って、きめ細かいメッシュ形状、メッシュ形状、六角形や八角形若しくは円形状などに配置され、照明部EAの全体における第1電極316に均一な電流が印加されるようにして、大面積の照明パネル300において、均一な輝度の発光を可能とする役割をする。
【0208】
図13では、補助電極311が、第1コンタクト電極327を含む第1電極316の下部に配置され、内部光抽出層340およびバッファー層301の中に内部光抽出層340の一部の厚さまで埋め込まれる形で形成されることを例に挙げて示すが、前述したように、本発明がこれに限定されるものではない。本発明の補助電極311は、バッファー層301の一部の厚さまで埋め込まれて形成されてもよい。
【0209】
このように、補助電極311が内部光抽出層340またはバッファー層301の一部の厚さまで埋め込まれて形成される場合、レーザーパターニングによるタックタイムが減少すると共に、ガラスやポリイミド基板310の表面が露出された場合に発生するガラス基板310の黄変現象やポリイミド基板310の損傷を根本から防止できる効果を奏する。
【0210】
このとき、図13では、補助電極311が内部光抽出層340およびバッファー層301の中に、逆テーパー状になるように埋め込まれたことを例に挙げて示すが、本発明がこれに限定されるものではなく、実質的に90°のテーパー状になるように埋め込まれてもよい。
【0211】
本発明の第3実施例に係る補助電極311は、バッファー層301の上部へ突出せずに、内部光抽出層340およびバッファー層301の中に埋め込まれることができる。
【0212】
このように、補助電極311が内部光抽出層340および/またはバッファー層301の中に埋め込まれて形成される場合、その上部層との段差が発生しないため、既存の補助電極における段差およびテーパーに起因する第1保護層315a乃至第3保護層、および第2電極326の割れを根本から防止できるようになる。その結果、照明パネルの信頼性を向上させる効果を奏することができる。
【0213】
このとき、第1コンタクト部CA1に配置された補助電極311は、第1コンタクト電極327を介して第1電極316への電流の伝達経路として使用されるが、外部と接触し、外部の電流を第1電極316に印加するコンタクト電極として働くこともできる。
【0214】
かかる補助電極311は、Al、Au、Cu、Ti、W、Mo、またはこれらの合金のように伝導性のよい金属で構成することができる。補助電極311は、上部の補助電極と下部の補助電極の2層構造に構成することもできるが、本発明がこれに限定されるものではなく、単層で構成することもできる。
【0215】
基板310の照明部EAには、第1保護層315aを積層することができる。前述した本発明の第1・第2実施例と同様に、実際、発光領域においては、第1保護層315aが除去されて、メッシュ形状に配置された補助電極311を覆うよう、メッシュ形状に形成されてもよい。但し、本発明がこれに限定されるものではない。
【0216】
照明部EAに配置された第1保護層315aは、補助電極311およびその上部の第1電極316を覆うように構成することができるが、実際に光が発光する発光領域には、第1保護層315aが配置されない。
【0217】
第1保護層315aは、SiOxやSiNxなどの無機物質で構成することができる。しかしながら、第1保護層315aは、フォトアクリルといった有機物質で構成してもよく、無機物質と有機物質の複数層で構成してもよい。
【0218】
そして、第1電極316および第1保護層315aが配置された基板310の上部には、有機発光層330および第2電極326を配置することができる。このとき、照明部EAに位置する第2コンタクト電極328の上部における第1保護層315aは、所定領域が除去されて第2コンタクト電極328を露出させるコンタクトホール314を備えることができる。したがって、第2電極326は、コンタクトホール314を介し、その下部の第2コンタクト電極328に電気的に接続されることができる。
【0219】
第2電極326は、有機発光層330への電子注入が容易にできるよう、仕事関数の小さい物質であることが望ましい。第2電極326に用いられる物質は、例えば、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、チタニウム、インジウム、イットリウム、リチウム、ガドリニウム、アルミニウム、銀、スズ、および鉛のような金属、またはこれらの合金から構成することができる。
【0220】
このとき、図面に示していないが、第2電極326が形成された基板310には、第2保護層および第3保護層を設けることができる。
【0221】
本発明の第3実施例に係る第2保護層は、前述した通り、照明部EAにおける有機発光層330と第2電極326を覆うように形成され、照明部EAの有機発光層330へ水分が浸透することを防止する役割をすることができる。
【0222】
第2保護層は、フォトアクリルといった有機物質で構成することができる。また、第3保護層は、SiOxやSiNxなどの無機物質で構成することができる。但し、本発明がこれに限定されるものではない。
【0223】
第3保護層の上部には、所定の封止剤を設けることができ、かかる封止剤には、エポキシ系化合物、アクリレート系化合物、またはアクリル系化合物などを用いることができる。
【0224】
第3保護層上には、PSA(Pressure Sensitive Adhesive)のような粘着剤318が塗布され、その上に金属フィルム370が配置されて、金属フィルム370が第3保護層に貼り付けられることにより、照明パネル300を封止することができる。
【0225】
このとき、粘着剤318と金属フィルム370の封止手段は、第2保護層および第3保護層を十分に覆うように貼り付けることができる。
【0226】
そして、その上に所定の保護フィルム375を、コンタクト部CA1、CA2を除いた基板310の照明部EAの全面に貼り付けることができる。
【0227】
粘着剤318には、光硬化性粘着剤、または熱硬化性粘着剤を用いることができる。
【0228】
図14は、本発明の第4実施例に係る有機発光素子を用いる照明パネルを概略的に示す断面図である。
【0229】
図14に示される本発明の第4実施例に係る有機発光素子を用いる照明パネルは、バッファー層の厚さの一部まで補助電極が埋め込まれて形成され、バッファー層の残り部分は、第1電極で埋め込まれることを除いては、前述した本発明の第1・第2・第3実施例と実質的に同一の構成である。
【0230】
すなわち、本発明の第4実施例に係る有機発光素子を用いる照明パネルは、面発光が行われる有機発光素子ユニットと、有機発光素子ユニットを封止する封止部を含むことができる。
【0231】
このとき、有機発光素子ユニットの下部には、ヘイズを増加させるための外部光抽出層をさらに備えることができる。但し、本発明がこれに限定されるものではなく、外部光抽出層を備えなくてもよい。
【0232】
外部光抽出層は、樹脂内にTiOなどの散乱粒子が分散して構成され、粘着層を介して基板の下部に貼り付けることができる。
【0233】
有機発光素子ユニットは、基板上に設けられた有機発光素子からなり、図14を参照すると、基板410と有機発光素子との間には、内部光抽出層440をさらに備えることができる。但し、本発明がこれに限定されるものではなく、内部光抽出層を備えなくてもよい。
【0234】
内部光抽出層440は、樹脂内にTiO、ZrOなどの散乱粒子が分散して構成され得るが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0235】
内部光抽出層440の上部には、バッファー層401をさらに備えることができる。
【0236】
このとき、基板410は、実際に光を発光して外部へ出力する照明部EAと、コンタクト電極427、428を介して外部と電気的に接続され、照明部EAに信号を印加するコンタクト部CA1、CA2を含むことができる。
【0237】
コンタクト部CA1、CA2は、金属フィルム470の封止手段および/または保護フィルム475によって覆われないので、コンタクト電極427、428を介して外部と電気的に接続されることができる。したがって、金属フィルム470および/または保護フィルム475を、コンタクト部CA1、CA2を除いた基板410の照明部EAの全面に貼り付けることができる。但し、本発明がこれに限定されるものではない。
【0238】
基板410の上部には、第1電極416および第2電極426が配置され、第1電極416と第2電極426との間には有機発光層430が配置されて、有機発光素子を形成することができる。かかる構造の照明パネル400において、有機発光素子の第1電極416および第2電極426に電流が印加されることによって有機発光層430が発光し、照明部EAを通じて光を出力する。
【0239】
このとき、照明部EAの外側のコンタクト部CA1、CA2には、第1保護層415aと有機発光層430と第2電極426とが形成されていないため、コンタクト電極427、428が外部へ露出され得る。
【0240】
図面には示していないが、照明部EAには、有機発光層430および第2電極426を覆うよう、有機物質の第2保護層と無機物質の第3保護層を形成することができる。
【0241】
前述したように、透明物質からなる基板410上には、第1コンタクト電極427を含む第1電極416と第2コンタクト電極428が配置される。基板410としては、ガラスのような硬い物質を用いることができるが、プラスチックのような軟性物質を用いることで、曲げられる照明パネル400の作製が可能となる。また、本発明では、軟性を持ったプラスチック物質を基板410に用いることで、ロールを利用した工程が可能となり、照明パネル400の迅速な作製が可能となる。
【0242】
第1コンタクト電極427を含む第1電極416と第2コンタクト電極428は、照明部EAおよび第1・第2コンタクト部CA1、CA2に形成され、伝導性がよくて仕事関数の高い透明な導電物質で形成することができる。
【0243】
このとき、本発明の場合は、個々の画素に電流が供給される第1電極416に短絡防止パターン417が形成されて、狭い幅の経路(narrow path)が反映され、上部の第1保護層415aで短絡防止パターン417をカバーして短絡発生を防止する。すなわち、短絡防止パターン417は、個々の画素における発光領域の外側を取り囲むように形成され、個々の画素に抵抗を加えて短絡発生領域へ流れる電流を制限することになる。
【0244】
第1電極416は、照明部EAの外側の第1コンタクト部CA1に延伸されて第1コンタクト電極427を構成し、第2コンタクト部CA2には、第1電極416と電気的に絶縁された第2コンタクト電極428を配置することができる。すなわち、第2コンタクト電極428は、第1電極416と同一層内に配置されるが、第1電極416と分離されて電気的に絶縁されることができる。
【0245】
基板410の照明部EAおよび第1コンタクト部CA1には補助電極411が配置され、第1電極416および第1コンタクト電極427に電気的に接続されることができる。
【0246】
前述した本発明の第1・第2・第3実施例と同様に、補助電極411は、照明部EAの全体に亘って、きめ細かいメッシュ形状、メッシュ形状、六角形や八角形若しくは円形状などに配置され、照明部EAの全体における第1電極416に均一な電流が印加されるようにして、大面積の照明パネル400において、均一な輝度の発光を可能とする役割をする。
【0247】
図14では、補助電極411が、第1コンタクト電極427を含む第1電極416の下部に配置され、内部光抽出層440およびバッファー層401の中に、内部光抽出層440の全体の厚さとバッファー層401の一部の厚さの合計の深さまで埋め込まれる形で形成されることを例に挙げて示すが、前述したように、本発明がこれに限定されるものではない。
【0248】
このとき、バッファー層401の残り部分は、第1電極416で埋め込むことができる。
【0249】
また、図14では、補助電極411が内部光抽出層440およびバッファー層401の中に、逆テーパー状になるように埋め込まれたことを例に挙げて示すが、本発明がこれに限定されるものではなく、実質的に90°のテーパー状になるように埋め込まれてもよい。
【0250】
このように、補助電極411が内部光抽出層440およびバッファー層401の中に埋め込まれて形成される場合、その上部層との段差が発生しないため、既存の補助電極における段差およびテーパーに起因する第1保護層415a乃至第3保護層、および第2電極426の割れを根本から防止できるようになる。その結果、照明パネルの信頼性を向上させる効果を有することができる。
【0251】
このとき、第1コンタクト部CA1に配置された補助電極411は、第1コンタクト電極427を介して第1電極416への電流の伝達経路として使用されるが、外部と接触し、外部の電流を第1電極416に印加するコンタクト電極として働くこともできる。
【0252】
かかる補助電極411は、Al、Au、Cu、Ti、W、Mo、またはこれらの合金のように伝導性のよい金属で構成することができる。補助電極411は、上部の補助電極と下部の補助電極の2層構造に構成することもできるが、本発明がこれに限定されるものではなく、単層で構成することもできる。
【0253】
基板410の照明部EAには、第1保護層415aを積層することができる。前述した本発明の第1・第2実施例と同様に、実際、発光領域においては、第1保護層415aが除去されて、メッシュ形状に配置された補助電極411を覆うよう、メッシュ形状に形成されてもよい。但し、本発明がこれに限定されるものではない。
【0254】
照明部EAに配置された第1保護層415aは、補助電極411およびその上部の第1電極416を覆うように構成することができるが、実際に光が発光する発光領域には、第1保護層415aが配置されない。
【0255】
第1保護層415aは、SiOxやSiNxなどの無機物質で構成することができる。しかしながら、第1保護層415aは、フォトアクリルといった有機物質で構成してもよく、無機物質と有機物質の複数層で構成してもよい。
【0256】
そして、第1電極416および第1保護層415aが配置された基板410の上部には、有機発光層430および第2電極426を配置することができる。このとき、照明部EAに位置する第2コンタクト電極428の上部における第1保護層415aは、所定領域が除去されて第2コンタクト電極428を露出させるコンタクトホール414を備えることができる。したがって、第2電極426は、コンタクトホール414を介し、その下部の第2コンタクト電極428に電気的に接続されることができる。
【0257】
第2電極426は、有機発光層430への電子注入が容易にできるよう、仕事関数の小さい物質であることが望ましい。第2電極426に用いられる物質は、例えば、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、チタニウム、インジウム、イットリウム、リチウム、ガドリニウム、アルミニウム、銀、スズ、および鉛のような金属、またはこれらの合金から構成することができる。
【0258】
このとき、図面に示していないが、第2電極426が形成された基板410には、第2保護層および第3保護層を設けることができる。
【0259】
本発明の第4実施例に係る第2保護層は、前述した通り、照明部EAにおける有機発光層430と第2電極426を覆うように形成され、照明部EAの有機発光層430へ水分が浸透することを防止する役割をすることができる。
【0260】
第2保護層は、フォトアクリルといった有機物質で構成することができる。また、第3保護層は、SiOxやSiNxなどの無機物質で構成することができる。但し、本発明がこれに限定されるものではない。
【0261】
第3保護層の上部には、所定の封止剤を設けることができ、かかる封止剤には、エポキシ系化合物、アクリレート系化合物、またはアクリル系化合物などを用いることができる。
【0262】
第3保護層上には、PSA(Pressure Sensitive Adhesive)のような粘着剤418が塗布され、その上に金属フィルム470が配置されて、金属フィルム470が第3保護層に貼り付けられることにより、照明パネル400を封止することができる。
【0263】
このとき、粘着剤418と金属フィルム470の封止手段は、第2保護層および第3保護層を十分に覆うように貼り付けることができる。
【0264】
そして、その上に所定の保護フィルム475を、コンタクト部CA1、CA2を除いた基板410の照明部EAの全面に貼り付けることができる。
【0265】
粘着剤418には、光硬化性粘着剤、または熱硬化性粘着剤を用いることができる。
【0266】
本発明は、前述した第1乃至第4実施例に限定されるものではない。本発明では、バッファー層および/または内部光抽出層に補助電極を埋め込むことで、補助電極の上部の構造が、補助電極によって形成される段差による影響を受けない。すなわち、補助電極の埋め込みは段差の大きさを減らし、その結果、補助電極の段差およびテーパーによって保護層(すなわち、第1・2・3保護層)やカソード(すなわち、第2電極)にクラックが発生することを防止し、照明パネルの信頼性を向上させる。さらに、補助電極の埋め込みは、段差をなくせる。すなわち、第1電極は、平坦化された面を持ち、その結果、補助電極の段差およびテーパーによって保護層(すなわち、第1・2・3保護層)やカソード(すなわち、第2電極)にクラックが発生することを防止し、照明パネルの信頼性を向上させる。
【0267】
本発明の一部の実施例において、照明パネルが内部光抽出層の他にバッファー層を備えるとき、補助電極は、バッファー層の厚さまで埋め込まれてもよく、バッファー層の一部の厚さまで埋め込まれてもよい。また、照明パネルがバッファー層と内部光抽出層を備えるとき、補助電極は、バッファー層の厚さまで埋め込まれてもよく、バッファー層の一部の厚さまで埋め込まれてもよい。すなわち、内部光抽出層が備えられても、補助電極は、バッファー層内のみに備えられる。ここで、補助電極がバッファー層の厚さまで埋め込まれるということは、補助電極の厚さがバッファー層の厚さと類似であることを意味する。補助電極がバッファー層の一部の厚さまで埋め込まれるということは、補助電極の厚さがバッファー層の厚さより小さく、補助電極の上面がバッファー層の上面と同一平面上にあるか、若しくは補助電極の下面がバッファー層の下面と同一平面上にあるか、若しくは補助電極の上面と下面、両方がバッファー層内にあることを意味する。さらに、第1電極が平坦化された面を持つため、例えば、補助電極の上面は、バッファー層の上面と同一平面上にあるか、若しくはバッファー層の残り厚さに対応する部分が第1電極で満たされる。
【0268】
本発明の一部の実施例において、照明パネルがバッファー層および内部光抽出層を備えるとき、補助電極はバッファー層の厚さまで埋め込まれ、内部光抽出層の厚さまで、または内部光抽出層の一部の厚さまでさらに埋め込まれる。かかる場合、補助電極の上面は、バッファー層の上面と同一平面上に位置し、第1電極は平坦化された面を持つ。
【0269】
本発明の一部の実施例において、照明パネルがバッファー層および内部光抽出層を備えるとき、補助電極は、バッファー層の一部の厚さまで埋め込まれ、内部光抽出層の厚さまで、または内部光抽出層の一部の厚さまでさらに埋め込まれる。すなわち、補助電極の上面がバッファー層内にあり、補助電極の下面がバッファー層の下面と同一平面上にあるか、若しくは補助電極の上面と下面、両方がバッファー層および内部光抽出層内にある。かかる場合、バッファー層の残り厚さに対応する部分が第1電極で満たされ、第1電極は平坦化された面を持つ。
【0270】
本発明の一部の実施例において、基板上に備えられた物質層と、前記物質層内に埋め込まれた補助電極と、前記埋め込まれた補助電極と電気的に接続される前記物質層上の第1電極と、前記第1電極が備えられた前記基板の照明部に備えられた有機発光層および第2電極と、前記基板の照明部に備えられた封止手段とを含む有機発光素子を用いる照明パネルが提供される。ここで、前記物質層の上面は、前記補助電極の上面と同一平面上に位置し、前記第1電極は平坦化された面を持つ。さらに、前記補助電極と接触する前記第1電極の位置は、前記物質層の上面より低い。すなわち、前記補助電極上は第1電極で満たされ、前記第1電極は平坦化された面を持つ。前記物質層は、有機物および/または無機物からなる1つ、またはそれ以上の層を含む。前記1つ、またはそれ以上の層は、バッファー層および/または内部光抽出層を含むことができ、他の層をさらに含むことができる。しかしながら、本発明がこれに限定されるものではない。1つまたはそれ以上の層は、バッファー層および/または内部光抽出層が含まれない他の物質層であり得る。
【0271】
本発明の一部の実施例において、本発明の実施例に係る照明パネルを備える照明モジュールが提供される。ここで、照明モジュールは、照明装置または照明システムを構成する半製品である。
【0272】
本発明の一部の実施例において、本発明の実施例に係る照明パネルと照明モジュールのうち、少なくとも1つを備える照明装置が提供される。ここで、照明装置は、デスク用ランプ、壁用ランプ、ペンダントランプ、廊下用ランプ、街路灯、携帯用ランプ、天井ランプ、または車のランプであり得る。
【0273】
本発明の一部の実施例において、本発明の実施例に係る照明パネルと、照明モジュールおよび照明装置のうち、少なくとも1つを備える照明システムが提供される。ここで、照明システムは、照明パネルや照明モジュール、または照明装置を制御するための制御装置をさらに備えることができる。
【0274】
上記の説明に具体的に記載されているが、これは発明の範囲を限定するものというより、好ましい実施例の例示として解釈しなければならない。よって、本発明は、説明した実施例によって定められるものではなく、特許請求の範囲およびそれと均等するものによって定められなければならない。
【符号の説明】
【0275】
100、200、300、400…照明パネル
101、202、301、401…バッファー層
110、210、310、410…基板
115a、215a、315a、415a…第1保護層
116、216、316、416…第1電極
126、226、326、426…第2電極
127、227、327、427…第1コンタクト電極
128、228、328、428…第2コンタクト電極
130、230、330、430…有機発光層
140、340、440…内部光抽出層
170、270、370、470…金属フィルム
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図7
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C
図11
図12
図13
図14