【実施例】
【0015】
図1から
図5を参照しながら、本発明の好ましい一実施形態の電子顕微鏡試料チップの製造方法を説明する。このチップは走査型電子顕微鏡(scanning electron microscope、SEM)又は透過型電子顕微鏡(transmission electron microscope、TEM)に適用することによって、液状試料又は蒸発試料を観察することができる。前記液状試料又は蒸発試料とは、例えば:研磨液、乳液、化粧品、血液、組織液、細胞培養液、又は化学液体が挙げられる。
【0016】
図1に示すように、厚さが10μmから800μmの主体層(13)の下に緩衝層(11)が設置されている。一般的には、すべての堆積またはエピタキシャル製造工程によって主体層(13)の下に緩衝層(11)が形成させることができる。例えば:化学気相蒸着(chemical vapor deposition、CVD)、物理気相蒸着(physical vapor deposition、PVD)、原子層蒸着(atomic layer deposition、ALD)、又は分子線エピタキシャル(molecular beam epitaxial、MBE)。原則的に、緩衝層(11)はその後の二つ異なるエッチング製造工程に影響を受けられるようにする。緩衝層(11)の材料は、二酸化ケイ素またはクロムにすることができるが、それに限らない。緩衝層(11)の厚さは50nmから1μmにすることができるがそれに限らない。原則的に、主体層(13)はその後の第1次エッチング製造工程に影響を受けられるようにする。主体層(13)の材料は、シリコン又はサファイアにすることができるが、それに限らない。
【0017】
図2に示すように、緩衝層(11)の下に薄膜層(12)が設置されて、薄膜層(12)、緩衝層(11)、及び主体層(13)のエッチング特性が異なる。本文の中に使っている「エッチング特性が異なる」とは、同じエッチング製造工程であっても、各層に対して生じたエッチング効果が異なるの意味である。一般的に、緩衝層(11)の下に薄膜層(12)が形成される方法としては拘らなく、何らかの堆積方法又はエピタキシャル製造工程でもよい。例えば:化学気相蒸着、物理気相蒸着、原子層蒸着、又は分子線エピタキシャル。原則的に、薄膜層(12)はその後の第2次エッチング製造工程に影響を受けず、且つ電子の移動活動に供する。薄膜層(12)の材料は窒化ケイ素又は炭化ケイ素にすることができるが、それに限らない。そして、薄膜層(12)の厚さは5nmから100nmであるがそれに限らない。好ましいのは10nmから50nmであり、より好ましいのは30nmである。また、本技術の分野における通常の知識を有する者が理解できるように、緩衝層(11)の設置ステップと薄膜層(12)の設置ステップとは、実際の需要によって異なる順番で設置することが可能である。言い換えると、先に緩衝層(11)の設置ステップを行った後、更に薄膜層(12)の設置ステップを行うことができる;或いは、先に薄膜層(12)の設置ステップを行った後、更に緩衝層(11)の設置ステップを行うことができる。
【0018】
図3に示すように、エッチング主体層(13)の一部と緩衝層(11)の一部はそれぞれ主体開口(14)及び緩衝開口(15)を形成し、主体開口(14)は緩衝開口(15)に対応している。一般的に、主体開口(14)及び緩衝開口(15)が形成される方法としては拘らなく、何らかのエッチング製造工程でもよい。例えば:ドライエッチング又はウェットエッチング。ドライエッチングは、スパッタエッチング(sputter etching)、イオンビームエッチング(ion beam etching)、プラズマエッチング(plasma etching)、又は反応性イオンエッチング(reactive ion etching、RIE)であるが、それに限らない。ウェットエッチングは、BOE(reactive ion etching、RIE)エッチング、DHF(diluted HF)エッチング、高温フッ化水素エッチング、高温リン酸エッチング、フッ化水素-硝酸エッチング、水酸化カリウムエッチング、フッ化水素-硝酸-酢酸-リン酸エッチング、水酸化アンモニウム-過酸化水素エッチング、フッ化水素エッチング、又は硝酸エッチングであるが、それに限らない。
【0019】
図4に示すように、緩衝開口(15)に沿って緩衝層(11)の他の部分をエッチングするによって緩衝開口(15)を薄膜層(12)の一領域に対応すると共に主体開口(14)から薄膜層(12)の緩衝開口(15)に対応する領域が露出させる。一般的には、緩衝開口(15)を薄膜層(12)の一領域に対応すると共に主体開口(14)から薄膜層(12)の緩衝開口(15)に対応する領域が露出させるエッチング製造工程としては拘らなく、何らかのエッチング製造工程でもよい。例えば:ドライエッチング又はウェットエッチングである。ドライエッチングは、スパッタエッチング、イオンビームエッチング、プラズマエッチング、又は反応性イオンエッチングであるが、それに限らない。ウェットエッチングは、BOEエッチング、DHFエッチング、高温フッ化水素エッチング、高温リン酸エッチング、フッ化水素-硝酸エッチング、水酸化カリウムエッチング、フッ化水素-硝酸-酢酸-リン酸エッチング、水酸化アンモニウム-過酸化水素エッチング、フッ化水素エッチング、又は硝酸エッチングであるが、それに限らない。
【0020】
図5に示すように、薄膜層(12)の下にぞれぞれスペーサ(16)及び一台座(17)が設置されて、このような構成によって、スペーサ(16)にて緩衝開口(15)の領域に対応する薄膜層(12)に対応している試料収容空間(18)が定義されることで、チップの製作が完成させる。薄膜層(12)、緩衝層(11)、及び主体層(13)の組み合わせによって一つの台座(19)になるため、以降の説明には、便宜に薄膜層(12)、緩衝層(11)、及び主体層(13)により構成される台座(19)を「第1の台座」と称し、スペーサ(16)の下に設置される台座(17)を「第2の台座」と称する。また、試料収容空間(18)は液状試料又は蒸発試料を載せることが可能であるため、原則的に、スペーサ(16)は試料に対して耐性(例えば:腐食耐性又は浸透圧耐性)を有する。スペーサ(16)の材料は、SU−8又はポリイミド(polyimide、PI)であるが、それに限らない。スペーサ(16)の厚度は100nmから100μmであるが、それに限らない。また、第2の台座(17)の構成特徴は本件発明の保護ポイントではないため、原則として電子の移動活動に供することができれば、詳しい説明を省略する。例として挙げると、その構成は第1の台座(19)を逆さまにして構成しても可能である。
【0021】
そして、通常知識により、実際、薄膜層(12)、緩衝層(11)、及び主体層(13)の条件から適切なエッチング製造工程を選べる。例として挙げると、主体層(13)はシリコン層又はサファイア層であり、緩衝層(11)は二酸化ケイ素層であり、薄膜層(12)は窒化ケイ素層又は炭化ケイ素層である場合、第1次エッチング製造工程はドライエッチング(好ましくはプラズマエッチング)であり、第2次エッチング製造工程はウェットエッチング(好ましくはフッ化水素エッチング)である。これによって、主体開口(14)の側面は実質的に隣接する主体層(13)の表面と垂直(夾角は85度から95度になるのは好ましい)することが可能であり、主体開口(14)の同じ側面は実質的に隣接する緩衝開口(15)の側面と共平面(夾角は170度から190度になるのは好ましい)になることが可能である。よって、主体開口(14)の前記側面と緩衝開口(15)の前記側面が実質的に薄膜層(12)に垂直させることができる。更に、例として挙げると、前提として、主体層(13)がシリコン層又はサファイア層であり、緩衝層(11)がクロム層であり、薄膜層(12)が窒化ケイ素層又は炭化ケイ素層である場合に、第1次エッチング製造工程はドライエッチング(好ましくはプラズマエッチング)であり、第2次エッチング製造工程はウェットエッチング(好ましくは硝酸エッチング)である。これによって、主体開口(14)の側面は実質的に隣接する主体層(13)の表面に垂直(夾角は85度から95度になるのは好ましい)することが可能であり、主体開口(14)の同じ側面は実質的に隣接する緩衝開口(15)の側面と共平面(夾角は170度から190度になるのは好ましい)になることが可能である。よって、主体開口(14)の前記表面と緩衝開口(15)の前記側面が実質的に薄膜層(12)に垂直させることができる。
【0022】
上記に述べるように、主体開口(14)の同じ側の表面と緩衝開口(15)の同じ側の表面とは実質上共平面になり、且つ実質上薄膜層(12)に垂直できるため、試料収容空間(18)が緩衝層(11)と主体層(13)による視覚上の遮断される障害がより小さくなる。言い換えれば、試料収容空間(18)と薄膜層(12)が対応する緩衝開口(15)の領域によって定義する可視領域はより広いため、チップが電子顕微鏡の下に配置される際に、試料収容空間(18)における液状試料または蒸発試料を観察する際に、より多様な姿が見ることができる。また、スペーサ(16)が可視領域範囲を制限させることを避けるに、試料収容空間(18)から薄膜層(12)に向ける正投影は、緩衝開口(15)の領域に対応する薄膜層(12)に超えたり或いは重ねたりすることができる。
【0023】
図6から
図8に示すように、チップ(1)、載置部件台座(3)、及び載置台台座(5)が含まれる電子顕微鏡試料載置台を説明する。当該電子顕微鏡試料は、液状試料又は蒸発試料の流動状況を観察する走査型電子顕微鏡に適する。
【0024】
チップ(1)を構成する特徴は
図5に示されているの他、更に、スペーサ(16)は試料収容空間(18)に連通するための少なくとも二つのチャンネル(20)を有する。
【0025】
載置部件台座(3)にはチップ(1)が収容され、且つチップ(1)のこれらのチャンネル(20)に連通するための少なくとも二つの流通経路(31)を有する。
【0026】
載置台台座(5)には載置部件台座(3)が収容され、且つ載置部件台座(3)のこれらの流通経路(31)に連通するための少なくとも二つの通路(51)を有する。このような構成によって、試料が試料収容空間(18)内に流動させる動力を提供するために、載置台台座(5)のこれらの通路(51)に連通するポンプ(図示せず)を使うことが可能である。
【0027】
また、載置台台座(5)と載置部件台座(3)を分離した後、チップ(1)と載置部件台座(3)との全体構成(又は「電子顕微鏡試料載置部件」と称する)は液状試料又は蒸発試料の流動状況を観察する透過型電子顕微鏡に適用することができる。言い換えると、試料が試料収容空間(18)内に流動させる動力を提供するために、載置部件台座(3)のこれらの流通経路(31)に連通するポンプ(図示せず)を使うことが可能である。なお、電子が載置部件に移動・透過させることで透過型電子顕微鏡によって流動状況を観察するために、載置部件台座(3)には、緩衝開口(15)の領域に対応する薄膜層(12)に対応している穿孔(32)を設置することが可能である。
【0028】
更に、薄膜層(12)は非常に薄いため、液状試料又は蒸発試料の試料収容空間(18)内の流動が緩衝開口(15)の領域に対応している部分の破裂が引き起こすことが可能である。このような現象を避けるために、これらの通路(51)は斜め上になるように対応する流通経路(31)に連通でき;また、これらの流通経路(31)は斜め上になるように対応するチャンネル(20)に連通でき;また、これらのチャンネル(20)は斜め上になるように対応する試料収容空間(18)に連通できる。以下の構成も同様にこのような破裂の問題を回避できる。載置台外部に連通する通路(51)の一方と経路(31)に連通する通路(51)のもう一方は順に徐々に拡大でき;又は通路(51)に連通する経路(31)の一方とチャンネル(20)に連通する経路(31)のもう一方は順に徐々に拡大でき;又は流通経路(31)に連通するチャンネル(20)の一方と試料収容空間(18)に連通するチャンネル(20)のもう一方は順に徐々に拡大できる。
【0029】
図9、
図10に示すように、チップ(1)、載置部件台座(3)、及び載置台台座(5)が含まれる電子顕微鏡試料載置台を説明する。当該電子顕微鏡載置台は、試料液状試料又は蒸発試料の電気化学反応を観察する走査型電子顕微鏡に適する。
【0030】
チップ(1)を構成する特徴は
図5に示されているの他、更に、スペーサ(16)と第1の台座(19)又は第2の台座(17)との間に、さらに試料収容空間(18)に連通する少なくとも二つの電極(21)を有する。その一方の電極(21)は陽極であり、もう一方は陰極であることが可能である。また、その一方の電極(21)は工作電極であり、もう一方は参照電極であることが可能であり、或いはもう一方は補助電極であることが可能である。
【0031】
載置部件台座(3)にはチップ(1)が収容され、且つチップ(1)のこれらの電極(21)と電気的に接続する少なくとも二つの電気接続子(33)を有する。
【0032】
載置台台座(5)には置部件台座(3)が収容され、且つ載置部件台座(3)のこれらの電気接続子(33)と電気的に接続する少なくとも二つの電気接続体(52)を有する。このような構成によって、試料収容空間(18)内に収容されている試料が電気化学反応の電力を起こすために、外部電源(図示せず)を使い、載置台台座(5)のこれらの電気接続体(52)に電気的に接続させることが可能である。
【0033】
そして、載置台台座(5)と載置部件台座(3)を分離した後、チップ(1)と載置部件台座(3)との全体構成(又は「電子顕微鏡試料載置部件」と称する)は液状試料又は蒸発試料の電気化学反応を観察する透過型電子顕微鏡に適用することができる。言い換えると、試料収容空間(18)内に収容されている試料が電気化学反応の電力を起こすために、外部電源(図示せず)を使い、載置部件台座(3)のこれらの電気接続子(33)、可利用一外部電源(図示せず)電性連接載置部件台座(3)のこれらの電気接続子(33)に電気的に接続させることが可能である。また、電子が載置部件に移動・透過させることで透過型電子顕微鏡によって電気化学反応を観察するために、載置部件台座(3)には、緩衝開口(15)の領域に対応する薄膜層(12)に対応している穿孔(32)を設置することが可能である。
【0034】
また、走査型電子顕微鏡又は透過型電子顕微鏡によってこれらの電極(21)の近くの電気化学反応を観察するために、これらの電極(21)の薄膜層(12)における正投影は、薄膜層(12)の緩衝開口(15)に対応するまでに延ばすことができる。
【0035】
また、試料の流動状況を併せて観察するために、チップ(1)、載置部件台座(3)、及び載置台台座(5)は、それぞれに少なくとも二つのチャンネル(20)、少なくとも二つの流通経路(31)、及び少なくとも二つの通路(51)を設置することができる。チャンネル(20)、流通経路(31)、及び通路(51)の構成特徴は
図6から
図8に示すようになるため、詳しい説明を省略する。
【0036】
図11、
図12に示すように、チップ(1)、載置部件台座(3)、及び載置台台座(5)が含まれる電子顕微鏡試料載置台を説明する。当該電子顕微鏡載置台は、試料液状試料又は蒸発試料の電気化学反応を観察する走査型電子顕微鏡に適する。チップ(1)、載置部件台座(3)、及載置台台座(5)を構成する特徴は
図9、10に示されているの他、その違いについて次のように説明する。
【0037】
載置部件台座(3)から離れている台座(17)(
図12に示すように、第2の台座である)の載置部件台座(3)の台座(19)(
図12に示すように、第1の台座である)に向けている正投影は、載置部件台座(3)に向けている台座(19)に超過していないとともに重なっていない。
【0038】
載置部件台座(3)はベース部(34)及び一カバー部(35)を含み、ベース部(34)がチップ(1)を載せて、カバー部(35)がベース部(34)をカバーさせ、載置部件台座(3)のこれらの電気接続子(33)がベース部(34)とカバー部(35)との間に設置されているとともに、実質的にチップ(1)のこれらの電極(21)の上面と接觸されている。また、電子が載置部件に移動・透過させることで透過型電子顕微鏡によって電気化学反応を観察するために、カバー部(35)には、緩衝開口(15)の領域に対応する薄膜層(12)に対応している貫通孔(36)を開設することが可能である。
【0039】
図13、
図14に示すように、チップ(1)、載置部件台座(3)、及び載置台台座(5)が含まれる電子顕微鏡試料載置台を説明する。当該電子顕微鏡載置台は、試料液状試料又は蒸発試料の熱反応を観察する走査型電子顕微鏡に適する。
【0040】
チップ(1)を構成する特徴は
図5に示されているの他、スペーサ(16)と第1の台座(19)又は第2の台座(17)との間に、さらに試料収容空間(18)と連通する加熱素子(22)を有する。
【0041】
載置部件台座(3)にはチップ(1)が収容され、且つチップ(1)の加熱素子(22)に電気的に接続する少なくとも二つの電気接続子(33)を有する。
【0042】
載置台台座(5)には載置部件台座(3)が収容され、且つ載置部件台座(3)のこれらの電気接続子(33)に電気的に接続する少なくとも二つの電気接続体(52)を有する。このような構成によって、試料収容空間(18)内の試料が熱反応をさせるための電力を提供するために、載置台台座(5)のこれらの電気接続体(52)に外部電源(図示せず)を使い電気的に接続することができる。
【0043】
そして、載置台台座(5)と載置部件台座(3)を分離した後、チップ(1)と載置部件台座(3)との全体構成(又は「電子顕微鏡試料載置部件」と称する)は液状試料又は蒸発試料の熱反応を観察する透過型電子顕微鏡に適用することができる。言い換えると、試料収容空間(18)内の試料が熱反応をさせるための電力を提供するために、載置部件台座(3)のこれらの電気接続子(33)に外部電源(図示せず)を使い電気的に接続することができる。また、電子が載置部件に移動・透過させることで透過型電子顕微鏡によって熱反応を観察するために、載置部件台座(3)には、緩衝開口(15)の領域に対応する薄膜層(12)に対応している穿孔(32)を開設することが可能である。
【0044】
更に、薄膜層(12)は非常に薄いため、しかも試料収容空間(18)内に液状試料又は蒸発試料が熱を受ける際に、対応する緩衝開口(15)の領域に対して熱破損を引き起こす恐れがある。このような現象を避けるために、スペーサ(16)と第1の台座(19)との間に加熱素子(22)が設置されている条件で、加熱素子(22)の薄膜層(12)における正投影は、緩衝開口(15)の領域に対応する薄膜層(12)までに延ばしないことが可能である。
【0045】
また、試料の流動状況を併せて観察するために、チップ(1)、載置部件台座(3)、及び載置台台座(5)は、それぞれに少なくとも二つのチャンネル(20)、少なくとも二つの流通経路(31)、及び少なくとも二つの通路(51)を設置することができる。チャンネル(20)、流通経路(31)、及び通路(51)の構成特徴は
図6から
図8に示すようになるため、詳しい説明を省略する。
【0046】
図15から
図17に示すように、チップ(1)、載置部件台座(3)、及び載置台台座(5)が含まれる本発明の一実施形態の電子顕微鏡試料載置台を説明する。当該電子顕微鏡載置台は、試料液状試料又は蒸発試料の電気化学反応及び熱反応を観察する走査型電子顕微鏡に適する。
【0047】
チップ(1)を構成する特徴は
図5に示されるの他、スペーサ(16)と第1の台座(19)又は第2の台座(17)との間に、さら少なくとも二つの電極(21)及び加熱素子(22)を有する。そして、これらの電極(21)及び加熱素子(22)は試料収容空間(18)に連通する。本実施形態において、電極(21)の一方は陽極であることができ、もう一方は陰極であることができる。又は、電極(21)の一方は工作電極であることができ、もう一方は参照電極或い補助電極はであることができる。その他、チップ(1)の全体的厚さがコンパクトさせるために、これらの電極(21)と加熱素子(22)が同時にスペーサ(16)及び第1の台座(19)又は第2の台座(17)に設置されている条件で、これらの電極(21)と加熱素子(22)とは共平面にするように配置できる。
【0048】
載置部件台座(3)にはチップ(1)が収容され、且つチップ(1)のこれらの電極(21)に電気的に接続する少なくとも二つの第1の電気接続子(331)、及びチップ(1)の加熱素子(22)に電気的に接続する少なくとも二つの第2の電気接続子(332)、を有する。
【0049】
載置台台座(5)には載置部件台座(3)が収容され、且つ載置部件台座(3)のこれらの第1の電気接続子(331)に電気的に接続する少なくとも二つの第1の電気接続体(521)、及び載置部件台座(3)のこれらの第2の電気接続子(332)電気的に接続する少なくとも二つの第2の電気接続体(522)を有する。このような構成によって、試料収容空間(18)内の試料が電気化学反応及び熱反応をさせるための電力を提供するために、載置台台座(5)のこれらの電気接続体(521、522)に外部電源(図示せず)を使い電気的に接続することができる。
【0050】
そして、於載置台台座(5)と載置部件台座(3)を分離した後、チップ(1)と載置部件台座(3)との全体構成(或いは「電子顕微鏡試料載置部件」と称する)は液状試料又は蒸発試料の電気化学反応及び熱反応を観察する透過型電子顕微鏡に適用することができる。言い換えると、試料収容空間(18)内の試料が電気化学反応及び熱反応をさせるための電力を提供するために、載置部件台座(3)のこれらの電気接続子(331、332)に外部電源(図示せず)を使い電気的に接続することができる。また、電子が載置部件に移動・透過させることで透過型電子顕微鏡によって電気化学反応及び熱反応を観察するために、載置部件台座(3)には、緩衝開口(15)の領域に対応する薄膜層(12)に対応している穿孔(32)を開設することが可能である。
【0051】
また、走査型電子顕微鏡又は透過型電子顕微鏡によってこれらの電極(21)の近くの電気化学反応を観察するために、これらの電極(21)の薄膜層(12)における正投影は、薄膜層(12)の緩衝開口(15)に対応するまでに延ばすことができる。
【0052】
更に、薄膜層(12)は非常に薄いため、しかも試料収容空間(18)内に液状試料又は蒸発試料が熱を受ける際に、対応する緩衝開口(15)の領域に対して熱破損を引き起こす恐れがある。このような現象を避けるために、スペーサ(16)と第1の台座(19)との間に加熱素子(22)が設置されている条件で、加熱素子(22)の薄膜層(12)における正投影は、緩衝開口(15)の領域に対応する薄膜層(12)までに延ばしないことが可能である。
【0053】
また、試料の流動状況を併せて観察するために、チップ(1)、載置部件台座(3)、及び載置台台座(5)は、それぞれに少なくとも二つのチャンネル(20)、少なくとも二つの流通経路(31)、及び少なくとも二つの通路(51)を設置することができる。チャンネル(20)、流通経路(31)、及び通路(51)の構成特徴は
図6から
図8に示すようになるため、詳しい説明を省略する。
【0054】
しかしながら、以上、本発明の好ましく実施例について説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲及び特許明細書の内容に記載された範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、本発明の範囲内に含まれていることが自明である。