(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6694958
(24)【登録日】2020年4月22日
(45)【発行日】2020年5月20日
(54)【発明の名称】電気自動車及び車載充電器、並びにそれを制御する方法
(51)【国際特許分類】
H02M 7/12 20060101AFI20200511BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20200511BHJP
B60L 53/00 20190101ALI20200511BHJP
【FI】
H02M7/12 A
H02J7/00 P
H02J7/00 S
B60L53/00
【請求項の数】12
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-531174(P2018-531174)
(86)(22)【出願日】2016年12月16日
(65)【公表番号】特表2019-500838(P2019-500838A)
(43)【公表日】2019年1月10日
(86)【国際出願番号】CN2016110270
(87)【国際公開番号】WO2017101837
(87)【国際公開日】20170622
【審査請求日】2018年7月25日
(31)【優先権主張番号】201510956676.2
(32)【優先日】2015年12月18日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】505327398
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BYD COMPANY LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100107733
【弁理士】
【氏名又は名称】流 良広
(74)【代理人】
【識別番号】100115347
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 奈緒子
(72)【発明者】
【氏名】シンフェイ・ワン
【審査官】
角田 慎治
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−345253(JP,A)
【文献】
特開2007−306696(JP,A)
【文献】
中国特許出願公開第104600998(CN,A)
【文献】
国際公開第2015/029374(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0213902(US,A1)
【文献】
特開2014−160039(JP,A)
【文献】
特開2012−244745(JP,A)
【文献】
特開2008−259307(JP,A)
【文献】
特開2010−104069(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00−3/12
B60L 7/00−13/00
B60L 15/00−15/42
B60L 50/00−58/40
H02J 7/00−7/12
H02J 7/34−7/36
H02M 3/00−3/44
H02M 7/00−7/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車の車載充電器を制御する方法であって、前記車載充電器がHブリッジを含み、前記Hブリッジが、第1のスイッチ管、第2のスイッチ管、第3のスイッチ管、及び第4のスイッチ管を含み、前記方法が、
前記車載充電器を介してパワーバッテリーが放電するとき、第1の方式で前記Hブリッジを制御する第1の合計放電期間(TC)及び第2の方式で前記Hブリッジを制御する第2の合計放電期間(TD)を得ることと、
前記第1の合計放電期間(TC)及び前記第2の合計放電期間(TD)との大小関係を決定することと、
前記第1の合計放電期間(TC)と前記第2の合計放電期間(TD)との大小関係に従って前記Hブリッジを制御する方式を選択して、前記第1のスイッチ管、前記第2のスイッチ管、前記第3のスイッチ管、及び前記第4のスイッチ管に亘って温度釣り合い制御を実施することと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第1の合計放電期間(TC)と前記第2の合計放電期間(TD)との大小関係に従って前記Hブリッジを制御する方式を選択して、前記第1のスイッチ管、前記第2のスイッチ管、前記第3のスイッチ管、及び前記第4のスイッチ管に亘って温度釣り合い制御を実施することが、
前記第1の合計放電期間(TC)と前記第2の合計放電期間(TD)との大小関係に従って前記Hブリッジを制御する方式を前記第1の方式及び前記第2の方式から選択することと、
選択された方式で前記Hブリッジを制御して、前記第1のスイッチ管、前記第2のスイッチ管、前記第3のスイッチ管、及び前記第4のスイッチ管に亘って温度釣り合い制御を実施することと
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の合計放電期間(TC)と前記第2の合計放電期間(TD)との大小関係に従って前記Hブリッジを制御する方式を前記第1の方式及び前記第2の方式から選択することが、
前記第1の合計放電期間(TC)が前記第2の合計放電期間(TD)よりも大きいとき、前記Hブリッジを制御するために前記第2の方式を選択し、
前記第1の合計放電期間(TC)が前記第2の合計放電期間(TD)よりも小さいとき、前記Hブリッジを制御するために前記第1の方式を選択し、
前記第1の合計放電期間(TC)が前記第2の合計放電期間(TD)に等しいとき、前記Hブリッジを制御するために前記第1の方式又は前記第2の方式を選択すること
を含む請求項1から2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
前記第1の方式における前記Hブリッジの制御が、
前記車載充電器の外向き放電過渡電圧値が0よりも大きいとき、前記第1のスイッチ管をONになるように制御し、前記第2のスイッチ管をOFFになるように制御し、前記第3のスイッチ管及び前記第4のスイッチ管を交互に且つ相補的にON及びOFFになるように制御し、
前記車載充電器の外向き放電過渡電圧値が0よりも小さいとき、前記第3のスイッチ管をONになるように制御し、前記第4のスイッチ管をOFFになるように制御し、前記第1のスイッチ管及び前記第2のスイッチ管を交互に且つ相補的にON及びOFFになるように制御すること
を含む請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記第2の方式における前記Hブリッジの制御が、
前記車載充電器の外向き放電過渡電圧値が0よりも小さいとき、前記第2のスイッチ管をONになるように制御し、前記第1のスイッチ管をOFFになるように制御し、前記第3のスイッチ管及び前記第4のスイッチ管を交互に且つ相補的にON及びOFFになるように制御し、
前記車載充電器の外向き放電過渡電圧値が0よりも大きいとき、前記第4のスイッチ管をONになるように制御し、前記第3のスイッチ管をOFFになるように制御し、前記第1のスイッチ管及び前記第2のスイッチ管を交互に且つ相補的にON及びOFFになるように制御すること
を含む請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
電気自動車の車載充電器であって、
第1のスイッチ管、第2のスイッチ管、第3のスイッチ管、及び第4のスイッチ管を含むHブリッジと、
前記車載充電器を介してパワーバッテリーが放電するとき、第1の方式で前記Hブリッジを制御する第1の合計放電期間(TC)及び第2の方式で前記Hブリッジを制御する第2の合計放電期間(TD)を得;前記第1の合計放電期間(TC)と前記第2の合計放電期間(TD)との大小関係を決定し;前記第1の合計放電期間(TC)と前記第2の合計放電期間(TD)との大小関係に従って前記Hブリッジを制御する方式を選択して、前記第1のスイッチ管、前記第2のスイッチ管、前記第3のスイッチ管、及び前記第4のスイッチ管に亘って温度釣り合い制御を実施するようになっているコントローラと
を含むことを特徴とする車載充電器。
【請求項7】
前記コントローラが、更に、
前記第1の合計放電期間(TC)と前記第2の合計放電期間(TD)との大小関係に従って前記Hブリッジを制御する方式を前記第1の方式及び前記第2の方式から選択し、
選択された方式で前記Hブリッジを制御して、前記第1のスイッチ管、前記第2のスイッチ管、前記第3のスイッチ管、及び前記第4のスイッチ管に亘って温度釣り合い制御を実施するようになっている請求項6に記載の車載充電器。
【請求項8】
前記コントローラが、更に、
前記第1の合計放電期間(TC)が前記第2の合計放電期間(TD)よりも大きいとき、前記Hブリッジを制御するために前記第2の方式を選択し、
前記第1の合計放電期間(TC)が前記第2の合計放電期間(TD)よりも小さいとき、前記Hブリッジを制御するために前記第1の方式を選択し、
前記第1の合計放電期間(TC)が前記第2の合計放電期間(TD)に等しいとき、前記Hブリッジを制御するために前記第1の方式又は前記第2の方式を選択するようになっている請求項6から7のいずれかに記載の車載充電器。
【請求項9】
前記第1の方式における前記Hブリッジの制御は、
前記車載充電器の外向き放電過渡電圧値が0よりも大きいとき、前記第1のスイッチ管をONになるように制御し、前記第2のスイッチ管をOFFになるように制御し、前記第3のスイッチ管及び前記第4のスイッチ管を交互に且つ相補的にON及びOFFになるように制御し、
前記車載充電器の外向き放電過渡電圧値が0よりも小さいとき、前記第3のスイッチ管をONになるように制御し、前記第4のスイッチ管をOFFになるように制御し、前記第1のスイッチ管及び前記第2のスイッチ管を交互に且つ相補的にON及びOFFになるように制御することである、請求項6から8のいずれかに記載の車載充電器。
【請求項10】
前記第2の方式における前記Hブリッジの制御は、
前記車載充電器の外向き放電過渡電圧値が0よりも小さいとき、前記第2のスイッチ管をONになるように制御し、前記第1のスイッチ管をOFFになるように制御し、前記第3のスイッチ管及び前記第4のスイッチ管を交互に且つ相補的にON及びOFFになるように制御し、
前記車載充電器の外向き放電過渡電圧値が0よりも大きいとき、前記第4のスイッチ管をONになるように制御し、前記第3のスイッチ管をOFFになるように制御し、前記第1のスイッチ管及び前記第2のスイッチ管を交互に且つ相補的にON及びOFFになるように制御することである、請求項6から8のいずれかに記載の車載充電器。
【請求項11】
前記第1のスイッチ管、前記第2のスイッチ管、前記第3のスイッチ管、及び前記第4のスイッチ管が、それぞれIGBT又はMOS管である請求項6から10のいずれかに記載の車載充電器。
【請求項12】
請求項6から11のいずれかに記載の電気自動車の前記車載充電器を含むことを特徴とする電気自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連技術の相互参照
本願は、2015年12月18日出願の中国特許出願第201510956676.2号に基づき、またそれに対する優先権を主張し、その内容全体を参照によって本明細書に援用する。
【0002】
本開示は、電気自動車の技術分野、具体的には、電気自動車の車載充電器を制御する方法、電気自動車の車載充電器、及び電気自動車に関する。
【背景技術】
【0003】
電気自動車の商業化が進むとともに、電気自動車の車載充電器は、電気自動車における重要な部品のうちの1つになっている。
【0004】
車載充電器を介して自動車全体から外向きに放電する多くの方法が存在する。単相Hブリッジオフグリッド変換制御法は、関連技術の大部分で採用されており、二重極制御法及び単極制御法を含む。
【0005】
しかし、二重極制御法を採用すると、Hブリッジにおける4本のスイッチ管が全て高周波ON/OFF状態になり、その結果、スイッチング損失及び熱損失がより大きくなる。単極制御法を採用すると、二重極制御法を採用したときに発生するスイッチ管の熱損失はある程度解決することができるが、Hブリッジにおける4本のスイッチ管は、自動車全体の充電プロセス又は放電プロセスの間固定の方式に従って制御され、Hブリッジにおける一部のスイッチ管を電流でオフにする必要があるので、電流でオフにされるスイッチ管の過熱の問題は有効に解決されてはいない。
【0006】
したがって、二重極制御法を採用しようと単極制御法を採用しようと、Hブリッジにおけるスイッチ管の加熱の問題を有効に解決することはできず、スイッチ管の耐用寿命に影響を及ぼす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示は、関連技術における技術的課題のうちの少なくとも1つをある程度解決することを目的とする。この目的のために、本開示の第1の目的は、Hブリッジにおける第1のスイッチ管、第2のスイッチ管、第3のスイッチ管、及び第4のスイッチ管を比較的釣り合いがとれるように加熱し、Hブリッジにおけるスイッチ管の耐用寿命を改善することができる、電気自動車の車載充電器を制御する方法を提供することにある。
【0008】
本開示の第2の目的は、電気自動車の車載充電器を提供することにある。本開示の第3の目的は、電気自動車を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的のために、本開示の実施形態の一態様では、電気自動車の車載充電器を制御する方法が提供される。前記車載充電器は、Hブリッジを含む。前記Hブリッジは、第1のスイッチ管、第2のスイッチ管、第3のスイッチ管、及び第4のスイッチ管を含む。前記方法は、前記車載充電器を介してパワーバッテリーが放電するとき、第1の方式で前記Hブリッジを制御する第1の合計放電期間及び第2の方式で前記Hブリッジを制御する第2の合計放電期間を得ることと;前記第1の合計放電期間と前記第2の合計放電期間との関係を決定することと;前記第1のスイッチ管、前記第2のスイッチ管、前記第3のスイッチ管、及び前記第4のスイッチ管に亘って温度釣り合い制御を実施するために、前記第1の合計放電期間と前記第2の合計放電期間との関係に従って前記Hブリッジを制御する方式を選択することとを含む。
【0010】
本開示の実施形態における電気自動車の車載充電器を制御する方法によれば、車載充電器を介してパワーバッテリーが放電する度毎に、第1の方式でHブリッジを制御する第1の合計放電期間及び第2の方式で前記Hブリッジを制御する第2の合計放電期間が得られ;第1のスイッチ管、第2のスイッチ管、第3のスイッチ管、及び第4のスイッチ管に亘って温度釣り合い制御を実施するために、前記第1の合計放電期間と前記第2の合計放電期間との関係に従って前記Hブリッジを制御する方式が選択され、その結果、比較的各スイッチ管の加熱の釣り合いがとれ、前記Hブリッジにおける前記スイッチ管の耐用寿命が延長されるので、耐用期間が延長される。
【0011】
上記目的のために、本開示の実施形態の別の態様では、第1のスイッチ管、第2のスイッチ管、第3のスイッチ管、及び第4のスイッチ管を含むHブリッジと、車載充電器を介してパワーバッテリーが放電するとき、第1の方式で前記Hブリッジを制御する第1の合計放電期間及び第2の方式で前記Hブリッジを制御する第2の合計放電期間を得;前記第1の合計放電期間と前記第2の合計放電期間との関係を決定し;前記第1の合計放電期間と前記第2の合計放電期間との関係に従って前記Hブリッジを制御する方式を選択して、前記第1のスイッチ管、前記第2のスイッチ管、前記第3のスイッチ管、及び前記第4のスイッチ管に亘って温度釣り合い制御を実施するようになっているコントローラとを含む電気自動車の車載充電器が提供される。
【0012】
本開示の実施形態における電気自動車の車載充電器によれば、車載充電器を介してパワーバッテリーが放電する度毎に、前記コントローラは、第1の方式でHブリッジを制御する第1の合計放電期間及び第2の方式でHブリッジを制御する第2の合計放電期間を得;第1のスイッチ管、第2のスイッチ管、第3のスイッチ管、及び第4のスイッチ管に亘って温度釣り合い制御を実施するために、前記第1の合計放電期間と前記第2の合計放電期間との関係に従って前記Hブリッジを制御する方式を選択するようになっており、その結果、比較的各スイッチ管の加熱の釣り合いがとれ、前記Hブリッジにおける前記スイッチ管の耐用寿命が延長されるので、耐用期間が延長される。
【0013】
更に、本開示の実施形態は、電気自動車の車載充電器を含む電気自動車も提供する。
【0014】
本開示の実施形態における電気自動車によれば、車載充電器を介してパワーバッテリーが放電するとき、Hブリッジにおける第1のスイッチ管、第2のスイッチ管、第3のスイッチ管、及び前記第4のスイッチ管に亘って温度釣り合い制御を実現することができ、その結果、各スイッチ管の加熱の釣り合いがとれ、前記Hブリッジにおけるスイッチ管の耐用寿命が延長されるので、車載充電器の耐用期間が延長される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本開示の実施形態の電気自動車の車載充電器の概略回路図である。
【
図2】本開示の別の実施形態の電気自動車の車載充電器の概略回路図である。
【
図3】本開示の更に別の実施形態の電気自動車の車載充電器の概略回路図である。
【
図4】本開示の実施形態の電気自動車の車載充電器を制御する方法のフローチャートである。
【
図5】本開示の実施形態に従ってパワーバッテリーが外向き放電できるようにするために第1の方式を採用することによってHブリッジが制御されたときの4本のスイッチ管の制御波形の概略図である。
【
図6】本開示の実施形態に従ってパワーバッテリーが外向き放電できるようにするために第2の方式を採用することによってHブリッジが制御されたときの4本のスイッチ管の制御波形の概略図である。
【
図7】本開示の特定の実施形態に係る車載充電器を介してパワーバッテリーが放電するときの制御フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示の実施形態について詳細に説明する。実施形態の例を図面に示すが、図中、全体を通して、同じ又は類似の数字は同じ又は類似の機能を有する同じ又は類似のエレメントを表す。図面を参照して説明される実施形態は例示的であり、本開示を限定すると理解されるのではなく、本開示を説明することを目的とする。
【0017】
本開示の実施形態に提供される電気自動車の車載充電器を制御する方法、電気自動車の車載充電器、及び車載充電器を備える電気自動車について、以下の通り図面を参照して説明する。
【0018】
図1〜3は、本開示の実施形態に係る電気自動車の車載充電器の接続方式を示す。
図1〜3に示す通り、本開示の実施形態に係る電気自動車の車載充電器は、Hブリッジを含む。Hブリッジは、第1のスイッチ管T1、第2のスイッチ管T2、第3のスイッチ管T3、及び第4のスイッチ管T4を含む。
図1に示す電気自動車の車載充電器は、第1のインダクタL1及び第2のインダクタL2を含み、前記第1のインダクタL1の第1の末端は負荷の一端又は交流電力グリッドACのアノード末端に接続され、第2のインダクタL2の第1の末端は、負荷の他端又は交流電力グリッドACのカソード末端に接続され、第1のインダクタL1の第2の末端及び第2のインダクタL2の第2の末端は、Hブリッジに接続されている。
図2に示す電気自動車の車載充電器は、インダクタ、例えば、インダクタL1のみを含み、第1のインダクタL1の第1の末端は、負荷の一端又は交流電力グリッドACのアノード末端に接続され、第1のインダクタL1の第2の末端は、Hブリッジに接続されている。
図3に示す電気自動車の車載充電器は、インダクタ、例えば、第1のインダクタL1のみを含み、第1のインダクタL1の第1の末端は、負荷の他端又は交流電力グリッドACのカソード末端に接続され、第1のインダクタL1の第2の末端は、Hブリッジに接続されている。
【0019】
図4は、本開示の実施形態に係る電気自動車の車載充電器を制御する方法のフローチャートである。
図4に示す通り、本開示の実施形態における電気自動車の車載充電器を制御する方法は、以下を含む。
【0020】
工程S1では、車載充電器を介してパワーバッテリーが放電し始めるとき、第1の方式でHブリッジを制御するための第1の合計放電期間TC及び第2の方式でHブリッジを制御するための第2の合計放電期間TDが得られる。
【0021】
本開示の実施形態によれば、
図5に示す通り、Hブリッジが第1の方式Aで制御される場合、且つ車載充電器の外向き放電過渡電圧値が0よりも大きいとき、第1のスイッチ管T1は、ONになるように制御され、第2のスイッチ管T2は、OFFになるように制御され、第3のスイッチ管T3及び第4のスイッチ管T4は、相補的に且つ交互にON及びOFFになるように制御される。第3のスイッチ管T3及び第4のスイッチ管T4が交互に且つ相補的にON及びOFFになるように制御されるとき、第3のスイッチ管T3のPWM波形及び第4のスイッチ管T4のPWM波形は互いに相補的になるように制御され、第3のスイッチ管T3のPWM波形のデューティ比は大から小に、次いで大になるように制御され、第4のスイッチ管T4のPWM波形のデューティ比は、小から大に、次いで小になるように制御される。車載充電器の外向き放電過渡電圧値が0よりも小さいとき、第3のスイッチ管T3は、ONになるように制御され、第4のスイッチ管T4は、OFFになるように制御され、第1のスイッチ管T1及び第2のスイッチ管T2は、相補的に且つ交互にON及びOFFになるように制御される。第1のスイッチ管T1及び第2のスイッチ管T2が交互に且つ相補的にON及びOFFになるように制御されるとき、第1のスイッチ管T1のPWM波形及び第2のスイッチ管T2のPWM波形は、互いに相補的になるように制御され、第1のスイッチ管T1のPWM波形のデューティ比は大から小に、次いで大になるように制御され、第2のスイッチ管T2のPWM波形のデューティ比は、小から大に、次いで小になるように制御される。
【0022】
本開示の実施形態によれば、
図6に示す通り、Hブリッジが第2の方式Bで制御される場合、且つ車載充電器の外向き放電過渡電圧値が0よりも
小さいとき、第2のスイッチ管T2は、ONになるように制御され、第1のスイッチ管T1は、OFFになるように制御され、第3のスイッチ管T3及び第4のスイッチ管T4は、相補的に且つ交互にON及びOFFになるように制御される。第3のスイッチ管T3及び第4のスイッチ管T4が交互に且つ相補的にON及びOFFになるように制御されるとき、第3のスイッチ管T3のPWM波形及び第4のスイッチ管T4のPWM波形は、互いに相補的になるように制御され、第3のスイッチ管T3のPWM波形のデューティ比は小から大に、次いで小になるように制御され、第4のスイッチ管T4のPWM波形のデューティ比は、大から小に、次いで大になるように制御される。車載充電器の外向き放電過渡電圧値が0よりも
大きいとき、第4のスイッチ管T4は、ONになるように制御され、第3のスイッチ管T3は、OFFになるように制御され、第1のスイッチ管T1及び第2のスイッチ管T2は、相補的に且つ交互にON及びOFFになるように制御される。第1のスイッチ管T1及び第2のスイッチ管T2が交互に且つ相補的にON及びOFFになるように制御されるとき、第1のスイッチ管T1のPWM波形及び第2のスイッチ管T2のPWM波形は、互いに相補的になるように制御され、第1のスイッチ管T1のPWM波形のデューティ比は小から大に、次いで小になるように制御され、第2のスイッチ管T2のPWM波形のデューティ比は、大から小に、次いで大になるように制御される。
【0023】
工程S2では、第1の合計放電期間(TC)と第2の合計放電期間(TD)との関係を決定する。
【0024】
工程S3では、第1の合計放電期間TCと第2の合計放電期間TDとの関係に従ってHブリッジを制御する方式を選択して、第1のスイッチ管、第2のスイッチ管、第3のスイッチ管、及び第4のスイッチ管に亘って温度釣り合い制御を実施する。
【0025】
実施形態では、工程S3は、第1の合計放電期間TCと第2の合計放電期間TDとの関係に従ってHブリッジを制御する方式を第1の方式及び第2の方式から選択することと、選択された方式で前記Hブリッジを制御して、第1のスイッチ管、第2のスイッチ管、第3のスイッチ管、及び第4のスイッチ管に亘って温度釣り合い制御を実施することとを含む。
【0026】
車載充電器を介してパワーバッテリーが放電するプロセスにおいて、Hブリッジが第1の方式Aを採用することによってのみ制御される場合、前記車載充電器の外向き放電過渡電圧値が0よりも大きいとき、第1のスイッチ管T1は、常にONで維持され、第2のスイッチ管T2は、常にOFFで維持され、第3のスイッチ管T3及び第4のスイッチ管T4は、交互に且つ相補的にON及びOFFになり、車載充電器のインダクタは、第3のスイッチ管T3がOFFであり且つ第4のスイッチ管T4がONであるときに充電され、第3のスイッチ管T3がONであり且つ第4のスイッチ管T4がOFFであるときに放電する。前記車載充電器の外向き放電過渡電圧値が0よりも小さいとき、第3のスイッチ管T3は、常にONで維持され、第4のスイッチ管T4は、常にOFFで維持され、第1のスイッチ管T1及び第2のスイッチ管T2は、交互に且つ相補的にON及びOFFになり、車載充電器のインダクタは、第1のスイッチ管T1がOFFであり且つ第2のスイッチ管T2がONであるときに充電され、第1のスイッチ管T1がONであり且つ第2のスイッチ管T2がOFFであるときに放電する。インダクタは、第2のスイッチ管T2及び第4のスイッチ管T4がONであるときに充電されるので、第2のスイッチ管T2及び第4のスイッチ管T4は電流でOFFになり、ハードスイッチングが実施される。したがって、第2のスイッチ管T2及び第4のスイッチ管T4が過熱する。
【0027】
同様に、車載充電器を介してパワーバッテリーが放電するプロセスにおいて、Hブリッジが第2の方式Bを採用することによってのみ制御される場合、前記車載充電器の外向き放電過渡電圧値が0よりも
小さいとき、第1のスイッチ管T1は、常にOFFで維持され、第2のスイッチ管T2は、常にONで維持され、第3のスイッチ管T3及び第4のスイッチ管T4は、交互に且つ相補的にON及びOFFになり、車載充電器のインダクタは、第4のスイッチ管T4がOFFであり且つ第3のスイッチ管T3がONであるときに充電され、第4のスイッチ管T4がONであり且つ第3のスイッチ管T3がOFFであるときに放電する。外向き放電過渡電圧値が0よりも
大きいとき、第4のスイッチ管T4は、常にONで維持され、第3のスイッチ管T3は、常にOFFで維持され、第1のスイッチ管T1及び第2のスイッチ管T2は、交互に且つ相補的にON及びOFFになり、車載充電器のインダクタは、第2のスイッチ管T2がOFFであり且つ第1のスイッチ管T1がONであるときに充電され、第2のスイッチ管T2がONであり且つ第1のスイッチ管T1がOFFであるときに放電する。インダクタは、第1のスイッチ管T1及び第3のスイッチ管T3がONであるときに充電されるので、第1のスイッチ管T1及び第3のスイッチ管T3は電流でOFFになり、ハードスイッチングが実施される。したがって、第1のスイッチ管T1及び第3のスイッチ管T3が過熱する。
【0028】
したがって、本開示の実施形態では、第1の方式Aを採用することによってHブリッジを制御し、その結果、車載充電器を介してパワーバッテリーが放電するとき、前記第1の方式AでHブリッジが制御される期間を記録して、前記第1の方式Aで前記Hブリッジを制御する第1の合計放電期間TCを得、次いで、保存する。第2の方式Bを採用することによってHブリッジを制御し、その結果、車載充電器を介してパワーバッテリーが放電するとき、前記第2の方式Bで前記Hブリッジが制御される期間を記録して、前記第2の方式Bで前記Hブリッジを制御する第2の合計放電期間TDを得、次いで、保存する。次いで、車載充電器を介してパワーバッテリーが放電するプロセスでは、第1の合計放電期間TCと第2の合計放電期間TDとの関係を決定する。最後に、第1の合計放電期間TCと第2の合計放電期間TDとの関係に従ってHブリッジを制御する方式を選択して、第1のスイッチ管、第2のスイッチ管、第3のスイッチ管、及び前記第4のスイッチ管に亘って温度釣り合い制御を実現する。
【0029】
本開示の実施形態によれば、第1の合計放電期間TCと第2の合計放電期間TDとの関係に従ってHブリッジを制御する方式を選択することは、以下を含む。第1の合計放電期間TCが第2の合計放電期間TDよりも大きい場合、車載充電器を介してパワーバッテリーが放電するとき、Hブリッジを制御するために第2の方式Bを選択する。第2の合計放電期間TDが第1の合計放電期間TCよりも大きい場合、車載充電器を介してパワーバッテリーが放電するとき、Hブリッジを制御するために第1の方式Aを選択する。第1の合計放電期間TCが第2の合計放電期間TDと等しい場合、車載充電器を介してパワーバッテリーが放電するとき、Hブリッジを制御するために第1の方式A又は第2の方式Bを選択する。
【0030】
即ち、車載充電器を介してパワーバッテリーが放電する前に、Hブリッジが第1の方式Aで制御される第1の合計放電期間TC及びHブリッジが第2の方式Bで制御される第2の合計放電期間TDを保存領域から得る。次いで、第1の合計放電期間TCと第2の合計放電期間TDとの関係を決定し、前記第1の合計放電期間TCと前記第2の合計放電期間TDとの関係に従って、先ず第1の方式AでHブリッジを制御するか、先ず第2の方式BでHブリッジを制御するかを決定する。言い換えれば、第1の合計放電期間TC及び第2の合計放電期間TDは、保存領域から得られ、前記第1の合計放電期間TCと前記第2の合計放電期間TDとの関係を決定する目的は、車載充電器を介してパワーバッテリーが放電するときにHブリッジを制御するために先ず選択される方式を決定することである。各放電サイクル中に方式が選択された後、Hブリッジは、固定の方式、即ち、第1又は第2の方式に従って制御され、方式が切り替えられたとき、合計放電期間が記録される。例えば、第1の方式を採用することによってHブリッジが先ず制御されるとき、この方式切り替えにおいて第1の合計放電期間が記録され、第1の合計放電期間は、保存領域から得られた第1の合計放電期間+この時の放電サイクルにおいて記録された放電期間に等しくなる。即ち、第1の合計放電期間TCは、放電サイクルが終了する度毎にアップデートされ、その結果、Hブリッジを制御する方式を第1の方式又は第2の方式から選択するのが便利になる。
【0031】
本開示の一実施形態によれば、
図7に示す通り、電気自動車の車載充電器を制御する方法は、以下を含む。
【0032】
工程S501では、放電波を開く、即ち、車載充電器を介してパワーバッテリーが放電するとき、制御波形を出力してHブリッジにおけるスイッチ管を制御する必要がある。
【0033】
工程S502では、第1の方式Aにおける第1の合計放電期間TC及び第2の方式Bにおける第2の合計放電期間TDを得る。
【0034】
工程S503では、第1の合計放電期間TCが第2の合計放電期間TDよりも大きいかどうかを判定し、yesであれば工程S504を実行し、noであれば工程S508を実行する。
【0035】
工程S504では、第2の方式Bを選択してHブリッジを制御し、次いで、工程S505を実行する。
【0036】
工程S505では、車載充電器を介してパワーバッテリーを放電させ、次いで、工程S506を実行する。
【0037】
工程S506では、放電プロセスを終了するかどうかを判定し、yesであれば工程S507を実行し、noであれば工程S505を実行する。
【0038】
工程S507では、この放電期間を記録し、その結果、アップデートされた第2の合計放電期間TDが、保存領域から得られた第2の合計放電期間TDとこの放電期間との合計に等しくなる。
【0039】
工程S508では、第1の合計放電期間TCが第2の合計放電期間TDよりも小さいかどうかを判定し、yesであれば工程S509を実行し、noであれば工程S513を実行する。
【0040】
工程S509では、第
1の方式
Aを選択してHブリッジを制御し、次いで、工程
S510を実行する。
【0041】
工程S510では、車載充電器を介してパワーバッテリーを放電させ、次いで、工程S511を実行する。
【0042】
工程S511では、放電プロセスを終了させるかどうかを判定し、yesであれば工程S512を実行し、noであれば工程S510を実行する。
【0043】
工程S512では、この放電期間を記録し、その結果、アップデートされた第1の合計放電期間TCは、保存領域から得られた第1の合計放電期間TCとこの放電期間との合計に等しくなる。
【0044】
工程S513では、第1の方式A又は第2の方式Bを選択してHブリッジを制御し、次いで、工程S514を実行する。
【0045】
工程S514では、車載充電器を介してパワーバッテリーを放電させ、次いで、工程
S515を実行する。
【0046】
工程S515では、放電プロセスを終了させるかどうかを判定し、yesであれば工程S516を実行し、noであれば工程S514を実行する。
【0047】
工程S516では、この放電期間を記録する。ここでは、第1の方式Aを選択した場合、アップデートされた第1の合計放電期間TCは、保存領域から得られた第1の合計放電期間TCとこの放電期間との合計に等しくなる。第2の方式Bを選択した場合、アップデートされた第2の合計放電期間TDは、保存領域から得られた第2の合計放電期間TDとこの放電期間との合計に等しくなる。
【0048】
したがって、電気自動車の車載充電器を制御する方法によれば、放電の度毎にHブリッジを制御するための第1の方式又はHブリッジを制御するための第2の方式を記録し、次いで、第1の方式Aを採用する第1の合計放電期間TC及び第2の方式Bを採用する第2の合計放電期間TDを記録し、次いで、前記第1の合計放電期間TCと前記第2の合計放電期間TDとの関係を決定し、最後に、第1のスイッチ管、第2のスイッチ管、第3のスイッチ管、及び第4のスイッチ管に亘って温度釣り合い制御を実施するために、前記第1の合計放電期間TCと前記第2の合計放電期間TDとの関係に従ってHブリッジを制御する方式を選択することによって、前記第1のスイッチ管、前記第2のスイッチ管、前記第3のスイッチ管、及び前記第4のスイッチ管を比較的釣り合いがとれるように加熱することができるようになり、車載充電器の耐用寿命が延長される。
【0049】
本開示の実施形態における電気自動車の車載充電器を制御する方法によれば、車載充電器を介してパワーバッテリーが放電する度毎に、第1の方式AでHブリッジを制御する第1の合計放電期間TC及び第2の方式BでHブリッジを制御する第2の合計放電期間TDが得られ;前記第1の合計放電期間TCと前記第2の合計放電期間TDとの関係に従って前記Hブリッジを制御する方式が前記第1の方式A及び前記第2の方式Bから選択され、最後に、第1のスイッチ管、第2のスイッチ管、第3のスイッチ管、及び第4のスイッチ管に亘って温度釣り合い制御を実施するために、前記Hブリッジを前記第1の方式又は前記第2の方式で制御し、その結果、比較的各スイッチ管の加熱の釣り合いがとれ、前記Hブリッジにおけるスイッチ管の耐用寿命が延長されるので、耐用期間が延長される。
【0050】
図1〜3に示す通り、本開示の実施形態に係る車載充電器は、Hブリッジと、MCU(マイクロコントロールユニット)等のコントローラとを含む。Hブリッジは、第1のスイッチ管T1、第2のスイッチ管T2、第3のスイッチ管T3、及び第4のスイッチ管T4を含む。コントローラは、車載充電器を介してパワーバッテリーが放電するとき、第1の方式でHブリッジを制御する第1の合計放電期間TC及び第2の方式でHブリッジを制御する第2の合計放電期間TDを得;前記第1の合計放電期間TCと前記第2の合計放電期間TDとの関係を決定し;前記第1の合計放電期間TCと前記第2の合計放電期間TDとの関係に従って前記Hブリッジを制御する方式を前記第1の方式及び前記第2の方式から選択して、第1のスイッチ管、第2のスイッチ管、第3のスイッチ管、及び第4のスイッチ管に亘って温度釣り合い制御を実施するようになっている。
【0051】
本開示の実施形態によれば、コントローラは、更に、第1の合計放電期間TCと第2の合計放電期間TDとの関係に従ってHブリッジを制御する方式を第1の方式及び第2の方式から選択し、選択された方式で前記Hブリッジを制御して、第1のスイッチ管、第2のスイッチ管、第3のスイッチ管、及び第4のスイッチ管に亘って温度釣り合い制御を実施するようになっている。
【0052】
本開示の実施形態によれば、コントローラは、更に、第1の合計放電期間TCが第2の合計放電期間TDよりも大きいとき、Hブリッジを制御するために第2の方式を選択し;第1の合計放電期間TCが第2の合計放電期間TDよりも小さいとき、Hブリッジを制御するために第1の方式を選択し;第1の合計放電期間TCが第2の合計放電期間TDに等しいとき、Hブリッジを制御するために第1の方式又は第2の方式を選択するようになっている。
【0053】
即ち、実施形態では、コントローラは、第1の方式AでHブリッジを制御するようになっており、その結果、車載充電器を介してパワーバッテリーが放電するとき、前記第1の方式AでHブリッジが制御される期間が記録され、前記第1の方式Aで前記Hブリッジを制御する第1の合計放電期間TCが得られ、次いで、保存される。コントローラは、第2の方式BでHブリッジを制御するようになっており、その結果、車載充電器を介してパワーバッテリーが放電するとき、前記第2の方式Bで前記Hブリッジが制御される期間が記録され、前記第2の方式Bで前記Hブリッジを制御する第2の合計放電期間TDが得られ、次いで、保存される。次いで、パワーバッテリーの放電プロセスでは、コントローラが、第1の合計放電期間TCと第2の合計放電期間TDとの関係を決定する。最後に、第1の合計放電期間TCと第2の合計放電期間TDとの関係に従ってHブリッジを制御する方式が第1の方式A又は第2の方式Bから選択されて、第1のスイッチ管、第2のスイッチ管、第3のスイッチ管、及び前記第4のスイッチ管に亘って温度釣り合い制御が実現される。
【0054】
本開示の実施形態によれば、コントローラが第1の方式AでHブリッジを制御してパワーバッテリーから放電するようになっている場合、且つ車載充電器の外向き放電過渡電圧値が0よりも大きいとき、第1のスイッチ管T1は、ONになるように制御され、第2のスイッチ管T2は、OFFになるように制御され、第3のスイッチ管T3及び第4のスイッチ管T4は、相補的に且つ交互にON及びOFFになるように制御される。第3のスイッチ管T3及び第4のスイッチ管T4が交互に且つ相補的にON及びOFFになるように制御されるとき、第3のスイッチ管T3のPWM波形及び第4のスイッチ管T4のPWM波形は、互いに相補的になるように制御され、第3のスイッチ管T3のPWM波形のデューティ比は大から小に、次いで大になるように制御され、第4のスイッチ管T4のPWM波形のデューティ比は、小から大に、次いで小になるように制御される。車載充電器の外向き放電過渡電圧値が0よりも小さいとき、第3のスイッチ管T3は、ONになるように制御され、第4のスイッチ管T4は、OFFになるように制御され、第1のスイッチ管T1及び第2のスイッチ管T2は、相補的に且つ交互にON及びOFFになるように制御される。第1のスイッチ管T1及び第2のスイッチ管T2が交互に且つ相補的にON及びOFFになるように制御されるとき、第1のスイッチ管T1のPWM波形及び第2のスイッチ管T2のPWM波形は、互いに相補的になるように制御され、第1のスイッチ管T1のPWM波形のデューティ比は大から小に、次いで大になるように制御され、第2のスイッチ管T2のPWM波形のデューティ比は、小から大に、次いで小になるように制御される。
【0055】
本開示の実施形態によれば、コントローラが第2の方式BでHブリッジを制御するようになっている場合、且つ車載充電器の外向き放電過渡電圧値が0よりも
小さいとき、第2のスイッチ管T2は、ONになるように制御され、第1のスイッチ管T1は、OFFになるように制御され、第3のスイッチ管T3及び第4のスイッチ管T4は、相補的に且つ交互にON及びOFFになるように制御される。第3のスイッチ管T3及び第4のスイッチ管T4が交互に且つ相補的にON及びOFFになるように制御されるとき、第3のスイッチ管T3のPWM波形及び第4のスイッチ管T4のPWM波形は、互いに相補的になるように制御され、第3のスイッチ管T3のPWM波形のデューティ比は小から大に、次いで小になるように制御され、第4のスイッチ管T4のPWM波形のデューティ比は、大から小に、次いで大になるように制御される。車載充電器の外向き放電過渡電圧値が0よりも
大きいとき、第4のスイッチ管T4は、ONになるように制御され、第3のスイッチ管T3は、OFFになるように制御され、第1のスイッチ管T1及び第2のスイッチ管T2は、相補的に且つ交互にON及びOFFになるように制御される。第1のスイッチ管T1及び第2のスイッチ管T2が交互に且つ相補的にON及びOFFになるように制御されるとき、第1のスイッチ管T1のPWM波形及び第2のスイッチ管T2のPWM波形は、互いに相補的になるように制御され、第1のスイッチ管T1のPWM波形のデューティ比は小から大に、次いで小になるように制御され、第2のスイッチ管T2のPWM波形のデューティ比は、大から小に、次いで大になるように制御される。
【0056】
本開示の実施形態では、
図1又は
図2又は
図3に示す通り、第1のスイッチ管T1、第2のスイッチ管T2、第3のスイッチ管T3、及び第4のスイッチ管T4は、全てIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)であり、確かに、本開示の他の実施形態では、第1のスイッチ管T1、第2のスイッチ管T2、第3のスイッチ管T3、及び第4のスイッチ管T4は、MOS(金属酸化物半導体)であってもよい。
【0057】
本開示の実施形態における電気自動車の車載充電器によれば、パワーバッテリーが放電する度毎に、コントローラは、第1の方式でHブリッジを制御する第1の合計放電期間及び第2の方式でHブリッジを制御する第2の合計放電期間を得;前記第1の合計放電期間と前記第2の合計放電期間との関係に従って前記Hブリッジを制御する方式を前記第1の方式及び前記第2の方式から選択し、最後に、選択された方式で前記Hブリッジを制御して、第1のスイッチ管、第2のスイッチ管、第3のスイッチ管、及び第4のスイッチ管に亘って温度釣り合い制御を実施するようになっており、その結果、比較的各スイッチ管の加熱の釣り合いがとれ、前記Hブリッジにおけるスイッチ管の耐用寿命が延長されるので、耐用期間が延長される。
【0058】
更に、本開示の実施形態は、電気自動車の上記車載充電器を含む電気自動車も提供する。
【0059】
本開示の実施形態の電気自動車によれば、Hブリッジにおける第1のスイッチ管、第2のスイッチ管、第3のスイッチ管、及び前記第4のスイッチ管に亘って温度釣り合い制御を実施するために、パワーバッテリーは車載充電器を介して放電し、その結果、比較的各スイッチ管の加熱の釣り合いがとれ、Hブリッジにおけるスイッチ管の耐用寿命が延長されるので、車載充電器の耐用寿命が延長される。
【0060】
本開示の記載において、用語「中心」、「長軸方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚み」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「上部」、「底部」、「内側」、「外側」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「放射状」、及び「周囲」によって示される位置関係の方向は、図面に示す通りの方向又は位置関係に基づき、装置又は要素が特定の方向を有しなければならない、又は特定の方向で構成されたり動作したりしなければならないという事実を示す又は意味するものではなく、本開示を説明し、記載を単純化するための単なる便宜上であることが理解可能であり、したがって、本開示を限定すると理解することはできない。
【0061】
更に、用語「第1」及び「第2」は、相対的な重要性を示唆又は意味するものでも、指定の技術的機構の数を黙示的に示すものでもなく、単に説明を目的とするものである。したがって、「第1」及び「第2」によって規定される特徴は、明示的に又は黙示的に少なくとも1つのかかる特徴を含み得る。本開示の記載において、特に明示的に規定しない限り、「複数の(more)」とは、少なくとも2つ(例えば、2、3等)を意味する。
【0062】
本開示においては、特に明示的に指定又は規定しない限り、「実装された」、「結合された」、「接続された」、及び「固定された」などの用語は、一般化して理解すべきであり、例えば、「接続された」は、特に明示的に規定しない限り、固定して接続されていてもよく、着脱可能に接続されていてもよく、又は一体化していてもよく、機械的に接続されていてもよく又は電気的に接続されていてもよく、また、直接接続されていてもよく、中間媒体によって接続されていてもよく、また、2つの要素が内部連通していてもよく、相互作用してもよい。当業者であれば、特定の条件に従って本開示における用語の具体的な意味を理解することができる。
【0063】
本開示においては、特に明示的に指定及び規定しない限り、第1の特徴が第2の特徴「上」又は「下」にある場合は、第1の特徴及び第2の特徴が直接接触しているか又は中間媒体によって間接的に接触している場合であり得る。更に、第1の特徴が第2の特徴の「上」、「上方」、又は「上部」にある場合は、第1の特徴が第2の特徴の真上又は斜め上にある場合であり得るか、単に、第1の特徴の水平高さが、第2の特徴の水平高さよりも高いことを表す。第1の特徴が第2の特徴の「下」、「下方」、及び「下部」にある場合は、第1の特徴が第2の特徴の真下又は斜め下にある場合であり得るか、単に、第1の特徴の水平高さが、第2の特徴の水平高さよりも低いことを表す。
【0064】
本明細書の記載において、参照用語「一実施形態」、「幾つかの実施形態」、「例」、「具体例」、又は「幾つかの例」という記載は、実施形態又は例と組み合わせて記載される特定の特徴、構造、材料、又は機構が本開示の少なくとも1つの実施形態又は例に含まれているという事実を示す。本明細書では、上記用語の概略表現は、必ずしも同じ実施形態又は例を指すものではない。更に、記載される特定の特徴、構造、材料、又は機構は、任意の1以上の実施形態又は例において適切な方法で組み合わせてもよい。更に、相互に矛盾しない場合、当業者は、本明細書に記載される異なる実施形態若しくは例又は異なる実施形態若しくは例の特徴を一体化したり組み合わせたりすることができる。
【0065】
上記の通り本開示の実施形態を示し、記載してきたが、当業者であれば、本開示の範囲内で上記実施形態を変更、改変、置換、及び変換できることが理解可能である。