(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6694975
(24)【登録日】2020年4月22日
(45)【発行日】2020年5月20日
(54)【発明の名称】組織を治療するためのシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 17/128 20060101AFI20200511BHJP
A61B 17/122 20060101ALI20200511BHJP
【FI】
A61B17/128
A61B17/122
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-566503(P2018-566503)
(86)(22)【出願日】2017年9月25日
(65)【公表番号】特表2019-520902(P2019-520902A)
(43)【公表日】2019年7月25日
(86)【国際出願番号】US2017053221
(87)【国際公開番号】WO2018063984
(87)【国際公開日】20180405
【審査請求日】2018年12月19日
(31)【優先権主張番号】62/401,513
(32)【優先日】2016年9月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500332814
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ライアン、ショーン
(72)【発明者】
【氏名】キング、ジョセフ ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】ラジャラトナム、ブーパティ
(72)【発明者】
【氏名】レーティネン、ローリー エイ.
(72)【発明者】
【氏名】コンドン、ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】エステベス、ラモン
【審査官】
山口 賢一
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭50−038691(JP,U)
【文献】
独国特許出願公開第102009022271(DE,A1)
【文献】
特表2011−524793(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/128
A61B 17/122
A61B 17/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織を治療するためのシステムであって、
1対のクリップアームを備えているクリップアセンブリであって、1対のクリップアームは各々が基端部から先端部へと延在し、各々のクリップアームの基端部は、クリップアームの先端部が互いに離隔している組織受承形態と、クリップアームの先端部が互いに近づいている組織クリッピング形態との間で移動するように、カプセルのチャネル内部に摺動可能に受承されている、クリップアセンブリと、
カテーテル及びカテーテルを貫通する制御部材を備えているアプリケータであって、制御部材は、組織受承形態と組織クリッピング形態との間でクリップアセンブリを移動させるように1対のクリップアームに対して接続されるように構成された先端部を備えている、アプリケータと、
1対のクリップアームの各々の基端部に解放可能なように結合され、かつ制御部材の先端部に結合されるように構成された結合具であって、当該システムのユーザから制御部材を介して結合具に加えられる制御部材の基端側への力が第1の所定の閾値を超えたときに降伏して、1対のクリップアームを離脱させてクリップアセンブリを展開配置するように構成されている、結合具と、を含んでおり、
結合具の先端側部分は、1対の指状部であって、各々の指状部のタブが1対のクリップアームの各々の対応する基端部に係合する付勢された係合形態と、前記タブが1対のクリップアームとの係合から脱した非係合形態との間を移動可能である、1対の指状部を備えている、システム。
【請求項2】
1対のクリップアームの各々の基端部は、カプセルの内側に摺動可能に受承されかつ結合具に接続されるように構成されたコネクタを介して互いに接続されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
結合具は、結合具を貫通するルーメンであって、基端部から狭い開口部に向かってテーパ状をなしている第1のテーパ状部分を備えており、狭い開口部は制御部材の拡大先端部により該開口部に加わる先端側への力が第2の所定の閾値を超えたときに変形して、拡大先端部が前記開口部を通過して先端側に移動して制御部材を結合具に結合するようになっている、ルーメンを備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
結合具のルーメンは、狭い開口部から先端部へと外側に向かってフレア状に広がる第2のテーパ状部分を備えており、制御部材の拡大先端部を第2のテーパ状部分に逆らって基端側へ移動させたときに、前記1対の指状部が係合形態から非係合形態へと移動するようになっている、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
結合具は、1対のクリップアームの対応するような大きさ及び形状に作られた部分の上にスナップ嵌合するような大きさ及び形状に作られた先端側の1対の対向するアームを画成する、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項6】
結合具は、基端側の1対の対向するアームを画成し、基端側の1対の対向するアームは、互いに向かって付勢されるとともにその間に制御部材の先端部を保持するような大きさ及び形状の空間を形成しており、制御部材の先端部が基端側の1対の対向するアームに対して押し付けられると離れるように広がることで、制御部材の先端部を前記空間の基端側の開口部を過ぎて該空間の中へと先端側へ移動させるように構成される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
結合具を1対のクリップアームから離脱させるための力は、結合具を制御部材から離脱させるための力より小さい、請求項6に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器に関し、特に、組織を治療するためのシステム及び再装填可能な内視鏡クリッピングデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
胃腸(GI)系、胆道系、血管系、及び他の体管腔並びに中空器官の病変は内視鏡的処置により治療されることが多く、内視鏡的処置の多くは内出血を制御するために止血を必要とする。止血クリップは、創傷周囲の組織を掴みかつ創傷の縁部を合わせて一時的に保持して、自然治癒プロセスがその創傷を恒久的に閉じることを可能にする。専門の内視鏡クリッピングデバイスは、身体内の所望の位置にクリップを送達するために使用され、その後クリップ送達デバイスを抜去し、身体内にクリップを残す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、上記したクリッピングデバイスをより向上させたクリッピングシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
本開示は、クリップアセンブリ、アプリケータ及び結合具を含んでいる、組織を治療するためのシステムに関する。クリップアセンブリは1対のクリップアームを備え、該クリップアームは各々が基端部から先端部へと延在し、各々のクリップアームの基端部は、クリップアームの先端部が互いに離隔している組織受承形態とクリップアームの先端部が互いに近づいている組織クリッピング形態との間で移動するように、カプセルのチャネル内部に摺動可能に受承されている。アプリケータはカテーテル及びカテーテルを貫通する制御部材を備え、制御部材は、組織受承形態と組織クリッピング形態との間でクリップアセンブリが移動するようにクリップアームに接続された先端部を備えている。結合具はクリップアームの基端部に解放可能なように結合され、かつ制御部材の先端部に結合されており、結合具は、制御部材を介して結合具に加わる基端側への力が第1の所定の閾値を超えたときに降伏して、クリップアームを離脱させてクリップアセンブリを展開配置するように、構成されている。
【0005】
実施形態において、クリップアームの基端部はコネクタを介して互いに接続されていてもよい。
実施形態において、結合具の先端側部分は、複数の指状部であって、複数の指状部のタブがクリップアームの基端部に係合する付勢された係合形態と、タブがクリップアームとの係合から脱した非係合形態との間を移動可能である、指状部を備えうる。
【0006】
実施形態において、結合具は、結合具を貫通するルーメンであって、基端部から狭い開口部に向かってテーパ状をなしている第1のテーパ状部分を備えており、狭い開口部は制御部材の拡大先端部により該開口部に加わる先端側への力が第2の所定の閾値を超えたときに変形して、拡大先端部が前記開口部を通過して先端側に移動して制御部材を結合具に結合するようになっている、ルーメンを備えている。
【0007】
実施形態において、結合具のルーメンは、狭い開口部から先端部へと外側に向かってフレア状に広がる第2のテーパ状部分を備えて、制御部材の拡大先端部が第2のテーパ状部分に逆らって基端側へ移動したときに、複数の指状部が係合形態から非係合形態へと移動するようになっていてもよい。
【0008】
実施形態において、結合具は、コネクタの対応するような大きさ及び形状に作られた空間の内側に受承される拡大先端部を備えてもよい。
実施形態において、結合具は、制御部材の先端部の対応するような大きさ及び形状に作られた部分の内側に受承されるような大きさ及び形状に作られた、拡大基端部を備えてもよい。
【0009】
実施形態において、制御部材の先端部は、1対の対向するアームであって、互いに向かって付勢されており、かつ結合具の基端部が該アームに対して押し付けられると離れるように広がりその結果結合具の基端部が先端側の開口部を過ぎて基端側へと移動して制御部材の先端部の対応するような大きさ及び形状に作られた部分の内側に受承及び保持されるように構成された、アームによって画成されてもよい。
【0010】
実施形態において、結合具はその先端部よりも基端側の地点で分離するように構成されてもよい。
実施形態において、結合具は、クリップアームの対応するような大きさ及び形状に作られた部分の上にスナップ嵌合するような大きさ及び形状に作られた先端側の1対の対向するアームを画成してもよい。
【0011】
実施形態において、結合具は、基端側の1対の対向するアームであって、互いに向かって付勢されており、かつ制御部材の先端部が該アームに対して押し付けられると離れるように広がりその結果制御部材の先端部が基端側の開口部を過ぎて先端側へ、制御部材の先端部を保持するための大きさ及び形状に作られた受け口の中へと移動するように構成された、アームを画成してもよい。
【0012】
実施形態において、結合具をクリップアームから離脱させるのに必要な力は、結合具を制御部材から離脱させるのに必要な力より小さくてよい。
本開示はさらに、クリップアセンブリ及び結合具を含んでいる、再装填可能なクリッピングデバイスに関する。クリップアセンブリは1対のクリップアームを備え、クリップアームは各々が基端部から先端部へと延在し、各々のクリップアームの基端部は、クリップアームの先端部が互いに離隔している組織受承形態と、クリップアームの先端部が互いに近づいた組織クリッピング形態との間でクリップアームを移動させるようにカプセルのチャネル内部に摺動可能に受承されたコネクタに対して、接続されている。結合具はクリップアームの基端部に解放可能なように結合され、かつ制御部材の先端部に、クリップアセンブリが制御部材を介して組織受承形態と組織掴持形態との間を移動可能であるように結合され、結合具は、制御部材を介して結合具に加わる基端側への力が第1の所定の閾値を超えたときに降伏してクリップアームを離脱させてクリップアセンブリを展開配置するように構成されている。
【0013】
実施形態において、結合具は基端部から先端部へと延在してもよく、かつ該結合具を貫通するルーメンを備え、先端部は、複数の指状部であって該複数の指状部のタブがクリップアームの基端部に係合する付勢された係合形態と、タブがクリップアームとの係合から脱した非係合形態との間で移動可能な指状部を画成しており、ルーメンは狭い開口部を介して互いに隔てられた第1及び第2のテーパ状部分を備えており、制御部材は、その拡大先端部が狭い開口部を過ぎて先端側へと移動すると結合具に結合される。
【0014】
実施形態において、結合具の先端部はコネクタに解放可能なように結合可能であり、かつ結合具の基端部は制御部材の先端部に結合されるように構成されている。
本開示はさらに、組織を治療するための方法であって、アプリケータの制御部材を、クリップアセンブリのクリップアームの基端部に解放可能なように接続された結合具に結合することにより、クリップアセンブリをアプリケータ上に装填するステップ、装填したクリップアセンブリを、内視鏡の作業用チャネルを介して生体内の標的部位へ挿入するステップ、クリップアームの先端部が互いに離隔している組織受承形態とクリップアームの先端部が互いに近づいた組織クリッピング形態との間で、標的組織が所望通りにクリップアームの先端部の間に掴持されるまで制御部材をロッキングスリーブに対して長手方向に動かすことにより、クリップアセンブリを移動させるステップ、及び、制御部材をクリップアームに対して基端側へ、所定の閾値を越えて引き寄せ、その結果結合具が降伏してクリップアームを離脱させ、かつ結合具の少なくとも一部分は制御部材に接続したままであるようにすることにより、クリップアセンブリをアプリケータから解放するステップ、を含む方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本開示の第1の典型的な実施形態によるシステムの長手方向断面図。
【
図2】展開配置形態の、
図1のシステムの長手方向断面図。
【
図3】本開示の第2の典型的な実施形態によるシステムの長手方向断面図。
【
図4】本開示の第3の典型的な実施形態によるシステムの長手方向断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
詳細な説明
本開示は以降の説明及び添付の図面を参照すればさらに十分理解されうるが、図面においては同様の要素は同じ参照数字を用いて参照されている。本開示はクリッピングシステムに関し、特に、再装填可能な内視鏡クリッピングシステムに関する。本開示の典型的な実施形態では、内視鏡的処置に先立ちアプリケータアセンブリの先端部に装填することのできるクリップアセンブリについて説明する。ひとたびクリップが身体内の所望の標的エリアに展開配置されてしまえば、アプリケータアセンブリには新しいクリップを再装填することができる。特に、アプリケータアセンブリは、アプリケータの制御部材をクリップアセンブリに解放可能なように結合するための結合具を備えて、単一のアプリケータアセンブリを使用して多数のクリップを放つことができるようになっている。結合具はクリップアームの基端部とともに予め組み立てられ、かつ制御部材の先端部に結合されるように構成される。体内でクリップアセンブリを展開配置することが必要なとき、制御部材は、(結合具が)降伏してクリップアームから離脱するか、又は破損してクリップアームを制御部材から解放するまで、クリップアセンブリに対して基端側へと引き寄せられる。用語「基端側」及び「先端側」は、本明細書中で使用されるように、デバイスのユーザに向かう方向(基端側)及びデバイスのユーザから離れる方向(先端側)を指す。
【0017】
図1〜2に示すように、本開示の典型的な実施形態によるシステム100は、クリップアセンブリ102、アプリケータ104、及びアプリケータ104とクリップアセンブリ102との間の解放可能な接続を容易にする結合具106を含んでいる。クリップアセンブリ102は、標的組織のクリッピングのための生体内へのシステム100の挿入に先立ち、アプリケータ104の先端側部分に装填可能である。アプリケータ104は、生体内でのクリップアセンブリ102の展開配置の後に新しいクリップアセンブリ102をアプリケータ104に装填可能であって、生体内の標的組織の第2の部分に新しいクリップアセンブリ102を送達するために同じアプリケータ104を使用できるように、構成されている。この実施形態によるクリップアセンブリ102はそれぞれ、クリップアセンブリ102をアプリケータに解放可能なように結合するためにアプリケータ104の制御部材108の先端部110に結合されるように構成された、対応する結合具106とともに予め組み立てられている。ひとたび制御部材108が結合具106に接続されてしまえば、クリップアセンブリ102は、下記に説明されるようにして制御部材108をアプリケータの残りの部分に対して移動させることにより、開いている組織受承形態(クリップアーム112の先端部114はその間に標的組織を受承するために互いに離隔している)と、閉じている組織掴持形態(先端部114はその間に標的組織を掴持するために互いに向かって引き寄せられている)との間で移動させることができる。標的組織をクリッピングすると、必要に応じ、基端側への力が制御部材108の先端部110を介して結合具106に加えられてもよい。結合具106にかかる力が所定の閾値を超えたとき、結合具106は降伏及び/又は破損してクリップアセンブリ102をアプリケータ104から解放することになる。
【0018】
クリップアセンブリ102は対をなしたクリップアーム112を備え、クリップアームの基端部116は、この実施形態では、カプセル120の内側に摺動可能に受承されたコネクタ118を介して互いに接続されている。クリップアーム112はそれぞれ基端部116から先端部114へと延在し、かつ2つのクリップアーム112の基端部116は、この実施形態では、結合具106に接続されているコネクタ118を介して互いに接続させることができる。よって、制御部材108が結合具106に接続されているとき、制御部材108は、クリップアセンブリ102を組織受承形態と組織掴持形態との間で移動させるためにカプセル120に対して長手方向に移動させることができる。この実施形態のクリップアーム112は、カプセル120の中に引き寄せられていないときは開いている組織受承形態に付勢されており、クリップアーム112はその間に組織を受承するために互いから離れるように広がっている。クリップアーム112がカプセル120の中に引き寄せられているとき、カプセル120は、クリップアームの先端部114を共に組織クリッピング形態に保持しながらクリップアーム112を拘束する。
【0019】
クリップアーム112は、その間への組織の掴持を増強するように構成された任意選択の掴持機構を備えてもよい。例えば、クリップアーム112の先端部114は、互いに向かって横方向に内側に延びるチップ、及びクリップアーム112の先端部114の間に組織を掴持するように構成された歯、突部、先鋭部又は他の構造物、のうち少なくともいずれかを備えうる。クリップアーム112はさらに、標的組織がクリップアーム112により所望通りに掴持された時点で、クリップアーム112を組織掴持形態に固定するように構成された、固定機構を備えうる。1つの実施形態では、クリップアーム112のうち一方又は両方が、クリップアームから横方向に外側に延びる固定用タブであって、クリップアーム112がカプセル120の中に所定の距離だけ引き込まれたときにカプセル120の一部分に係合するように構成された固定用タブを備えている。例えば、固定用タブは、組織掴持形態において、対応する大きさ、形状及び位置に作られた、カプセル120の壁を通って横方向に延びる固定用ウィンドウの内部に受承されて、クリップアーム112をカプセル120に対して固定することができる。
【0020】
1つの典型的な実施形態では、クリップアーム112の基端部116は、カプセル120の内側に摺動可能に受承されておりかつ結合具106に接続されるように構成された、コネクタ118を介して互いに接続されうる。1例において、コネクタ118は、クリップアーム112を相互に結合する別個の要素である。別の例では、コネクタ118は、クリップアーム112とともに一体的に形成される。コネクタ118は、結合具106に係合するための係合機構122を備えうる。係合機構122は、例えばコネクタ118の周りに延在する溝であって、以下に一層詳細に説明されるような、結合具106の対応する係合部分を受承するような大きさ及び形状に作られている溝として、構成されうる。1つの特定の実施形態では、溝はコネクタ118の周方向に延在する。
【0021】
カプセル120は基端部124から先端部126へと延在し、かつ該カプセルを通って長手方向に延びるチャネル128を備えている。チャネル128は、その中にコネクタ118とクリップアーム112の少なくとも基端側部分とを受承するような大きさ及び形状に作られる。カプセル120の基端部124は、様々な方法のうち任意の方法でアプリケータ104に解放可能なように接続可能である。1つの実施形態では、カプセル120は、クリップアーム112がカプセル120の内表面によって拘束されてその結果クリップアームの先端部114が近接しているか互いに接しているかのうち少なくともいずれかである、組織掴持形態によく似ている初期の挿入形態から、組織受承形態に向かって先端側へと、クリップアーム112がカプセル120に対して移動できる方法でアプリケータ104に係合する。クリップアーム112は、標的組織がそれらの間に所望通りに受承されたときにクリップアーム112を互いに引き寄せるために、カプセル120に対して基端側に引き寄せられる。カプセル120はさらに、カプセル120がアプリケータ104の先端部と接触するまで基端側へ移動させられる。カプセル120がアプリケータ104の先端部に当接した時点で、クリップアーム112はカプセル120に対してさらに基端側へ、組織掴持形態に向けて、引き寄せられてもよい。この解放可能な接続は、例えば、摩擦嵌合又は緩やかなスナップ接続によって達成可能である。
【0022】
別の実施形態では、カプセル120は、結合具106がクリップアーム112から離脱するとカプセル120がアプリケータ104から解放されるような方法で、アプリケータ104に解放可能なように接続されてもよい。例えば、結合具106及び制御部材108のうち少なくともいずれか一方の一部分が、カプセル120とアプリケータ104との間の結合機構と連動して、その結果結合機構からの結合具106の除去がカプセル120をアプリケータ104から離脱させるようになっていてもよい。
【0023】
結合具106は、基端部130から先端部132へと長手方向に延在し、かつ該結合具を貫通するルーメン134を備えている。ルーメン134は、その中に制御部材108の拡大先端部110を受承及び保持するような大きさ及び形状に作られる。特に、ルーメン134は、狭い開口部140を介して互いに隔てられた第1のテーパ状部分141及び第2のテーパ状部分142を備えている。第1のテーパ状部分141はその基端部170から狭い開口部140に向かって先端側へとテーパ状をなしている一方、第2のテーパ部142はその先端部172から狭い開口部140に向かって基端側へとテーパ状をなしている。換言すれば、ルーメン134はその基端部170から狭い開口部140に向かってテーパ状をなし、かつ狭い開口部140から先端部172に向かって外側にフレア状に広がっている。狭い開口部140におけるルーメン134の断面積はルーメン134の残りの部分よりも小さい。狭い開口部の断面積はさらに、制御部材108の拡大先端部110よりも小さく、その結果、拡大先端部110が該開口部を過ぎて先端側へ押されると、拡大先端部110は第2のテーパ状部分142の中に保持される。この実施形態の結合具106は、狭い開口部140が拡大先端部110の直径よりも小さな直径を有する静止配置状態に向かって付勢された、弾性的に変形可能な材料から作られる。拡大先端部110が先端側へと挿入されるにつれて、拡大先端部は第1のテーパ状部分141に逆らって先端側へ摺動して、狭い開口部140に加わる先端側方向の力が所定の閾値を超えたときに該開口部を強制的に径方向に外側へ偏向させて拡大先端部110が該開口部を通過して先端側へ移動することを可能にする。ひとたび拡大先端部110が狭い開口部140を過ぎて先端側へ移動すれば、結合具106は、狭い開口部140の断面積が再び拡大先端部110の直径よりも小さい静止配置状態へと戻るように偏向して、拡大先端部110を結合具106の内側に固定する。
【0024】
結合具106はクリップアーム112と共に予め組み立てられるので、拡大先端部110が狭い開口部140を過ぎて先端側へ移動した後、制御部材108はクリップアーム112に接続され、その結果クリップアーム112は、カプセル120に対して制御部材108を先端側に前進させること及び制御部材108を基端側に引き込むことにより、組織受承形態と組織掴持形態との間で移動させることができる。特に、拡大先端部110は、制御部材108がクリップアーム112に関して実質的に固着されるように、コネクタ118の基端側で狭い開口部140の内側に収容される。
【0025】
この実施形態による結合具106の先端側部分は、複数の指状部136であって、指状部136がクリップアセンブリ102のコネクタ118に係合する係合形態と、指状部136がコネクタ118との係合から脱した非係合形態との間で移動可能な指状部を画成する。指状部136の先端部132は、係合形態において、コネクタ118の係合機構122に係合するための径方向に内側に延びるタブ138を備えている。特に、係合形態ではタブ138はコネクタ118の周りに延在する溝の内側に受承される。指状部136は、クリップアセンブリ102が組織受承形態と組織掴持形態との間で移動させられるときに結合具106がクリップアーム112と係合し続けるように、係合形態に向かって付勢される。
【0026】
しかしながら、クリップアセンブリ102が標的組織を掴持するために使用済みであり、かつクリップアセンブリ102を展開配置することが望まれれば、クリップアーム112がカプセル120に対して固定されるまで、カプセル120に対して制御部材108を基端側へ引き寄せることができる。上述のように、クリップアセンブリ102の固定は、クリップアーム112がカプセル120内部の所定位置へと基端側に引き寄せられて、その結果カプセル120及びクリップアーム112の対応する固定機構が互いに係合したときに生じうる。クリップアセンブリ102が組織掴持形態に固定されれば、拡大先端部110は、制御部材108がクリップアセンブリ102に対して基端側へ移動されるにつれて第2のテーパ状部分142と連動する。換言すれば、クリップアセンブリ102を固定した時点で、制御部材108のさらなる基端側への動きは拡大先端部110をルーメン134の狭い開口部140に寄せて基端側へと摺動させて、結合具106の先端側部分をより大きく開くように広げて指状部136をコネクタ118の溝から離脱させる(すなわち、係合形態から非係合形態への移動)。非係合形態では、指状部136は、
図2に示されるように、結合具106の中心軸から径方向に離れるように動かされ、その結果タブ138がコネクタ118の係合機構122の溝から脱し、それによりクリップアーム112が係合機構122の溝から解放される。
【0027】
アプリケータ104に装填される前、クリップアセンブリ102は、アプリケータ104へのクリップアセンブリ102の装填を容易にするように構成されたカートリッジ内に保管されてもよい。カートリッジは、結合具106とともにクリップアセンブリ102を収容するための大きさ及び形状に作られた空間をその内部に画成する保管コンテナとして構成可能である。クリップアセンブリ102は組織受承形態でカートリッジ内に収容されうる。カートリッジは、以下に一層詳細に説明されるように、クリップアセンブリ102に結合させるためにアプリケータ104の先端側部分を通して挿入可能な、基端側開口部を備えている。カートリッジは、アプリケータ104への装填を容易にするためにクリップアセンブリ102を適所に保持する。
【0028】
アプリケータ104は、カテーテル144、該カテーテルから基端側へ延びる可撓性部材(図示せず)、及び制御部材108を備えている。可撓性部材の基端部はハンドル部分に接続されてもよい。カテーテル144は、可撓性部材に接続された基端部146からクリップアセンブリ102のカプセル120に解放可能に接続されるように構成された先端部148へと長手方向に延在する。制御部材108は、カテーテル144及び可撓性部材を通って先端部110から、ハンドル部分のアクチュエータに接続された基端部へと延在する。可撓性部材は、生体の蛇行した通路の中を通すのに十分な可撓性を有しているコイル又はワイヤとして形成されてもよく、かつ、この実施形態では、内視鏡又は他の挿入デバイスの作業用チャネルの中を通すための大きさ及び形状に作られる。しかしながら、可撓性部材は、該可撓性部材がクリップアセンブリ102から制御部材108に加わることになる引張力に対抗するのに十分な圧縮力を提供することが可能である限り、任意の他の適切な可撓性構造物で形成されてもよい。
【0029】
アプリケータ104にクリップアセンブリ102を装填するための典型的な方法は、制御部材108の拡大先端部110を、クリップアセンブリ102とともに予め組み立てられた結合具106の狭い開口部140に寄せて先端側へ、狭い開口部140にかかる先端側への力が所定の閾値を超えてその結果狭い開口部140の向かい合う側部が互いに離れるように偏向して拡大先端部110が先端側へと通過することが可能になるまで、押すことを含んでいる。拡大先端部110が狭い開口部140を通過した後、狭い開口部140はその自然な付勢のもとで、狭い開口部140の開口が拡大先端部110よりも小さい配置状態に戻り、該拡大先端部はその後結合具106の内部で狭い開口部140の先端側かつコネクタ118の基端側に固定されて、制御部材108をクリップアーム112に固着する。制御部材108が結合具106に結合されているので、カテーテル144もカプセル120に対して押しつけられて、該カプセルにカテーテル144が解放可能なように結合される。
【0030】
上述のように、クリップアセンブリ102がカートリッジ内に収容されている場合、カテーテル144及び制御部材108の先端部110は、上記とほぼ同じ方法で、クリップアセンブリ102に対して結合するためにカートリッジの基端側開口部から挿入可能である。ひとたびカテーテル144がカプセル120に解放可能なように接続済みとなり、かつ拡大先端部110が結合具106を介してクリップアーム112に結合されると、制御部材108は、クリップアセンブリ102を閉じているクリッピング形態に向けて引き寄せるために基端側へ移動可能である。その後、クリップアセンブリ102をカートリッジから閉じている形態で基端側開口部を通して引き出すために、アプリケータ104全体をカートリッジに対して基端側へ移動させることができる。
【0031】
使用時、クリップアセンブリ102がアプリケータ104に装填された後で、クリップアセンブリ102は内視鏡(又は任意の他の挿入デバイス)の作業用チャネルを通して挿入され、かつクリッピングすべき組織の標的部分に隣接する部位まで体内に(例えば天然の体管腔を通して)挿入される。クリップアセンブリ102は、損傷を低減しかつ作業用チャネル内の通過を容易にするために組織掴持形態で(例えば先端側タブ138を非係合形態であるように拘束している結合具106を備えて)標的組織へと挿入される。標的組織の部位に到達すると、クリップアセンブリ102は、クリップアーム112をカプセル120から外へ先端側へと延在させつつ制御部材108をカテーテル144に対して先端側へ移動させること、及びクリップアーム112を組織受承形態に移動させることにより、作業用チャネルの先端部から外へと前進させられる。標的組織がクリップアーム112の間に受承されたならば、クリップアセンブリ102は、クリップアーム112の先端部114の間に標的組織が掴持されるように組織掴持形態へと移動可能である。クリップアーム112は、制御部材108をカテーテル144及びカプセル120に対して基端側へ引き寄せることにより組織掴持形態へと移動する。クリップアセンブリ102が組織掴持形態であれば、制御部材108は、カプセル120に対してクリップアーム112を固定するためにさらに基端側へ引き寄せられてもよい。
【0032】
クリップアセンブリ102を展開配置するためには、制御部材108がさらにより基端側へと引き寄せられる。クリップアーム112はカプセル120に対して固着されているので、制御部材108の基端側への動きは、制御部材108の先端部110を、結合具106の指状部136がその中心軸から径方向に離れるように移動して非係合形態となるように、ルーメン134の第2のテーパ状部分142に寄せて基端側へ摺動させる。具体的には、非係合形態では、結合具106の先端部132のタブ138がコネクタ118の係合機構122の溝から離脱する。このようにして、制御部材108はクリップアーム112から離脱する。上述のように、クリップアーム112からの制御部材108の離脱はさらに、カプセル120をカテーテル144から解放する。このように、アプリケータ104は身体から基端側へ抜去され、標的組織上にクリッピングされたアセンブリ102が残される。身体からアプリケータ104が除かれると、制御部材108の先端部110に付着したままである結合具106を、先端部110から結合具106を引き抜くことにより先端部110から除去することができる。結合具106に対する力が所定の閾値の力を超えたとき、狭い開口部140は降伏又は変形して拡大先端部110が該開口部を通過して移動することが可能となり、その結果結合具106を拡大先端部110から除去することができる。そのように望まれる場合には、次いで新しいクリップアセンブリ102が上述と同じ方法でアプリケータ104に装填され、その結果該デバイスは次に組織の第2の部分をクリッピングするために使用可能である。このプロセスは、必要に応じて又は所望により何度も同じアプリケータ104を使用して繰り返すことができる。
【0033】
図3に示されるように、典型的な実施形態によるシステム200は、システム100によく似ており、アプリケータ204の先端側部分に装填可能なクリップアセンブリ202を含んでいる。具体的には、システム100に関して上述されるように、クリップアセンブリ202のクリップアームは結合具206を介してアプリケータ204の制御部材208に接続可能である。結合具206は、クリップアームの基端部を共に接続するコネクタ218とともに予め組み立てられてもよく、かつ制御部材208の先端部210に係合するように構成される。
【0034】
しかしながら、結合具206は基端部230から先端部232へと長手方向に延在する。先端部232は、クリップアームの基端部においてコネクタ218とともに予め組み立てられる。1つの実施形態では、先端部232は拡大型でほぼ球状の形状であってよい。基端部230は、制御部材208の先端部210に結合されるように構成可能である。1つの実施形態では、基端部230も拡大型でほぼ球状の形状であってよい。しかしながら、結合具206の基端部230及び先端部232は、基端部230及び先端部232がそれぞれ制御部材208及びコネクタ218に結合されるように構成される限り、様々な形状及び大きさのうち任意のものであってよい。
【0035】
クリップアームおよびカプセルは示されていないが、クリップアセンブリ202は上述のクリップアセンブリ102によく似ており、コネクタ218を介して基端部で互いに接続されたクリップアームを備え、該コネクタはクリップアームを組織受承形態と組織掴持形態との間で移動させるようにカプセル内に摺動可能に受承されている。しかしながら、コネクタ218に延在する溝ではなく、コネクタ218はその基端部219の開口部から先端側へ広がる空間222を備えている。空間222は、結合具206の先端部232を受承するような大きさ及び形状に作られる。1つの実施形態では、空間222は、結合具206の球状の先端部232を受承するための受け口であってよい。しかしながら、結合具206の先端部232は、所定の閾値の力を超える力がそこに加わったときに結合具206の少なくとも一部分をコネクタから分離できる限りは、様々な方法のうち任意の方法でコネクタ218とともに組み立てることができる。結合具206は、制御部材208も結合具206に結合される場合に、制御部材208の動きを介してクリップアームを移動させることが可能になる方法で、コネクタ218に結合される。
【0036】
アプリケータ204は上述のアプリケータ104によく似ており、カテーテル244及び該カテーテルを貫通する制御部材208を含んでいる。制御部材208の先端部210は同様に結合具206に結合されるように構成される。しかしながら、結合具の一部分の内部に受承されるのではなく、拡大先端部210は先端側開口部252から基端側へ延びる長手方向スロット250を備えている。長手方向スロット250の基端側部分254は、結合具206の基端部230を受承するための大きさ及び形状に作られている。1つの実施形態では、スロット250は、結合具206の球状の基端部230を受承するための受け口として構成可能である。基端側部分254の断面積は、ひとたび結合具206の基端部230が基端側部分254の内部に受承されれば基端部230がそこに保持されるように、先端側開口部252の断面積より大きくてよい。長手方向スロット250は、基端部230が先端側開口部252に寄せて基端側へと押されたときに離れて広がるように設計された対向する部分256によって画成されてもよい。対向する部分256は互いに向かって付勢され、その結果、ひとたび結合具206の基端部230が先端側開口部252を過ぎて基端側へ移動され、かつ基端部230が基端側部分254の内部に受承されれば、対向する部分256は互いに向かって跳ね戻り、基端部230を基端側部分254の内部に固定することができるようになっている。よって、ひとたび基端側部分230が基端側部分254の内部に受承されれば、制御部材208の長手方向の動きを、組織受承形態と組織掴持形態との間のクリップアセンブリ202の移動を制御するために使用できる。
【0037】
標的組織上にクリッピングされた生体内のクリップアセンブリ202を展開配置することが望まれる場合、アプリケータ204は、制御部材208をコネクタ218に対して基端側へ引き寄せることによりクリップアセンブリ204から離脱可能である。コネクタ218に対する基端側への力が所定の閾値を超えると、結合具206の先端部232はコネクタ218から分離することができる。別の実施形態では、結合具206は、結合具206の残りの部分が制御部材208に結合したままであるように、先端部232の基端側の地点で破断又は破損するように設計されてもよい。アプリケータ204が身体から抜去されてしまえば、結合具206の、制御部材208に結合したままである部分は、単に結合具206を制御部材208から離れるように引くことによって制御部材208から除去可能である。結合具206は、該結合具に加わる力が閾値を超えたときに降伏することになる。結合具206が除去されると、アプリケータ204は、組織の第2の標的部分をクリッピングするために、同じ方法で新しいクリップアセンブリ202に結合できる。このプロセスは、同じアプリケータ204を使用して、必要に応じて何度も繰り返すことができる。
【0038】
図4に示されるように、別の典型的な実施形態によるシステム300は、上述のシステム100、200によく似ており、アプリケータ304に装填するためのクリップアセンブリ302を含んでいる。具体的には、クリップアームの基端部を接続するコネクタ318が、結合具306を介してアプリケータ304の制御部材308の先端部310に解放可能なように結合される。クリップアセンブリ302のカプセル及びクリップアームは示されていないが、クリップアセンブリ302は上述のクリップアセンブリ102によく似ていてもよく、クリップアセンブリ302は基端部においてコネクタ318を介して互いに接続されたクリップアームを備えており、該コネクタはクリップアームを組織受承形態と組織掴持形態との間で移動させるためにカプセル内に摺動可能に受承されている。しかしながらコネクタ318は、結合具306との接続のためにその基端部319に突部326を備えている。アプリケータ304は上述のアプリケータ104によく似ており、カテーテル344及び該カテーテルを貫通する制御部材308を備えている。
【0039】
結合具306は、コネクタ318の突部326を受承するような大きさ及び形状に作られた先端側部分332と、制御部材308の拡大先端部310を受承するような大きさ及び形状に作られた基端側部分330とを備えている。システム100、200に関して上述したように、結合具306はクリップアーム312のコネクタ318の上に予め組み立てられてもよい。先端側部分332は、例えば、1対の対向するアーム360であってその間に空間362を画成しており、空間362はその中に突部326を受承するような大きさ及び形状に作られている、アームを備えてもよい。1対の対向するアーム360は、突部326が空間362の内側に保持されるように突部326の上にスナップ嵌合されてもよい。
【0040】
同様に、基端側部分330は、1対の対向するアーム364であってその間に空間366を画成しており、空間366は制御部材308の拡大先端部310を受承するような大きさ及び形状に作られている、アームを備えうる。対向するアーム364は、拡大先端部310が該アームに寄せて先端側へと押されたときに離れて広がるように設計されて、その結果拡大先端部が空間366の基端側開口部368を過ぎて先端側へ、かつ空間366の中へと移動可能であるようになっている。拡大先端部310が空間366に内部に受承されれば、対向するアーム364は、対向するアーム364の間の空間366の中に拡大先端部を保持しつつ該アームの原形状に戻る。このようにして、制御部材308は結合具306に、及び結合具306が接続されているクリップアーム312に対して、しっかりと固着され、その結果カプセル及びカテーテル344のうち少なくともいずれか一方に対する制御部材308の長手方向の動きが、クリップアセンブリ302を組織受承形態と組織掴持形態との間で移動させる。
【0041】
コネクタ318から結合具306を離脱させるのに必要な力は、制御部材308の拡大先端部310から結合具306を離脱させるのに必要な力より小さい。よって、標的組織が所望通りにクリップアセンブリ302によって掴持されたならば、制御部材308は、先端側部分332にかかる力が所定の閾値を超えるまでカプセルに対して基端側へと引き寄せられて、その結果該先端側部分の対向するアーム360を降伏させ、該アームからコネクタ318の突部326を解放することができる。制御部材308はその後クリップアームから離脱させられ、その結果アプリケータ304は標的組織上にクリッピングされたクリップアセンブリ302を残して身体から抜去可能となる。結合具306は、アプリケータ304が身体から抜去されるときに制御部材308に付着したままである。アプリケータ304が身体から抜去されれば、結合具306は、結合具306の基端側部分330の対向するアーム364が降伏してそこから拡大先端部310を解放するのに十分な力で、拡大先端部310から結合具306を引くことにより、アプリケータから除去可能である。結合具306が除去されれば、アプリケータ304は、組織の第2の標的部分をクリッピングするために、同じ方法で新しいクリップアセンブリ302に結合可能である。このプロセスは、同じアプリケータ304を使用して、必要に応じて何度も繰り返すことができる。
【0042】
この典型的な実施形態は、結合具を介してアプリケータにクリップアセンブリを装填するために構成された特定のシステム100〜300を示しかつ説明しており、当業者には十分理解されるであろうが、本開示は、結合具がコネクタとともに予め組み立て可能でありかつクリップアセンブリの展開配置の際に降伏するか、破損するか、及び/又はその他の方法でコネクタから分離可能である限り、クリップアセンブリのコネクタをアプリケータの制御部材に結合するための様々な結合具のうち任意のものを具備する。クリップアセンブリが展開配置されてしまえば、結合具(又はその残りの部分)は、アプリケータに新しいクリップアセンブリを装填可能であるようにアプリケータの制御部材から除去可能である。
【0043】
当業者には明白であろうが、本開示の範囲から逸脱することなく本開示に様々な改変を行うことができる。