(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1端末から送信されたコンテンツの受信と、前記第1端末へのコンテンツの送信とを行う、メッセージアプリケーションがインストールされた端末の情報処理方法であって、
前記メッセージアプリケーションがインストールされていない前記第1端末から送信された第1コンテンツを前記端末の通信部により受信することと、
前記メッセージアプリケーションがインストールされていない前記第1端末から送信された前記第1コンテンツを前記メッセージアプリケーションにより前記端末の表示部に表示することと、
前記第1端末のユーザによる前記第1端末への入力により、前記第1端末にインストールされた前記メッセージアプリケーションに搭載された機能によって前記第1端末から送信された、前記メッセージアプリケーションがインストールされていない状態では送信できない第2コンテンツを前記通信部によって受信することと、
前記メッセージアプリケーションがインストールされていない状態では送信できない前記第2コンテンツを前記メッセージアプリケーションにより前記表示部に表示することとを含む。
第1端末から送信されたコンテンツの受信と、前記第1端末へのコンテンツの送信とを行う端末に実行される、メッセージアプリケーションを少なくとも含むプログラムであって、
前記メッセージアプリケーションがインストールされていない前記第1端末から送信された第1コンテンツを前記端末の通信部により受信することと、
前記メッセージアプリケーションがインストールされていない前記第1端末から送信された前記第1コンテンツを前記メッセージアプリケーションにより前記端末の表示部に表示することと、
前記第1端末のユーザによる前記第1端末への入力により、前記第1端末にインストールされた前記メッセージアプリケーションに搭載された機能によって前記第1端末から送信された、前記メッセージアプリケーションがインストールされていない状態では送信できない第2コンテンツを前記通信部によって受信することと、
前記メッセージアプリケーションがインストールされていない状態では送信できない前記第2コンテンツを前記メッセージアプリケーションにより前記表示部に表示することとが前記端末に実行される。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下、諸図面を参照しながら、本発明の一実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態によるサービスシステム構成の概略図である。
図1に示すように、サービスシステム400は、サーバ100、端末装置200A〜200C、ネットワーク300を含む。サーバ(コンピュータ)100は、ネットワーク300を介して端末装置200A〜200Cと接続される。なお、
図1において、説明を簡単にするために端末装置は3台だけ示してあるが、これ以上存在してもよいことは言うまでもない。
【0007】
端末装置200A〜200Cは、スマートフォンなどに代表される通信端末である。これ以降、端末装置200Aのユーザ(ユーザA)と端末装置200Bのユーザ(ユーザB)は本発明の一実施形態によるサービスに登録しており、端末装置200Cのユーザ(ユーザC)はサービスに未登録であるとして説明する。端末装置200Aと端末装置200Bとは、本発明の一実施形態によるサービスの一部であるチャットを、サービス側が提供するメッセージングアプリ(以下、「メッセージアプリ」と略称する。)を用いて行っており、サーバ100は、端末装置200Aが送信したメッセージをネットワーク300を介して受信して端末装置200Bに対して送信したり、端末装置200Bが送信したメッセージをネットワーク300を介して受信して端末装置200Aに対して送信したりする。その他、サーバ100は、端末装置200A〜200Cの入力受付部でユーザが入力した操作指示内容に関する情報を受信して、指示内容に応じた処理を行う。
【0008】
図2は、本発明の一実施形態によるサーバ100のブロック図である。
図2に示すように、サーバ100は、通信部110、記憶部120及び制御部130を備える。
【0009】
通信部110は、制御部130からの指示に従って、ネットワーク300を介して、端末装置200A〜200Cとの通信を実行する機能を有する。当該通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。
【0010】
また、通信部110は、受信部111および送信部112を備える。詳細は後述するが、受信部111は、未登録ユーザをサービスに招待するための招待リクエストを、サービスに登録された登録ユーザから受信する。送信部112は、招待リクエストに応じて、サービスへの招待メッセージを未登録ユーザに送信する。また、送信部112は、メッセージングサービスが友だちとして設定された登録ユーザ間でメッセージをやり取りするものであるとき、未登録ユーザがサービスに登録した場合に、招待メッセージに含まれる情報に含まれる登録ユーザを、未登録ユーザの友だちの候補として未登録ユーザの表示部250Cに表示するための情報を送信する。なお、これ以降、端末装置200Aが招待リクエストを送信する態様について説明するが、端末装置200Bが招待リクエストを送信する場合でも同様である。
【0011】
記憶部120は、サーバ100が動作するうえで必要とする各種プログラムおよびデータを記憶する機能を有する。記憶部120は、ユーザ情報記憶部121及び履歴記憶部122を含む。ユーザ情報記憶部121は、サービスに登録しているユーザの情報(ユーザID(IDentifier)、電話番号等、サービス登録に必要な各種情報)を記憶(格納)する。履歴記憶部122は、後述するサービス提供部131によって未登録ユーザに提供されたサービス履歴を記憶する。また、履歴記憶部122は、招待メッセージとユーザ識別情報(詳細は後述する)とを関連付けて記憶する。記憶部120は、典型的には、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなど各種の記録媒体により実現される。
【0012】
制御部130は、サーバ100の各部を制御する機能を有するプロセッサである。制御部130は、サービス提供部131、作成部132及び取得部133を備える。詳細は後述するが、サービス提供部131は、サービスへアクセスした当該サービスに登録されていない未登録ユーザに対してサービスを提供する。さらに、サービス提供部131は、未登録ユーザがサービスに登録された場合に、未登録ユーザがサービスに登録されていない時に利用したサービス履歴を承継してサービスを利用させる。なお、サービス提供部131は、送信部112から送信された招待メッセージに応じてサービスへアクセスした未登録ユーザに対してサービスを提供する。また、サービス提供部131は、招待メッセージに応じてサービスにアクセスしたユーザのうち、招待メッセージと関連付けられたユーザ識別情報を有するユーザにサービスを提供する。
【0013】
さらに、サービス提供部131は、未登録ユーザに提供するサービスの内容を、登録ユーザに提供するサービスの内容と比べて制限する。また、サービスが、登録ユーザ同士でメッセージをやり取りするメッセージングサービスを含む場合、サービス提供部131は、メッセージとしてテキストメッセージ以外に登録ユーザが利用できるコンテンツを、未登録ユーザに利用させない。ここで、コンテンツとは、画像、音声データ、動画、スタンプ(デジタルステッカー)等を含む。また、サービス提供部131は、招待メッセージに含まれる、未登録ユーザとメッセージをやり取りできる一以上の登録ユーザに関する情報に含まれない登録ユーザとのメッセージのやり取りを、未登録ユーザに行わせない。
【0014】
また、サービスが、登録ユーザ同士で通信回線を用いた音声通話ができる通話サービスを含む場合、サービス提供部131は、未登録ユーザに通話サービスを利用させない。
【0015】
さらに、サービス提供部131は、招待メッセージが電話番号を宛先として使用できる通信プロトコルを用いて送信された場合、サービスへの新規登録時に必要な電話番号の入力手続きを省略した上でサービスを提供する。
【0016】
作成部132は、登録ユーザからの招待リクエストに応じて、未登録ユーザに送信する招待メッセージを作成する。取得部133は、招待メッセージに応じてサービスへアクセスした未登録ユーザのユーザ識別情報を取得する。
【0017】
次に、端末装置について説明する。
図3は、本発明の一実施形態による端末装置200Aのブロック図である。なお、ここでは端末装置200Aについて説明するが、端末装置200B、200Cについても同様である。
【0018】
図3に示すように、端末装置200Aは、通信部210、記憶部220、制御部230、入力受付部240、表示部250及び音声インタフェース(I/F)260及びスピーカ270を備える。また、制御部230は、情報処理部231及び表示処理部232を備える。通信部210は、ネットワーク300を介して、サーバ100との通信を実行する機能を有する。当該通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、また、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。
【0019】
記憶部220は、サービス情報記憶部221とアドレス記憶部222とを備え、端末装置200Aが動作するうえで必要とする各種プログラムや各種データを記憶する機能を有する。例えば、サービス情報記憶部221には、アプリケーションサーバからダウンロードして端末装置200Aにインストールされた、メッセージングアプリの情報が格納されている。また、アドレス記憶部222には、端末装置200AのユーザAによって登録された、ユーザAの知り合いや店舗等の電話番号や各種メールアドレスといった情報が記憶されている。なお、記憶部220は、典型的には、HDD、SSD、フラッシュメモリなど各種の記録媒体により実現される。
【0020】
入力受付部240は、ユーザからの入力を受け付けて、当該入力に係る情報を、制御部230に伝達する。入力受付部240は、タッチパネルなどにより実現され、ユーザの指やスタイラスなどの指示具による接触とその接触位置を検出し、接触出位置の座標を情報処理部231に伝達する。本実施の形態において、入力受付部240は、ユーザによるチャットメッセージの入力や、表示部250に表示された各種アイコンやメニューボタン、URL等へのタップ操作等を受け付ける。
【0021】
制御部230は、端末装置200Aの各部を制御する機能を有するプロセッサである。制御部230は、情報処理部231と表示処理部232とを含む。情報処理部231は、入力受付部240から入力された情報にしたがって、通信部210からサーバ100にデータを送信するように制御する機能を有する。また、情報処理部231は、通信部210でサーバ100から受信した情報を、表示処理部232に伝達する機能も有する。さらに、情報処理部231は、入力受付部240に対してなされたユーザの入力に従って、メッセージアプリを起動し、招待メッセージを端末装置200Cに送信するための招待リクエストに関する情報をサーバ100に送信するよう、通信部210に指示する機能も有する。さらに、情報処理部231は、ユーザが表示部250に表示されたURLをタップ操作等で選択した場合に、対応するウェブページを表示部250に表示させるための情報をネットワーク300を介して受信する処理を実行したりする。
【0022】
表示処理部232は、情報処理部231から伝達された表示用のデータを画素情報に変換し、表示部250のフレームバッファに書き込む機能を有する。表示部250は、制御部230の表示処理部232によりフレームバッファに書き込まれた表示データに従って、画像を表示する機能を有するモニタである。さらに、表示処理部232は、メッセージアプリにおいて表示されるメッセージの表示や、ネットワーク300を介して受信した情報に基づくウェブページの表示を行うよう、表示部250に指示する機能も有する。
【0023】
音声I/F260は、スピーカ270や図示しないイヤホンのインタフェースである。制御部230は、本発明の一実施形態によるサービスに含まれる通話サービスを利用する際に、音声I/F260を介してスピーカ270やイヤホンから音声を出力させる。
【0024】
次に、サービスに登録しているユーザによって、サービスに未登録のユーザがサービスに招待され、サービスを利用する態様について、図を用いて説明する。
図4は、登録ユーザの端末装置200A及び未登録ユーザの端末装置200Cの表示部に表示される画面の一例である。なお、これ以降、端末装置200Cの構成部には符号の後に「C」を付けて表記するが、端末装置200Cにおける各構成部の機能は、端末装置200Aで説明したものと同様である。
【0025】
図4(a)は、端末装置200Aの表示部250に表示されるメッセージアプリの画面の一例である。端末装置200AのユーザAは、サービスに登録して、サービスが提供するメッセージアプリを利用している。
図4(a)は、ユーザAが、複数人のメンバー同士でネットワークを介したチャットを行う「トークルーム」に、他のユーザを招待するための画面の一例である。図に示すように、表示部250には、サービスに登録している友だちのリスト510、ユーザAのアドレス記憶部222に記憶されているが、サービスに未登録のユーザリスト520が表示されている。ユーザAは、サービスに登録している友だちだけでなく、ユーザリスト520に表示されている未登録ユーザの中から、サービスに招待したい(チャットを行いたい)ユーザを選択して、サーバ100へ、招待リクエストを送信することができる。図の例では、トークルームのメンバーとして、登録ユーザの「ユーザB」、「ユーザD」、未登録ユーザの「ユーザC」が選択されている。
【0026】
図4(b)は、ユーザAの招待リクエストに応じてサーバ100から送信された招待メッセージを受信した、未登録ユーザであるユーザCの端末装置200Cの表示部250Cの画面例を示す図である。招待メッセージは、電話番号を宛先として利用できる通信プロトコル、例えばSMS(Short Message Service)やMMS(Multimedia Messaging Service)等を用いて送信される。図に示すように、ユーザCの表示部250Cには、SMSを用いてユーザAからメッセージ530が届けられ、例えば「ユーザAさんから、トークルームに招待されました。下記のURLにアクセスし、パスコードQW1U88を入力して参加してください。」というメッセージと共に、未登録ユーザがチャットを行うことのできるトークルームのURLが表示される。
【0027】
ユーザCが、メッセージ530に記載されたトークルームのURLをタップして選択すると、ユーザCの表示部250Cには、
図4(c)のように、パスコードの入力メッセージ540が表示される。ユーザCは、サービスを体験したい場合、入力受付部240Cを介して、メッセージ530に記載されていたパスコードを入力し、「ルームに参加」ボタンをタップする。なお、
図4の例では「QW1U88」を入力する。すると、表示部250Cは、
図4(d)に示すチャット画面(トークルーム)に遷移する。
図4(d)に示すトークルームは、未登録ユーザに対してはウェブブラウザで表示される。未登録ユーザは、図に示すように、登録ユーザとのチャットを閲覧することができるほか、メッセージ550を、入力受付部240Cを介して入力することができる。ここで、未登録ユーザであるユーザCのトークルームにおける表示名は、招待に用いられた電話番号かアドレスが用いられる。または、ユーザCに自身の表示名を登録させ、その表示名をトークルームにおいて表示させてもよい。なお、登録ユーザの場合は、トークルームメンバーであるユーザ毎に異なる。すなわち、トークルームを表示している携帯端末のユーザと、トークルームメンバーとの関係により、表示名が異なってくる。例えば、ユーザAとユーザBとが友人関係にあり、ユーザBの携帯端末Bのアドレス記憶部222BにユーザAの名前が「Aさん」と登録されている場合は、携帯端末Bに表示されるトークルームにおいて、ユーザAは「Aさん」と表示される。ユーザAとユーザDとが友人関係にあり、ユーザDの携帯端末Dのアドレス記憶部222DにユーザAの名前が「ミスターA」と登録されている場合は、携帯端末Dに表示されるトークルームにおいて、ユーザAは「ミスターA」と表示される。なお、登録されていない場合には、ユーザAが設定した表示名が表示される。
【0028】
図のような、トークルームで行われたチャットの履歴は、サーバ100の履歴記憶部122に記憶される。チャット履歴には、メッセージの内容とその発信者、メッセージの発信日時、図には示されていないが、登録ユーザから送信されたスタンプ等の情報を含む(スタンプについては後述する)。このチャット履歴の記憶は、チャット内容のテキストログ、トークルーム画面表示のHTML(HyperText Markup Language)等を保存することで行われてもよい。また、メッセージアプリ専用のデータ形式で保存されてもよい。そして、ユーザCがサービスに新規に登録した際に、履歴記憶部122に記憶された、サービスに未登録であった際に行ったチャット履歴が引きつがれる。すなわち、ユーザCは、サービス未登録の際に行ったチャット履歴を引続き閲覧したり、トークルームメンバーとのチャットを継続したりすることができる。なお、登録ユーザは、チャット履歴が自身の端末装置の記憶部に記憶されてもよい。
【0029】
このように、本発明の一実施形態によれば、サービスに未登録でもサービスの内容を体験することができ、未登録ユーザにサービスへの登録を促すことができる。さらに、未登録の際に利用したサービスの内容を登録後に引続き利用することができるため、ユーザにとって利便性が高い。
【0030】
なお、未登録ユーザが招待メッセージに記載されたURLを選択してウェブサイトであるトークルームにアクセスした際に、ユーザ識別情報として、未登録ユーザの端末装置200Cにクッキー(Cookie)が付与されてもよい。その際、サーバ100の履歴記憶部122には、未登録ユーザに送信された招待メッセージ(URL)と、付与されたユーザ識別情報(クッキー)とが関連付けて記憶される。サーバ100の取得部133は、未登録ユーザが初回以降にトークルームにアクセスする際、端末装置200Cに付与されたクッキーを取得し、サービス提供部131は、URLにアクセスしたユーザのうち、履歴記憶部122に記憶されたクッキーに関連付けられたユーザのみに、トークルームを表示させる。
【0031】
このように、ユーザ識別情報とトークルームのURLとが関連付けて記憶され、URLに関連付けられたユーザ識別情報を有するユーザのみにトークルームが表示されるため、例えばURLが招待メッセージを受信していないユーザに漏洩したとしても、招待されていないユーザの不正なアクセスを防止することができる。
【0032】
なお、トークルームにて未登録ユーザが享受できるサービスの内容は、登録ユーザと比べて制限されてもよい。例えば、登録ユーザは、チャットの際に送信するメッセージの中に、テキストメッセージの他に、予め設定されたスタンプ(デジタルステッカー)を用いることができる。スタンプには、ユーザの気持ちを代弁できる様々な種類(イラスト、アニメーション)があり、登録ユーザは、テキストを用いずにスタンプのみを送信することもできる。しかし、サービス提供部131は、未登録ユーザがチャットを行うトークルームでは、未登録ユーザに対して、登録ユーザが送信したスタンプを閲覧することはできるが、スタンプを利用させないようにしてもよい。なお、スタンプの他、音声データ、動画、画像等を、登録ユーザのみが利用できるコンテンツとしてもよい。
【0033】
このように、本発明の一実施形態によれば、未登録ユーザに、登録ユーザのみが利用できるコンテンツを一部利用させないため、未登録ユーザのサービスへの登録を促すことができる。
【0034】
また、招待メッセージは、未登録ユーザとメッセージをやり取りできる一以上の登録ユーザについての情報が含まれ、サービス提供部131は、この情報に含まれない(すなわち、URLに記載されたトークルームでのチャットにおけるグループメンバーに含まれていない)登録ユーザとのメッセージのやり取りを、未登録ユーザに行わせなくともよい。上述のように、未登録ユーザは、登録ユーザから招待メッセージを受信し、招待メッセージに記載されているURLにアクセスすることでのみ、チャットを行うことができ、ここで、登録ユーザによって、招待されるトークルームのメンバーは決定されている。従って、未登録ユーザは、招待されたトークルームのメンバーでない登録ユーザとのチャットを自分から開始して行うことはできない。
【0035】
このように、本発明の一実施形態によれば、未登録ユーザに、登録ユーザとの新たなチャットを開始させることがないため、未登録ユーザに、サービスへの登録を促すことができる。
【0036】
なお、チャットを、予め友だちとして設定された登録ユーザ間で行うものとし、未登録ユーザがサービスに登録された際に、未登録ユーザの友だちの候補と推定される登録ユーザを、未登録ユーザCの表示部250Cに表示させてもよい。ここで、未登録ユーザCが招待されたトークルームのメンバーは、未登録ユーザCの友だちである可能性が高い。従って、未登録ユーザCがサービスに登録した場合に、トークルームのメンバーを友だちの候補として表示部250Cに表示するための情報が、サーバ100の送信部112から端末装置200Cに送信されてもよい。
【0037】
このような構成にすることにより、未登録ユーザがサービス登録後に友だちを検索する手間を無くすことができ、利便性の高いサービスを提供することができる。
【0038】
上述では、サービスの一例としてメッセージングサービス(チャット)を例に説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、サービスとして、登録ユーザ同士で通信回線を用いた音声通話ができる通話サービスが含まれる。しかしながら、サービス提供部131は、未登録ユーザに対して通話サービスを利用させなくともよい。なお、サービスの内容に通話サービスが含まれることについて、例えば、
図4(d)のように、未登録ユーザにウェブブラウザで表示されるトークルームにおいて、「登録すれば、スタンプ、無料通話を利用できます。この会話も、引き継げます。」と言った、サービスへの登録を促すメッセージを表示することで周知させてもよい。
【0039】
このように、本発明の一実施形態によれば、登録ユーザのみに通話サービスを利用させるため、未登録ユーザに、サービスへの登録を促すことができる。
【0040】
なお、上述では、招待メッセージの送信に、SMS等の電話番号を宛先とする通信プロトコルを用いた態様について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、登録ユーザのアドレス記憶部222に記憶されたメールアドレスに対して、招待メッセージが送信されてもよい。なお、招待メッセージの送信に、上述の電話番号を宛先とする通信プロトコルが用いられた場合、未登録ユーザがサービスへの新規登録時に必要な電話番号の入力手続きが省略されてもよい。
【0041】
このように、本発明の一実施形態によれば、未登録ユーザがサービスに新規登録する際に必要な手続きが省略されるため、ユーザの利便性を高めることができる。
【0042】
ここで、サーバ100の履歴記憶部122に記憶される、未登録ユーザのサービス履歴について説明する。
図5は、履歴記憶部122に記憶される、未登録ユーザのサービス履歴テーブルの一例である。図に示すように、サービス履歴テーブル122TBLは、「ユーザID」、「端末識別情報」、「トークルームURL」、「招待メッセージ」、「パスコード」、「ユーザ識別情報」、「メンバー」等が含まれる。ここで、「ユーザID」は、登録ユーザの場合は、サービスの運営側によって設定されるユーザアカウントの一つである。従って、「ユーザID」は、未登録ユーザに対しては、サービスの運営側によって登録ユーザとは別に設定されてもよい。また、「端末識別情報」は、例えば携帯電話端末の個体識別番号であるデバイスキーや、SID(Security Identifier)等、個々の端末を識別できる情報を指す。図の例では、未登録ユーザのユーザIDが「User_C」に対して「https://guest.line.me/134343411」で特定されるトークルームが関連付けられ、そのアクセスコードは「QWU1U88」である。また、ユーザ識別情報としてクッキー「jLB**31」が付与されている。また、招待メッセージはSMSで送信され、電話番号「090−××△□」が記憶されている。さらに、招待されたトークルームのメンバーは「User_A、User_B、User_D」であることがわかる。なお、図に示すユーザID等は一例であり、これに限られるものではないことに留意されたい。例えば、ユーザIDは数字であっても良い。
【0043】
次に、本発明の一実施形態によるサービスシステムの動作を、フローチャートを用いて説明する。
図6は、端末装置200AのユーザA(登録ユーザ)が、端末装置200CのユーザC(未登録ユーザ)をトークルームに招待する際の、端末装置200A、200C及びサーバ100の処理を示すフローチャートである。なお、図では簡単のため、端末装置200A、200Cを単に「端末装置A」、「端末装置C」と記載している。
【0044】
まず、端末装置200Aの通信部210から、ユーザCの招待リクエストが送信される(ステップS11)。サーバ100の受信部111は、招待リクエストを受信し、作成部132が、ユーザCへの招待メッセージを作成する。そして、サーバ100の送信部112から、端末装置200Cへ招待メッセージが送信される(ステップS21)。端末装置200CのユーザCは、入力受付部240Cを介して、表示部250Cに表示された招待メッセージに記載されたURLにアクセスする(ステップS31)。サーバ100の取得部133は、端末装置200Cのユーザ識別情報(クッキー)を付与し、履歴記憶部122に記憶する(ステップS22)。次に、サーバ100は、送信部112から、パスコードの入力要求を端末装置200Cに送信する(ステップS23)。このとき、端末装置200Cの表示部250Cには、
図4(c)のようなパスコードの入力メッセージ530が表示される。端末装置200CのユーザCは、入力受付部240Cを介して招待メッセージに記載されていたパスコードを入力し、サーバ100に送信する(ステップS32)。
【0045】
サーバ100のサービス提供部131は、履歴記憶部122に記憶されたサービス履歴テーブル122TBLに基づき、パスコードが正しいか否かを判定する(ステップS24)。パスコードが正しくないと判定された場合は、サーバ100は、端末装置200Cのアクセスを拒否する(ステップS25)。このとき、例えば「パスコードが違います」といったメッセージを端末装置200Cの表示部250Cに表示させるための表示情報が、端末装置200Cに送信されてもよい。
【0046】
ステップS24にてパスコードが正しいと判定された場合は、サーバ100は、未登録ユーザであるユーザCの端末装置200Cにはウェブブラウザでトークルームを表示させる表示情報を送信し、端末装置200CのユーザCは、ウェブブラウザでのトークルームにてチャットを行う(ステップS33)。また、サーバ100は、登録ユーザであるユーザAの端末装置200Aには、チャットの内容(メッセージ)を表示させる表示情報を送信し、端末装置200Aのユーザは、アプリケーションにてチャットを行う(ステップS12)。サーバ100の記憶部120には、ユーザAとユーザCとを含むメンバー間のチャット履歴が記憶される(ステップS26)。
【0047】
次に、未登録ユーザであるユーザCが、初回以降にトークルームにアクセスする際の処理について、フローチャートを用いて説明する。
図7は、ユーザCがトークルームのURLにアクセスした際のサーバの処理の一例を示すフローチャートである。図に示すように、まず、ユーザCが、招待メッセージに記載されていたトークルームのURLにアクセスする(ステップT21)。この時、サーバ100から付与されていたユーザ識別情報(クッキー)も送信される。サーバ100は、URLへのアクセスを受けると、端末装置200Cにパスコードの入力要求を送信する。端末装置200CのユーザCは、入力受付部240Cを介してパスコードを入力し、入力されたパスコードは、通信部210からサーバ100に送信される(ステップT22)。サーバ100のサービス提供部131は、パスコードが正しいか否かを判定する(ステップT12)。パスコードが正しくないと判定された場合は、サーバ100は、トークルームへのユーザCのアクセスを拒否し、トークルームの表示情報を端末装置200Cに送信しない(ステップT13)。このとき、例えば「パスコードが違います」といったメッセージを端末装置200Cの表示部250Cに表示させるための表示情報が、端末装置200Cに送信されてもよい。
【0048】
ステップT12にてパスコードが正しいと判定された場合は、サービス提供部131は、履歴記憶部122に記憶されたサービス履歴テーブル122TBLを参照して、ユーザ識別情報が正しいか否かを判定する(ステップT14)。ユーザ識別情報が正しくないと判定された場合は、サーバ100は、トークルームへのユーザCのアクセスを拒否し、トークルームの表示情報を端末装置200Cに送信しない(ステップT15)。ステップT14にて、ユーザ識別情報が正しいと判定された場合は、サーバ100のサービス提供部131は、トークルームをウェブブラウザで表示させるための表示情報を送信部122から端末装置200Cに送信する(ステップT16)。端末装置200Cの表示部250Cには、ウェブブラウザにてトークルームが表示され、未登録ユーザであるユーザCも、チャットを行うことができる(ステップT23)。
【0049】
次に、未登録ユーザであるユーザCがサービスに登録する際の処理について説明する。
図8は、ユーザCがサービスに登録する際のサーバの処理の一例を示すフローチャートである。まず、端末装置200Cから、サービスへの登録要求が送信される(ステップP21)。この登録要求は、例えば、端末装置200Cにサービスを享受するためのアプリケーションがインストールされ、ユーザ情報を登録することによって行われる。サーバ100は、登録要求を受信すると、端末装置200CのユーザCが制限サービス利用者であるか否か、すなわち、未登録ユーザの際に招待を受けてサービスを利用したことがあるか否かを判定する(ステップP11)。これは例えば、履歴記憶部122に記憶された電話番号等を用いて判定される。ただし、未登録ユーザの際に招待を受けてサービスを利用したことがあるか否かを判定するのに用いられる情報は、履歴記憶部122に記憶されたメールアドレス、ユーザ識別情報、端末識別情報のいずれかまたはその組み合わせであってもよい。
【0050】
ステップP11にて、ユーザCが制限サービス利用者であると判定された場合、サービス提供部131は、ユーザCへの招待メッセージがSMSで送信されたか否かを判定する(ステップP12)。ステップP11にて、端末装置200CのユーザCが制限サービス利用者でないと判定された場合、または、ステップP12にてユーザCへの招待メッセージがSMSで送信されていないと判定された場合は、端末装置200Cに、登録時に必要な電話番号の入力要求を送信する(ステップP13)。端末装置200CのユーザCは、電話番号の入力要求を受けて電話番号を入力し、サーバ100に送信する(ステップP22)。
【0051】
端末装置200CのユーザCが制限サービスの利用者であった場合は、ステップP14にて、サーバ100によってサービスに登録され、未登録ユーザ時のサービスを利用した履歴を引き継いで、サービスを利用することが可能となる。端末装置200CのユーザCが制限サービスの利用者でなかった場合は、ステップP15にて、サーバ100によってサービスに登録される。その後、サーバ100は、登録が完了した旨を端末装置100Cに送信する(ステップP16)。
【0052】
さらに、本発明の一実施形態によれば、未登録ユーザに、登録ユーザのみが利用できるサービスを一部利用させない。また、未登録ユーザは、登録ユーザとの新たなチャットを開始することはできない。さらに、登録ユーザのみに通話サービスを利用させる。これらにより、未登録ユーザに、サービスへの登録を促すことができる。
【0053】
さらに、本発明の一実施形態によれば、未登録ユーザへの招待メッセージが電話番号を宛先とする通信プロトコルを用いて送信された場合、未登録ユーザがサービスに新規登録する際に必要な手続きが省略されるため、ユーザの利便性を高めることができる。
【0054】
本発明に係る発明の一実施形態を説明したが、本発明はこれに限られないことは言うまでもない。例えば、上述では、ユーザ識別情報としてクッキーを用いる態様について説明したが、ユーザ識別情報としては、通信に用いる通信プロトコル(例えば、WAP:Wireless Access Protocol)に準拠するユーザ端末の識別情報や端末識別情報であっても良い。
【0055】
また、未登録ユーザが閲覧できるトークルームの期間に、制限が設けられても良い。例えば、招待メッセージの発行から2週間以内のみ、トークルームでのチャットが行われるようにしてもよい。このような構成にすることで、未登録ユーザにサービスへの登録要求を喚起させることができる。なお、未登録ユーザがその後サービスに登録した場合、未登録ユーザが閲覧できなかった期間に他のメンバーによって行われたチャットの内容は、例えば招待リクエストの送信者によって、当時の未登録ユーザに閲覧させるか否かを設定されてもよいし、設定なく閲覧可能としてもよい。
【0056】
また、上述の実施の形態では、チャットを行うトークルームのメンバーが、登録ユーザによって複数人集められた(招待された)態様について説明した。しかし、トークルームのメンバーは、登録ユーザ同士で予め設定されたグループのメンバーであっても良い。また、トークルームには、複数の未登録ユーザが含まれても良い。この場合、トークルームのURLは各未登録ユーザに対して同じものになるが、アクセスコードとユーザ識別情報との組合せを各未登録ユーザに対して異なるものとすることで、被招待ユーザ以外のユーザによるトークルームへの不正アクセスを防止することができる。
【0057】
また、未登録ユーザが利用したトークルームは、未登録ユーザがサービスに登録した後はウェブブラウザでの表示は行わないようにしてもよい。例えば、未登録ユーザが登録後に招待メッセージに記載のトークルームのURLをクリックした場合、ウェブブラウザには遷移させず、メッセージアプリを起動させてトークルームを表示させるようにしてもよい。
【0058】
なお、トークルームのメンバーは複数人である必要はなく、招待リクエストを送信した登録ユーザと未登録ユーザとが1対1でチャットを行える構成でもよい。この場合、未登録ユーザがサービスに登録した際に、自動的に、招待リクエストを送信した登録ユーザが未登録ユーザの友だちとして登録されてもよい。
【0059】
また、上述では、トークルームに招待するユーザが未登録ユーザである態様について説明した。しかしながら、チャットが、友だちとして設定された(友だち関係のある)登録ユーザ間で行われる場合、サービスに登録されているユーザ間に友だち関係がないと、メッセージアプリ上でのトークの相手として選択することができない。例えば、
図4(a)の場合、ユーザAのアドレス帳に記載のあるユーザJは、サービスに登録している(メッセージアプリを利用している)が、ユーザJはユーザAと友だち関係にないために、図のように友だちリスト510には記載されていない。本発明によれば、このような関係のユーザJに対しても、ユーザAは招待リクエストを行うことができる。すなわち、トークルームに招待するユーザは、登録ユーザであってもよい。なお、ユーザJは、サービスに登録しているため、ユーザAとはウェブブラウザ上のトークルームでチャットを行う必要はなく、ユーザAにユーザJを友達に追加することを促すメッセージを表示し、友だち登録することによって、メッセージアプリ上でチャットを行うことが可能となる。この場合、ユーザJがサービスに登録した際に用いた電話番号やメールアドレス等からユーザJを特定し、ユーザAに対してユーザJに関する情報を表示することができる。
【0060】
また、端末装置100A〜100Cはスマートフォンに限るものでない。端末装置は、上記実施の形態において記載した機能を実現できる情報処理装置であればどのような装置であってもよく、例えば、携帯端末、携帯電話、PC(Personal Conputer)、タブレット端末であってもよい。
【0061】
サーバ100の各機能部は、集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。また、各機能部は、1または複数の集積回路により実現されてよく、複数の機能部の機能を1つの集積回路により実現されることとしてもよい。LSIは、集積度の違いにより、VLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIなどと呼称されることもある。
【0062】
サーバ100の各機能部をソフトウェアにより実現する場合、サーバ100または端末装置200A〜200Cは、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記検索プログラムは、当該検索プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。本発明は、上記検索プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0063】
なお、上記プログラムは、例えば、ActionScript、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語、Objective-C、Java(登録商標)などのオブジェクト指向プログラミング言語、HTML5などのマークアップ言語などを用いて実装できる。
【0064】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。また、上記実施の形態に示す構成を適宜組み合わせることとしてもよい。