(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
方形枠状の機枠と、該機枠の一側縁に開閉可能に軸支された本体枠と、該本体枠に着脱自在に固定される遊技盤と、該遊技盤の前面を覆うように前記本体枠の一側縁に開閉可能に軸支された透明板保持枠とを具備した遊技機において、
前記遊技盤の上部であって前記透明板保持枠の軸支部と同じ側の一側縁に第1ヒンジ部を設け、該第1ヒンジ部により水平面内で回転可能なるように役物支持部材を支持して該役物支持部材が前記透明板保持枠の上部に配設されるようにするとともに、該役物支持部材に第2ヒンジ部を設けて該第2ヒンジ部により演出用の役物装置を鉛直面内で回転可能なるように支持し、該役物装置を該第2ヒンジ部にて回転させて前記透明板保持枠の上部に覆い被さるようにすることで該役物装置が該遊技機の前面上部に前方突出状に設けられるようにしたことを特徴とする遊技機。
方形枠状の機枠と、該機枠の一側縁に開閉可能に軸支された本体枠と、該本体枠に着脱自在に固定される遊技盤と、該遊技盤の前面を覆うように前記本体枠の一側縁に開閉可能に軸支された透明板保持枠とを具備した遊技機において、
前記遊技盤の上部一側縁に前記透明板保持枠の軸支部と同軸上に配置される第1ヒンジ部を設け、該第1ヒンジ部により水平面内で回転可能なるように役物支持部材を支持して該役物支持部材が前記透明板保持枠の上部に配設されるようにするとともに、該役物支持部材に第2ヒンジ部を設けて該第2ヒンジ部により演出用の役物装置を鉛直面内で回転可能なるように支持し、該役物装置を該第2ヒンジ部にて回転させて前記透明板保持枠の上部に覆い被さるようにすることで該役物装置が該遊技機の前面上部に前方突出状に設けられ、前記透明板保持枠を開閉する際に前記役物支持部材が前記第1ヒンジ部にて回転することで前記役物装置が該透明板保持枠と一緒に回転するようにしたことを特徴とする遊技機。
前記役物支持部材の裏面と前記遊技盤の上部前面に該役物支持部材と遊技盤とを互いに閉状態に係合させる第1係合手段を設けるとともに、該遊技盤を本体枠に固定した際に該第1係合手段が係合状態とならないようにする係合阻止部材を前記本体枠の上部前面に設けたことを特徴とする請求項3に記載した遊技機。
前記役物支持部材に前記役物装置を回転不能にする第2係合手段を設け、該第2係合手段を係合することで前記役物装置が前方突出状に保持されるようにしたことを特徴とする請求項3または4に記載した遊技機。
前記透明板保持枠の上縁部に前記役物装置と係合する第3係合手段を設け、該第3係合手段を係合させることで該役物装置が前方突出状に保持されるようにしたことを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載した遊技機。
【背景技術】
【0002】
一般にパチンコ遊技機は、縦長の方形枠状の機枠(外枠)の一側縁に本体枠(遊技盤取付枠)が開閉可能に軸支され、該本体枠に遊技盤が着脱自在に固定され、該本体枠の一側縁に該遊技盤の前面を覆う透明板保持枠が開閉可能に軸支されている。
ところで、パチンコホールに設置された遊技機を新しい機種に変更する場合、機枠ごと(遊技機全体)を交換する場合と、リサイクル性や経済性の観点から機枠、本体枠、および透明板保持枠はそのまま利用し、遊技盤とその裏面に一体的に設けられた遊技制御基板だけを交換する場合とがある。しかし、遊技盤と遊技制御基板を交換しても、前面の透明板保持枠は交換されないことから、遊技機全体としてかわり映えがしないという問題があった。
【0003】
一方、下記特許文献1に示された遊技機は、その図中の符号を引用して説明すると、遊技盤6の上縁部より前方に突出するように演出装置12が固設され、透明板保持枠5の上縁に形成された切欠部5bから該演出装置12が遊技機前面に露出するように構成されている。また、下記特許文献2に示された遊技機は、透明板保持枠8の上縁に透明性を有する透明収納部62が前方に膨出した形状で形成され、遊技盤6の上縁部に前方に突出するように演出装置12が固設された回転灯装置101等の演出役物が該透明収納部62に内在するよう構成されている。
これらの遊技機では、遊技盤6を交換することにより、演出装置12、回転灯装置101等の演出役物も交換されるために、遊技盤面だけでなく透明板保持枠の一部の視野も同時に変えられるといった利点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、パチンコ遊技機において、インパクトのある演出をするために、可動する役物装置、或いは、煌びやかな光による演出装置等を大型化することが要望されるが、特許文献1に示された遊技機は、透明板保持枠5は遊技中に発生した遊技盤面の球詰まり等に対処できるようにするために開閉可能に設けられている一方、演出装置12は遊技盤6に固定的に設けられているので、該演出装置12を透明板保持枠5の前面側まではみ出して形成すると、透明板保持枠5を開閉できなくなるといった設計上の制約を受けることとなり、演出効果を高めようとしても演出装置12を大型化することができないという問題がある。
【0006】
また、特許文献2に示された遊技機は、演出役物が透明板保持枠8の透明収納部62内に収容し得る大きさのものに限定され、自由なデザインを採ることができないので、遊技盤6を交換しても遊技機全体を大きなインパクトのあるものに改変できないといった問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記問題点を解決しようとするもので、方形枠状の機枠と、該機枠の一側縁に開閉可能に軸支された本体枠と、該本体枠に着脱自在に固定される遊技盤と、該遊技盤の前面を覆うように前記本体枠の一側縁に開閉可能に軸支された透明板保持枠とを具備した遊技機において、前記遊技盤の上部に演出用の役物装置を鉛直面内で回転可能なるように支持し、該役物装置を回転させて該役物装置が前記透明板保持枠の上部に覆い被さるようにすることで該役物装置が該遊技機の前面上部に前方突出状に設けられるようにしたことを特徴とする。
このように役物装置を支持することにより、インパクトのある大型の役物装置を透明板保持枠の前面に亘って配置することができるとともに、該役物装置は遊技盤と同時に交換されるので改変が顕著になる。
また本発明は上記遊技機において、前記遊技盤の上部前面に前記役物装置と該遊技盤とを互いに閉状態に係合させる第1係合手段を設けたことを特徴とする。
このため、遊技盤と役物装置とは一体的となり、持ち運ぶのが便利となり、移送時の取り扱いが容易になる。
【0008】
また、本発明は、方形枠状の機枠と、該機枠の一側縁に開閉可能に軸支された本体枠と、該本体枠に着脱自在に固定される遊技盤と、該遊技盤の前面を覆うように前記本体枠の一側縁に開閉可能に軸支された透明板保持枠とを具備した遊技機において、前記遊技盤の上部一側縁に前記透明板保持枠の軸支部と同軸上に配置される第1ヒンジ部を設け、該第1ヒンジ部により水平面内で回転可能なるように役物支持部材を支持して該役物支持部材が前記透明板保持枠の上部に配設されるようにするとともに、該役物支持部材に第2ヒンジ部を設けて該第2ヒンジ部により演出用の役物装置を鉛直面内で回転可能なるように支持し、該役物装置を該第2ヒンジ部にて回転させて前記透明板保持枠の上部に覆い被さるようにすることで該役物装置が該遊技機の前面上部に前方突出状に設けられ、前記透明板保持枠を開閉する際に前記役物支持部材が前記第1ヒンジ部にて回転することで前記役物装置が該透明板保持枠と一緒に回転するようにしたことを特徴とする。
こうすることにより、遊技機前面に突出する役物装置が邪魔になることなく透明板保持枠と共に役物装置を開閉することができる。このため、遊技中に遊技盤面上で球詰まりが発生したとき等に支障なく透明板保持枠を開けて対処し得る。
【0009】
また本発明は上記遊技機において、前記役物支持部材の裏面と前記遊技盤の上部前面に該役物支持部材と遊技盤とを互いに閉状態に係合させる第1係合手段を設けるとともに、該遊技盤を本体枠に固定した際に該第1係合手段が係合状態とならないようにする係合阻止部材を前記本体枠の上部前面に設けたことを特徴とする。
このため、第1係合手段により役物支持部材と遊技盤とを係合状態にでき(第1係合手段があっても)役物装置と遊技盤とを一体的に持ち運ぶのに便利であるとともに、遊技盤を本体枠に固定した際は該第1係合手段が係合状態とならないことから、透明板保持枠を役物装置と一緒に回転させることが可能となる。
【0010】
また本発明は上記遊技機において、前記役物支持部材に前記役物装置を回転不能にする第2係合手段を設け、該第2係合手段を係合することで前記役物装置が前方突出状に保持されるようにしたことを特徴とする。
このため、透明板保持枠を開けることなく役物装置が回転され、不正行為がされるようなことを防止できる。
【0011】
また本発明は上記遊技機において、前記透明板保持枠の上縁部に前記役物装置と係合する第3係合手段を設け、該第3係合手段を係合させることで該役物装置が前方突出状に保持されるようにしたことを特徴とする。
この第3係合手段による係合により役物装置が透明板保持枠の上縁部に覆い被さる状態でロックされ、役物装置を無用に或いは不正を目的とし上方にはね上げることができなくなり、不正行為が防止される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、インパクトのある大型の役物装置が備え付けられるとともに、遊技盤を交換すると同時に該役物装置も交換され、経済性を損なうことなく低コストで遊技機全体の印象を大きく変えることができるので、新台に対する遊技者の期待がより高められる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に本発明の実施形態を図面に従い説明する。本発明に係る遊技機は、縦長方形枠状の機枠10と、該機枠10の一側縁に開閉可能に軸支された本体枠20と、該本体枠20に着脱自在に固定される遊技盤40と、該遊技盤40の前面を覆うように前記本体枠20の一側縁に開閉可能に軸支された透明板保持枠70とを備えている。なお、
図1は、透明板保持枠70の前面下部に球受皿71、打球発射用操作ハンドル72、等が設けられ、遊技盤40の前面には打球誘導レール41、液晶ディスプレイ42、入賞装置43、等の機種に応じた様々な形状にデザインされた部品が取着された状態を示すが、
図2以降の図面ではこれらの部品や打球発射装置、球払出装置、景品球タンク、遊技制御回路基板ボックス、電飾装置、スピーカ等の公知の部品が未だ取着されていない状態を示す。
【0015】
機枠10は、
図2に示したように、アルミ型材と木板とにより方形枠状に組み立てられていて、その下縁部前面に定幅板状の腰板11が固設され、該機枠10の一側縁の上下部に相対するように支軸12a,12bが突設されている。また、前記腰板11上に導電端子13が設けられている。機枠10の上縁部内側にはストッパ14が設けられている。
本体枠20は、鋼板とプラスチックとにより前記機枠10内に入り得る大きさの略方形枠状に組み立てられるもので、
図3に示したように、一側縁の上端部に前記支軸12aが遊嵌する軸受片21aを設け、下端部に前記支軸12bが遊嵌する軸受片21bを設け、該軸受片21b上にさらに支軸22を突設し、前記軸受片21aから少し間隔を離した直下にさらに軸受片23を突設する。該本体枠20の下部には打球発射装置(図示せず)等が取着されるスペース24を設けている。そして、軸受片21aに前記支軸12aを遊嵌し、軸受片21bに前記支軸12bを遊嵌することにより、該本体枠20は機枠10に対し水平面内で回転自在にして開閉可能に組付けられる。また、該本体枠20の下部の他側縁寄りにシリンダ錠25を設け、該シリンダ錠25を回転操作することにより背面に突設された鈎状片26a,26bが上下動し、該鈎状片26a,26bが前記機枠10の内側縁に固設された係合部(図示省略する)に係脱する。また、該シリンダ錠25を回転操作することによっては該本体枠20の前面に突設された鈎状片27a,27b、および鈎状片27cも上下動し、該鈎状片27a,27bは透明板保持枠70の裏面に設けられた係合部(図示省略する)に係脱し、鈎状片27cは後述する役物支持部材50に係脱する。
【0016】
また、本体枠20の内周縁に遊技盤40を着脱自在に固定し得るようにするための、スライドシュー28a、挟着片28b、位置決ピン29、クランプ装置30、および締付部材31等が設けられる。スライドシュー28aと挟着片28
bとはその間に遊技盤40の一側縁が進入し得るように該遊技盤40の厚さと同じ間隔を離して設けられる。位置決ピン29は板部29aに前方に突出するように形成される。クランプ装置30は、遊技盤40の下側縁が遊嵌し得るコ字状のクランプを鉛直面内で回転可能なるように軸支してなる。締付部材31は、止軸31aに回転自在に軸支され、ツマミ部31bに手を掛けて回転することにより遊技盤40を前面から締付し得る。また、本体枠20の上部前面に平面視直角三角形状の係合阻止部材32を突設している。また、該係合阻止部材32に隣接するように開閉検知スイッチ33が設けられている。
【0017】
遊技盤40は、
図4に示したように、プラスチック製の略正方形の板体44の上部に板金製の組付部材45をビス止し、該組付部材45の一側縁に第1ヒンジ部46となる支軸46aを鉛直に固設し、該組付部材45の他側縁寄りには前記係合阻止部材32が貫通し得る開口47を形成し、該開口47と隣り合うように該組付部材45の前面に該開口47側縁が開口した箱状の係合部材48を固設している。なお、該遊技盤40の前面には前述したように打球誘導レール41の他、液晶ディスプレイ、入賞装置、等の盤面部品が取着される。
【0018】
次に、前記第1ヒンジ部46を介して水平面内で回転可能なるように該遊技盤40に設けられる役物支持部材50、および、該役物支持部材50に第2ヒンジ部52を介して鉛直面内で回転可能なるように支持される演出用の役物装置53を説明する。役物支持部材50は、板金製であって下縁面が前記透明板保持枠70の上端面に沿う略円弧状に形成された細幅板状の第1支持部材50aと、該第1支持部材50aより幅広の板状であり下縁面が円弧状に形成された第2支持部材50bとからなり、該第1支持部材50aは、一側縁に前記支軸46aを軸支する軸受片46bを設けることにより前記第1ヒンジ部46を構成する。このため、該第1支持部材50aは、該第1ヒンジ部46によって遊技盤40の上部一側縁に水平面内で回転可能なるように支持される。また、該第1支持部材50aの前面の2箇所に第2ヒンジ部52となる
図16〜
図18に示した連結部材52a,52bが設けられ、該第2ヒンジ部52を介して第2支持部材50bが鉛直面内で回転自在なるように取着される。そして該第2支持部材50bの前面に役物装置53を止金とビスとからなる止着部材54により固着することにより、該役物装置53を鉛直面内で回転可能なるように支持する。なお、この実施形態に示した役物装置53は、高さ方向に十分な厚さがあり内容量の大きい平面視台形状のプラスチック製ケースにて示され、該ケース内に機種に応じて様々な形態の演出用役物(例えば、ケース内からキャラクター等を電動で出没させるもの)が収容される。
【0019】
また、第1支持部材50aと前記組付部材45との相対面に、第1係合手段55を設け、該第1係合手段55により役物装置53と遊技盤40とが閉状態(回転不能)に係合し得るようにする。即ち、
図12に示したように、第1支持部材50aに固設した横長筒体55a内に係合片55bを圧縮状のコイルバネ55cの弾性によりスライド可能に付勢して設け、該係合片55bの一端部の裏側面にクサビ状部55dを形成し、閉状態にしたとき
図13に示したように該クサビ状部55dが前記係合部材48に係合し、コイルバネ55cの弾性によりその係合状態が維持されるようにしている。該係合片55bの他端部にはつまみ部55eを形成している。一方、遊技盤40を前記本体枠20に固定すると、
図14に示したように、前記係合阻止部材32が開口47を貫通して該クサビ状部55dに当接し、該係合片55bをコイルバネ55cの弾性に抗して反対側にスライドさせることから、該クサビ状部55dは係合部材48に係合しない状態となる。即ち、該第1係合手段55は、遊技盤40を本体枠20に固定したとき係合阻止部材32が開口47から突出し、該係合阻止部材32が係合片55bをスライドさせることにより、役物支持部材50と遊技盤40との係合を解除させるよう構成されている。
【0020】
次に第2ヒンジ部52となる一対の連結部材52a,52bの構成を
図15〜
図18に従い説明する。該連結部材52a,52bは、横断面L形の取付部材56aと、横断面L形の取付部材56fと、リンク材56cと、リンク材56eとからなり、一方の取付部材56aは前記第1支持部材50aにビス止され、該取付部材56aにピン56bを介してリンク材56cを枢着するとともにピン56dを介してリンク材56eを枢着している。また、他方の取付部材56fは第2支持部材50bにビス止され、該取付部材56fにピン56gを介してリンク材56cを枢着するとともにピン56iを介してリンク材56eを枢着している。これにより、ピン56b,ピン56d,ピン56g,ピン56iを交点とする非平行なる四辺形が形成され、リンク材56cとリンク材56eとが取付部材56aと取付部材56fとを連結する。このため連結部材52a,52bは、
図15,
図16に示したように取付部材56aと取付部材56fとが平行な状態、および、
図17,
図18に示したように取付部材56aと取付部材56fとが直交する状態に変化し得る。また、前記リンク材56cに頭付ピン56kを固植し、鈎状片56mに形成された長孔56nに該頭付ピン56kを遊嵌することにより、該鈎状片56mを該リンク材56cの長手方向に摺動自在なるように支持し、引張バネ56pの一端を該鈎状片56mに引っ掛け、他端をリンク材56cに引っ掛けることにより、該鈎状片56mを上向に付勢してなる。そして、
図15に示したように第1支持部材50aに該鈎状片56mの先端鈎部56rが係合し得る第2係合孔50cを形成し、該鈎状片56mと第2係合孔50cとにより第2係合手段56が構成され、第2支持部材
50bを第1支持部材
50aと平行にしたとき該鈎状片56mが該第2係合孔50cに係合し、前記引張バネ56pの弾性によりその係合状態が保持されるようにしている。なお、取付部材56fに設けられた板バネ56qは、鈎状片56mに当接し引張バネ56pと同等にこの係合状態を保持する。このように第2係合手段5
6は、第1支持部材50aと第2支持部材50bとを係合させ、役物装置53を回転不能にすることにより、該役物装置53が無用にはね上げられることのないようにする。なお、第2ヒンジ部52としてこのように複数のリンク材とピンとからなる連結部材52a,52bを採用したことで、第2支持部材50bを第1支持部材50aに対して開閉する際に、お互いの上縁部が接触することが防止される。
【0021】
なお、
図6に示したように役物装置53が固着されている第2支持部材50bは、第1支持部材50aよりも幅広に形成されており、該第1支持部材50aよりも下方に垂下した該第2支持部材50bの下半部に一対の長孔状の第3係合孔57a,57bが形成されている。また、該第2支持部材50bの下半部には複数の位置決孔58も形成されている。また、
図11にも示されるように、役物装置53の背側下縁部53bは該第2支持部材50bの下縁部よりも後方に突出する段差状に形成されていることから、該役物装置53の背面に該第2支持部材50bを溝底とする円弧状溝部53cが形成される。
なお、第1支持部材50aの第1ヒンジ部46と反対側端部に前記鈎状片27cが係合し得る係合溝60が形成されている。また、該第1支持部材50aの係合溝60付近にL字形のスリット61が形成され、該スリット61中に上下にスライド可能にロック部材62が設けられ、該ロック部材62を上下動させることで該ロック部材62の下端が該第1支持部材50aより下方に出没し、該下端が後述する透明板保持枠70の前方突状部81bに嵌着し得る。
【0022】
前記球受皿71、打球発射用操作ハンドル72等が前面下部に設けられる透明板保持枠70は、
図21に示したように、中央に透明板73が保持され、一側縁の上部に前記軸受片23に対し下側から遊嵌する支軸74が設けられ、一側縁の下部には前記支軸22が遊嵌する軸受片75が設けられる。また該透明板保持枠70の上辺部76の前面に前記位置決孔58に合致し得る複数の位置決ピン77を突設するとともに、前記第3係合孔57a,57bと係合し得る第3係合手段78a,78bを設けている。該第3係合手段78a,78bは、該上辺部76に形成した長孔79中に係合片80をスライド可能に設けてなる。また該透明板保持枠70の両肩部に表面が役物装置53の両端部と滑らかな形状に連なり得るように前方突状部81a,81bが形成され、該前方突状部81a,81bから下方にも表面が滑らかに連なるように
図1に示した前方張出部82a,82bが該透明板保持枠70の前面両側縁に固着される。なお、該前方突状部81bの上面に前記ロック部材62の下端が嵌着し得る嵌合孔63が形成されている。
そして、該透明板保持枠70は、支軸74を軸受片23に、軸受片75を支軸22に軸支することにより、前記本体枠20の前面に取着され、該透明板保持枠70の裏面に設けられた係合部に前記鈎状片27a,27bが係合することにより閉止され、前記シリンダ錠25によって開閉操作し得る。
【0023】
こうして、機枠10に本体枠20を取着し該本体枠20に透明板保持枠70を取着してなる遊技機本体1と、前記役物装置53が取着された遊技盤40とをそれぞれ
図22に示す。この状態では前記第1係合手段55の係合片55bが係合部材48に係合することで遊技盤40と役物装置53とは互いに閉状態で連結された状態にある。このため、遊技盤40と役物装置53とは一体的となり、移送時の取り扱いが容易になる。このように役物装置53が取着された遊技盤40を遊技機本体1に装着するに際しては、該役物装置53と透明板保持枠70とが干渉し、該透明板保持枠70が開閉できなくなることがないようにしなければならないが、そのための遊技盤40の装着手順を次に説明する。先ず、透明板保持枠70を開状態にして、遊技盤40の一側縁を前記スライドシュー28aと挟着片28
bの間に挿入し、クランプ装置30に該遊技盤40の下側縁を遊嵌するとともに、前記第1ヒンジ部46を前記支軸12aと軸受片23との間に挿入することで、該遊技盤40を本体枠20内の定位置に挿入した後、締付部材31によって遊技盤40を締付固定し、
図23に示した状態とする。なおこのように遊技盤40を固定することによっては、
図14に示したように前記係合阻止部材32によって第1係合手段55の係合片55bと係合部材48との係合が解除される。また、第1支持部材50aの係合溝60に鈎状片27cが係合する。
【0024】
そこで、前記シリンダ錠25を操作して鈎状片27cと第1支持部材50aとの係合を解除し、第1ヒンジ部46を支点として役物装置53を役物支持部材50とともに前方に回転させる。次いで、前記連結部材52a,52bに設けられた第2係合手段5
6を係合解除し、
図24に示したように役物装置53を上方にはね上げる。即ち、鈎状片56mの先端鈎部56rを第2係合孔50cから離脱させ、該連結部材52a,52bを
図16に示した状態から
図17、
図18に示したように旋回動することにより、第2支持部材50bを役物装置53とともに鉛直面内で回転させ該役物装置53を
図24に示したように上方にはね上げる。これにより該役物装置53が邪魔になることなく透明板保持枠70を
図24に示したように第1支持部材50aの奥側に回転することができる。次いで、該役物装置53をはね上げ状態から
図25に示したように元に戻し、前記鈎状片56mの先端鈎部56rを第2係合孔50cに再係合させる。そして、透明板保持枠70の裏側から第3係合手段78a,78bである係合片80をスライド操作し、該係合片80を第3係合孔57a,57bに係合させる。また、前記ロック部材62を操作してその下端を嵌合孔63に嵌合させる。これにより
図28に示したように該役物装置53は透明板保持枠70の上縁部に固定される。このとき位置決ピン77は位置決孔58に合致する。そして
図15に示したように透明板保持枠70の上辺部76は円弧状溝部53cに合致し、該役物装置53は該透明板保持枠70の上辺部76に前面から覆い被さるような形態となる。そして該透明板保持枠70を閉じることにより、役物装置53は該透明板保持枠70と一緒に一体的に閉じられ、
図26、
図27に示したように該遊技機の上部にて遊技者の頭上に達する程度にまで前方へ大きく突出した状態となる。このように役物装置53は、遊技機の上部にて前方へ突出した状態で設けられるので、十分なスペースがあり、大型の演出用機材を設けることができ、この大型でインパクトのある役物装置53によりこの遊技盤の演出効果を格別に高めることができる。
なお、遊技盤40を交換することにより同時にこの役物装置53も交換されるので、経済性を損なうことなく低コストで遊技機全体の印象を大きく変えることができる。
【0025】
このように役物装置53は、透明板保持枠70の上辺部76に前面から覆い被さるような形態に設けられるが、役物支持部材50および第1ヒンジ部46を介して遊技盤40と連結されており、該透明板保持枠70と一緒に開閉し得る。このため、遊技中に球詰まり等が発生し、シリンダ錠25を回転操作し透明板保持枠70を開ける際に該役物装置53が邪魔になることはない。
【0026】
なお、第1係合手段55は遊技盤40を本体枠20に固定した際には係合状態とならず、本体枠20に固定していないときに
図22に示したように遊技盤40と役物装置53とを互いに閉状態に係合させるので、該遊技盤40と役物装置53とを一体的に移送することができるとともに、遊技盤40を本体枠20に固定した状態で役物装置53と透明板保持枠70とは一緒に回転し透明板保持枠70を開閉することが可能となる。
また、第2係合手段56は、役物装置53をはね上げできないように保持するので、透明板保持枠70を開けることなく役物装置53がはね上げられてしまい、隙間から不正行為がなされるようなことを防止する。
また、透明板保持枠70と役物装置53とは第3係合手段78a,78bにより係合され、役物装置53が透明板保持枠70の上辺部76に覆い被さる状態で保持されるので、役物装置53を無用に上方にはね上げることはできなくなり、不正行為が防止される。また、役物装置53が透明板保持枠70の上辺部76に覆い被さることで、隙間を無くすことができるので、不正目的で針金等を遊技機内に侵入させるといった行為も防止される。即ち、透明板保持枠70の上辺部76が役物装置53の円弧状溝部53cに合致することで、より確実に針金等の侵入を防止することができる。
なお、本発明の構成を採用することによって、
図26〜
図27にも示したように、役物装置53が透明板保持枠70の上辺部76に覆い被さり、該役物装置53の背側下縁部53bを透明板73の前面に位置させることができるので、役物装置53を大型化できるとともに、該背側下縁部53bは該役物装置53の下にある遊技中の遊技者の視線を邪魔しないので、遊技者は遊技盤40の遊技領域を上縁部まで広く視認することができる。このため奥行のある視界が確保される。
【0027】
なお、この実施形態では、役物支持部材50を遊技盤40に第1ヒンジ部46を介して取着したが、第1ヒンジ部46を介することなく、
図29に示したように、遊技盤40の上部に役物支持部材50の第1支持部材50aを直接固着することにより該役物支持部材50によって役物装置53を鉛直面内で回転可能なるように支持し、該役物装置53を回転させて該役物装置53が透明板保持枠70の上縁部に覆い被さるようにすることで、該役物装置53が該遊技機の前面上部に前方突出状に設けられるようにしてもよい。こうすることによっては、役物装置53をいったん上方にはね上げることにより、該役物装置53が邪魔になることなく透明板保持枠70を開閉することが可能となるので、遊技盤面上で球詰まりが発生したとき等に対処し得る。また、このように役物装置53を遊技盤40の上部に直接固着した場合でも、前記鈎状片27cを係合溝60に係合させることにより、シリンダ錠25を操作しない限り役物装置53を無用にはね上げることができなくなるので、不正行為を防止することができる。