(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6695139
(24)【登録日】2020年4月23日
(45)【発行日】2020年5月20日
(54)【発明の名称】覗き見防止システム、覗き見防止プログラム及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
G06F 21/32 20130101AFI20200511BHJP
G06F 21/84 20130101ALI20200511BHJP
【FI】
G06F21/32
G06F21/84
【請求項の数】10
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-251078(P2015-251078)
(22)【出願日】2015年12月24日
(65)【公開番号】特開2017-117155(P2017-117155A)
(43)【公開日】2017年6月29日
【審査請求日】2018年12月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】506198148
【氏名又は名称】株式会社セキュア
(74)【代理人】
【識別番号】100081271
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 芳春
(74)【代理人】
【識別番号】100162189
【弁理士】
【氏名又は名称】堀越 真弓
(72)【発明者】
【氏名】谷口 辰成
(72)【発明者】
【氏名】安田 創一
(72)【発明者】
【氏名】小倉 卓嗣
(72)【発明者】
【氏名】品川 誠
【審査官】
平井 誠
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−217146(JP,A)
【文献】
特開2012−173913(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/00−88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報端末の表示画面の覗き見を防止する覗き見防止システムであって、
少なくとも1人の人物の基準顔画像データを記憶する顔画像データ記憶手段と、
前記表示画面から所定範囲内に存在する人物の顔を撮像する撮像手段と、
該撮像手段が撮像した画像データから顔画像データを取得する顔画像データ取得手段と、
該取得した顔画像データと前記顔画像データ記憶手段に記憶されている基準顔画像データとを照合して顔画像に関する認証を行う顔画像認証手段と、
前記情報端末から特定のファイル、特定のアプリケーション又は特定のネットワークアドレスに対してアクセスすることを監視するアクセス監視手段と、
前記顔画像認証手段によって認証に成功した人物が前記情報端末を操作することを可能にすると共に、操作中に前記撮像手段により前記基準顔画像データ以外の人物が撮像されたと判断した場合、前記表示画面に表示される情報を非表示状態とする制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記アクセス監視手段が前記特定のファイル、前記特定のアプリケーション又は前記特定のネットワークアドレスに対してアクセスがあったと判断した場合は前記撮像手段による撮像を開始し、前記アクセスが全て終了したと判断した場合は前記撮像手段による撮像を停止するように構成されていると共に、前記顔画像認証手段によって認証に成功した人物が前記情報端末を操作している際は、前記撮像手段により撮像された画像を前記表示画面上にポップアップ画面として表示するように構成されていることを特徴とする覗き見防止システム。
【請求項2】
前記撮像手段が撮像した画像データに基づいて、前記情報端末が予め許可された正常な状態にあるか否かを判断する状態判断手段をさらに備え、前記制御手段は、該状態判断手段が正常な状態であると判断した場合、次の監視サイクルまで前記撮像手段の撮像を停止するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の覗き見防止システム。
【請求項3】
前記制御手段は、前記顔画像認証手段によって認証に成功した人物が前記情報端末を操作しており、前記撮像手段により該認証に成功した人物以外の人物が撮像され、かつ前記状態判断手段で異常な状態であると判断した場合は、前記ポップアップ画面によってその旨を報知し、所定時間を経過した後、前記表示画面に表示される情報を非表示状態とするように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の覗き見防止システム。
【請求項4】
前記制御手段は、前記撮像手段により前記基準顔画像データ以外の人物が撮像されたと判断した場合、前記表示画面に表示される情報を非表示状態とすると共に、撮像された画像を記憶するように制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の覗き見防止システム。
【請求項5】
前記顔画像データ記憶手段は、基準顔画像登録時に、登録すべき人物の顔画像データを前記顔画像データ取得手段により取得し、取得した顔画像データを基準顔画像データとして記憶するように構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の覗き見防止システム。
【請求項6】
情報端末の表示画面の覗き見を防止する覗き見防止システム用のコンピュータを
少なくとも1人の人物の基準顔画像データを記憶する顔画像データ記憶手段と、
前記表示画面から所定範囲内に存在する人物の顔を撮像する撮像手段と、
該撮像手段が撮像した画像データから顔画像データを取得する顔画像データ取得手段と、
該取得した顔画像データと前記顔画像データ記憶手段に記憶されている基準顔画像データとを照合して顔画像に関する認証を行う顔画像認証手段と、
前記情報端末から特定のファイル、特定のアプリケーション又は特定のネットワークアドレスに対してアクセスすることを監視するアクセス監視手段と、
前記顔画像認証手段によって認証に成功した人物が前記情報端末を操作することを可能にすると共に、操作中に前記撮像手段により前記基準顔画像データ以外の人物が撮像されたと判断した場合、前記表示画面に表示される情報を非表示状態とする制御手段として機能させ、
前記制御手段を、前記監視手段が前記特定のファイル、前記特定のアプリケーション又は前記特定のネットワークアドレスに対してアクセスがあったと判断した場合は前記撮像手段による撮像を開始し、前記アクセスが全て終了したと判断した場合は前記撮像手段による撮像を停止するように構成すると共に、前記顔画像認証手段によって認証に成功した人物が前記情報端末を操作している際は、前記撮像手段により撮像された画像を前記表示画面上にポップアップ画面として表示するように構成することを特徴とする覗き見防止プログラム。
【請求項7】
前記コンピュータを、前記撮像手段が撮像した画像データに基づいて、前記情報端末が予め許可された正常な状態にあるか否かを判断する状態判断手段としても機能させ、前記制御手段を、該状態判断手段が正常な状態であると判断した場合、次の監視サイクルまで前記撮像手段の撮像を停止するように構成することを特徴とする請求項6に記載の覗き見防止プログラム。
【請求項8】
前記制御手段を、前記顔画像認証手段によって認証に成功した人物が前記情報端末を操作しており、前記撮像手段により該認証に成功した人物以外の人物が撮像され、かつ前記状態判断手段で異常な状態であると判断された場合は、前記ポップアップ画面によってその旨を報知し、所定時間を経過した後、前記表示画面に表示される情報を非表示状態とするように構成することを特徴とする請求項7に記載の覗き見防止プログラム。
【請求項9】
前記制御手段を、前記撮像手段により前記基準顔画像データ以外の人物が撮像されたと判断した場合、前記表示画面に表示される情報を非表示状態とすると共に、撮像された画像を記憶するように構成することを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載の覗き見防止プログラム。
【請求項10】
請求項6から9のいずれか1項に記載のプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報端末の表示画面に表示された情報を他人に覗き見られることを防止する覗き見防止システム、覗き見防止プログラム及びこのプログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータ等の情報端末において、個人情報や機密情報を表示する場合、第三者による覗き見によって情報が漏洩する可能性がある。これらの情報を閲覧する閲覧権限の無い者の覗き見を防止するための覗き見防止装置が提案されている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1に記載された覗き見防止装置は、カメラを介して被写体の画像を撮像し、撮像した画像から顔情報を抽出し、抽出した顔情報のうち、ディスプレイに表示された情報の閲覧を許可する許可ユーザの顔情報と一致しないものがあるか否かを判定し、許可ユーザの顔情報と一致しない顔情報があると判定された場合に、ディスプレイに表示された情報を非表示にさせる非表示命令を、コンピュータに出力し、ディスプレイの表示をロック状態に変更し、表示情報を非表示状態にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−173913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された覗き見防止装置においては、コンピュータの電源が投入されると、USBコネクタを介して接続される覗き見防止装置が起動し、ディスプレイに対向する被写体の動画像の撮像を開始し、許可されてない人によってディスプレイの表示が覗き見されていると判定した場合、ディスプレイの表示をロック状態に変更し、表示情報を非表示状態にするように構成されているため、ディスプレイに表示された情報は、個人情報や機密情報ではない場合でも、第三者が撮影範囲に進入すると、ディスプレイの表示を非表示状態に変更し、操作を停止しなければならない。このように、情報漏洩の可能性がない場合においても、頻繁にディスプレイの表示を非表示状態に変更することは、通常の作業に影響を与えるという問題点があった。
【0006】
また、機密情報を表示する操作が完了しても、コンピュータの電源をオフとしない限り、撮像及び監視が続けられるので、通常の作業に影響を与えると共に、無意味の情報処理が常に行われている状態になり、CPUの使用率がかなり大きくなってしまうという問題点もあった。
【0007】
従って本発明の目的は、必要なときのみ、撮像及び監視を自動的に行うことができる覗き見防止システム、覗き見防止プログラム及び記録媒体を提供することにある。
【0008】
また、本発明の他の目的は、第三者が撮影範囲に進入しても、覗き見の可能性がない時、ディスプレイの表示を直ちに非表示状態にせず、通常の作業への影響をできるだけ避けることができる覗き見防止システム、覗き見防止プログラム及び記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、情報端末の表示画面の覗き見を防止する覗き見防止システムは、少なくとも1人の人物の基準顔画像データを記憶する顔画像データ記憶手段と、表示画面から所定範囲内に存在する人物の顔を撮像する撮像手段と、撮像手段が撮像した画像データから顔画像データを取得する顔画像データ取得手段と、取得した顔画像データと顔画像データ記憶手段に記憶されている基準顔画像データとを照合して顔画像に関する認証を行う顔画像認証手段と、情報端末から特定のファイル、特定のアプリケーション又は特定のネットワークアドレスに対してアクセスすることを監視するアクセス監視手段と、顔画像認証手段によって認証に成功した人物が情報端末の操作することを可能にすると共に、操作中に撮像手段により基準顔画像データ以外の人物が撮像されたと判断した場合、表示画面に表示される情報を非表示状態とする制御手段とを備えている。制御手段は、アクセス監視手段が特定のファイル、特定のアプリケーション又は特定のネットワークアドレスに対してアクセスがあったと判断した場合は撮像手段による撮像を開始し、アクセスが全て終了したと判断した場合は撮像手段による撮像を停止するように構成されている。なお、本明細書において、「表示画面に表示される情報を非表示状態とする」とは、その情報のみを表示しない、その情報が認識できないように画面処理する、表示画面を他の画面(ログイン画面等)に切り替える、又は表示画面をオフとする等、その情報を認識できない状態とすることを意味している。
【0010】
制御手段は、アクセス監視手段が特定のファイル、特定のアプリケーション又は特定のネットワークアドレス(例えば、特定のURL)に対してアクセスがあったと判断した場合は撮像手段による撮像を開始し、特定のファイル、特定のアプリケーション又は特定のネットワークアドレスに対するアクセスが全て終了した場合は撮像手段による撮像を停止するように制御する。情報端末に表示された情報を他人に覗き見られることを防止するための撮像及び監視を、このようなアクセスを行う等の必要なときのみに行っている。このように、情報漏洩の可能性がない場合は撮像及び監視を行わないことによって、通常の作業に影響を与えることがないのみならず、コンピュータの不要な負担を軽減することができる。
【0011】
撮像手段が撮像した画像データに基づいて、情報端末が予め許可された正常な状態にあるか否かを判断する状態判断手段をさらに備え、制御手段は、状態判断手段が正常な状態であると判断した場合、次の監視サイクルまで撮像手段の撮像を停止するように構成されていることが好ましい。これにより、画像処理量を減らすことができ、コンピュータのCPUの処理負担を軽減することができる。
【0012】
制御手段は、顔画像認証手段によって認証に成功した人物が情報端末を操作している際は、撮像手段により撮像された画像を表示画面上にポップアップ画面として表示するように構成されていることが好ましい。
【0013】
制御手段は、顔画像認証手段によって認証に成功した人物が情報端末を操作しており、撮像手段により認証に成功した人物以外の人物が撮像され、かつ状態判断手段で異常な状態であると判断した場合は、ポップアップ画面によってその旨を報知し、所定時間を経過した後、表示画面に表示される情報を非表示状態とするように構成されていることも好ましい。これにより、作業者は第三者により覗き見されていることを把握することができると共に、第三者が撮影範囲に進入しても、覗き見の可能性がない場合は、ディスプレイの表示を直ちに非表示状態にせず、通常の作業への影響をできるだけ避けることができる。
【0014】
制御手段は、撮像手段により基準顔画像データ以外の人物が撮像されたと判断した場合、表示画面に表示される情報を非表示状態とすると共に、撮像された画像を記憶するように構成されていることも好ましい。これにより、登録者以外の人物によって操作がなされたことを後に確認することができる。
【0015】
顔画像認証手段の認証が成功した場合に、認証すべき人物に関する認証が成功したと判断する認証判断手段をさらに備えていることも好ましい。
【0016】
顔画像データ記憶手段は、基準顔画像登録時に、登録すべき人物の顔画像データを顔画像データ取得手段により取得し、取得した顔画像データを基準顔画像データとして記憶するように構成されていることも好ましい。
【0017】
本発明によれば、さらに、覗き見防止プログラムは、コンピュータを、少なくとも1人の人物の基準顔画像データを記憶する顔画像データ記憶手段と、表示画面から所定範囲内に存在する人物の顔を撮像する撮像手段と、撮像手段が撮像した画像データから顔画像データを取得する顔画像データ取得手段と、取得した顔画像データと顔画像データ記憶手段に記憶されている基準顔画像データとを照合して顔画像に関する認証を行う顔画像認証手段と、情報端末から特定のファイル、特定のアプリケーション又は特定のネットワークアドレスに対してアクセスすることを監視するアクセス監視手段と、顔画像認証手段によって認証に成功した人物が情報端末の操作することを可能にすると共に、操作中に撮像手段により基準顔画像データ以外の人物が撮像されたと判断した場合、表示画面に表示される情報を非表示状態とする制御手段として機能させ、制御手段を、監視手段が特定のファイル、特定のアプリケーション又は特定のネットワークアドレスに対してアクセスがあったと判断した場合は撮像手段による撮像を開始し、アクセスが全て終了したと判断した場合は撮像手段による撮像を停止するように構成する。
【0018】
情報端末に表示された情報を他人に覗き見られることを防止するための撮像及び監視を、このようなアクセスを行う等の必要なときのみに行っている。このように、情報漏洩の可能性がない場合は撮像及び監視を行わないことによって、通常の作業に影響を与えることがないのみならず、コンピュータの不要な負担を軽減することができる。
【0019】
覗き見防止プログラムは、コンピュータを、撮像手段が撮像した画像データに基づいて、情報端末が予め許可された正常な状態にあるか否かを判断する状態判断手段としても機能させ、制御手段を、状態判断手段が正常な状態であると判断した場合、次の監視サイクルまで撮像手段の撮像を停止するように構成することも好ましい。
【0020】
覗き見防止プログラムにおいて、制御手段を、顔画像認証手段によって認証に成功した人物が情報端末を操作している際は、撮像手段により撮像された画像を表示画面上にポップアップ画面として表示するように構成することが好ましい。
【0021】
制御手段を、顔画像認証手段によって認証に成功した人物が情報端末を操作しており、撮像手段により該認証に成功した人物以外の人物が撮像され、かつ状態判断手段で異常な状態であると判断した場合は、ポップアップ画面によってその旨を報知し、所定時間を経過した後、表示画面に表示される情報を非表示状態とするように構成することも好ましい。
【0022】
覗き見防止プログラムにおいて、制御手段を、撮像手段により前記基準顔画像データ以外の人物が撮像されたと判断した場合、表示画面に表示される情報を非表示状態とすると共に、撮像された画像を記憶するように構成することも好ましい。
【0023】
覗き見防止プログラムは、コンピュータを、顔画像認証手段の認証が成功した場合に、認証すべき人物に関する認証が成功したと判断する認証判断手段としても機能させることが好ましい。
【0024】
本発明によれば、記録媒体は、上述した覗き見防止プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、覗き見防止システムは、撮像開始指令があった場合又は監視手段により特定のファイル、特定のアプリケーション又は特定のネットワークアドレスに対してアクセスがあったと判断した場合は撮像手段による撮像を開始し、撮像停止指令があった場合又はアクセスが終了した場合は撮像手段による撮像を停止するように構成されていることで、情報端末に表示された情報を他人に覗き見られることを防止するための撮像及び監視を、このようなアクセスを行う等の必要なときのみに行っている。このように、情報漏洩の可能性がない場合は撮像及び監視を行わないことによって、通常の作業に影響を与えることがないのみならず、コンピュータの不要な負担を軽減することができる。
【0026】
また、第三者が撮影範囲に進入しても、覗き見の可能性がない時、ディスプレイの表示を直ちに非表示状態にせず、通常の作業への影響をできるだけ避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の一実施形態として覗き見防止システムの全体構成を概略的に示すブロック図である。
【
図2】
図1の実施形態の覗き見防止システムの電気的構成を概略的に示すブロック図である。
【
図3】
図1の実施形態における覗き見防止システムの動作を概略的に示すフローチャートである。
【
図4】
図1の実施形態における覗き見防止システムの監視開始処理動作の流れを概略的に示すフローチャートである。
【
図5】
図1の実施形態における覗き見防止システムの監視処理動作の流れを概略的に示すフローチャートである。
【
図6】
図1の実施形態における覗き見防止システムの監視停止処理動作の流れを概略的に示すフローチャートである。
【
図7】
図1の実施形態の覗き見防止システムの監視状態における画面表示の一例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明に係る覗き見防止システム、覗き見防止プログラム及び記録媒体の実施形態を、図を参照して説明する。
【0029】
図1は本発明の一実施形態として、覗き見防止システムの全体構成を概略的に示しており、
図2は本実施形態の覗き見防止システムにおけるコンピュータの電気的構成を概略的に示している。
【0030】
図1及び
図2に示すように、覗き見防止システム100は、情報端末としてのコンピュータ10と、撮像手段としてのカメラ20とから主に構成されている。コンピュータ10は、ディスプレイを有するデスクトップ型又はノート型等のコンピュータである。カメラ20は、ディスプレイの表示内容を視認することができる範囲である所定範囲内に存在する人物の顔を撮像する外付けWebカメラ又はコンピュータ10に予め設けられているカメラである。外付けの場合、カメラ20は、コンピュータ10とUSBケーブル、LANケーブル又は無線LAN等により通信可能に接続されている。
【0031】
覗き見防止システム100は、電気的には、
図2に示すように、表示手段11と、送信手段12と、受信手段13と、入力手段14と、出力手段15と、格納手段16と、処理手段17と、制御手段18と、カメラ20とを備えている。
【0032】
表示手段11は、CRT(Cathode−Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)、ELディスプレイ(Electroluminescence Display)等から主として構成されるディスプレイであり、文字又は画像から構成されたメッセージ情報等をその表示画面上に表示するように構成されている。
【0033】
送信手段12は、通信ネットワークを介して、情報データを他の情報端末等の外部に送信することができるように構成されている。
【0034】
受信手段13は、他の情報端末等の外部から送信される情報を、通信ネットワークを介して受信することができるように構成されている。この受信手段13により取得した情報は、格納手段16に一時的に記憶される。
【0035】
入力手段14は、キーボード、マウス又はタッチパネル等から主として構成され、処理動作開始指令、必要な訂正情報等を入力するためのものである。なお、FD(フロッピー(登録商標)ディスク)、CD(コンパクトディスク)、CDROM、MO(光磁気ディスク)、DVD(デジタルビデオディスク)などの媒体の読み取り装置を入力手段の一部として構成しても良い。
【0036】
出力手段15は、作成されたファイル等の情報を表示手段11、格納手段16、若しくは送信手段12に出力するか、プリンタに出力して紙等に印刷するか、又はFD、CD、MO、DVD若しくは外付けハードデスク(HDD)等に出力して記憶させるように構成されている。
【0037】
格納手段16は、HDD、並びにRAM及びROM等のメモリから主として構成されている。この格納手段16には、制御用プログラム16a以外に、覗き見防止用プログラム16b、登録顔画像データ16c、動画像データ16d、ログデータ16e等の情報が格納される。また、格納手段16は、データ記憶手段として、入力された設定条件データ等の情報を記憶することができる。基準顔画像データ16cは、基準顔画像登録時に、登録すべき少なくとも1人の人物の顔画像データを顔画像データ取得手段17aにより取得し、取得した顔画像データを記憶したものである。動画像データ16dは、覗き見された際の状況を示す動画像を記憶したものである。ログデータ16eは、覗き見された際の日付、時間、作業画面の表示内容等をログとして記憶したものである。
【0038】
処理手段17は、顔画像データ取得手段17aと、顔画像認証手段17bと、認証判断手段17cと、アクセス監視手段17dと、状態判断手段17eとを備えている。
【0039】
顔画像データ取得手段17aは、カメラ20が撮像した画像データから人物の顔を認識し、顔画像データを取得するように構成されている。例えば、カメラ20が撮像した画像データから人物の顔部分のデータを抽出し、1つ又は複数の顔画像データを抽出することができる。
【0040】
顔画像認証手段17bは、取得した顔画像データと顔画像データ記憶手段としても機能する格納手段16に記憶されている予め登録した基準顔画像データ16cとを照合して顔画像に関する認証を行う。顔認証は、目視で顔が詳細に認識できる明るさ、顔の露出が90%以上等の条件を満たした場合に認証可能となる。また、認証判定時間は、例えば、初期値2秒とし、設定画面より1〜10秒の範囲で変更可能である。
【0041】
認証判断手段17cは、顔画像認証手段17bの認証が成功した場合に、認証すべき人物に関する認証が成功したと判断するように構成されている。
【0042】
アクセス監視手段17dは、コンピュータ10から情報漏洩を警戒すべき特定のファイル、情報漏洩を警戒すべき特定のアプリケーション、又は情報漏洩を警戒すべき特定のネットワークアドレス(例えば、特定のURL)に対してアクセスすることを監視するように構成されている。例えば、顔画像認証手段17bにより認証された人物がコンピュータ10を操作し、予め設定された覗き見防止が必要とされる特定のファイル、特定のアプリケーション又は特定のネットワークアドレスをアクセスし開けようとする際には、アクセス監視手段17dは、これらの特定のファイル、特定のアプリケーション又は特定のネットワークアドレスがアクセスされていると判断するように構成されている。
【0043】
状態判断手段17eは、カメラ20が撮像した画像データに基づいて、コンピュータ10が予め許可された正常な状態であるか否かを判断するように構成されている。ここで、正常な状態としては、例えば、登録された人物が1人だけ検知されている状態、又は登録された複数の人物が検知されている状態である。なお、人物の判定において、複数の顔が検知された場合、中央に近い顔を作業者と判断し、それ以外の顔を閲覧者と判断する。一方、異常な状態としては、(1)予め設定された不在判定時間に、登録された人物と未登録の人物とがどちらも検知されていない状態、(2)未登録の人物が検知されて、登録された人物が検知されていない状態、(3)登録された人物と未登録の人物とがどちらも検知されている状態である。なお、不在判定時間は、例えば、初期値10秒とし、設定画面により10〜60秒の範囲で変更可能である。
【0044】
制御手段18は、CPU(Central Processing Unit)を有するコンピュータを備え、制御用プログラム26a及び覗き見防止用プログラム26bに従い、覗き見防止システム100の全体動作を制御するためのものである。
【0045】
この制御手段18は、顔画像認証手段17bで認証した人物によりコンピュータ10の操作を可能にすると共に、操作中にカメラ20により基準顔画像データ16c以外の人物が撮像されたと判断した場合、表示画面に表示される情報を非表示状態とするように制御する。また、制御手段18は、撮像開始指令があった場合又はアクセス監視手段17dにより予め設定された覗き見防止が必要とされる特定のファイル、特定のアプリケーション又は特定のネットワークアドレスに対してアクセスがあったと判断した場合は、カメラ20による撮像を開始し、撮像停止指令があった場合又はアクセスが終了した場合はカメラ20による撮像を停止するように制御する。また、制御手段18は、状態判断手段17eによりコンピュータ10が予め許可された正常な状態であると判断した場合、次の監視サイクルまでカメラ20の撮像を停止するように制御する。監視サイクルは、任意(例えば、3秒)に設定できる。異常な状態と判断した場合、警告表示を行う(例えば、ポップアップ画面を赤点滅させる)。設定された警告時間を経過しても正常な状態と判断されなかった場合、異常な状態として確定する。一方、警告中に正常な状態と判断された場合、通常監視サイクルに戻る。この場合、ログは残さない。警告時間は、例えば、初期値5秒とし、設定画面より0〜20秒の範囲で変更可能である。状態判断手段17eにより異常な状態であると判断し、確定したタイミングでログを格納手段16に保存すると共に、表示画面に表示される情報を非表示状態とする。例えば、Windows(登録商標)のログイン画面に遷移する。
【0046】
以下、覗き見防止システム100の処理手順について、
図3〜
図7を参照して説明する。
図3は覗き見防止システム100の動作の流れを示しており、
図4は覗き見防止システム100の監視開始処理動作の流れを概略的に示しており、
図5は覗き見防止システム100の監視処理動作の流れを概略的に示しており、
図6は覗き見防止システム100の監視停止処理動作の流れを概略的に示している。
図7は覗き見防止システム100の監視状態における画面表示の一例を示している。
【0047】
図3に示すように、覗き見防止システム100の動作は、まず、コンピュータ10の電源が入っているか否かを判断する(ステップS1)。ここで、コンピュータ10の電源が入っていると判断された場合(YESの場合)は、ステップS2で監視を開始する処理を行う(後述
図4参照)。次いで、ステップS3で監視中における処理を行う(後述
図5参照)。次いで、ステップS4で監視を停止する処理を行う(後述
図6参照)。そして、ステップS5でコンピュータ10の電源がオフするか否かを判断する。コンピュータ10の電源がオフになっていない場合(NOの場合)は、ステップS2に戻り、上述した処理を繰り返す。コンピュータ10の電源がオフになった場合(YESの場合)、覗き見防止システム100の動作が終了する。
【0048】
図4に示すように、覗き見防止システム100において、監視を開始する処理は、まず、予め設定された覗き見防止が必要とされる特定のファイル(又はフォルダ)へのアクセスがあったか否かを判断する(ステップS11)。ここで、特定のファイル(又はフォルダ)へのアクセスがあったと判断された場合(YESの場合)は、ステップS15へ進む。一方、特定のファイル(又はフォルダ)へのアクセスがないと判断された場合(NOの場合)は、ステップS12で予め設定された覗き見防止が必要とされる特定のアプリケーションへのアクセスがあったか否かを判断する。特定のアプリケーションへのアクセスがあったと判断された場合(YESの場合)は、ステップS15へ進む。一方、特定のアプリケーションへのアクセスがないと判断された場合(NOの場合)は、ステップS13で予め設定された覗き見防止が必要とされる特定のネットワークアドレス(例えば、特定のURL)へのアクセスがあったか否かを判断する。特定のネットワークアドレスへのアクセスがあったと判断された場合(YESの場合)は、ステップS15へ進む。一方、特定のネットワークアドレスへのアクセスがないと判断された場合(NOの場合)は、ステップS14で手動開始指令が入力されたか否かを判断する。ここで、手動開始指令が入力されていないと判断された場合(NOの場合)は、ステップS11へ戻り、上述したステップS11〜S14の処理を繰り返す。一方、ステップS14で手動開始指令が入力されたと判断された場合(YESの場合)は、ステップS15へ進む。ステップS15では、カメラ20をオンにする。そして、ステップS16でカメラ20が撮像した画像データを処理し、監視を開始する。これにより、覗き見防止システム100が監視中の状態になる。
【0049】
図5に示すように、覗き見防止システム100において、監視を開始した後、まず、ステップS21で計時を行う。次いで、ステップS22でカメラ起動のタイミングであるか否かを判断する。ここで、カメラ起動のタイミングではないと判断された場合(NOの場合)は、ステップS21に戻り、計時を継続する。一方、カメラ起動のタイミングであると判断された場合(YESの場合)は、ステップS23でカメラ20をオンにする。次いで、ステップS24でカメラ20が撮像した画像データを取得する。次いで、ステップS25で画像データに顔が検出されたか否かを判断する。ここで、顔が検出されていないと判断された場合(NOの場合)は、ステップS31へ進む。一方、ステップS25で顔が検出されたと判断された場合(YESの場合)は、ステップS26で顔の認証を行う。次いで、ステップS27で、顔認証を成功したか否かを判断する。ここで、顔認証が成功していないと判断された場合(NOの場合)は、ステップS32へ進む。一方、顔認証が成功したと判断された場合(YESの場合)は、ステップS28でカメラ20をオフにする。次いで、ステップS29で異常確定中であるか否かを判断する。ここで、異常確定中ではないと判断された場合(NOの場合)は、ステップS21に戻り、上述したステップS21〜S29の処理を繰り返す。一方、異常確定中であると判断された場合(YESの場合)は、ステップS30で異常状態をクリアする。そして、ステップS21に戻り、上述したステップS21〜S30の処理を繰り返す。
【0050】
ステップS25で顔が検出されていないと判断された場合(NOの場合)、ステップS31では、不在判定時間が経過したか否かを判断する。不在判定時間が経過していないと判断された場合(NOの場合)は、ステップS24に戻り、ステップS24からの処理を繰り返す。一方、不在判定時間が経過したと判断された場合(YESの場合)は、ステップS33へ進む。不在判定時間は、例えば、初期値10秒とし、設定画面より10〜60秒の範囲で変更し、設定可能である。
【0051】
ステップS27で顔認証を成功していないと判断された場合(NOの場合)、ステップS32で認証判定時間が経過したか否かを判断する。認証判定時間が経過していないと判断された場合(NOの場合)は、ステップS24に戻り、ステップS24からの処理を繰り返す。一方、認証判定時間が経過したと判断された場合(YESの場合)は、ステップS33へ進み、警告表示を行う。この警告表示は、例えば、ポップアップ画面を赤点滅させることによってなされる。なお、文字等でその旨を警告(報知)するようにしても良い。次いで、ステップS34で異常確定中であるか否かを判断する。ここで、異常確定中であると判断された場合(YESの場合)は、ステップS24に戻り、上述したステップS24からの処理を繰り返す。一方、異常確定中ではないと判断された場合(NOの場合)は、ステップS35で警告時間が経過したか否かを判断する。ここで、警告時間が経過していないと判断された場合(NOの場合)は、ステップS24に戻り、ステップS24からの処理を繰り返す。一方、警告時間が経過したと判断された場合(YESの場合)は、ステップS36で異常を確定し、ログを保存する。次いで、ステップS37で情報を非表示状態とするか否かを判断する。ここで、情報を非表示状態としないと判断された場合(NOの場合)は、ステップS24に戻り、上述したステップS24からの処理を繰り返す。一方、情報を非表示状態とすると判断された場合(YESの場合)は、ステップS38でカメラをオフにする。そして、ステップS39で表示画面に表示される情報を非表示状態とする。例えば、Windows(登録商標)のログイン画面を表示する。
【0052】
図6に示すように、覗き見防止システム100において、監視を開始する処理は、まず、予め設定された覗き見防止が必要とされる特定のファイル(又はフォルダ)へのアクセスが終了したか否かを判断する(ステップS41)。ここで、特定のファイル(又はフォルダ)へのアクセスが終了していないと判断された場合(NOの場合)は、ステップS44へ進む。一方、特定のファイル(又はフォルダ)へのアクセスが終了したと判断された場合(YESの場合)は、ステップS42で予め設定された覗き見防止が必要とされる特定のアプリケーションへのアクセスが終了したか否かを判断する。ここで、特定のアプリケーションへのアクセスが終了していないと判断された場合(NOの場合)は、ステップS44へ進む。一方、特定のアプリケーションへのアクセスが終了したと判断された場合(YESの場合)は、ステップS43で予め設定された覗き見防止が必要とされる特定のネットワークアドレスへのアクセスが終了したか否かを判断する。ここで、特定のネットワークアドレスへのアクセスが終了したと判断された場合(YESの場合)は、即ち、特定のファイル、特定のアプリケーション及び特定のネットワークアドレスへのアクセスが全て終了した場合は、ステップS45へ進む。一方、特定のネットワークアドレスへのアクセスが終了していないと判断された場合(NOの場合)は、ステップS44で手動開始指令が入力されたか否かを判断する。ここで、手動開始指令が入力されていないと判断された場合(NOの場合)は、ステップS41に戻り、上述したステップS41〜S44の処理を繰り返す。一方、ステップS44で手動開始指令が入力されたと判断された場合(YESの場合)は、ステップS45でカメラ20をオフにする。そして、ステップS46で画像データの処理を停止し、監視を停止する。これにより、覗き見防止システム100が監視停止の状態になる。
【0053】
図7は覗き見防止システム100の監視状態における画面表示の一例を示している。同図に示すように、監視中にカメラで撮影した画像を作業画面上にポップアップ画面で表示するように構成されている。ポップアップ画面では、人物の顔が検知される状態(顔検知表示)を示す枠(波線枠)が表示されている。顔認証後は、顔画像をトラッキングするように構成されている。第三者が覗き見して顔が検知された場合に、ポップアップ画面に同時に表示するように構成されている。また、ポップアップ画面では、監視状態として「正常」又は「異常」が表示される。監視状態の表示は、設定画面より、常に表示、異常時のみ表示、及び表示しないのうちのいずれかが選択可能である。また、ポップアップ画面の位置とサイズは自由に変更可能であり、さらに、ポップアップ画面の半透明表示が可能であり、かつ設定画面より透過率を変更することができる。
【0054】
このように本実施形態においては、覗き見防止システム100は、少なくとも1人の人物の基準顔画像データを記憶する顔画像データ記憶手段(格納手段16)と、表示画面から所定範囲内に存在する人物の顔を撮像する撮像手段としてのカメラ20と、カメラ20が撮像した画像データから顔画像データを取得する顔画像データ取得手段17aと、取得した顔画像データと顔画像データ記憶手段(格納手段16)に記憶されている基準顔画像データ16cとを照合して顔画像に関する認証を行う顔画像認証手段17bと、情報端末としてのコンピュータ10から特定のファイル、特定のアプリケーション又は特定のネットワークアドレスに対してアクセスすることを監視するアクセス監視手段17dと、顔画像認証手段17bによって認証に成功した人物がコンピュータ10を操作することを可能にすると共に、操作中にカメラ20により基準顔画像データ16c以外の人物が撮像されたと判断した場合、表示画面に表示される情報を非表示状態とする制御手段18とを備えている。制御手段18は、アクセス監視手段17dが特定のファイル、特定のアプリケーション又は特定のネットワークアドレスに対してアクセスがあったと判断した場合はカメラ20による撮像を開始し、特定のファイル、特定のアプリケーション及び特定のネットワークアドレスに対するアクセスが全て終了した場合はカメラ20による撮像を停止するように構成されている。
【0055】
情報端末に表示された情報を他人に覗き見られることを防止するための撮像及び監視を、このようなアクセスを行う等の必要なときのみに行っている。このように、情報漏洩の可能性がない場合は撮像及び監視を行わないことによって、通常の作業に影響を与えることがないのみならず、コンピュータの不要な負担を軽減することができる。また、第三者が撮影範囲に進入しても、覗き見の可能性がない時、ディスプレイに表示される情報を直ちに非表示状態とすることがないので、通常の作業への影響を最小限とすることができる。
【0056】
また、状態判断手段17eはカメラ20が撮像した画像データに基づいて、コンピュータ10が予め許可された正常な状態であるか否かを判断し、正常な状態であると判断した場合、制御手段18は、次の監視サイクルまでカメラ20の撮像を停止するように制御することで、画像処理を減らすことができ、コンピュータのCPUの処理負担を軽減することができる。
【0057】
また、制御手段18は、顔画像認証手段17bで認証に成功した人物(作業者)がコンピュータ10を操作する際に、カメラ20により撮像された画像を表示画面上にポップアップ表示する。さらに、カメラ20によりその人物以外の人物が撮像され、顔画像認証手段17bで認証中と判断した場合、ポップアップ画面にその旨を報知し、所定時間を経過した後、表示画面に表示される情報を非表示状態とする。これにより、作業者が第三者により覗き見されていることを確実に把握することができる。また、第三者が撮影範囲に進入しても、覗き見の可能性がない時、ディスプレイに表示される情報を直ちに非表示状態にしないので、通常の作業への影響を最小限とすることができる。
【0058】
制御手段18は、カメラ20により基準顔画像データ16c以外の人物が撮像されたと判断した場合、表示画面に表示される情報を非表示状態とすると共に、撮像された画像を記憶するように制御する。これにより、登録者以外の人物によって操作がなされたことを後に確認することができる。
【0059】
本発明の他の実施形態としての覗き見防止システム100用のプログラムは、コンピュータを上述した処理機能を実現させるものである。また、本発明の他の実施形態としての記録媒体は、上述したプログラムを記録したコンピュータが読み取ることができる記録媒体である。
【0060】
即ち、本発明の記録媒体は、上述したプログラムを記録したHDD、フラッシュメモリ、FD、CD、CDROM、MO、又はDVDなどの媒体である。
【0061】
なお、上述した実施形態においては、情報端末としてコンピュータ10の例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、スマートフォン、タブレットコンピュータ等の情報端末にも適用できる。
【0062】
また、上述した実施形態においては、制御手段18は、コンピュータ10が予め許可された正常な状態であると判断された場合、次の監視サイクルまでカメラ20の撮像を停止するように制御する例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。カメラ20の撮像を停止せず、特定のアプリケーション又は特定のネットワークアドレスに対してアクセスがあったと判断された場合、常に撮像を行うようにしても良い。
【0063】
また、上述した実施形態においては、オペレーティングシステム(OS)が、Windows(登録商標)である例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、他のオペレーティングシステムにも適用できる。
【0064】
以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、パーソナルコンピュータ等の情報端末の表示画面に表示された情報を他人に覗き見られることを防止する目的に利用できる。
【符号の説明】
【0066】
10 コンピュータ
11 表示手段
12 送信手段
13 受信手段
14 入力手段
15 出力手段
16 格納手段
16a 制御用プログラム
16b 覗き見防止用プログラム
16c 基準顔画像データ
16d 動画像データ
16e ログデータ
17 処理手段
17a 顔画像データ取得手段
17b 顔画像認証手段
17c 認証判断手段
17d アクセス監視手段
17e 状態判断手段
18 制御手段
20 カメラ(撮像手段)
100 覗き見防止システム
P 作業者