特許第6695181号(P6695181)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6695181
(24)【登録日】2020年4月23日
(45)【発行日】2020年5月20日
(54)【発明の名称】ピット載置台用シール部材
(51)【国際特許分類】
   E03B 9/02 20060101AFI20200511BHJP
   F16L 5/02 20060101ALI20200511BHJP
   E02D 29/12 20060101ALI20200511BHJP
【FI】
   E03B9/02 Z
   F16L5/02 Z
   E02D29/12 Z
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-56506(P2016-56506)
(22)【出願日】2016年3月22日
(65)【公開番号】特開2017-172130(P2017-172130A)
(43)【公開日】2017年9月28日
【審査請求日】2019年2月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000231877
【氏名又は名称】日本鋳鉄管株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】特許業務法人 インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120237
【弁理士】
【氏名又は名称】石橋 良規
(72)【発明者】
【氏名】清水 孝
(72)【発明者】
【氏名】松島 誠二
【審査官】 富士 春奈
(56)【参考文献】
【文献】 特公昭51−037457(JP,B1)
【文献】 特開平10−148287(JP,A)
【文献】 特開平08−020962(JP,A)
【文献】 特開2005−113931(JP,A)
【文献】 特開2006−161329(JP,A)
【文献】 特開2015−121076(JP,A)
【文献】 特開2009−002407(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D29/00、29/045−37/00
E03B1/00−11/16
F16L1/00−1/26、5/00−7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
埋設弁用基台の基台本体上に載置されるピット載置台に形成された溝部と、前記溝部内に通される管継手との間の隙間をシールするピット載置台用シール部材において、
前記溝部の表面に貼り付けられる板状第1部材と、
前記第1部材の表面に位置する板状第2部材とからなり、
前記第1部材には、前記管継手が通される第1開口が形成され、
前記第2部材には、前記管継手が通される第2開口が形成され、
前記第1開口は、前記第2開口の径より大きく、前記第2部材よりも小さく、
前記第2開口の径は、前記管継手の外径と等しく、
前記第2開口には、前記管継手が挿通されるスリーブが外方に向けて形成されており、
前記第2部材が前記スリーブにて前記管継手に貼り付けられていることにより、前記第1部材の第1開口が前記第2部材によって塞がれた状態を保ちつつ、前記第2部材が前記第1部材の表面を移動可能となっていることを特徴とするピット載置台用シール部材。
【請求項2】
前記第1部材および前記第2部材は、樹脂製であることを特徴とする、請求項1に記載のピット載置台用シール部材。
【請求項3】
前記第1部材には、前記第1開口に至る第1スリットが形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のピット載置台用シール部材。
【請求項4】
前記第2部材には、前記第2開口に至る第2スリットが形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のピット載置台用シール部材。
【請求項5】
前記第1部材は、複数個に連結可能に分割されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のピット載置台用シール部材。
【請求項6】
前記第2部材は、複数個に連結可能に分割されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のピット載置台用シール部材。
【請求項7】
前記第1部材の裏面には、フックが設けられ、前記第1部材は、前記フックを介して前記溝部の表面に装着されることを特徴とする、請求項1から6の何れか1つに記載のピット載置台用シール部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ピット載置台用シール部材、特に、埋設弁用基台上に載置されるピット載置台に形成された溝部と、この溝部内に通される管継手との間の隙間をシールするピット載置台用シール部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地下に埋設される埋設弁としての消火栓の従来設置構造を、図面を参照しながら説明する。
【0003】
図8は、消火栓の従来設置構造を示す平面図、図9は、消火栓の従来設置構造を示す断面図、図10は、図8のA矢視図、図11は、消火栓の標準的な施工工程図である。
【0004】
図8から図10において、21は、消火栓であり、頂部から突出した弁開閉操作軸22を回転させることにより、放水口23に接続したホース(図示せず)から水が放水されるように構成されている。
【0005】
24は、管継手であり、その両端部には、埋設管路としての水道管路25が接続されている。消火栓21は、管継手24に分岐して接続された立ち上げ管26に接続されている。管継手24の周囲は、基礎27上に打設されたコンクリート28により固められ、地震時等における消火栓21の位置ずれや損傷を防止している。
【0006】
29は、消火栓21の周囲に底板31を介して構築されたピット、30は、ピット29上に設置された受枠、32は、受枠30に嵌め込まれた鉄蓋である。
【0007】
図11に示すように、消火栓21は、以下の工程(1)から(13)を経て設置されていた。
【0008】
(1)開削溝内に配管された水道管路25に接続した管継手24に、立ち上げ管26を介して消火栓21を接続する(消火栓接続工程)。
(2)消火栓21の周囲にピットを仮施工する(ピット仮施工工程)。
(3)ピットに鉄蓋を仮設置する(鉄蓋仮設置工程)。
(4)開削溝を埋め戻す(埋戻工程)。
(5)消火栓21上の路面を車等が走行可能になるように復旧作業を行う(復旧工程)。
(6)後日、再度、消火栓21の周囲を掘削する(再掘削工程)。
(7)消火栓21の周囲に土留めを設置する(土留設置工程)。
(8)型枠を設置する(型枠設置工程)。
(9)型枠内にコンクリート28を打設する(コンクリート打設工程)。
(10)コンクリート28上に底板31を設置する(底板設置工程)。
(11)底板31上にピット29を構築する(ピット構築工程)。
(12)鉄蓋32が嵌め込まれる受枠30をピット29上に設置する(受枠設置工程)。
(13)受枠30の周囲を埋戻し、舗装する(舗装工程)。
【0009】
消火栓21は、上述した工程(1)から(13)を経て構築されていたが、以下のような問題があった。
【0010】
工程(1)のように、水道管路25に立ち上げ管26を介して消火栓21を接続した後、工程(2)のように、消火栓21の周囲にピットを仮施工し、この後、工程(3)のように、ピットに鉄蓋を仮設置し、この後、工程(4)のように、開削溝を埋め戻し、この後、工程(5)のように、復旧作業を行った後、工程(6)のように、後日、再度、掘削を行う必要があったので、消火栓21の構築に多大の時間と労力を要していた。
【0011】
工程(2)から(6)を省略することができれば、消火栓21の構築時間を大幅に短縮することはできるが、これには、道路を長時間に亘って通行止めせざるを得ないので、省略することはできない。
【0012】
また、工程(6)の再掘削工程後に行う工程、工程(7)の土留設置工程、工程(8)の型枠設置工程、工程(9)のコンクリート打設工程にも、多大の時間と労力を要していた。
【0013】
そこで、地下に埋設される消火栓等の埋設弁を、水道管路等の埋設管路に接続する際に、型枠内に大量のコンクリートの打設工程等が不要となる結果、埋設弁の設置が容易かつ短時間に行うことができる埋設弁用基台が提案された。
【0014】
図12に示すように、この埋設弁用基台Aは、後述する埋設弁の下方に構築した基礎27上に載置される基台本体33とピット載置台34とからなっている。
【0015】
図13に示すように、基台本体33は、金属、コンクリートまたは樹脂製で、円形状をなし、複数個(この例では、3個)の基台片35から構成されている。基台本体33を複数個の基台片35により構成することによって、各基台片35が独立して連結可能であるので、基台本体33が設置される基礎27に多少の凹凸があっても基台本体33を基礎27上に安定して設置することができる。しかも、基台本体33を複数個の基台片35により構成することによって、基台本体33の運搬および基礎27上への搬入が容易に行える。基台片35同士は、互い独立しているが、基台片35同士を連結可能にしてもよい。
【0016】
ピット載置台34は、円筒形状に形成され、基台本体33上に載置される。ピット載置台34の周壁には、逆U字状の溝部36が対向して形成されている。ピット載置台34は、金属、コンクリートまたは樹脂によって構成されている。ピット載置台34は、これを2分割し、互いにボルト・ナット37により連結可能になっている。ピット載置台34を連結可能に分割することにより重量の軽量化となり、ピット載置台34の運搬および基台本体33上への設置等の作業が容易に行える。
【0017】
次に、埋設弁として消火栓を例に挙げ、上述した埋設弁用基台Aにより消火栓を施工する場合について、図面を参照しながら説明する。
【0018】
図14は、基台本体の上方に管継手を配した状態を示す正面図、図15は、管継手を配した基台本体上にピット載置台を載置した状態を示す側面図、図16は、ピット載置台内にコンクリートを打設した状態を示す平面図、図17は、ピット載置台内にコンクリートを打設した状態を示す正面図、図18は、ピット載置台上に下段のピットを設置した状態を示す断面図、図19は、施工が完了した消火栓を示す部分断面図である。
【0019】
図14から図19において、21は、弁開閉操作軸22および放水口23等が設けられた消火栓である。24は、ピット載置台34の溝部36を通して配された管継手である。管継手24には、水道管路25が接続される(図14参照)。26は、管継手24に接続された立ち上げ管である。基台本体33と管継手24とは、ピット載置台34内に打設されたコンクリート28によって一体化されている。基台本体33と管継手24とがコンクリート28によって一体化されることにより、地震時等における消火栓21の位置ずれや損傷を防止することができる。
【0020】
消火栓21の施工法の一例について、以下に説明する。
【0021】
先ず、基台本体33を施工現場の路面下に構築した基礎27上に吊り下ろす。この作業は、基台本体33が複数個の基台片35により構成されているので、容易に行えるとともに、基礎27に多少の凹凸があっても基台本体33を基礎27上に安定して設置することができる。
【0022】
次いで、管継手24を基台本体33の上方にクレーン等により吊り下ろす(図14参照)。
【0023】
次いで、管継手24の両端部に水道管路25を接続する(図14参照)。
【0024】
次いで、基台本体33上にピット載置台34を、溝部36に管継手24を通した状態で載置する(図15参照)。
【0025】
次いで、管継手24の立ち上げ管26に消火栓21を接続する(図16図17参照)。
【0026】
次いで、ピット載置台34内に充填材としてのコンクリート28を打設して、基台本体33と管継手24とを一体化する。充填材は、コンクリート28以外であってもよい(図16図17参照)。
【0027】
次いで、ピット載置台34上にピット29をその下段から構築する(図18図19参照)。ピット29の構築は、ピット載置台34上に単に載置するのみで良いので容易に行える。
【0028】
次いで、ピット29上に、鉄蓋32が嵌め込まれる受枠30を設置する(図19参照)。
【0029】
そして、受枠30の周囲を埋戻し、舗装すれば、消火栓21の設置が完了する。
【0030】
以上は、埋設弁用基台を使用して、消火栓を水道管路に接続する場合であるが、埋設弁としての仕切弁、空気弁あるいは排水栓を水道管路に接続する場合も、消火栓と基本的に同様である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0031】
上記埋設弁用基台Aによれば、ピット仮施工工程、鉄蓋仮設置工程、埋戻工程、復旧工程、再掘削工程、土留設置工程、型枠設置工程、コンクリート打設工程、底板設置工程が不要となる結果、消火栓等の埋設弁の設置が容易かつ短時間に行うことができる。
【0032】
また、この埋設弁用基台Aによれば、基台本体33を複数個の基台片35により構成することによって、基台本体33が設置される基礎27に多少の凹凸があっても基台本体33を基礎27上に安定して設置することができる。
【0033】
また、この埋設弁用基台Aによれば、基台本体33を複数個の基台片35により構成することによって、基台本体33の運搬および基礎27上への搬入が容易に行える。
【0034】
また、この埋設弁用基台Aによれば、ピット載置台34を連結可能に分割することによって、ピット載置台34の運搬および基台本体33上への搬入が容易に行える。
【0035】
上記埋設弁用基台Aにより消火栓21等の埋設弁を設置する際、基台本体33上にピット載置台34を、溝部36に管継手24を通した状態で載置するが、この際、溝部36と管継手24との間の隙間(S)(図12図15参照)をシールして、コンクリート28のピット載置台34内からの流出を阻止する必要がある。
【0036】
溝部36と管継手24との間の隙間(S)をシールする方法として、アスファルト等を隙間(S)に充填してシールすることが考えられるが、この方法は、時間と手間を要する。
【0037】
従って、この発明の目的は、埋設弁用基台上に載置されるピット載置台に形成された溝部と、この溝部内に通される管継手との間の隙間を容易かつ確実にシールすることができるピット載置台用シール部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0038】
この発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、下記を特徴とするものである。
【0039】
請求項1に記載の発明は、埋設弁用基台の基台本体上に載置されるピット載置台に形成された溝部と、前記溝部内に通される管継手との間の隙間をシールするピット載置台用シール部材において、前記溝部の表面に貼り付けられる板状第1部材と、前記第1部材の表面に位置する板状第2部材とからなり、前記第1部材には、前記管継手が通される第1開口が形成され、前記第2部材には、前記管継手が通される第2開口が形成され、前記第1開口は、前記第2開口の径より大きく、前記第2部材よりも小さく、前記第2開口の径は、前記管継手の外径と等しく、前記第2開口には、前記管継手が挿通されるスリーブが外方に向けて形成されており、前記第2部材が前記スリーブにて前記管継手に貼り付けられていることにより、前記第1部材の第1開口が前記第2部材によって塞がれた状態を保ちつつ、前記第2部材が前記第1部材の表面を移動可能となっていることに特徴を有するものである。
【0040】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第1部材および前記第2部材は、樹脂製であることに特徴を有するものである。
【0041】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記第1部材には、前記第1開口に至る第1スリットが形成されていることに特徴を有するものである。
【0042】
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記第2部材には、前記第2開口に至る第2スリットが形成されていることに特徴を有するものである。
【0043】
請求項5に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記第1部材は、複数個に連結可能に分割されていることに特徴を有するものである。
【0044】
請求項6に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記第2部材は、複数個に連結可能に分割されていることに特徴を有するものである。
【0046】
請求項に記載の発明は、請求項1から6の何れか1つに記載の発明において、前記第1部材の裏面には、フックが設けられ、前記第1部材は、前記フックを介して前記溝部の表面に装着されることに特徴を有するものである。
【発明の効果】
【0048】
この発明によれば、埋設弁用基台のピット載置台に形成された溝部と、この溝部内に通される管継手との間の隙間を容易かつ確実にシールすることができる。
【0049】
また、この発明によれば、第2部材を第1部材より小径に形成し、第1部材の第1開口の径を第2部材の第2開口の径より大きくすることによって、溝部内の管継手の位置ずれに対応することができる。
【0050】
また、この発明によれば、第1部材に第1スリットを形成することによって、第1部材を広げて管継手を通すことができるので、管継手24が通された溝部の表面への第1部材の装着が容易に行える。なお、第1部材を連結可能に分割することによっても、管継手が通された溝部の表面への第1部材の装着が容易に行える。
【0051】
また、この発明によれば、第2部材に第2スリットを形成することによって、第2部材を広げて管継手を通すことができるので、管継手が通された第1部材の表面への第2部材の装着が容易に行える。なお、第2部材を連結可能に分割することによっても、管継手24が通された溝部の表面への第2部材の装着が容易に行える。
【0052】
また、この発明によれば、第2部材の第2開口に外方に向けてスリーブを形成し、スリーブを管継手に粘着テープ等により貼り付けることによって、ピット載置台内からのコンクリート等の充填材の流出をより確実に阻止することができる。
【0053】
また、この発明によれば、第1部材の裏面に溝部に係合するフックを設けることによって、第1部材の溝部の表面への装着が容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1】この発明のピット載置台用シール部材を示す斜視図である。
図2】この発明のピット載置台用シール部材の第1部材を表側から見た斜視図である。
図3】この発明のピット載置台用シール部材の第2部材を表側から見た斜視図である。
図4】この発明のピット載置台用シール部材の第2部材を裏側から見た斜視図である。
図5】この発明のピット載置台用シール部材の第1部材をピット載置台の溝部の表面に装着した状態を示す斜視図である。
図6】この発明のピット載置台用シール部材の第2部材を第1部材の表面に装着した状態を示す斜視図である。
図7】この発明のピット載置台用シール部材をフックを介して溝部に装着した状態を示す裏面図である。
図8】消火栓の従来設置構造を示す平面図である。
図9】消火栓の従来設置構造を示す断面図である。
図10図8のA矢視図である。
図11】消火栓の標準的な施工工程図である。
図12】埋設弁用基台に管継手を設置した状態を示す斜視図である。
図13】埋設弁用基台の基台本体を示す斜視図である。
図14】基台本体の上方に管継手を配した状態を示す正面図である。
図15】管継手を配した基台本体上にピット載置台を載置した状態を示す側面図である。
図16】ピット載置台内にコンクリートを打設した状態を示す平面図である。
図17】ピット載置台内にコンクリートを打設した状態を示す正面図である。
図18】ピット載置台上に下段のピットを設置した状態を示す断面図である。
図19】施工が完了した消火栓を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
次に、この発明のピット載置台用シール部材の一実施態様を、図面を参照しながら説明する。
【0056】
図1は、この発明のピット載置台用シール部材を示す斜視図、図2は、この発明のピット載置台用シール部材の第1部材を表側から見た斜視図、図3は、この発明のピット載置台用シール部材の第2部材を表側から見た斜視図、図4は、この発明のピット載置台用シール部材の第2部材を裏側から見た斜視図、図5は、この発明のピット載置台用シール部材の第1部材をピット載置台の溝部の表面に装着した状態を示す斜視図、図6は、この発明のピット載置台用シール部材の第2部材を第1部材の表面に装着した状態を示す斜視図である。
【0057】
図1に示すように、この発明のピット載置台用シール部材1は、板状第1部材2と、第1部材2の表面に装着される板状第2部材3とからなっている。第1部材2および第2部材3は、例えば、樹脂製である。
【0058】
第1部材2は、埋設弁用基台Aの基台本体33上に載置されるピット載置台34に形成された溝部36の表面に装着される(図5参照)。埋設弁用基台Aは、図12に示す埋設弁用基台と同様な構成である。第2部材3は、第1部材2より小径で、第1部材2の表面に装着される(図6参照)。第1部材2の装着には、例えば、粘着テープを使用する。
【0059】
なお、図7に示すように、第1部材2の裏面に溝部36に係合する、補強を兼ねたフック9を設け、第1部材2をフック9を介して溝部36の表面に装着しても良い。
【0060】
第1部材2には、管継手24が通される第1開口4が形成され、第2部材3には、管継手24が通される第2開口5が形成されている。
【0061】
第1開口4の径は、第2開口5の径より大きく、第2開口5の径は、管継手24の外径と等しい。第1開口4の径を第2開口5の径より大きくすることによって、管継手24の位置ずれに対応することができる。
【0062】
第2開口5には、管継手24が挿通されるスリーブ6が外方に向けて形成されている。このように、第2開口5にスリーブ6を形成し、スリーブ6を管継手24に粘着テープ等による貼り付けにより、第2部材3を第1部材2の表面に装着することによって、ピット載置台34内からのコンクリート28等の充填材の流出をより確実に阻止することができる。
【0063】
第1部材2には、第1開口4に至る第1スリット7が形成され、第2部材3には、第2開口5に至る第2スリット8が形成されている。
【0064】
第1部材2に第1スリット7を形成することによって、管継手24が通された溝部36の表面への第1部材2の装着が容易に行える。また、第2部材3に第2スリット8を形成することによって、管継手24が通された第1部材2の表面への第2部材3の装着が容易に行える。
【0065】
なお、第1部材2を連結可能に、例えば、2分割し、管継手24を挟み込むように合わせることによって、溝部36の表面へ第1部材2の装着が容易に行える。第2部材3についても同様に、第2部材3を連結可能に、例えば、2分割し、管継手24を挟み込むように合わせることによって、溝部36の表面へ第2部材32の装着が容易に行える。
【0066】
この発明のピット載置台用シール部材1によれば、以下のようにして、ピット載置台34に形成された溝部36と、溝部36内に通される管継手24との間の隙間(S)をシールすることができる。
【0067】
先ず、図5に示すように、管継手24が通された溝部36の表面に第1部材2を粘着テープにより貼り付ける。この際、第1部材2には、第1スリット7が形成されているので、管継手24の設置後であっても、第1部材2を広げて管継手24を通すことができるので、容易に第1部材2を溝部36の表面に貼り付けることができる。
【0068】
次いで、図6に示すように、第2部材3を第1部材2の表面に密着させて、管継手24を囲むようにして管継手24に取り付け、スリーブ6を管継手24に粘着テープ等により貼り付ける。これによって、ピット載置台34内からのコンクリート28等の充填材の流出をより確実に阻止することができる。第1部材2への装着の際、第2部材3には、第2スリット8が形成されているので、第1部材2と同様に第2部材3を広げて管継手24を通すことができ、これによって、第1部材2の表面への第2部材3の装着が容易に行える。
【0069】
なお、第2部材3は、第1部材2より小径で、第1部材2の第1開口4の径は、第2部材3の第2開口5の径より大きく形成されており、第1部材2は、ピット載置台34の溝部36の表面に貼り付けにより、第2部材3は、管継手24に粘着テープにより貼り付けられることでそれぞれ固定されているため、管継手24に多少の位置ずれがあっても第1部材2と第2部材3に隙間は生じず、シール機能を損なうことなく、これに対応することができる。
【0070】
このようにして、溝部36と、溝部36内に通される管継手24との間の隙間(S)は、ピット載置台用シール部材1により確実にシールされるので、ピット載置台34内からのコンクリート28等の充填材の流出をより確実に阻止することができる。
【0071】
なお、ピット載置台34内にコンクリート28等の充填材を打設する前に、埋設弁用基台Aを埋め戻すこともあるが、この際にも埋め戻し土のピット載置台34内への流入を確実に阻止することができる。
【0072】
以上、説明したように、この発明によれば、埋設弁用基台Aのピット載置台34に形成された溝部36と、この溝部36内に通される管継手24との間の隙間(S)を容易かつ確実にシールすることができる。
【0073】
また、この発明によれば、第2部材3を第1部材2より小径に形成し、第1部材2の第1開口4の径を第2部材3の第2開口5の径より大きくすることによって、溝部36内の管継手24の位置ずれに対応することができる。
【0074】
また、この発明によれば、第1部材2に第1スリット7を形成することによって、第1部材2を広げて管継手24を通すことができるので、管継手24が通された溝部36の表面への第1部材2の貼り付けが容易に行える。なお、第1部材2を連結可能に分割することによっても、管継手24が通された溝部36の表面への第1部材2の装着が容易に行える。
【0075】
また、この発明によれば、第2部材3に第2スリット8を形成することによって、第2部材3を広げて管継手24を通すことができるので、管継手24が通された第1部材2の表面への第2部材3の貼り付けが容易に行える。なお、第2部材3を連結可能に分割することによっても、管継手24が通された溝部36の表面への第2部材3の装着が容易に行える。
【0076】
また、この発明によれば、第2部材3の第2開口5に外方に向けてスリーブ6を形成し、スリーブ6を管継手24に粘着テープ等により貼り付けることによって、ピット載置台34内からのコンクリート28等の充填材の流出をより確実に阻止することができる。
【0077】
また、この発明によれば、第1部材2の裏面に溝部36に係合するフック9を設けることによって、第1部材の溝部の表面への装着が容易に行える。
【符号の説明】
【0078】
1:ピット載置台用シール部材
2:第1部材
3:第2部材
4:第1開口
5:第2開口
6:スリーブ
7:第1スリット
8:第2スリット
9:フック
21:消火栓
22:弁開閉操作軸
23:放水口
24:管継手
25:水道管路
26:立ち上げ管
27:基礎
28:コンクリート
29:ピット
30:受枠
31:底板
32:鉄蓋
33:基台本体
34:ピット載置台
35:基台片
36:溝部
37:ボルト・ナット
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