(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施形態1>
実施形態1を
図1ないし
図6に基づいて説明する。以降の説明において上下方向及び左右方向とは
図1に示す上下方向及び左右方向を基準とし、前後方向とは
図2に示す前後方向を基準とする。
【0016】
(1−1)冷却貯蔵庫の全体構成
図1及び
図2を参照して、本実施形態に係る冷却貯蔵庫としての冷蔵庫1の全体構成について説明する。冷蔵庫1は主に業務に用いられるセンターピラーレスの4ドア式の冷蔵庫(所謂ワイドスルータイプ冷蔵庫)である。
図1に示すように、冷蔵庫1は前面に2つの開口10(
図2参照)を有する断熱箱体からなる貯蔵庫本体11を備えている。貯蔵庫本体11には開口10を開閉する左右一対の観音開き式の断熱扉12(12A〜12D)が上下に二組取り付けられている。また、貯蔵庫本体11の下面には貯蔵庫本体11を支持する4つの脚部13が取り付けられている。
【0017】
ここで、以降の説明において断熱扉12の開閉側端部とは、左側の断熱扉12(12A、12C)の場合は右側の端部のことをいい、右側の断熱扉12(12B、12D)の場合は左側の端部のことをいう。また、開閉軸側端部とは、左側の断熱扉12(12A、12C)の場合は左側の端部のことをいい、右側の断熱扉12(12B、12D)の場合は右側の端部のことをいう。
【0018】
貯蔵庫本体11の上には上側が開放された機械室14が設けられている。機械室14には後述する冷却ユニット15(
図2参照)、制御部60(
図4参照)、電源部などが収容されている。また、機械室14の前面には操作部61が設けられている。ユーザは操作部61を操作することによって庫内の目標温度などを設定することができる。以降の説明ではユーザによって設定された目標温度のことを設定温度という。
【0019】
(1−2)冷却ユニット周辺の構成
次に、
図2を参照して、冷却ユニット15及びその周辺の構成について説明する。冷却ユニット15は冷却回路を構成する圧縮機16、凝縮器17、凝縮器ファン18、蒸発器19、図示しないキャピラリチューブなどを断熱性のユニット台20に取り付けることによってユニット化したものである。具体的には、圧縮機16、凝縮器17、凝縮器ファン18、及び、キャピラリチューブはユニット台20の上側に取り付けられており、蒸発器19はユニット台20の下側に取り付けられている。
ここで、実施形態1に係る圧縮機16は回転数が一定のものであり、以降の説明では圧縮機16のことを一定速圧縮機16という。
【0020】
ユニット台20は貯蔵庫本体11の天井壁11Aに形成されている開口11Bより一回り大きい形に形成されており、開口11Bを塞ぐように天井壁11Aの上に配置されている。蒸発器19はユニット台20の下面に取り付けられているので機械室14には収容されておらず、天井(天井壁11A及びユニット台20)とダクト部21とによって構成される空気循環路に収容されている。
【0021】
ダクト部21は天井との間に空気循環路を形成するものであるとともに、蒸発器19に付着した霜が溶けた水である除霜水を受けるドレンパンとして機能するものである。ダクト部21の底壁21Bの前側には吸込口21Aが形成されており、吸込口21Aに上から庫内ファン22が嵌合装着されている。また、ダクト部21の底壁21Bは後端が貯蔵庫本体11の後側の壁11Cまで達しておらず、ダクト部21の底壁と貯蔵庫本体11の後側の壁11Cとの間に空気吹き出し口23が形成されている。また、ダクト部21の後端からは排水溝21Cが延びており、排水溝21Cの先端部が貯蔵庫本体11の後側の壁11Cに形成されている排水口11Dに挿入されている。
【0022】
庫内ファン22は冷却回路によって冷却された冷気を庫内に循環させるためのものであり、高速運転と低速運転とに切り替え可能に構成されている。庫内ファン22が回転すると(すなわち庫内ファン22が運転されると)、庫内の空気が吸込口21Aから空気循環路に吸い込まれ、蒸発器19によって冷却される。そして、冷却された空気(冷気)は空気吹き出し口23から下向きに吹き出される。そして、下向きに吹き出された冷気は貯蔵庫本体11の底面11Eに沿って前側(
図2において紙面左側)に向きが変えられ、下段の断熱扉12C及び12Dの下端部に向かって流れる。
また、
図2に示すように、ユニット台20の下側において庫内ファン22と蒸発器19との間には庫内温度を検出する庫内温度センサ24が取り付けられている。
【0023】
(1−3)断熱扉
次に、
図3を参照して、断熱扉12について説明する。断熱扉12はステンレス鋼板等の金属製の外装板31、合成樹脂製の内装板32、パッキン33、保持部材34、センターシール35などを備えている。断熱扉12は外装板31と内装板32とによって箱状に構成されており、内側の中空部に硬質ポリウレタンなどの発泡樹脂からなる図示しない断熱材が発泡充填されている。
【0024】
パッキン33は軟質樹脂などの弾性材によって形成されており、パッキン本体33A及び取付脚33Bを有している。断熱扉12の内装板32にはパッキン33が装着されるパッキン装着溝32Aが形成されており、パッキン33は取付脚33Bがパッキン装着溝32Aに押し込まれるようにして内装板32に装着されている。パッキン本体33Aには庫内側の位置に第1マグネット室33Cが形成されている。第1マグネット室33Cには扁平な角柱状の第1マグネット33Dが挿入されている。
保持部材34はセンターシール35を保持する部材である。保持部材34は断熱扉12の開閉側端部の端面であって相手側の断熱扉12と対向する端面に全高に亘って装着されているベース34Aと、ベース34Aに保持されているスライド蓋34Bとを備えている。
【0025】
一対のセンターシール35は相手側のセンターシール35に当接して断熱扉12の開閉側端部間をシールするものであり、断熱扉12の開閉側端部(より具体的には保持部材34)に略全高に亘って装着されている。センターシール35は軟質樹脂などの弾性材によって形成されており、シール本体35A、ヒレ部35B、柱部35C、第1リップ部35D、及び、第2リップ部35Eを有している。
【0026】
シール本体35Aは当接部40、平板部41、第1延出部42、及び、第2延出部43を有している。当接部40は相手側の断熱扉12に装着されているセンターシール35に当接する部分である。当接部40は角形の筒状に形成されており、内側の空間が第2マグネット室44を形成している。第2マグネット室44には扁平な角柱状の第2マグネット45が相手側の第2マグネット45と吸引し合う形態で挿入されている。吸引し合う形態とは、例えば相手側の第2マグネット45がS極であればN極となる形態である。
【0027】
平板部41は断熱扉12の開閉側端部より庫内側において当接部40から断熱扉12の開閉軸側に延出している。第1延出部42は当接部40の庫外側の端部から庫外側に延びており、先端部がスライド蓋34Bに係止されている。第2延出部43は平板部41の開閉軸側の端部から庫外側に湾曲しながら延びており、先端部がベース34Aに係止されている。
【0028】
ヒレ部35Bは平板部41の開閉軸側の端部から開閉軸側に延出している。断熱扉12に取り付けられる前のヒレ部35Bは庫外側に傾いた形状をしており、断熱扉12に取り付けられると弾性変形して先端部の庫外側の面がパッキン33に接する。ヒレ部35Bにおいてパッキン33に接している幅は、断熱扉12が閉じられてシール本体35Aが相手側のセンターシール35に向けて変形してもなおパッキン33に接している状態を維持できる寸法である。
【0029】
ここで、
図3に示すように、本実施形態ではヒレ部35Bと断熱扉12との間に空間50がある。空間50はセンターシール35によって庫内と隔離されているため、空間50内の空気は庫外の空気である。すなわち、ヒレ部35Bは庫内側を向く面が庫内の空気に接しており、庫外側を向く面の一部が庫内の空気よりも温度が高い庫外の空気に接している。
【0030】
柱部35Cは平板部41の開閉軸側の端部から庫内側に延びており、その先端部から第1リップ部35Dと第2リップ部35Eとが左右逆側に延びている。前述したように吹き出された冷気は貯蔵庫本体11の底面によって向きが変えられて一部がセンターシール35に向かって流れる。第1リップ部35Dはその冷気からシール本体35Aを遮蔽するためのものであり、第2リップ部35Eはその冷気からヒレ部35Bを遮蔽するためのものである。
【0031】
次に、センターシール35の作用について説明する。左右の断熱扉12を閉じると二つの第2マグネット45が互いに吸引し合い、各センターシール35がそれぞれ相手側のセンターシール35に向けて弾性変形する。これにより当接部40同士が当接して二つの断熱扉12の開閉側端部間がシールされる。このときヒレ部35Bは庫外側の面がパッキン33に接したまま相手側のセンターシール35に向けて移動する。そして、断熱扉12を開くとセンターシール35は弾性力によって元の形状に復帰する。このときヒレ部35Bは庫外側の面がパッキン33に接したまま開閉軸側に移動する。
【0032】
(1−4)冷蔵庫の電気的構成
図4に示すように、冷蔵庫1は制御部60を備えている。制御部60には操作部61、庫内ファン22、一定速圧縮機16、凝縮器ファン18、庫内温度センサ24などが接続されている。
【0033】
制御部60はCPU、ROM、RAMなどを備えている。CPUはROMに記憶されている制御プログラムを実行することによって冷蔵庫1の各部を制御する。ROMには制御部60によって実行される制御プログラムや各種のデータなどが記憶されている。RAMはCPUが各種の処理を実行するための主記憶装置として用いられる。なお、制御部60はCPUに替えてFPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)などを備えていてもよい。
【0034】
(1−5)冷却運転
次に、
図5を参照して、冷却運転について説明する。制御部60は冷蔵庫1の電源がオンにされると一定速圧縮機16及び凝縮器ファン18の運転を開始し、それらの運転を開始してから一定時間(例えば20秒)が経過すると庫内ファン22の高速運転を開始する。庫内ファン22の運転を開始すると冷却された空気が庫内に循環し、庫内温度が低下し始める。
【0035】
そして、制御部60は、庫内温度が下限温度(本実施形態では設定温度に対して−2.0K[ケルビン]となる温度)まで低下すると、それ以上庫内温度が低下しないようにするために一定速圧縮機16及び凝縮器ファン18の運転を停止する。一定速圧縮機16及び凝縮器ファン18の運転を停止すると庫内温度が上昇し、制御部60は庫内温度が上限温度(本実施形態では設定温度に対して+1.7Kとなる温度)まで上昇すると、それ以上庫内温度が上昇しないようにするために一定速圧縮機16及び凝縮器ファン18の運転を再開する。これを繰り返すことによって庫内温度が上限温度から下限温度までの範囲内にほぼ維持される。
【0036】
(1−6)冷却運転中における庫内ファンの高速運転/低速運転の切り替え
図3に示すようにヒレ部35Bは第2リップ部35Eによって遮蔽されているので第2リップ部35Eがない場合に比べれば温度の低下が抑制されるが、庫内ファン22が高速運転されているときはそれでも温度が低下し易い。このためヒレ部35Bに霜や氷、水滴が付着する虞がある。
【0037】
また、ヒレ部35Bは接着剤などによってパッキン33に接着されているものではないので、ヒレ部35Bとパッキン33との間に僅かな隙間が生じ、その隙間から庫外の空気が入り込んでヒレ部35Bと第2リップ部35Eとの間の空間に溜ってしまう虞がある。このため第2リップ部35Eの温度が低いとその溜った空気が冷却されて第2リップ部35Eの庫外側を向く面に霜や氷、水滴が付着してしまう虞がある。
【0038】
そこで、
図5に示すように、制御部60はヒレ部35Bや第2リップ部35Eに霜や氷、水滴が付着することを抑制するために、一定速圧縮機16の運転/停止に同期して庫内ファン22の高速運転/低速運転を切り替える。具体的には、制御部60は庫内温度が下限温度まで低下すると庫内ファン22を低速運転に切り替え、その後に庫内温度が上限温度まで上昇すると庫内ファン22を高速運転に切り替える。
【0039】
すなわち、制御部60は冷却運転中に庫内ファン22を連続運転するものであり、一定速圧縮機16を運転している期間は庫内ファン22を高速運転に切り替え、一定速圧縮機16の運転を停止している期間は庫内ファン22を低速運転に切り替える。
なお、一定速圧縮機16の運転を停止している期間は庫内ファン22を低速運転に切り替えるようにしても、庫内温度が上限温度まで上昇すると一定速圧縮機16の運転が再開されるとともに庫内ファン22が高速運転に切り替えられるので、冷気が庫内に十分にいきわたり、冷却能力が損なわれることはない。
【0040】
(1−7)実施形態の効果
ここでは先ず、
図6を参照して、従来の冷蔵庫1における庫内ファン22の制御について説明する。
図6に示すように、従来は冷却運転中に常に庫内ファン22を高速運転していた。このため一定速圧縮機16が停止している間も庫内ファン22が高速運転され、ヒレ部35Bや第2リップ部35Eの温度が低下し易かった。このためヒレ部35Bや第2リップ部35Eに霜や氷、水滴が付着する虞があった。
【0041】
これに対し、実施形態1に係る冷蔵庫1によると、
図5に示すように一定速圧縮機16の運転が停止している間は庫内ファン22を低速運転に切り替えるので、条件(外気温、庫内に収納されているものの量など)によっては庫内ファン22が高速運転される割合が従来に比べて半分以下になる。このため冷気の当たり具合が緩和され、従来に比べてヒレ部35Bや第2リップ部35Eの温度が低下し難くなる。このため、ヒレ部35Bや第2リップ部35Eに霜や氷、水滴が付着してしまうことを抑制することができる。
【0042】
また、実施形態1に係る冷蔵庫1によると、一定速圧縮機16の運転が停止している間は庫内ファン22を低速運転に切り替えるので、その間も庫内ファン22を高速運転する場合に比べ、電力消費を抑えることができる。
【0043】
<実施形態2>
次に、実施形態2を
図7ないし
図9によって説明する。前述した実施形態1では冷却貯蔵庫として冷蔵庫を例に説明したが、実施形態2に係る冷却貯蔵庫はワイドスルータイプの冷凍庫であり、特にサイズが大きいタイプ(横幅1500mm〜1800mm)のものである。
【0044】
(2−1)冷凍庫の電気的構成
図7を参照して、実施形態2に係る冷凍庫2の電気的構成について説明する。前述したように冷凍庫2は特にサイズが大きいタイプのものであるため、圧縮機が1台では設定温度まで到達しなかったり、あるいは到達するまでの時間が長くなってしまったりする虞がある。このため、冷凍庫2は実施形態1に係る一定速圧縮機16に加えて回転数が可変のインバータ圧縮機70を更に有している。冷凍庫2の構成はその他の点において実施形態1に係る冷蔵庫1の構成と実質的に同じである。
【0045】
(2−2)冷却運転
先ず、
図8を参照して、外気温が高いときの冷却運転について説明する。制御部60は電源がオンにされるとインバータ圧縮機70及び凝縮器ファン18の運転を開始し、それらの運転を開始してから一定時間(例えば20秒)が経過すると庫内ファン22の高速運転を開始する。そして、制御部60は庫内が冷却される速度(冷却速度)を基準速度と比較し、基準速度より遅い場合はインバータ圧縮機70だけでは冷却能力が足りてないと判断して一定速圧縮機16の運転を開始する。
【0046】
そして、制御部60は庫内温度が設定温度近傍まで低下すると庫内温度が設定温度近傍に維持されるようにインバータ圧縮機70の回転速度を調整する。庫内ファン22については、制御部60は
図8に示すように常に高速運転する。
【0047】
次に、
図9を参照して、外気温が低いときの冷却運転について説明する。外気温が低いときは庫内温度が低下し易いため、インバータ圧縮機70の回転速度の調整だけでは庫内温度を設定温度近傍に維持することができず、庫内温度が低下する。このため、制御部60は庫内温度が下限温度(本実施形態では設定温度に対して−1.0K[ケルビン]となる温度)まで低下すると、それ以上庫内温度が低下しないようにするために、インバータ圧縮機70の運転は継続したまま一定速圧縮機16の運転を停止する。そして、制御部60はその後に庫内温度が上限温度(本実施形態では設定温度に対して+1.0K[ケルビン]となる温度)まで上昇すると一定速圧縮機16の運転を再開する。これを繰り返すことによって庫内温度が概ね下限温度から上限温度の範囲に維持される。
【0048】
そして、庫内ファン22については、制御部60は庫内温度が下限温度まで低下すると低速運転に切り替え、その後に庫内温度が上限温度より低い高速運転温度(
図9に示す例では設定温度に対して+0.5Kとなる温度)に達すると高速運転に切り替える。すなわち、制御部60は、一定速圧縮機16の運転を停止している期間のうち少なくとも一部の期間は庫内ファン22を低速運転に切り替える。
【0049】
(2−3)実施形態の効果
以上説明した実施形態2に係る冷凍庫2によると、一定速圧縮機16の運転を停止している期間のうち少なくとも一部の期間は庫内ファン22を低速運転に切り替えるので、従来に比べてヒレ部35Bや第2リップ部35Eの温度が低下し難くなる。このため、ヒレ部35Bや第2リップ部35Eに霜や氷、水滴が付着してしまうことを抑制することができる。
【0050】
<実施形態3>
次に、実施形態3を
図10によって説明する。実施形態3は実施形態2の変形例である。前述したように、実施形態2では、外気温が低いとき、庫内温度が下限温度まで低下すると庫内ファン22を低速運転に切り替え、その後に庫内温度が上限温度より低い高速運転温度に達すると庫内ファン22を高速運転に切り替えていた。
【0051】
しかしながら、条件(外気温、庫内に収納されているものの量など)によっては実施形態2の構成でもヒレ部35Bや第2リップ部35Eに霜や氷、水滴が付着してしまう虞があった。そこで、実施形態3では、庫内ファン22が低速運転される期間を、実施形態2に比べて更に長くする。
【0052】
図10を参照して、実施形態3に係る外気温が低いときの庫内ファン22の制御について説明する。実施形態3に係る制御部60は、上限温度と下限温度との間の温度である低速運転温度(本実施形態では設定温度に対して−0.1Kとなる温度)まで庫内温度が低下するまでは高速運転し、上述した低速運転温度まで低下すると低速運転に切り替える。そして、その後に庫内温度が上限温度まで上昇すると制御部60は庫内ファン22を高速運転に切り替える。
【0053】
すなわち、制御部60は、庫内温度が上限温度から低速運転温度まで低下する期間は庫内ファン22を高速運転に切り替え、庫内温度が低速運転温度から下限温度まで低下する期間、及び、下限温度から上限温度まで上昇する期間は庫内ファン22を低速運転に切り替える。つまり、庫内ファン22は庫内温度が下限温度まで下がってから低速運転に切り替えられるのではなく、下限温度まで下がる前(上述した低速運転温度まで低下したとき)に低速運転に切り替えられる。
【0054】
以上説明した実施形態3に係る冷凍庫2によると、庫内温度が上限温度と下限温度との間の温度である低速運転温度まで低下すると庫内ファン22を低速運転に切り替え、その後に庫内温度が上限温度まで上昇すると高速運転に切り替える。このため、実施形態2に比べて庫内ファン22が低速運転される期間が長くなり、ヒレ部35Bや第2リップ部35Eの温度が低下し難くなる。このため、ヒレ部35Bや第2リップ部35Eに霜や氷、水滴が付着してしまうことをより確実に抑制することができる。
【0055】
<他の実施形態>
本明細書によって開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本明細書によって開示される技術的範囲に含まれる。
【0056】
(1)上記実施形態ではセンターシール35が柱部35C、第1リップ部35D、及び、第2リップ部35Eを備えている場合を例に説明したが、センターシール35はこれらを備えていなくてもよい。
【0057】
(2)上記実施形態1では上限温度として設定温度に対して+1.7Kとなる温度を例に説明したが、これは一例であり、上限温度は適宜に設定することができる。下限温度についても同様である。また、実施形態2及び3の上限温度及び下限温度についても同様である。
【0058】
(3)上記実施形態3では低速運転温度として設定温度に対して−0.1Kとなる温度を例に説明したが、これは一例であり、低速運転温度は適宜に設定することができる。例えば、低速運転温度は設定温度より高い温度であってもよい。
【0059】
(4)上記実施形態3では冷却貯蔵庫が一定速圧縮機16とインバータ圧縮機70とを備えている場合に、庫内温度が下限温度まで低下する前に庫内ファン22を低速運転に切り替える場合を例に説明した。これに対し、実施形態1のように冷却貯蔵庫が一定速圧縮機16しか備えていない場合であっても庫内温度が下限温度まで低下する前に庫内ファン22を低速運転に切り替えるようにしてもよい。
【0060】
(6)上記実施形態1では冷却貯蔵庫として冷蔵庫を例に説明したが、冷却貯蔵庫は冷凍庫であってもよい。また、上記実施形態2及び3では冷却貯蔵庫として冷凍庫を例に説明したが、冷却貯蔵庫は冷蔵庫であってもよい。
【0061】
(7)上記実施形態では庫内温度が上限温度まで上昇すると庫内ファン22を高速運転に切り替える場合を例に説明したが、庫内温度が上限温度まで達したタイミングと庫内ファン22を高速運転に切り替えるタイミングとには多少のタイムラグがあってもよい。下限温度についても同様である。