(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、刃物受け部材のボス部に対して刃物の取付孔が正しく位置合わせされていない場合、刃物がボス部に乗り上げた状態となり、刃物が芯ズレした状態で組み付けられることがある。また、刃物押さえ部材においても、回転軸に係合できるように位置合わせ(回転軸を軸とする回転方向の位置合わせ)がされた状態で組み付けられる必要がある。このように、刈払機では、刃物及び刃物押さえ部材を、正しい位置に組み付けることが可能な構成が求められている。
【0005】
そこで、本発明は、刃物及び刃物押さえ部材を、正しい位置に組み付けることが可能な刈払機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、動力が伝達される回転軸(14)が差し込まれて回転軸(14)にそれぞれ係合する刃物受け部材(2
4)及び刃物押さえ部材(2
5)を備え、刃物(4)の取付孔(4a)に回転軸(14)が通された状態で、刃物受け部材(2
4)及び刃物押さえ部材(2
5)によって刃物(4)を挟持する刈払機(1)であって、刃物受け部材(2
4)は、
刃物(4)の取付孔(4a)に通されるボス部(29)と、ボス部(29)における刃物押さえ部材(2
5)側の端面から突出し刃物(4)の取付孔(4a)に通されるガイド部(2
8)と、を備え、ガイド部(2
8)は、取付孔(4a)の縁部に沿って環状に並ぶ複数の突起(3
0)を有し、刃物押さえ部材(2
5)は、刃物受け部材(2
4)側の端面に、複数の突起(3
0)がそれぞれ嵌め込まれる複数の孔(3
7)又は凹
部を備え
、突起(30)における取付孔(4a)の中心側に対して反対側の面(32)は、突起(30)の先端に進むに従い取付孔(4a)の中心側に近づくように傾斜すると共に、傾斜する面(32)が突起(30)の先端からボス部(29)まで延在し、傾斜する面(32)とボス部(29)の外周面とは、互いに角度が異なった状態で連続し、且つ段差なく互いに連続している。
【0007】
この刈払機(1)では、刃物受け部材(24,24A,24B)に突起(30,30A,30B)が設けられている。ここで、一般に、作業者は、刃物受け部材(24,24A,24B)に複数の突起(30,30A,30B)で構成されるガイド部(28,28A,28B)が設けられ且つ刃物(4)に取付孔(4a)が設けられている場合、ガイド部(28,28A,28B)を刃物(4)の取付孔(4a)に通したいと考える。すなわち、作業者は、刃物(4)を刃物受け部材(24,4A,24B)上に設置する際に、刃物(4)を正しい位置に組み付けることについて強く意識せずとも、刃物(4)を正しい位置に感覚的に組み付けることができる。また、刃物押さえ部材(25,25A,25B)には、刃物受け部材(24,24A,24B)に設けられた複数の突起(30)がそれぞれ嵌め込まれる複数の孔(30,30B)又は凹部(37A)が設けられている。作業者が刃物押さえ部材(25,25A,25B)を組み付ける際に、刃物受け部材(24,24A,24B)の複数の突起(30,30A,30B)を刃物押さえ部材(25,25A,25B)の複数の孔(37,37B)又は凹部(37A)にそれぞれ嵌め込むことにより、刃物押さえ部材(25,25A,25B)における回転軸(14)を軸とした回転方向の位置が突起(30,30A,30B)及び孔(37,37B)又は凹部(37A)によって自然と定まる。これにより、刃物押さえ部材(25,25A,25B)は、刃物受け部材(24,24A,24B)に対して正しく組み付けられ、回転軸(14)に対しても正しい回転位置で組み付けられることによって回転軸(14)に対しても適切に係合することができる。このように、この刈払機(1)では、刃物(4)及び刃物押さえ部材(25,25A,25B)を、正しい位置に組み付けることができる。
【0008】
また、突起(30)の外側の面((32):取付孔(4a)の中心側に対して反対側の面)が傾斜していることにより、ガイド部(28)に刃物(4)の取付孔(4a)を容易に通すことが可能となる。これにより、刃物(4)の誤組み付けが防止される。
【0009】
複数の突起(30,30A,30B)のそれぞれの先端部は、環状に並ぶ複数の突起(30,30A,30B)の並び方向において、角が丸められていてもよい。この場合、突起(30,30A,30B)が孔(37,37B)又は凹部(37A)に差し込まれる際に突起(30,30A,30B)の先端部の丸みによって刃物押さえ部材(25,25A,25B)の回転位置が調整される。これにより、作業者は、刃物押さえ部材(25,25A,25B)をスムーズに組み付けることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、刃物及び刃物押さえ部材を、正しい位置に組み付けることができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る刈払機の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0013】
図1に示される刈払機1は、肩掛けベルトを用いて作業者が肩から提げ、両手で操りながら草や小木を刈り払うために使用される。
図1に示されるように、刈払機1は概略、操作桿としてのメインパイプ6と、メインパイプ6の一端に固定された駆動部2と、メインパイプ6の他端に固定されたギヤケース3と、ギヤケース3に設けられ駆動部2の動力により回転する刃物(刈刃)4と、を備える。
【0014】
刈払機1は、本実施形態では、エンジン刈払機であり、従って、駆動部2としては、例えば2サイクルや4サイクルエンジン等が採用される。なお、駆動部2をバッテリや交流電源とし電動式刈払機とすることもできる。
【0015】
刃物4は円盤状の回転刃であり、ここでは、特に好ましいとして、チップソーとされている。なお、チップソー以外の刃物として、例えば、丸のこ刃や金属刃やナイロンカッター等を採用することもできる。
【0016】
メインパイプ6は、棒状の操作管であり、その内部には、駆動部2の駆動力を刃物4に伝達するための伝動軸11(
図2参照)が設けられる。メインパイプ6は、軸線方向略中央部において2つに分割され、後側パイプ7と前側パイプ8を連結部20で繋いで成る。そして、後側パイプ7の後端部に駆動部2が取り付けられ、前側パイプ8の先端部にギヤケース3が取り付けられる。
【0017】
後側パイプの途中には、U字状のハンドル9が取り付けられる。ハンドル9は、U字を形成する両腕部が、上方を向くように配置され、一方の腕部に、スロットルレバー10が設けられる。スロットルレバー10と駆動部2は電気的又はスロットルワイヤーを介して機械的に接続され、スロットルレバー10の操作量が駆動部2に伝達される。そして、作業者がスロットルレバー10を握って操作することにより、駆動部2の回転数を調整したり、駆動部2を停止させたりすることができる。
【0018】
前側パイプ8の先端側には、刃物4により刈り払われた草や小木等が作業者に向かって飛散しないように刃物4を覆う飛散防護カバー5が取り付けられる。
【0019】
ギヤケース3は、前側パイプ8の先端部で、飛散防護カバー5より先端側に取り付けられる。このギヤケース3は、刃物4を回転自在に支持すると共に、前側パイプ8内に配置された伝動軸11の回転駆動力を、伝動軸11と交差する方向に中心軸線CL(
図2参照)を有する刃物4に対して伝達する(詳しくは後述する)。
【0020】
次に、ギヤケース3についてさらに詳説する。なお、以下の説明において、上下の語は、
図2〜
図4の状態を基準とする。
図2〜
図5に示されるように、ギヤケース3は概略、ベベルギヤ12,13及び回転軸14等の駆動系を収容するケース本体部15と、ケース本体部15の開口49を塞ぐように配置され、刃物4を保持すると共に回転軸14に連結された刃物保持部48と、を備える。
【0021】
ケース本体部15は、円筒の上端を閉じた形状の本体筒部16と、本体筒部16の側面上部から斜め上向きに突設された円筒状の連結筒部17と、を有する。
【0022】
連結筒部17は、上記前側パイプ8の先端部に外嵌固定される。連結筒部17内に進入する伝動軸11の先端部には、ベベルギヤ12が結合されており、ベベルギヤ12は、連結筒部17内の軸受19により回転自在に支持されている。
【0023】
本体筒部16内には、回転軸14が、伝動軸11と所定の角度を成して上下方向に延びるように配置されており、その上端部及びその軸線方向中央部が、本体筒部16内に配設された軸受21,22により回転自在に支持されている。回転軸14の軸受21より下方の位置には、ベベルギヤ13が結合されている。ベベルギヤ13は、傾斜配置されたベベルギヤ12と噛合し、ベベルギヤ12の回転駆動力が伝達される。また、回転軸14の下端部は、本体筒部16の上記開口49から下方に突出し、この突出する部分の下端面の中央から上方に延びるように雌螺子23が、後述の締結ボルト50の雄螺子53に螺合するものとして設けられる。
【0024】
刃物保持部48は、刃物4を間に挟んで上側に位置する刃物受け部材24と、刃物4を間に挟んで下側に位置する刃物押さえ部材25と、を備える。
【0025】
刃物受け部材24は、
図2及び
図3に示されるように、円盤状の本体部26と、本体部26より小さい径を有する円盤状のボス部29と、ガイド部28とを備える。
【0026】
本体部26及びボス部29の中央部には、貫通孔27が設けられ、刃物受け部材24の貫通孔27を形成する内周面33には、その下半部に、回転軸14にスプライン結合するためのスプライン34が設けられる。
【0027】
さらに、本体部26の上端面には、当該上端面から下方にへこむ凹部35が、ケース本体部15の本体筒部16の円環状の下端部47を進入させるための空間として、円環状に設けられる。
【0028】
ボス部29は、本体部26の下端面に設けられている。ボス部29は、刃物4が刃物受け部材24に組み付けられた状態で、刃物4の中央部に開口された取付孔4aに通される。
【0029】
ガイド部28は、ボス部29の下端側の周縁部(刃物押さえ部材25側の端面)から下方に突出し、刃物4が組み付けられる際に刃物4の取付孔4aに通される。ガイド部28は、複数の突起30によって構成されている。本実施形態において、複数の突起30は、
図5に示されるように5つ設けられている。複数の突起30は、貫通孔27の周りにおいて貫通孔27の縁部に沿って環状に並んでいる。すなわち、複数の突起30は、刃物4の取付孔4aの縁部に沿って環状に並んでいる。また、隣接する突起30同士の間には、所定の隙間が設けられている。
【0030】
突起30における貫通孔27の中心側(刃物4の取付孔4aの中心側)に対して反対側の面は、突起30の先端に進むに従い貫通孔27の中心側(刃物4の取付孔4aの中心側)に近づくように傾斜するテーパー面32となっている。すなわち、突起30のテーパー面32は、刃物4の取付孔4aを形成する内周面31を案内する面となる。突起30における貫通孔27の中心側に対して反対側の面(テーパー面32)と、ボス部29の外周面とは、互いの面の角度は異なっているものの、段差なく互いに連続している。これにより、突起30によって刃物4の内周面31が案内されたときに、突起30からボス部29へ滑らかに刃物4が案内される。
【0031】
複数の突起30の先端部は、環状に並ぶ複数の突起30の並び方向において、角が丸められている。すなわち、突起30の先端部は、環状に並ぶ複数の突起30の並び方向において、角が丸められて滑らかな曲線状に形成されている。
【0032】
刃物押さえ部材25は、
図2及び
図4に示されるように、円盤状に構成され、その上端面の中央部には、刃物受け部材24のボス部29が進入する凹部36が設けられ、凹部36の底面の上記複数の突起30に対応する位置には、当該突起30がそれぞれ嵌め込まれる孔37が複数設けられる。すなわち、刃物押さえ部材25における刃物受け部材24側の端面には、複数の突起30がそれぞれ嵌め込まれる複数の孔37が設けられている。本実施形態において、孔37は、
図5に示されるように、5つ設けられている。
【0033】
刃物押さえ部材25の上側の凹部36と下側面との間の部分の中央部には、貫通孔39が設けられ、刃物押さえ部材25の貫通孔39を形成する内周面40には、回転軸14にスプライン結合するためのスプライン41が設けられる。
【0034】
また、刃物押さえ部材25の下面側には、刃物押さえ部材25を下側から覆うカバー51が設けられている。カバー51の中央部には、後述の締結ボルト50が通されるボルト孔54が設けられている。カバー51の下側面には、ボルト孔54に通された締結ボルト50の頭部を埋めるための凹部52が設けられている。
【0035】
このように、刃物受け部材24において、本体部26の下端面のうちボス部29よりも外側の部分は、刃物4の上面に対向し、刃物4を受ける面(刃物4を挟持する部分)となる。また、刃物押さえ部材25において、刃物押さえ部材25の上端面のうち凹部36(孔37)よりも外側の部分は、刃物4の下面に対向し、刃物4を押さえる面(刃物4を挟持する部分)となる。
【0036】
上から下に向かって、刃物受け部材24、刃物4、刃物押さえ部材25、カバー51が重ねられ、締結ボルト50の雄螺子53と回転軸14の雌螺子23とが螺合する。締結ボルト50が締め付けられることにより、刃物押さえ部材25が刃物受け部材24に向かって押し付けられ、刃物押さえ部材25と刃物受け部材24との間に刃物4が挟持される。すなわち、刃物受け部材24及び刃物押さえ部材25にそれぞれ回転軸14が係合し、刃物4の取付孔4aに回転軸14が通された状態で、刃物押さえ部材25と刃物受け部材24との間に刃物4が挟持される。これにより、これら重ねられた刃物受け部材24、刃物4、刃物押さえ部材25、カバー51が、回転軸14に対して一体化される。
【0037】
ここで、刃物受け部材24、刃物4、刃物押さえ部材25の取り付け方法について説明する。ギヤケース3を逆さにした状態で、ベベルギヤ13が結合されると共に軸受21,22により回転自在に支持された回転軸14に対して、先ず、刃物受け部材24を外挿すると共に当該刃物受け部材24がスプライン34と回転方向に係合し、次いで、刃物受け部材24に対して刃物4を組み付ける(重ねる)べく、刃物受け部材24のガイド部28に対して刃物4の取付孔4aを合わせる。
【0038】
ここで、突起30の外側の面(取付孔4aの中心側に対して反対側の面)がテーパー面32となっているため、テーパー面32により、刃物4の取付孔4aを形成する内周面31が案内されながら、刃物受け部材24のボス部29に対して刃物4の取付孔4aが合わされ、刃物4が組み付けられる(重ねられる)。
【0039】
次いで、回転軸14に対して、刃物押さえ部材25を外挿し刃物4に重ねる。このとき、刃物受け部材24の突起30が刃物押さえ部材25の孔37に嵌め込まれることにより、刃物押さえ部材25の回転方向の位置決めがされ、刃物押さえ部材25が刃物4に組み付けられる(重ねられる)。これにより、刃物押さえ部材25が、スプライン41と回転方向に係合する。すなわち、突起30が孔37に嵌め込まれたときに刃物押さえ部材25が回転軸14とスプライン結合可能な回転位置となるように、突起30及び孔37が設けられている。
【0040】
次いで、刃物押さえ部材25を覆うようにカバー51を配置し、締結ボルト50の雄螺子53を回転軸14の雌螺子23に螺合させて締め込む。これにより、刃物受け部材24と刃物押さえ部材25との間に刃物4が挟持されると共に、これらの刃物受け部材24、刃物押さえ部材25、刃物4、及びカバー51が回転軸14に対して一体化される。従って、駆動部2からの回転駆動力が伝動軸11を介して回転軸14に伝達され回転軸14が回転すると、刃物受け部材24及び刃物押さえ部材25と共に刃物4が回転し、刈り払いを行うことができる。
【0041】
このように、本実施形態によれば、刃物受け部材24に突起30が設けられている。ここで、一般に、作業者は、刃物受け部材24に複数の突起30で構成されるガイド部28が設けられ且つ刃物4に取付孔4aが設けられている場合、ガイド部28を刃物4の取付孔4aに通したいと考える。すなわち、作業者は、刃物4を刃物受け部材24上に設置する際に、刃物4を正しい位置に組み付けることについて強く意識せずとも、刃物4を正しい位置に感覚的に組み付けることができる。また、刃物受け部材24には、刃物受け部材24に設けられた複数の突起30がそれぞれ嵌め込まれる複数の孔37が設けられている。作業者が刃物押さえ部材25を組み付ける際に、刃物受け部材24の複数の突起30を刃物押さえ部材25の複数の孔37にそれぞれ嵌め込むことにより、刃物押さえ部材25における回転軸14を軸とした回転方向の位置が突起30及び孔37によって自然と定まる。これにより、刃物押さえ部材25は、刃物受け部材24に対して正しく組み付けられ、回転軸14に対しても正しい回転位置で組み付けられることによって回転軸14に対しても適切に係合することができる。このように、この刈払機1では、刃物4及び刃物押さえ部材25を、正しい位置に組み付けることができる。
【0042】
突起30の外側の面は、テーパー面32となっている。これにより、複数の突起30によって構成されるガイド部28に、刃物4の取付孔4aを容易に通すことが可能となる。これにより、刃物4の誤組み付けが防止される。
【0043】
突起30の先端部は、突起30の並び方向において角が丸められている。この場合、突起30が孔37に差し込まれる際に突起30の先端部の丸みによって刃物押さえ部材25の回転位置が調整される。これにより、作業者は、刃物押さえ部材25をスムーズに組み付けることができる。
【0044】
(第1変形例)
次に、第1変形例について説明する。第1変形例は、上記実施形態の刃物保持部48の構成を変更したものである。第1変形例の説明において、実施形態と同様の構成要素については図中において同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図6〜
図9に示されるように、第1変形例に係る刃物保持部48Aは、刃物4を間に挟んで上側に位置する刃物受け部材24Aと、刃物4を間に挟んで下側に位置する刃物押さえ部材25Aと、を備える。
【0045】
刃物受け部材24Aは、
図6及び
図7に示されるように、円盤状の本体部26と、本体部26より小径のボス部29と、ガイド部28Aとを備える。
【0046】
ガイド部28Aは、ボス部29の下端側の周縁部(刃物押さえ部材25A側の端面)から下方に突出し、刃物4が組み付けられる際に、刃物4の中央部に開口された取付孔4aに通される。ガイド部28Aは、複数の突起30Aによって構成されている。本実施形態において、複数の突起30Aは、
図7に示されるように5つ設けられている。複数の突起30Aは、貫通孔27の周りにおいて貫通孔27の縁部に沿って環状に並んでいる。すなわち、複数の突起30Aは、刃物4の取付孔4aの縁部に沿って環状に並んでいる。
【0047】
複数の突起30Aの先端部は、環状に並ぶ複数の突起30Aの並び方向において、角が丸められている。すなわち、突起30Aの先端部は、環状に並ぶ複数の突起30Aの並び方向において、角が丸められて滑らかな曲線状に形成されている。また、環状に並ぶ複数の突起30Aの並び方向において、隣接する突起30Aの根本部分同士は、滑らかに連続している。すなわち、ガイド部28Aの先端部(刃物押さえ部材25A側の端部)は、環状に並ぶ複数の突起30Aの並び方向において、滑らかな曲線状に形成されている。
【0048】
突起30Aにおける貫通孔27の中心側に対して反対側の面(ガイド部28Aの外側の面)と、ボス部29の外周面とは、滑らかに連続している。これにより、突起30Aによって刃物4が案内されたときに、突起30Aからボス部29へ滑らかに刃物4が案内される。
【0049】
刃物押さえ部材25Aは、
図6及び
図8に示されるように、円盤状に構成され、その上端面の中央部には、刃物受け部材24Aのボス部29が進入する凹部36が設けられ、凹部36の底面の上記複数の突起30Aに対応する位置には、当該突起30Aがそれぞれ嵌め込まれる凹部37Aが複数設けられる。すなわち、刃物押さえ部材25Aにおける刃物受け部材24A側の端面には、複数の突起30Aがそれぞれ嵌め込まれる複数の凹部37Aが設けられている。本実施形態において、凹部37Aは、
図8に示されるように、5つ設けられている。凹部37Aの形状は、突起30Aの形状に対応している。本実施形態において、環状に並ぶ複数の凹部37Aの並び方向において、隣接する凹部37Aの上端部(凹部の入り口部分)同士は、滑らかに連続している。
【0050】
刃物押さえ部材25Aの下端面の中央部には、後述の締結ボルト50の頭部を埋めるための座ぐり38が凹設される。
【0051】
このように、刃物受け部材24Aにおいて、本体部26の下端面のうちボス部29よりも外側の部分は、刃物4の上面に対向し、刃物4を受ける面(刃物4を挟持する部分)となる。また、刃物押さえ部材25Aにおいて、刃物押さえ部材25Aの上端面のうち凹部36(凹部37A)よりも外側の部分は、刃物4の下面に対向し、刃物4を押さえる面(刃物4を挟持する部分)となる。
【0052】
第1変形例においても、実施形態と同様に、重ねられた刃物受け部材24A、刃物4、刃物押さえ部材25Aが、締結ボルト50によって回転軸14に対して一体化される。刃物受け部材24Aが突起30Aを備え、更に刃物押さえ部材25Aが凹部37Aを備えていることにより、実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0053】
(第2変形例)
次に、第2変形例について説明する。第2変形例は、上記実施形態の刃物保持部48の構成を変更したものである。第2変形例の説明において、実施形態と同様の構成要素については図中において同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図10〜
図13に示されるように、第2変形例に係る刃物保持部48Bは、刃物4を間に挟んで上側に位置する刃物受け部材24Bと、刃物4を間に挟んで下側に位置する刃物押さえ部材25Bと、を備える。
【0054】
刃物受け部材24Bは、
図10及び
図11に示されるように、円盤状の本体部26と、本体部26より小径のボス部29と、ガイド部28Bとを備える。
【0055】
ガイド部28Bは、ボス部29の下端側の周縁部(刃物押さえ部材25B側の端面)から下方に突出し、刃物4が組み付けられる際に、刃物4の中央部に開口された取付孔4aに通される。ガイド部28Bは、複数の突起30Bによって構成されている。本実施形態において、複数の突起30Bは、
図13に示されるように5つ設けられている。複数の突起30Bは、貫通孔27の周りにおいて貫通孔27の縁部に沿って環状に並んでいる。すなわち、複数の突起30Bは、刃物4の取付孔4aの縁部に沿って環状に並んでいる。
【0056】
複数の突起30Bの先端部は、環状に並ぶ複数の突起30Bの並び方向において、角が丸められている。すなわち、突起30Bの先端部は、環状に並ぶ複数の突起30Bの並び方向において、角が丸められて滑らかな曲線状に形成されている。また、環状に並ぶ複数の突起30Bの並び方向において、隣接する突起30Bの根本部分同士は、滑らかに連続している。すなわち、ガイド部28Bにおける刃物押さえ部材25B側の端部は、環状に並ぶ複数の突起30Bの並び方向において、滑らかな曲線状に形成されている。
【0057】
突起30Bにおける貫通孔27の中心側に対して反対側の面(ガイド部28Bの外側の面)と、ボス部29の外周面とは、滑らかに連続している。これにより、突起30Bによって刃物4が案内されたときに、突起30Bからボス部29へ滑らかに刃物4が案内される。
【0058】
刃物押さえ部材25Bは、
図10及び
図12に示されるように、円盤状に構成され、その上端面の中央部には、刃物受け部材24Bのボス部29が進入する凹部36が設けられ、凹部36の底面の上記複数の突起30Bに対応する位置には、当該突起30Bがそれぞれ嵌め込まれる孔37Bが複数設けられる。すなわち、刃物押さえ部材25Bにおける刃物受け部材24B側の端面には、複数の突起30Bがそれぞれ嵌め込まれる複数の孔37Bが設けられている。本実施形態において、孔37Bは、5つ設けられている。孔37Bの形状は、突起30Bの形状に対応している。
【0059】
このように、刃物受け部材24Bにおいて、本体部26の下端面のうちボス部29よりも外側の部分は、刃物4の上面に対向し、刃物4を受ける面(刃物4を挟持する部分)となる。また、刃物押さえ部材25Bにおいて、刃物押さえ部材25Bの上端面のうち凹部36(孔37B)よりも外側の部分は、刃物4の下面に対向し、刃物4を押さえる面(刃物4を挟持する部分)となる。
【0060】
第2変形例においても、実施形態と同様に、重ねられた刃物受け部材24B、刃物4、刃物押さえ部材25Bが、締結ボルト50によって回転軸14に対して一体化される。刃物受け部材24Bが突起30Bを備え、更に刃物押さえ部材25Bが孔37Bを備えていることにより、実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0061】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、突起30,30A,30Bの先端部は、角が丸められていたが、先端部の角が丸められていることに限定されない。突起30,30A,30Bの数は、5つに限定されない。
【0062】
刃物受け部材24、刃物4、及び刃物押さえ部材25等は、締結ボルト50によって回転軸14に対して一体化されたが、締結ボルト50以外の固定具によってこれらが回転軸14に対して一体化されてもよい。