(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記選択部は、前記利用者から要求された労務を前記ロボットが提供可能であるか否かを判定し、提供可能であると判定した場合は、当該ロボットを前記利用者に提案するロボットとして選択する
ことを特徴とする請求項1に記載の提供装置。
前記提供部は、前記利用者から要求された労務を提供可能なロボットが登録されていない場合は、前記利用者から要求された労務の内容を、前記ロボットを提供する提供者に対して提供する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の提供装置。
前記提供部は、所定の条件を満たす利用者から要求された労務を提供可能なロボットが登録されていない場合は、前記利用者から要求された労務の内容を、前記ロボットを提供する提供者に対して提供する
ことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1つに記載の提供装置。
前記提供部は、所定の数の利用者から共通して要求された労務を提供可能なロボットが登録されていない場合は、前記利用者から要求された労務の内容を、前記ロボットを提供する提供者に対して提供する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の提供装置。
前記提供部は、前記利用者から要求された労務を、当該労務を提供するロボットの条件に応じて分類し、当該労務の内容を、当該労務を分類した条件と対応する提供者に対して提供する
ことを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1つに記載の提供装置。
前記選択部は、予め登録された人物に関する情報と前記利用者から提供を要求された労務の内容との比較結果に基づいて、当該労務を提供可能な人物が登録されているか否かを判定し、当該労務を提供可能な人物が登録されている場合は、当該人物を選択し、当該労務を提供可能な人物が登録されていない場合は、前記利用者に提案するロボットを選択し、
前記提供部は、前記選択部により選択された人物に関する情報、または、前記選択部により選択されたロボットに関する情報を前記利用者に提供する
ことを特徴とする請求項1〜10のうちいずれか1つに記載の提供装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る提供装置、提供方法および提供プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する。)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る提供装置、提供方法および提供プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0010】
[実施形態]
〔1.情報提供装置が提供する処理について〕
まず、
図1を用いて、算出処理の一例となる情報提供装置が実行する提供処理および算出処理の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る情報提供装置が実行する提供処理および算出処理の一例を示す図である。
【0011】
なお、以下の説明では、情報提供装置10が実行する処理として、労務の提供を要求する利用者から、提供される労務の内容、種別、時間、労務の提供を希望する人物の条件等といった労務条件を示す求人情報を受付けると、受け付けた求人情報が示す労務条件を満たす人物(以下、「求職者」と記載する。)や、求人情報が示す労務を提供可能なロボットの情報を利用者に提案する処理の一例について記載する。
【0012】
また、以下の説明においては、ロボットの提供を行う提供者によって、労務の提供を行うロボットを利用者に提供する例について記載するが、ロボットの提供とは、ロボットの購入や販売等といった所有権の譲渡を前提とする提供態様のみならず、レンタルやリースといったロボットの態様をも含む概念である。すなわち、提供者は、任意の態様により、ロボットによる労務の提供を利用者に対して行ってよい。
【0013】
ここで、提供者とは、ロボットの販売、レンタル、リース等を行うフロントエンドの業者のみならず、ロボットの開発や制作を行うものであってもよい。また、利用者とは、ロボットによる労務の提供を受けるのであれば、自然人のみならず、法人や団体等であってもよい。
【0014】
また、以下の説明において、ロボットとは、人型のハードウェアを備えたロボットのみならず、アーム型、車両型、動物型、箱型、筒型等、任意のハードウェアを備えたロボットであってもよい。例えば、ロボットとは、野菜や果物等といった収穫物の収穫を行う装置、収穫物を運搬する装置、画像解析技術や糖度推定技術等を用いて収穫物の等級を特定する装置や、収穫物を等級に応じて振り分ける装置、収穫物を梱包する装置、若しくはこれらの組み合わせ等、任意の労務を自動的に提供する任意の装置が採用可能である。
【0015】
また、ロボットとは、スタンドアローンで動作するロボットのみならず、インターネット等のネットワークを介してサーバ装置やクラウドシステム等と通信を行い、サーバ装置やクラウドシステムにおける情報処理の結果に応じた動作を行うロボット等であってもよい。また、ロボットとは、ハードウェアを備えたロボットのみならず、翻訳機能や各種ナビゲーション等といった任意のサービスを提供するAI(Artificial Intelligence)等のプログラムであってもよい。すなわち、以下の説明において、ロボットとは、利用者に対して所定の労務を提供する機械装置や情報処理プログラム等を含むものとする。なお、ロボットは、上述した機能以外にも、例えば、測位機能等、任意の公知技術を利用して任意の役務を提供可能であるものとする。
【0016】
また、以下の説明において、労務とは、ロボット或いは人物によって提供される労務であれば、任意の内容の労務が適用可能である。例えば、以下の説明では、労務の一例として、キャベツ等の農産物の収穫作業や梱包作業、中華料理の料理等を提供する例について説明するが、実施形態は、これに限定されるものではない。
【0017】
〔1−1.情報提供装置の一例〕
情報提供装置10は、インターネット等の所定のネットワークN(例えば、
図2を参照。)を介して、提供者端末100、利用者端末200、求職者端末300(例えば、
図2を参照。)、およびロボットR11、R12(以下、ロボットR10と総称する。)と通信可能な情報処理装置であり、例えば、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。なお、情報提供装置10は、ネットワークNを介して、任意の数の提供者端末100、利用者端末200、求職者端末300、およびロボットR10と通信可能であってよい。
【0018】
提供者端末100は、ロボットを利用者に対して提供する提供者が利用する端末装置であり、例えば、PC(Personal Computer)、サーバ装置、クラウドシステム等といった情報処理装置により実現される。例えば、提供者端末100は、提供者が利用者に対して提供可能なロボットのスペックを示すスペック情報を情報提供装置10に登録する。ここで、ロボットのスペックとは、ロボットが人型であるか、アーム型であるか、重量、各部品の大きさ、可動範囲等といった筐体に関する情報のみならず、所定の農作物の収穫機能、所定の荷物の運搬機能、所定の荷物の梱包機能、翻訳機能、調理機能等といった、ロボットが提供可能な労務に関連する各種のスペックを示す情報である。
【0019】
利用者端末200は、労務の提供を要求する利用者が使用する端末装置であり、例えば、PC、サーバ装置、クラウドシステム等といった情報処理装置により実現される。例えば、利用者端末200は、利用者が提供を要求する労務の内容や、労務の提供を行う人物の条件等を示す求人情報を情報提供装置10に登録する。このような求人情報の内容は、所謂求人広告として、任意の求職者に配信される情報であってもよい。
【0020】
求職者端末300は、労務の提供を行う求職者が使用する端末装置であり、例えば、PC、サーバ装置、クラウドシステム等といった情報処理装置により実現される。例えば、求職者端末300は、情報提供装置10に登録された求人情報を取得し、取得した求人情報を求職者に対して提供する。そして、求職者端末300は、求職者が求人に対する応募を行う場合は、かかる応募内容を、情報提供装置10を介して利用者端末200へと送信する。
【0021】
また、求職者端末300は、求職者が提供可能な労務の内容や、求職者の年齢等といった求職者に関する情報である求職者情報を情報提供装置10に登録する。このような場合、情報提供装置10は、求職者情報と求人情報とのマッチングを行い、求職者に対して、求職者が提供可能な労務に関する求人情報の提供を行ったり、利用者に対して、利用者が提供を要求する労務を提供可能な求職者の求職者情報を提供するといった処理を実行する。
【0022】
ロボットR10は、所定の労務を提供するロボットであり、提供者により提供が行われるロボットである。例えば、ロボットR11は、人型の筐体を有し、任意の人物との会話や翻訳、各種言語での発話を行うロボットである。また、ロボットR12は、荷物の運搬車両型の筐体を有し、任意の荷物の運搬を自動的に行うロボットであるものとする。
【0023】
〔1−2.提供処理の一例〕
近年、ロボット関連技術の進歩により、様々な種別の労務を提供可能なロボットが提供されている。このようなロボット関連技術の進歩に従い、労務の提供を要求する利用者に対し、ロボットの斡旋を行うマーケットプレイスの要望が増えるとも考えられる。
【0024】
しかしながら、利用者が要求する労務の内容に応じたロボットのスペックを設定するのは、容易であるとは言えない場合がある。例えば、利用者が「キャベツの収穫」に関連する労務の提供を要望する場合、労務を提供する人物を募集するには、「キャベツの収穫関連業務」等といった労務の内容を概念的に示す情報を登録すればよい。しかしながら、利用者が労務を提供するロボットを要求する場合は、「キャベツの収穫関連業務」として、「キャベツの収穫」、「キャベツの運搬」、「キャベツの梱包」、「キャベツの配送」等、どのような種別の労務が含まれているか、各労務の提供を行うロボットの車格、機能、大きさといったスペック情報を詳細に設定しなければならない。また、利用者が提供を要求する労務に対し、専用のロボットを開発した場合等には、コストが増大してしまう。このため、ロボットによる労務の提供が困難になる恐れがある。
【0025】
そこで、情報提供装置10は、以下の提供処理を実行する。まず、情報提供装置10は、利用者から労務の提供の要求を受付ける。また、情報提供装置10は、所定の労務を提供するロボットに関する情報と、利用者から提供を要求された労務の内容とを比較し、比較結果に基づいて、利用者に提案するロボットを選択する。そして、情報提供装置10は、選択されたロボットに関する情報を利用者に提供する。
【0026】
すなわち、情報提供装置10は、所定の労務を提供することができるロボットとして、提供者が提供可能なロボット(例えば、販売が開始されているロボット等)のスペック情報の登録をあらかじめ受付ける。そして、情報提供装置10は、利用者が登録した求人情報の解析を行い、利用者が要求する労務の内容を特定する。
【0027】
例えば、情報提供装置10は、形態素解析、連想記憶モデル、ディープラーニング等といった公知の文字解析技術を用いて、利用者が提供を要求する労務の内容を示す情報を求人情報から生成する。ここで、情報提供装置10は、労務の提供が可能なロボットを特定することができるのであれば、任意の粒度で、労務の内容を示す情報の生成を行ってよい。
【0028】
続いて、情報提供装置10は、特定した労務の内容と登録済みのスペック情報との比較結果に基づいて、特定した労務を提供可能なロボットを選択する。すなわち、情報提供装置10は、利用者から要求された労務の内容を解析し、解析結果とロボットに関するスペック情報とに基づいて、利用者に提案するロボットを選択する。より具体的には、情報提供装置10は、利用者から要求された労務の内容を解析することで労務の提供に必要なロボットの条件を特定し、特定した条件を満たすロボットを選択する。
【0029】
ここで、情報提供装置10は、利用者から要求された労務をロボットが提供可能であるか否かを判定し、提供可能であると判定した場合は、ロボットを利用者に提案するロボットとして選択する。例えば、情報提供装置10は、スペック情報が示すスペックに基づいて、特定した労務を提供可能なロボットを特定する。より具体的な例を挙げると、情報提供装置10は、労務として「キャベツの収穫」を特定した場合は、キャベツを収穫可能なスペックを有するロボットを特定する。なお、このような特定処理については、公知の文字解析技術等により実現されるものとする。そして、情報提供装置10は、特定したロボットの情報を利用者に対して提供することで、利用者に、労務を提供可能なロボットの使用を提案する。
【0030】
すなわち、情報提供装置10は、利用者が一般的な求人を行う際と同様の形式で登録した求人情報を解析することで、利用者が要求する労務を提供可能なロボットのスペックを特定する。そして、情報提供装置10は、特定したスペックを満たすロボット、すなわち、利用者が要求する労務を提供可能なロボットを選択し、選択したロボットの利用を利用者に対して提案する。
【0031】
このような処理の結果、情報提供装置10は、利用者に対して労務を提供するロボットの詳細なスペックの入力を求めずとも、労務を提供可能なロボットの提案を行うことができるので、ロボットの利用を容易にすることができる。また、情報提供装置10は、提案者により提供可能なロボットとして予め登録されたロボットの中から、提案するロボットの選択を行うので、専用ロボットの開発等に伴うコストの増加を防ぐことができる。
【0032】
〔1−3.提供者に対する情報提供の一例〕
ここで、利用者が要求する労務を提供可能なロボットが存在しない場合、かかる労務の内容は新たなロボットの開発におけるニーズと見做すことができる。そこで、情報提供装置10は、利用者から要求された労務を提供可能なロボットが登録されていない場合は、利用者から要求された労務の内容を、ロボットを提供する提供者に対して提供することで、新たなロボット開発の促進を促してもよい。
【0033】
例えば、情報提供装置10は、「キャベツの収穫関連業務」から解析した労務のうち「キャベツの収穫」を提供可能なロボットが登録されていない場合は、かかる労務の内容を提供者に対して通知してもよい。また、例えば、情報提供装置10は、ある労務を提供可能なロボットが登録されていない場合は、かかる労務と関連する労務を提供可能なロボットの提供者を特定し、特定した提供者に対して、提供可能なロボットが登録されていない労務の内容を通知してもよい。例えば、情報提供装置10は、「キャベツの収穫」を提供可能なロボットが登録されていないが、「人参の収穫」を提供可能なロボットが登録されている場合は、かかるロボットの提供者に対して、「キャベツの収穫」を提供可能なロボットが要求されている旨の通知を行ってもよい。
【0034】
また、提供可能なロボットが登録されていない労務を全て提供者に提供するのは、適切なニーズの把握を阻害する恐れがある。そこで、情報提供装置10は、所定の条件を満たす利用者から要求された労務を提供可能なロボットが登録されていない場合は、利用者から要求された労務の内容を、ロボットを提供する提供者に対して提供してもよい。例えば、情報提供装置10は、求人情報として登録された対価が所定の閾値を超える利用者や、役務の提供期間が所定の閾値よりも長い利用者等、ロボットによる労務の提供に対する対価が所定の閾値を超えると推定される利用者から要求された労務の内容を、提供者に対して提供してもよい。
【0035】
また、情報提供装置10は、所定の数の利用者から共通して要求された労務を提供可能なロボットが登録されていない場合は、利用者から要求された労務の内容を、ロボットを提供する提供者に対して提供してもよい。より具体的には、情報提供装置10は、同一または共通する種別の労務を要求した利用者の数や要求された回数を計数する。例えば、情報提供装置10は、所定の期間内に、キャベツや人参等といった農作物の収穫が要求された回数や利用者の数を計数する。そして、情報提供装置10は、計数した回数や数が所定の閾値を超えた場合は、農作物の収穫が要求されている旨を提供者に対して通知してもよい。
【0036】
また、情報提供装置10は、提供可能なロボットが登録されていない労務の内容を解析し、クラスタリングを行う。そして、情報提供装置10は、クラスタリングの結果に応じた内容の労務を提供者に対して通知してもよい。すなわち、情報提供装置10は、利用者から要求された労務を、その労務を提供するロボットの条件に応じて分類し、その労務を分類した条件と対応する提供者に対して、その労務の内容を提供してもよい。
【0037】
例えば、情報提供装置10は、ロボットが有する機能の技術分野ごとに労務のクラスタリングを行ってもよい。より具体的には、情報提供装置10は、求人情報から解析した労務のうち、提供可能なロボットが存在しない労務が翻訳関連の労務であるか、運搬関連の労務であるか、収穫関連の労務であるか等、ロボットの技術分野ごとにクラスタリングを行う。そして、情報提供装置10は、翻訳関連の労務を提供するロボットの提供者に対し、翻訳関連の労務としてクラスタリングした労務の内容を提供してもよく、収穫関連の労務を提供するロボットの提供者に対し、収穫関連の労務としてクラスタリングした労務の内容を提供してもよい。
【0038】
また、情報提供装置10は、ロボットが有する部品、モジュール、機能等といった構成要素ごとに、労務のクラスタリングを行ってもよい。例えば、情報提供装置10は、労務が中国語の翻訳機能に関連する労務であるか、労務が中国語の発話機能に関する労務であるか等といったロボットの機能ごとに労務のクラスタリングを行う。そして、情報提供装置10は、翻訳関連のロボットを提供する提供者に対して、中国語の翻訳機能に関連する労務の内容を通知し、各言語の発話機能を有するロボットを提供する提供者に対して、中国語の発話機能に関連する労務の内容を通知してもよい。
【0039】
また、情報提供装置10は、それぞれ異なるロボットを提供する複数の提供者に対して、利用者から要求された労務の内容を提供してもよい。例えば、情報提供装置10は、利用者から要求された労務の内容が中国語の翻訳である場合は、翻訳機能を有するロボットを提供する複数の提供者に対して、中国語の翻訳が所望されている旨の通知を行ってもよい。
【0040】
なお、情報提供装置10は、求人情報の内容をそのまま提供者に提供してもよく、求人情報の解析結果として特定した労務の内容をそのまま提供者に提供してもよい。また、情報提供装置10は、労務の内容に基づいて、利用者が所望する労務の内容を説明する各種の情報、すなわち、利用者のニーズを示す情報を生成し、生成した情報を提供者に提供してもよい。すなわち、情報提供装置10は、利用者のニーズを提供者に伝えることができるのであれば、任意の態様で利用者のニーズを提供してよい。
【0041】
〔1−4.マッチングの内容について〕
ここで、上述した処理においては、情報提供装置10は、求人情報等、労務を提供する人物を募集するための情報を利用者から受付けた場合に、求人情報が示す労務を提供可能なロボットの提案を行った。ここで、情報提供装置10が実行する提供処理は、これに限定されるものではない。
【0042】
例えば、情報提供装置10は、予め登録された求職者に関する情報と利用者から提供を要求された労務の内容との比較結果に基づいて、労務を提供可能な求職者が登録されているか否かを判定し、労務を提供可能な求職者が登録されている場合は、かかる求職者を提案対象として選択する。一方、情報提供装置10は、労務を提供可能な求職者が登録されていない場合は、利用者に提案するロボットの選択を行う。そして、情報提供装置10は、選択された求職者に関する情報、または、選択されたロボットに関する情報を利用者に提供してもよい。すなわち、情報提供装置10は、求人情報に対応する求職者が登録されていない場合にのみ、求人情報が示す労務を提供可能なロボットの提案を行ってもよい。
【0043】
また、情報提供装置10は、求人情報が示す労務を提供可能なロボットの組み合わせや、ロボットと求職者との組合せを選択してもよい。例えば、情報提供装置10は、求人情報が示す労務を単体で提供可能なロボットが存在しない場合は、複数のロボットが有する機能を組み合わせることで、求人情報が示す労務を提供することができるか否かを判定する。そして、情報提供装置10は、複数のロボットが有する機能を組み合わせることで、求人情報が示す労務を提供することができる場合は、そのロボットの組み合わせを利用者に対して提供してもよい。例えば、情報提供装置10は、中国語と日本語との会話における同時翻訳が労務内容である場合、中国語と日本語との翻訳を行うロボットと、中国語および日本語の発話を行うロボットとの組合せを利用者に対して提示してもよい。
【0044】
また、情報提供装置10は、求職者が有する技能と、ロボットが有する機能とを組み合わせることで、求人情報が示す労務を提供することができる場合は、そのロボットと求職者との組み合わせを利用者に対して提供してもよい。例えば、情報提供装置10は、中華料理の調理を行うことができ、かつ、日本語を使える求職者が利用者から要求された場合、中華料理の料理を行うことができるが中国語しか使えない求職者と、中国語と日本語との翻訳を行うロボットとの組合せを利用者に対して提供してもよい。
【0045】
なお、上述したロボットやロボットと求職者との組合せを選択する処理については、求人情報から労務の内容を特定し、特定した労務を提供可能なスペックのロボットを選択する際と同様に、形態素解析や連想記憶などの任意の解析技術により実現される。例えば、情報提供装置10は、形態素解析等により、利用者が要求する労務を提供するために必要な機能を全て抽出するとともに、抽出した機能と、各ロボットが提供可能な機能および求職者が発揮可能な機能の組み合わせとを比較することで、求人情報が示す労務を提供可能なロボットの組み合わせや、ロボットと求職者との組合せを選択すればよい。
【0046】
なお、情報提供装置10は、利用者が労務に対して提供可能な報酬額と、提供者がロボットの提供に対して所望する報酬額とに基づいて、ロボットの選択を行ってもよい。例えば、情報提供装置10は、利用者が要求する労務を提供可能なロボットが登録されているが、かかるロボットの提供に対して提供者が所望する報酬額が、利用者が設定した報酬額を超える場合は、かかるロボットの選択を行わずともよい。また、情報提供装置10は、提供者または求職者が設定した報酬額の合計が利用者が設定した報酬額を超えないように、ロボットの組み合わせやロボットと求職者との組合せを選択してもよい。また、情報提供装置10は、利用者が時給額を設定している場合は、利用者がロボットを利用する時間帯や期間に基づいて、ロボットの利用に伴う報酬額の総額を推定し、推定した総額を超えないように、ロボットの選択等を行ってもよい。
【0047】
〔1−5.情報提供に対するマネタイズについて〕
なお、情報提供装置10は、提供処理に伴う各種の報酬を設定してもよい。例えば、情報提供装置10は、利用者に対して提案したロボットを利用者が使用した場合、すなわち、提案されたロボットによる労務の提供を利用者が受けた場合は、利用者や提供者に対し所定の報酬を課金してもよい。このような報酬は、ロボットが提供する労務の内容や、労務を提供する期間、回数等により変動してもよい。また、情報提供装置10は、提供者に対して利用者のニーズを示す情報を提供した場合は、提供者から所定の報酬を受付けてもよい。
【0048】
〔1−6.算出処理の一例〕
ここで、ロボットによる労務の提供には、利用料等といった対価が生じると考えられる。しかしながら、このような対価が公平に設定されていない場合は、利用者が容易にロボットを利用することができなくなる恐れがある。例えば、ロボットの利用料金が月額料金で設定されている場合には、ロボットを日中のみ利用する利用者と、日夜を問わずにロボットを継続的に利用した利用者との課金額が同一になってしまう。この結果、労務の提供を日中のみ受けたい利用者が、ロボットの利用を忌避してしまい、ロボットの利用を促進することができない恐れがある。
【0049】
そこで、情報提供装置10は、以下の算出処理を実行し、ロボットの利用に関する料金、すなわち、利用料の算出および設定を行う。例えば、情報提供装置10は、所定の労務を提供するロボットが消費したエネルギー量を示す情報を取得する。例えば、情報提供装置10は、インターネット等といった所定の通信経路を介して、ロボットから消費したエネルギー量を示す情報を取得する。そして、情報提供装置10は、エネルギー量に応じて、ロボットの利用に関する料金を算出する。例えば、情報提供装置10は、エネルギー量として、ロボットが消費した電力量(以下、消費電力量と記載する場合がある。)を示す情報を取得する。
【0050】
ここで、ロボットが労務を提供した場合、労務の提供に応じた電力の消費が生じると予測される。例えば、労務の提供を日中だけ提供したロボットは、労務の提供を一日中継続して提供したロボットよりも消費電力量が少ないと考えられる。また、例えば、より重い荷物を運搬したロボットは、より軽い荷物を運搬したロボットよりも消費電力量が増大すると考えられる。
【0051】
すなわち、ロボットの消費電力量は、ロボットが提供した労務の量を示す指標となりえる。そこで、情報提供装置10は、ロボットの消費電力量に基づいて、ロボットの利用料を算出する。例えば、情報提供装置10は、ロボットの利用料金として、定額の基本料金と、労務の量に基づく従量料金とを設定し、従量料金をロボットの消費電力量に基づいて算出する。そして、情報提供装置10は、各種決済処理を実行する決済サーバ等と連携して、基本料金と従量料金との和を利用者に対して請求してもよい。
【0052】
〔1−7.労務に応じた料金について〕
ここで、ロボットが提供する労務の内容が貨物の運搬に関する労務である場合、労務の量に応じた消費電力量の差が比較的明確に表れると予測される一方で、ロボットが提供する労務の内容が翻訳等といった情報処理に関する場合、労務の量に応じた消費電力量の差があまり生じない場合がある。そこで、情報提供装置10は、消費電力量と、ロボットが提供する労務の内容とに基づいて、ロボットの利用に関する料金を算出してもよい。
【0053】
例えば、情報提供装置10は、ロボットが提供する労務が所定の貨物の運搬に関する労務である場合は、所定の閾値よりも低い基本料金と消費電力量に基づく従量料金との和を利用料金として算出してもよい。一方、情報提供装置10は、ロボットが提供する労務が所定の貨物の運搬に関する労務以外の労務である場合は、所定の閾値よりも高い基本料金と消費電力量に基づく従量料金との和を利用料金として算出してもよい。
【0054】
また、情報提供装置10は、ロボットが提供する労務の種別に応じた基本料金であって、労務の提供に伴って消費される消費電力量が多い種別の労務ほど、低く設定された基本料金と、従量課金との和を利用料金として算出してもよい。例えば、情報提供装置10は、比較的重量が重い貨物を運搬する労務を提供するロボットの基本料金を、掃除等といった貨物の運搬が生じない労務を提供するロボットの基本料金よりも安く設定する。そして、情報提供装置10は、各基本料金に対して、消費電力量に基づく従量料金を加算した額を利用料金としてもよい。
【0055】
また、情報提供装置10は、ロボットが提供する労務の種別に応じて、提供される労務の単位当たりの料金を変更してもよい。例えば、情報提供装置10は、貨物の運搬に関する第1の労務を提供するロボットの利用料金として、第1の基本料金と、第1の従量額に消費電力量を積算した従量料金との和を算出する。一方、情報提供装置10は、情報処理に関する第2の労務を提供するロボットの利用料金として、第1の基本料金よりも高い第2の基本料金と、第1の従量額よりも高い第2の従量額に消費電力量を積算した従量料金との和を算出してもよい。
【0056】
〔1−8.料金の算出について〕
また、情報提供装置10は、ロボットが提供する労務の種別や消費した消費電力量のみならず、他の情報に基づいてロボットの利用料金を算出してもよい。例えば、情報提供装置10は、ロボットの動作に伴うログを取得することができる場合は、かかるログに基づいた利用料金の算出を行ってもよい。
【0057】
より具体的な例を挙げると、情報提供装置10は、ロボットが労務を提供した日時、ロボットが提供した労務の内容、若しくはロボットが動作させた部分を示す稼働情報をさらに取得する。例えば、情報提供装置10は、ロボットがアームや車輪を動作させるために動かしたモータを示す稼働情報を取得する。そして、情報提供装置10は、消費電力量と稼働情報とに基づいて、ロボットの利用に関する料金を算出してもよい。例えば、情報提供装置10は、消費電力量に応じた従量料金を、稼働情報が示す日時や労務の内容、動作させた部品等に応じて補正してもよい。
【0058】
このような処理を実行することで、情報提供装置10は、主となる労務の提供に伴い生じる付加的な労務の提供により生じた消費電力量を考慮した従量料金を算出することができる。例えば、情報提供装置10は、ロボットの主となる労務が翻訳に関する労務であるが、ロボットの移動などに生じる電力の消費が発生する場合等に、翻訳に関する労務を提供するために消費した電力量に基づく従量料金を算出することができる。
【0059】
また、情報提供装置10は、提供したロボットの開発費用と、消費電力量とに基づいて、ロボットの利用に関する料金を算出してもよい。例えば、情報提供装置10は、提供したロボットの開発費用が高額であるほど、より高額な基本料金や従量料金の設定を行ってもよい。
【0060】
〔1−9.エネルギーについて〕
上述した説明では、情報提供装置10は、消費電力量に基づく料金の算出を行った。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、情報提供装置10は、ロボットがガソリン等といった燃料を用いた内燃機関により移動する場合は、燃料の消費量に基づいて、ロボットの利用料金を算出してもよい。すなわち、情報提供装置10は、ロボットが労務を提供する際に消費したエネルギー量に基づいて、利用料金を算出するのであれば、任意のエネルギー量を採用可能である。
【0061】
〔1−10.スキルの収集について〕
ここで、情報提供装置10は、利用者に対して提供されたロボットから、ロボットが提供する労務の内容に関する労務情報を取得することで、利用者が有するスキルの収集を行ってもよい。
【0062】
例えば、ロボットの利用においては、利用者が所望する労務を実現するために、利用者による独自の設定が行われる場合がある。例えば、車両の塗装を行う塗装ロボットにおいては、塗装技能が高い利用者の動きを真似る動作が設定される場合がある。このような設定は、提供者がロボットを開発する際の有用な情報となりえる。
【0063】
そこで、情報提供装置10は、利用者の許諾を得た場合は、利用者がロボットを利用する際に設定した動作内容やロボットの動作内容等、ロボットが提供する労務の内容に関する労務情報を取得する。そして、情報提供装置10は、取得した労務情報を提供者に対して提供してもよい。
【0064】
また、情報提供装置10は、利用者から労務情報を受付けた場合は、労務情報の提供に伴う報酬を設定してもよい。例えば、情報提供装置10は、利用者が利用するロボットの利用に関する料金の減額を行ってもよい。
【0065】
また、情報提供装置10は、所定の労務の提供を受けるためにロボットを利用する利用者から、所定の労務とは異なる労務に関する情報を取得した場合には、ロボットの利用に関する料金の減額を行ってもよい。例えば、ロボットによる労務の提供を受けた利用者は、その労務とは異なる労務の提供を、そのロボットにより受けたいと所望する場合がある。より具体的な例を挙げると、ジャガイモを収穫するロボットによる労務の提供を受けた利用者が、そのロボットを用いて人参の収穫を行いたいと考える場合がある。また、利用者は、ジャガイモを収穫するロボットを使用した際に、収穫したジャガイモの梱包や配送を行いたいと考える場合がある。すなわち、利用者は、あるロボットによる労務の提供を受けた際に、その労務と関連する他の労務、若しくは、その労務とは関連しない各種の労務の提供をロボットにより受けたいと考える場合がある。
【0066】
このように、ロボットにより所定の労務の提供を受けた利用者が所望する労務であって、その所定の労務とは異なる労務は、そのロボット若しくは異なるロボットを用いて将来的に提供されうる労務、すなわち、利用者のニーズを示す労務であると考えられる。そこで、情報提供装置10は、所定の労務を提供するためにロボットが提供された利用者から、所定の労務とは異なる労務の内容を示す情報を取得してもよい。例えば、情報提供装置10は、提供されたロボットと、提供を所望する労務(以下、「将来的に所望する労務」と記載する場合がある。)の内容とを示す情報を利用者から取得してもよい。そして、情報提供装置10は、所望する労務を示す情報を利用者から取得した場合は、所定の労務を提供するためにロボットを利用した際の利用料金や、利用者が所望した労務を提供するためにそのロボットを将来的に利用した際の利用料金から減額を行ってもよい。
【0067】
また、情報提供装置10は、将来的に所望する労務を示す情報とロボットのスペックとの関係を学習することで、その労務と類似する労務の提供を要求された際に、そのロボットを提案することができるようにしてもよい。すなわち、情報提供装置10は、開発者が思いつかなかったロボットの利用態様を、利用者のニーズから学習してもよい。また、情報提供装置10は、ある労務の要求があった場合に、その労務を提供するために用いられるロボットの組み合わせ等を学習してもよい。
【0068】
〔1−11.提供装置および算出処理の一例について〕
次に、
図1を用いて、提供処理および算出処理の流れの一例について説明する。まず、
図1に示すステップS1〜ステップS10に示す提供処理の流れについて説明する。例えば、情報提供装置10は、提供者端末100から提供者が提供可能なロボットのスペックを示すスペック情報の登録を受付ける(ステップS1)。このような場合、情報提供装置10は、受付けたスペック情報を所定のデータベースに登録しておく。
【0069】
一方、情報提供装置10は、任意のタイミングで、労務の提供に関する求人情報を利用者端末200から受付ける(ステップS2)。このような場合、情報提供装置10は、求人情報の解析を行い、労務を提供可能なロボットのスペックを特定する(ステップS3)。そして、情報提供装置10は、特定したスペックと、登録されたロボットのスペックとのマッチング結果に基づいて、利用を提案するロボットを選択する(ステップS4)。例えば、情報提供装置10は、スペックの比較結果に基づいて、労務を提供可能なロボットを選択する。
【0070】
ここで、情報提供装置10は、労務を提供可能なロボットが登録されていない場合は、労務の内容を利用者のニーズとして提供者に提供する(ステップS5)。一方、情報提供装置10は、労務を提供可能なロボットが登録されている場合は、選択したロボットの利用を利用者に対して提案する(ステップS6)。そして、情報提供装置10は、ロボットによる労務の提供の要求を利用者から受付けた場合は(ステップS7)、選択したロボットを提供する提供者に対し、ロボットの提供を要請する(ステップS8)。この結果、提供者は、利用者に対し、利用者が要求する役務を提供するロボット(例えば、ロボットR11やロボットR12)の提供を行う(ステップS9)。そして、情報提供装置10は、成約に伴う報酬の設定を行う(ステップS10)。
【0071】
次に、
図1に示すステップS11〜ステップS13に示す算出処理の流れについて説明する。まず、情報提供装置10は、ロボットR10から消費電力量を取得する(ステップS11)。そして、情報提供装置10は、消費電力量に基づき、労務内容や開発費用等に応じた利用料金を算出する(ステップS12)。
【0072】
例えば、
図1に示す例では、ロボットR11は、翻訳機能等を発揮するロボットであり、ロボットR12は、貨物の運搬を行うロボットである。このような場合、情報提供装置10は、ロボットR12の利用料金として、第1の基本料金と、第1の従量額にロボットR12の消費電力量を積算した従量料金との和を算出する。一方、情報提供装置10は、ロボットR11の利用料金として、第1の基本料金よりも高い第2の基本料金と、第1の従量額よりも高い第2の従量額にロボットR12の消費電力量を積算した従量料金との和を算出する。そして、情報提供装置10は、算出した利用料金を利用者に対する課金額として設定する(ステップS13)。
【0073】
〔2.情報提供装置の構成〕
以下、上記した情報提供装置10が有する機能構成の一例について説明する。
図2は、実施形態に係る情報提供装置の構成例を示す図である。
図2に示すように、情報提供装置10は、通信部20、記憶部30、および制御部40を有する。
【0074】
通信部20は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部20は、ネットワークNと有線または無線で接続され、提供者端末100、利用者端末200、求職者端末300、およびロボットR10との間で情報の送受信を行う。
【0075】
記憶部30は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。また、記憶部30は、ロボットデータベース31、求職者データベース32、求人データベース33、および消費エネルギーデータベース34を記憶する。
【0076】
ロボットデータベース31には、所定の労務を提供するロボットに関する情報が登録されている。例えば、
図3は、実施形態に係るロボットデータベースに登録される情報の一例を示す図である。
図3に示す例では、ロボットデータベース31には、「ロボットID(Identifier)」、「提供者情報」、「スペック情報」等といった情報が登録されている。なお、ロボットデータベース31には、
図3に示す情報以外にも、例えば、提供者が所望するロボットの利用料金や開発費用等、ロボットに関する任意の情報が登録されていてもよい。
【0077】
ここで、「ロボットID」とは、ロボットを識別する識別子である。また、「提供者情報」とは、対応付けられた「ロボットID」が示すロボットを提供する提供者を示す情報である。また、「スペック情報」とは、対応付けられた「ロボットID」が示すロボットのスペックを示すスペック情報である。
【0078】
例えば、
図3に示す例では、ロボットデータベース31には、ロボットID「ロボットID#1」、提供者情報「提供者情報#1」、スペック情報「スペック情報#1(車輪幅#1、アーム幅#1、最大積載量#1・・・)」が対応付けて登録されている。このような情報は、ロボットID「ロボットID#1」が示すロボットが、提供者情報「提供者情報#1」が示す提供者によって提供されるロボットであり、スペック情報「スペック情報#1(車輪幅#1、アーム幅#1、最大積載量#1・・・)」が示すスペックを有している旨を示す。
【0079】
なお、
図3に示す例では、「ロボットID#1」、「提供者情報#1」等という概念的な値を記載したが、実際には、ロボットデータベース31には、ロボットを識別する数値や文字列、提供者の識別子や提供者に関する情報を示す文字等のデータ等が登録されることとなる。
【0080】
図2に戻り、説明を続ける。求職者データベース32には、求職者に関する情報が登録される。例えば、
図4は、実施形態に係る求職者データベースに登録される情報の一例を示す図である。
図4に示す例では、求職者データベース32には、「求職者ID」、「求職者情報」等といった情報が登録されている。なお、求職者データベース32には、
図4に示す情報以外にも、例えば、求職者が所望する報酬額など、求職者に関連する任意の情報が登録されていてもよい。
【0081】
ここで、「求職者ID」とは、求職者を識別する識別子である。また、「求職者情報」とは、対応付けられた「求職者ID」が示す求職者が提供可能な労務の内容や求職者が有する資格、年齢、性別、職歴等といった求職者に関する各種の情報である。例えば、
図4に示す例では、求職者データベース32には、求職者ID「求職者ID#1」、求職者情報「求職者情報#1(氏名#1、年齢#1、性別#1、職歴#1、資格#1・・・)」とが対応付けて登録されている。このような情報は、求職者ID「求職者ID#1」が示す求職者の求職者情報が、求職者情報「求職者情報#1(氏名#1、年齢#1、性別#1、職歴#1、資格#1・・・)」である旨を示す。
【0082】
なお、
図4に示す例では、「求職者ID#1」、「求職者情報#1」等という概念的な値を記載したが、実際には、求職者データベース32には、求職者を識別する数値や文字列、求職者に関する各種の情報を示す文字等のデータ等が登録されることとなる。
【0083】
図2に戻り、説明を続ける。求人データベース33には、利用者によって登録された求人情報が登録される。例えば、
図5は、実施形態に係る求人データベースに登録される情報の一例を示す図である。
図5に示す例では、求人データベース33には、「求人情報ID」、「労務情報」、「希望情報」等といった項目を有する求人情報が登録されている。なお、求人データベース33には、
図5に示す情報以外にも、求人に関連する任意の情報が登録されていてもよい。
【0084】
ここで、「求人情報ID」とは、求人情報を識別する識別子である。また、「労務情報」とは、利用者が提供を要求する労務の内容、期間、報酬額等、労務に関する各種の情報である。また、「希望情報」とは、労務の提供にあたり利用者が希望する条件を示す情報である。例えば、
図5に示す例では、求人データベース33には、求人情報ID「求人情報ID#1」、労務情報「労務情報#1(労務内容#1、労務期間#1、報酬#1・・・・)」、希望情報「30代以下、ロボット可」とが対応付けて登録されている。このような情報は、求人情報ID「求人情報ID#1」が示す求人情報により要求された労務の内容が、労務情報「労務情報#1(労務内容#1、労務期間#1、報酬#1・・・・)」である旨を示す。また、このような情報は、希望情報「30代以下、ロボット可」が示すように、利用者が30代以下の求職者による労務の提供を希望するとともに、ロボットによる労務の提供を受けてもよい旨を示す。
【0085】
図2に戻り、説明を続ける。消費エネルギーデータベース34には、労務の提供に当たってロボットが消費したエネルギー量を示す情報が登録される。例えば、
図6は、実施形態に係る消費エネルギーデータベースに登録される情報の一例を示す図である。
図6に示す例では、消費エネルギーデータベース34には、「ロボットID」、「提供先情報」、「消費エネルギー情報」、「労務種別」、「利用料金」等といった項目を有する情報が登録されている。
【0086】
ここで、「提供先情報」とは、対応付けられたロボットIDが示すロボットが提供された利用者を示す情報である。また、「消費エネルギー情報」とは、対応付けられたロボットIDが示すロボットが労務の提供に当たって消費したエネルギー量を示す情報であり、例えば、消費電力量を示す情報である。また、「労務種別」とは、対応付けられたロボットIDが示すロボットが提供する労務の種別を示す情報である。また、「利用料金」とは、対応付けられたロボットIDが示すロボットの利用料金である。
【0087】
例えば、
図6に示す例では、消費エネルギーデータベース34には、ロボットID「ロボットID#1」、提供先情報「利用者#1」、消費エネルギー情報「消費電力量#1」、労務種別「運搬」、利用料金「料金#1」が対応付けて登録されている。このような情報は、ロボットID「ロボットID#1」が示すロボットが、提供先情報「利用者#1」が示す利用者に対して提供されており、そのロボットが労務を提供する際に、消費エネルギー情報「消費電力量#1」だけ電力を消費した旨を示す。また、このような情報は、ロボットID「ロボットID#1」が示すロボットが、労務種別「運搬」が示す種別の労務を提供しており、算出された利用料金が利用料金「料金#1」である旨を示す。
【0088】
なお、
図6に示す例では、「消費電力量#1」、「料金#1」等という概念的な値を記載したが、実際には、消費エネルギーデータベース34には、消費エネルギーの量や利用料金を示す数値等が登録されることとなる。
【0089】
図2に戻り、説明を続ける。制御部40は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサによって、情報提供装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部40は、コントローラ(controller)であり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。なお、制御部40は、インデックスの読み込みを行う演算処理装置となる。
【0090】
図2に示すように、制御部40は、受付部41、選択部42、提供部43、取得部44、算出部45、および設定部46を有する。受付部41は、利用者から労務の提供の要求を受付ける。具体的には、受付部41は、要求として、労務を提供する人物を募集するための情報を受付ける。
【0091】
例えば、受付部41は、提供者端末100から、提供者が提供可能なロボットのスペックを示すスペック情報を受付ける。このような場合、受付部41は、提供者が提供可能なロボットのロボットIDと、提供者を示す提供者情報と共に、受付けたスペック情報を対応付けてロボットデータベース31に登録する。また、受付部41は、利用者端末200から、労務内容を示す労務情報や希望情報を含む求人情報を受け付ける。このような場合、受付部41は、受付けた求人情報を求人データベース33に登録する。また、受付部41は、求職者端末300から、求職者情報を受付ける。このような場合、受付部41は、受付けた求職者情報を求職者IDと対応付けて求職者データベース32に登録する。
【0092】
選択部42は、所定の労務を提供するロボットに関する情報と、利用者から提供を要求された労務の内容との比較結果に基づいて、利用者に提案するロボットを選択する。具体的には、選択部42は、利用者から要求された労務の内容を解析し、解析結果とロボットに関する情報とに基づいて、利用者に提案するロボットを選択する。
【0093】
例えば、選択部42は、所定の処理タイミングで求人データベース33を参照し、利用者が登録した求人情報を取得する。また、選択部42は、求人情報に含まれる労務情報や希望情報を解析することで、その労務の提供に必要なロボットの条件を特定する。例えば、選択部42は、連想記憶や機械学習等の技術を用いて、労務情報が示す労務内容や労務時間から労務を提供するために必要なロボットのスペックを特定する。より具体的な例を挙げると、選択部42は、労務内容が「キャベツの収穫関連業務」である場合、提供される労務の種別が「キャベツの収穫」、「キャベツの運搬」、「キャベツの梱包」、「キャベツの配送」等である旨を特定する。また、選択部42は、各労務を提供可能なロボットのスペックとして、ロボットの大きさ、重さ、アームの大きさ、稼働範囲、機能等を特定する。
【0094】
そして、選択部42は、ロボットデータベース31を参照し、特定したスペックを満たすスペック情報と対応付けられたロボットを特定する。より具体的には、選択部42は、ロボットデータベース31に登録された各種ロボットのスペック情報を参照し、利用者から要求された労務を各ロボットが提供可能であるか否かを判定する。そして、選択部42は、あるロボットが利用者から要求された労務を提供可能であると判定した場合は、そのロボットを利用者に提案するロボットとして選択する。このように、選択部42は、利用者から要求された労務の内容を解析することで、その労務の提供に必要なロボットの条件を特定し、特定した条件を満たすロボットを選択する。
【0095】
また、選択部42は、利用者から提供を要求された労務を提供可能なロボットの組合せを選択してもよい。例えば、選択部42は、求人情報から特定した全ての種別の労務を単体で満たすロボットが存在しない場合は、各労務毎に提供可能なロボットが登録されているか否かを判定し、各労務を提供可能な複数のロボットが登録されている場合は、これらのロボットの組み合わせを選択してもよい。例えば、選択部42は、「キャベツの収穫関連業務」を提供するロボットとして、「キャベツの収穫」を提供可能なロボット、「キャベツの運搬」を提供可能なロボット、「キャベツの梱包」を提供可能なロボット、および「キャベツの配送」を提供可能なロボットの組み合わせを選択してもよい。
【0096】
また、選択部42は、利用者から提供を要求された労務を提供可能な求職者とロボットとの組合せを選択してもよい。例えば、選択部42は、各労務毎に提供可能なロボットが登録されているか否かを判定する。そして、選択部42は、一部の労務について、提供可能なロボットが存在しない場合は、求職者データベース32を参照し、それらの労務を提供可能な求職者を特定する。例えば、選択部42は、「キャベツの運搬」と「キャベツの配送」とを提供可能なロボットが登録されているが、「キャベツの収穫」と「キャベツの梱包」とを提供するロボットが登録されていない場合、「キャベツの収穫」と「キャベツの梱包」とを提供可能な求職者を特定する。そして、選択部42は、「キャベツの運搬」と「キャベツの配送」とを提供可能なロボットと、「キャベツの収穫」と「キャベツの梱包」とを提供する求職者との組合せを選択する。
【0097】
また、選択部42は、求人情報が示す労務を提供可能な求職者がいない場合にのみ、ロボットの選択を行ってもよい。例えば、選択部42は、求職者データベース32に登録された求職者に関する情報と利用者から提供を要求された労務の内容との比較結果に基づいて、労務を提供可能な求職者が登録されているか否かを判定する。そして、選択部42は、労務を提供可能な求職者が登録されている場合は、その求職者を提供対象として選択する。一方、選択部42は、労務を提供可能な求職者が登録されていない場合は、ロボットデータベース31を参照し利用者に提案するロボットを選択する。
【0098】
なお、選択部42は、求人情報が示す希望情報に「ロボット不可」といったロボットの使用を認めない旨の情報が含まれている場合は、ロボットの選択を行わずともよい。
【0099】
以下、
図7を用いて、情報提供装置10がロボットや求職者を選択する処理の一例について説明する。
図7は、実施形態に係る情報提供装置が労務を提供するロボットや求職者を選択する処理の一例を示す図である。例えば、
図7中(A)に示すように、情報提供装置10は、ロボット#1〜ロボット#3のスペック情報および求職者#1の求職者情報を記憶する。
【0100】
より具体的には、ロボット#1は、「車輪幅#1」、「アーム幅#1」、「積載量#1」といったスペックを有するロボットである。ロボット#2は、「車輪幅#2」、「アーム幅#2」、「積載量#2」といったスペックを有するロボットである。ロボット#3は、「中国語翻訳機能」、「日本語発声機能」、「中国語発声機能」といったスペックを有するロボットである。また、求職者#1は、「中国語可能」、「中華料理の調理」といった技能(すなわち、スペック)を有する求職者である。
【0101】
ここで、情報提供装置10は、
図7中(B)に示すように、「キャベツの収穫」に関する労務の提供を、「時給1000円」で求める求人情報を受付ける。このような場合、情報提供装置10は、労務の内容である「キャベツの収穫」を解析し、
図7中(C)に示すように、「キャベツの収穫」を提供するために必要なロボットのスペック「車輪幅#1」、「アーム幅#1」、「積載量#1」を解析結果として特定する。この結果、情報提供装置10は、
図7中(D)に示すように、「キャベツの収穫」に関する労務を提供可能なロボットとして、ロボット#1を提案対象として選択する。
【0102】
一方、情報提供装置10は、
図7中(E)に示すように、「中華料理の調理」に関する労務の提供を、「時給1000円」で求めるとともに、「要日本語」を希望情報とする内容の求人情報を受付ける。このような場合、情報提供装置10は、労務の内容を解析し、
図7中(F)に示すように、労務を提供するために必要なロボットのスペックとして、「中華料理の調理」、「中国語翻訳機能」、「日本語発声機能」を解析結果として特定する。すなわち、情報提供装置10は、労務内容のみならず、希望情報を満たすためのスペックについても特定する。なお、情報提供装置10は、労務内容と希望情報とをすべて満たすことで、労務を適用可能なロボットのスペックを特定する。
【0103】
ここで、
図7中(A)に示す例では、「中華料理の調理」、「中国語翻訳機能」、「日本語発声機能」をスペックとして有するロボットが存在しない。このような場合、情報提供装置10は、特定したスペックを満たす複数のロボットの組み合わせ、または、ロボットと求職者との組み合わせを特定する。ここで、
図7中(A)に示す例では、ロボット#3は、「中国語翻訳機能」、「日本語発声機能」、「中国語発声機能」といったスペックを有し、求職者#1は、「中国語可能」、「中華料理の調理」といった技能を有する。このため、情報提供装置10は、ロボット#3と求職者#1とを組み合わせた場合は、
図7中(E)に示す求人情報の労務内容を提供可能であると判定する。この結果、情報提供装置10は、
図7中(G)に示すように、労務を提供可能なロボットとして、求職者#1およびロボット#3の組み合わせを提案対象として選択する。
【0104】
なお、情報提供装置10は、労務に対する報酬に関する情報に基づいて、ロボット、ロボットの組み合わせまたはロボットと求職者との組合せを選択してもよい。例えば、
図7中(B)に示す求人情報は、労務を「時給1000円」で提供するよう求めている。このような場合、情報提供装置10は、各ロボット#1〜#3のうち、労務を提供可能なスペックのロボットであって、提供に伴う利用料金が1時間当たり1000円以下となるロボとを選択すればよい。すなわち、情報提供装置10は、ロボット#1の利用料金が1時間当たり1000円以下となる場合に、ロボット#1を提案対象として選択すればよい。
【0105】
また、例えば、
図7中(E)に示す求人情報は、労務を「時給1000円」で提供するよう求めている。このような場合、情報提供装置10は、求職者#1が希望する時給額と、ロボット#3の1時間あたりの利用料金との合計が1000円以下となる場合に、求職者#1およびロボット#3の組み合わせを提案対象として選択すればよい。
【0106】
図2に戻り、説明を続ける。提供部43は、選択部42により選択されたロボットに関する情報を利用者に提供する。例えば、提供部43は、選択部42により選択されたロボットのスペック情報や利用料金等とともに、ロボットの使用を提案する提案情報を利用者端末200へと送信する。
【0107】
なお、提供部43は、選択部42により選択された求職者に関する情報、または、ロボットに関する情報を利用者に提供してもよい。また、提供部43は、選択部42により選択された人物とロボットとの組合せに関する情報や、選択部42により選択されたロボットの組合せに関する情報を、利用者に提供してもよい。
【0108】
また、提供部43は、利用者から要求された労務を提供可能なロボットが登録されていない場合は、利用者から要求された労務の内容を、ロボットを提供する提供者に対して提供してもよい。すなわち、提供部43は、利用者のニーズを提供者に対して提供してもよい。例えば、提供部43は、所定の数の利用者から共通して要求された労務を提供可能なロボットが登録されていない場合は、利用者から要求された労務の内容を、ロボットを提供する提供者に対して提供してもよい。また、提供部43は、利用者から要求された労務を、その労務を提供するロボットの条件に応じて分類し、その労務の内容を、その労務を分類した条件と対応する提供者に対して提供してもよい。例えば、提供部43は、農作物の収穫に関する労務の内容であって、提供可能なロボットが存在しなかった労務の内容を、農作物の収穫に関するロボットを提供する提供者に対して提供してもよい。また、提供部43は、それぞれ異なるロボットを提供する複数の提供者に対して、利用者から要求された労務の内容を提供してもよい。
【0109】
取得部44は、所定の労務を提供するロボットが消費したエネルギー量を示す情報を取得する。より具体的には、取得部44は、ネットワークN等の所定の通信経路を介して、利用者に対して提供されたロボットが消費した電力量を示す情報を取得する。また、取得部44は、消費電力量とともに、ロボットが労務を提供した日時、ロボットが提供した労務の内容、若しくはロボットが動作させた部分を示す稼働情報をさらに取得する。このような場合、取得部44は、取得した消費電力量や稼働情報を、ロボットの労務の種別とともに消費エネルギーデータベース34に登録する。
【0110】
なお、取得部44は、ロボットにより提供される労務の内容に関する労務情報を、ロボットを利用する利用者から取得してもよい。すなわち、取得部44は、利用者が有するスキルの収集を行ってもよい。例えば、取得部44は、利用者の許諾を得た場合は、利用者がロボットを利用する際に設定した動作内容やロボットの動作内容等、ロボットが提供する労務の内容に関する労務情報を取得してもよい。
【0111】
算出部45は、エネルギー量に応じて、ロボットの利用に関する料金を算出する。より具体的には、算出部45は、エネルギー量と、ロボットが提供する労務の内容とに基づいて、ロボットの利用に関する料金を算出する。例えば、算出部45は、利用料金として、基本料金と従量料金とを設定する。そして、算出部45は、消費電力量が多い程、高い額の従量料金を算出し、基本料金と従量料金との和を利用料金として算出する。
【0112】
ここで、算出部45は、役務の種別に応じて、基本料金や労務当たりの従量料金の額とを変動させてもよい。例えば、算出部45は、ロボットが提供する労務が所定の貨物の運搬に関する労務である場合は、所定の閾値よりも低い基本料金とエネルギー量に基づく従量料金との和を算出する。一方、算出部45は、ロボットが提供する労務が翻訳といった貨物の運搬に関する労務以外の労務である場合は、所定の閾値よりも高い基本額とエネルギー量に基づく従量料金との和を算出してもよい。また、算出部45は、ロボットが提供する労務が所定の貨物の運搬に関する労務である場合は、労務当たりの従量料金を所定の額よりも高く設定し、ロボットが提供する労務が貨物の運搬に関する労務以外の労務である場合は、労務当たりの従量料金を所定の額よりも低く設定してもよい。
【0113】
なお、算出部45は、エネルギー量と稼働情報とに基づいて、ロボットの利用に関する料金を算出してもよい。例えば、算出部45は、ロボットが所定の労務を提供する時間が長い程、利用料金の額が高くなるように算出を行ってもよい。また、算出部45は、労務の提供量が多い程、運搬した荷物が重いほど、荷物を運搬した距離が長い程、利用料金の額が多くなるように算出を行ってもよい。すなわち、算出部45は、労務の量が多い程利用料金の額が高くなるように算出を行ってもよい。
【0114】
また、算出部45は、利用者から労務情報を受付けた場合は、利用者が利用するロボットの利用に関する利用料金の減額を行ってもよい。例えば、算出部45は、ロボットID「ロボットID#1」が示すロボットの提供先となる「利用者#1」がロボットに設定した情報を取得した場合は、ロボットID「ロボットID#1」が示すロボットの利用料金を減額してもよい。また、算出部45は、ロボットの開発費用と、エネルギー量とに基づいて、ロボットの利用に関する料金を算出してもよい。例えば、算出部45は、ロボットの開発費用が高い程、利用料金の額が高くなるように算出を行ってもよい。
【0115】
設定部46は、算出部45により算出された利用料金の設定を行う。例えば、設定部46は、外部の決済サーバ等と連携して、算出部45が算出した利用料金を利用者に対して課金する。
【0116】
〔3.情報提供装置が実行する処理の流れの一例〕
続いて、
図8を用いて、情報提供装置10が実行する提供処理の流れについて説明する。
図8は、実施形態に係る情報提供装置が実行する提供処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、情報提供装置10は、
図8に示す処理を、任意の単位で、任意のタイミングにより実行可能である。
【0117】
例えば、情報提供装置10は、ロボットのスペック情報を提供者から受付ける(ステップS101)。また、情報提供装置10は、利用者から労務の要求として求人情報を受付ける(ステップS102)。続いて、情報提供装置10は、求人情報が示す労務の内容を解析し、労務を提供するためのロボットのスペックを特定する(ステップS103)。
【0118】
ここで、情報提供装置10は、特定したスペックを満たすロボットが登録されているか否かを判定し(ステップS104)、登録されていない場合は(ステップS104:No)、ロボット同士または求職者とロボットとを組み合わせることで、労務を提供することができるか否かを判定する(ステップS105)。そして、情報提供装置10は、ロボット同士または求職者とロボットとを組み合わせることで、労務を提供することができる場合は(ステップS105:Yes)、ロボット同士または求職者とロボットとを組み合わせを選択し(ステップS106)、選択したロボットや求職者等を利用者に提案し(ステップS107)、処理を終了する。また、情報提供装置10は、特定したスペックを満たすロボットが登録されている場合は(ステップS104:Yes)、スペックを満たすロボットを選択し(ステップS108)、ステップS107を実行する。
【0119】
また、情報提供装置10は、ロボット同士または求職者とロボットとを組み合わせても、労務を提供することができないと判定した場合は(ステップS105:No)、労務内容から利用者のニーズを特定する(ステップS109)。すなわち、情報提供装置10は、労務内容のクラスタリングを行い、提供可能なロボット等が登録されていない労務であって、所定の数の利用者よりも多くの利用者から要求された労務を特定する。そして、情報提供装置10は、特定したニーズを提供者に通知し(ステップS110)、処理を終了する。
【0120】
続いて、
図9を用いて、情報提供装置10が実行する算出処理の流れについて説明する。説明する。
図9は、実施形態に係る情報提供装置が実行する算出処理の流れの一例を示すフローチャートである。例えば、情報提供装置10は、所定の処理タイミングであるか否かを判定し(ステップS201)、所定の処理タイミングではない場合は(ステップS201:No)、所定の処理タイミングまで待機する。
【0121】
また、情報提供装置10は、所定の処理タイミングである場合は(ステップS201:Yes)、利用者に提供されたロボットから消費電力量を取得する(ステップS202)。続いて、情報提供装置10は、消費電力量と労務の種別とに基づいて、従量料金を算出する(ステップS203)。そして、情報提供装置10は、労務の種別に応じた基本料金と、算出した従量料金との和を利用料金として設定し(ステップS204)、処理を終了する。
【0122】
〔4.変形例〕
上記では、情報提供装置10による提供処理や算出処理の一例について説明した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。以下、情報提供装置10が実行する提供処理や算出処理のバリエーションについて説明する。
【0123】
〔4−1.提供者に提供される情報について〕
上述した例では、情報提供装置10は、提供者に対して利用者のニーズを示す情報を提供した。ここで、情報提供装置10は、任意の態様で利用者のニーズを示す情報を提供して良い。例えば、情報提供装置10は、労務を提供可能なロボットが登録されていなかった求人情報について、労務内容の解析を行い、労務を提供可能なロボットのスペックを特定する。そして、情報提供装置10は、特定したスペックを示す情報を提供者に対して提供してもよい。すなわち、情報提供装置10は、求人情報を提供者が理解しやすい形に書換えてもよい。
【0124】
〔4−2.スキル情報について〕
上述した例では、情報提供装置10は、利用者に対して提供されたロボットを介して、労務の提供に当たり利用者が設定した設定内容や動作内容等の労務情報を取得することで、利用者のスキルを収集した。ここで、情報提供装置10は、クラスタリング等といった各種解析技術を用いて、収集した利用者のスキルをライブラリ化してもよい。また、情報提供装置10は、収集した利用者のスキルを他の利用者に対して配信してもよく、配信に伴う報酬の設定を行ってもよい。例えば、情報提供装置10は、第1の利用者に提供された塗装ロボットから、第1の利用者が設定した動作内容を示す労務情報を取得する。そして、情報提供装置10は、第2の利用者が利用する塗装ロボットに対し、第1の利用者が設定した動作内容を再現されることで、第1の利用者が有するスキルの配信を行ってもよい。
【0125】
また、取得した労務情報は、ロボットの動作やハードウェアを改善する指標となりえる。情報提供装置10は、取得した労務情報を提供者に対して提供することで、新たなロボットの開発を促進してもよい。また、情報提供装置10は、労務情報を提供者に提供した場合や、提供者が労務情報に基づいてロボットの開発やアップデート等を行った場合は、労務情報を提供した利用者に対して報酬を設定してもよい。
【0126】
〔4−3.消費エネルギー量に基づく利用料金について〕
上述した例では、情報提供装置10は、消費電力量に基づいて、従量料金の算出を行った。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、情報提供装置10は、消費電力量に基づいて利用料金全体の算出を行ってもよい。また、情報提供装置10は、上述した情報以外にも、ロボットから取得可能な情報であれば、任意の情報に基づいて、利用料金の算出を行ってもよい。
【0127】
〔4−4.装置構成〕
情報提供装置10は、提供処理を実現するフロントエンドサーバと、算出処理を実現するバックエンドサーバとで実現されてもよい。このような場合、フロントエンドサーバには、
図2に示す受付部41、選択部42、および提供部43が配置され、バックエンドサーバには、取得部44、算出部45および設定部46が配置される。また、記憶部30に登録された各データベース31〜34は、外部のストレージサーバに保持されていてもよい。
【0128】
〔4−5.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、逆に、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0129】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0130】
また、上記してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0131】
〔4−6.プログラム〕
また、上述した実施形態に係る情報提供装置10は、例えば
図10に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図10は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0132】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。
【0133】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0134】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
【0135】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0136】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0137】
例えば、コンピュータ1000が情報提供装置10として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部40の機能を実現する。
【0138】
〔5.効果〕
上述したように、情報提供装置10は、利用者から労務の提供の要求を受付ける。そして、情報提供装置10は、所定の労務を提供するロボットに関する情報と、利用者から提供を要求された労務の内容との比較結果に基づいて、利用者に提案するロボットを選択し、選択されたロボットに関する情報を利用者に提供する。このため、情報提供装置10は、ロボットによる労務の提供を求める際の手間を削減することができるので、ロボットによる労務の提供を容易にすることができる。
【0139】
また、情報提供装置10は、利用者から要求された労務をロボットが提供可能であるか否かを判定し、提供可能であると判定した場合は、そのロボットを利用者に提案するロボットとして選択する。このため、情報提供装置10は、利用者が要求する労務を提供することができるロボットを提案できる。
【0140】
また、情報提供装置10は、利用者から要求された労務を提供可能なロボットが登録されていない場合は、利用者から要求された労務の内容を、ロボットを提供する提供者に対して提供する。このように、情報提供装置10は、利用者のニーズを提供者に対して提供するので、利用者のニーズに伴うロボットの開発と、開発されたロボットを利用することによる新たなニーズの提供を介して、ロボットの利用に伴うエコシステムの流れを促すことができる。
【0141】
また、情報提供装置10は、所定の条件を満たす利用者から要求された労務を提供可能なロボットが登録されていない場合は、利用者から要求された労務の内容を、ロボットを提供する提供者に対して提供する。また、情報提供装置10は、所定の数の利用者から共通して要求された労務を提供可能なロボットが登録されていない場合は、利用者から要求された労務の内容を、ロボットを提供する提供者に対して提供する。このため、情報提供装置10は、ロボットの開発等に反映させるべき適切なニーズを提供者に提供することができる。
【0142】
また、情報提供装置10は、利用者から要求された労務を、その労務を提供するロボットの条件に応じて分類し、その労務の内容を、その労務を分類した条件と対応する提供者に対して提供する。このため、情報提供装置10は、利用者のニーズを適切な提供者に提供することができる。
【0143】
また、情報提供装置10は、それぞれ異なるロボットを提供する複数の提供者に対して、利用者から要求された労務の内容を提供する。このため、情報提供装置10は、ロボットの開発競争を促すことができる。
【0144】
また、情報提供装置10は、利用者から要求された労務の内容を解析し、解析結果とロボットに関する情報とに基づいて、利用者に提案するロボットを選択する。より具体的には、情報提供装置10は、要求として、労務を提供する求職者を募集するための情報を受付ける。そして、情報提供装置10は、利用者から要求された労務の内容を解析することでその労務の提供に必要なロボットの条件を特定し、特定した条件を満たすロボットを選択する。このため、情報提供装置10は、労務を提供することができるロボットのスペックを詳細に設定せずとも、提供を要求する労務の内容を登録するだけで、労務を提供可能なロボットを提案することができる。
【0145】
また、情報提供装置10は、予め登録された求職者に関する情報と利用者から提供を要求された労務の内容との比較結果に基づいて、その労務を提供可能な求職者が登録されているか否かを判定する。そして、情報提供装置10は、労務を提供可能な求職者が登録されている場合は、その求職者を選択する。一方、情報提供装置10は、労務を提供可能な求職者が登録されていない場合は、利用者に提案するロボットを選択する。そして、情報提供装置10は、選択された求職者に関する情報、または、選択されたロボットに関する情報を利用者に提供する。このため、情報提供装置10は、一般的な求人広告を登録した利用者に対し、労務を提供可能な求職者やロボットを提案することができる。
【0146】
また、情報提供装置10は、利用者から提供を要求された労務を提供可能な求職者とロボットとの組合せを選択し、選択された求職者とロボットとの組合せに関する情報を、利用者に提供する。また、情報提供装置10は、利用者から提供を要求された労務を提供可能なロボットの組合せを選択し、選択されたロボットの組合せに関する情報を、利用者に提供する。このため、情報提供装置10は、労務を提供可能な求職者とロボットとの組合せや、複数のロボットの組み合わせを利用者に提案することができる。
【0147】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0148】
また、上記してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、選択部は、選択手段や選択回路に読み替えることができる。