(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6695336
(24)【登録日】2020年4月23日
(45)【発行日】2020年5月20日
(54)【発明の名称】スクエアショルダをフライス加工するための切削インサートおよび切削ツール
(51)【国際特許分類】
B23C 5/20 20060101AFI20200511BHJP
B23C 5/10 20060101ALI20200511BHJP
B23C 5/22 20060101ALI20200511BHJP
【FI】
B23C5/20
B23C5/10 D
B23C5/22
【請求項の数】21
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-527228(P2017-527228)
(86)(22)【出願日】2015年11月2日
(65)【公表番号】特表2017-535439(P2017-535439A)
(43)【公表日】2017年11月30日
(86)【国際出願番号】EP2015075396
(87)【国際公開番号】WO2016078897
(87)【国際公開日】20160526
【審査請求日】2018年9月3日
(31)【優先権主張番号】14194024.7
(32)【優先日】2014年11月20日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】507226695
【氏名又は名称】サンドビック インテレクチュアル プロパティー アクティエボラーグ
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】アーンフェルド, トマス
【審査官】
中川 康文
(56)【参考文献】
【文献】
特表2005−532177(JP,A)
【文献】
特開2012−024924(JP,A)
【文献】
特表2006−528085(JP,A)
【文献】
国際公開第96/029172(WO,A1)
【文献】
特開2006−062048(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第1952925(EP,A2)
【文献】
欧州特許出願公開第2070620(EP,A1)
【文献】
欧州特許出願公開第2764938(EP,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0139745(US,A1)
【文献】
特開2000−190121(JP,A)
【文献】
特開2003−260607(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23B 27/00−29/34
B23C 1/00−9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクエアショルダをフライス加工するための切削インサートであって、
上面(14)と、底面(15)と、それらの間を延び、向かい合う側面の2つの対(16〜19)を備える周囲側面とを備え、向かい合う側面の前記対の少なくとも第1のもの(16、17)には、前記それぞれの側面と前記上面の交差部に2つの向かい合う主切れ刃(20、21)が設けられ、向かい合う側面の前記対の第2のもの(18、19)には、前記それぞれの側面と前記上面の交差部に2つの向かい合うワイパ刃(22)が設けられ、各々それぞれのワイパ刃(22)は、前記それぞれの側面の一方の端部においてその関連する主切れ刃(20、21)に連結され、向かい合う側面の前記少なくとも第1の対の前記向かい合う側面(16、17)の各々は、ほぼ平坦な同一平面上にない2つの支持表面(23〜26)を備え、前記支持表面は、それぞれの前記主切れ刃が延びる方向に対して順次配置され、前記底面(15)の法線(N)と異なる角度(α、β)をなす、切削インサートにおいて、
各々の前記側面(16、17)の前記支持表面(23〜26)の限界を前記底面(15)の最も遠くに形成する上側境界(27)は、前記上側境界から前記底面までの距離が、前記主切れ刃(20、21)がこの関連する主切れ刃に連結された前記ワイパ刃(22)に向かって延びる方向に増大するように、前記底面に対して傾斜していることを特徴とする、切削インサート。
【請求項2】
前記底面(15)に対する前記上側境界(27)の前記傾斜が、2°〜10°、3°〜7°、または4°〜6°であることを特徴とする、請求項1に記載の切削インサート。
【請求項3】
前記底面(15)に対する前記上側境界(27)の前記傾斜が、前記それぞれのワイパ刃(22)に最も遠い各々の前記支持表面(24、25)の場合の方が、前記ワイパ刃により近い前記それぞれの支持表面(23、26)の場合より大きいことを特徴とする、請求項1または2に記載の切削インサート。
【請求項4】
主切れ刃(20、21)が設けられた前記側面の、前記それぞれの主切れ刃に関連する前記ワイパ刃(22)に最も遠い各々の前記支持表面(24、25)が、前記ワイパ刃により近い前記それぞれの支持表面(23、26)と比べて、より大きい角度(β)を前記底面の法線となすことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の切削インサート。
【請求項5】
前記支持表面(23〜26)が、前記底面(15)の法線(N)と>8°または>10°の角度(α、β)をなすことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の切削インサート。
【請求項6】
主切れ刃(20、21)が設けられた前記側面の、前記それぞれの主切れ刃に関連する前記ワイパ刃(22)に最も近い各々の前記支持表面(23、26)が、前記底面(15)の法線(N)と<15°または<12°の角度(α)をなすことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の切削インサート。
【請求項7】
主切れ刃(20、21)が設けられた前記側面の、前記それぞれの主切れ刃に関連する前記ワイパ刃(22)に最も遠い各々の前記支持表面(24、25)が、前記底面(15)の法線(N)と≧15°または15°〜23°または17°〜20°の角度(β)をなすことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の切削インサート。
【請求項8】
すべての前記支持表面(23〜26)が、前記底面(15)まで延びることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の切削インサート。
【請求項9】
主切れ刃(20、21)が設けられた前記側面の、前記それぞれの主切れ刃に関連する前記ワイパ刃(22)に最も遠い各々の前記支持表面(24、25)が、前記それぞれの前記主切れ刃がその関連するワイパ刃から離れるように延びる方向に見て、前記インサートの長手方向の対称平面(S)に向かって傾斜していることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の切削インサート。
【請求項10】
前記対称平面(S)に向かって傾斜した各々の前記支持表面(24、25)が、前記対称平面に対して1°〜4または1°〜2°の角度で傾斜していることを特徴とする、請求項9に記載の切削インサート。
【請求項11】
主切れ刃(20、21)が設けられた前記側面の、前記ワイパ刃(22)に最も近い各々の前記支持表面(23、26)もまた、それぞれの前記主切れ刃がその関連するワイパ刃に向かって延びる方向に見て、前記対称平面(S)に向かって傾斜していることを特徴とする、請求項9に記載の切削インサート。
【請求項12】
向かい合う側面の前記対の1つ(16、17)だけに、2つの前記向かい合う主切れ刃(20、21)が設けられ、前記2つの側面(16、17)は、主側面を形成し、2つの他方の側面(18、19)は、副側面を形成し、各々の前記副側面は、少なくとも1つのほぼ平坦な支持表面(28)を備えることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の切削インサート。
【請求項13】
各々の前記副側面(18、19)の前記支持表面(28)が、ワイパ刃(22)を有する前記副側面の端部(29)からの方が、前記副側面の反対側の端部(30)からよりも遠くなるように配置されることを特徴とする、請求項12に記載の切削インサート。
【請求項14】
各々の前記主切れ刃(20、21)が、前記底面(15)に対して垂直に見て、凸状延長部を有することによってわずかな反りを有することを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の切削インサート。
【請求項15】
フライス加工切削ツールであって、請求項1〜14のいずれか一項に記載の少なくとも1つの切削インサート(4)と、ツール本体(2)であって、中央回転軸(C)がその間を延び、前記ツールが前記中央回転軸の周りで回転方向(R)に回転可能である、前端(5)および後端(6)と、前記前端と、前記ツール本体の前記前端と前記後端の間を延びるエンベロープ面(7)との間の移行部内に形成された少なくとも1つのインサートポケット(3)とを含むツール本体とを備え、前記インサートポケット(3)は、ベース(10)に対してほぼ横である隣り合う側壁(8)および後壁(9)を備え、前記側壁(8)には、2つのほぼ平坦な非共面の径方向接触表面(11、12)が設けられ、前記径方向接触表面は、前記ベース(10)の法線と異なる角度をなす、前方の径方向接触表面(11)および後方の径方向接触表面(12)の形態で前記回転軸(C)の方向に沿って順次配置され、前記ワイパ刃(22)に最も遠い前記支持表面(24、25)、および前記ワイパ刃に最も近い支持表面(23、26)それぞれに対する支持を形成するように構成され、前記フライス加工切削ツールは、さらに、前記2つのインサート支持表面(23〜26)を前記ポケット(3)内の前記後方および前方の径方向接触表面(11、12)に押しつけながら、前記インサート(4)を前記ポケット(3)に固定するように構成された固定手段(39、40)を備えることを特徴とする、フライス加工切削ツール。
【請求項16】
前記前方の径方向接触表面(11)および前記後方の径方向接触表面(12)が、前記接触表面の限界を前記ベース(10)の最も遠くに前記ベースから距離を離して形成する上側境界を有し、前記距離は、各々の前記インサート側面の前記支持表面(23〜26)の限界をその前記底面の最も遠くに形成する、対応する前記上側境界(27)から前記底面(15)までの距離より小さいことを特徴とする、請求項15に記載の切削ツール。
【請求項17】
前記インサートポケット(3)の前記前方の径方向接触表面(11)および前記後方の径方向接触表面(12)が、前記ベース(10)の法線と角度をなし、前記角度は、前記インサート底面(15)の法線(N)と前記接触表面に押しつけられる前記インサート支持表面(23〜26)とがなす前記角度(α、β)より小さいことを特徴とする、請求項15または16に記載の切削ツール。
【請求項18】
前記インサートポケット(3)の前記後壁(9)が、請求項12に記載のインサート(4)に対する軸方向支持を形成するように構成されたほぼ平坦な軸方向接触表面(13)を備えることを特徴とする、請求項15から17のいずれか一項に記載の切削ツール。
【請求項19】
前記インサートポケット(3)が、前記インサートをねじ(40)によって前記ポケット内に固定するための中央軸方向貫通穴(41)を有する前記インサート(4)を受け入れるように構成され、前記ポケットの前記ベース(10)は、前記インサートの前記貫通穴(41)に対してわずかにずらして配置された、前記ねじを受け入れるためのねじ切りされた孔(39)を有し、前記ねじ切り孔(39)は、前記ねじが締められ、前記インサートの前記底面(15)が前記ポケットの前記ベース(10)に押しつけられたときに、前記ねじ(40)が前記インサートの支持表面(23〜26、28)を付勢して予張力下で前記ポケットの接触表面(11〜13)に寄り掛からせることを可能にすることを特徴とする、請求項15から18のいずれか一項に記載の切削ツール。
【請求項20】
請求項1から14のいずれか一項に記載の切削インサート用のツール本体であって、中央回転軸(C)がその間を延び、前記ツール本体(2)が前記中央回転軸の周りで回転方向(R)に回転するように構成された、前端(5)および後端(6)と、前記前端と、前記前端と後端の間を延びるエンベロープ面(7)との間の移行部内に形成された少なくとも1つのインサートポケット(3)とを備え、前記インサートポケット(3)は、ベース(10)に対してほぼ横断方向の隣り合う側壁(8)および後壁(9)を備え、前記側壁(8)には、ほぼ平坦な同一平面上にない2つの径方向接触表面(11、12)が設けられ、前記径方向接触表面は、前記ベース(10)の法線と異なる角度をなす、前方の径方向接触表面(11)および後方の径方向接触表面(12)の形態で前記回転軸(C)の方向に沿って順次配置され、前記前方の径方向接触表面(11)および後方の径方向接触表面(12)は、これらの径方向接触表面の限界を前記ベース(10)の最も遠くに形成する上側境界を有し、前記上側境界は、前記上側境界から前記ベース(10)までの距離が、前記前方の径方向接触表面(11)から前記後方の径方向接触表面(12)への方向に増大するように、前記ベース(10)に対して傾斜しており、前記ポケット(3)内に受け入れられる切削インサート(4)の支持表面(23〜26)各々に対する支持を形成し、前記ツール本体は、さらに、前記2つのインサート支持表面(23〜26)を前記ポケット(3)の前記後方および前方の径方向接触表面(11、12)に押しつけながら、前記切削インサート(4)を前記ポケット(3)内に固定するように構成された固定手段(39、40)を備えることを特徴とする、ツール本体。
【請求項21】
前記インサートポケット(3)の前記後壁(9)が、前記ポケット(3)内に受け入れられる前記インサート(4)に対する軸方向支持を形成するように構成されたほぼ平坦な軸方向接触表面(13)を備えることを特徴とする、請求項20に記載のツール本体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに記載の
ショルダをフライス加工するための切削インサートと、
スクエアショルダをフライス加工するためのそのようなインサートが設けられた切削ツールと、そのようなフライス加工ツール用のツール本体とに関する。
【背景技術】
【0002】
そのような切削インサートは、
スクエアショルダをフライス加工するためにフライス加工切削ツールのインサートポケット内に受け入れられたとき、少なくとも2つの割り出し位置間で割り出し可能である。本発明は、そのようなフライス加工切削ツールのいずれの直径範囲にも制限されるものではないが、20〜40mmの直径が、金属部材内で
スクエアショルダをフライス加工するために一般的であるが、直径は約10mmの小ささでよく、または160mmの大きさでもよく、またはさらに大きくてもよい。そのようなフライス加工切削ツールは、通常、前記切削インサートが解放可能に固定される複数の前記ポケットを有する。
【0003】
前記フライス加工ツールによって実施されるチップ除去機械加工の結果に重要なことは、前記切削インサートが、前記インサートポケット内に固定された位置で適切に支持されることである。それと同時に、そのようなインサートおよびその支持表面を、インサートのどのような部分も、実施されるフライス加工によって損傷を受けて、機械加工の結果を損ない、インサートの露出された支持表面または側面を損傷させ、および/またはインサートの早期取り換えを必要とすることのないように設計することが重要である。前記支持は、主に、インサートの側面に対して、前記切削ツールの回転軸に対して実質的に径方向にもたらされるが、この支持はまた、当然ながら、インサートが回転式ツールの本体のインサートポケット内に固定されたとき、軸方向に移動しないことを確実にする必要もある。
【0004】
欧州特許第1 509 353 B1号は、導入部で定義されたタイプの
スクエアショルダをフライス加工するための切削インサートを開示している。向かい合う主切れ刃が設けられた側面において湾曲され、そのために、湾曲した支持表面を有する他の知られているインサートと比べたこのインサートの利点は、2つのほぼ平坦な非共面の支持表面が、インサートポケット上のより大きい面を押さえつけることである。これは、インサートが、湾曲した設計のようにインサートの小さい部分でのみポケットの面またはさらには点を押さえつける場合よりも、インサートポケット内でより安定することを意味する。この文献に開示されたインサートの、径方向支持を形成する2つの支持表面は、それぞれの支持表面を通して提供される径方向支持を決定するときにその切れ刃上に作用する力を考えようとして、インサートの底面の法線と共に異なる角度を作り出す。この切削インサートは好ましい特徴を有するが、当然ながら、特に、フライス加工切削ツールのインサートポケット内の安定した支持およびインサートの長寿命の組み合わせに関して、このタイプのインサートの特性を改良する試みが現在も続いている。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、すでに知られているような切削インサート、フライス加工切削ツール、およびツール本体に関する少なくとも一部の態様において改良される、導入部において定義されたタイプの切削インサート、フライス加工切削ツール、およびツール本体を提供することである。
【0006】
本目的は、付属の特許請求項1の特徴付け部分に挙げられる特徴をそのような切削インサートに提供することによって得られる切削インサートに関するものである。
【0007】
支持表面の前記上側境界を、この境界からインサートの底面までの距離が、主切れ刃がこの主切れ刃に関連するワイパ刃に向かって延びる方向に増大するように傾斜させることにより、それに対応して支持線を傾斜させることが可能になり、この支持線に沿って、前記支持表面は、前記インサートポケットの部分によって受け入れられる支持の上側境界を有し、さらにその結果、それぞれの前記主切れ刃を、底面に対してより大きく傾斜させて設計することを可能にして、切削プロセスを改良し、それによって、主切れ刃によって作り出される「垂直」または「90度」壁の品質を改良する。前記傾斜によって、インサートと切削ツールのインサートポケットの部分との間の支持線の前記距離を増大させることができることにより、支持表面を、作動していない主切れ刃下の関連するワイパ刃に最も近付けて径方向切削力を支持し、この支持は、支持線と前記ワイパ刃に最も遠いインサートの側面との間の距離と同じ、前記底面からの距離にある場合の支持線より良好なものであり、その結果、この切削インサートを使用して
スクエアショルダフライス加工にかけられる被加工物内に作り出される垂直壁の品質が改良される。ツールの切削深さが増大して、インサート上に作用する力の増大を引き起こすとき、底面からの距離を増大させて前記支持線を有することが、特に有利である。
【0008】
本発明の実施形態によれば、前記底面に対する前記上側境界の傾斜は、2°〜10°、3°〜7°、または4°〜6°である。これらの範囲内の前記傾斜は、インサートポケット内に受け入れられたインサートの適切な支持と、インサートによって実施されるフライス加工作用の結果の高い品質とを組み合わせることに適している。
【0009】
本発明の別の実施形態によれば、前記底面に対する前記上側境界の傾斜は、それぞれのワイパ刃の最も遠い各々の前記支持表面の場合の方が、前記ワイパ刃により近いそれぞれの支持表面の場合より大きく、たとえば1°〜4°または1°〜2°大きい。
【0010】
本発明の別の実施形態によれば、主切れ刃が設けられた側面の、それぞれの主切れ刃に関連するワイパ刃に最も遠い各々の前記支持表面は、前記ワイパ刃により近いそれぞれの支持表面と比べて、より大きい角度を前記底面の法線と共に作り出す。これは、ワイパ刃に最も近い前記支持表面が、作動していない主切れ刃下で、他の支持表面より良好な径方向支持を与えることを意味する。支持表面は、したがって、フライス加工中、インサートがインサートポケットから持ち上がる傾向を低減する。切削深さがより大きくなると、インサート上の径方向切削力は増大し、それと同時に、作用点が上方向に移動し、それによってこの支持表面の方にますます向けられる。ワイパ刃に最も近い支持表面上のより小さい角度もまた、ワイパ刃に最も近い部分において作動している主切れ刃の下方により良好な支持をもたらし、この支持は、この部分が、切削に最も多く使用され、最大の応力にかけられるため重要である。他方では、ワイパ刃に最も遠い、作動している主切れ刃下に配置される他の支持表面は、より大きい角度を有して、十分な第2逃げ面をもたらし、機械加工された被加工物の材料によって損傷されないように保護をもたらす。より正確に言うと、この支持表面は、インサートがフライス加工ツールのインサートポケット内に正の軸方向角度で配置されたとき、機械加工された被加工物の材料と衝突することによってより損傷を受けやすい。さらに、前記法線に対してより小さい角度を有する最初に述べた支持表面は、主切れ刃からさらに離してその上側境界が設けられ得る。これは好ましいものであり、その理由は、関連するワイパ刃に近い主切れ刃のこの部分は、機械加工中、最大の力にさらされ、その温度はそれによって最大になるためである。こうして、この支持表面の温度を下降させることができ、支持表面は、浸食、汚れ、およびチップまたはその上に付着するものなどにより晒され難くなり、それによってより良好な耐久性を受容する。
【0011】
本発明の別の実施形態によれば、前記支持表面は、前記底面の法線と共に角度>8°または>10°を作り出す。前記法線によるこれらの支持表面のそのような大きな角度の結果、より低い第2逃げ面を得るための底面近くの面取り部を省くことができ、これは、インサートの設計および製造があまり複雑にならないことを意味する。この可能性はまた、すべての前記支持表面が前記底面まで延びる、本発明の別の実施形態の主題である。
【0012】
本発明の別の実施形態によれば、主切れ刃が設けられた側面の、それぞれの主切れ刃に関連するワイパ刃に最も近い各々の前記支持表面は、前記底面の法線と共に<15°または<12°の角度を作り出す。前記法線に対してこれらの支持表面によって作り出された角度は、良好な径方向支持を可能にしながら、これらの支持表面を、機械加工中に最大の力にさらされる主切れ刃から十分に離し、作動している切れ刃のこの部分に対する十分な支持を依然として達成することを可能にする。
【0013】
本発明の別の実施形態によれば、主切れ刃が設けられた側面の、それぞれの主切れ刃に関連するワイパ刃に最も遠い各々の前記支持表面は、前記側面の法線と共に、≧15°または15°〜23°または17°〜20°の角度を作り出す。これらの支持表面は、主切れ刃が機械加工中に大きい力にあまりさらされないところに配置されるが、機械加工された材料片の一部との衝突のリスクはより高く、より大きい第2逃げ面を必要とする。しかし、これらの角度は、この支持表面がインサートの底面まで延びる場合であっても必要な第2逃げ面を得ることを可能にする。
【0014】
本発明の別の実施形態によれば、主切れ刃が設けられた側面の、それぞれの主切れ刃に関連する前記ワイパ刃に最も遠い各々の前記支持表面は、それぞれの前記主切れ刃が関連するワイパ刃から離れるように延びる方向に見て、インサートの長手方向の対称平面に向かって傾斜される。「対称平面」は、ここでは、インサートの底面に対して垂直に延び、インサートを等しい部分に分割する平面を意味する。この特徴の結果、第2逃げ面が最も重要であるところのこれらの支持表面の部分の第2逃げ面の最適化が得られる。
【0015】
最後に述べた実施形態のさらなる発展である、本発明の別の実施形態によれば、前記対称平面に向かって傾斜された各々の前記支持表面は、前記対称平面に対して1°〜4°または1°〜2°の角度で傾斜され、これは、すぐ前に述べた利点を得るのに適切な傾斜である。
【0016】
本発明の別の実施形態によれば、主切れ刃が設けられた側面の、前記ワイパ刃に最も近い各々の前記支持面もまた、それぞれの前記主切れ刃がその関連するワイパ刃に向かって延びる方向に見て、前記対称平面に向かって傾斜され、その結果、最適な支持が、作動している主切れ刃の下方にもたらされ、さらに前記ワイパ刃に近い主切れ刃の下方に必要な第2逃げ面をもたらすことに関する類似の利点も得られる。
【0017】
本発明の別の実施形態によれば、向かい合う側面の前記対のうち1つだけに、2つの前記向かい合う主切れ刃が設けられ、これらの2つの側面は主側面を形成し、2つの他の側面は、副側面を形成し、各々の前記副側面は、少なくとも1つのほぼ平坦な支持表面を備える。これは、インサートが、2つの割り出し位置の間で割り出し可能であり、切削ツールのインサートポケット内の軸方向支持が、各々の前記副側面上の前記支持表面によって形成され得ることを意味する。
【0018】
本発明の実施形態によれば、各々の前記副側面の前記支持表面は、ワイパ刃を有する前記副側面の端部から、この副側面の反対側の端部からよりも遠くに配置される。この支持表面は、それによって、インサートによって実施される機械加工中、大きい切削力にさらされるインサートの領域から離される。
【0019】
本発明の別の実施形態によれば、各々の前記主切れ刃は、前記底面に対して垂直に見て、凸状延長部を有することによってわずかな反りを有する。その結果、
スクエアショルダを生み出すとき、ツール本体を軸方向に移動させて被加工物内のより深いところに配置された連続的平面内にフライス加工する場合、鋭敏な刃を用いずに前記
スクエアショルダの壁表面を得ることを可能にする。
【0020】
本発明の目的は、フライス加工切削ツールであって、そのようなツールに、本発明による少なくとも1つの切削インサートおよびフライス加工切削ツールを対象とする独立請求項のさらなる特徴を提供することによって得られる、フライス加工切削ツールに関するものである。そのようなフライス加工切削ツールの利点は、本発明およびその実施形態による切削インサートの上記の論議からはっきりと明らかになる。
【0021】
本発明の実施形態によれば、前記ツールの各々のインサートポケットの前記前方の径方向接触表面および前記後方の径方向接触表面は、これらの支持表面の限界を前記べースの最も遠くに前記ベースから距離を離して形成する境界を有し、この距離は、各々の前記インサート側面の前記支持表面の限界をその前記底面の最も遠くに形成する対応する境界から前記底面までの距離より小さく、たとえば後者の距離の80〜95%である。これは、いくらか公差が存在するにも関わらず、前記前方の径方向接触表面および前記後方の径方向接触表面によって前記インサートに与えられる支持は、前記インサートの支持表面内にあり、支持を不安定にする可能性があるその上方にはないことを確実にする。しかし、最大の径方向支持を得るために、インサートの底部からできる限り遠くのインサートの支持表面上に前記前方の径方向接触表面および前記後方の径方向接触表面によって提供される上側支持線を有することが望ましい。
【0022】
本発明の別の実施形態によれば、前記インサートポケットの前記前方の径方向接触表面および前記後方の径方向接触表面は、前記ベースの法線と共に角度を作り出し、この角度は、前記インサート底面の法線と共に、前記接触表面に押しつけられる前記インサート支持表面によって作り出される角度より小さく、たとえばこの角度より≧0.5°または0.5°〜2°小さい。これは、インサートポケットの前記前方および後方の径方向接触表面の上側境界が、支持線に沿ってインサート上の対応する支持表面と接触して、点のみの当接および支持を回避することを確実にする。
【0023】
本発明の別の実施形態によれば、インサートポケットの前記後壁は、本発明によるインサートに対する軸方向支持を形成するように構成されたほぼ平坦な軸方向接触表面を備え、その結果、前記インサートポケット内のインサートの安定した着座が得られる。
【0024】
本発明の別の実施形態によれば、前記インサートポケットは、インサートをねじによってポケット内に固定するための中央軸方向貫通穴を有する前記インサートを受け入れるように構成され、ポケットのベースは、インサートの前記貫通穴に対してわずかにずらして配置された、前記ねじを受け入れるためのねじ切りされた孔を有し、ねじが締め付けられ、インサートの底面がポケットの前記ベースに押しつけられたとき、前記ねじがインサートの支持表面を付勢して予張力下でポケットの接触表面を支承させることを可能にする。このずれは、インサートの支持表面が、インサートが前記ポケット内に固定されたときにインサートポケットの接触表面によって実際に支持されることを確実にする。
【0025】
本発明の目的は、フライス加工切削ツール用のツール本体であって、そのようなツール本体を対象とする独立請求項の特徴をそのようなツール本体に提供することによって得られる、フライス加工切削ツール用のツール本体に関するものである。そのようなツール本体およびその実施形態の利点は、本発明およびその実施形態によるフライス加工切削ツールの上記の論機から明らかになる。
【0026】
本発明の他の有利な特徴および利点は、以下の説明から明らかになる。
【0027】
付属の図を参照して、以下では、例として記載される本発明の実施形態の特有の説明を続ける。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の第1の実施形態による、
スクエアショルダをフライス加工するためのツール、および切削インサートの斜視図である。
【
図2】
図1に示す切削インサートの上から斜めの拡大斜視図である。
【
図3】
図2に示す切削インサートの下から斜めの斜視図である。
【
図4】線IV−IVに沿った
図2に示す切削インサートの断面図である。
【
図5】線V−Vに沿った
図2に示す切削インサートの断面図である。
【
図6】
図2に示すインサートのその主側面上の側面図である。
【
図7】
図2に示すインサートのその副側面上の側面図である。
【
図9】本発明の第2の実施形態によるインサートの斜視図である。
【
図10】
図9によるインサートがそのポケット内に固定された、本発明によるフライス加工切削ツールの
図1に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の実施形態による、
スクエアショルダをフライス加工するためのフライス加工切削ツール1が、
図1に示される。ツールは、ポケットに解放可能に固定される、本発明による切削インサート4を各々が受け入れるための2つの座部またはポケット3を有するツール本体2を有する。ツール本体は、円筒形の基本形状を有するエンドミルの形態であるが、ツール本体は、たとえばショルダフェースミルの形態の別の形状を有することができる。切削インサート4は、ポケットの構造を示すためにポケット3から取り外されている。ツール本体2は、中央回転軸Cがその間を延びる前端5および後端6を含み、ツールは、この中央回転軸の周りで回転方向Rに回転可能である。ポケット3は、前端と、ツール本体の前端5と後端6の間を延びる包絡面7との間の移行部内に形成される。
【0030】
インサートポケット3は、平坦なベース10に対してほぼ横断方向の隣り合う側壁8および後壁9を備える。側壁8には、2つのほぼ平坦な非共面の径方向接触表面が設けられ、この径方向接触表面は、ベース10の法線と共に異なる角度を作り出す、前方の径方向接触表面11および後方の径方向接触表面12の形態で前記回転軸Cの方向に沿って連続的に配置され、これは以下でさらに詳細に説明される。また、ポケット3の後壁9は、前記ポケット内に受け入れられたインサート4に対する軸方向支持を形成するように構成されたほぼ平坦な軸方向接触表面13を備え、一方で前記インサートに対する径方向支持は、径方向接触表面11および12によって形成される。
【0031】
次に、本発明の第1の実施形態による、
スクエアショルダをフライス加工するための切削インサート4が、
図2〜8を同時に参照しながら説明される。切削インサートは、通常、耐摩耗コーティングを備える超硬合金から形成され得る。切削インサートは、上面14と、底面15と、これらの間を延び、向かい合う側面の2つの対、すなわち2つの向かい合う主側面16、17および2つの向かい合う副側面18、19によって形成された周囲側面とを備える。主側面には、それぞれの主側面と上面の交差部に2つの向かい合う主切れ刃20、21が設けられ、一方で副側面には、それぞれの副側面と上面の交差部において2つの向かい合うワイパ刃22が設けられる。各々それぞれのワイパ刃22は、コーナ刃を介して、それぞれの側面の一方の端部においてその関連する主切れ刃20および21に連結される。
【0032】
2つの主側面16、17の各々は、2つのほぼ平坦な非共面の径方向支持表面23〜26を備え、これらの径方向支持表面は、それぞれの主切れ刃20、21の延長方向に対して連続的に配置される。これらの径方向支持表面は、インサートの底面15の法線Nと共に異なる角度を作り出す。これは、
図4および5に示され、それぞれの主切れ刃20に関連するワイパ刃22に最も近い径方向支持表面23によって作り出された角度αと、前記ワイパ刃22に最も遠い径方向支持表面24によって作り出された角度βとを示す。支持表面23によって作り出された角度αは、支持表面24によって作り出された角度βより小さく、すなわち11°対18°であることが示され、これは、径方向支持表面23が、切れ刃20が作動していない状態にあるときにより良好な径方向支持をもたらすことを意味し、前記支持表面23の上側境界が、角度αがこれより大きい場合より低く配置され得ることを意味する。これは、支持表面23を、主切れ刃20から、正確には主切れ刃上の力がその作動しているフライス加工状態において最大になるところからさらに離して移動させることができることを意味する。支持表面24のこれより大きい角度βは、機械加工された材料片との衝突のリスクを回避し、両方の角度αおよびβは、それぞれの場所において十分な第2逃げ面をもたらす。
【0033】
図6では、径方向支持表面23、24の限界を底面15の最も遠くに形成する上側境界27は、この境界から底面までの距離が、それぞれの主切れ刃20が、この関連する主切れ刃に連結されたワイパ刃22に向かって延びる方向に増大するように底面に対して傾斜されることが、示される。ここでは、上側境界27のこの傾斜が、径方向支持表面24に対して5.8°、およびワイパ刃22に最も近い径方向支持表面23に対して4.3°である様子が示されている。この傾斜は、底面15に対してより大きい傾斜を有する主切れ刃を設計することを可能にして、切削プロセスを改良し、それによって、主切れ刃によって得られるショルダ壁の品質を改良する。これはまた、径方向支持表面の上側支持線が、より高く、すなわち底部15からさらに離れて移動されるため、径方向力が径方向支持表面23によってより良好に維持されることも意味する。これは、切削深さが増大するときに特に有利であり、その理由は、切れ刃上の力もまた、このとき増大しており、それによってより高い場所に支持を有する方が良いためである。
【0034】
図7は、インサートの各々の副側面18に軸方向支持表面28が設けられ、この軸方向支持表面は、ワイパ刃を有するこの副側面の端部29から、この副側面の反対側端部30からよりも遠くに配置される様子を示している。
【0035】
それぞれの主切れ刃20、21に関連する前記ワイパ刃22に最も遠い各々の径方向支持表面24、25は、それぞれの主切れ刃がその関連するワイパ刃から離れるように延びる方向に見て、インサートの長手方向の対称平面Sに向かって傾斜される。これは、
図8を見ると理解されるが、傾斜は、底面15に対して垂直に延び、インサートを等価の部分に分割する対称平面Sに対して1.5°にすぎない。この傾斜は、支持表面24および25の端部31、32において逃げ面を最適化し、ここではそのような逃げ面が最も重要である。また、それぞれのワイパ刃22に最も近い主側面の各々の径方向支持表面23、26は、それぞれの前記主切れ刃がその関連するワイパ刃に向かって延びる方向に見て、前記対称平面Sに向かって傾斜される。この傾斜は、ここでは0.3°にすぎず、これもまた、それぞれのワイパ刃の近くにある逃げ面に良好な影響を与える。
【0036】
各々の主切れ刃20、21は、
図8のように底面15に対して垂直に見て凸状の延長部を有することによってわずかな反りを有する。そのような反りの結果は、上記でさらに説明されている。
【0037】
インサートポケットの対応する接触表面を支承する異なる支持表面の部分33〜35が、格子パターンによって示される。ツールのインサートポケット3の接触表面11〜13は、支持表面の限界をポケットのベース10の最も遠くにこのベースから距離を離して形成する境界を有し、この距離は、インサートの支持表面23〜26および28の限界を形成する対応する上側境界27からインサートの底面までの距離より小さく、それにより、接触表面11、12および13は、インサート上のそれぞれの支持表面の上側境界の上方でインサートを支承しないことを確実にする。インサートポケットの接触表面11、12、および13はまた、インサートの対応する支持表面がその底面15の法線に対して作り出すものより小さい角度を、ベース3の法線に対して作り出す。これは、ポケットの前方の径方向接触表面11が、前記法線に対して18°未満である角度を作り出し、一方で後方の径方向接触表面12が、11°未満である、前記法線に対する角度を作り出すことを意味する。これは、インサートの支持表面およびインサートポケットの接触表面が、上側支持線36〜38にしたがって当接することを確実にする(
図6および7を参照)。
【0038】
さらに、ポケット3のベース10は、インサート4の貫通穴41に対してわずかにずらされて配置された、ねじ40を受け入れるためのねじ切りされた孔39を有し、ねじが締め付けられ、インサートの底面15がポケット3のベース10に押しつけられたとき、ねじ40がインサートの支持表面を付勢して予張力下でポケットの接触表面を支承させることを可能にする。
【0039】
図9は、本発明の第2の実施形態による切削インサート4を示し、この切削インサートは、主側面上の2つの支持表面23、24を、第1の実施形態のような連続的に湾曲した中央移行表面43の代わりに、くぼみ42によって分離する点において、
図1〜8に示す第1の実施形態による切削インサートとは異なり、同じ参照番号は、このために、両方の実施形態に使用されている。これらのくぼみ42は、さらに、この主側面の中央部分がインサートポケットのどの部分にも当接するのではなく、それによって間違った当接が回避され、または中央部分から2つの支持表面23および24に割り当てられることを確実にすることができる。第1の実施形態による切削インサートの場合、くぼみ44(
図1を参照)が、中央表面43のそのような当接を回避するためにツールのインサートポケット内に設けられ得る。
【0040】
図10は、第2の実施形態によるインサートの形態の本発明によるインサートが、そのインサートポケット3内にツール本体2に解放可能に固定される様子を示す。貫通穴41に対するねじ切りされた孔39の前記オフセットにより、径方向支持表面25、26および副側部軸方向支持表面35は、予張力下で、インサートポケット内の接触表面11〜13に対して付勢され、支持表面23〜26の支持線36、37、特に支持線36の高い場所により、インサートポケットのベース3からのインサートの底面15の持ち上げが、効率的に防がれ、それにより、インサートが、インサートポケット内に安定した所定の固定された位置に受け入れられることが確実にされる。
【0041】
本発明は、当然ながら、上記で説明したその実施形態に制限されず、その改変形態に対する多くの可能性が、付属の特許請求の範囲に定義された本発明の範囲から逸脱することなく、当業者に明らかになる。
【0042】
本発明による切削インサートは、2つの向かい合う主切れ刃が設けられた向かい合う側面の2つの対を有することができ、それにより、インサートは、そのため4つの割り出し位置間で割り出しされ得る。インサートの各々のそのような側面の2つの支持表面は、このとき、割り出し位置の1つにおいて径方向支持として機能し、別の位置において軸方向支持として機能する。