(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1に記載の医薬品組成物または栄養機能食品組成物であって、前記水不溶性(メタ)アクリレートポリマーは、10質量%〜50質量%のエチルアクリレートと、50質量%〜90質量%のメチルメタクリレートとのラジカル重合された単位から構成されるコポリマーである、医薬品組成物または栄養機能食品組成物。
請求項1または2に記載の医薬品組成物または栄養機能食品組成物であって、前記コーティング層b)は、水不溶性(メタ)アクリレートポリマーとグァーガムとの混合物20質量%〜100質量%および医薬品または栄養機能食品に許容可能な賦形剤0質量%〜80質量%を含む、医薬品組成物または栄養機能食品組成物。
請求項3に記載の医薬品組成物または栄養機能食品組成物であって、前記医薬品または栄養機能食品に許容可能な賦形剤は、酸化防止剤、保存剤、増白剤、結合剤、フレーバリング剤、流動助剤、芳香剤、滑沢剤、浸透促進剤、顔料、可塑剤、前記水不溶性(メタ)アクリレートポリマーと異なり、かつグァーガムとは異なるポリマー、細孔形成剤もしくは安定化剤またはそれらの組合せ物の群から選択される、医薬品組成物または栄養機能食品組成物。
請求項1から4までのいずれか1項に記載の医薬品組成物または栄養機能食品組成物であって、インビトロ条件下で、40%(容量/容量)のエタノールを添加したUSPによるpH1.2の媒体中での2時間に引き続き、USPによるpH6.8の緩衝媒体中での医薬品有効成分または栄養機能食品有効成分の放出(%)が、同じ媒体中であるが、前記pH1.2の媒体中にエタノールを添加していない媒体中で±20%(絶対百分率)を上廻って相違しない、医薬品組成物または栄養機能食品組成物。
請求項1から4までのいずれか1項に記載の医薬品組成物または栄養機能食品組成物であって、インビトロ条件下で、40%(容量/容量)のエタノールを添加したUSPによるpH1.2の媒体中での2時間に引き続き、USPによるpH6.8の緩衝媒体中での医薬品有効成分または栄養機能食品有効成分の放出(%)が、同じ媒体中であるが、前記pH1.2の媒体中にエタノールを添加していない媒体中での放出より低い、医薬品組成物または栄養機能食品組成物。
請求項1から6までのいずれか1項に記載の医薬品組成物または栄養機能食品組成物であって、インビトロ条件下で、USPによるpH1.2の媒体中での2時間に引き続き、pH6.8の緩衝媒体中での医薬品有効成分または栄養機能性有効成分の放出が、4時間から16時間までの全時間において、30%〜100%である、医薬品組成物または栄養機能食品組成物。
請求項1から7までのいずれか1項に記載の医薬品組成物または栄養機能食品組成物であって、該医薬品組成物または栄養機能食品組成物は、錠剤、ペレット剤、顆粒剤、サシェまたはカプセル剤の形である、医薬品組成物または栄養機能食品組成物。
請求項1から8までのいずれか1項に記載の医薬品組成物または栄養機能食品組成物であって、コーティング層b)に加えて、コアa)は1層以上のポリマーコーティング層を含む、医薬品組成物または栄養機能食品組成物。
請求項1から9までのいずれか1項に記載の医薬品組成物または栄養機能食品組成物の製造方法であって、医薬品有効成分または栄養機能食品有効成分を含むコアa)を、直接的な圧縮により、乾燥顆粒、湿潤顆粒もしくは焼結顆粒の圧縮により、押出に引き続いての丸み付けにより、湿式造粒もしくは乾式造粒により、直接的なペレット化により、あるいは有効成分不含のビーズもしくは中性コアもしくは有効成分含有粒子上に粉末を結合させることにより形成し、そしてコーティング層b)を水性分散液もしくは有機溶液の形で噴霧法もしくは流動床噴霧造粒法によってコアa)上に塗布する、方法。
【技術分野】
【0001】
本発明は、持続放出特性または延長放出特性を有するとともにエタノールの影響に対する耐性を有する医薬品組成物または栄養機能食品組成物に関する。
【0002】
技術背景
医薬品組成物または栄養機能食品組成物は、有効成分を再現的な放出曲線の様式で放出するようにデザインされている。これは、最適な治療効果を提供することとなる望ましい信頼できる血中レベルプロフィールをもたらすべきである。血中レベル濃度が低すぎると、該有効成分は十分な治療効果を引き起こさないこととなる。該血中レベル濃度が高すぎると、これは毒性効果を引き起こすことがある。両方の場合において、有効成分の非至適血中レベル濃度は患者にとって危険なことがあり、従って避けられるべきである。医薬品組成物または栄養機能食品組成物のデザインの間に有効成分の放出について採用された理想的な比率は、一般的な生活習慣、不注意または患者のエタノールもしくはエタノール含有飲料の使用に対する依存的挙動によって変わることがあるという問題がある。これらの場合に、実際はもっぱら水性媒体についてデザインされた医薬品形または栄養補助食品形は、程度の違いはあっても何らかの強さのエタノール含有媒体に更にさらされる。例えばアメリカ食品医薬品局(FDA)のような衛生当局はエタノール問題に対してますます注目しているので、エタノール耐性は、近い将来、一つの重要な登録基準となるかもしれない。
【0003】
全ての患者が、制御放出性の医薬品形もしくは栄養補助食品形とエタノール含有飲料とを同時に摂取することの危険性を認識していないか、または全ての患者が、適切な警告、助言もしくは推奨に従わないか、あるいは従うことができないので、制御放出性の医薬品組成物または栄養機能食品組成物については、特に延長放出型もしくは持続放出型の医薬品組成物もしくは栄養機能食品組成物については、それらの作用様式のエタノールの存在による影響ができるだけ少なくなるように求められている。
【0004】
従来の延長放出型または持続放出型の医薬品組成物または栄養機能食品組成物は、コーティングがされていてもコーティングがされていなくても、通常は、アルコールに対して全く耐性がない。エタノールの影響に対して耐性である延長放出型または持続放出型の医薬品組成物または栄養機能食品組成物を提供するために幾つかの試みがなされてきた。
【0005】
米国特許出願公開第2007/0264346号明細書(US2007/0264346A1)は、経口投与のための多重微粒子状医薬品形を記載している。少なくとも1種の有効成分(AP)の放出調節のためのリザーバー型の微粒子を含む経口医薬品形または栄養成分形は、アルコールの存在下でAPの投与量の即時ダンピングに対して耐性であることを特徴とする。該医薬品形は、水和または溶媒和の速度または能力がアルコール性媒体中よりもアルコール不含の媒体中の方が高い医薬品に許容可能な化合物である、少なくとも1種の剤Dを含んでよい。適切な剤Dの物質は、多くの物質、例えばヒドロキシアルキルセルロース、グァーガム、カラギーナン、プルランおよびそれらの混合物を含む。
【0006】
米国特許出願公開第2008/0063725号明細書(US2008/0063725A1)は、持効性放出型の多重微粒子状経口医薬品形を記載している。該経口医薬品形は、アルコールの存在下で有効成分(AP)の投与量の即時ダンピングに対して耐性であり、かつ誤用防止手段を含む、少なくとも1種のAPの放出調節を有するリザーバー型の微粒子を含む。該医薬品形は、水和または溶媒和の速度または能力がアルコール性媒体中よりもアルコール不含の媒体中の方が高い医薬品に許容可能な化合物である、少なくとも1種の剤Dを含んでよい。適切な剤Dの物質は、多くの物質、例えばヒドロキシアルキルセルロース、グァーガム、カラギーナン、プルランおよびそれらの混合物を含む。
【0007】
米国特許出願公開第2012/0328697号明細書(US2012/0328697A1)は、コアを封入する膜コーティング組成物を含む固形剤形であって、(i)前記コアは、少なくとも1種の医薬品有効成分、獣医学用有効成分もしくは栄養補助食品有効成分を含む有効成分を含み、(ii)前記膜コーティング組成物は、エチルセルロースおよびグァーガムを含み、前記グァーガムは、コーン−プレート型粘度計で6cmのアクリルコーン(1°)を用いて1分間の平衡後に20℃で回転させて測定された1%グァーガム水溶液において、せん断速度50s
-1での見かけ粘度≧151.0cpsを有し、ここでせん断は、29秒間にわたり25ステップにおいて1s
-1から50s
-1まで線形に増加され、(iii)前記剤形は、前記有効成分の制御放出をもたらし、(iv)前記グァーガムは、グァーガムおよびエチルセルロースの重量に対して5質量%より多い量で存在し、かつ(v)前記剤形は、エタノール耐性である、固形剤形を記載している。実施例(第5頁、[0063])においては、テオフィリンのマトリックスペレットが、エチルセルロース(Aquacoat(登録商標)ECD):グァーガムの種々のブレンドでコーティングされている。エチルセルロース(Aquacoat(登録商標)ECD)は、25%のジブチルセバケート(DBS)で1日間にわたって可塑化される。グァーガムは、撹拌しながら2時間にわたって精製水中に溶解される。それらの2種の液体を混合し、そして30分間にわたって撹拌してから使用される。0.1N HCl中で2時間に続きpH7.4のpH緩衝液中での、その発明の固体剤形の放出プロフィールは、0.1N HCl媒体中の40%までのエタノールの影響に対して耐性である。
【0008】
発明の課題
米国特許出願公開第2012/0328697号明細書(US2012/0328697A1)は、コアを封入する被膜を含む固形剤形であって、その塗膜が可塑化されたエチルセルロースおよびグァーガムの混合物を基礎とするものである、固体剤形を記載している。該固体剤形は、エタノールの影響に対して耐性であると示唆されている。
【0009】
実際の使用のためには、米国特許出願公開第2012/0328697号明細書(US2012/0328697A1)の固体剤形のコーティング組成物が、比較的長い調製時間を必要とするということを欠点として認めることができる。これは、主として、エチルセルロースを可塑化する必要があることを理由とし、その可塑化には、グァーガム溶液と混ぜて更に加工し得るようになる前に1日を費やす。
【0010】
比較的厚いコーティング層でさえも米国特許出願公開第2012/0328697号明細書(US2012/0328697A1)のかなり急な有効成分放出プロフィールに更なる欠点を認めることができる。その放出プロフィールは、明らかに、水不溶性エチルセルロースと高度に水溶性のグァーガムとの組合せ物によるものであり、かつ持続放出または延長放出プロフィールを必要とする有効成分にとっては限られた適性しか有し得ない。
【0011】
従って、本発明の一つの課題は、短い調製時間が必要とされるにすぎないエタノール耐性の医薬品組成物または栄養機能食品組成物を提供することであった。本発明のもう一つの課題は、米国特許出願公開第2012/0328697号明細書(US2012/0328697A1)の教示と比較してより平坦な持続放出または延長放出プロフィールを実現するエタノール耐性の医薬品組成物または栄養機能食品組成物を提供することであった。
【0012】
もう一つの解釈は、濃度40%まで、または40%(容量/容量)でのエタノールの存在が、インビトロ条件下で、USP(例えばUSP 32)によるpH1.2の媒体または擬似胃液中で2時間に引き続き、該媒体をエタノールを有さないUSPによるpH6.8の緩衝媒体へと変更した後に、pH6.8で意図された持続放出速度または延長放出速度に大きな影響を及ぼすべきではないということであった。
【0013】
前記課題は、
a)医薬品有効成分または栄養機能食品有効成分を含むコアa)と、
b)80質量%〜96質量%の水不溶性(メタ)アクリレートポリマーおよび4質量%〜20質量%のグァーガムの混合物を含むコーティング層b)と、
を含むか、それらを本質的に含むか、またはそれらからなる医薬品組成物または栄養機能食品組成物であって、前記水不溶性(メタ)アクリレートポリマーが、95質量%を上回り100質量%までのアクリル酸またはメタクリル酸のC
1〜C
4−アルキルエステルと、5質量%未満のアクリル酸またはメタクリル酸の重合された単位から構成される、前記組成物によって解決される。
【0014】
発明の詳細な説明
本発明は、
a)医薬品有効成分または栄養機能食品有効成分を含むコアa)と、
b)80質量%〜96質量%の、85質量%〜96質量%の、88質量%〜96質量%の、92質量%〜96質量%の、80質量%〜92質量%の水不溶性(メタ)アクリレートポリマーおよび4質量%〜20質量%の、4質量%〜15質量%の、4質量%〜12質量%の、4質量%〜8質量%の、8質量%〜20質量%のグァーガムの混合物を20質量%〜100質量%、30質量%〜90質量%、40質量%〜80質量%含むコーティング層b)と、
を含むか、それらを本質的に含むか、またはそれらからなる医薬品組成物または栄養機能食品組成物であって、前記水不溶性(メタ)アクリレートポリマーが、95質量%を上回り100質量%までのアクリル酸またはメタクリル酸のC
1〜C
4−アルキルエステルと、5質量%未満のアクリル酸またはメタクリル酸の重合された単位から構成される、前記組成物に関する。
【0015】
水不溶性(メタ)アクリレートポリマーとグァーガムの質量パーセントは足して100%となる。例えば、93質量%の水不溶性(メタ)アクリレートポリマーおよび7質量%のグァーガムの混合物は、質量比93:7(水不溶性(メタ)アクリレートポリマー:グァーガム)にも相当する。
【0016】
持続放出型または延長放出型の医薬品組成物または栄養機能食品組成物
本明細書に開示される医薬品組成物または栄養機能食品組成物は、好ましくは、持続放出型または延長放出型の医薬品組成物または栄養機能食品組成物である。
【0017】
インビトロ条件下で、USP(例えばUSP 32)によるpH1.2の媒体中で2時間に引き続き、該媒体をUSPによるpH6.8の緩衝媒体へと変更した後の医薬品有効成分または栄養機能食品有効成分の放出は、例えばpH1.2の段階の2時間を含む、4時間〜16時間、4時間〜12時間または4時間〜8時間の全時間において、30%〜100%の範囲、40%〜80%の範囲にあってよい。
【0018】
エタノール耐性の医薬品組成物または栄養機能食品組成物
本明細書に開示される医薬品組成物または栄養機能食品組成物は、エタノール(EtOH)耐性の医薬品組成物または栄養機能食品組成物である。
【0019】
胃液中での濃度40%まで、または40%(容量/容量)でのエタノールの存在は、通常は、既に胃内の放出速度に不所望な増大をもたらし、それが多かれ少なかれ不所望な副作用を引き起こすことがある。このように、エタノールの影響に対する効果的な保護は、医薬品有効成分または栄養機能食品有効成分のそのような不所望な増加を、胃内において、引き続いて腸内においても防止すべきである。その一方で、胃液中での濃度40%まで、または40%(容量/容量)での既に胃内の放出速度に低下をもたらし得るエタノールの存在は、さほど重要とはみなされていない。最悪の場合、剤形の効果がないかもしれないが、増大の場合に考えられるような不所望な副作用は起こらない。有効成分の正確な用量を緊急に必要としている患者に関しては、殆どの場合に同時のエタノールの摂取が原則として医師によって説明されて厳格に禁じられているか、またはそのような場合に、該投与形がとにかく、エタノール性飲料を入手できないはずの病院で与えられると想定することができる。しかしながら、有効成分放出の低下も幾つかの場合には重要であることもあり、避けられるべきである。
【0020】
一般的に、濃度40%まで、または40%(容量/容量)でのエタノールの存在は、インビトロ条件下で、USP(例えばUSP 32)によるpH1.2の媒体中で2時間後に、pH1.2で意図された持続放出速度または延長放出速度に大きな影響を及ぼすべきではない。
【0021】
従って、エタノール耐性の医薬品組成物または栄養機能食品組成物についての独自のまたは標準化された定義は存在しない。こうして、本明細書に示される定義は、本発明の意味における定義である。医薬品組成物または栄養機能食品組成物が「エタノール耐性」とみなされるためには、以下の通りに説明される2つの定義の少なくとも一方、それらの両方を満たすべきである。
【0022】
「±20%定義」(定義1)
エタノール耐性の医薬組成物または栄養機能食品組成物についての一つの定義(定義1)は、インビトロ条件下で、40%(容量/容量)のエタノールを添加したUSP(例えばUSP 32)によるpH1.2の媒体中で2時間に引き続き、pH6.8の緩衝媒体(例えばUSPによる、エタノールの添加なし)中での医薬品有効成分または栄養機能食品有効成分の放出(%)が、同じ媒体中であるが、前記pH1.2の媒体中にエタノールを添加していない媒体中で±20%(絶対百分率)より大きい分だけ相違しないということで示すことができる。比較されるべき値の測定は、もちろん妥当な時間間隔で、好ましくは30分、60分または120分の時間間隔で行われるべきである。
【0023】
一例を挙げれば、該医薬品有効成分または栄養機能食品有効成分の意図された放出速度が一定時間において、pH1.2の媒体またはpH6.8の媒体(両方ともエタノールを含まない)中で、例えば60%であるならば、40%(容量/容量)のエタノールを添加したpH1.2の媒体中、または引き続いてのpH6.8の緩衝媒体(USPによる、エタノールを含まない)中での有効成分放出は、80%以下(+20%の偏差)または40%以上(−20%の偏差)であるべきである。従って、この例における放出速度は、参照値60%に鑑みて、「エタノール耐性」とみなされるべき医薬品組成物または栄養機能食品組成物については、40%から80%まで、または40%から80%の間(±20%の偏差)であるべきである。
【0024】
「エタノールを有する媒体中でのより低い有効成分放出の定義」(定義2)
エタノール耐性の医薬組成物または栄養機能食品組成物についてのもう一つの定義(定義2)は、インビトロ条件下で、40%(容量/容量)のエタノールを添加したUSPによるpH1.2の媒体中で2時間に引き続き、pH6.8の緩衝媒体(USPによる、エタノールの添加なし)中での医薬品有効成分または栄養機能食品有効成分の放出(%)が、同じ媒体中であるが、前記pH1.2の媒体中にエタノールを添加していない媒体中でより低いということで示すことができる。
【0025】
このことは、インビトロ条件下で、40%(容量/容量)のエタノールを添加したUSP(例えばUSP 32)によるpH1.2の媒体中で2時間に引き続き、エタノールが添加されていないpH6.8の緩衝媒体(USPによる)中での医薬品有効成分または栄養機能食品有効成分の放出(%)が、好ましくはどの時点でも、または30分、60分もしくは120分の間隔の時点で少なくとも表されるどの時点でも、同じ媒体中であるが、前記pH1.2の媒体中にエタノールを添加していない媒体中での放出の開始時点と放出の終了時点との間の放出よりも低いことを意味する。
【0026】
放出または放出段階の開始時点は、通常は、pH1.2の媒体(エタノールを有さない、または有する)中に移した直後に放出を検出することができる時点であるか、またはこの媒体中での始まりの時間は適切に測定される。従って、放出段階の開始時点は、適宜、pH1.2の媒体中での1分から120分までの、例えば10分、30分、60分または120分の時点として定義することができる。
【0027】
放出段階の放出の終了時点は、適宜、ほぼ100%もしくは約100%もしくは100%の放出(エタノールを含まない)に達した時点、または放出(エタノールを含まない)が、もはやほぼ増大しない、もしくは増大しない時点として定義することができる。放出段階の終了時点は、例えば、pH1.2の媒体中で2時間に続き、pH6.8の媒体中から出発して4時間、6時間、8時間、10時間または12時間(全時間)の時点として定義することができる。
【0028】
本実施例においては、放出の開始時点は、60分として定義され、かつ終了時点は、480分または720分(全時間)として定義される。
【0029】
相応する放出時間/値は、通常、特定の時点で測定された有効成分の%での放出値のグラフである放出曲線の形で示すことができる。エタノールを含むpH1.2の媒体を使用するのに続き、pH6.8の媒体を使用したときの放出曲線が、エタノールを含まないpH1.2の媒体中に引き続きpH6.8の媒体中での曲線よりも常に低い場合に、これは、エタノールの影響下に加速が起きていないため「エタノール耐性」として認めることができる。放出/時間値は、本実施例でのような表の形でも示すことができる。エタノールを含むpH1.2の媒体中に引き続きpH6.8の媒体中での全ての相応の放出/時間値がエタノールを含む場合の放出/時間よりも低い場合に、これは、同様に「エタノール耐性」と認めることができる。もちろん、放出/時間値の測定のために規則的かつ意味のある時間間隔、例えば30分、60分または120分の間隔が選択されるべきである。
【0030】
コアa)
コアa)は、医薬品有効成分または栄養機能食品有効成分を含んでいるか、該成分を本質的に含んでいるか、または該成分からなっている。また、コアa)は、コーティング層b)とは異なる更なるコーティング層を追加で更に含んでもよい。
【0031】
前記コアa)は、中性のキャリヤーペレット、例えば糖球体またはノンパレイユを含んでよく、その上には、前記有効成分がバインダー、例えばラクトース、セルロース類、例えば微結晶性セルロース(MCC)またはポリビニルピロリドン(PVP)中で結合されていてよい。この場合に、該有効成分は、コアの表面に(コアa)の一部として)結合されていてよく、または局所的に位置していてよい。
【0032】
該有効成分のコアの表面でのそのような結合層中での結合は、通常、放出制御機能に対して効果がないか、または影響がない。従って、そのような結合層は、放出制御型のコーティング層とはみなされない。中性のキャリヤーペレットを含むか、またはそれからなってよく、その上に、前記有効成分がバインダー中で結合されているコアa)は、本発明の意味においてはコーティングされていないコアa)とみなされる。
【0033】
前記コアa)は、あるいは、中に有効成分が結合されたポリマーマトリックスの形のペレットを含んでよい。該コアa)は、結晶化された有効成分からなるコーティングされていないペレットまたは顆粒を含んでよい。該コアa)は、同様に、有効成分を含有するタブレット、ミニタブレットまたはカプセルであってよい。それらの場合において、有効成分は、全体的に見て該コアa)全体にわたって多かれ少なかれランダムに分布して位置していてよい。
【0034】
例えば中性のキャリヤーペレット、ポリマーマトリックスの形のペレットまたは結晶化有効成分からなるコーティングされていないペレットもしくは顆粒を含み得るコアa)は、コーティング層b)とは異なる1層以上の更なるポリマーコーティング層を追加的に含んでよい。そのような追加的な1層以上の更なるポリマーコーティング層は、好ましくは放出制御ポリマーコーティング層であり、該層は、コアa)の一部として、本明細書に開示される「エタノール耐性」のコーティング層b)の下に配置されてよい。そのような追加的な1層以上の更なるポリマーコーティング層は、放出制御コーティング層、例えば腸溶コーティングまたは持続放出型コーティング、好ましくはそれ自体エタノールの影響に対して耐性でない前記コーティングを含んでよい。そのような更なるポリマーコーティングのための例は、アニオン性または中性の(メタ)アクリレートコポリマー、例えばそれぞれEUDRAGIT(登録商標)L 100-55またはEUDRAGIT(登録商標)NEからなるコーティングである。コアa)の一部としての1層以上の更なるコーティング層は、有効成分を結合された形で含有してもよい。これらの全ての場合において、自身(内部)の更なるポリマーコーティングを含む全体としてのコアa)は、医薬品組成物または栄養機能食品組成物に全体としてエタノール耐性を授けるために必須の(外側)のコーティング層b)によって保護されることとなる。更なるポリマーコーティングを有するコアを使用する利点は、コーティングb)と一緒になって、混合された有効成分放出プロフィールを実現することができると同時に、エタノールの影響に対して耐性であるということである。
【0035】
従って、医薬品組成物または栄養機能食品組成物は、コーティング層b)に加えて、コアa)が1層以上の更なるポリマーコーティング層を含んでよいことを特徴とし得る。
【0036】
コーティング層b)
前記医薬品組成物または栄養機能食品組成物は、前記コアa)とコーティングb)とを含んでいるか、それらを本質的に含んでいるか、またはそれらからなっている。
【0037】
前記コーティング層b)は、コア内部もしくはコア表面にまたはその両方に位置している有効成分の放出を制御する機能を有している。該コーティング層b)は、エタノールの存在に対する、有効成分放出速度の耐性を与える機能も有する。
【0038】
「エタノール耐性」コーティング層と呼ぶことができるコーティング層b)は、コアの上に配置されている。コアと内側コーティング層との間にはサブコートが配置されていてもよい。サブコートは、コアの物質を、互いに非相容性でありうる制御層の物質から隔離する機能を有してもよい。該サブコートは、実質的に有効成分の放出特性に影響を及ぼさない。好ましくは、コアと内側コーティング層との間にはサブコートは存在しない。この場合に、該内側コーティング層は、コアと直接接触している。
【0039】
前記外側コーティング層b)の全体量は、コアa)の質量に対して、10質量%〜400質量%の、15質量%〜200質量%の、20質量%〜150質量%の、25質量%〜100質量%の範囲であってよい。
【0040】
前記コーティング層b)中のポリマーの絶対量は、50μm〜2000μm、50μm〜1000μm(平均直径)の範囲のサイズを有するペレットまたは顆粒の場合には、1mg/cm
2〜50mg/cm
2の範囲、好ましくは2mg/cm
2〜40mg/cm
2の範囲または2mg/cm
2〜30mg/cm
2の範囲であってよい。
【0041】
前記コーティング層b)中のポリマーの絶対量は、2mmより大きく、25mmまでの範囲(平均直径または長さ)のサイズを有するタブレットの場合には、0.5mg/cm
2〜20mg/cm
2の範囲、好ましくは1mg/cm
2〜10mg/cm
2の範囲であってよい。
【0042】
前記コーティング層b)は、80質量%までの、70質量%までの、60質量%までの、50質量%までの、40質量%までの、30質量%までの、20質量%までの、10質量%までの医薬品もしくは栄養機能食品に許容可能な賦形剤を含んでも、または一切含まなくてもよい(0質量%)。医薬品または栄養機能食品に許容可能な賦形剤には、本明細書に定義される水不溶性(メタ)アクリレートポリマーまたはグァーガムを含まない。好ましくは、該コーティング層b)は、40質量%未満の、30質量%未満の、10質量%未満の医薬品または栄養機能食品に許容可能な賦形剤を含むか、またはそれらを一切含まなくてもよい(0質量%)。
【0043】
前記コーティング層b)は、80質量%〜96質量%の、85質量%〜96質量%の、88質量%〜96質量%の、92質量%〜96質量%の、80質量%〜92質量%の水不溶性(メタ)アクリレートポリマーおよび4質量%〜20質量%の、4質量%〜15質量%の、4質量%〜12質量%の、4質量%〜8質量%の、8質量%〜20質量%のグァーガムの混合物(それらのパーセンテージは足して100%となる)を、20質量%〜100質量%、30質量%〜90質量%、40質量%〜80質量%含んでよく、それらを本質的に含むんでよく、またはそれらからなってよく、前記水不溶性(メタ)アクリレートポリマーは、95質量%を上回り100質量%までのアクリル酸またはメタクリル酸のC
1〜C
4−アルキルエステルと、5質量%未満のアクリル酸またはメタクリル酸のラジカル重合された単位から構成されている。
【0044】
典型的なコーティング層b)は、例えば、80質量%〜96質量%の本明細書に定義される水不溶性(メタ)アクリレートポリマーと4質量%〜20質量%のグァーガムとの混合物約40質量%〜80質量%および医薬品または栄養機能食品に許容可能な賦形剤、例えばタルクのような滑沢剤、黄色酸化鉄のような顔料および/またはメチルパラベンもしくはプロピルパラベンのような保存剤60質量%〜20質量%を含んでよく、または含有してよい。
【0045】
エタノール耐性のコーティング層b)でコーティングされたコアa)を用いた二重層製剤のための例
一例としては、該コアa)は、持続放出型ポリマー層を含む医薬品有効成分または栄養機能食品有効成分を含有するペレットであってよい。コーティング厚さは、有効成分含有ペレットの質量に対して5質量%〜40質量%であってよい。そのような持続放出型ポリマー層は、例えば水不溶性ポリマー、好ましくは95質量%を上回り100質量%までのアクリル酸またはメタクリル酸のC
1〜C
4−アルキルエステルと、5質量%未満のアクリル酸またはメタクリル酸のラジカル重合された単位から構成される水不溶性ポリマー(EUDRAGIT(登録商標)NEまたはNM型)を、好ましくは賦形剤と組み合わせて、最も好ましくはヒドロキシルプロピルセルロースのような細孔形成性賦形剤と組み合わせて含んでよい。細孔形成剤の量は、水不溶性ポリマーに対して約5質量%〜30質量%であってよい。
【0046】
そのようなコアa)は、USP(例えばUSP 32による、40%(容量/容量)のエタノールの添加なし)によるpH1.2の媒体中で2時間後に10%より多くの有効成分を放出しない。pH1.2の媒体中で2時間に引き続き、pH6.8の緩衝媒体中での放出速度は、この場合に、6時間〜10時間の全時間後に約60%〜100%であってよい。
【0047】
しかしながら、40%(容量/容量)のエタノールを添加したUSP(例えばUSP 32)によるpH1.2の媒体中で2時間後に、有効成分の放出は60%〜80%に加速される。これは、本実施例のコーティングされたコアa)が「エタノール耐性」ではなく、かつエタノール性媒体中でもはや胃液耐性特性を示さないことを意味する。
【0048】
「エタノール耐性」となるために、前記のコアa)は、本明細書に開示されたコーティングb)でコーティングされ得る。そのようなコーティング層b)は、95質量%を上回り100質量%までのアクリル酸またはメタクリル酸のC
1〜C
4−アルキルエステルと、5質量%未満のアクリル酸またはメタクリル酸のラジカル重合された単位から構成される水不溶性ポリマー(EUDRAGIT(登録商標)NEまたはNM型)および本明細書に開示されるグァーガムの混合物(例えば比93:7の混合物)を、好ましくは賦形剤と組み合わせて、最も好ましくはヒドロキシルプロピルセルロースのような細孔形成性賦形剤と組み合わせて含んでよい。細孔形成剤の量は、水不溶性ポリマーおよびグァーガムの混合物に対して約10質量%〜40質量%であってよい。コーティング層b)のコーティング厚さは、コアa)の質量に対して、約5質量%〜10質量%、5質量%〜50質量%、20質量%〜40質量%であってよい。
【0049】
得られた医薬品組成物または栄養機能食品組成物は、40%(容量/容量)のエタノールが添加されない場合と添加された場合のpH1.2の媒体中に引き続き、pH6.8の緩衝液中において両者の場合に6時間〜10時間の全時間後に約60%〜100%という同様の放出速度にある胃液耐性特性を示し、それらは「エタノール耐性」とみなすことができる。
【0050】
トップコートおよびサブコート
本明細書に開示される医薬品組成物または栄養機能食品組成物は、更にサブコートもしくはトップコートまたはその両方でコーティングされていてよい。
【0051】
サブコートはコアa)の一部であってよく、かつコーティング層b)の下に配置されていてよい。サブコートは、コアの物質を、互いに非相容性でありうる制御層の物質から隔離する機能を有してもよい。該サブコートは、実質的に有効成分の放出特性に影響を及ぼさない。従って、本発明において定義されるサブコートは、放出制御層とはみなされない。サブコートは、好ましくは実質的に水溶性であり、例えばサブコートは、被膜形成剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)のような物質からなっていてよい。該サブコート層の平均厚さは、非常に薄く、例えば15μm以下、好ましくは10μm以下である。
【0052】
前記コーティング層b)の上には、トップコートが配置されていてよい。トップコートも、好ましくは実質的に水溶性である。トップコートは、医薬品形もしくは栄養機能食品形を着色する機能、または環境的影響から、例えば貯蔵の間の湿分から保護する機能を有してよい。該トップコートは、バインダー、例えば水溶性ポリマー、例えば多糖もしくはHPMCまたは糖化合物、例えばショ糖からなっていてよい。該トップコートは、更に、医薬品用または栄養機能食品用の賦形剤、例えば顔料または滑沢剤を多量に含有してよい。該トップコートは、実質的に放出特性に影響を及ぼさない。
【0053】
サブコートおよびトップコートという表現は、当業者によく知られている。
【0054】
前記医薬品組成物または栄養機能食品組成物は、好ましくは、水不溶性(メタ)アクリレートおよびグァーガムを含むコーティング層b)を除いて、該医薬品有効成分または栄養機能食品有効成分の放出を制御する更なる制御層が存在しないことを特徴としうる。
【0055】
水不溶性(メタ)アクリレートポリマー
本発明の意味における「水不溶性(メタ)アクリレートポリマー」という用語は、「少なくとも1種の水不溶性(メタ)アクリレートポリマー」として理解されるべきであり、従って1種以上の水不溶性ポリマーの存在を含んでよく、それには、pH1〜pH14の全範囲にわたって水中に溶けず、かつ水中に膨潤できるにすぎないホモポリマーだけでなく、コポリマーも含まれる。
【0056】
EUDRAGIT(登録商標)NE 30D/EUDRAGIT(登録商標)NM 30Dの種類のポリマー
前記コーティング層b)は、95質量%を上回り100質量%までのアクリル酸またはメタクリル酸のC
1〜C
4−アルキルエステルと、5質量%未満のアクリル酸またはメタクリル酸の(ラジカル)重合された単位から構成される、水不溶性(メタ)アクリレートポリマーを含む。これらの種類のポリマーは、pH1〜pH14の全範囲にわたって、水中に溶けないか、または水中に膨潤できるにすぎない。
【0057】
適切なアクリル酸またはメタクリル酸のC
1〜C
4−アルキルエステルは、例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレートおよびブチルアクリレートである。メチルメタクリレート、エチルアクリレートおよびメチルアクリレートが好ましい。
【0058】
アニオン性基、例えばアクリル酸および/またはメタクリル酸を有するメタクリレートモノマーは、5質量%未満の、4質量%未満、3質量%未満、2質量%未満または1質量%未満の少量で、好ましくは1質量%以下まで、または0.05質量%〜1質量%まで、もしくは0質量%〜0.5質量%まで存在してよい。アニオン性基を有するメタアクリレートモノマーが含まれていないことが好ましい。
【0059】
水不溶性(メタ)アクリレートポリマーの適切な例は、20質量%〜40質量%のエチルアクリレート、60質量%〜80質量%のメチルメタクリレート、および0質量%から5質量%未満の、好ましくは0質量%〜2質量%もしくは0.05質量%〜1質量%もしくは0質量%〜0.5質量%のメタクリル酸から構成される、または任意のメタクリル酸から構成されるコポリマーである(EUDRAGIT(登録商標)NE 30DまたはEUDRAGIT(登録商標)NM 30Dの種類)。
【0060】
EUDRAGIT(登録商標)NE 30DおよびEUDRAGIT(登録商標)NM 30Dは、30質量%のエチルアクリレートと70質量%のメチルメタクリレートのラジカル重合された単位から構成されるコポリマー30質量%を含有する分散液である。
【0061】
国際公開第01/68767号パンフレット(WO01/68767)に従って1質量%〜10質量%の、HLB値15.2〜17.3を有する非イオン性乳化剤を使用して分散液として調製されている中性のまたは実質的に中性のメチルアクリレートコポリマーが好ましい。前記コポリマーは、乳化剤により結晶構造を形成して相分離を起こさないという利点がある(EUDRAGIT(登録商標)NM 30Dの種類)。
【0062】
しかしながら、欧州特許出願公開第1571164号明細書(EP1571164A2)によれば、0.05質量%〜1質量%の少ない割合のモノエチレン性不飽和のC
3〜C
8−カルボン酸を有する、相応の事実上中性の(メタ)アクリレートコポリマーは、比較的少量の、例えば0.001質量%〜1質量%のアニオン性乳化剤の存在下で乳化重合によって製造することもできる。
【0063】
グァーガム
グァーガムは、一年生マメ科植物クラスタマメ(Cyamopsis tretragonolobus)(慣用名:グァールまたはクラスタービーン、ガヴァール、グアールまたはグヴァール)の種子から抽出される天然多糖類である。グァーガムは、水溶性であり、かつ水中で粘性化効果を示すガラクトマンナンである。本発明の意味におけるグァーガムという用語には、あらゆる品質のグァーガムが含まれるべきである。従って、グァーガムには、高分子量の天然グァーガムだけでなく、加工されたグァーガム、例えば約20000ダルトン〜30000ダルトンの比較的低い分子量(M
w)を有する部分加水分解されたグァーガム(PHGG)が含まれる。
【0064】
分子量(M
w=質量平均分子量)を測定するための分析法は、当業者によく知られている。一般的に、分子量M
wは、ゲル浸透クロマトグラフィーによって、または散乱光法によって測定することができる(例えばH.F.Markら,ポリマー科学と工学の事典(Encyclopedia of Polymer Science and Engineering)、第2版、第10巻、1頁以降、J.Wiley、1989を参照のこと)。
【0065】
粘度
適切な種類のグァーガムは、100センチポアズ(cp)〜5000cpの、500cp〜4500cpの1%水溶液(質量/質量)の25℃での粘度を有する。
【0066】
ポリマー溶液、例えばグァーガムの溶液の粘度の測定の方法論は、当業者によく知られている。その試験は、スピンドル式粘度計を使用して実施される。
【0067】
1%グァーガムの粘度は、5gの生成物を、ビーカー中で445gの蒸留水へと、オーバーヘッド撹拌機を使用して約1500rpmで撹拌しながら添加することによって測定することができる。次いで追加の50gの水を加えて、ビーカーの壁をすすいだ。1時間にわたり撹拌して、完全な溶液になった後に、粘度は、LV型のブルックフィールド粘度計を使用して25℃で適切なスピンドルを使用して測定される。例えば、高粘度(4219cps)のグァーガムおよび中程度の粘度(2000cps)のグァーガムの粘度は、モデル番号LVDV-II+Pのブルックフィールド粘度計を使用してスピンドルLV-3(63)を用いて12rpmで測定した。理論上可能なわずかな差は、微々たるものとみなされる。
【0068】
持続放出または延長放出
延長放出または持続放出のための一般的な定義は、「USPの命名ガイドライン(Nomenclature guidelines for USP)第6頁および第7頁」に延長放出として示されており、延長放出物は、消化後の延長された時間にわたって薬剤物質が利用できるように製剤化される。
【0069】
典型的な医薬品組成物または栄養機能食品組成物は、好ましくは持続放出または延長放出の種類の放出形の組成物であり、かつインビトロ条件下で、pH1.2の媒体中で2時間に引き続き、pH6.8の緩衝媒体(USPによる)へと変更した後の医薬品有効成分または栄養機能食品有効成分の放出が、4時間から16時間までのまたは4時間から12時間までの、4時間から8時間までのまたは8時間から12時間までの全時間において、30%〜90%、40%〜80%または70%〜100%であることを特徴としうる。この場合における用語「全時間」は、pH1.2で2時間の段階を含むべきである。このように、4時間の「全時間」は、pH1.2で2時間に加えてpH6.8で2時間を意味すべきである。腸溶放出形においては、pH1.2の媒体中での2時間後の放出は、10%以下である。
【0070】
医薬品有効成分または栄養機能食品有効成分
本発明による組成物は、医薬品有効成分または栄養機能食品有効成分を含んでいる。従って、本発明による組成物は、医薬品組成物または栄養機能食品組成物である。本発明による組成物は、好ましくは、医薬品有効成分または栄養機能食品有効成分を含むコアa)を含む、持続放出型または延長放出型の医薬品組成物または栄養機能食品組成物である。好ましくは、コアa)は、1質量%〜100質量%の、2質量%〜80質量%の、5質量%〜75質量%の、10質量%〜50質量%の医薬品有効成分または栄養機能食品有効成分を含んでよい。
【0071】
栄養機能食品有効成分
本発明による組成物は、好ましくは栄養機能食品組成物または栄養機能食品剤形(栄養機能食品)のために有用である。栄養機能食品または栄養機能食品成分は、ヒトの健康に医療効果を及ぼすと言われる食品の抽出物として定義することができる。栄養機能食品は、通常は、所定の用量でカプセル剤、錠剤または散剤のような医用形態で含まれる。栄養機能食品のための例は、抗酸化剤としてのブドウ生成物由来のレスベラトロール、可溶性食物繊維生成物、例えば高コレステロール血症を軽減するためのオオバコ種殻、がん予防剤(cancer preservative)としてのブロッコリー(スルファン)、および動脈の健康を改善するための大豆またはクローバー(イソフラボノイド)である。他の栄養機能食品の例は、フラボノイド、抗酸化剤、アマニ由来のα−リノレン酸、マリーゴールドの花弁または魚油由来のβ−カロテンである。時として、ノイトラシューティカルズ(neutraceuticals)という表現が、栄養機能食品(nutraceuticals)についての同義語として使用される。
【0072】
医薬品有効成分
本発明による組成物は、好ましくは医薬品組成物または医薬品剤形(医薬品)のために有用である。本発明は、好ましくは、持続放出型に製剤化された医薬品組成物または医薬品剤形のために有用である。
【0073】
持続放出型または延長放出型に製剤化されたコーティングされた医薬品剤形で使用される治療的クラスおよび化学的クラスの医薬品有効成分(薬剤)は、例えば、鎮痛薬、抗生物質もしくは抗感染薬、抗体、抗てんかん薬、植物由来の抗原、抗リウマチ薬、ベータ遮断薬、ベンゾイミダゾール誘導体、ベータ遮断薬、心臓血管薬、化学療法剤、CNS薬、ジギタリス配糖体、胃腸薬、例えばプロトンポンプ阻害薬、酵素、ホルモン、液体または固体の天然抽出物、オリゴヌクレオチド、ペプチドホルモンタンパク質、治療用細菌、ペプチド、タンパク質、プロトンポンプ阻害剤、(金属)塩、すなわちアスパラギン酸塩、塩化物、オロト酸塩(orthates)、泌尿器薬、ワクチンである。
【0074】
持続型または延長型の制御放出のための医薬の更なる例は、アカンプロサート、アエシン、アミラーゼ、アセチルサリチル酸、アドレナリン、5−アミノサリチル酸、アウレオマイシン、バシトラシン、バルサラジン、ベータカロテン、ビカルタミド ビサコジル、ブロメライン、ブロメライン、ブデソニド、カルシトニン、カルバマシピン(carbamacipine)、カルボプラチン、セファロスポリン、セトロレリックス、クラリスロマイシン、クロロマイセチン、シメチジン、シサプリド、クラドリビン、クロラゼペート、クロマリン(cromalyn)、1−デアミノシステイン−8−D−アルギニン−バソプレッシン、デラムシクラン、デチレリックス、デクスランソプラゾール、ジクロフェナク、ジダノシン、ジギトキシンおよび他のジギタリス配糖体、ジヒドロストレプトマイシン、ジメチコン、ジバルプロエクス、ドロスピレノン、デュロキセチン、酵素、エリスロマイシン、エソメプラゾール、エストロゲン、エトポシド、ファモチジン、フッ化物、ニンニク油、グルカゴン、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、ヘパリン、ヒドロコルチゾン、ヒト成長ホルモン(hGH)、イブプロフェン、イラプラゾール、インスリン、インターフェロン、インターロイキン、イントロンA、ケトプロフェン、ランソプラゾール、酢酸ロイプロリド リパーゼ、リポ酸、リチウム、キニン、メマンチン、メサラジン、メテナミン、ミラメリン、ミネラル類、ミノプラゾール、ナプロキセン、ナタマイシン、ニトロフランチオン(nitrofurantion)、ノボビオシン、オルサラジン、オメプラゾール、オロト酸塩、パンクレアチン、パントプラゾール、副甲状腺ホルモン、パロキセチン、ペニシリン、ペルプラゾール、ピンドロール、ポリミキシン、カリウム、プラバスタチン、プレドニゾン、プレグルメタシン(preglumetacin) プロガビド、プロソマトスタチン、プロテアーゼ、キナプリル、ラベプラゾール、ラニチジン、ラノラジン、レボキセチン、ルトシド、ソマトスタチン ストレプトマイシン、サブチリン、スルファサラジン、スルファニルアミド、タムスロシン、テナトプラゾール、トリプシン(thrypsine)、バルプロ酸、バソプレッシン、ビタミン類、亜鉛であってよい。
【0075】
更なる例は、塩酸ブプロピオン(Buproprion)、リン酸カルベジロール、クロニジン、塩酸シクロベンザプリン、コデイン、ダルファムプリジン、コハク酸デスベンラファキシン、塩酸デクスメチルフェニデート、フマル酸フェソテロジン、ガバペンチンエナカルビル、ラモトリギン、レベチラセチン、塩酸メマンチン、塩酸メトフルミン、サクサグリプチン、コハク酸メトロプロロール、硫酸モルヒネ、ナルトレキソン(naltreoxzone)、塩酸オキシコドン、塩酸オキシモルホン、二塩酸プラミペキソール、フマル酸クエチアピン、塩酸ロピニロール、塩酸タペンタドール、塩酸トラマドール(Tramodol HCl)、塩酸トラゾドン、塩化トロスピウム、塩酸ベンラファキシン、チオフィリン、ジプロフィリン、それらの塩、誘導体、多形、同形であり、またはそれらの任意の種類の混合物もしくは組み合わせである。
【0076】
医薬品組成物または栄養機能食品組成物
本明細書に開示される医薬品組成物または栄養機能食品組成物は、錠剤、小型錠剤、ペレット剤、顆粒剤、サシェまたはカプセル剤の形で含まれてよく、またはその形で存在してもよい。カプセル剤は、例えば、被覆錠剤の形の本発明による組成物で、または被覆顆粒剤で充填されていてよく、ここで「被覆」とは、コーティング層b)で少なくともコーティングされていることを意味する。もう一つの実施形態においては、コーティング層b)で自体コーティングされたカプセル剤は、被覆ペレット剤もしくは非被覆ペレット剤で、散剤で、または被覆顆粒剤もしくは非被覆顆粒剤で充填されていてよい。
【0077】
錠剤という用語は、ペレット含有の錠剤または圧縮錠剤を含み、その用語は当業者によく知られている。そのような錠剤は、4mmより大きい、例えば約5mm〜25mmのサイズを有してよい。通常は、定義された複数個の小さな有効成分含有ペレットを、その中に結合用賦形剤と一緒に圧縮して、よく知られた錠剤形が得られる。経口摂取と体液との接触の後に、該錠剤形は崩壊し、それらのペレットが放出される。圧縮錠剤は、経口摂取用の単独投与形の利点と、複数の剤形の利点、例えば投与量精度とを兼ね備える。
【0078】
小型錠剤という用語は、当業者によく知られている。小型錠剤は、古典的な錠剤よりも小さく、約1mm〜4mmのサイズを有してよい。小型錠剤は、ペレットのように、複数投与で使用されるべき単独投与形である。同じサイズであってよい複数のペレットと比較して、小型錠剤は、通常は、より正確かつより均一に被覆することができるより規則的な表面を有するという利点を有する。複数の小型錠剤を、カプセル中、例えばゼラチンカプセル中に封入して提供することもできる。そのようなカプセルは、経口摂取と胃液または腸液と接触した後に崩壊し、それらの小型錠剤が放出される。小型錠剤のもう一つの応用例は、有効成分投与量の個々の微調整である。この場合に、患者は、治療する疾患の重症度に直接適合するが、その個々の体重にも適合する規定数の小型錠剤を経口摂取しうる。小型錠剤は、先に論じられたペレット含有圧縮錠剤とは異なる。
【0079】
サシェという用語は、当業者によく知られている。それは、有効成分を、しばしばペレット含有液体形で、または乾燥ペレット形もしくは粉末形で含有する小さい密封された包装を指す。サシェ自身は、経口摂取されることが意図されない包装形であるにすぎない。サシェの内容物は、水中に溶解され得るか、または有利な特徴としては、更なる液体を直接的に用いずに吸い込むまたは経口摂取することができる。その特徴は、水が手に入らない状況で該投与形を経口摂取すべき場合に患者にとって有利な特徴である。サシェは、錠剤、小型錠剤またはカプセル剤に代わる投与形である。
【0080】
好ましくは延長放出型または持続放出型の医薬品用または栄養機能食品用のコーティング組成物は、好ましくは水性コーティング溶液、懸濁液または分散液の形で存在する。そのような溶液、懸濁液または分散液の乾燥質量含有量は、10%〜50%の範囲、好ましくは15%〜35%の範囲であってよい。
【0081】
医薬品または栄養機能食品に許容可能な賦形剤
医薬品または栄養機能食品に許容可能な賦形剤は、当業者に良く知られ、しばしば薬学および生薬の分野において加工助剤または製剤化助剤として使用される賦形剤である。医薬品または栄養機能食品に許容可能な、とは、賦形剤が有毒または毒性でなく、かつ医薬品組成物または栄養機能食品組成物で使用するために許容されることを意味する。
【0082】
前記医薬品組成物または栄養機能食品組成物は、酸化防止剤、増白剤、結合剤、フレーバリング剤、流動助剤、芳香剤、滑沢剤、浸透促進剤、顔料、可塑剤、本明細書に定義される水不溶性ポリマーと異なり、かつグァーガムとは異なるポリマー、細孔形成剤もしくは安定化剤またはそれらの組合せ物を含んでよい。該医薬品または栄養機能食品に許容可能な賦形剤は、コアa)中に、および/またはコーティング層b)中に含まれていてよい。
【0083】
前記コーティング層は、80質量%までの、70質量%までの、60質量%までの、50質量%までの、40質量%までの、30質量%までの、20質量%までの、10質量%までの、または0質量%〜40質量%の、5質量%〜35質量%の、10質量%〜30質量%の医薬品もしくは栄養機能食品に許容可能な賦形剤を含んでも、または一切含まなくてもよい(0質量%)。
【0084】
医薬品または栄養機能食品に許容可能な賦形剤は、酸化防止剤、増白剤、結合剤、フレーバリング剤、流動助剤、芳香剤、滑沢剤、浸透促進剤、ポリマー(好ましくは本明細書で定義される水不溶性ポリマーとは異なり、かつグァーガムとは異なるポリマー、賦形剤ポリマーは、例えばポリビニルピロリドンのような崩壊剤であってよい)、顔料、可塑剤、細孔形成剤(細孔形成性ポリマー、例えばヒドロキシルプロピルセルロース(HPC)を含む)もしくは安定化剤またはそれらの組合せ物の群から選択することができる。
【0085】
好ましくは、医薬品または栄養機能食品に許容可能な賦形剤は、ヒドロキシルプロピルセルロースまたは細孔形成性ポリマーを除いて、ポリマーを含まない。幾つかの実施形態においては、医薬品または栄養機能食品に許容可能な賦形剤は、全くポリマーを含まなくてよい。
【0086】
更なるポリマーのコーティング層b)への添加
医薬品組成物または栄養機能食品組成物のコーティング層b)は、更なるポリマーとも呼ばれうる医薬品または栄養機能食品に許容可能な賦形剤、中性もしくはイオン性の側基を有する1種以上のポリマーもしくはコポリマー、好ましくは水溶性のポリマーもしくはコポリマーであって、前記水不溶性(メタ)アクリレートポリマーおよびグァーガムとは異なるポリマーまたはコポリマーを更に含んでもよい。例えば、そのような中性またはイオン性の側基を有する追加的なまたは更なるポリマーまたはコポリマーの1種以上は、コーティング層b)中にそれぞれ、本明細書に開示される医薬品組成物または栄養機能食品組成物の特性に悪影響が及ぼされない限りは、含まれていても、または含有されていてもよい。
【0087】
前記内側コーティング層または外側コーティング層に追加的に含まれてよい、または含有されてよい、中性またはイオン性の側基を有する更なるポリマーまたはコポリマーは、セルロース、アルキルセルロース、アニオン性セルロース、アニオン性ビニルポリマーまたはアニオン性(メタ)アクリレートコポリマーの群に属しうる。該水溶性セルロースは、好ましくは、セルロースの水溶性のメチルエーテル、エチルエーテルもしくはプロピルエーテルまたはそれらの任意の組み合わせの群から選択することができる。該水溶性セルロースは、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)ヒドロキシメチルプロピルセルロース(HPMC)、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースまたはそれらの任意の組み合わせの群から選択することができる。
【0088】
通常、コーティング層は、内側コーティング層中の本明細書で定義される水不溶性ポリマーおよびグァーガムの混合物の含有量に対してそれぞれ計算して、10質量%未満の、5質量%未満の、2質量%未満の、1質量%未満のこれらの中性もしくはイオン性の側基を有する更なるポリマーもしくはコポリマーを含むかもしくは含有してよく、またはこれらを一切含まなくてよい(0質量%)。原則的に、前記医薬品組成物または栄養機能食品組成物の内側コーティング層および/または外側コーティング層が、そのような追加的な更なるポリマーまたはコポリマーを一切含まないか、または含有しないことが好ましい。
【0089】
更なるポリマーとしてのポリビニルピロリドン
前記コーティング層b)は、更なるポリマーとして、1種以上の水溶性ポリビニルピロリドンを含んでよい。水溶性ポリビニルピロリドンの好ましい分子量(M
w)は、2500g/モル〜2500000g/モルの、5000g/モル〜250000g/モルの、10000g/モル〜50000g/モルの範囲であってよい。分子量(M
w=質量平均分子量)を測定するための分析法は、当業者によく知られている。一般的に、分子量M
wは、ゲル浸透クロマトグラフィーによって、または散乱光法によって測定することができる(例えばH.F.Markら,ポリマー科学と工学の事典(Encyclopedia of Polymer Science and Engineering)、第2版、第10巻、1頁以降、J.Wiley、1989を参照のこと)。好ましくは、前記コーティング層は、10質量%未満の、5質量%未満の、2質量%未満の、1質量%未満の1種以上の水溶性ポリビニルピロリドンを含むか、もしくは含有してよく、または該水溶性ポリビニルピロリドンを一切含まなくてもよい(0%)。
【0090】
更なるポリマーとしての中性セルロース
適切な中性セルロースの例は、微結晶性セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)またはヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)である。中性の水溶性セルロースは、好ましくは、セルロースの水溶性のメチルエーテル、エチルエーテルもしくはプロピルエーテルまたはそれらの任意の組み合わせの群から選択することができる。該水溶性セルロースは、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシメチルプロピルセルロース(HPMC)、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースまたはそれらの任意の組み合わせの群から選択することができる。
【0091】
好ましくは、前記コーティング層b)は、10質量%未満の、5質量%未満の、2質量%未満の、1質量%未満の中性セルロースもしくは中性水溶性セルロースを含むか、もしくは含有してよく、または該中性セルロースもしくは中性水溶性セルロースを一切含まなくてもよい(0%)。
【0092】
更なるポリマーとしてのアニオン性セルロース
適切なアニオン性ポリマーまたはコポリマーは、カルボキシメチルセルロースおよびそれらの塩(CMC、Na-CMC、Blanose(登録商標)、Tylopur(登録商標))、カルボキシメチルエチルセルロースおよびそれらの塩、セルロースアセテートフタレート(CAP)、セルロースアセテートスクシネート(CAS)、セルロースアセテートトリメリテート(CAT)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP、HP50、HP55)またはヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS-LF、-MF、-HF)であってよい。好ましくは、前記コーティング層は、10質量%未満の、5質量%未満の、2質量%未満の、1質量%未満のアニオン性セルロースを含むか、もしくは含有してよく、または該アニオン性(メタ)アクリレートコポリマーを一切含まなくてもよい(0%)。
【0093】
更なるポリマーとしてのアニオン性ポリビニルポリマー
適切なポリビニルポリマーまたはコポリマーは、ポリビニルアセテート−フタレート、ビニルアセテートとクロトン酸の9:1のコポリマーまたはポリビニルアセテート−スクシネートによって例示されるアクリル酸またはメタクリル酸とは異なる不飽和カルボン酸から誘導される構造単位を含んでよい。好ましくは、前記コーティング層は、10質量%未満の、5質量%未満の、2質量%未満の、1質量%未満のポリビニルポリマーもしくはコポリマーを含むか、もしくは含有してよく、または該ポリビニルポリマーもしくはコポリマーを一切含まなくてもよい(0%)。
【0094】
更なるポリマーとしてのアニオン性(メタ)アクリレートコポリマー
適切なアニオン性(メタ)アクリレートコポリマーは、25質量%〜95質量%の、好ましくは40質量%〜95質量%の、特に60質量%〜40質量%の、アクリル酸もしくはメタクリル酸のラジカル重合されたC
1〜C
18−アルキルエステル、好ましくはC
1〜C
8−もしくはC
1〜C
4−アルキルエステルと、75質量%〜5質量%の、好ましくは60質量%〜5質量%の、特に40質量%〜60質量%の、アニオン性基を有する(メタ)アクリレートモノマーとを含んでよい。
【0095】
上述のモノマーの割合は、通常は足し合わせて100質量%となる。しかしながら、追加的にまた、これが必須の特性の減損または変更に導かなければ、0質量%〜10質量%の、例えば1質量%〜5質量%の範囲の少量の、ビニル性共重合が可能な更なるモノマー、例えばヒドロキシエチルメタクリレートまたはヒドロキシエチルアクリレートのようなモノマーが存在することも可能である。ビニル性共重合が可能な更なるモノマーが存在しないことが好ましい。
【0096】
アクリル酸またはメタクリル酸のC
1〜C
4−アルキルエステルは、特にメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレートおよびブチルアクリレートである。
【0097】
好ましくは、前記コーティング層は、10質量%未満の、5質量%未満の、2質量%未満の、1質量%未満のアニオン性(メタ)アクリレートコポリマーを含むか、もしくは含有してよく、または該アニオン性(メタ)アクリレートコポリマーを一切含まなくてもよい(0%)。
【0098】
医薬品形または栄養機能食品形の製造方法
本明細書に開示される医薬品組成物または栄養機能食品組成物の適切な製造方法は、医薬品有効成分または栄養機能食品有効成分を含むコアa)を、直接的な圧縮により、乾燥顆粒、湿潤顆粒もしくは焼結顆粒の圧縮により、押出に引き続いての丸み付けにより、湿式造粒もしくは乾式造粒により、直接的なペレット化により、もしくは有効成分不含のビーズもしくは中性コアもしくは有効成分含有粒子上に粉末を結合させることにより形成し、そしてコーティング層b)を水性分散液もしくは有機溶液の形で噴霧法もしくは流動床噴霧造粒法によって適用することによって行うことができる。
【0099】
ペレット/顆粒/錠剤/小型錠剤/サシェ/カプセル剤
本明細書に開示される医薬品組成物または栄養機能食品組成物は、被覆錠剤、被覆小型錠剤、被覆ペレット剤、被覆顆粒剤、サシェ、被覆ペレットもしくは粉末もしくは顆粒で充填されたカプセル剤、または被覆カプセル剤であってよい。
【0100】
ペレットまたは顆粒は、コアとして、または圧縮錠剤において使用することができる。おおざっぱな見積もりとして、ペレットは、50μm〜2000μm、50μm〜1000μmの範囲のサイズ(平均直径)を有しうるが、被覆錠剤は、2mmを上回り25mmまでの範囲のサイズ(平均直径または長さ)を有しうる。通常は、ペレットコアのサイズが小さくなれば、ペレットのコーティングの増量がより高く必要とされると言うことができる。これは、ペレットの表面積が錠剤と比較して大きいためである。
【0101】
ペレット含有錠剤または圧縮錠剤という用語は、当業者によく知られている。そのような錠剤は、例えば約5mm〜25mmのサイズを有してよい。通常は、定義された複数個の小さい有効成分含有ペレットを、その中に結合用賦形剤と一緒に圧縮して、よく知られた錠剤形が得られる。経口摂取と体液との接触の後に、該錠剤形は崩壊し、それらのペレットが放出される。圧縮錠剤は、経口摂取用の単独投与形の利点と、複数の剤形の利点、例えば投与量精度とを兼ね備える。錠剤コーティングにおいては、ペレットとは異なり、比較的少量の賦形剤、好ましくはタルクが、しかしまた他の賦形剤も使用することができる。
【0102】
小型錠剤という用語は、当業者によく知られている。小型錠剤は、古典的な錠剤よりも小さく、約1mm〜4mmのサイズを有してよい。小型錠剤は、ペレットのように、複数投与で使用されるべき単独投与形である。同じサイズであってよい複数のペレットと比較して、小型錠剤は、通常は、より正確かつより均一に被覆することができるより規則的な表面を有するという利点を有する。複数の小型錠剤を、カプセル中、例えばゼラチンカプセル中に封入して提供することができる。そのようなカプセルは、経口摂取と胃液または腸液と接触した後に崩壊し、それらの小型錠剤が放出される。小型錠剤のもう一つの応用例は、有効成分投与量の個々の微調整である。この場合に、患者は、治療する疾患の重症度に直接適合するが、その個々の体重にも適合する規定数の小型錠剤を経口摂取しうる。小型錠剤は、先に論じられたペレット含有圧縮錠剤とは異なる。
【0103】
サシェという用語は、当業者によく知られている。それは、有効成分を、しばしばペレット含有液体形で、または乾燥ペレット形もしくは粉末形で含有する小さい封止された包装を指す。サシェ自身は、経口摂取されることが意図されない包装形であるにすぎない。サシェの内容物は、水中に溶解されてよく、または有利な特徴としては、更なる液体を直接的に用いずに吸い込むまたは経口摂取することができる。その特徴は、水が手に入らない状況で該投与形を経口摂取すべき場合に患者にとって有利な特徴である。サシェは、錠剤、小型錠剤またはカプセル剤に代わる投与形である。
【0104】
カプセルという用語は、当業者によく知られている。カプセルは、サシェと同様に、ペレットを含有する液体のための、または乾燥ペレットもしくは粉末のための容器である。しかしながら、サシェとは異なって、カプセルは、医薬品に許容可能な賦形剤、例えばゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)からなり、錠剤と同様に経口摂取されることが意図される。該カプセルは、経口摂取と胃液または腸液と接触した後に崩壊し、そして収容されている多数のユニットが放出される。医薬品目的のためのカプセルは、種々の標準的なサイズで市販されている。
【0105】
使用
本明細書に記載される医薬品組成物または栄養機能食品組成物は、エタノールの影響に対する耐性を有する腸溶放出型、持続放出型または延長放出型の医薬品組成物または栄養機能食品組成物として使用することができる。用語「腸溶放出」、「持続放出」および「延長放出」は、当業者に良く知られている。
【0106】
実施例
分析方法
1.
コハク酸メトプロロールのための溶出法
コハク酸メトプロロールペレットの溶出を、クロマトグラフィーによって検出した。
【0107】
クロマトグラフィー条件
カラム: Agilent Zorbax C8カラム、150×4.6mm、5μmまたはそれと同等
カラム温度: 25℃
試料温度: 25℃
移動相: バッファー:アセトニトリル(750:250)
注入容量: 20μL
波長: 280nm
実行時間: 10.0分
保持時間: 約3.0分
ラベル表示: 190mg。
【0108】
勾配フロー
【表1】
【0109】
バッファーの調製
9グラムの第一リン酸ナトリウム(NaH
2PO
4・H
2O)を量り、1000mlの水に移し、超音波処理することで、該塩を溶解させた。8.0mlの1Mのオルトリン酸をそこに添加し、1Mの第一リン酸ナトリウムまたはオルトリン酸を用いてpHを3.0(±0.05)に調整した。該バッファーを0.45μmのナイロン6.6メンブレンフィルタを通じて濾過した。
【0110】
溶出パラメータ
酸性段階
装置: USP-II(パドル)
容量: 900mL
溶出媒体: 0.1NのHCl/40%のアルコール性HCl
温度: 37.0℃±0.5℃
RPM: 50。
【0111】
緩衝段階
装置: USP-II(パドル)
容量: 500mL
溶出媒体: pH6.8のリン酸バッファー
温度: 37.0℃±0.5℃
RPM: 50。
【0112】
溶出媒体
0.1NのHClの調製
約8.8mlの濃HClを、水で1000mlまで希釈した。
【0113】
40%のアルコール性の0.1NのHClの調製
400mlのエタノールを、550mlの水に添加した。この溶液に8.8mlの濃HClを添加し、次いで容量を1000mlの標線にまで補い、混合した。
【0114】
pH6.8のバッファーの調製
6.8gのリン酸二水素カリウムおよび0.89gの水酸化ナトリウムを1000mlの水中に移し、混合した。pHを、0.2Mの水酸化ナトリウム溶液で6.8±0.05に調整した。
【0115】
ストック溶液の調製
47.5mgのコハク酸メトプロロールの標準試薬を50ml容量のフラスコ中に移した。約25mlのメタノールを添加し、超音波処理にかけて溶解させた後に、水で50mlの標線にまで補った。10mlのこの溶液を溶出媒体で25mlにまで希釈した。
【0116】
pH6.8のバッファー中の標準溶液の調製
10mlのストック溶液を溶出媒体で25mlにまで希釈した。
【0117】
0.1NのHClおよび40%のアルコール性HCl中の標準溶液の調製
5mlのストック溶液を溶出媒体で25mlにまで希釈した。
【0118】
試料溶液の調製
それぞれ190mg当量のコハク酸メトプロロールのペレットを量り、6つの異なる溶出ジャーに移し、溶出試験を、前記方法に示されるパラメーターにより実施した。この試料溶液を、0.45μmのナイロンメンブレンシリンジフィルタを通して濾過し、最初の2mLの濾液は破棄した。濾液を試料として使用した。
【0119】
手順
溶出装置を、パラメータに従って設定した。190mg当量のコハク酸メトプロロールを移し、溶出を実施した。
【0120】
2.
テオフィリンペレットのための溶出法
テオフィリンの溶出を、クロマトグラフィーによって検出した。
【0121】
クロマトグラフィー条件
カラム: Agilent Zorbax C18カラム、150×4.6mm、5μmまたはそれと同等
カラム温度: 25℃
試料温度: 25℃
移動相: 水:メタノール:氷酢酸(64:35:1)
注入容量: 10μL
流速: 1.0mL/分
波長: 254nm
実行時間: 5.0分
保持時間: 約2.5分
ラベル表示: 100mg。
【0122】
溶出パラメータ
酸性段階
装置: USP-II(パドル)
容量: 900mL
溶出媒体: 0.1NのHCl/40%のアルコール性HCl
温度: 37.0℃±0.5℃
RPM: 50。
【0123】
緩衝段階
装置: USP-II(パドル)
容量: 900mL
溶出媒体: pH6.8のリン酸バッファー
温度: 37.0℃±0.5℃
RPM: 50。
【0124】
溶出媒体の調製:
0.1NのHCl(USPによる)の調製
約8.8mlの濃HClを、水で1000mlまで希釈した。
【0125】
40%のアルコール性の0.1NのHClの調製
400mlのエタノールを、550mlの水に添加した。この溶液に8.8mlの濃HClを添加し、次いで容量を1000mlの標線にまで補い、混合した。
【0126】
pH6.8のバッファー(USP媒体)の調製
約6.8gのリン酸二水素カリウムおよび0.89gの水酸化ナトリウムを正確に量り、それを1000mlの水中に移し、混合した。pHを、0.2Mの水酸化ナトリウム溶液で6.8±0.05に調整した。
【0127】
標準溶液の調製
50.0mgのテオフィリンの標準試薬を50ml容量のフラスコ中に移した。約25mlのメタノールを添加し、超音波処理にかけて溶解させた後に、メタノールで50mlの標線にまで補った。5mlのこの溶液を溶出媒体で50mlにまで希釈した。
【0128】
試料溶液の調製
100mgのテオフィリンに相当するペレットを、6つの異なる溶出ジャーに移し、溶出試験を、前記方法に示されるパラメーターにより実施した。この試料溶液を、0.45μmのナイロンメンブレンシリンジフィルタを通して濾過し、最初の2mLの濾液は破棄した。濾液を試料として使用した。
【0129】
手順
溶出装置を、パラメータに従って設定した。100mgのテオフィリンに相当するペレットを、それぞれの溶出容器中に添加し、溶出試験を実施した。
【0130】
3.
塩酸トラマドールペレットのための溶出法
塩酸トラマドールの溶出を、クロマトグラフィーによって検出した。
【0131】
クロマトグラフィー条件
カラム: Agilent Zorbax C8カラム、150×4.6mm、5μmまたはそれと同等
カラム温度: 25℃
試料温度: 25℃
移動相: バッファー:アセトニトリル(60:40)
注入容量: 20μL
流速: 1.0mL/分
波長: 273nm
実行時間: 6.0分
保持時間: 約3.1分
ラベル表示: 100mg。
【0132】
溶出パラメータ
酸性段階
装置: USP-II(パドル)
容量: 900mL
溶出媒体: 0.1NのHCl/40%のアルコール性HCl
温度: 37.0℃±0.5℃
RPM: 50。
【0133】
緩衝段階
装置: USP-II(パドル)
容量: 900mL
溶出媒体: pH6.8のリン酸バッファー
温度: 37.0℃±0.5℃
RPM: 50。
【0134】
溶出媒体の調製:
0.1NのHCl(USPによる)の調製
約8.8mlの濃HClを、水で1000mlまで希釈した。
【0135】
40%のアルコール性の0.1NのHClの調製
400mlのエタノールを、550mlの水に添加した。この溶液に8.8mlの濃HClを添加し、次いで容量を1000mlの標線にまで補い、混合した。
【0136】
pH6.8のバッファー(USP媒体)の調製
約6.8gのリン酸二水素カリウムおよび0.89gの水酸化ナトリウムを正確に量り、それを1000mlの水中に移し、混合した。pHを、0.2Mの水酸化ナトリウム溶液で6.8±0.05に調整した。
【0137】
標準溶液の調製
55.0mgの塩酸トラマドールの標準試薬を正確に量り、50ml容量のフラスコ中に移した。約25mlの0.1NのHClを添加し、超音波処理にかけて溶解させた後に、0.1NのHClで標線にまで補った。5mlのこの溶液を溶出媒体で50mlにまで希釈した。
【0138】
試料溶液の調製
100mgの塩酸トラマドールに相当するペレットを、6つの異なる溶出ジャーに移し、溶出試験を、前記方法に示されるパラメーターにより実施した。この試料溶液を、0.45μmのナイロンメンブレンシリンジフィルタを通して濾過し、最初の2mLの濾液は破棄した。濾液を試料として使用した。
【0139】
手順
溶出装置を、パラメータに従って設定した。100mgの塩酸トラマドールに相当するペレットを、それぞれの溶出容器中に添加し、溶出試験を実施した。
【0140】
4.
ジプロフィリンペレットのための溶出法
ジプロフィリンの溶出を、クロマトグラフィーによって検出した。
【0141】
クロマトグラフィー条件
カラム: Agilent Zorbax C18カラム、150×4.6mm、5μmまたはそれと同等
カラム温度: 25℃
試料温度: 25℃
移動相: 移動相A:移動相B
注入容量: 10μL
流速: 1.0mL/分
波長: 254nm
実行時間: 8.0分
保持時間: 約2.4分
ラベル表示: 200mg。
【0142】
移動相の調製
移動相A:
バッファー: 比675:325で混合したメタノール
バッファーの調製:
1.04gのリン酸二水素カリウムを正確に量り、1000mLの水中に溶解させ、該溶液のpHをオルトリン酸を用いて4.5±0.05に調整した。該バッファーを0.45μmのナイロン6.6メンブレンフィルタを通じて濾過した。
【0143】
移動相B:
メタノール
勾配フロー
【表2】
【0144】
溶出パラメータ
酸性段階
装置: USP-II(パドル)
容量: 900mL
溶出媒体: 0.1NのHCl/40%のアルコール性HCl
温度: 37.0℃±0.5℃
RPM: 50。
【0145】
緩衝段階
装置: USP-II(パドル)
容量: 900mL
溶出媒体: pH6.8のリン酸バッファー
温度: 37.0℃±0.5℃
RPM: 50。
【0146】
溶出媒体の調製:
0.1NのHCl(USPによる)の調製
約8.8mlの濃HClを、水で1000mlまで希釈した。
【0147】
40%のアルコール性の0.1NのHClの調製
400mlのエタノールを、550mlの水に添加した。この溶液に8.8mlの濃HClを添加し、次いで容量を1000mlの標線にまで補い、混合した。
【0148】
pH6.8のバッファー(USP媒体)の調製
約6.8gのリン酸二水素カリウムおよび0.89gの水酸化ナトリウムを正確に量り、それを1000mlの水中に移し、混合した。pHを、0.2Mの水酸化ナトリウム溶液で6.8±0.05に調整した。
【0149】
標準溶液の調製
50.0mgのジプロフィリンの標準試薬を正確に量り、50ml容量のフラスコ中に移した。約25mlの水を添加し、超音波処理にかけて溶解させた後に、水で標線にまで補った。5mlのこの溶液を溶出媒体で25mlにまで希釈した。
【0150】
試料溶液の調製
200mgのジプロフィリンに相当するペレットを、6つの異なる溶出ジャーに移し、溶出試験を、前記方法に示されるパラメーターにより実施した。この試料溶液を、0.45μmのナイロンメンブレンシリンジフィルタを通して濾過し、最初の2mLの濾液は破棄した。濾液を試料として使用した。
【0151】
手順
溶出装置を、パラメータに従って設定した。200mgのジプロフィリンに相当するペレットを、それぞれの溶出容器中に添加し、溶出試験を実施した。
【0152】
エタノール耐性製剤についての許容基準
明細書中に開示される2つの許容基準(定義1(±20%定義)または定義2(エタノールを含む媒体中でのより低い有効成分放出))の少なくとも1つを満たした場合に、該製剤をエタノール耐性とみなした。
【0153】
製剤化の詳細
実施例で使用される賦形剤の一覧
【表3】
【0154】
コーティング試験のためのペレットの調製
1. コハク酸メトプロロールのペレット(16/20番)の調製
バッチサイズ: 2000g
【表4】
【0155】
手順:
1)コハク酸メトプロロール、Avicel PH 101および微結晶性セルロースCL 611を、40番の篩いを通して篩いにかけ、RMG中で30分間にわたって低速で混合した。
2)水750gをステップ1にRMG中で低速で連続的に混合しながら添加したが、全ての水を3分で添加した。湿った材料をRMG中で低速で2分間にわたってチョッパーを始動させて低速で2分間にわたって混合した。
3)ステップ2からの粒状の材料を押出へと移送し、所望の押出物を得た。
押出パラメータ:
押出型: 軸方向
押出スクリュー: 一軸
スクリュー回転型: 反時計回り
スクリュー速度: 50rpm
スクリーン直径: 1mm
押出圧力: 2.3バール
供給速度: 手動。
4)約350g〜400gの装填物を球形化プレート(クロスハッチ型)に加えて球形化した。
5)押出物を1700rpmで4.0分にわたって球形化することで、最適なサイズおよび形状のペレットを得た。
6)得られたペレットを60℃で約2時間にわたってGPCG 3.1中でまたは10時間にわたって50℃で棚段式乾燥機中で、ペレットのLODが1%から3%の間に達するまで乾燥させた。
【0156】
2. テオフィリンのペレット(16/20番)の調製
バッチサイズ: 2000g
【表5】
【0157】
手順:
1)テオフィリン、Avicel PH 101および微結晶性セルロースCL 611を、40番の篩いを通して篩いにかけ、RMG中で15分間にわたって低速で混合した。
2)水1200gをステップ1にRMG中で低速で連続的に混合しながら添加したが、全ての水を2分で添加した。湿った材料を、RMG中で中程度の速度で3分間にわたって混合した。
3)ステップ2からの粒状の材料を押出へと移送し、所望の押出物を得た。
押出パラメータ:
押出型: 半径方向
押出スクリュー: 一軸
スクリュー回転型: 反時計回り
スクリュー速度: 50rpm
スクリーン直径: 1.0mm
押出圧力: 2.6バール
供給速度: 手動。
4)約350g〜400gの装填物を球形化プレート(クロスハッチ型)に加えて球形化した。
5)押出物を1800rpmで3分にわたって球形化することで、最適なサイズおよび形状のペレットを得た。
6)得られたペレットを60℃でGPCG 3.1中で、ペレットのLODが1%から3%の間になるまで乾燥させた。
【0158】
3. トラマドール薬剤が負荷されたペレットの調製
400gの18/20番の糖球体上の25%薬剤負荷量のための調合
【表6】
【0159】
手順:
1)塩酸トラマドールを、水中に撹拌しながらオーバーヘッドスターラーを使用して10分間にわたって溶解させた。
2)PVP K30を、次いでその塩酸トラマドール溶液に添加し、そして20分間にわたって撹拌した。薬剤およびバインダーの調製された溶液を、糖球体上への薬剤負荷に送った。
3)薬剤負荷は、Pam Glatt GPCG 1.1流動床プロセッサを使用して実施した。
【0160】
コーティングパラメータ:
【表7】
【0161】
4. ジプロフィリンのペレットの調製
ペレットは、NBS Biologicals Ltd.(英国)から容易に入手できる。
【0162】
単層組成物の例
実施例1C(比較例):
EUDRAGIT(登録商標)NE 30D単独での試験
使用したコア: テオフィリンのペレット(16/20番)
バッチサイズ: 80g
製剤化の詳細
80gのペレット上での15%のEUDRAGIT(登録商標)NE 30Dのための調合
【表8】
【0163】
コーティング分散液の固体含有量:15%(質量/質量)。
【0164】
手順:
1. タルクを水中で20分間にわたって均質化した。
2. EUDRAGIT(登録商標)NE 30Dおよびタルクの分散液を次いで15分にわたって混合した。
3. コーティング分散液を、60番の篩いを通じて濾過し、コーティングのために使用した。
4. コーティングは、Mycrolab Huttlin流動床プロセッサを使用して実施した。
5. 15%までのEUDRAGIT(登録商標)NE 30Dのコーティングを行った。
6. ペレットを、50℃で棚段式乾燥機中で24時間にわたって硬化させた。
【0165】
コーティングパラメータ:
【表9】
【0166】
結果と考察:
【表10】
【0167】
エタノール性媒体中での放出プロフィールは、非エタノール性媒体よりも高い。この放出プロフィールは、定義1(「±20%定義」)にも定義2(「エタノールを含む媒体中でのより低い有効成分放出」)にも従わないように思われる/みなされる。従って、実施例1C(EUDRAGIT(登録商標)NE 30Dでコーティングしたペレット)では、アルコール耐性は得られなかった。
【0168】
実施例2(本発明による実施例):
90:10の比のEUDRAGIT(登録商標)NE 30D:高粘度グァーガムでの試験
使用したコア: コハク酸メトプロロールのペレット(16/20番)
バッチサイズ: 400g
製剤化の詳細:
400gのペレット上での15%のEUDRAGIT(登録商標)NE 30Dのための調合
【表11】
【0169】
コーティング分散液の固体含有量:5%(質量/質量)。
【0170】
手順:
1. タルクおよび黄色酸化鉄を水中で20分間にわたって均質化した。
2. グァーガムを水中でオーバーヘッド撹拌しながら30分間にわたって溶解させた。
3. 次いでそのグァーガム溶液にEUDRAGIT(登録商標)NE 30Dおよびタルクの分散液を添加し、15分にわたって混合した。
4. コーティング分散液を、60番の篩いを通じて濾過し、コーティングのために使用した。
5. コーティングを、Pam Glatt 1.1流動床プロセッサを使用して実施した。
6. 15%までのEUDRAGIT(登録商標)NE 30Dのコーティングを行った。
7. ペレットを、50℃で棚段式乾燥機中で24時間にわたって硬化させた。
【0171】
コーティングパラメータ:
【表12】
【0172】
結果と考察:
【表13】
【0173】
エタノール性媒体中での放出プロフィールは、非エタノール性媒体よりも低い(定義2を満たしている)。偏差は、部分的に−20%より大きい(定義1を満たしていない)。従って、実施例2の組成物は、定義2との適合のためエタノール耐性であるとみなされる。
【0174】
実施例3(本発明による実施例):
保存剤および顔料を含まない93:7の比のEUDRAGIT(登録商標)NE 30D:高粘度グァーガムでの試験
使用したコア: コハク酸メトプロロールのペレット(16/20番)
バッチサイズ: 400g
製剤化の詳細:
400gのペレット上での40%のEUDRAGIT(登録商標)NE 30Dのための調合
【表14】
【0175】
コーティング分散液の固体含有量:6%(質量/質量)。
【0176】
手順:
1. タルクを400gの水中で20分間にわたって均質化した。
2. グァーガムを残りの水中でオーバーヘッド撹拌しながら30分間にわたって溶解させた。
3. 次いでそのグァーガム溶液にEUDRAGIT(登録商標)NE 30Dおよびタルクの分散液を添加し、15分にわたって混合した。
4. コーティング分散液を、60番の篩いを通じて濾過し、コーティングのために使用した。
5. コーティングを、Glatt 1.1流動床プロセッサを使用して実施した。
6. 40%までのEUDRAGIT(登録商標)NE 30Dのコーティングを行った。
7. ペレットを、50℃で棚段式乾燥機中で24時間にわたって硬化させた。
【0177】
コーティングパラメータ:
【表15】
【0178】
結果と考察:
【表16】
【0179】
エタノール性媒体中での放出プロフィールは、定義1(「±20%定義」)に従う。従って、実施例3の組成物は、定義1との適合のためエタノール耐性であるとみなされる。
【0180】
実施例4(本発明による実施例):
93:7の比のEUDRAGIT(登録商標)NE 30D:高粘度グァーガムでの試験
使用したコア: コハク酸メトプロロールのペレット(16/20番)
バッチサイズ: 400g
製剤化の詳細:
400gのペレット上での40%のEUDRAGIT(登録商標)NE 30Dのための調合
【表17】
【0181】
コーティング分散液の固体含有量:5.84%(質量/質量)。
【0182】
手順:
1. タルクおよび黄色酸化鉄を水中で20分間にわたって均質化した。
2. メチルパラベンおよびグァーガムを水中でオーバーヘッド撹拌しながら30分間にわたって溶解させた。
3. プロピルパラベンを少量の熱水(50℃)中に溶解させ、次いでグァーガム分散液に添加した。
4. 次いでそのグァーガム溶液にEUDRAGIT(登録商標)NE 30Dおよびタルクの分散液を添加し、15分にわたって混合した。
5. コーティング分散液を、60番の篩いを通じて濾過し、コーティングのために使用した。
6. コーティングを、Glatt 1.1流動床プロセッサを使用して実施した。
7. 40%までのEUDRAGIT(登録商標)NE 30Dのコーティングを行った。
8. ペレットを、50℃で棚段式乾燥機中で24時間にわたって硬化させた。
【0183】
コーティングパラメータ:
【表18】
【0184】
結果と考察:
【表19】
【0185】
エタノール性媒体中での放出プロフィールは、定義1(「±20%定義」)に従う。従って、実施例4の組成物は、定義1との適合のためエタノール耐性であるとみなされる。
【0186】
実施例5(本発明による実施例):
93:7の比のEUDRAGIT(登録商標)NE 30D:中粘度グァーガムでの試験
使用したコア: コハク酸メトプロロールのペレット(16/20番)
バッチサイズ: 400g
製剤化の詳細:
400gのペレット上での40%のEUDRAGIT(登録商標)NE 30Dのための調合
【表20】
【0187】
コーティング分散液の固体含有量:12%(質量/質量)。
【0188】
手順:
1. 黄色酸化鉄を水中で20分間にわたって均質化した。
2. グァーガム、タルク、メチルパラベンおよびプロピルパラベンを水中でオーバーヘッド撹拌しながら30分間にわたって溶解させた。
3. 黄色酸化鉄分散液およびEUDRAGIT(登録商標)NE 30Dを、次いでステップ2の分散液中に撹拌しながら添加し、そして15分間にわたって混合した。
4. コーティング分散液を、60番の篩いを通じて濾過し、コーティングのために使用した。
5. コーティングを、Pam Glatt 1.1流動床プロセッサを使用して実施した。
6. 40%までのEUDRAGIT(登録商標)NE 30Dのコーティングを行った。
7. ペレットを、50℃で棚段式乾燥機中で24時間にわたって硬化させた。
【0189】
コーティングパラメータ:
【表21】
【0190】
結果と考察:
【表22】
【0191】
エタノール性媒体中での放出プロフィールは、非エタノール性媒体よりも低く、(定義2)を満たしている。偏差は、−20%より大きい(定義1を満たしていない)。従って、実施例5の組成物は、定義2との適合のためエタノール耐性であるとみなされる。
【0192】
実施例6(本発明による実施例):
93:7の比のEUDRAGIT(登録商標)NE 30D:低粘度グァーガムでの試験
使用したコア: コハク酸メトプロロールのペレット(16/20番)
バッチサイズ: 400g
製剤化の詳細:
400gのペレット上での40%のEUDRAGIT(登録商標)NE 30Dのための調合
【表23】
【0193】
分散液の固体含有量:15%(質量/質量)。
【0194】
手順:
1. 黄色酸化鉄を水中で20分間にわたって均質化した。
2. グァーガム、タルク、メチルパラベンおよびプロピルパラベンを水中でオーバーヘッド撹拌しながら30分間にわたって溶解させた。
3. 黄色酸化鉄分散液およびEUDRAGIT(登録商標)NE 30Dを、次いでステップ2の分散液中に撹拌しながら添加し、そして15分間にわたって混合した。
4. コーティング分散液を、60番の篩いを通じて濾過し、コーティングのために使用した。
5. コーティングを、Pam Glatt 1.1流動床プロセッサを使用して実施した。
6. 40%までのEUDRAGIT(登録商標)NE 30Dのコーティングを行った。
7. ペレットを、50℃で棚段式乾燥機中で24時間にわたって硬化させた。
【0195】
コーティングパラメータ:
【表24】
【0196】
結果と考察:
【表25】
【0197】
エタノール性媒体中での放出プロフィールは、定義1(「±20%定義」)に従う。従って、実施例6の組成物は、定義1との適合のためエタノール耐性であるとみなされる。
【0198】
実施例7(本発明による実施例):
93:7の比のEUDRAGIT(登録商標)NM 30D:中粘度グァーガムでの試験
使用したコア: コハク酸メトプロロールのペレット(16/20番)
バッチサイズ: 400g
製剤化の詳細:
400gのペレット上での40%のEUDRAGIT(登録商標)NM 30Dのための調合
【表26】
【0199】
コーティング分散液の固体含有量:12%(質量/質量)。
【0200】
手順:
1. 黄色酸化鉄を水中で20分間にわたって均質化した。
2. グァーガム、タルク、メチルパラベンおよびプロピルパラベンを水中でオーバーヘッド撹拌しながら30分間にわたって溶解させた。
3. 黄色酸化鉄分散液およびEUDRAGIT(登録商標)NM 30Dを、次いでステップ2の分散液中に撹拌しながら添加し、そして15分間にわたって混合した。
4. コーティング分散液を、60番の篩いを通じて濾過し、コーティングのために使用した。
5. コーティングを、Pam Glatt 1.1流動床プロセッサを使用して実施した。
6. 40%までのEUDRAGIT(登録商標)NM 30Dのコーティングを行った。
7. ペレットを、50℃で棚段式乾燥機中で24時間にわたって硬化させた。
【0201】
コーティングパラメータ:
【表27】
【0202】
結果と考察:
【表28】
【0203】
エタノール性媒体中での放出プロフィールは、非エタノール性媒体よりも低く、(定義2)を満たしている。偏差は、−20%より大きい(定義1を満たしていない)。従って、実施例7の組成物は、定義2との適合のためエタノール耐性であるとみなされる。
【0204】
実施例8(本発明による実施例):
95:5の比のEUDRAGIT(登録商標)NE 30D:グァーガムでの試験
使用したコア: コハク酸メトプロロールのペレット(16/20番)
バッチサイズ: 400g
製剤化の詳細:
400gのペレット上での40%のEUDRAGIT(登録商標)NE 30Dのための調合
【表29】
【0205】
分散液の固体含有量:10%(質量/質量)。
【0206】
手順:
1. タルクおよび黄色酸化鉄を水中で20分間にわたって均質化した。
2. メチルパラベンおよびグァーガムを水中でオーバーヘッド撹拌しながら30分間にわたって溶解させた。
3. プロピルパラベンを少量の熱水(50℃)中に溶解させ、次いでグァーガム分散液に添加した。
4. 次いでそのグァーガム溶液にEUDRAGIT(登録商標)NE 30Dおよびタルクの分散液を添加し、15分にわたって混合した。
5. コーティング分散液を、60番の篩いを通じて濾過し、コーティングのために使用した。
6. コーティングを、Glatt 1.1流動床プロセッサを使用して実施した。
7. 40%までのNE 30Dのコーティングを行った。
8. ペレットを、50℃で棚段式乾燥機中で24時間にわたって硬化させた。
【0207】
コーティングパラメータ:
【表30】
【0208】
結果と考察:
【表31】
【0209】
エタノール性媒体中での放出プロフィールは、定義1(「±20%定義」)に従う。従って、実施例8の組成物は、定義1との適合のためエタノール耐性であるとみなされる。
【0210】
実施例9C(比較例):
97:3の比のEUDRAGIT(登録商標)NE 30D:グァーガムでの試験
使用したコア: コハク酸メトプロロールのペレット(16/20番)
製剤化の詳細:
400gのペレット上での15%のEUDRAGIT(登録商標)NE 30Dのための調合
【表32】
【0211】
分散液の固体含有量:12%(質量/質量)。
【0212】
手順:
1. タルクおよび黄色酸化鉄を水中で20分間にわたって均質化した。
2. メチルパラベンおよびグァーガムを水中でオーバーヘッド撹拌しながら30分間にわたって溶解させた。
3. プロピルパラベンを少量の熱水(50℃)中に溶解させ、次いでグァーガム分散液に添加した。
4. 次いでそのグァーガム溶液にEUDRAGIT(登録商標)NE 30Dおよびタルクの分散液を添加し、15分にわたって混合した。
5. コーティング分散液を、60番の篩いを通じて濾過し、コーティングのために使用した。
6. コーティングを、Pam Glatt 1.1流動床プロセッサを使用して実施した。
7. 15%までのEUDRAGIT(登録商標)NE 30Dのコーティングを行った。
8. ペレットを、50℃で棚段式乾燥機中で24時間にわたって硬化させた。
【0213】
コーティングパラメータ:
【表33】
【0214】
結果と考察:
【表34】
【0215】
エタノール性媒体中での放出プロフィールは、非エタノール性媒体よりも高い。この放出プロフィールは、定義1(「±20%定義」)にも定義2(「エタノールを含む媒体中でのより低い有効成分放出」)にも従わないように思われる/みなされる。従って、実施例9C(97:3の比のEUDRAGIT(登録商標)NE 30D:グァーガム)では、アルコール耐性は得られなかった。
【0216】
実施例10(本発明による実施例):
93:7の比のEUDRAGIT(登録商標)NE 30D:グァーガムでの試験
使用したコア: テオフィリンのペレット(16/20番)
製剤化の詳細:
バッチサイズ: 400g
400gのペレット上での30%のEUDRAGIT(登録商標)NE 30Dのための調合
【表35】
【0217】
分散液の固体含有量:6%(質量/質量)
手順:
1. タルクおよび黄色酸化鉄を水中で20分間にわたって均質化した。
2. メチルパラベンおよびグァーガムを水中でオーバーヘッド撹拌しながら30分間にわたって溶解させた。
3. プロピルパラベンを少量の熱水(50℃)中に溶解させ、次いでグァーガム分散液に添加した。
4. 次いでそのグァーガム溶液にEUDRAGIT(登録商標)NE 30Dおよびタルクの分散液を添加し、15分にわたって混合した。
5. コーティング分散液を、60番の篩いを通じて濾過し、コーティングのために使用した。
6. コーティングを、Glatt 1.1流動床プロセッサを使用して実施した。
7. 30%までのNE 30Dのコーティングを行った。
8. ペレットを、50℃で棚段式乾燥機中で24時間にわたって硬化させた。
【0218】
コーティングパラメータ:
【表36】
【0219】
結果と考察:
【表37】
【0220】
エタノール性媒体中での放出プロフィールは、定義1(「±20%定義」)に従う。従って、実施例10の組成物は、定義1との適合のためエタノール耐性であるとみなされる。
【0221】
実施例11(本発明による実施例):
93:7の比のEUDRAGIT(登録商標)NE 30D:中粘度グァーガムでの試験
使用したコア: 塩酸トラマドール薬剤を負荷したペレット(16/20番)
バッチサイズ: 400g
製剤化の詳細:
400gのペレット上での40%のEUDRAGIT(登録商標)NE 30Dのための調合
【表38】
【0222】
分散液の固体含有量:12%(質量/質量)。
【0223】
手順:
1. 黄色酸化鉄を水中で20分間にわたって均質化した。
2. グァーガム、タルク、メチルパラベンおよびプロピルパラベンを水中でオーバーヘッド撹拌しながら30分間にわたって溶解させた。
3. 黄色酸化鉄分散液およびEUDRAGIT(登録商標)NE 30Dを、次いでステップ2の分散液中に撹拌しながら添加し、そして15分間にわたって混合した。
4. コーティング分散液を、60番の篩いを通じて濾過し、コーティングのために使用した。
5. コーティングを、Pam Glatt 1.1流動床プロセッサを使用して実施した。
6. 40%までのEUDRAGIT(登録商標)NE 30Dのコーティングを行った。
7. ペレットを、50℃で棚段式乾燥機中で24時間にわたって硬化させた。
【0224】
コーティングパラメータ:
【表39】
【0225】
結果と考察:
【表40】
【0226】
エタノール性媒体中での放出プロフィールは、非エタノール性媒体中よりも低く、(定義2)を満たしている。従って、実施例11の組成物は、定義2との適合のためエタノール耐性であるとみなされる。
【0227】
実施例12(本発明による実施例):
93:7の比のEUDRAGIT(登録商標)NE 30D:中粘度グァーガムでの試験
使用したコア: ジプロフィリン薬剤を負荷したペレット(18/20番)
バッチサイズ: 400g
製剤化の詳細:
400gのペレット上での30%のEUDRAGIT(登録商標)NM 30Dのための調合
【表41】
【0228】
分散液の固体含有量:12%(質量/質量)。
【0229】
手順:
1. 黄色酸化鉄を水中で20分間にわたって均質化した。
2. グァーガム、タルク、メチルパラベンおよびプロピルパラベンを水中でオーバーヘッド撹拌しながら30分間にわたって溶解させた。
3. 黄色酸化鉄分散液およびEUDRAGIT(登録商標)NM 30Dを、次いでステップ2の分散液中に撹拌しながら添加し、そして15分間にわたって混合した。
4. コーティング分散液を、60番の篩いを通じて濾過し、コーティングのために使用した。
5. コーティングを、Pam Glatt 1.1流動床プロセッサを使用して実施した。
6. 40%までのEUDRAGIT(登録商標)NM 30Dのコーティングを行った。
7. ペレットを、50℃で棚段式乾燥機中で24時間にわたって硬化させた。
【0230】
コーティングパラメータ:
【表42】
【0231】
結果と考察:
【表43】
【0232】
エタノール性媒体中での放出プロフィールは、非エタノール性媒体中よりも低く、(定義2)を満たしている。従って、実施例12の組成物は、定義2との適合のためエタノール耐性であるとみなされる。
【0233】
実施例13(本発明による実施例):
粘着防止剤としてポリエチレングリコールを含む93:7の比のEUDRAGIT(登録商標)NM 30D:中粘度グァーガムでの試験
使用したコア: コハク酸メトプロロールのペレット(16/20番)
バッチサイズ: 400g
製剤化の詳細:
400gのペレット上での40%のEUDRAGIT(登録商標)NM 30Dのための調合
【表44】
【0234】
コーティング分散液の固体含有量:12%(質量/質量)。
【0235】
手順:
1. 黄色酸化鉄を水中で20分間にわたって均質化した。
2. グァーガム、PEG20000、メチルパラベンおよびプロピルパラベンを水中でオーバーヘッド撹拌しながら30分間にわたって溶解させた。
3. 黄色酸化鉄分散液およびEUDRAGIT(登録商標)NM 30Dを、次いでステップ2の分散液中に撹拌しながら添加し、そして15分間にわたって混合した。
4. コーティング分散液を、60番の篩いを通じて濾過し、コーティングのために使用した。
5. コーティングを、Pam Glatt 1.1流動床プロセッサを使用して実施した。
6. 40%までのEUDRAGIT(登録商標)NM 30Dのコーティングを行った。
7. ペレットを、50℃で棚段式乾燥機中で24時間にわたって硬化させた。
【0236】
コーティングパラメータ:
【表45】
【0237】
結果と考察:
【表46】
【0238】
エタノール性媒体中での放出プロフィールは、定義1(「±20%定義」)に従う。従って、実施例13の組成物は、定義1との適合のためエタノール耐性であるとみなされる。
【0239】
二層組成物の例
例14C(二層のための比較例):
EUDRAGIT(登録商標)NE 30D+HPC LM(EUDRAGIT NEに対して11.5%)での試験
使用したコア: コハク酸メトプロロールのペレット(16/20番)
バッチサイズ: 1000g
製剤化の詳細:
1000gのペレット上での10%のEUDRAGIT(登録商標)NE 30Dのための調合
【表47】
【0240】
分散液の固体含有量:15%(質量/質量)。
【0241】
手順:
1. タルクを1/3量の水中で20分間にわたって均質化した。
2. HPC LMを残留量の水中で30分間にわたって溶解させた。
3. EUDRAGIT(登録商標)NE 30Dおよびタルクの分散液を次いで15分にわたって混合した。
4. コーティング分散液を、60番の篩いを通じて濾過し、コーティングのために使用した。
5. コーティングを、Pam Glatt 1.1流動床プロセッサを使用して実施した。
6. 10%までのEUDRAGIT(登録商標)NE 30Dのコーティングを行った。
7. ペレットを、50℃で棚段式乾燥機中で24時間にわたって硬化させた。
【0242】
コーティングパラメータ:
【表48】
【0243】
実施例15(本発明による実施例):
93:7の比のEUDRAGIT(登録商標)NE 30D:グァーガムでの二層の試験
使用したコア: 10%のEUDRAGIT(登録商標)NE 30D(細孔形成剤として11.5%のHPC LMを含む)でコーティングされたコハク酸メトプロロールのペレット
バッチサイズ: 80g
製剤化の詳細:
80gのペレット上での30%のEUDRAGIT(登録商標)NE 30Dのための調合
【表49】
【0244】
分散液の固体含有量:10%(質量/質量)。
【0245】
手順:
1. タルクおよび黄色酸化鉄を水中で20分間にわたって均質化した。
2. メチルパラベン、HPC LMおよびグァーガムを水中でオーバーヘッド撹拌しながら30分間にわたって溶解させた。
3. プロピルパラベンを少量の熱水(50℃)中に溶解させ、次いでグァーガム分散液に添加した。
4. 次いでそのグァーガム溶液にEUDRAGIT(登録商標)NE 30Dおよびタルクの分散液を添加し、15分にわたって混合した。
5. コーティング分散液を、60番の篩いを通じて濾過し、コーティングのために使用した。
6. コーティングを、Glatt 1.1流動床プロセッサを使用して実施した。
7. 30%までのEUDRAGIT(登録商標)NE 30Dのコーティングを行った。
8. ペレットを、50℃で棚段式乾燥機中で24時間にわたって硬化させた。
【0246】
コーティングパラメータ:
【表50】
【0247】
14Cと15の結果と考察:
【表51】
【0248】
実施例14C: エタノール性媒体中での放出プロフィールは、非エタノール性媒体よりも高い。この放出プロフィールは、定義1(「±20%定義」)にも定義2(「エタノールを含む媒体中でのより低い有効成分放出」)にも従わないように思われる/みなされる。従って、実施例14Cでは、アルコール耐性は得られなかった。
【0249】
例15: エタノール性媒体中での放出プロフィールは、定義1(「±20%定義」)に従う。従って、実施例15の組成物は、定義1との適合のためエタノール耐性であるとみなされる。
【0250】
実施例16C(比較例):
93:7の比のEUDRAGIT(登録商標)RS 30D:グァーガムでの試験
使用したコア: メトプロロールのペレット(16/20番)
バッチサイズ: 80g
製剤化の詳細:
80gのペレット上での40%のEUDRAGIT(登録商標)RS 30Dのための調合
【表52】
【0251】
分散液の固体含有量:6%(質量/質量)。
【0252】
手順:
1. EUDRAGIT RS 30DおよびTECを共にオーバーヘッド撹拌しながら15分間にわたって混合した。
2. タルクおよび黄色酸化鉄を水中で20分間にわたって均質化した。
3. メチルパラベンおよびグァーガムを水中でオーバーヘッド撹拌しながら30分間にわたって溶解させた。
4. プロピルパラベンを少量の熱水(50℃)中に溶解させ、次いでグァーガム分散液に添加した。
5. 次いでそのグァーガム溶液にEUDRAGIT RS 30Dおよびタルクの分散液を添加し、15分にわたって混合した。
6. コーティング分散液を、60番の篩いを通じて濾過し、コーティングのために使用した。
7. コーティングは、Mycrolab Huttlin流動床プロセッサを使用して実施した。
8. 40%までのRS 30Dのコーティングを行った。
【0253】
コーティングパラメータ:
【表53】
【0254】
結果と考察:
【表54】
【0255】
実施例16C: エタノール性媒体中での放出プロフィールは、非エタノール性媒体よりも高い。この放出プロフィールは、定義1(「±20%定義」)にも定義2(「エタノールを含む媒体中でのより低い有効成分放出」)にも従わないように思われる/みなされる。従って、実施例16Cでは、アルコール耐性は得られなかった。