特許第6695416号(P6695416)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6695416
(24)【登録日】2020年4月23日
(45)【発行日】2020年5月20日
(54)【発明の名称】内視鏡用光源装置及び内視鏡システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/07 20060101AFI20200511BHJP
   A61B 1/06 20060101ALI20200511BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20200511BHJP
【FI】
   A61B1/07 731
   A61B1/07 736
   A61B1/06 610
   G02B23/24 B
【請求項の数】8
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2018-500243(P2018-500243)
(86)(22)【出願日】2017年2月20日
(86)【国際出願番号】JP2017006123
(87)【国際公開番号】WO2017142096
(87)【国際公開日】20170824
【審査請求日】2018年7月27日
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2016/054811
(32)【優先日】2016年2月19日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000113263
【氏名又は名称】HOYA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078880
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100183760
【弁理士】
【氏名又は名称】山鹿 宗貴
(72)【発明者】
【氏名】尾登 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】横内 文香
【審査官】 安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−144144(JP,A)
【文献】 特開2006−296636(JP,A)
【文献】 特開2016−000073(JP,A)
【文献】 特開2014−171511(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00−1/32
G02B 23/24−23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
狭帯域光である第1の波長帯域の光を射出する第1の固体発光素子と、前記第1の波長帯域の光によって励起され、第1の蛍光を発する第1の蛍光体と、を有する第1の光源ユニットと、
前記第1の蛍光体を前記第1の固体発光素子から射出される光の光路に対して挿抜可能に支持する蛍光体挿抜手段と、
を備え、
前記蛍光体挿抜手段により前記第1の蛍光体が前記第1の固体発光素子から射出される光の光路に挿入されると、前記第1の光源ユニットから前記第1の波長帯域の光と前記第1の蛍光とが同一の光路で射出されて内視鏡に供給され、
前記蛍光体挿抜手段により前記第1の蛍光体が前記第1の固体発光素子から射出される光の光路から抜去されると、前記第1の光源ユニットから前記第1の波長帯域の光が射出されて前記内視鏡に供給され
前記第1の波長帯域は、特定の生体構造に対する吸光度の高い帯域であり、
前記第1の波長帯域の光及び前記第1の蛍光を含む光は、前記第1の波長帯域の光よりも帯域の広い広帯域光である、
内視鏡用光源装置。
【請求項2】
前記第1の蛍光の波長帯域のピーク波長とは異なるピーク波長をもつ波長帯域の光を射出する第2の光源ユニットと、
前記第1の光源ユニットから射出される光の光路と前記第2の光源ユニットから射出される光の光路とを合成し、光路を合成した光を前記内視鏡に供給する第1の光路合成手段と、
を更に備える、
請求項1に記載の内視鏡用光源装置。
【請求項3】
前記第2の光源ユニットは、
第2の固体発光素子と、前記第2の固体発光素子から射出された光によって励起され、第2の蛍光を発する第2の蛍光体と、を有し、
前記第2の蛍光の波長帯域のピーク波長は、
前記第1の波長帯域のピーク波長及び前記第1の蛍光の波長帯域のピーク波長とは異なる、
請求項2に記載の内視鏡用光源装置。
【請求項4】
前記第1の光源ユニットから射出される光のピーク波長及び前記第2の光源ユニットから射出される光のピーク波長とは異なるピーク波長をもつ第3の波長帯域の光を射出する第3の光源ユニットと、
前記第1の光路合成手段によって合成された光の光路と、前記第3の光源ユニットから射出された光の光路とを合成し、光路を合成した光を前記内視鏡に供給する第2の光路合成手段と、
を更に備える、
請求項2又は請求項3に記載の内視鏡用光源装置。
【請求項5】
前記第1の光源ユニットは、
前記第1の固体発光素子から射出された前記第1の波長帯域の光によって励起され、前記第1の蛍光のピーク波長とは異なるピーク波長をもつ第3の蛍光を発する第3の蛍光体を更に有し、
前記蛍光体挿抜手段により前記第1の蛍光体が前記第1の固体発光素子から射出される光の光路に挿入されると、前記第1の光源ユニットから前記第1の波長帯域の光、前記第1の蛍光、前記第3の蛍光が同一の光路で射出されて内視鏡に供給され、
前記蛍光体挿抜手段により前記第1の蛍光体が前記第1の固体発光素子から射出される光の光路から抜去されると、前記第1の光源ユニットから前記第1の波長帯域及び前記第3の蛍光が同一の光路で射出されて前記内視鏡に供給される、
請求項1から請求項4の何れか一項に記載の内視鏡用光源装置。
【請求項6】
前記第1の光源ユニットは、
前記第1の固体発光素子から射出された前記第1の波長帯域の光によって励起され、前記第1の蛍光のピーク波長及び前記第3の蛍光のピーク波長とは異なるピーク波長をもつ第4の蛍光を発する第4の蛍光体を更に備え、
前記蛍光体挿抜手段は、
前記第1の蛍光体及び前記第4の蛍光体を、前記第1の固体発光素子から射出される光の光路に対して個別に挿抜可能に支持する、
請求項5に記載の内視鏡用光源装置。
【請求項7】
所定の撮像周期と同期して回転するターレット
を更に備え、
前記ターレットには、夫々異なる発光特性を持つ蛍光体が周方向に並べて配置されており、
前記ターレットが回転することによって前記内視鏡に供給される光の光路に各蛍光体が順に挿入されると、前記光路上に挿入された蛍光体への入射光が、順次、前記光路上に挿入された蛍光体に応じた光となって前記内視鏡に供給される、
請求項1から請求項6の何れか一項に記載の内視鏡用光源装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7の何れか一項に記載の内視鏡用光源装置と、
内視鏡と、
を備える、
内視鏡システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被写体に光を照射する内視鏡用光源装置及び内視鏡システムに関する。
【背景技術】
【0002】
照射光の分光強度特性を変化させ、特殊な画像を撮影することが可能な内視鏡システムが知られている。例えば国際公開第2012/108420号パンフレット(以下、「特許文献1」と記す。)に、この種の内視鏡システムに使用される光源装置の具体的構成が記載されている。
【0003】
特許文献1に記載の内視鏡システムは、2つの発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)と光学フィルタが搭載された光源装置を備えている。2つのLEDの内、一方は紫色の波長帯域の光を射出する紫色LEDである。また、他方のLEDは、青色LEDと黄色の蛍光体を有する蛍光体LEDであり、青色のLED光と黄色の蛍光を混色することにより、擬似的な白色光を射出する。光学フィルタは、特定の生体組織に対して高い吸光度を有する波長帯域の光のみを通過させる波長選択フィルタであり、蛍光体LEDから射出される光の光路上に挿抜可能である。
【0004】
特許文献1に記載の光源装置では、光学フィルタが光路上から抜去されているときは、蛍光体LEDから射出された光が、波長帯域が制限されることなく、白色光として被写体に照射される。一方、光学フィルタが光路上に挿入されているときは、蛍光体LEDから射出され波長帯域が制限された照射光と、紫色LEDから射出された照射光の両方が被写体に照射される。このように、照射光の分光強度特性を変化させ、特定の波長帯域の光のみを被写体に照射することにより、生体内の被写体のうち、特定の組織を強調した撮影画像を得ることができる。
【発明の概要】
【0005】
特許文献1に記載の光源装置では、特定の波長帯域にのみ高い強度を有する照射光を得るために、光学フィルタによって白色LEDから射出される照射光の波長帯域を制限し、不要な波長帯域の光をカットしている。このカットされた光は被写体には照射されないため、光源装置の光利用効率が低いという問題がある。
【0006】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、特定の波長帯域にのみ高い強度を有する照射光を高い光利用効率で照射することが可能な内視鏡用光源装置及び内視鏡システムを提供することである。
【0007】
本発明の一実施形態に係る内視鏡用光源装置は、第1の波長帯域の光を射出する第1の固体発光素子と、第1の波長帯域の光によって励起され、第1の蛍光を発する第1の蛍光体と、を有する第1の光源ユニットと、第1の蛍光体を第1の固体発光素子から射出される光の光路に対して挿抜可能に支持する蛍光体挿抜手段と、を備える。この構成において、蛍光体挿抜手段により第1の蛍光体が第1の固体発光素子から射出される光の光路に挿入されると、第1の光源ユニットから第1の波長帯域の光と第1の蛍光とが同一の光路で射出されて内視鏡に供給される。また、蛍光体挿抜手段により第1の蛍光体が第1の固体発光素子から射出される光の光路から抜去されると、第1の光源ユニットから第1の波長帯域の光が射出されて内視鏡に供給される。
【0008】
このような構成によれば、蛍光体を、固体発光素子から射出される光の光路に挿入することにより、可視光領域内に広い波長帯域を有する通常光を被写体に照射することができる。また、蛍光体を光路から抜去することにより、被写体の特定の生体組織に対する吸光度の高い波長帯域の光の強度が、他の波長帯域に比べて高い特殊光を被写体に照射することができる。また、照射光の分光強度特性の切り替えを行う際に、波長制限フィルタ等の光学フィルタを用いる必要が無いため、分光強度特性の切り替えに伴う光量損失を抑えることができる。
【0009】
また、本発明の一実施形態において、内視鏡用光源装置は、例えば、第1の蛍光の波長帯域のピーク波長とは異なるピーク波長をもつ波長帯域の光を射出する第2の光源ユニットと、第1の光源ユニットから射出される光の光路と第2の光源ユニットから射出される光の光路とを合成し、光路を合成した光を内視鏡に供給する第1の光路合成手段と、を更に備える。
【0010】
また、本発明の一実施形態において、第2の光源ユニットは、例えば、第2の固体発光素子と、第2の固体発光素子から射出された光によって励起され、第2の蛍光を発する第2の蛍光体と、を有する。この構成において、第2の蛍光の波長帯域のピーク波長は、第1の波長帯域のピーク波長及び第1の蛍光の波長帯域のピーク波長とは異なる。
【0011】
また、本発明の一実施形態において、内視鏡用光源装置は、例えば、第1の光源ユニットから射出される光のピーク波長及び第2の光源ユニットから射出される光のピーク波長とは異なるピーク波長をもつ第3の波長帯域の光を射出する第3の光源ユニットと、第1の光路合成手段によって合成された光の光路と、第3の光源ユニットから射出された光の光路とを合成し、光路を合成した光を内視鏡に供給する第2の光路合成手段と、を更に備える。
【0012】
また、本発明の一実施形態において、第1の光源ユニットは、例えば、第1の固体発光素子から射出された第1の波長帯域の光によって励起され、第1の蛍光のピーク波長とは異なるピーク波長をもつ第3の蛍光を発する第3の蛍光体を更に有する。この場合、蛍光体挿抜手段により第1の蛍光体が第1の固体発光素子から射出される光の光路に挿入されると、第1の光源ユニットから第1の波長帯域の光、第1の蛍光、第3の蛍光が同一の光路で射出されて内視鏡に供給される。また、蛍光体挿抜手段により第1の蛍光体が第1の固体発光素子から射出される光の光路から抜去されると、第1の光源ユニットから第1の波長帯域及び第3の蛍光が同一の光路で射出されて内視鏡に供給される。
【0013】
また、本発明の一実施形態において、第1の光源ユニットは、例えば、第1の固体発光素子から射出された第1の波長帯域の光によって励起され、第1の蛍光のピーク波長及び第3の蛍光のピーク波長とは異なるピーク波長をもつ第4の蛍光を発する第4の蛍光体を更に備える。この場合、蛍光体挿抜手段は、第1の蛍光体及び第4の蛍光体を、第1の固体発光素子から射出される光の光路に対して個別に挿抜可能に支持する。
【0014】
また、本発明の一実施形態に係る内視鏡用光源装置は、所定の撮像周期と同期して回転するターレットを更に備える構成としてもよい。この場合、ターレットには、夫々異なる発光特性を持つ蛍光体が周方向に並べて配置されている。ターレットが回転することによって照射光の光路に各蛍光体が順に挿入されると、該照射光が、順次、該光路上に挿入された蛍光体に応じた光となって内視鏡に供給される。
【0015】
また、本発明に一実施形態に係る内視鏡システムは、上記の内視鏡用光源装置と内視鏡とを備える。
【0016】
本発明の一実施形態によれば、特定の波長帯域にのみ高い強度を有する照射光を高い光利用効率で照射することが可能な内視鏡用光源装置及び内視鏡システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1の実施形態に係る電子内視鏡システムの構成を示すブロック図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る内視鏡用光源装置のブロック図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る内視鏡用光源装置のブロック図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係る内視鏡用光源装置から射出される照射光の分光強度分布を示す図である。
図5】本発明の第2の実施形態に係る内視鏡用光源装置のブロック図である。
図6】本発明の第2の実施形態に係る内視鏡用光源装置から射出される照射光の分光強度分布を示す図である。
図7】本発明の第3の実施形態に係る内視鏡用光源装置のブロック図である。
図8】本発明の第3の実施形態に係る内視鏡用光源装置から射出される照射光の分光強度分布を示す図である。
図9】本発明の第4の実施形態に係る内視鏡用光源装置のブロック図である。
図10】本発明の第4の実施形態に係る内視鏡用光源装置から射出される照射光の分光強度分布を示す図である。
図11】本発明の第5の実施形態に係る内視鏡用光源装置のブロック図である。
図12】本発明の第5の実施形態に係る内視鏡用光源装置から射出される照射光の分光強度分布を示す図である。
図13】本発明の第6の実施形態に係る内視鏡用光源装置のブロック図である。
図14】本発明の第6の実施形態に係る内視鏡用光源装置から射出される照射光の分光強度分布を示す図である。
図15】本発明の第7の実施形態に係る内視鏡用光源装置のブロック図である。
図16】本発明の第7の実施形態に係る内視鏡用光源装置から射出される照射光の分光強度分布を示す図である。
図17】本発明の第4の実施形態の変形例に係る内視鏡用光源装置から射出される照射光の分光強度分布を示す図である。
図18】本発明の別の実施形態に係る内視鏡用光源装置のブロック図である。
図19】本発明の別の実施形態に係る内視鏡用光源装置のブロック図である。
図20】本発明の別の実施形態に係る内視鏡用光源装置に備えられる回転式ターレットの構成を示す図である。
図21】550nm付近を拡大したヘモグロビンの吸収スペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下においては、本発明の一実施形態として内視鏡用光源装置を備える電子内視鏡システムを例に取り説明する。
【0019】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る内視鏡用光源装置201を備えた電子内視鏡システム1の構成を示すブロック図である。図1に示されるように、電子内視鏡システム1は、医療用に特化されたシステムであり、電子スコープ100、プロセッサ200及びモニタ300を備えている。
【0020】
プロセッサ200は、システムコントローラ21及びタイミングコントローラ22を備えている。システムコントローラ21は、メモリ23に記憶された各種プログラムを実行し、電子内視鏡システム1全体を統合的に制御する。また、システムコントローラ21は、操作パネル24に接続されている。システムコントローラ21は、操作パネル24に入力される術者からの指示に応じて、電子内視鏡システム1の各動作及び各動作のためのパラメータを変更する。術者による入力指示には、例えば電子内視鏡システム1の観察モードの切替指示がある。観察モードには、通常観察モード、特殊観察モードがある。各観察モードについての詳細は後述する。タイミングコントローラ22は、各部の動作のタイミングを調整するクロックパルスを電子内視鏡システム1内の各回路に出力する。
【0021】
プロセッサ200は、光源装置201を備えている。図2に、本発明の第1の実施形態に係る光源装置201のブロック図を示す。光源装置201は、第1の光源ユニット111及び第2の光源ユニット112を備えている。第1、第2の光源ユニット111、112はそれぞれ、第1、第2光源駆動回路141、142によって個別に発光制御される。
【0022】
本実施形態では、光源装置201がプロセッサ200内に備えられているが、別の実施形態では、光源装置201は、プロセッサ200(より正確には、画像処理装置を構成する部分)と別体の装置であってもよい。
【0023】
第1の光源ユニット111は、紫色の波長帯域(例えば、波長が395〜435nm)の光を射出する紫色発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)111aと、青色蛍光体111bとを有している。青色蛍光体111bは、紫色LED111aから射出された紫色LED光によって励起され、青色の波長帯域(例えば、波長430〜550nm)の蛍光を発する。
【0024】
青色蛍光体111bは、蛍光体挿抜機構151により、光路上に挿抜可能に支持されている。詳しくは、青色蛍光体111bは、観察モードに応じて、紫色LED111aから射出された紫色LED光の光路に挿入又は抜去される。図2に実線で示すように、青色蛍光体111bが紫色LED光の光路上に挿入されている場合、青色蛍光体111bは青色の蛍光を発する。これにより、光源ユニット111からは、紫色LED光と青色の蛍光の両方が射出される。また、図2に点線で示すように、青色蛍光体111bが紫色LED光の光路から抜去されている場合、青色蛍光体111bは励起されず、蛍光を発しない。そのため、光源ユニット111からは、紫色LED光のみが射出される。
【0025】
第2の光源ユニット112は、青色の波長帯域(例えば、波長が420〜480nm)の光を射出する青色LED112aと、黄色蛍光体112bとを有している。黄色蛍光体112bは、青色LED112aから射出された青色LED光によって励起され、黄色の波長帯域(例えば、波長が420〜700nm)の蛍光を発する。黄色蛍光体112bは青色LED112aの発光面上に取り付けられており、青色蛍光体111bとは異なり、青色LED光の光路上に挿抜可能ではない。
【0026】
各光源ユニット111、112の光の射出方向の前方にはそれぞれ、コリメートレンズ121、122が配置されている。第1の光源ユニット111から射出された光は、コリメートレンズ121によって平行光に変換され、ダイクロイックミラー131に入射される。また、第2の光源ユニット112から射出された光は、コリメートレンズ122によって平行光に変換され、ダイクロイックミラー131に入射される。ダイクロイックミラー131は、第1の光源ユニット111から射出された光の光路と、第2の光源ユニット112から射出された光の光路とを合成する。詳しくは、ダイクロイックミラー131は、波長520nm付近にカットオフ波長を有しており、カットオフ波長よりも短い波長の光を透過させ、カットオフ波長以上の波長の光を反射する特性を有している。そのため、第1の光源ユニット111から射出された紫色LED光や青色の蛍光はダイクロイックミラー131を透過する。また、第2の光源ユニット112から射出された黄色の蛍光はダイクロイックミラー131で反射される。これにより、第1の光源ユニット111から射出された光と第2の光源ユニット112から射出された光の光路が合成される。ダイクロイックミラー131によって光路が合成された光は、光源装置201から照射光Lとして射出される。
【0027】
図3は、光源装置201のうち、各光源ユニット111、112及びダイクロイックミラー131のみを概念的に示したブロック図である。青色蛍光体111bは、紫色LED111aとは別体であるため、図3において、青色蛍光体111bと紫色LED111aは、別々のブロックで示されている。一方、黄色蛍光体112bは、青色LED112aの発光面に取り付けられており、青色LED112aと一体に構成されているため、図3において、黄色蛍光体112bと青色LED112aは、一つのブロックで示されている。
【0028】
また、ダイクロイックミラー131は、波長の異なる光の光路を合成するものである。そのため、図3において、ダイクロイックミラー131は、加算記号「+」で示されている。また、図3において、各光源ユニット111、112の前方に配置されたコリメートレンズ121、122は省略されている。
【0029】
図3において、各矢印は光の光路を示している。図3に示す例では、第1の光源ユニット111の紫色LED111aから射出された紫色LED光と、青色蛍光体111bが発した青色の蛍光が同一の光路で射出される。また、第2の光源ユニット112の青色LEDから射出された青色LED光と、黄色蛍光体が発した黄色の蛍光が同一の光路で射出される。第1の光源ユニットから射出された光の光路と第2の光源ユニットから射出された光の光路は、ダイクロイックミラー131で合成される。ダイクロイックミラー131で光路が合成された光は、光源装置201から、照射光Lとして射出される。
【0030】
図1に示すように、光源装置201から射出された照射光Lは、集光レンズ25によりLCB(Light Carrying Bundle)11の入射端面に集光されてLCB11内に入射される。
【0031】
LCB11内に入射された照射光Lは、LCB11内を伝播する。LCB11内を伝播した照射光Lは、電子スコープ100の先端に配置されたLCB11の射出端面から射出され、配光レンズ12を介して被写体に照射される。配光レンズ12からの照射光Lによって照射された被写体からの戻り光は、対物レンズ13を介して固体撮像素子14の受光面上で光学像を結ぶ。
【0032】
固体撮像素子14は、ベイヤ型画素配置を有する単板式カラーCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサである。固体撮像素子14は、受光面上の各画素で結像した光学像を光量に応じた電荷として蓄積して、R(Red)、G(Green)、B(Blue)の画像信号を生成して出力する。なお、固体撮像素子14は、CCDイメージセンサに限らず、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサやその他の種類の撮像装置に置き換えられてもよい。固体撮像素子14はまた、補色系フィルタを搭載したものであってもよい。
【0033】
電子スコープ100の接続部内には、ドライバ信号処理回路15が備えられている。ドライバ信号処理回路15には、配光レンズ12からの光によって照射された被写体の画像信号がフレーム周期で固体撮像素子14から入力される。フレーム周期は、例えば、1/30秒である。ドライバ信号処理回路15は、固体撮像素子14から入力される画像信号に対して所定の処理を施してプロセッサ200の前段信号処理回路26に出力する。
【0034】
ドライバ信号処理回路15はまた、メモリ16にアクセスして電子スコープ100の固有情報を読み出す。メモリ16に記録される電子スコープ100の固有情報には、例えば、固体撮像素子14の画素数や感度、動作可能なフレームレート、型番等が含まれる。ドライバ信号処理回路15は、メモリ16から読み出された固有情報をシステムコントローラ21に出力する。
【0035】
システムコントローラ21は、電子スコープ100の固有情報に基づいて各種演算を行い、制御信号を生成する。システムコントローラ21は、生成された制御信号を用いて、プロセッサ200に接続されている電子スコープ100に適した処理がなされるようにプロセッサ200内の各種回路の動作やタイミングを制御する。
【0036】
タイミングコントローラ22は、システムコントローラ21によるタイミング制御に従って、ドライバ信号処理回路15にクロックパルスを供給する。ドライバ信号処理回路15は、タイミングコントローラ22から供給されるクロックパルスに従って、固体撮像素子14をプロセッサ200側で処理される映像のフレームレートに同期したタイミングで駆動制御する。
【0037】
前段信号処理回路26は、ドライバ信号処理回路15から1フレーム周期で入力される画像信号に対してデモザイク処理、マトリックス演算、Y/C分離等の所定の信号処理を施して、画像メモリ27に出力する。
【0038】
画像メモリ27は、前段信号処理回路26から入力される画像信号をバッファし、タイミングコントローラ22によるタイミング制御に従い、後段信号処理回路28に出力する。
【0039】
後段信号処理回路28は、画像メモリ27から入力される画像信号を処理してモニタ表示用の画面データを生成し、生成されたモニタ表示用の画面データを所定のビデオフォーマット信号に変換する。変換されたビデオフォーマット信号は、モニタ300に出力される。これにより、被写体の画像がモニタ300の表示画面に表示される。
【0040】
本実施形態の電子内視鏡システム1は、通常観察モードと特殊観察モードを含む複数の観察モードを有している。各観察モードは、観察する被写体によって手動又は自動で切り替えられる。例えば、被写体を通常光で照明して観察したい場合は、観察モードが通常観察モードに切り替えられる。なお、通常光は、例えば、白色光や擬似白色光である。白色光は可視光帯域においてフラットな分光強度分布を有する。擬似白色光は、分光強度分布はフラットではなく、複数の波長帯域の光が混色されている。また、例えば、被写体を特殊光で照明することによって特定の生体組織が強調された撮影画像を得たい場合は、観察モードが特殊観察モードに切り替えられる。
【0041】
なお、特殊光は、例えば、鮮鋭なピークを特定波長に持つ狭帯域光であって、特定の生体組織に対して吸光度の高い光である。特定波長の光には、例えば、表層血管に対して吸光度の高い415nm付近(例えば415±5nm)の光、表層よりも深い中層の血管に対して吸光度の高い550nm付近(例えば550±5nm)の光、中層よりも深い深層の血管に対して吸光度の高い650nm付近(例えば650±5nm)の光が挙げられる。なお、波長の長い光ほど生体組織への深達度が深くなる。そのため、415nm付近、550nm付近、650nm付近の狭帯域光の順に、深達する層域が深くなっている。以下では、特殊観察モードで強調される生体組織が、表層血管である場合について主に説明する。
【0042】
表層血管内にはヘモグロビンを含む血液が流れている。ヘモグロビンは、波長415nm付近と550nm付近に吸光度のピークを有することが知られている。そのため、被写体に対して表層血管を強調するのに適した特殊光(具体的には、他の波長帯域よりもヘモグロビンの吸光度のピークとなる波長415nm付近の強度が高い光)を照射することにより、表層血管が強調された撮影画像を得ることができる。波長550nm付近の強度が高い特殊光は、表層血管に対しても比較的高い吸光度を持っている。言い換えると、波長550nm付近の強度が高い特殊光も表層血管の強調表示に寄与する。そのため、波長415nm付近の光と共に、ヘモグロビンの吸光度のもう一つのピークとなる波長550nm付近の強度が高い特殊光を照射することにより、表層血管が強調された状態を維持しつつ、撮影画像の輝度を明るくすることができる。
【0043】
すなわち、特殊観察モードでは、特定波長にピークを持つ狭帯域光(特殊光)を用いることにより、通常観察モードでは観察することが難しい血管(表層や中層、深層等の各層域の血管)の走行状態を明瞭に把握するのに適した狭帯域観察を行うことができる。狭帯域観察を行うことにより、癌等の病変の早期発見に有用な情報が得られる。
【0044】
図4は、各観察モードにおいて、光源装置201から射出される照射光Lの分光強度分布を示している。図4(a)は、通常観察モードにおける照射光L(通常光)の分光強度分布を示し、図4(b)は、特殊観察モードにおける照射光L(特殊光)の分光強度分布を示している。図4に示される分光強度分布の横軸は波長(nm)を示し、縦軸は照射光Lの強度を示している。なお、縦軸は、強度の最大値が1となるように規格化されている。
【0045】
電子内視鏡システム1が通常観察モードである場合、青色蛍光体111bが光路上に挿入された上で、第1の光源ユニット111及び第2の光源ユニット112が発光駆動される。
【0046】
第1の光源ユニット111から射出される光の分光強度分布D111は、波長約415nmと約470nmに強度のピークを有している。なお本願において、この特定の波長のうち最も強度が高い波長をピーク波長と称する。例えば、強度のピークが2つ以上あった場合には、そのうち最も高い強度を持つ波長をピーク波長という。この2つの波長はそれぞれ、紫色LED111aから射出される光のピーク波長と、青色蛍光体111bが発する蛍光の分光強度分布のピーク波長である。
【0047】
第2の光源ユニット112から射出される光の分光強度分布D112は、波長約450nmと波長約600nmにピークを有している。この2つの波長はそれぞれ、青色LED112aから射出される光のピーク波長と、黄色蛍光体112bが発する蛍光のピーク波長である。
【0048】
なお、図4(a)に示す分光強度分布D111は、紫色LED光と青色の蛍光のピーク強度が略同じであるが、本発明はこれに限定されない。第1の光源ユニット111から射出される紫色LED光と青色の蛍光の強度の比率は、青色蛍光体111bの種類や使用量を変更することによって自由に変更することができる。また、図4(a)に示す分光強度分布D112は、青色LED光と比較して黄色の蛍光の強度の比率が大きいが、本発明はこれに限定されない。第2の光源ユニット112から射出される青色LED光と黄色の蛍光の比率は、黄色蛍光体112bの種類や使用量を変更することによって自由に変更することができる。
【0049】
また、図4(a)に示す分光強度分布D111、D112は、強度の最大値が1に揃えられているが、本発明はこれに限定されない。各光源ユニット111、112から射出される光の強度比は、観察する被写体や撮影モード、術者の好みに応じて任意に設定することができる。
【0050】
また、図4(a)には、ダイクロイックミラー131のカットオフ波長λ131が点線で示されている。ダイクロイックミラー131は、カットオフ波長λ131が約520nmであり、カットオフ波長λ131よりも短い波長帯域の光を透過させ、カットオフ波長λ131以上の波長帯域の光を反射する。そのため、図4(a)に示される分光強度分布D111のうち、実線で示される波長帯域の光がダイクロイックミラー131を透過し、破線で示される波長帯域の光がダイクロイックミラー131で反射される。また、図4(a)に示される分光強度分布D112のうち、実線で示されるカットオフ波長λ131以上の波長帯域の光がダイクロイックミラー131で反射され、短い点線で示されるカットオフ波長λ131よりも波長帯域の光がダイクロイックミラー131を透過する。
【0051】
これにより、ダイクロイックミラー131で、各光源ユニット111、112から射出された光の光路が合成され、光源装置201からは、紫外領域(近紫外の一部)から赤色領域にかけて広い波長帯域を有する照射光L(通常光)が射出される。この照射光L(通常光)の分光強度分布は、図4(a)に示す分光強度分布D111、D112のうち、実線で示される領域を足し合わせたものになる。照射光L(通常光)を被写体に照射することにより、通常のカラー撮影画像を得ることができる。
【0052】
また、電子内視鏡システム1が特殊観察モードである場合、青色蛍光体111bが光路上から抜去された上で、第1の光源ユニット111及び第2の光源ユニット112が発光駆動される。これにより、照射光L(特殊光)のうち、ヘモグロビンの吸光度のピークとなる波長415nm付近の光の比率が相対的に高くなり(すなわち狭帯域光となり)、表層血管が強調された撮影画像を得ることができる。また、第2の光源ユニット112から射出される光は、ヘモグロビンの吸光度のもう一つのピークとなる波長550nm付近の光を含んでいる。そのため、第1の光源ユニット111と共に、第2の光源ユニット112を発光駆動することにより、表層血管が強調された状態を維持しつつ、撮影画像の輝度を上げることができる。
【0053】
また、本実施形態では、特定の波長帯域の光のみを透過させる光学フィルタを使用することなく、青色蛍光体111bを光路上に挿抜することによって、照射光Lを通常光と特殊光との間で切り替えている。そのため、光学フィルタによって被写体の観察に使用されない波長帯域の光がカットされ、第1の光源ユニットの光利用効率が低下してしまうことを防止できる。
【0054】
更に、仮に、第1の光源ユニットから射出された紫色LED光及び青色の蛍光から、光学フィルタを用いて紫色LED光を抽出する場合、光学フィルタが理想的な特性を有していない限り、照射光Lには青色の蛍光も混ざってしまう。青色の蛍光は表層血管の強調した撮影画像を得るのに不要な光であるため、照射光Lに青色の蛍光が混ざることにより、表層血管の強調効果が低減する。これに対し、本実施形態では、光学フィルタを用いることなく、青色の蛍光を完全に抑えることができるため、表層血管の強調効果が低減してしまうことを防止することができる。
【0055】
また、各光源ユニット111、112から射出された光は、ダイクロイックミラー131によってその光路が合成される。このとき、各光源ユニット111、112から射出される光の波長帯域は互いに異なるため、ダイクロイックミラー131での光路の合成時において、光量の損失を最小限に抑えることができる。
【0056】
例えば、特殊観察モードにおいて、従来技術のように、実質的に特定の波長帯域の光のみを透過させる光学フィルタを使用する場合、特定の波長帯域以外の光を無駄に発光させる必要があり、光源装置の光利用効率が低い。これに対し、本発明の第1の実施形態では、図4に示されるように、ダイクロイックミラー131における光路の合成により照射光Lとして使用されない光(図4で破線で示された領域の光)は、照射光Lとして使用される光(図4で実線で示された領域の光)に比べて、その光量が小さい。そのため、本実施形態の光源装置201では、被写体に照射されない波長帯域の光を無駄に発光させる必要がなく、従来技術に比べて光利用効率を高くすることができる。
【0057】
また、比較的広い空間を持つ部位(例えば胃)を観察する場合、典型的には、電子スコープ100の先端部から被写体(例えば胃壁)までの距離が遠いため、被写体に照射される照射光の強度が低くなる。明るい撮影画像を得るためには、高い強度の照射光で被写体を照明する必要がある。本実施形態の光源装置201は、特殊観察モードにおいて光学フィルタを使用せず、高い光利用効率を有しているため、被写体に照射される照射光の強度を高くすることができる。そのため、胃などの部位を観察する場合にも、明るい撮影画像を得ることができる。
【0058】
なお、電子内視鏡システム1が特殊観察モードである場合、図4(b)に示すように、分光強度分布D111とD112のピーク強度はいずれも1に揃えられているが、本発明はこれに限定されない。例えば、特殊観察モードでは、第2の光源ユニット112は、通常観察モード時よりも、駆動電流を小さくし、強度が低くなるように発光駆動されてもよい。これにより、ヘモグロビンの吸光度のピークとなる波長415nm付近の強度が、他の波長帯域の強度よりも相対的に高くなり(すなわち狭帯域光となり)、より表層血管が強調された撮影画像を得ることができる。
【0059】
なお、本実施形態において用いられる蛍光体には下記のものが例示として挙げられる。大分類として、酸化物系蛍光体と窒化物系蛍光体が挙げられる。
【0060】
《酸化物系蛍光体》
〈黄色蛍光体〉
・YAl12(イットリウムアルミニウム酸化物)を母体結晶とする黄色蛍光体
〈緑色蛍光体〉
・CaScSi12(カルシウムスカンジウムケイ素酸化物)を母体結晶としてCeを付活させた緑色蛍光体
・CaSc(カルシウムスカンジウム酸化物)を母体結晶としてCeを付活させた緑色蛍光体
【0061】
《窒化物系蛍光体》
〈赤色蛍光体〉
・母体結晶としてEuを付活させたカルシウムアルミニウムケイ素窒化物(CaAlSiN)にケイ素酸窒化物(SiO)を固溶させた赤色蛍光体
〈その他の蛍光体〉
・母体となるセラミックス結晶に希土類元素等の発光を担う金属イオンを微量添加したサイアロン蛍光体、α型窒化ケイ素(Si)結晶の固溶体であるα−サイアロン蛍光体、窒化カルシウムアルミニウムケイ素(CaAlSiN)蛍光体など
【0062】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態にかかる内視鏡用光源装置について説明する。第2の実施形態にかかる光源装置も、第1の実施形態にかかる光源装置201と同様に、電子内視鏡システム1において使用される。
【0063】
図5は、第2の実施形態に係る光源装置202のうち、光源ユニットおよびダイクロイックミラーのみを概念的に示したブロック図である。光源装置202は、第1の光源ユニット211、第2の光源ユニット212、第1のダイクロイックミラー231を備えている。各光源ユニット211、212はそれぞれ、図示省略された第1光源駆動回路、第2光源駆動回路によって個別に発光制御される。
【0064】
図5に示すように、第1の光源ユニット211は、紫色の波長帯域(例えば、波長が395〜435nm)の光を射出する紫色LED211aと、青色蛍光体211bとを有している。青色蛍光体211bは、紫色LED211aから射出された紫色LED光によって励起され、青色の波長帯域(例えば、波長430〜550nm)の蛍光を発する。青色蛍光体211bは、不図示の蛍光体挿抜機構により、紫色LED211aから射出された紫色LED光の光路に対して挿抜可能に支持されている。なお、青色蛍光体211bは、紫色LED211aとは別体であるため、図5において、青色蛍光体211bと紫色LED211aは、別々のブロックで示されている。
【0065】
また、図5に示すように、第2の光源ユニット212は、青色の波長帯域(例えば、波長が420〜480nm)の光を射出する青色LED、緑色蛍光体、赤色蛍光体を有している。緑色蛍光体は、青色LEDから射出された青色LED光によって励起され、緑色の波長帯域(例えば、波長が510〜630nm)の蛍光を発する。赤色蛍光体は、青色LEDから射出された青色LED光によって励起され、赤色の波長帯域(例えば、波長が550〜750nm)の蛍光を発する。なお、緑色蛍光体と赤色蛍光体は、青色LED光の射出方向に沿って並べて配置されていてもよく、青色LED光の射出方向と垂直な方向に並べて配置されていてもよい。また、緑色蛍光体と赤色蛍光体は、その材料が混ぜ合わせられ、一つの蛍光体として作成されたものであってもよい。
【0066】
各光源ユニット211、212の射出方向の前方にはそれぞれ、図示省略されたコリメートレンズが配置されている。第1の光源ユニット211から射出された光は、コリメートレンズによって平行光に変換され、ダイクロイックミラー231に入射される。また、第2の光源ユニット212から射出された光は、コリメートレンズによって平行光に変換され、ダイクロイックミラー231に入射される。ダイクロイックミラー231は、第1の光源ユニット211から射出された光の光路と第2の光源ユニット212から射出された光の光路を合成する。ダイクロイックミラー231で光路が合成された光は、照射光Lとして光源装置202から射出される。
【0067】
図6は、図4と同様の図であり、各観察モードにおいて、光源装置202から射出される照射光Lの分光強度分布を示している。
【0068】
電子内視鏡システム1が通常観察モードである場合、青色蛍光体211bが光路上に挿入された上で、第1の光源ユニット211と第2の光源ユニット212の両方が発光駆動される。
【0069】
第1の光源ユニット211から射出される光の分光強度分布D211は、波長約415nmと波長約470nmにピークを有している。この2つの波長はそれぞれ、紫色LED211aから射出される光のピーク波長と、青色蛍光体211bが発する蛍光のピーク波長である。
【0070】
第2の光源ユニット212から射出される光の分光強度分布D212は、波長約450nm、約550nm、約650nmにピークを有している。この3つの波長はそれぞれ、青色LED光、緑色蛍光体が発する蛍光、赤色蛍光体が発する蛍光のピーク波長である。
【0071】
また、図6(a)には、ダイクロイックミラー231のカットオフ波長λ231が点線で示されている。ダイクロイックミラー231は、カットオフ波長λ231が約510nmであり、カットオフ波長λ231よりも短い波長帯域の光を透過させ、カットオフ波長λ231以上の波長帯域の光を反射する。そのため、図4(a)に示される分光強度分布D211のうち、実線で示される波長帯域の光がダイクロイックミラー231を透過し、破線で示される波長帯域の光がダイクロイックミラー231で反射される。また、図4(a)に示される分光強度分布D212のうち、実線で示される波長帯域の光がダイクロイックミラー231で反射され、破線で示される波長帯域の光がダイクロイックミラー231を透過する。
【0072】
これにより、ダイクロイックミラー231で、各光源ユニット211、212から射出された光の光路が合成され、光源装置202からは、紫外領域(近紫外の一部)から赤色領域にかけて広い波長帯域を有する照射光L(通常光)が射出される。この照射光L(通常光)の分光強度分布は、図6(a)に示す分光強度分布D211、D212のうち、実線で示される領域を足し合わせたものになる。この照射光L(通常光)を被写体に照射することにより、通常のカラー撮影画像を得ることができる。
【0073】
また、電子内視鏡システム1が特殊観察モードである場合、青色蛍光体211bが光路上から抜去された上で、第1の光源ユニット211と第2の光源ユニット212の両方が発光駆動される。これにより、照射光L(特殊光)のうち、ヘモグロビンの吸光度のピークとなる波長415nm付近の光の比率が相対的に高くなり(すなわち狭帯域光となり)、表層血管が強調された撮影画像を得ることができる。
【0074】
また、第2の光源ユニット212は、緑色蛍光体と赤色蛍光体の2つの蛍光体を有している。そのため、電子内視鏡システム1が通常観察モードである場合の照射光L(通常光)の分光強度分布は、第2の光源ユニット212が1つの蛍光体を有している場合よりも、可視領域においてフラットに近づく。これにより、通常観察モードにおいて、自然の白色光に近い照射光L(通常光)で被写体を照明することができる。
【0075】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態にかかる内視鏡用光源装置について説明する。第3の実施形態にかかる光源装置も、第1の実施形態にかかる光源装置201と同様に、電子内視鏡システム1において使用される。
【0076】
図7は、第3の実施形態に係る光源装置203のうち、光源ユニットおよびダイクロイックミラーのみを概念的に示したブロック図である。光源装置203は、第1の光源ユニット311、第2の光源ユニット312、第3の光源ユニット313、第1のダイクロイックミラー331、第2のダイクロイックミラー332を備えている。各光源ユニット311〜313はそれぞれ、図示省略された第1〜第3光源駆動回路によって個別に発光制御される。
【0077】
図7に示すように、第3の実施形態に係る光源装置203は、第1の実施形態に係る光源装置201に、第3の光源ユニット313及び第2のダイクロイックミラー332を追加した構成である。また、第1の光源ユニット311、第2の光源ユニット312、ダイクロイックミラー331の特性はそれぞれ、第1の実施形態の第1の光源ユニット111、第2の光源ユニット112、ダイクロイックミラー131の特性と同じである。第3の光源ユニット313は、赤色の波長帯域(例えば、波長が620〜680nm)の光を射出する赤色LEDである。ダイクロイックミラー332のカットオフ波長λ332は630nmである。ダイクロイックミラー332は、カットオフ波長よりも短い波長帯域の光を透過させ、カットオフ波長以上の波長帯域の光を反射する。
【0078】
図8は、図4と同様の図であり、各観察モードにおいて、光源装置203から射出される照射光Lの分光強度分布を示している。
【0079】
電子内視鏡システム1が通常観察モードである場合、青色蛍光体311bが光路上に挿入された上で、第1〜第3光源ユニット311〜313が発光駆動される。図8(a)に示すように、第3の実施形態における照射光Lの分光強度分布は、第1の実施形態における照射光Lに、赤色LED313の分光強度分布D313を追加したものになる。ただし、第3の実施形態の光源装置203は、第1の実施形態とは異なり、ダイクロイックミラー332を有しているため、第2の光源ユニット312から射出された光のうち、ダイクロイックミラー332のカットオフ波長λ332(630nm)以上の波長の光の光路は、ダイクロイックミラー332で合成されず、照射光Lとして射出されない。また、第3の光源ユニット313から射出された光のうち、カットオフ波長λ332よりも波長の短い光の光路は、ダイクロイックミラー332で合成されず、照射光Lとして射出されない。
【0080】
第3の実施形態の光源装置203は、赤色LED313を有している。そのため、電子内視鏡システム1が通常観察モードである場合の照射光L(通常光)の分光強度分布は、赤色LED313を有していない構成に比べて、可視領域においてフラットに近づく。これにより、通常観察モードにおいて、自然の白色光に近い照射光L(通常光)で被写体を照明することができる。
【0081】
また、電子内視鏡システム1が特殊観察モードである場合、青色蛍光体211bが光路上から抜去された上で、第1の光源ユニット311及び第2の光源ユニット312が発光駆動され、第3の光源ユニット313は発光駆動されない。これにより、照射光L(特殊光)のうち、ヘモグロビンの吸光度のピークとなる波長415nm付近の光の比率が相対的に高くなり(すなわち狭帯域光となり)、表層血管が強調された撮影画像を得ることができる。
【0082】
また、第3の実施形態の光源装置203は、波長帯域が異なり、それぞれ個別に発光制御可能な3つの光源ユニット311〜313を有している。そのため、3つの光源ユニット311〜313の中から発光駆動させる光源ユニットを選択し、発光駆動時の駆動電流を個別に制御することにより、照射光Lの分光強度分布を細かく制御することができる。
【0083】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態にかかる内視鏡用光源装置について説明する。第4の実施形態にかかる光源装置も、第1の実施形態にかかる光源装置201と同様に、電子内視鏡システム1において使用される。
【0084】
図9は、第4の実施形態に係る光源装置204のうち、光源ユニットおよびダイクロイックミラーのみを概念的に示したブロック図である。光源装置204は、第1の光源ユニット411、第2の光源ユニット412、第3の光源ユニット413、第1のダイクロイックミラー431、第2のダイクロイックミラー432を備えている。各光源ユニット411〜413はそれぞれ、図示省略された第1〜第3光源駆動回路によって個別に発光制御される。
【0085】
図9に示すように、第4の実施形態に係る光源装置204は、第3の実施形態に係る光源装置203における第2の光源ユニット312を、蛍光体を有しないLEDに置き換えたものである。第2の光源ユニット412は、緑色の波長帯域(例えば、波長が520〜580nm)の光を射出する緑色LEDである。なお、第1、第3の光源ユニット411、413及び第1、第2のダイクロイックミラー431、432の特性は、第3の実施形態の第1、第3の光源ユニット311、313及び第1、第2のダイクロイックミラー331、332の特性と同じである必要はない。
【0086】
図10は、図4と同様の図であり、各観察モードにおいて、光源装置204から射出される照射光Lの分光強度分布を示している。
【0087】
電子内視鏡システム1が通常観察モードである場合、青色蛍光体411bが光路上に挿入された上で、第1〜第3の光源ユニット311〜313が発光駆動される。
【0088】
第1の光源ユニット411から射出される光の分光強度分布D411は、波長約415nmと波長約470nmにピークを有している。この2つの波長はそれぞれ、紫色LED411aから射出される光のピーク波長と、青色蛍光体411bが発する蛍光のピーク波長である。第2の光源ユニット412から射出される光の分光強度分布D412は、約550nmをピーク波長とする強度分布を有している。第3の光源ユニット413から射出される光の分光強度分布D413は、約640nmをピーク波長とする強度分布を有している。
【0089】
また、図10(a)には、各ダイクロイックミラー431、432のカットオフ波長λ431、λ432が点線で示されている。カットオフ波長λ431、λ432はそれぞれ、510nm、590nmである。何れのダイクロイックミラー431、432も、カットオフ波長よりも短い波長帯域の光を透過させ、カットオフ波長以上の波長帯域の光を反射する。このダイクロイックミラー431、432により、各光源ユニット411〜413から射出された光の光路が合成され、照射光L(通常光)として射出される。この照射光L(通常光)を被写体に照射することにより、通常のカラー撮影画像を得ることができる。
【0090】
また、電子内視鏡システム1が特殊観察モードである場合、青色蛍光体411bが光路上から抜去された上で、第1の光源ユニット411と第2の光源ユニット412が発光駆動され、第3の光源ユニット413は発光駆動されない。これにより、照射光L(特殊光)のうち、ヘモグロビンの吸光度のピークとなる波長415nm付近の光の比率が相対的に高くなり(すなわち狭帯域光となり)、表層血管が強調された撮影画像を得ることができる。
【0091】
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態にかかる内視鏡用光源装置について説明する。第5の実施形態にかかる光源装置も、第1の実施形態にかかる光源装置201と同様に、電子内視鏡システム1において使用される。
【0092】
図11は、第5の実施形態に係る光源装置205のうち、光源ユニットおよびダイクロイックミラーのみを概念的に示したブロック図である。光源装置205は、第1の光源ユニット511、第2の光源ユニット512、第1のダイクロイックミラー531を備えている。各光源ユニット511、512はそれぞれ、図示省略された第1、第2光源駆動回路によって個別に発光制御される。
【0093】
図11に示すように、第1の光源ユニット511は、蛍光体LED511aと青色蛍光体511bとを有している。蛍光体LED511aは、紫色の波長帯域(例えば、波長が395〜435nm)の光を射出する紫色LEDと、この紫色LEDの発光面上に取り付けられた緑色蛍光体とを有している。緑色蛍光体は、紫色LEDから射出された紫色LED光によって励起され、緑色の波長帯域(例えば、波長が510〜630nm)の蛍光を発する。青色蛍光体511bは、紫色LEDから射出された紫色LED光によって励起され、青色の波長帯域(例えば、波長が430〜550nm)の蛍光を発する。青色蛍光体511bは、不図示の蛍光体挿抜機構により、蛍光体LED511aから射出される光の光路に対して挿抜可能に支持されている。
【0094】
また、図11に示すように、第2の光源ユニット512は、赤色の波長帯域(例えば、波長が620〜680nm)の光を射出する赤色LEDである。ダイクロイックミラー531は、第1の光源ユニット511から射出された光の光路と第2の光源ユニット512から射出された光の光路とを合成する。ダイクロイックミラー531で光路が合成された光は、照射光Lとして光源装置205から射出される。
【0095】
図12は、図4と同様の図であり、各観察モードにおいて、光源装置205から射出される照射光Lの分光強度分布を示している。
【0096】
電子内視鏡システム1が通常観察モードである場合、青色蛍光体511bが光路上に挿入された上で、第1、第2の光源ユニット511、512が発光駆動される。
【0097】
第1の光源ユニット511から射出される光の分光強度分布D511は、波長約415nm、約470nm、約550nmにピークを有している。この3つの波長はそれぞれ、紫色LEDから射出される紫色LED光、青色蛍光体511bが発する蛍光、緑色蛍光体が発する蛍光のピーク波長である。第2の光源ユニット512から射出される光の分光強度分布D512は、波長約650nmをピーク波長とする強度分布を有している。
【0098】
また、図12(a)には、ダイクロイックミラー531のカットオフ波長λ531が点線で示されている。カットオフ波長λ531は620nmである。ダイクロイックミラー531は、カットオフ波長よりも短い波長帯域の光を透過させ、カットオフ波長以上の波長帯域の光を反射する。このダイクロイックミラー531により、第1の光源ユニット511及び第2の光源ユニット512から射出された光の光路が合成され、照射光Lとして射出される。この照射光L(通常光)を被写体に照射することにより、通常のカラー撮影画像を得ることができる。
【0099】
また、電子内視鏡システム1が特殊観察モードである場合、青色蛍光体511bが光路上から抜去された上で、第1の光源ユニット511のみが発光駆動され、第2の光源ユニット512は発光駆動されない。これにより、照射光L(特殊光)のうち、ヘモグロビンの吸光度のピークとなる波長415nm付近の光の比率が相対的に高くなり(すなわち狭帯域光となり)、表層血管が強調された撮影画像を得ることができる。
【0100】
なお、第5の実施形態では、第1の光源ユニット511の緑色蛍光体は、紫色LEDの発光面上に取り付けられているが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1の光源ユニット511の緑色蛍光体は、紫色LEDから射出される光の光路上に挿抜可能に配置されていてもよい。この場合、電子内視鏡システム1が特殊観察モードであるとき、緑色蛍光体を光路上に挿入又は抜去することにより、被写体に照射する照射光Lの分光強度特性を変更することができる。
【0101】
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態にかかる内視鏡用光源装置について説明する。第6の実施形態にかかる光源装置も、第1の実施形態にかかる光源装置201と同様に、電子内視鏡システム1において使用される。
【0102】
図13は、第6の実施形態に係る光源装置206のうち、光源ユニットおよびダイクロイックミラーのみを概念的に示したブロック図である。光源装置206は、第1の光源ユニット611、第2の光源ユニット612、第1のダイクロイックミラー631を備えている。各光源ユニット611、612はそれぞれ、図示省略された第1、第2光源駆動回路によって個別に発光制御される。
【0103】
図13に示すように、第1の光源ユニット611は、蛍光体LED611aと赤色蛍光体611bとを有している。蛍光体LED611aは、青色の波長帯域(例えば、波長が430〜490nm)の光を射出する青色LEDと、この青色LEDの発光面上に取り付けられた緑色蛍光体とを有している。緑色蛍光体は、青色LEDから射出された青色LED光によって励起され、緑色の波長帯域(例えば、波長が510〜630nm)の蛍光を発する。赤色蛍光体611bは、青色LEDから射出された青色LED光によって励起され、赤色の波長帯域(例えば、波長が550〜750nm)の蛍光を発する。赤色蛍光体611bは、不図示の蛍光体挿抜機構により、蛍光体LED611aから射出される光の光路に対して挿抜可能に支持されている。
【0104】
また、図13に示すように、第2の光源ユニット612は、紫色の波長帯域(例えば、波長が395〜435nm)の光を射出する紫色LEDである。ダイクロイックミラー631は、第1の光源ユニット611から射出された光の光路と第2の光源ユニット612から射出された光の光路とを合成する。ダイクロイックミラー631で光路が合成された光は、照射光Lとして光源装置206から射出される。
【0105】
図14は、図4と同様の図であり、各観察モードにおいて、光源装置206から射出される照射光Lの分光強度分布を示している。
【0106】
電子内視鏡システム1が通常観察モードである場合、赤色蛍光体611bが光路上に挿入された上で、第1、第2の光源ユニット611、612が発光駆動される。
【0107】
第1の光源ユニット611から射出される光の分光強度分布D611は、波長約460nm、約550nm、約650nmにピークを有している。この3つの波長はそれぞれ、蛍光体LED611aから射出される青色LED光と緑色の蛍光、赤色蛍光体611bが発する蛍光の分光強度分布のピークである。第2の光源ユニット612から射出される光の分光強度分布D612は、約415nmをピークとする強度分布を有している。
【0108】
また、図14(a)には、ダイクロイックミラー631のカットオフ波長λ631が点線で示されている。カットオフ波長λ631は440nmである。ダイクロイックミラー631は、カットオフ波長よりも短い波長帯域の光を透過させ、カットオフ波長以上の波長帯域の光を反射する。このダイクロイックミラー631により、第1の光源ユニット611及び第2の光源ユニット612から射出された光の光路が合成され、照射光Lとして射出される。この照射光L(通常光)を被写体に照射することにより、通常のカラー撮影画像を得ることができる。
【0109】
また、電子内視鏡システム1が特殊観察モードである場合、赤色蛍光体611bが光路上から抜去された上で、第1及び第2の光源ユニット611、612が発光駆動される。これにより、照射光L(特殊光)のうち、ヘモグロビンの吸光度のピークとなる波長415nm付近の光の比率が相対的に高くなり(すなわち狭帯域光となり)、表層血管が強調された撮影画像を得ることができる。
【0110】
(第7の実施形態)
次に、本発明の第7の実施形態にかかる内視鏡用光源装置について説明する。第7の実施形態にかかる光源装置も、第1の実施形態にかかる光源装置201と同様に、電子内視鏡システム1において使用される。
【0111】
図15は、第7の実施形態に係る光源装置207のうち、光源ユニットのみを概念的に示したブロック図である。光源装置207は、光源ユニット711を備えている。光源ユニット711は、図示省略された光源駆動回路によって発光制御される。
【0112】
図15に示すように、光源ユニット711は、蛍光体LED711a、青色蛍光体711b、赤色蛍光体711cを有している。蛍光体LED711aは、紫色の波長帯域(例えば、波長が395〜435nm)の光を射出する紫色LEDと、紫色LEDの発光面上に取り付けられた緑色蛍光体とを有している。この緑色蛍光体は、紫色LEDから射出された紫色LED光によって励起され、緑色の波長帯域(例えば、波長が510〜630nm)の蛍光を発する。
【0113】
青色蛍光体711bは、紫色LEDから射出された紫色LED光によって励起され、青色の波長帯域(例えば、波長が430〜550nm)の蛍光を発する。赤色蛍光体711cは、紫色LEDから射出された紫色LED光によって励起され、赤色の波長帯域(例えば、波長が550〜750nm)の蛍光を発する。青色蛍光体711b及び赤色蛍光体711cは、不図示の蛍光体挿抜機構により、蛍光体LED711aから射出される光の光路に個別に挿入又は抜去される。
【0114】
図16は、図4と同様の図であり、各観察モードにおいて、光源装置207から射出される照射光Lの分光強度分布を示している。
【0115】
電子内視鏡システム1が通常観察モードである場合、青色蛍光体711b及び赤色蛍光体711cが光路上に挿入された上で、光源ユニット711が発光駆動される。
【0116】
光源ユニット711から射出される光の分光強度分布D711は、波長約415nm、約470nm、約550nm、約650nmにピークを有している。この4つの波長はそれぞれ、蛍光体LED711aから射出される紫色LED光、青色蛍光体711bが発する蛍光、蛍光体LED711aの緑色蛍光体が発する蛍光、赤色蛍光体711cが発する蛍光のピーク波長である。光源ユニット711から射出された光は、照射光L(通常光)として被写体に照射される。これにより、通常のカラー撮影画像を得ることができる。
【0117】
また、電子内視鏡システム1が特殊観察モードである場合、青色蛍光体711b及び赤色蛍光体711cが光路上から抜去された上で、光源ユニット711が発光駆動される。これにより、照射光L(特殊光)のうち、ヘモグロビンの吸光度のピークとなる波長415nm付近の光の比率が相対的に高くなり(すなわち狭帯域光となり)、表層血管が強調された撮影画像を得ることができる。
【0118】
また、第7の実施形態の光源装置207は、光源ユニットの数が1つのみであるため、光源装置207の構成を簡素にすることができる。また、光源ユニット711は、赤色、青色、緑色の3つの蛍光体を有している。蛍光体は、LEDから射出される光に比べて、広い波長帯域を有している。そのため、電子内視鏡システム1が通常観察モードである場合の照射光L(通常光)の分光強度分布は、光源ユニット711が1つ又は2つの蛍光体を有している場合よりも、可視領域においてフラットに近づく。これにより、自然の白色光に近い照射光L(通常光)で被写体を照明することができる。
【0119】
以上が本発明の例示的な実施形態の説明である。本発明の実施形態は、上記に説明したものに限定されず、本発明の技術的思想の範囲において様々な変形が可能である。例えば明細書中に例示的に明示される実施形態等又は自明な実施形態等を適宜組み合わせた内容も本発明の実施形態に含まれる。例えば、上記各実施形態では、固体発光素子としてLEDを想定している。本発明はこれに限定するものではなく、LD(Laser Diode)を固体発光素子として採用することも可能である。
【0120】
図17は、第4の実施形態の変形例において、光源装置204から射出される照射光Lの分光強度分布を示している。本変形例では、4つの観察モード(通常観察モード、第1特殊観察モード、第2特殊観察モード、第3特殊観察モード)がある。図17(a)は、通常観察モードにおける照射光L(通常光)の分光強度分布を示し、図17(b)は、第1特殊観察モードにおける照射光L(特殊光)の分光強度分布を示し、図17(c)は、第2特殊観察モードにおける照射光L(特殊光)の分光強度分布を示し、図17(d)は、第3特殊観察モードにおける照射光L(特殊光)の分光強度分布を示している。図17に示される分光強度分布の横軸は波長(nm)を示し、縦軸は照射光Lの強度を示している。なお、縦軸は、強度の最大値が1となるように規格化されている。
【0121】
通常観察モード時の動作は、図9及び図10を用いて説明した第4の実施形態と同じである。そのため、通常観察モード時は、図10(a)と同じ分光特性を持つ照射光L(通常光)が射出される。この照射光L(通常光)を被写体に照射することにより、通常のカラー撮影画像を得ることができる。
【0122】
電子内視鏡システム1が第1特殊観察モードである場合、青色蛍光体411bが光路上から抜去された上で、第1の光源ユニット411が発光駆動され、第2の光源ユニット412及び第3の光源ユニット413が発光駆動されない。これにより、照射光L(特殊光)のうち、ヘモグロビンの吸光度のピークとなる波長415nm付近の光の比率が相対的に高くなり(すなわち波長415nm付近のみにピークを持つ狭帯域光となり)、主に表層血管が強調された撮影画像を得ることができる。
【0123】
電子内視鏡システム1が第2特殊観察モードである場合、青色蛍光体411bが光路上から抜去された上で、第2の光源ユニット412が発光駆動され、第1の光源ユニット411及び第3の光源ユニット413が発光駆動されない。これにより、照射光L(特殊光)のうち、ヘモグロビンの吸光度のピークとなる波長550nm付近の光の比率が相対的に高くなり(すなわち波長550nm付近のみにピークを持つ狭帯域光となり)、主に中層血管が強調された撮影画像を得ることができる。
【0124】
電子内視鏡システム1が第3特殊観察モードである場合、青色蛍光体411bが光路上から抜去された上で、第3の光源ユニット413が発光駆動され、第1の光源ユニット411及び第2の光源ユニット412が発光駆動されない。これにより、照射光L(特殊光)のうち、ヘモグロビンの吸光度のピークとなる波長650nm付近の光の比率が相対的に高くなり(すなわち波長650nm付近のみにピークを持つ狭帯域光となり)、主に深層血管が強調された撮影画像を得ることができる。
【0125】
このように、本変形例では、第1特殊観察モードにおいて、主に表層血管を強調した撮影画像を得ることができ、第2特殊観察モードにおいて、主に中層血管を強調した撮影画像を得ることができ、第3特殊観察モードにおいて、主に深層血管を強調した撮影画像を得ることができる。すなわち、本変形例では、第1〜第3の各特殊観察モードを切り替えることにより、所望の層域(第1特殊観察モードでは表層、第2特殊観察モードでは中層、第3特殊観察モードでは深層)の血管を重点的に強調した画像を観察することができる。
【0126】
第7の実施形態では、通常観察モード時には青色蛍光体711b及び赤色蛍光体711cが光路上に挿入され、特殊観察モード時には青色蛍光体711b及び赤色蛍光体711cが光路から抜去される。従って、第7の実施形態では、青色蛍光体711b及び赤色蛍光体711cが観察モードに応じて同じ挿抜動作(リンクした動き)を行っている。これに対し、第7の実施形態の変形例では、青色蛍光体711b及び赤色蛍光体711cが観察モードに応じて同じ挿抜動作を行わず、別の挿抜動作を行う。
【0127】
具体的には、第7の実施形態の変形例では、更に2つの特殊観察モード(第1及び第2特殊観察モード)が追加される。第1特殊観察モード時には、青色蛍光体711bが光路上から抜去された上で、蛍光体LED711a及び赤色蛍光体711cが発光駆動される。一方、第2特殊観察モード時には、赤色蛍光体711cが光路上から抜去された上で、蛍光体LED711a及び青色蛍光体711bが発光駆動される。すなわち、本変形例では、蛍光体LED711aより射出される光によって励起される複数の蛍光体(青色蛍光体711b、赤色蛍光体711c)が蛍光体LED711aの光路上に並べて配置されており、各蛍光体が観察モードに応じて別の挿抜動作(青色蛍光体711bの挿入時には赤色蛍光体711cが抜去され、赤色蛍光体711cの挿入時には青色蛍光体711bが抜去される。)を行う。
【0128】
上記の実施形態に係る電子内視鏡システムでは、特殊光(狭帯域光)を用いて血管を強調した狭帯域観察画像を生成して表示する構成が採用されているが、別の実施形態に係る電子内視鏡システムでは、波長域の異なる光で撮像した複数の画像に基づいて被写体の生体情報(具体的には酸素飽和度)を定量的に分析して画像化する構成が採用されてもよい。
【0129】
図18に、別の実施形態に係る光源装置208のブロック図を示す。別の実施形態については、便宜上、第1の実施形態をベースに説明する。図18に示されるように、光源装置208は、第1の実施形態に係る光源装置201に対し、第2の光源ユニット112を第2の光源ユニット112’に代えると共に回転式ターレット400及びフィルタ回転機構430を追加した構成となっている。
【0130】
図19は、別の実施形態に係る光源装置208のうち、光源ユニット、ダイクロイックミラー及び回転式ターレットのみを概念的に示したブロック図である。第2の光源ユニット112’は、青色LED112aを有しており、黄色蛍光体112bを有していない。
【0131】
図20は、回転式ターレット400の構成を示す図である。図20に示されるように、回転式ターレット400の中心に形成された軸受孔には、フィルタ回転機構430を構成するDCモータのモータ軸432が圧入されている。回転式ターレット400は、フィルタ回転機構430により、モータ軸432周りに回転動作可能に軸支されている。なお、フィルタ回転機構430には周知の構成が採用されるため、フィルタ回転機構430に関する、ここでの詳細な説明は省略する。
【0132】
回転式ターレット400には、4つの開口が周方向に並べて形成されている。各開口には、夫々異なる蛍光体が埋設されている。具体的には、黄色蛍光体112b’、第1の酸素飽和度観察用蛍光体Fs1、第2の酸素飽和度観察用蛍光体Fs2、狭帯域観察用蛍光体Fs3が埋設されている。別の実施形態では、回転式ターレット400を用いることにより、通常観察モードによる通常観察画像及び特殊観察モードによる狭帯域観察画像に加えて、酸素飽和度観察モードによる酸素飽和度分布画像を表示することが可能となっている。
【0133】
ここで、ヘモグロビンの分光特性と、本実施形態における酸素飽和度の計算原理について説明する。
【0134】
図21に、550nm付近のヘモグロビンの吸収スペクトルを示す。ヘモグロビンは、550nm付近にポルフィリンに由来するQ帯と呼ばれる強い吸収帯を有している。ヘモグロビンの吸収スペクトルは、酸素飽和度(全ヘモグロビンのうち酸素化ヘモグロビンが占める割合)に応じて変化する。図21における実線の波形は、酸素飽和度が100%の場合の(すなわち、酸素化ヘモグロビンHbOの)吸収スペクトルを示し、長破線の波形は、酸素飽和度が0%の場合の(すなわち、還元ヘモグロビンHbの)吸収スペクトルを示す。また、短破線は、その中間の酸素飽和度(10、20、30、・・・90%)におけるヘモグロビン(酸素化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの混合物)の吸収スペクトルを示す。
【0135】
図21に示されるように、Q帯において、酸素化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンは互いに異なるピーク波長を有している。具体的には、酸素化ヘモグロビンは、波長542nm付近に吸収ピークP1を有しており、波長578nm付近に吸収ピークP3を有している。一方、還元ヘモグロビンは、558nm付近に吸収ピークP2を有している。図21は、各成分(酸素化ヘモグロビン、還元ヘモグロビン)の濃度の和が一定となる2成分系の吸収スペクトルであるため、各成分の濃度(すなわち酸素飽和度)によらず吸収が一定となる等吸収点E1、E2、E3、E4が現れる。
【0136】
以下の説明では、等吸収点E1とE2とで挟まれた波長領域を「波長域R1」と記し、等吸収点E2とE3とで挟まれた波長領域を「波長域R2」と記し、等吸収点E3とE4とで挟まれた波長領域を「波長域R3」と記す。また、等吸収点E1とE4とで挟まれた波長領域(すなわち波長域R1、R2及びR3を合わせたもの)を「波長域R0」と記す。
【0137】
なお、波長域R0は、528nm〜584nmである。波長域R2は、546nm〜570nmである。
【0138】
図21に示されるように、隣接する等吸収点間では、酸素飽和度に対して吸収が単調に増加又は減少する。また、隣接する等吸収点間では、ヘモグロビンの吸収は、酸素飽和度に対してほぼ線形的に変化する。
【0139】
具体的には、波長域R1、R3におけるヘモグロビンの吸収AR1、AR3は酸素化ヘモグロビンの濃度(酸素飽和度)に対して線形的に単調増加し、波長域R2におけるヘモグロビンの吸収AR2は還元ヘモグロビンの濃度(1−酸素飽和度)に対して線形的に単調増加する。従って、次式(1)により定義される指標Xは、酸素化ヘモグロビンの濃度(酸素飽和度)に対して線形的に単調増加する。
(式1)
X=(AR1+AR3)−AR2
【0140】
従って、予め実験的に酸素飽和度と指標Xとの定量的な関係を取得すれば、指標Xの値から酸素飽和度を計算することができる。
【0141】
第1の酸素飽和度観察用蛍光体Fs1は、青色LED112aより射出される光によって励起される蛍光体であり、550nm帯の蛍光を発する。図21に示されるように、第1の酸素飽和度観察用蛍光体Fs1は、等吸収点E1からE4までの波長域(すなわち、波長域R0)の蛍光を発し、それ以外の波長領域の蛍光を発しない。第2の酸素飽和度観察用蛍光体Fs2は、青色LED112aより射出される光によって励起される蛍光体であり、等吸収点E2からE3までの波長域(すなわち、波長域R2)の蛍光を発し、それ以外の波長領域の蛍光を発しない。
【0142】
黄色蛍光体112b’は、青色LED112aより射出される光によって励起される蛍光体であり、黄色蛍光体112bと同じ蛍光を発する。狭帯域観察用蛍光体Fs3は、特定の生体組織(主に深層血管)に対して吸光度の高い650nm帯(630〜650nm)の蛍光を発し、それ以外の波長領域の蛍光を発しない。
【0143】
なお、別の実施形態では、青色LED112aに代えて、他色のLED(紫色LEDや緑色LED等)が備えられてもよい。この場合、第1の酸素飽和度観察用蛍光体Fs1は、上記の他色のLEDより射出される光によって波長域R0の蛍光を発する。第2の酸素飽和度観察用蛍光体Fs2は、上記の他色のLEDより射出される光によって波長域R2の蛍光を発する。黄色蛍光体112b’は、上記の他色のLEDより射出される光によって黄色蛍光体112bと同じ蛍光を発する。
【0144】
このように、回転式ターレット400には、夫々異なる発光特性を持つ蛍光体が複数(黄色蛍光体112b’、第1の酸素飽和度観察用蛍光体Fs1、第2の酸素飽和度観察用蛍光体Fs2、狭帯域観察用蛍光体Fs3)配置されている。
【0145】
通常観察モード時は、青色蛍光体111bが光路上に挿入された上で、第1の光源ユニット111及び第2の光源ユニット112’が発光駆動されると共に、黄色蛍光体112b’が照射光Lの光路上に位置する状態で回転式ターレット400が停止する。そのため、通常観察モード時は、第1の実施形態と同じ分光特性(図4(a)参照)を持つ照射光L(通常光)が射出される。この照射光L(通常光)を被写体に照射することにより、通常のカラー撮影画像を得ることができる。
【0146】
特殊観察モード時は、青色蛍光体111bが光路から抜去された上で、第1の光源ユニット111及び第2の光源ユニット112’が発光駆動されると共に、黄色蛍光体112b’が照射光Lの光路上に位置する状態で回転式ターレット400が停止する。そのため、特殊観察モード時も、第1の実施形態と同じ分光特性(図4(b)参照)を持つ照射光L(通常光)が射出される。これにより、照射光L(特殊光)のうち、ヘモグロビンの吸光度のピークとなる波長415nm付近の光の比率が相対的に高くなり(すなわち狭帯域光となり)、主に表層血管が強調された撮影画像を得ることができる。
【0147】
酸素飽和度観察モード時は、青色蛍光体111bが光路から抜去された上で、第1の光源ユニット111及び第2の光源ユニット112’が発光駆動されると共に、黄色蛍光体112b’、第1の酸素飽和度観察用蛍光体Fs1、第2の酸素飽和度観察用蛍光体Fs2、狭帯域観察用蛍光体Fs3の各蛍光体が照射光Lの光路上にフレームレートと同期(撮像周期と同期)したタイミングで順次挿入されるように、フィルタ回転機構430により、4フレームで一回転する周期で回転式ターレット400が回転駆動される。なお、酸素飽和度観察モード時において、第1の光源ユニット111は発光駆動されなくてもよい。
【0148】
回転式ターレット400には、貫通孔402が形成されている。システムコントローラ21は、フィルタ回転機構430を構成するフォトインタラプタ434による貫通孔402の検出タイミングに基づいて回転式ターレット400の回転位相を検知して調整する。これにより、回転式ターレット400は、酸素飽和度観察モード中、一定速度(4フレームで一回転する周期)で回転駆動する。
【0149】
これにより、被写体には、黄色蛍光体112b’、第1の酸素飽和度観察用蛍光体Fs1、第2の酸素飽和度観察用蛍光体Fs2、狭帯域観察用蛍光体Fs3の各蛍光体に応じた照射光L(蛍光)が順次照射される。そのため、後段信号処理回路28には、黄色蛍光体112b’、第1の酸素飽和度観察用蛍光体Fs1、第2の酸素飽和度観察用蛍光体Fs2、狭帯域観察用蛍光体Fs3の各蛍光体を介した照射光Lに対応する画像信号が順次入力される。
【0150】
後段信号処理回路28は、上記式(1)を用いて、画像メモリ27より入力される第1の酸素飽和度観察用蛍光体Fs1に対応する画像信号及び第2の酸素飽和度観察用蛍光体Fs2に対応する画像信号から指標Xを計算する。
【0151】
後段信号処理回路28が備える不揮発性メモリ(不図示)には、予め実験的に取得されたヘモグロビンの酸素飽和度と指標Xの値との定量的関係を示す数値表が記憶されている。後段信号処理回路28は、この数値表を参照して、上記式(1)を用いて算出された指標Xの値に対応する酸素飽和度SatO(x,y)を取得する。後段信号処理回路28は、取得された酸素飽和度SatO(x,y)に所定の定数を乗じた値を各画素(x,y)の画素値とする画像データ(酸素飽和度分布画像データ)を生成する。
【0152】
また、後段信号処理回路28は、画像メモリ27より入力される狭帯域観察用蛍光体Fs3に対応する画像信号を用いて狭帯域観察画像データを生成する。
【0153】
後段信号処理回路28は、酸素飽和度分布画像データを所定のビデオフォーマット信号に変換する。変換されたビデオフォーマット信号は、モニタ300に出力される。これにより、酸素飽和度分布画像がモニタ300の表示画面に表示される。
【0154】
別の実施形態では、光学フィルタ等の減光手段を用いることなく、酸素飽和度分布画像が得られる。そのため、光利用効率が減光手段を用いる場合と比べて高い。
【0155】
後段信号処理回路28は、酸素飽和度分布画像データに加えて狭帯域観察画像データを所定のビデオフォーマット信号に変換してもよい。この場合、酸素飽和度分布画像に加えて狭帯域観察画像がモニタ300の表示画面に表示される。
【0156】
なお、酸素飽和度を定量的に分析して画像化する技術については、例えば国際公開第2014/192781号パンフレットに、より具体的な例示が開示されている。
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