特許第6695430号(P6695430)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6695430
(24)【登録日】2020年4月23日
(45)【発行日】2020年5月20日
(54)【発明の名称】拡張現実メガネ
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/64 20060101AFI20200511BHJP
   G02B 27/02 20060101ALI20200511BHJP
   G02C 9/02 20060101ALN20200511BHJP
   G02C 5/14 20060101ALN20200511BHJP
【FI】
   H04N5/64 511A
   G02B27/02 Z
   !G02C9/02
   !G02C5/14
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-536434(P2018-536434)
(86)(22)【出願日】2017年11月14日
(65)【公表番号】特表2019-537846(P2019-537846A)
(43)【公表日】2019年12月26日
(86)【国際出願番号】CN2017110920
(87)【国際公開番号】WO2019075811
(87)【国際公開日】20190425
【審査請求日】2018年8月21日
(31)【優先権主張番号】201710979031.X
(32)【優先日】2017年10月19日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】318007694
【氏名又は名称】ゴーアテック テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100087505
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 春之
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(72)【発明者】
【氏名】チャン,シン
(72)【発明者】
【氏名】チ,シャオチェン
(72)【発明者】
【氏名】ラン,シアントン
【審査官】 大室 秀明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−226680(JP,A)
【文献】 特開2013−258477(JP,A)
【文献】 特開2002−227824(JP,A)
【文献】 特開2003−275022(JP,A)
【文献】 特開2010−078726(JP,A)
【文献】 特開2007−243649(JP,A)
【文献】 特開2017−118286(JP,A)
【文献】 特開2012−063638(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B27/00−27/64
G02C 1/00−13/00
G06F 1/00
G06F 1/16−1/18
G09F 9/00
H04N 5/64−5/655
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メガネ本体と光学アセンブリとを含み、前記光学アセンブリが前記メガネ本体に接続されている拡張現実メガネであって、
前記光学アセンブリが、前記メガネ本体の外側に設けられており、前記光学アセンブリの少なくとも一端が、前記メガネ本体のいずれかのテンプルに回転接続されており、前記光学アセンブリが、前記テンプルに対して減衰回転し、
前記光学アセンブリが、第一部材と第二部材からなるL型構造であり、前記第一部材が、前記テンプルと減衰回転可能に接続され、前記テンプルの外側に沿って設けられており、前記第二部材が、光学素子を含み、前記光学素子が、前記テンプルに隣接するレンズに沿って設けられており、
前記第一部材が、回転部をさらに含み、前記回転部が、前記第一部材を前段と後段とに分けて、前記前段が、前記第二部材に接続されており、前記後段が、前記テンプルの外側壁と減衰回転可能に接続されており、前記前段と前記後段とが、前記回転部を介して減衰回転可能に接続されており、
前記回転部が、第二回転軸とシリカゲル摺動溝とを含み、前記第二回転軸が、前記前段に固定されており、前記シリカゲル摺動溝が、前記後段に設けられており、かつ、複数の連通した軸孔を有し、前記第二回転軸が、前記シリカゲル摺動溝の軸孔のうちの一つを通って、該軸孔と締り嵌めしており、かつ、前記第二回転軸が、外力の作用により、前記シリカゲル摺動溝に沿って摺動し、前記軸孔のいずれか一つと締り嵌めすることが可能である
ことを特徴とする拡張現実メガネ。
【請求項2】
前記第一部材が、接続部を介して前記テンプルと減衰回転可能に接続されており、
前記接続部が、第一回転軸、第一ゴムリング、第一押圧ワッシャ、緩み止めワッシャ、第二ゴムリング及び締付ネジを含み、
前記第一回転軸が、前記第一部材の前記メガネ本体から離れた側に固定されており、前記テンプルに、軸孔が設けられており、前記第一回転軸が、前記軸孔を通ってから、前記第一ゴムリング、前記第一押圧ワッシャ、前記緩み止めワッシャ及び前記第二ゴムリングを順次通り、前記締付ネジが、軸方向に沿って前記第一回転軸の末端に捻じ込まれ、前記第一ゴムリング、前記第一押圧ワッシャ、前記緩み止めワッシャ及び前記第二ゴムリングをロックする
ことを特徴とする請求項に記載の拡張現実メガネ。
【請求項3】
前記第一部材が、接続部を介して前記テンプルと減衰回転可能に接続されており、
前記接続部が、第一回転軸、ゴムリング及び第一蝶ワッシャを含み、
前記第一回転軸が、前記第一部材の前記メガネ本体から離れた側に固定されており、前記テンプルに、軸孔が設けられており、前記第一回転軸が、前記軸孔を通ってから、前記ゴムリング、前記第一蝶ワッシャを順次通り、前記第一回転軸の末端には、第一スナップフィットが設けられており、前記第一蝶ワッシャが、前記第一スナップフィットを係止して前記ゴムリングをロックする
ことを特徴とする請求項に記載の拡張現実メガネ。
【請求項4】
前記シリカゲル摺動溝が二つ平行して設けられており、前記第二回転軸が、前記各シリカゲル摺動溝の軸方向に揃った前記軸孔を通って、該軸孔と締り嵌めする
ことを特徴とする請求項に記載の拡張現実メガネ。
【請求項5】
前記拡張現実メガネの長さが190mm以下、前記拡張現実メガネの幅が140mm以下、前記テンプルの長さが160mm以下である
ことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の拡張現実メガネ。
【請求項6】
前記拡張現実メガネの質量が100g以下である
ことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の拡張現実メガネ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2017年10月19日に提出された「拡張現実メガネ」と題された中国特許出願第201710979031.X号の優先権を主張し、その開示の全体は援用により本願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、ウェアラブル装置の技術分野に関し、特に、拡張現実メガネに関する。
【背景技術】
【0003】
拡張現実技術の継続的な発展に伴い、拡張現実型ウェアラブル装置、例えば、拡張現実メガネなどの端末装置が急速に登場している。拡張現実メガネは、光学アセンブリをユーザの目の前に配置することで、拡張現実シーン画像の結像効果を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エンドユーザの体験を改善するために、光学アセンブリの構造設計もますます精巧にする必要がある。光学アセンブリの部分は、使用しやすくなるように、位置を調整することによって異なる人の目に適応する必要があり、これにより、仮想的な結像がちょうどメガネの真正面に現れるようにして、ユーザの着用体験を改善する。
【0005】
拡張現実メガネを便利に利用し、ユーザがより良い拡張現実シーン効果を得ることができるように光学アセンブリの位置を調整するためには、調整しやすくて製品の応用効果及びユーザ体験を改善することができる光学アセンブリ構造を提供する必要がある。
【0006】
従来技術における拡張現実メガネの調整の利便性の問題に鑑みて、本発明の拡張現実メガネは、上記問題を解消するか、または上記問題を少なくとも部分的に解決するために提案されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の技術案が用いられている。
拡張現実メガネであって、メガネ本体と光学アセンブリとを含み、前記光学アセンブリが前記メガネ本体に接続されており、前記光学アセンブリが前記メガネ本体の外側に設けられており、前記光学アセンブリの少なくとも一端が前記メガネ本体のいずれかのテンプルに回転接続されており、前記光学アセンブリが前記テンプルに対して減衰回転する。
【0008】
また、前記光学アセンブリが第一部材と第二部材からなるL型構造であり、前記第一部材が前記テンプルと減衰回転可能に接続され、前記テンプルの外側に沿って設けられており、前記第二部材が光学素子を含み、前記光学素子が前記テンプルに隣接するレンズに沿って設けられていてもよい。
【0009】
また、前記第一部材が接続部を介して前記テンプルと減衰回転可能に接続されており、前記接続部が、第一回転軸、第一ゴムリング、第一押圧ワッシャ、緩み止めワッシャ、第二ゴムリング及び締付ネジを含み、前記第一回転軸が前記第一部材の外側に固定されており、前記テンプルに軸孔が設けられており、前記第一回転軸が、前記軸孔を通ってから、前記第一ゴムリング、前記第一押圧ワッシャ、前記緩み止めワッシャ及び前記第二ゴムリングを順次通り、前記締付ネジが、軸方向に沿って前記第一回転軸の末端に捻じ込まれ、前記第一ゴムリング、前記第一押圧ワッシャ、前記緩み止めワッシャ及び前記第二ゴムリングをロックしてもよい。
【0010】
また、前記第一部材が接続部を介して前記テンプルと減衰回転可能に接続されており、前記接続部が、第一回転軸、ゴムリング及び第一蝶ワッシャを含み、前記第一回転軸が前記第一部材の外側に固定されており、前記テンプルに軸孔が設けられており、前記第一回転軸が、前記軸孔を通ってから、前記ゴムリング、前記第一蝶ワッシャを順次通り、前記第一回転軸の末端には第一スナップフィットが設けられており、前記第一蝶ワッシャが前記スナップフィットを係止して前記ゴムリングをロックしてもよい。
【0011】
また、前記第一部材が回転部をさらに含み、前記回転部が前記第一部材を前段と後段とに分けて、前記前段が前記第二部材に接続されており、前記後段が前記テンプルの外側壁と減衰回転可能に接続されており、前記前段と前記後段とが前記回転部を介して減衰回転可能に接続されていてもよい。
【0012】
また、前記回転部が、回転接続部材と第二回転軸とを含み、前記第二回転軸が前記前段に固定されており、前記回転接続部材が、前記第二回転軸に外装され、前記第二回転軸と締り嵌めしており、前記回転接続部材の末端に前記後段が固定接続されており、前記第二回転軸と前記回転接続部材との間に位置規制構造を備え、前記位置規制構造が、前記回転接続部材を、所定の範囲内で前記第二回転軸回りに回転するように規制してもよい。
【0013】
また、前記回転部が、第二回転軸、第一回転軸アセンブリ、第二回転軸アセンブリ、スプリング、第二押圧ワッシャ及び第二蝶ワッシャを含み、前記第一回転軸アセンブリ及び前記第二回転軸アセンブリが、それぞれ、前記後段及び前記前段に固定されており、前記第一回転軸アセンブリ及び前記第二回転軸アセンブリのいずれにも軸孔が設けられており、前記第二回転軸が、前記第一回転軸アセンブリ及び前記第二回転軸アセンブリの各軸孔を通ってから、引き続き前記スプリング、前記第二押圧ワッシャ及び前記第二蝶ワッシャを順次通り、前記第二回転軸の末端には第二スナップフィットが設けられており、前記第二蝶ワッシャが、前記第一回転軸アセンブリ、前記第二回転軸アセンブリ、前記スプリング及び前記第二押圧ワッシャを締め付けるように前記第二スナップフィットを係止し、前記第一回転軸アセンブリと前記第二回転軸アセンブリとの接触面が減衰摩擦面であってもよい。
【0014】
また、前記回転部が、第二回転軸と係合構造とを含み、前記第二回転軸が前記後段に固定されており、前記係合構造が、前記前段に固定されており、かつ、複数の爪部を含み、前記係合構造の各爪部が前記第二回転軸にそれぞれ係合されて前記第二回転軸と締り嵌めしており、前記第二回転軸及び/又は前記各爪部が自己潤滑性材料であってもよい。
【0015】
また、前記回転部が、第二回転軸とシリカゲル摺動溝とを含み、前記第二回転軸が前記前段に固定されており、前記シリカゲル摺動溝が、前記後段に設けられており、かつ、複数の連通した軸孔を有し、前記第二回転軸が、前記シリカゲル摺動溝の軸孔のうちの一つを通って、該軸孔と締り嵌めしており、かつ、前記第二回転軸が、外力の作用により、前記シリカゲル摺動溝に沿って摺動し、前記軸孔のいずれか一つと締り嵌めすることが可能であるようにしてもよい。
【0016】
また、前記シリカゲル摺動溝が二つ平行して設けられており、前記第二回転軸が、前記各シリカゲル摺動溝の軸方向に揃った前記軸孔を通って、該軸孔と締り嵌めしてもよい。
【0017】
また、前記拡張現実メガネの長さが190mm以下、前記拡張現実メガネの幅が140mm以下、前記テンプルの長さが160mm以下であってもよい。
【0018】
また、前記拡張現実メガネの質量が100g以下であってもよい。
【発明の効果】
【0019】
要約すると、本発明の有益な効果は、下記の通りになる。
本発明による拡張現実メガネは、光学アセンブリをメガネ本体の外側に設け、光学アセンブリの少なくとも一端を、メガネ本体のいずれかのテンプルに回転接続することによって、光学アセンブリがテンプルに対して減衰回転するようにして、これにより、目の前方の上下方向での光学アセンブリの位置を回転範囲内で容易に調整して、拡張現実画像を人の目の視線と正確にマッチングさせ、良い拡張現実体験を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図面は、本発明に対する更なる理解を提供すると同時に、明細書の一部を構成するものであり、本発明の実施例とともに本発明を解釈するために用いられ、本発明を限定するものではない。
図1】本発明による拡張現実メガネの平面図である。
図2】本発明による拡張現実メガネの側面図である。
図3】本発明による拡張現実メガネの実施例1に示す光学アセンブリとメガネ本体との接続構造である。
図4】本発明による拡張現実メガネの実施例2に示す光学アセンブリとメガネ本体との接続構造である。
図5】本発明による拡張現実メガネの実施例3に示す光学アセンブリの前段と後段との接続構造である。
図6図5に示す光学アセンブリの断面図である。
図7】本発明による拡張現実メガネの実施例4に示す光学アセンブリの前段と後段との接続構造である。
図8図7に示す光学アセンブリの断面図である。
図9】本発明による拡張現実メガネの実施例5に示す光学アセンブリの前段と後段との接続構造である。
図10】本発明による拡張現実メガネのもう一つの側面図である。
図11】本発明による拡張現実メガネの角度範囲を調節する模式図である。
図12】本発明による拡張現実メガネの実施例6に示す光学アセンブリの前段と後段との接続構造である。
図13図12におけるシリカゲル摺動溝の断面模式図である。
図14】本発明による拡張現実メガネの実施例6の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の目的、技術案及び利点が更に明白になるように、以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について更に詳しく説明する。
【0022】
本発明の技術構想としては、光学アセンブリをメガネ本体の外側に減衰回転可能に接続することにより、光学アセンブリを回転して拡張現実画像の位置を調整し、異なる着用者の頭部の大きさと目の位置により良く適応し、着用者に拡張現実体験を提供することができる。
【0023】
図1は、本発明による拡張現実メガネの平面図であり、図2は、本発明による拡張現実メガネの側面図である。
【0024】
本発明には、拡張現実メガネが開示されており、図1図2に示すように、メガネ本体100と光学アセンブリ200とが含まれる。光学アセンブリ200がメガネ本体100に接続されており、光学アセンブリ200がメガネ本体100の外側に設けられている。メガネ本体100の外側とは、利用者が当該拡張現実メガネを着用した時にメガネ本体100の利用者の頭部から離れた側をいう。光学アセンブリ200の少なくとも一端がメガネ本体100のいずれかのテンプルに回転接続されている。光学アセンブリ200がテンプルに対して減衰(damping)回転する。
【0025】
図1の平面図に示すように、光学アセンブリ200の一端がメガネ本体100のテンプルの外側に接続されており、光学アセンブリ200が紙面に垂直する方向で回転可能である。このように、利用者は、該拡張現実メガネを着用時に、目の前方の上下方向で光学アセンブリ200を調節して、光学アセンブリ200によって提供された拡張現実画像を視線と正確にマッチングさせることができる。例えば、図2は、光学アセンブリ200が(1)の位置から下へ(2)の位置に回転する模式図を示している。
【0026】
本発明のいくつかの実施例では、光学アセンブリ200は、メガネ本体100に接続された端部が複数あってもよい。例えば、二つのレンズを跨いだ構造として光学アセンブリ200を配置して、光学アセンブリ200の両端をそれぞれ二つのテンプルに接続させる。
【0027】
本発明のいくつかの実施例では、光学アセンブリ200は、図1に示すように、第一部材210と第二部材220からなるL型構造である。第一部材210が、テンプルと減衰回転可能に接続され、テンプルの外側に沿って設けられている。第二部材220が光学素子を含み、光学素子が、テンプルに隣接するレンズに沿って設けられている。光学素子は、利用者に拡張現実シーン画像の結像効果を提供するためのものであり、プリズム等の光学レンズを含んでもよく、透明又は半透明のディスプレイを含んでもよく、ここで限定しない。
【実施例1】
【0028】
図3は、本発明による拡張現実メガネの実施例1に示す光学アセンブリとメガネ本体との一種の接続構造である。
【0029】
図3に示すように、第一部材210が、接続部を介してテンプルと減衰回転可能に接続されており、接続部が、第一回転軸301、第一ゴムリング302、第一押圧ワッシャ303、緩み止めワッシャ304、第二ゴムリング305及び締付ネジ306を含む。
【0030】
第一回転軸301が第一部材210の外側に固定されており、メガネ本体100のテンプルに軸孔が設けられている。第一回転軸301が、テンプルの軸孔を通ってから、第一ゴムリング302、第一押圧ワッシャ303、緩み止めワッシャ304、第二ゴムリング305を順次通り、締付ネジ306が軸方向に沿って第一回転軸301の末端に捻じ込まれ、第一ゴムリング302、第一押圧ワッシャ303、緩み止めワッシャ304及び第二ゴムリング305をロックし、締付ネジ306によって提供された締付力により、第一回転軸301等の構造は回転時に摩擦力を発生させ、減衰効果を生む。
【0031】
第一押圧ワッシャ303は、シール効果を提供するための平面状の金属ワッシャであり、強度が高く、耐用性がよく、使用寿命が長い。緩み止めワッシャ304は、締付ネジ306が緩むのを防止するための、ねじ付き又はテーパ状の金属ワッシャである。第一ゴムリング302が、メガネ本体100と第一押圧ワッシャ303との間に位置し、第二ゴムリング305が、緩み止めワッシャ304と締付ネジ306との間に位置する。第一ゴムリング302及び第二ゴムリング305が、弾性力を提供するとともに、金属材質であるワッシャとメガネ本体100又は締付ネジ306とが摩擦して騒音を発生させることを回避し、静音回転調節を実現し、第一回転軸301の使用寿命を向上させることができる。
【実施例2】
【0032】
図4は、本発明による拡張現実メガネの実施例2に示す光学アセンブリとメガネ本体とのもう一種の接続構造である。
【0033】
図4に示すように、第一部材210が、接続部を介してテンプルと減衰回転可能に接続されており、接続部が、第一回転軸401、ゴムリング402及び第一蝶ワッシャ403を含む。第一回転軸401が第一部材210の外側に固定されており、テンプルに軸孔が設けられており、第一回転軸401が、軸孔を通ってから、ゴムリング402、第一蝶ワッシャ403を順次通り、第一回転軸401の末端に第一スナップフィット4011が設けられており、第一蝶ワッシャ403が第一スナップフィット4011を係止してゴムリング402をロックする。
【0034】
該実施例2では、光学アセンブリ200とメガネ本体100のテンプルとの間は、第一回転軸401によって回転接続が実現されており、また、ゴムリング402が存在するため、ゴムリング402の弾性力及び摩擦力の作用で、光学アセンブリ200とテンプルとの間に減衰回転が形成され、手触りとしては、回転調節が快適になる。そして、減衰力を介して、光学アセンブリ200が、回転した任意の位置に空中浮揚することができ、これにより、異なる利用者の目の位置に適応し、良好な拡張現実体験が提供される。
【実施例3】
【0035】
図5は、本発明による拡張現実メガネの実施例3に示す光学アセンブリの前段と後段との第一種の接続構造である。図6は、図5に示す光学アセンブリの断面図である。
【0036】
図5に示すように、第一部材210が回転部をさらに含み、回転部が、第一部材210を前段211と後段212に分けている(図1参照)。前段211が第二部材220に接続されており、後段212がテンプルの外側壁と減衰回転可能に接続されており、前段211と後段212とが回転部を介して減衰回転可能に接続されている。
【0037】
図5及び図6に示すように、前段211と後段212との間の回転部が、第二回転軸501と回転接続部材502とを含む。第二回転軸501が前段211に固定されている。回転接続部材502が第二回転軸501に外装され、第二回転軸501と締り嵌めしている。回転接続部材502の末端に後段212が固定接続されている。第二回転軸501と回転接続部材502との間に位置規制構造が設けられており、位置規制構造は、回転接続部材502を、所定の範囲内で第二回転軸501回りに回転するように規制する。
【0038】
本発明のいくつかの実施例では、回転接続部材502は、板金プロセスまたは金属射出成形プロセスによって加工して製造することができ、回転接続部材502と第二回転軸501との締り嵌めによって減衰効果が生じる。第二回転軸501がネジ503によって前段211にロックされており、回転接続部材502がネジ504によって後段212にロックされている。
【0039】
本発明のいくつかの実施例では、第二回転軸501と回転接続部材502との間の位置規制構造は、第二回転軸501上の肩部を用いて実現してもよい。
【実施例4】
【0040】
図7は、本発明による拡張現実メガネの実施例4に示す光学アセンブリの前段と後段との第二種の接続構造である。図8は、図7に示す光学アセンブリの断面図である。
【0041】
図7及び図8に示すように、光学アセンブリ200の前段211と後段212との間の回転部が、第二回転軸701、第一回転軸アセンブリ702、第二回転軸アセンブリ703、スプリング704、第二押圧ワッシャ705、第二蝶ワッシャ706を含む。第一回転軸アセンブリ702及び第二回転軸アセンブリ703が、それぞれ、後段212と前段211に固定されている。第一回転軸アセンブリ702及び第二回転軸アセンブリ703のいずれにも軸孔が設けられている。第二回転軸701が、第一回転軸アセンブリ702と第二回転軸アセンブリ703の軸孔を通ってから、引き続きスプリング704、第二押圧ワッシャ705及び第二蝶ワッシャ706を順次通る。第二回転軸701の末端に第二スナップフィット7011が設けられている。第二蝶ワッシャ706が、第一回転軸アセンブリ702、第二回転軸アセンブリ703、スプリング704及び第二押圧ワッシャ705を締め付けるように第二スナップフィット7011を係止する。第一回転軸アセンブリ702と第二回転軸アセンブリ703との接触面が減衰摩擦面である。
【0042】
第一回転軸アセンブリ702と第二回転軸アセンブリ703にねじ孔が設けられており、第一回転軸アセンブリ702が、ねじ孔を通ったネジ707によって後段212に固定されている。第二回転軸アセンブリ703が、ネジ708とネジ709によって前段211に固定されている。第二回転軸701が、第一回転軸アセンブリ702の軸孔、第二回転軸アセンブリ703の軸孔、スプリング704及び第二押圧ワッシャ705を順次通る。第二回転軸701の端部のスナップフィット7011が第二蝶ワッシャ706と係止されて、ロックが実現される。スプリング704の弾性力の作用で、第一回転軸アセンブリ702と第二回転軸アセンブリ703とが押し付け合わせられる。回転調節時、第一回転軸アセンブリ702と第二回転軸アセンブリ703との間の摩擦抵抗によって減衰効果が達成される。
【実施例5】
【0043】
図9は、本発明による拡張現実メガネの実施例5に示す光学アセンブリの前段と後段との第三種の接続構造である。
【0044】
図9に示すように、前段211と後段212との間の回転部が、第二回転軸901と係合構造902とを含む。第二回転軸902が後段212に固定されている。係合構造902が前段211に固定されている。係合構造902が複数の爪部9021を含み、図9に示す実施例では2つの爪部9021を含むが、爪部9021の数がこれに限定されるものではなく、係合の堅さを向上させるために爪部の数を増やしてもよい。複数の爪部9021がいずれも第二回転軸901に係合されて第二回転軸901と締り嵌めする。第二回転軸901及び/又は爪部9021が自己潤滑性材料である。
【0045】
係合構造902と回転軸901とがスナップ嵌めで組み立てられており、操作が簡便である。また、回転軸901及び爪部9021の少なくとも一方が自己潤滑性材料を用いるため、減衰回転調整をより円滑にして、操作の心地を快適にすることができる。
【0046】
光学アセンブリ200の第一部材210を段付構造として配置することで、前段211と後段212の相対的な回転によって、拡張現実画像の調整可能範囲をさらに拡大することができる。図10は、本発明による拡張現実メガネのもう一つの側面図であり、該側面図は、前段211が後段212に対して下へ回転し、(1)’の位置から(2)’の位置に調節される模式図を示している。
【0047】
図11は、本発明による拡張現実メガネの角度範囲を調節する模式図である。該模式図は、メガネ本体100と光学アセンブリ200との間、及び、光学アセンブリ200の前段211と後段212との間の二段回転調節を示している。
【0048】
本発明の拡張現実メガネは、メガネ本体100と光学アセンブリ200との間の第一段回転軸調節と、光学アセンブリ200の前段211と後段212との間の第二段回転軸調節とを含む二段回転軸調節を有する。図11に示すように、光学アセンブリ200がまっすぐに保持されている場合、光学素子は、第一段回転軸の回転調節によって、A端に示す限界位置とB端に示す限界位置との間で随意に調節されることが可能である。
【0049】
いくつかの実施例では、第一段回転軸で回転調節を行った後、さらに第二段回転軸で回転調節を行うことにより、拡張現実画像の位置に対して引き続き微細調整を行ってもよい。例えば、Aに示す限界位置で、第二段回転軸で回転調節を行って、光学素子をC1とC2に示す位置の間で随意に調節する。Bに示す限界位置で、第二段回転軸で回転調節を行って、光学素子をD1とD2に示す位置の間で随意に調節する。
【0050】
第一段回転軸の回転調節の角度範囲がΦであり、例えば、図11ではΦ=30°の角度範囲の調節が実現される。そして、第二段回転軸の回転調節を介して、この角度調節範囲をさらに拡大することができ、即ち、元のA−Bの角度範囲からC1−D1の角度範囲に拡大することができる。このように、着用中に、利用者は、第一段回転軸の回転調節で大まかな調節を行い、おおよその位置に調節した後、第二段回転軸の回転調節で微細調整を実現することにより、拡張現実画像を、利用者のニーズを満たす好適な位置に到達させることができる。
【実施例6】
【0051】
図12は、本発明による拡張現実メガネの実施例6に示す光学アセンブリの前段と後段との第四種の接続構造である。図13は、図12におけるシリカゲル摺動溝の断面模式図である。図14は、本発明による拡張現実メガネの実施例6の平面図である。
【0052】
該実施例6では、光学アセンブリ200の前段211と後段212は、前述の図10に示したように回転調節が実現できるだけでなく、摺動調節も実現できる。図12及び図13に示すように、前段211と後段212との間の回転部が、第二回転軸1201とシリカゲル摺動溝1202とを含む。第二回転軸1201がネジ1203によって前段211に固定されている。シリカゲル摺動溝1202が後段212に設けられている。シリカゲル摺動溝1202が複数の連通した軸孔12021からなり、図13に示すように、シリカゲル摺動溝1202内で、各円弧が各軸孔12021にそれぞれ対応している。第二回転軸1201がシリカゲル摺動溝1202のうちの一つの軸孔12021を通るとともに、軸孔12021と締り嵌めする。これにより、前段211と後段212との間の減衰回転接続が実現され、前段211が後段212に対して図12の曲線矢印に示すように回転することが可能になり、拡張現実画像の回転調節が実現される。
【0053】
そして、第二回転軸1201は、さらに、外力の作用によりシリカゲル摺動溝1202に沿って摺動し、いずれかの軸孔12021に摺動するとともに、いずれかの軸孔と締り嵌めすることが可能である。このように、図12の中空矢印に示す方向に従ってプッシュプル操作を実現し、前段211を後段212に対して摺動させ、拡張現実画像の摺動調節を実現することができる。
【0054】
好ましくは、シリカゲル摺動溝1202が二つ平行して設けられており、第二回転軸1201が、二つのシリカゲル摺動溝1202の軸方向に揃った軸孔12021を通って、軸孔12021と締り嵌めする。二つの平行したシリカゲル摺動溝1202と第二回転軸1201との協働によって、第二回転軸1201の揺動を防止して、回転調節の安定性を向上させることができる。無論、シリカゲル摺動溝1202の数は、これに限定されるものでなく、より多く配置してもよく、ここでは繰り返して説明しない。
【0055】
好ましくは、シリカゲル摺動溝1202と後段212とのプラスチックハウジングが、二重射出成形プロセスによって製造される。二重射出成形プロセスによって、シリカゲルとプラスチックとの二つの材料が堅固に結合し、本実施例による拡張現実メガネが比較的長い使用寿命を有するようになる。
【0056】
図14の平面図に示すように、着用時、第二部材220に設けられた光学素子が、拡張現実画像を提供する。紙面内で、前段211をプッシュプルすることによって、拡張現実画像の目の左右方向での調節を実現することができる。紙面に垂直する方向で、光学アセンブリ200の後段212のメガネ本体100に対する回転、及び、光学アセンブリ200の前段211の後段212に対する回転によって、拡張現実画像の目の前方の上下方向での調節を実現することができる。
【0057】
本発明の上記各実施例では、拡張現実メガネの長さが190mm以下、拡張現実メガネの幅が140mm以下、拡張現実メガネのテンプルの長さが160mm以下である。
【0058】
本発明の上記各実施例では、メガネの軽量化を満たし、着用の快適性を向上させるために、拡張現実メガネの質量が100g以下である。
【0059】
以上は、あくまでも本発明のいくつかの実施形態であり、本発明の上記教示の下で、当業者は、上記実施例に基づいて他の改良又は変形を行うことができる。当業者であれば、上記特定の記載は本発明の目的をより良く解釈するためのものであり、本発明の保護範囲が特許請求の範囲の保護範囲に基づくべきであることを理解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14