(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6695443
(24)【登録日】2020年4月23日
(45)【発行日】2020年5月20日
(54)【発明の名称】アンカーを含む気道弁
(51)【国際特許分類】
A61B 17/12 20060101AFI20200511BHJP
【FI】
A61B17/12
【請求項の数】10
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-550671(P2018-550671)
(86)(22)【出願日】2017年1月31日
(65)【公表番号】特表2019-512341(P2019-512341A)
(43)【公表日】2019年5月16日
(86)【国際出願番号】US2017015711
(87)【国際公開番号】WO2017172021
(87)【国際公開日】20171005
【審査請求日】2018年9月27日
(31)【優先権主張番号】62/315,075
(32)【優先日】2016年3月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500397765
【氏名又は名称】スパイレーション インコーポレイテッド ディー ビー エイ オリンパス レスピラトリー アメリカ
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リルジェグレン エリック
【審査官】
山口 賢一
(56)【参考文献】
【文献】
特表2009−532098(JP,A)
【文献】
国際公開第2004/103209(WO,A2)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0158515(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0172927(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0283585(US,A1)
【文献】
国際公開第2014/210263(WO,A1)
【文献】
特表2016−526438(JP,A)
【文献】
特表2005−523076(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/12
A61B 17/24
A61F 2/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
気道内に配置可能で、空気の通過を防止する気道弁であって、
a.前記気道をシールするために広がることが可能な膜と、
b.前記膜を広げるように前記膜と連通しているフレームと、を備え、前記フレームが、
i.ロッドと、
ii.遠位端で前記ロッドに接続され、かつ前記遠位端から離れて近位端に向かって延在するに従い、略径方向外方に延在している、複数の支柱と、
iii.前記遠位端と前記近位端との間で前記支柱と直接連通している複数のアンカーであって、前記複数のアンカーの各々が、前記膜に設けられた開口を通って、前記膜の第一の側部から第二の側部に延在している、複数のアンカーと、
iv.前記複数のアンカーと前記複数の支柱との間に延びて、前記複数のアンカーを前記複数の支柱に接続するアンカーコネクタと、
を含む、弁。
【請求項2】
前記複数の支柱の一部が、前記複数のアンカーを有していない、請求項1に記載の弁。
【請求項3】
前記複数のアンカーの各々が、前記複数のアンカーの各々が前記支柱から離れて延在するに従い、前記弁の前記遠位端に向かって延在する、請求項1又は2に記載の弁。
【請求項4】
前記アンカーコネクタそれぞれは、前記複数の支柱の一つから側方に延びる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の弁。
【請求項5】
前記支柱が、略弓形形状を有し、かつ前記ロッドから外方に延在しており、前記複数の支柱のうちの1つ以上が、前記ロッドに対して前記ロッドに向かって角度付けされた角度付き先端を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の弁。
【請求項6】
前記複数のアンカーが各々、前記複数のアンカーの各々が接続されている前記複数の支柱の側部から延在しており、
前記アンカーの各々が、前記ロッドから外方に離れて延在しているアンカー先端を含む、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の弁。
【請求項7】
前記複数のアンカーの各々が、前記複数のアンカーの各々を前記複数の支柱の各々から離れて湾曲させている第1の弓形領域を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の弁。
【請求項8】
前記第1の弓形領域が、約45度以上かつ約150度以下の角度で湾曲している、請求項7に記載の弁。
【請求項9】
前記複数のアンカーの各々が、第2の弓形領域を含み、前記第2の弓形領域が、前記複数のアンカーの各々を前記遠位端に向かって湾曲させる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の弁。
【請求項10】
前記第2の弓形領域が、約10度以上かつ約90度以下の角度、好ましくは、約20度及び約45度の角度で湾曲しており、
前記複数のアンカーの各々が、約45度以上かつ180度以下離れて配置される、
請求項9に記載の弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本教示は、概して、コンパクトであり、かつ短縮された長さを有する弁に関し、当該弁は弁が一度展開されると沈降しないように、支柱から延在しているアンカーも含む。
【背景技術】
【0002】
機械的気道弁は、通路内に配置されて、肺の選択された部分に空気が流入することを防止する。
【0003】
同一領域内に位置するアンカー及び支柱を含む弁を有することが魅力的である。長さ及び/又は断面長さの事前測定が不要であるように、通路に据え付けることと、通路をシールすることと、の両方を行うように伸縮可能な弁が必要とされている。支柱から直接延在するアンカーを含む弁を有することが魅力的である。弁が一度展開されると実質的にその位置を維持するように、沈降しないアンカーを有する弁が必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
本教示は、(a)膜と、(b)膜を広げるように膜と連通しているフレームと、を備え、フレームが、(i)ロッドと、(ii)遠位端でロッドに接続され、かつ支柱が遠位端から離れて近位端に向かって延在するに従い略径方向外方に延在している複数の支柱と、(iii)遠位端と近位端との間で支柱と直接連通している複数のアンカーであって、複数のアンカーの各々が、膜の出口位置を通って延在している、アンカーと、を含む、弁を提供することによって現時点における必要性のうちの1つ以上(すべてではないが)を満たす。
【0005】
本明細書の教示は、これらの問題のうちの1つ以上を、同一領域内に位置するアンカー及び支柱を有する弁を提供することによって、驚くほどに解決する。本教示は、長さ及び/又は断面長さの事前測定が不要であるように、通路に据え付けることと、通路をシールすることと、の両方を行うように伸縮可能な弁を提供する。本教示は、支柱から直接延在するアンカーを含む弁を提供する。本教示は、弁が一度展開されると実質的にその位置を維持するように、沈降しないアンカーを有する弁を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図7】
図6の1つの支柱及び1つのアンカーの拡大図を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書に提示する説明及び例示は、本発明、その原理、及びその実用的用途を当業者に知らせることを意図したものである。当業者であれば、特定の使用の要件に最も適し得るように、本教示をその多数の形態で適合させて適用することができる。したがって、記述される本教示の特定の実施形態は、本教示を網羅しているか又は限定しているものとして意図されているものではない。したがって、本教示の範囲は、上述の説明を参照して決定されるべきではなく、その代わりに、添付の特許請求の範囲を、このような特許請求の範囲が権利を与えられる等価物の全範囲と共に参照して決定されるべきである。特許出願及び特許出願公開を含むすべての論文及び参考文献の開示は、あらゆる目的で参照により組み込まれている。以下の特許請求の範囲から見つけられるような他の組み合わせも可能であり、それらもまた参照により本明細書に組み込まれる。
【0008】
本教示は、通路内に配置するための改善された弁を提供する。本教示は、改善された気道弁を提供する。弁は、気道内で徐々に開き、その気道を通る空気流を阻止するように機能する。弁は、通路、好ましくは、肺の気道などの1つ以上の構造体をシールし得る。好ましくは、弁は、シールを形成し、気管支、気管支梢、気管支の分岐、気管支梢の分岐、又はそれらの組み合わせにおける空気流を防止する。弁は、取り外し可能であるように機能し得る。弁は、生体適合性であるように機能し得る。弁は、軸に沿って延在し得る。弁は、湾曲することができる。弁は、直線であってもよい。弁は、1つ以上の位置で屈曲し得るか、1つ以上の方向に屈曲し得るか、又はそれらの両方であり得る。弁は、屈曲してもよく、かつ回転可能であってもよい。弁は、1つの区分を含み得る。弁は、複数の区分を含み得る。弁は、遠位端及び近位端を含み得る。弁は、遠位端から近位端に延在する長手方向軸を含む。長手方向軸は、長手方向軸が、直線であるか、弓形であるか、屈曲を含むか、又はそれらの組み合わせであるような弁の形状に沿い得る。好ましくは、長手方向軸は、弁の最大寸法であり、かつ弁の長さに対して平行に延在する。
【0009】
遠位端は、気道内に配置された先端及び/又は第1の端であり得る。遠位端は、固定されたアンカーを含み得る。遠位端は、終点を含み得るか、若しくは終端であり得るか、又はそれらの両方であり得る。遠位端は、展開の間、遠位端が気道の壁に接触し、気道が無傷のまま気道を動かすように、1つ以上の鈍い特徴部を含み得る。1つよりも多い弁区分が存在する場合、各弁区分は、遠位端を含み得る。遠位端は、近位端の反対に位置し得る。弁区分の遠位端のうちの1つ以上は、隣接する弁区分の近位端と連通し得る。
【0010】
近位端は、展開される最終端であり得る。近位端は、1つ以上の引込特徴部を含み得る。近位端は、1つ以上の除去特徴部を含み得る。近位端は、ロッドを含み得る。
【0011】
ロッドは、支持具、フレーム用の支持具、中心軸、又はそれらの組み合わせとして機能し得る。1つ以上のロッドは、弁の長手方向軸に沿って延在してもよく、弁の長手方向軸であってもよく、又はそれらの両方であってもよい。ロッドは、バルブを構造体から取り外すために使用され得る。ロッドは、通路及び/又は気道の壁との接続を解除し得る。ロッドは、支柱が展開状態から緩められ、かつ弁が動かされ得るか又は取り外され得るように、支柱を動かし得る。遠位端、近位端、又はそれらの両方は、1つ以上の接続特徴部、1つ以上の除去特徴部、1つ以上の脱着特徴部、又はそれらの組み合わせを含み得る。近位端は、弁が取り外され得るように、接続を形成することを補助する、球根状部分、フック、孔、「J字」形状、又はそれらの組み合わせを含み得る。1つ以上のロッドは、1つ以上の湾曲、1つ以上の屈曲、又はそれらの両方を含み得る。好ましくは、1つ以上のロッドは、略一直線(即ち、直線)であり得る。1つ以上のロッドは、中空、中実、又はそれらの両方であり得る。1つ以上のロッドは、可撓性であり得る。1つ以上のロッドは、ニチノール、鋼、外科用鋼、ステンレス鋼、プラスチック、ポリマー、熱硬化性物質、熱可塑性物質、又はそれらの組み合わせから作製され得る。1つ以上のロッドは、通路及び特に構造体内で弁を芯出しすることを補助するために一方向に可動であり得る。1つ以上のロッドは、貫通孔、窪み、ギザギザ、陥凹、隆起区分、非直線区分、又はそれらの組み合わせを含み得る。1つ以上のロッドは各々、遠位端及び近位端を含み得る。弁は、1つ以上のヒンジ点によって共に接続される複数のロッドを含み得、このため弁は、非線形経路(例えば、蛇行経路)を通って動き得る。
【0012】
近位端は、1つ以上のヒンジ点、1つ以上の相互接続部、又はそれらの両方を含み得る。弁は、1つよりも多い弁区分を含むとき、1つよりも多い近位端を含み得る。弁は、2つ以上の区分及びさらに複数の区分を含み得る。
【0013】
1つ以上の区分は、気道を、又は気道に対してアンカーを個別にシールするように機能し得る。1つ以上の区分は、通路、気道、又はそれらの両方の長さをシールするように機能し得る。1つ以上の区分の各々は、互いに対して可動であり得る。1つ以上の区分は、軸に沿って配置され得る。1つ以上の区分は、端から端まで配置され得る。1つ以上の区分は、互いに対してある角度で(即ち、非直線で)配置され得る。1つ以上の区分は、通路若しくは気道に接続され得るか、又はそれらを遮断し得る。1つ以上の区分は、実質的に同一であってもよい。1つ以上の区分は、ロッドに沿って可動であるか、ロッドに固定されるか、又はそれらの両方であってもよい。2つ以上の区分は、単一ロッド(即ち、1つの単一部品)に接続され得る。各区分は、それ自体のロッドに接続され得る。好ましくは、弁は、1つのみの弁区分を含む。各区分は、完全に展開された状態で約5mm以上、約6mm以上、約7mm以上、約8mm以上、又はさらに約9mm以上の断面長さ(例えば、直径(即ち、ロッドから径方向外方への距離))を有し得る。区分は、完全に展開された状態で約20mm以下、好ましくは、約15mm以下、又はより好ましくは、約12mm以下の断面長さを有し得る。区分は各々、複数の断面長さを有し得る。好ましくは、弁区分は、複数の断面長さを含む。より好ましくは、支柱の各群は、ある断面長さを含み、断面長さが異なる。
【0014】
弁区分は、膜によって被覆されたフレームを含み得る。フレームは、膜を動かして通路と接触させるように機能し得る。フレームは、通路内に弁を固設するように機能し得る。フレームは、拡縮し得る。フレームは、弁用の骨格であり得る。フレームは、膜のための長手方向支持、膜のための径方向支持、弁のための長手方向支持、又はそれらの組み合わせを提供し得る。フレームは、ロッドに接続され得る。フレームは、ロッドに対して動き得る(例えば、ロッドから径方向に離れて広がるか、又はロッドに対して長手方向に動く)。フレームは、1つ以上のベース部材、1つ以上の支柱、1つ以上のアンカー接続部、1つ以上のアンカー、あるいはそれらの組み合わせを含み得る。
【0015】
ベース部材は、支柱、アンカー、又はそれらの両方をロッドに接続し得る。ベース部材と、支柱、アンカー、又はそれらの両方とは、1つの一体の部品であってもよい。ベース部材の各々は、ロッドに沿って軸方向に動くように機能し得る。ベース部材は、支柱の一端を軸方向に拘束し得る。支柱は、ベース部材に固定的に接続され得る(例えば、溶接、接着接合、又はそれらの両方)。ベース部材は、支柱によってアンカーに間接的に接続され得る。各一組の支柱は、ベース部材を含み得る。2組以上の支柱が、単一ベース部材に接続されてもよい。ベース部材は、ロッドに係止し得る。ベース部材は、ロッドに沿って動き得る。ベース部材は、支柱が径方向外方に広がることを可能にするように可動であり得る。一部のベース部材は、軸方向に可動、径方向に可動、又はそれらの両方であり得、一部のベース部材は、固定的又は動かすことができなくてもよい。ベース部材は、ロッドに溶接され、孔及びピン構成を有し、ロッド上に圧着され、接着され、はんだ付けされ、ベース部材は、略環状形状、ドーナツ形状、又はそれらの両方であり得る。ベース部材は、円筒状であってもよい。ベース部材は、ロッドが通って延在する貫通孔を含み得、一組の支柱は、ベース部材から径方向外方に延在し得る。
【0016】
各一組の支柱は、気道の全部又は一部分をシールするために共に働くように機能し得る(本明細書で論じられるシールは、空気が弁を通過することを防止することを意味する)。各一組の支柱は、2つ以上の支柱、3つ以上の支柱、4つ以上の支柱、好ましくは、5つ以上の支柱、又はさらに6つ以上の支柱を含み得る。支柱は、ロッド、ベース部材、又はそれらの両方を中心として均一に分布され得る。支柱は、ロッド、ベース部材、又はそれらの両方を中心として非対称に分布されてもよい。一組の支柱は、別の一組の支柱と整列され得る。一組の支柱は、別の一組の支柱に対してオフセットされてもよい。例えば、第1の一組の支柱は、第2の一組の支柱の間に位置する支柱を含んでもよい。1組以上の支柱は、膜を含み得る。一組の支柱は、膜を有していなくてもよい。一組の支柱は、第1の一組の支柱が、膜が皺を含むか、又は通路をシールするために通路と接触していない点に圧縮されるとき、膜を支持し得る。両方の組の支柱は、膜を含み得る。一組の支柱は、別の一組の支柱の完全に及び/又は部分的に内側に位置し得る。一組の支柱は、長手方向前方に第2の一組の支柱を越えて延在し得る。一組の支柱は、第2の一組の支柱よりもさらに径方向外方に延在し得る(即ち、ロッドからさらに外方に延在する)。例えば、一組の支柱(例えば、内側の支柱)は、第2の一組の支柱(例えば、外側の一組の支柱)に対して少なくとも部分的に内側に位置してもよい。
【0017】
1つ以上の支柱及び好ましくは複数の支柱は、膜(即ち、支柱)を広げるように機能し得る。1つ以上の支柱は、膜を動かして構造体(即ち、通路又は気道)と接触させるように機能し得る。好ましくは、1つ以上の支柱は、膜を径方向外方に動かすように機能し得る。支柱は、支柱によって加えられる力が、所定位置で増加するか又は低下し得るように可動であり得る。各一組の支柱は、通路又は気道とのシールを形成するために十分な力を通路又は気道上に及ぼし得る。各一組の支柱は、通路及び/又は気道が支柱と連通している膜によって遮断されるように十分な力を及ぼし得る。各支柱は、約0.01Kg以上、約0.04Kg以上、約0.06Kg以上、又はさらに約0.08Kg以上の外方への力を及ぼし得る。各支柱は、約1Kg以下、約0.5Kg以下、約0.25以下、又はさらに約0.1Kg以下の力を及ぼし得る。支柱は、支柱及び膜が気道、通路、又はそれらの両方をシールするために広がるように機能し得る。支柱は、閉位置(即ち、収縮状態)から開位置(即ち、展開状態)に弾性変形するように機能し得る。支柱は、長手方向軸に沿って位置している状態から径方向外方に延在する状態まで延在し得る。1つ以上の支柱は、開位置内に形成され、その後、支柱が開位置に弾性変形する位置に展開されるまで閉じられ得る。各支柱は、ベース部材、ロッド、又はそれらの両方から略径方向外方に延在し得る。支柱は、ロッドから径方向外方に、約1mm以上、約2mm以上、又は約3mm以上の距離、延在し得る。支柱は、ロッドから径方向外方に、約8mm以下、約6mm以下、又は約4mm以下の距離、延在し得る。一組の支柱は、第2の一組の支柱よりも大きな距離、径方向外方に延在し得る(例えば、一組の支柱は、第2の一組の支柱よりも約1mm以上、約1.5mm以上、約3mm以下の距離、外方に延在し得る)。2組以上の支柱が存在するとき、第2の一組の支柱は、第1の一組の支柱よりも小さく径方向外方に延在し得る。第2の一組の支柱は、第1の一組の支柱よりも約90パーセント以下、約80パーセント以下、約75パーセント以下、又は約60パーセント以下の距離、ロッドから径方向外方に延在してもよい。第2の一組の支柱は、第1の一組の支柱よりも約30パーセント以上、約40パーセント以上、約45パーセント以上、又は約50パーセント以上の距離、ロッドから径方向外方に延在してもよい。各支柱は、「J字」形状であり得る。各支柱は、1つ以上の屈曲、2つ以上の屈曲、又はさらに3つ以上の屈曲を含んでもよい。各支柱は、支柱がベース部材から径方向外方に延在するに従い湾曲し得る。支柱は、ベース部材から外方に延在する際、ベース部材に対する角度がロッド、ベース部材、又はそれらの両方から離れ、その後、ロッドに平行に延在するに従い湾曲し得る。完全に緩められた状態の各支柱は、ベース部材、ロッド、又はそれらの両方と平行である、少なくとも一区分を有し得る。支柱は、ある長さを有する。支柱の各々は、同一長さを有してもよい。弁区分から弁区分まで、支柱の組から支柱の組まで、又はそれらの両方の支柱の長さは、異なってもよく、又は同一であってもよい。例えば、遠位端の弁区分(又は一組の支柱)は、遠位端がより小さい通路及び/又は気道内に適合するか又はそれらをシールするために、近位端の弁区分よりも短い支柱を有し得る。各支柱は、約3mm以上、約4mm以上、又はさらに約5mm以上の長さを有し得る。各支柱は、約10mm以下、約9mm以下、又は約8mm以下の総長さを有し得る。第2の一組の支柱に対する第1の一組の支柱の長さは、第2の一組の支柱よりも、約90パーセント以下、約80パーセント以下、約75パーセント以下、若しくは約60パーセント以下、又はその逆であり得る。第2の一組の支柱に対する第1の一組の支柱の長さは、第2の一組の支柱よりも、約30パーセント以上、約40パーセント以上、約45パーセント以上、若しくは約50パーセント以上、又はその逆であり得る。各支柱は、組織、通路の壁、気道の壁、又はそれらの組み合わせを把持するための1つ以上の特徴部を含み得る。各支柱は、内方に湾曲するか、ロッドに向かって延在するか、又はそれらの両方である先端を有し得る。好ましくは、支柱は、通路を通る特徴部を含まない。通路を把持する特徴部は、径方向外方に力を及ぼすことによってのみ把持し得る。支柱は、任意の弾性変形可能な材料で作製され得る。支柱は、生体適合性材料で作製され得る。支柱は、金属、プラスチック、ポリマー材料、合金、又はそれらの組み合わせで作製され得る。好ましくは、支柱は、ニチノール(即ち、ニッケルチタン合金)で作製され得る。一部の支柱は、ロッドに直接接続され得、一部の支柱は、ベース部材に接続され得、かつ支柱は、先端からロッドまで支柱間及び支柱に沿って延在する膜に接続され得る。1つ以上の支柱及び複数の支柱は、アンカーコネクタによってアンカーに直接接続され得る。
【0018】
1つ以上のアンカーコネクタは、アンカーを支柱に直接接続するように機能し得る。1つのアンカーコネクタは、1つのアンカーを1つの支柱に接続するように機能し得る。しかしながら、1つの支柱は、支柱の各側部にアンカーコネクタを含み、2つのアンカーが単一支柱に接続されてもよい。1つのアンカーは、アンカーコネクタから遠位に延在し得、第2のアンカーは、同一アンカーコネクタから近位に延在し得る。弁は、1つ以上、2つ以上、又は3つ以上のアンカーコネクタを含んでもよい。弁は、10個以下、8つ以下、又は6つ以下のアンカーコネクタを含んでもよい。アンカーコネクタは、アンカー、支柱、又はそれらの両方の一体部分であり得る。アンカーコネクタ、支柱、及びアンカーは、同一の1つの材料で作製され得る。アンカーコネクタは、支柱、アンカー、又はそれらの両方に接続され得る。アンカーコネクタは、支柱、アンカー、又はそれらの両方に、溶接、はんだ付け、摩擦溶接、接合、接着剤又はそれらの組み合わせによって結合され得る。すべての支柱が、アンカーコネクタを含み得る(即ち、すべての支柱が、アンカーを含み得る)。一部の支柱が、アンカー及びアンカーコネクタを含んでもよい。すべての他の支柱が、アンカーコネクタを含んでもよい。アンカーコネクタは、支柱から側方(即ち、長手方向軸に対して実質的に直交する方向)に延在し得る。アンカーコネクタは、支柱、アンカー、又はそれらの両方の側部からの延在部であり得る。アンカーコネクタは、アンカー、支柱、又はそれらの両方と平坦であり得る。アンカーコネクタは、支柱、アンカー、又はそれらの両方に対してオフセットされてもよい。アンカーコネクタは、アンカー、支柱、又はそれらの両方と重なってもよい。アンカーコネクタは、アンカー、支柱、又はそれらの両方に対して折り重ねられてもよい(例えば、アンカー、支柱、又はそれらの両方から延在してそれらに接続する湾曲区分を含む)。アンカーコネクタは、支柱、アンカー、又はそれらの両方に対してある角度で(即ち、遠位端に向かって、又は近位端に向かって)延在してもよい。アンカーコネクタは、支柱、アンカー、又はそれらの両方から約90の角度で(即ち、長手方向軸に対して)延在してもよい。アンカーコネクタは、約1度以上、約2度以上、約5度以上、又はさらに約10度以上の角度で、長手方向軸に対して直交する方向から近位方向又は遠位方向に延在してもよい。したがって、例えば、角度が遠位方向に約1度である場合、アンカーコネクタは、支柱から遠位方向に向かって89度の角度で延在する。アンカーコネクタは、可撓性、剛性であり得るか、可撓性領域を含むか、裂け目を含むか、曲がるように設計された領域を含むか、又はそれらの組み合わせであり得る。アンカーコネクタの材料特性は、アンカーコネクタが可撓性を有するようなものであり得る。アンカーコネクタは、アンカー、支柱、又はそれらの両方と同一材料で作製され得る。好ましくは、アンカーコネクタは、ニチノールで作製される。アンカーコネクタは、実質的に剛性であり得る。アンカーコネクタは、任意の可撓性区分を有しなくてもよい。アンカーコネクタは、長手方向軸に沿って回転しなくてもよい。アンカーコネクタは、約0.5mm以上、約1mm以上、又は約2mm以上の長さ、幅、又はそれらの両方を有し得る。アンカーコネクタは、約10mm以下、約7mm以下、約5mm以下、又は約3mm以下の長さ、幅、又はそれらの両方を有し得る。アンカーコネクタは、第1の縁上の支柱に接続され、その後、第1の縁から90度である第2の縁上のアンカーに接続され得る。
【0019】
1つ以上のアンカーは、弁が展開状態にあるとき、弁の運動を防止するように機能し得る。1つ以上のアンカーは、1つ以上の弁区分、1つ以上のロッド、弁全体、又はそれらの組み合わせの運動を防止するように機能し得る。1つ以上のアンカーは、弁が所望される位置に留まるように、通路、気道、又はそれらの両方の運動を防止するように機能し得る。1つ以上のアンカーは、弁区分のロッドに対する軸方向運動を防止し得る。1つ以上のアンカーは、弁の遠位端、近位端、又は弁の両端に位置し得る。好ましくは、アンカーは、弁の中央領域(即ち、遠位端と近位端との間の位置)から延在する。より好ましくは、アンカーは、弁の実質的に中央(即ち、中心の約20パーセント以下、約15パーセント以下、又は約10パーセント以下の範囲内)から延在する。1つ以上のアンカーの各々は、支柱の反対方向に延在し得る。1つ以上のアンカーは、弁のシールエリアから離れて延在し得る。距離は、弁のシールエリアとアンカーとの間に位置してもよい。アンカー及びシールエリアは、弁が展開時に通路に対して回転することができないように、ある距離で分離され得る。シールエリアとアンカー(例えば、通路の壁と接触するアンカーの一部)との間の距離は、約1mm以上、約2mm以上、約3mm以上、又はさらに約4mm以上であり得る。シールエリアとアンカーとの間の距離は、約10mm以下、約9mm以下、約8mm以下、約7mm以下、約6mm以下、又はさらに約5mm以下であり得る。展開中のアンカーは、アンカー及びシールエリアからの距離が展開状態、収縮状態、及びそれらの間の状態で実質的に同一であるように、実質的に径方向外方に延在し得る。アンカーは、実質的に径方向外方に展開し得る(例えば、約2mm以下、約1mm以下、約0.5mm以下の軸方向距離を動き得る)。アンカーは、アンカーの運動中にアンカーが弁を軸方向に動かさない(即ち、通路内の長手方向運動)ように、実質的に径方向外方に動き得る。1つ以上のアンカーは、弁を構造体に取り付けるか、弁の運動を防止するか、又はそれらの両方である、1つ以上のアームを含み得る。
【0020】
1つ以上のアームは、弁を構造体に接続するように機能し得る。1つ以上のアームは、弁が展開されたとき、弁の運動を防止するように機能し得る。1つ以上のアームは、ロッドから径方向外方に延在し得る。1つ以上のアームは、ニチノール、鋼、外科用鋼、ステンレス鋼、プラスチック、ポリマー、熱硬化性物質、熱可塑性物質、又はそれらの組み合わせから作製され得る。1つ以上のアームは、1つ以上の区分からなり得、好ましくは、複数の区分又は領域からなリ得る。1つ以上のアームは、第1の弓形領域、第2の弓形領域、第3の弓形領域、及びアンカー先端を含み得る。
【0021】
1つ以上のアンカー先端は、構造体を把持するか、構造体を据え付けるか、又はそれらの両方を行うように機能し得る。1つ以上のアンカー先端は、アンカー形式のアームが構造体に対して動くことを防止し得る。1つ以上のアンカー先端は、構造体、通路、組織、又はそれらの組み合わせと接触するように延在し得る。1つ以上のアンカー先端は、点、鈍い、丸い、平坦、アームに対してある角度の、又はそれらの組み合わせである先端を有し得る。1つ以上のアンカー先端は、アームの主要部分を越えて外方に延在し得る。1つ以上のアンカー先端は、遠位端、近位端、又はそれらの両方に向かって角度付けされ得る。アンカー先端は、第2の弓形領域、アンカー先端が接続されるアーム、又はそれらの両方から約45度以上、約60度以上、75度以上、又は約90度以上の角度で延在し得る。アンカー先端は、アンカーパッドから約90度の角度で延在し得、アンカーパッドは、アンカー先端と通路の組織との間の接触が限定的であるように、通路と接触し得る。アンカー先端は、第2の弓形領域、アンカー先端が接続されるアーム、又はそれらの両方から約150度以下、約135度以下、約115度以下、又は約105度以下の角度で延在し得る。一部のアンカー先端は、アームに対してある角度で延在し得、一部のアンカー先端は、アームと同一平面上で延在し得る。アンカー先端は、約1mm以上、約2mm以上、又は約3mm以上の長さを有し得る。アンカー先端は、約10mm以下、約8mm以下、又は約5mm以下の長さを有し得る。1つ以上のアンカー先端は、アームの第2の弓形領域から外方に延在し得る。
【0022】
第2の弓形領域は、アンカー先端を通路に向かって整列させるように機能し得る。第2の弓形領域は、アンカー先端が組織を把持し、かつ弁の運動を防止するように、アンカー先端を配向させるように機能し得る。第2の弓形部分は、遠位端に向かって延在し得る。第2の弓形領域は、ロッド、長手方向軸、又はそれらの両方から径方向外方に延在し得る。好ましくは、第2の弓形領域は、ロッド、長手方向軸、又はそれらの両方から遠位及び径方向外方の両方に延在する。第2の弓形領域は、約10度以上、約15度以上、約20度以上、又はさらに約25度以上の角度を形成する1以上の湾曲、円弧、弓形区分、屈曲、又はそれらの組み合わせを有することによって遠位端に向かって延在し得る。第2の弓形領域は、約125度以下、約105度以下、約90度以下、約75度以下、約60度以下、又は約45度以下の角度を形成する1つ以上の湾曲、円弧、弓形区分、又はそれらの組み合わせを有することによって遠位端に向かって延在し得る。第2の弓形領域は、第1の弓形領域に接続する区分、及びアンカー先端に接続する区分を有し得、それらの区分は、互いに対して本明細書に論じられる角度を形成し得る。第2の弓形領域は、ロッド、長手方向軸、又はそれらの両方に対して略外方に延在する区分(例えば、径方向区分)、及び遠位端又は近位端に向かって延在する区分(例えば、長手方向区分)を有し得る。第2の弓形領域は、第1の方向から第2の領域に向かって延在する区分を有し得る。第2の弓形領域は、アンカー先端が組織を把持するように、力を径方向外方に提供し得る。第2の弓形領域は、弁の沈降(即ち、弁が通路内に設置された後の弁の運動)を防止し得る。第2の弓形領域は、通路内及び/又は通路外に空気が移動する間、弁が固定されて動かないように通路内に弁を整列させ得る。第2の弓形領域は、弁が固定されるようにアンカー先端を据え付けることを補助し得る。第2の弓形領域は、第1の弓形領域に接続し、かつそこから延在し得る。アンカー先端に接続する第2の弓形領域の区分は、第1の弓形領域の取り付け区分に実質的に平行(即ち、±5度以下の範囲内)であり得る。
【0023】
第1の弓形領域は、アンカー接続部、支柱、又はそれらの両方にアンカーを接続するように機能し得る。第1の弓形領域は、接続を形成し、かつ弁から径方向外方に延在するように機能し得る。第1の弓形領域は、遠位端、近位端、又はそれらの両方に向かって延在し得る。第1の弓形領域は、アンカー接続部に接続し、かつ長手方向軸と実質的に平行(即ち、±5度以下の範囲内)に延在し、その後、ロッド、長手方向軸、又はそれらの両方から離れて外方に湾曲し得る。第1の弓形領域は、アンカー接続部に接続する区分(即ち、接続区分)、及び第2の弓形領域に接続する区分(即ち、移行区分)を有し得る。接続区分及び移行区分は、1つ以上の湾曲、円弧、弓形区分、屈曲、又はそれらの組み合わせによって接続され得る。接続区分及び移行区分は、角度を形成し得る。接続区分と移行区分との間の角度は、約15度以上、約25度以上、約45度以上、又は約60度以上であり得る。接続区分と移行区分との間の角度は、約180度以下、約160度以下、約135度以下、又は約105度以下であり得る。第1の弓形領域は、一度、弁が第1の弓形領域に配置されると、沈降、運動、又はそれらの両方を防止するように外方に延在し得る。第1の弓形領域は、弁が完全に展開されたとき、静止状態にあり得る。第1の弓形領域は、アンカーが実質的に軸方向運動を含まずに(即ち、実質的に軸方向運動を行わない(例えば、1mm以下))に径方向外方に動くように角度付けされる。第1の弓形領域は、膜、膜の出口位置、又はそれらの両方を通って延在し得る。
【0024】
出口位置は、アンカーが膜の第1の側部から膜の第2の側部に通過することを可能にするように機能し得る。出口位置は、空気が膜を通過することを許容せずにアンカーが膜を通過することを可能にし得る。出口位置は、膜の皺、膜への損傷、通気性、又はそれらの組み合わせを引き起こすことなく、アンカーの運動を可能にするように機能し得る。膜の出口位置は、実質的に気密なシールが複数のアンカーの各々の周囲に形成されるように、アンカーの周囲に形成され得る。出口位置は、材料の不存在部であってもよい。出口位置は、貫通孔、スリット、切断、又はそれらの組み合わせであってもよい。出口位置は、出口位置がアンカーの周囲のシールを維持するように弾性変形可能であってもよい。出口位置は、膜の一体部分であってもよい。
【0025】
膜は、流体の通過を防止するように機能し得る。膜は、構造体、通路、及び好ましくは気道を通る気流を制限するように機能し得る。膜は、流体不透過性であってもよい。膜は、剛性であってもよい。膜は、可撓性であってもよい。膜は、塑性変形可能であってもよい。好ましくは、膜は、弾性変形可能である。膜は、各支柱の長さに沿って取り付けられ得る。膜は、各支柱に対して1つ以上の点で取り付けられ得る。膜は、支柱の全部又は一部分(即ち、各支柱のロッドから先端まで)を実質的に囲み得る。膜は、一組の支柱と連通し得る。膜は、支柱が完全に展開されない(即ち、完全な展開よりも約95パーセント以下、約90パーセント以下、約85パーセント以下、又は約80パーセント以下で展開される)ように膜が拘束されている場合、一組の支柱上に位置し、かつ第2の一組の支柱によって接触され得る。膜は、ポリウレタン、脂肪族ポリカーボネート系熱可塑性ポリウレタン、ポリエチレンシロキサン、シリコンを含む材料、シリコンポリウレタン、フルオロエラストマ、アクリレートポリマー、ポリアクリレート、又はそれらの組み合わせで作製され得る。膜は、約10GPa以下、約5GPa以下、約2GPa以下、又はさらに約1GPa以下の弾性率を有する材料で作製され得る。材料は、約0.001GPa以上、約0.003GPa以上、約0.005GPa以上、約0.01GPa以上、約0.03GPa以上、約0.05GPa以上、又はさらに約0.06GPa以上の弾性率を有し得る。膜の材料は、約0.00100GPa〜約0.065GPaの弾性率を有し得る。材料は、約3MPa以上、約5MPa以上、又はより好ましくは、約8MPa以上、約12MPa以上、約15MPa以上、若しくはさらに約20MPa以上の100パーセント引張での引張応力を有し得る。材料は、約100MPa以下、約50MPa以下、又は約30MPa以下の100パーセント引張での引張応力を有し得る。材料は、約4MPa以上、約7MPa以上、約10MPa以上、約15MPa以上、又は約20MPa以上の200パーセント引張での引張応力を有し得る。材料は、約100MPa以下、約50MPa以下、又は約30MPa以下の200パーセント引張での引張応力を有し得る。材料は、約6MPa以上、約9MPa以上、約13MPa以上、約18MPa以上、又は約20MPa以上の300パーセント引張での引張応力を有し得る。材料は、約100MPa以下、約50MPa以下、又は約30MPa以下の300パーセント引張での引張応力を有し得る。材料は、約15MPa以上、約20MPa以上、又は約25MPa以上(即ち、約15MPa〜約30MPa)の引張破断強度を有し得る。材料は、約40kN/m以上、約60kN/m以上、約75kN/m以上、約100kN/m以上の引裂き強度を有し得る。材料は、約200kN/m以下、約150kN/m以下、又は約125kN/m以下の引裂き強度を有し得る。1つよりも多い膜が使用されるとき、1つの膜は、弾性体であってもよく、1つの膜は、非可撓性であってもよい。例えば、1つの膜は、熱可塑性ポリウレタンで作製されてもよく、1つの膜は、シリコンポリウレタンで作製されてもよい。膜は、皺を生じることなく伸張し得る。膜は、収縮状態から展開状態に広がる支柱の力によって伸張され得る。膜は、一組の支柱、ベース部材、又はそれらの両方に接続され得る。2つ以上の支柱及び好ましくは複数の支柱は、ベース部材に接続され得る。
【0026】
展開状態は、通路、気道、又はそれらの両方をシールするように機能し得る。展開状態は、支柱を径方向外方に延在させ、弁を実質的に通路及び/又は気道の中心内に支持するように機能し得る。展開状態は、完全に展開された支柱及び弁のさらなる運動が起こらない安定状態(即ち、完全展開位置)に動かされた可動アンカーを有し得る。展開状態は、径方向外方に延在する支柱を有し得る。完全展開状態は、ロッドから外方、かつ通路などの構造体と接触するように延在する支柱を有し得る。支柱は、安定状態が達成されないように、構造体によって全開を制限され得る。支柱は、収縮状態から完全展開状態に徐々に延在し得、かつ90度よりも小さい角度で延在し得る。弁は、支柱が安定状態形状(即ち、完全展開状態)に戻るように弾性変形する際に、経時的に収縮状態から完全展開状態にゆっくり移行し得る。支柱、アンカー、又はそれらの両方は、通路、気道、又はそれらの両方が、支柱が全開した際に次第にシールされるように、ある期間(例えば、6時間以上、12時間以上、24時間以上、1日以上、3日以上、又はさらに1週間以上)にわたって収縮状態から展開状態に次第に開き得る。支柱、アンカー、又はそれらの両方は、通路などの構造体と接触させるように迅速に開き得る(例えば、5分以下、3分以下、1分以下、又はさらに30秒以下)。
【0027】
収縮状態は、カプセル、カートリッジ、カテーテル、気管支鏡、又はそれらの組み合わせ内に位置する弁を有し得る。収縮状態は、長手方向軸に対して実質的に平行に延在する支柱、アンカー、又はそれらの両方を有し得る。収縮状態は、遠位端から離れてか、近位端の方か、又はそれらの両方を指す、支柱、アンカー、又はそれらの両方を有し得る。収縮状態は、配置中に支柱が任意の通路、壁、組織、又はそれらの組み合わせに意図せず接続しないように、ある方向を指す、支柱、アンカー、又はそれらの両方を有し得る。収縮状態は、弁が1つ以上の通路、1つ以上の気道、カテーテル、気管支鏡、又はそれらの組み合わせを通って移動し得るように圧縮された弁を有し得る。収縮状態は、弁が、壁、組織、又はそれらの両方に接続せずに、蛇行通路、気道、又はそれらの両方を通って移動することを可能にし得る。収縮状態は、弁が、気管支の第2の分岐、第3の分岐、又はさらに第4の分岐内に配置されることを可能にし得る。収縮状態は、一度、弁が、カプセル、カートリッジ、カテーテル、気管支鏡、又はそれらの組み合わせから排出されるか、解放されるか、取り外されるか、又はそれらの組み合わせが実施されると、終了し得る。
【0028】
弁は、支柱が、折畳構成、長手方向軸に対して平行関係、又はそれらの両方に維持されるようにカートリッジ内に装填され得る。弁は、カートリッジによる支柱に対するいかなる圧力も解放されるようにカートリッジから排出され得る。カートリッジは、気管支鏡などの展開装置内に弁を装填するために使用され得る。内視鏡、気管支鏡、又はそれらの両方は、弁が通路、気道、又はそれらの両方内に配置されるように、カートリッジ、弁、又はそれらの両方が解放された際に後方に引き込まれ得る。内視鏡、気管支鏡、又はそれらの両方は、弁が所望される位置、所定の位置、倒れた位置、又はそれらの組み合わせに維持されるように、引き戻され得る。一度、弁が展開されると、支柱は、弾性変形を開始するように機能し得る。支柱は、支柱が弾性変形した際に、支柱が通路、気道、又はそれらの両方をシールするように構成され得る。支柱は、アンカーに接続され得、かつ通路、組織、気道、壁、又はそれらの組み合わせとの接続を形成し得、そのため支柱の軸方向運動が実質的に防止される。
【0029】
図1Aは、弁2の斜視図を例示する。弁2は、複数の支柱12を有するフレーム10を含み、フレーム10は、支柱12が遠位端8から近位端6に向かって延在するに従い径方向外方に延在する。支柱12は、膜50によって被覆される。支柱12の一部は、膜50内の出口位置52を通って弁2から離れて外方に延在するアンカー30に接続され、そのためアンカー30は、各アンカー30上の1つ以上のアンカー先端32を介して気道などの周囲構造(図示せず)に弁を取り付けることができる。ロッド4は、弁2の中心に実質的に沿って延在し、ロッド4は、弁2の展開を補助する。
【0030】
図1Bは、フレーム10が見えるように膜50が透明に示された状態の
図1Aの弁を例示する。フレーム10は、遠位端8で結合され、近位端6に向かって径方向外方に広がる。ロッド4は、弁2の長手方向軸に沿って延在する。フレーム10は、アンカー接続部14によってアンカー30に直接接続される複数の支柱12を含む。
アンカー接続部14は、アンカーコネクタの一例である。アンカー12は、アンカー12のアンカー先端32が対象の特徴部と接触することができるように、膜50の内側から膜の外側に延在する。
【0031】
図2は、フレーム10の内側及び膜50が視認可能であるように、近位端からの弁2の斜視図を例示している。支柱12は、ベース部材18によってロッド4に接続され、近位端に向かって延在し、径方向外方に広がって示される。アンカー30は、アンカー接続部14を介して支柱12に接続される。アンカー30は、アンカー30が径方向外方に延在するに従い、膜50を通って遠位端に向かって延在する。
【0032】
図3は、遠位端8から見た弁2の図である。示されるフレーム10は、弁2の実質的に中心に接続点を形成し、支柱(図示せず)は、そこから延在する。アンカー30は、出口位置52で膜50を通って延在し、径方向外方に延在する。アンカー30は、距離(α)によって分離され、各アンカー30は、アンカー先端32を含む。
【0033】
図4は、近位端6から見た弁2の図を例示する。ロッド4は、弁2の中心から延在する。支柱12は、膜50を広げるように径方向外方に延在する。アンカー30は、アンカー接続部14で支柱に接続され、支柱12から径方向外方に支柱12を越えて延在する。
【0034】
図5は、フレーム10の斜視図を例示する。フレーム10は、ベース部材18によってロッド4に接続される複数の支柱12によって囲まれているロッド4を含む。支柱12の各々は、ロッド4に向かって内方に延在する先端領域を有する。支柱12の各々は、アンカー接続部14でアンカー30に接続される。アンカー30は、その後、支柱12から離れて延在する。
【0035】
図6は、径方向外方に延在する支柱12及びアンカー30を有するフレーム10の遠位端8の図を例示する。アンカー30は、支柱12を越えて径方向に延在する。支柱12及びアンカー30は、アンカー接続部14で結合され、支柱12及びアンカー30は、実質的に並んで位置する。
【0036】
図7は、1つの支柱12及び1つのアンカー30の拡大平面図を例示する。支柱12は、その長さに沿って略弓形であり、かつ支柱12と角度(β)を形成する角度付き先端16を含み、そのため角度付き先端16は、内方に角度付いている。アンカー30は、支柱12とのアンカー接続部14を有し、さらにまた、アンカーが支柱12から離れて延在するに従い蛇行形状を有する。アンカー30は、略下方かつ支柱12から離れて延在する接続区分42、及び角度(δ)で接続区分42から外方に延在する移行区分44を有する第1の弓形領域40を有する。第1の弓形領域40は、移行区分44から第2の弓形領域34に移行する。第1の弓形領域40の移行区分44は、第2の弓形領域34の径方向区分36に接続する。径方向区分36は、支柱12及び径方向区分36から角度(Θ)で略外方かつ下方に延在する長手方向区分38(アンカーパッドとして使用され得る)に接続される。第2の弓形領域34は、第1の弓形領域40とアンカー先端32との間に位置し、それらを接続する。アンカー先端32及び第1の弓形領域40は、アンカー先端が弁を定位置に係合及び保持することができるように、角度(γ)を形成する。
【0037】
本明細書に列挙するあらゆる数値は、少なくとも2つの単位の分離が任意のより低い値と任意のより高い値との間にあることを条件として、1つの単位の増分で低い値から高い値までのすべての値を含む。一例として、構成要素の量、又は例えば温度、圧力、時間などのプロセス変数の値が、例えば1〜90、好ましくは20〜80、より好ましくは30〜70であると明記されている場合、15〜85、22〜68、43〜51、30〜32などの値が本明細書中に明示的に列挙されていることが意図されている。1未満の値については、1つの単位は、適宜、0.0001、0.001、0.01、又は0.1とみなされる。これらは具体的に意図されるものの単なる例に過ぎず、列挙されている最低値と最高値との間の数値のすべての可能な組み合わせが、同様に本明細書において明示的に記載されているものとみなされるべきである。
【0038】
特に明記されていない限り、すべての範囲は、両方の終点、及びそれらの終点間のすべての数を含む。範囲に関連した「約」又は「およそ」の使用は、範囲の両端に適用される。したがって、「約20〜30」は、少なくとも指定の終点を含めて、「約20〜約30」を包含することが意図されている。
【0039】
特許出願及び特許出願公開を含むすべての論文及び参考文献の開示は、あらゆる目的で参照により組み込まれている。組み合わせを説明する「〜から本質的になる」という用語は、特定された要素、成分、構成要素、又は工程と、組み合わせの基本的及び新規な特性に実質的に影響を与えないような他の要素、成分、構成要素、又は工程とを含むものとする。本明細書における要素、成分、構成要素、又は工程の組み合わせを説明する「〜を備える」又は「〜を含む」という用語の使用は、要素、成分、構成要素、又は工程から本質的になる実施形態も企図している。本明細書において「〜してもよい」という用語を使用することによって、含まれ「てもよい」あらゆる記載される属性は任意選択であるものとする。
【0040】
複数の要素、成分、構成要素又は工程は、単一の統合された要素、成分、構成要素又は工程によって実現され得る。あるいは、単一の統合された要素、成分、構成要素、又は工程は、別個の複数の要素、成分、構成要素、又は工程に分割されることがある。要素、成分、構成要素、又は工程を説明する「1つの(a)」又は、「1つの(one)」という開示は、追加の要素、成分、構成要素、又は工程を除外することを意図しない。
【0041】
上述の説明は例示であり、限定するものではないことが理解される。提供した実施例以外の多くの実施形態並びに多くの適用例が、上述の説明を読むことによって当業者には明白となるであろう。したがって、本教示の範囲は、上述の説明を参照して決定されるべきではなく、その代わりに、添付の特許請求の範囲を、このような特許請求の範囲が権利を与えられる等価物の全範囲と共に参照して決定されるべきである。特許出願及び特許出願公開を含むすべての論文及び参考文献の開示は、あらゆる目的で参照により組み込まれている。以下の特許請求の範囲における、本明細書に開示されている主題のいかなる態様の省略も、このような主題を放棄するものではなく、本発明者らがこのような主題を、開示されている発明の主題の一部であるとみなさなかったものと考えられるべきものでもない。
【符号の説明】
【0042】
2 弁、4 ロッド、6 近位端、8 遠位端、10 フレーム、12 支柱、14 アンカー接続部、16 角度付き先端、30 アンカー、32 アンカー先端、34 第2の弓形領域、36 径方向区分、38 長手方向区分、40 第1の弓形領域、42 接続区分、44 移行区分、50 膜、52 出口位置。