特許第6695488号(P6695488)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6695488
(24)【登録日】2020年4月23日
(45)【発行日】2020年5月20日
(54)【発明の名称】毛抜き具
(51)【国際特許分類】
   A45D 26/00 20060101AFI20200511BHJP
【FI】
   A45D26/00 B
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2019-213867(P2019-213867)
(22)【出願日】2019年11月27日
【審査請求日】2019年12月5日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519423079
【氏名又は名称】佐▲橋▼ 秀樹
(74)【代理人】
【識別番号】100094525
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100094514
【弁理士】
【氏名又は名称】林 恒徳
(74)【代理人】
【識別番号】100106356
【弁理士】
【氏名又は名称】松枝 浩一郎
(72)【発明者】
【氏名】佐▲橋▼ 秀樹
【審査官】 村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2019/135692(WO,A1)
【文献】 登録実用新案第3175232(JP,U)
【文献】 国際公開第2004/73495(WO,A2)
【文献】 国際公開第2004/73543(WO,A2)
【文献】 米国特許第3862507(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/276960(US,A1)
【文献】 登録実用新案第3212077(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 26/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2本の指に嵌められる一対の保持体を備え、
各保持体には、各保持体の外周部位に各保持体の軸線方向に沿った長手方向長さを有し且つ各保持体の半径方向に幅長さを有する薄板状の挟持片が取り付けられ、
各挟持片は、前記保持体の軸線方向に沿って延び且つ前記保持体の外周部位に接して固定される第一の辺部と、前記第一の辺部の対辺であって前記保持体の軸線方向に沿って延びる第二の辺部と、前記第二の辺部の指の先端側端部から前記保持体の軸線側に鈍角に折れ曲がって延びる第三の辺部とを有して形成され、
2本の指にそれぞれ嵌められた前記保持体に取り付けられた2つの前記挟持片における前記第二の辺部同士、又は前記第三の辺部同士が指の動作により合わせられて毛抜きが行われることを特徴とする毛抜き具。
【請求項2】
前記保持体は、軸方向に切れ目を有する断面C字形状の筒型又はリング型に形成されることを特徴とする請求項1に記載の毛抜き具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人の体毛やトゲなどを抜くための毛抜き具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の一般的な毛抜き具は、いわゆるピンセットの形状のように、先端側が離間し且つ後端側が互いに接着された一対の持ち手部を有して形成され、持ち手部の先端部分が挟持部として機能し、使用者が指で持ち手部をその先端部分が閉じるような動作を行うことで挟持部で毛やトゲを挟んで、それらを抜くようにするものである(特許文献1−3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−82923号公報
【特許文献2】実用新案登録3152070号公報
【特許文献3】実開平2−22707号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ピンセット形状の毛抜きは、毛やトゲを実際につまむ部分(持ち手部の先端部分)から離れた持ち手部を操作するものであるので、微妙な操作が難しく、指先の感覚ともずれる場合があり、使い勝手に今ひとつ欠ける部分がある。
【0005】
本発明者は、より使い勝手のよい毛抜き具の研究に取り組み、今般、指先に近い感覚でストレスなく毛抜きが行えるユーザーフレンドリな毛抜き具の開発に至った。
【0006】
そこで、本発明の目的は、より指先動作に近い自然な感覚で操作できるより使い勝手の良い毛抜き具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明の毛抜き具は、2本の指に嵌められる一対の保持体を備え、各保持体には、各保持体の外周部位に各保持体の軸線方向に沿った長手方向長さを有し且つ各保持体の半径方向に幅長さを有する薄板状の挟持片が取り付けられ、各挟持片は、前記保持体の軸線方向に沿って延び且つ前記保持体の外周部位に接して固定される第一の辺部と、前記第一の辺部の対辺であって前記保持体の軸線方向に沿って延びる第二の辺部と、前記第二の辺部の指の先端側端部から前記保持体の軸線側に鈍角に折れ曲がって延びる第三の辺部とを有して形成されることを特徴とする。
【0008】
2本の指にそれぞれ嵌められた毛抜き具の保持体に取り付けられた2つの挟持片における第二の辺部同士、又は第三の辺部同士が指の動作により合わせられて毛抜きが行われる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の毛抜き具によれば、指でつまむ自然な指先動作の感覚で毛抜きが行え、使用者が快適に使える使い勝手の良い毛抜き具が提供される。また、目で確認できない部位についても、指でつまむ感覚で毛を挟んで抜くことができ、高い利便性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態における毛抜き具の構成を示す図である。
図2】1対の本毛抜具が2本の指(親指と人差し指)にそれぞれ嵌められた状態を示す図である。
図3】一対の毛抜き具1をそれぞれ親指と人差し指に嵌め、挟持片20の第二の辺部22同士を合わせた状態を示す図である。
図4】一対の毛抜き具1をそれぞれ親指と人差し指に嵌め、挟持片20の第三の辺部23同士を合わせた状態を示す図である。
図5】本発明の実施の形態における毛抜き具の別の構成を示す図である。
図6】本発明の実施の形態における毛抜き具の別の構成を示す図である。
図7】本発明の実施の形態における毛抜き具の別の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。しかしながら、かかる実施の形態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0012】
図1は、本発明の実施の形態における毛抜き具の構成を示す図であり、図1(a)は正面図、図1(b)は斜視図である。図2は、1対の本毛抜具が2本の指(親指と人差し指)にそれぞれ嵌められた状態を示す図である。各毛抜き具1は、親指又は人差し指に嵌められる筒状の保持体10を備え、保持体10は、指先側も開口した貫通形状の幅広リング体である。保持体10には、指が延びる方向である軸線方向に沿った長手方向長さを有し且つ保持体10の半径方向に幅長さを有する薄板状の挟持片20が保持体10の外周部位に配置される。
【0013】
保持体10は、少なくとも指先から指の第一関節までの指部分に嵌められ、指先部分の周囲を囲むように取り付けられる筒状の構造体であって、指の第一関節が屈曲できるように嵌められる。また、保持体10は、金属、セラミック、プラスチックなどの材料を適宜加工して形成される。
【0014】
保持体10は、指に嵌められる内径と第一関節が屈曲できる軸方向長さを有する寸法であって、肉厚は、指先の感覚に近づけるため、必要な強度を確保できる範囲でできるだけ薄く形成される。
【0015】
一対の保持体10のそれぞれに取り付けられる挟持片20は薄板状の小片であって、その長手方向に延びる縁である第一の辺部21が、保持体10の外周部位に保持体10の軸線方向に沿って延びて取り付けられ、挟持片20は、保持体の半径方向にほぼ垂直に立つようにして固定されて取り付けられる。
【0016】
挟持片20は、その軸線方向に沿って延び且つ保持体10の外周部位に接して固定される上記第1の辺部21と、この第1の辺部21の対辺であって保持体10の軸線方向に沿って延びる第2の辺部22と、この第2の辺部22の指の先端側端部から保持体10の軸線側に鈍角に折れ曲がって延びる第3の辺部23とを有した形状の薄板として形成される。第二の辺部22と第三の辺部23との角度は例えば120度程度である。
【0017】
第二の辺部22と第三の辺部23は、毛抜きの際に、実際の体毛やトゲを挟む部位であり、異なる位置に異なる角度で配置することで、さまざまな指先動作に対応する毛抜きを行うことができる。
【0018】
挟持片20は、金属、セラミック、プラスチックを適宜加工して形成され、保持体10と別部品として形成され、保持体10に接着により取り付けられてもよいし、例えばプラスチック射出成形などにより、保持体10と挟持片20とが一体的に成形されてもよい。
【0019】
挟持片20は、例えば、長手方向長さ20mm程度、幅長さ5mm程度、厚さ1mm程度の寸法であって、刃のように、根元側の第一の辺部21から挟持側の第二の辺部22及び第三の辺部23に向かって横断面が先細になるように形成されてもよい。厚さはできるだけ薄いほうが、毛を効率的に挟むためことができるため、1mm以下の厚さが好ましいが、毛抜きの際に、人の皮膚を傷つけないように、第二の辺部22及び第三の辺部23は、その先端横断面が丸みを帯びた形状に仕上げられてもよい。
【0020】
本発明の毛抜き具1は、一対の各々の保持体10を親指と人差し指に嵌め、その挟持片20が向かい合うように適宜位置調整され、親指と人差し指で毛をつまむような動作をして、挟持片20で毛を挟む。従来のピンセット形状の毛抜きでは毛抜き部位を目視で確認しながら用いる必要があるが、本発明の毛抜き具は、指先で毛をつまむ感覚で毛抜きが行えるため、必ずしも目視による確認なくとも使用することができる。したがって、目で確認できない部分、例えば鏡で確認しないと利用できない部分、体の後ろ部分(背中、首筋、肛門等)などの指に触れたムダ毛を指の感覚で挟んで抜くことができる。そして、第二の辺部22及び第三の辺部23の長さにより、指先よりも長い長さにわたって一度に広い部分の毛抜きが可能となる。
【0021】
図3は、一対の毛抜き具1をそれぞれ親指と人差し指に嵌め、挟持片20の第二の辺部22同士を合わせた状態を示す図である。指の腹に沿って延びる第二の辺部22同士を合わせるように指の腹でつまむような動作を行うことで、比較的長い第二の辺部22の長さにわたって毛抜きを自然な動作で行うことができる。
【0022】
図4は、一対の毛抜き具1をそれぞれ親指と人差し指に嵌め、挟持片20の第三の辺部23同士を合わせた状態を示す図である。指の先端で第三の辺部23同士を合わせるように指先でつまむような動作を行うことで、第三の辺部23の長さにわたって指先を使う毛抜きを自然な感覚で行うことができる。
【0023】
図5乃至図7は、本発明の実施の形態における毛抜き具の別の構成を示す図であり、それぞれ正面図及び斜視図が示される。図5乃至図7に示す構成例は、図1の構成と比較して保持体10の形状が異なり、図5では、保持体10は同軸の2つのリングが離間して連なった形状を有し、挟持辺20は、2つのリングにわたるように取り付けられる。図6では、保持体10は指先側が覆われているキャップ形状を有し、図7では、保持体10は断面C字形状筒型であり、その軸方向に切れ目を有する形状である。保持体10を可撓性を備えさせて形成し、断面C字形状を形成する当該切れ目が広がるようにすることにより径を可変とし、指の太さに合わせて嵌めることができる。図5で示した2つのリングにおいて、各リングがC字形状断面をするリング型であり、同様に軸線方向に切れ目を有するようにしてもよい。
【0024】
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の分野における通常の知識を有する者であれば想到し得る各種変形、修正を含む要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても、本発明に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0025】
1:毛抜き具、10:保持体、20:挟持片、21:第一の辺部、22:第二の辺部、23:第三の辺部
【要約】
【課題】指先感覚に近く使い勝手の良い毛抜き具を提供する。
【解決手段】毛抜き具は、2本の指に嵌められる一対の保持体を備え、各保持体には、各保持体の外周部位に各保持体の軸線方向に沿った長手方向長さを有し且つ各保持体の半径方向に幅長さを有する薄板状の挟持片が取り付けられ、各挟持片は、保持体の軸線方向に沿って延び且つ前記保持体の外周部位に接して固定される第一の辺部と、第一の辺部の対辺であって保持体の軸線方向に沿って延びる第二の辺部と、第二の辺部の指の先端側端部から保持体の軸線側に鈍角に折れ曲がって延びる第三の辺部とを有して形成される。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7