【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一局面のスイッチング電源回路は、外部から直流電力を取り込むための一対の入力端と、コンデンサ及び負荷がそれぞれ接続される一対の出力端とを備える。そして、これら一対の入力端及び一対の出力端は、それぞれ、一対の電流経路にて接続されている。
【0008】
一対の電流経路の一方である第1電流経路には、リアクトルが直列に設けられており、更に、このリアクトルと入力端との間には、スイッチング素子が設けられている。
第1電流経路におけるリアクトルとスイッチング素子との接続点と、一対の電流経路の他方である第2電流経路との間には、スイッチング素子がオン状態からオフ状態に切り替えられたときにリアクトルに電流を流すための半導体素子が設けられている。
【0009】
また、本開示の一局面のスイッチング電源回路には、電流検出部と、第1タイマと、第2タイマと、リセット部と、制御部が備えられている。
電流検出部は、半導体素子を介してリアクトルに電流が流れていないことを検出して検出信号を出力するものであり、第1タイマは、スイッチング素子のオン時間を計時し、そ
の計時期間中、スイッチング素子をオンさせるものである。
【0010】
また、第2タイマは、第1タイマがスイッチング素子をオンさせてからの時間を計時し、その計時時間が設定時間に達すると一定パルス幅のパルス信号を出力するものである。
そして、リセット部は、電流検出部から検出信号が出力され、第2タイマからパルス信号が出力されているとき、第1タイマをリセットして、第1タイマによるオン時間の計時を開始させる。
【0011】
また、制御部は、負荷への出力電流に応じて第1タイマ及び第2タイマの計時時間を設定することで、出力電流が閾値電流以上であるときにはリアクトルに流れる電流の電流モードを臨界モードに設定し、出力電流が閾値電流未満であるときには電流モードを不連続モードに設定する。
【0012】
このため、本開示の一局面のスイッチング電源回路によれば、制御部が設定する第1タイマ及び第2タイマの計時時間を調整することで、負荷への出力電流に応じて、電流モードを切り替えることができるだけでなく、各電流モードでのスイッチング素子のオン・オフ時間及びその周期(換言すればスイッチング周波数)を調整することができるようになる。
【0013】
この結果、本開示の一局面のスイッチング電源回路によれば、制御部が第1タイマ及び第2タイマの計時時間を設定することによって、各電流モードで、出力電流を数値制御することができるようになり、負荷の駆動に必要な負荷電力が変化しても、その変化に応じて出力電流を適正且つ高速に制御することが可能になる。
【0014】
従って、電流モードの切り替えによって出力電流が変動するのを抑制することができ、その出力変動を抑制するために設けられるコンデンサの容量を小さくして、スイッチング電源回路を小型化することができる。
【0015】
また、本開示の一局面のスイッチング電源回路によれば、不連続モードと臨海モードとの2つの電流モードを使って、出力電流を広範囲に定量的に制御することができることから、制御部を、コンピュータ等の数値制御回路にて構成することができる。
【0016】
そして、このようにすれば、出力電流の制御範囲など、スイッチング電源回路の仕様を、制御部で用いる制御パラメータを調整することで任意に設定することができるようになり、設計の自由度を高めることができる。
【0017】
また、各電流モードでのスイッチング周波数を任意に設定できるので、下限周波数を高めに設定することで、リアクトル(一般にコイル)を小さくし、スイッチング電源回路の小型化を図ることができる。
【0018】
また、本開示の一局面のスイッチング電源回路は、力率改善回路として利用すれば、入力電圧に応じた出力電流の制御を適正に行うことができ、広い入力電圧範囲で、正確な力率改善ができる。
【0019】
ここで、上記のように出力電流に応じてスイッチング素子のオン・オフ時間及びスイッチング周波数を制御するには、制御部は、次のように構成するとよい。
すなわち、制御部は、臨界モードでは、第1タイマの計時時間を出力電流が大きい程長くなるように設定すると共に、第2タイマの計時時間を第1タイマの計時時間よりも所定時間(例えば数十%)長くなるように設定する。
【0020】
また、制御部は、不連続モードでは、第1タイマの計時時間を臨界モードでの最小値に固定し、第2タイマの計時時間を、臨界モードでの最小値よりも長く、且つ、出力電流が小さいほど長くなるように設定する。
【0021】
このようにすれば、スイッチング周波数は、各電流モードの境界領域で最も高くなり、出力電流が閾値電流から離れるに従い低下する。また、不連続モードでは、出力電流が大きくなるに従い駆動デューティ比が高くなり、臨海モードでは、出力電流が大きくなるに従いスイッチング素子のオン時間が長くなる。
【0022】
そして、このようにスイッチング素子のオン・オフ時間及びスイッチング周波数を制御することにより、出力電流を適正にしかも広範囲に調整できるようになる。
なお、制御部は、臨界モードでは、第1タイマの計時時間の低下に伴い第2タイマの計時時間が予め設定された下限値以下にならないように、第2タイマの計時時間を設定するように構成するとよい。
【0023】
つまり、臨界モードでは、出力電流は、第1タイマの計時時間、つまり、スイッチング素子のオン時間と比例関係であるが、このオン時間が短くなると、スイッチング周波数が高くなる。そして、スイッチング周波数が高くなりすぎると、効率が悪くなり、場合によってはノイズ発生等の問題が生じる。
【0024】
そこで、臨界モードと不連続モードとの境界領域では、臨界モードでの第2タイマの計時時間の低下を制限することで、スイッチング周波数が高くなりすぎるのを防止するのである。このようにすれば、臨界モードで第1タイマの計時時間が短くなる領域では、スイッチング周波数が固定されて、出力電流に応じてスイッチング周波数が変化しなくなるが、スイッチング周波数が高くなりすぎるのを抑制できる。
【0025】
一方、電流検出部は、例えば、リアクトルに電流検出用抵抗を直列接続することで、電流検出用抵抗の両端電圧から電流を検出するようにしてもよい。また、例えば、リアクトルを構成するコイルに対し二次コイルを設け、その二次コイルに流れる電流を、電流検出用抵抗を使って検出するようにしてもよい。しかし、電流検出部をこのように構成すると、電流検出用抵抗で電流が消費されることから、電力損失が大きくなる。
【0026】
このため、電流検出部は、半導体素子の両端の電位差に基づき、リアクトルに電流が流れていないことを検出するよう構成するとよい。このようにすれば、半導体素子の両端の電位を抵抗分圧等で検出して、その電位差を検出するようにすればよいので、電力損失を低減できる。