特許第6695536号(P6695536)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社システムデザインの特許一覧 ▶ ジン チュウコウの特許一覧

<>
  • 特許6695536-スイッチング電源回路 図000002
  • 特許6695536-スイッチング電源回路 図000003
  • 特許6695536-スイッチング電源回路 図000004
  • 特許6695536-スイッチング電源回路 図000005
  • 特許6695536-スイッチング電源回路 図000006
  • 特許6695536-スイッチング電源回路 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6695536
(24)【登録日】2020年4月24日
(45)【発行日】2020年5月20日
(54)【発明の名称】スイッチング電源回路
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/155 20060101AFI20200511BHJP
【FI】
   H02M3/155 H
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-83954(P2016-83954)
(22)【出願日】2016年4月19日
(65)【公開番号】特開2017-195689(P2017-195689A)
(43)【公開日】2017年10月26日
【審査請求日】2019年4月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】395023613
【氏名又は名称】株式会社システムデザイン
(73)【特許権者】
【識別番号】515165328
【氏名又は名称】ジン チュウコウ
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】飯田 光浩
(72)【発明者】
【氏名】ジン チュウコウ
【審査官】 小林 秀和
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−238755(JP,A)
【文献】 特開2004−032875(JP,A)
【文献】 特開2014−131420(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/155
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から直流電力を取り込むための一対の入力端と、
コンデンサ及び負荷がそれぞれ接続される一対の出力端と、
前記一対の入力端及び前記一対の出力端をそれぞれ接続する一対の電流経路と、
前記一対の電流経路の一方である第1電流経路に直列に設けられたリアクトルと、
前記第1電流経路において前記リアクトルと前記入力端との間に直列に設けられたスイッチング素子と、
前記第1電流経路における前記リアクトルと前記スイッチング素子との接続点と、前記一対の電流経路の他方である第2電流経路との間に設けられ、前記スイッチング素子がオン状態からオフ状態に切り替えられたときに前記リアクトルに電流を流すための半導体素子と、
前記半導体素子を介して前記リアクトルに電流が流れていないことを検出して検出信号を出力する電流検出部と、
前記スイッチング素子のオン時間を計時し、該計時期間中前記スイッチング素子をオンさせる第1タイマと、
前記第1タイマが前記スイッチング素子をオンさせてからの時間を計時し、該計時時間が設定時間に達すると一定パルス幅のパルス信号を出力する第2タイマと、
前記電流検出部から前記検出信号が出力され、前記第2タイマから前記パルス信号が出力されているとき、前記第1タイマをリセットして、前記第1タイマによる前記オン時間の計時を開始させるリセット部と、
前記負荷への出力電流に応じて前記第1タイマ及び前記第2タイマの計時時間を設定することで、前記負荷への出力電流が閾値電流以上であるときには前記リアクトルに流れる電流の電流モードを臨界モードに設定し、前記負荷への出力電流が閾値電流未満であるときには前記電流モードを不連続モードに設定する制御部と、
を備えたスイッチング電源回路
【請求項2】
前記制御部は、
前記臨界モードでは、前記第1タイマの計時時間を前記出力電流が大きい程長くなるように設定すると共に、前記第2タイマの計時時間を前記第1タイマの計時時間よりも所定時間長くなるように設定し、
前記不連続モードでは、前記第1タイマの計時時間を前記臨界モードでの最小値に固定し、前記第2タイマの計時時間を、前記臨界モードでの最小値よりも長く、且つ、前記出力電流が小さいほど長くなるように設定する、
ように構成されている、請求項1に記載のスイッチング電源回路。
【請求項3】
前記制御部は、前記臨界モードでは、前記第1タイマの計時時間の低下に伴い前記第2タイマの計時時間が予め設定された下限値以下にならないように、前記第2タイマの計時時間を設定するように構成されている、請求項2に記載のスイッチング電源回路。
【請求項4】
前記電流検出部は、前記半導体素子の両端の電位差に基づき前記リアクトルに電流が流れていないことを検出するよう構成されている、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のスイッチング電源回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、外部負荷への出力電流に応じてリアクトルに流れる電流の電流モードを切り替えるスイッチング電源回路に関する。
【背景技術】
【0002】
スイッチング電源回路においては、ノイズの発生を抑制するために、負荷の消費電力に応じて電流モードを切り替えることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この提案のスイッチング電源回路によれば、負荷の消費電力が小さいときには電流モードを不連続モードに設定し、負荷の消費電力が大きくなると電流モードを臨界モードに切り替え、負荷の消費電力が更に大きくなると電流モードを連続モードに切り替える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−200174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、スイッチング電源回路は、通常、出力電圧が目標電圧となるよう、スイッチング素子の駆動デューティ比をフィードバック制御するように構成される。
このため、上記提案のスイッチング電源回路のように、負荷の消費電力に応じて電流モードを切り替えるようにすると、そのモード切り替えによって出力電圧が大きく変動し、出力電圧が目標電圧に収束するのに時間がかかるようになる。
【0005】
また、出力電圧の変動は、出力経路に並列接続されるコンデンサにて吸収することができるが、上記のようにモード切り替えによって生じる電圧変動を抑制するには、コンデンサの容量を大きくする必要があり、スイッチング電源回路の大型化を招くことになる。
【0006】
本開示の一局面は、負荷の消費電力に応じて電流モードを切り替えるスイッチング電源回路において、電流モードの切り替えによって生じる出力変動を抑制できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一局面のスイッチング電源回路は、外部から直流電力を取り込むための一対の入力端と、コンデンサ及び負荷がそれぞれ接続される一対の出力端とを備える。そして、これら一対の入力端及び一対の出力端は、それぞれ、一対の電流経路にて接続されている。
【0008】
一対の電流経路の一方である第1電流経路には、リアクトルが直列に設けられており、更に、このリアクトルと入力端との間には、スイッチング素子が設けられている。
第1電流経路におけるリアクトルとスイッチング素子との接続点と、一対の電流経路の他方である第2電流経路との間には、スイッチング素子がオン状態からオフ状態に切り替えられたときにリアクトルに電流を流すための半導体素子が設けられている。
【0009】
また、本開示の一局面のスイッチング電源回路には、電流検出部と、第1タイマと、第2タイマと、リセット部と、制御部が備えられている。
電流検出部は、半導体素子を介してリアクトルに電流が流れていないことを検出して検出信号を出力するものであり、第1タイマは、スイッチング素子のオン時間を計時し、そ
の計時期間中、スイッチング素子をオンさせるものである。
【0010】
また、第2タイマは、第1タイマがスイッチング素子をオンさせてからの時間を計時し、その計時時間が設定時間に達すると一定パルス幅のパルス信号を出力するものである。
そして、リセット部は、電流検出部から検出信号が出力され、第2タイマからパルス信号が出力されているとき、第1タイマをリセットして、第1タイマによるオン時間の計時を開始させる。
【0011】
また、制御部は、負荷への出力電流に応じて第1タイマ及び第2タイマの計時時間を設定することで、出力電流が閾値電流以上であるときにはリアクトルに流れる電流の電流モードを臨界モードに設定し、出力電流が閾値電流未満であるときには電流モードを不連続モードに設定する。
【0012】
このため、本開示の一局面のスイッチング電源回路によれば、制御部が設定する第1タイマ及び第2タイマの計時時間を調整することで、負荷への出力電流に応じて、電流モードを切り替えることができるだけでなく、各電流モードでのスイッチング素子のオン・オフ時間及びその周期(換言すればスイッチング周波数)を調整することができるようになる。
【0013】
この結果、本開示の一局面のスイッチング電源回路によれば、制御部が第1タイマ及び第2タイマの計時時間を設定することによって、各電流モードで、出力電流を数値制御することができるようになり、負荷の駆動に必要な負荷電力が変化しても、その変化に応じて出力電流を適正且つ高速に制御することが可能になる。
【0014】
従って、電流モードの切り替えによって出力電流が変動するのを抑制することができ、その出力変動を抑制するために設けられるコンデンサの容量を小さくして、スイッチング電源回路を小型化することができる。
【0015】
また、本開示の一局面のスイッチング電源回路によれば、不連続モードと臨海モードとの2つの電流モードを使って、出力電流を広範囲に定量的に制御することができることから、制御部を、コンピュータ等の数値制御回路にて構成することができる。
【0016】
そして、このようにすれば、出力電流の制御範囲など、スイッチング電源回路の仕様を、制御部で用いる制御パラメータを調整することで任意に設定することができるようになり、設計の自由度を高めることができる。
【0017】
また、各電流モードでのスイッチング周波数を任意に設定できるので、下限周波数を高めに設定することで、リアクトル(一般にコイル)を小さくし、スイッチング電源回路の小型化を図ることができる。
【0018】
また、本開示の一局面のスイッチング電源回路は、力率改善回路として利用すれば、入力電圧に応じた出力電流の制御を適正に行うことができ、広い入力電圧範囲で、正確な力率改善ができる。
【0019】
ここで、上記のように出力電流に応じてスイッチング素子のオン・オフ時間及びスイッチング周波数を制御するには、制御部は、次のように構成するとよい。
すなわち、制御部は、臨界モードでは、第1タイマの計時時間を出力電流が大きい程長くなるように設定すると共に、第2タイマの計時時間を第1タイマの計時時間よりも所定時間(例えば数十%)長くなるように設定する。
【0020】
また、制御部は、不連続モードでは、第1タイマの計時時間を臨界モードでの最小値に固定し、第2タイマの計時時間を、臨界モードでの最小値よりも長く、且つ、出力電流が小さいほど長くなるように設定する。
【0021】
このようにすれば、スイッチング周波数は、各電流モードの境界領域で最も高くなり、出力電流が閾値電流から離れるに従い低下する。また、不連続モードでは、出力電流が大きくなるに従い駆動デューティ比が高くなり、臨海モードでは、出力電流が大きくなるに従いスイッチング素子のオン時間が長くなる。
【0022】
そして、このようにスイッチング素子のオン・オフ時間及びスイッチング周波数を制御することにより、出力電流を適正にしかも広範囲に調整できるようになる。
なお、制御部は、臨界モードでは、第1タイマの計時時間の低下に伴い第2タイマの計時時間が予め設定された下限値以下にならないように、第2タイマの計時時間を設定するように構成するとよい。
【0023】
つまり、臨界モードでは、出力電流は、第1タイマの計時時間、つまり、スイッチング素子のオン時間と比例関係であるが、このオン時間が短くなると、スイッチング周波数が高くなる。そして、スイッチング周波数が高くなりすぎると、効率が悪くなり、場合によってはノイズ発生等の問題が生じる。
【0024】
そこで、臨界モードと不連続モードとの境界領域では、臨界モードでの第2タイマの計時時間の低下を制限することで、スイッチング周波数が高くなりすぎるのを防止するのである。このようにすれば、臨界モードで第1タイマの計時時間が短くなる領域では、スイッチング周波数が固定されて、出力電流に応じてスイッチング周波数が変化しなくなるが、スイッチング周波数が高くなりすぎるのを抑制できる。
【0025】
一方、電流検出部は、例えば、リアクトルに電流検出用抵抗を直列接続することで、電流検出用抵抗の両端電圧から電流を検出するようにしてもよい。また、例えば、リアクトルを構成するコイルに対し二次コイルを設け、その二次コイルに流れる電流を、電流検出用抵抗を使って検出するようにしてもよい。しかし、電流検出部をこのように構成すると、電流検出用抵抗で電流が消費されることから、電力損失が大きくなる。
【0026】
このため、電流検出部は、半導体素子の両端の電位差に基づき、リアクトルに電流が流れていないことを検出するよう構成するとよい。このようにすれば、半導体素子の両端の電位を抵抗分圧等で検出して、その電位差を検出するようにすればよいので、電力損失を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】実施形態のスイッチング電源回路全体の構成を表す回路図である。
図2】制御部の制御動作を説明する説明図である。
図3図2の臨界モードでの各部の動作を表すタイムチャートである。
図4図2の不連続モードでの各部の動作を表すタイムチャートである。
図5図2の臨界モードと不連続モードの境界領域での各部の動作を表すタイムチャートである。
図6】スイッチング電源回路の変形例を表す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
本実施形態のスイッチング電源回路は、所謂チョッパ式降圧コンバータであり、図1に示すように構成されている。
【0029】
すなわち、本実施形態のスイッチング電源回路には、外部から直流電力を取り込むための一対の入力端Ti1,Ti2と、コンデンサC1及び負荷2がそれぞれ接続される一対の出力端To1,To2と、入力端Ti1,Ti2及び出力端To1,To2をそれぞれ接続する一対の電流経路LH,LLと、を備える。
【0030】
入力端Ti1、出力端To1及び電流経路LHは、直流電圧の正極側であり、入力端Ti2、出力端To2及び電流経路LLは、直流電圧の負極側である。
そして、一対の電流経路LH,LLの内、第1電流経路としての一方の電流経路LLには、リアクトルとしてのコイルL1が直列に接続されており、更に、その電流経路LLの入力端Ti2側には、スイッチング素子としてのFET10が直列接続されている。
【0031】
なお、図1において、FET10は、nチャネルMOSFETにて構成されているが、本開示のスイッチング素子は、pチャネルMOSFETであってもよく、バイポーラトランジスタであってもよく、サイリスタであってもよい。つまり、スイッチング素子としては、制御端子を備えた半導体素子であればよい。
【0032】
また、コイルL1とFET10との接続点と、第2電流経路としての電流経路LHとの間には、FET10がオン状態からオフ状態に切り替えられたときにコイルL1に電流を流すための半導体素子として、ダイオードD1が設けられている。
【0033】
つまり、ダイオードD1は、アノードがコイルL1とFET10との接続点に接続され、カソードが電流経路LHに接続されることで、FET10がターンオフしたときにコイルL1に蓄積されたエネルギにて電流経路LH側に電流を流し、コンデンサC1を充電させる。
【0034】
また、本実施形態のスイッチング電源回路には、ダイオードD1を介してコイルL1に電流が流れていないことを検出して、検出信号を出力するための電流検出部11が設けられている。
【0035】
電流検出部11は、ダイオードD1の両端の電位を、それぞれ、分圧用の抵抗R1,R2、抵抗R3,R4により分圧して取り込み、その電位差が略零となったこと(換言すればコイルL1に流れる電流の臨界点)を検出するコンパレータ12にて構成されている。
【0036】
そして、この電流検出部11(つまりコンパレータ12)からの検出信号は、リセット部としてのAND回路14の一方の入力端子に入力される。
次に、本実施形態のスイッチング電源回路には、図3図5に示すように、FET10のオン時間TAを計時し、その計時期間中、FET10をオンさせる第1タイマ16と、第1タイマ16がFET10をオンさせてからの時間を計時し、その計時時間が設定時間TBに達すると一定パルス幅のパルス信号を出力する第2タイマ18が備えられている。
【0037】
そして、第2タイマ18からのパルス信号は、リセット部としてのAND回路14の他方の入力端子に入力される。このため、AND回路14からは、第2タイマ18からのパルス信号と、コンパレータ12からの検出信号が共にハイレベルであるとき、ハイレベルの信号が出力される。
【0038】
第1タイマ16は、AND回路14から出力されるハイレベルの信号によりリセットされ、この信号の立ち下がりタイミングから時間TAの計時を開始する。
次に、第1タイマ16及び第2タイマ18による計時時間TA,TBは、制御部20にて設定される。
【0039】
制御部20は、外部から入力される出力電流Ioの指令値に応じて、第1タイマ16及び第2タイマ18の計時時間TA,TBを設定することで、図2に示すように、負荷2への出力電流Ioが閾値電流以上であるときには、コイルL1に流れる電流の電流モードを臨界モードに設定し、出力電流Ioが閾値電流未満であるときには電流モードを不連続モードに設定する。
【0040】
なお、制御部20に入力される出力電流Ioの指令値は、例えば、負荷2の消費電力の変化等によって生じる出力電圧の変動(規定電圧からのずれ)に基づき、出力電圧を一定にするために設定される。
【0041】
制御部20は、コンピュータ等の数値制御回路にて構成されており、この指令値(つまり出力電流)に対応する計時時間TA,TBの制御データをメモリから読み出し、第1タイマ16及び第2タイマ18に設定することで、各タイマ16,18にその時間TA、TBを計時させる。
【0042】
具体的には、制御部20は、臨界モードでは、図3に示すように、第1タイマ16の計時時間TAを出力電流Ioが大きい程長くなるように設定すると共に、第2タイマ18の計時時間TBを第1タイマ16の計時時間TAよりも所定時間長くなるように設定する。
【0043】
つまり、この臨界モードでは、第1タイマ16の計時時間TA(換言すれば、FET10のオン時間)と出力電流Ioとが比例することから、出力電流Ioの指令値に応じて計時時間TAを設定することで、出力電流Ioを指令値に制御する。
【0044】
また、制御部20は、不連続モードでは、図4に示すように、第1タイマ16の計時時間TAを、臨界モードでの計時時間TAの最小値に固定し、第2タイマ18の計時時間TBを、臨界モードでの計時時間TBの最小値よりも長く、且つ、出力電流Ioの指令値が小さいほど長くなるように設定する。
【0045】
また、制御部20は、臨界モードでは、図5に示すように、第1タイマ16の計時時間TAの低下に伴い、第2タイマ18の計時時間TBが予め設定された下限値以下にならないように、第2タイマ18の計時時間TBを設定する。
【0046】
つまり、臨界モードにおいて、断続モードとの境界領域では、コンパレータ12で臨界点が検出されてFET10がオンされるまでの時間が通常時よりも延長することで、FET10がオンされる周期が短くなりすぎるのを(換言すれば、スイッチング周波数が高くなりすぎるのを)防止している。
【0047】
以上説明したように、本実施形態のスイッチング電源回路によれば、制御部20は、外部から入力される出力電流Ioの指令値に応じて、コイルL1に流れる電流の電流モードを、臨界モード及び不連続モードの何れかに切り替える。
【0048】
また、制御部20は、この切り替えを、出力電流Ioの指令値に応じて第1タイマ16及び第2タイマ18の計時時間TA,TBを設定することにより行う。
このため、本実施形態のスイッチング電源回路によれば、負荷2への出力電流に応じて、電流モードを切り替えることができるだけでなく、各電流モードでのスイッチング素子のオン・オフ時間及びその周期(換言すればスイッチング周波数)を調整することができる。
【0049】
従って、本実施形態のスイッチング電源回路によれば、制御部20が第1タイマ16及
び第2タイマ18の計時時間TA,TBを設定することによって、各電流モードで出力電流Ioを定量的に制御することができるようになる。
【0050】
よって、負荷2の消費電力が変化しても、その変化に応じて出力電流Ioを適正且つ高速に制御することができるようになる。また、電流モードの切り替え等で出力電流が変動することも抑制できることから、その出力変動を抑制するために設けられるコンデンサC1の容量を小さくして、スイッチング電源回路を小型化することができる。
【0051】
また、各電流モードでのスイッチング周波数を任意に設定できるので、下限周波数を高めに設定することで、コイルL1を小さくし、スイッチング電源回路の小型化を図ることができる。
【0052】
また、本実施形態のスイッチング電源回路は、力率改善回路として利用すれば、入力電圧に応じた出力電流の制御を適正に行うことができ、広い入力電圧範囲で、正確な力率改善ができる。
【0053】
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
例えば、上記実施形態では、リアクトルとしてのコイルL1及びスイッチング素子としてのFET10は、負極側の電流経路LLに設けられるものとして説明したが、これは、FET10の駆動電圧を低電圧にできるようにするためである。
【0054】
このため、図6に示すように、リアクトルとしてのコイルL1及びスイッチング素子としてのFET10は、正極側の電流経路LHに設けるようにしても、本開示のスイッチング電源回路を上記実施形態と同様に構成することはできる。
【0055】
また、上記実施形態では、FET10がオン状態からオフ状態に切り替えられたときにコイルL1に電流を流すための半導体素子として、ダイオードD1を用いるものとして説明した。
【0056】
これに対し、例えば、ダイオードD1に代えてFET等の制御端子付きの半導体素子を設け、この半導体素子のオン・オフ状態を、FET10と同期して、FET10とは逆方向に切り替えるようにしてもよい。つまり、本開示の半導体素子としては、ダイオードD1に代えて、同期整流用のスイッチング素子を用いて構成してもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、電流検出部11は、分圧用の抵抗R1〜R4とコンパレータ12とを用いて構成するものとして説明した。これに対し、電流検出部11は、図6に例示するように、電流経路LLに電流検出用抵抗R5を設け、コンパレータ12でその両端電圧が、略零の閾値電圧Vth以下であるか否かを判定するように構成してもよい。また、コイルL1に対し二次コイルを設け、その二次コイルを使ってコイルL1に流れる電流を検出するようにしてもよい。
【0058】
また、上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言のみによって特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本発明の実施形態である。
【符号の説明】
【0059】
Ti1,Ti2…入力端、To1,To2…出力端、2…負荷、C1…コンデンサ、LH,LL…電流経路、L1…コイル、10…FET、D1…ダイオード、11…電流検出部、R1〜R5…抵抗、12…コンパレータ、14…AND回路、16…第1タイマ、18…第2タイマ、20…制御部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6