(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記座標算出処理部によりグラフ上の座標が算出された場合に、前記選択受付処理部により縦軸の選択が受け付けられていれば、算出された座標を通る縦軸に平行な補助線を前記グラフ表示領域に表示させ、前記選択受付処理部により横軸の選択が受け付けられていれば、算出された座標を通る横軸に平行な補助線を前記グラフ表示領域に表示させる補助線表示処理部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
前記座標算出処理部によりグラフ上の座標が算出された場合に、前記選択受付処理部により縦軸の選択が受け付けられていれば、算出された座標の少なくとも横軸の値を表示させ、前記選択受付処理部により横軸の選択が受け付けられていれば、算出された座標の少なくとも縦軸の値を表示させる数値表示処理部をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示制御装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記した従来の表示装置では、グラフ上の点を選択する際におけるユーザの操作部の操作が限られており、十分な操作性を実現できない場合があった。具体的には、上記した従来の表示装置では、カーソル線が横軸に沿って移動することにより、カーソル線が示す横軸の値が選択され、その横軸の値と対応するグラフ上の縦軸の値が選択される。そして、グラフ上の選択された値が表示される。このように、上記した従来の表示装置では、常にカーソル線が示す横軸の値が基準となり、その値に対応するグラフ上の縦軸の値が選択される。しかし、グラフの種類によっては、グラフにおける縦軸の値を基準とし、その値に対応するグラフ上の横軸の値を選択したい場合もある。さらに、グラフ上の横軸の値を基準とする場合と、グラフ上の縦軸の値を基準とする場合とを切り替えて利用したいこともある。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、簡易な操作でユーザの所望するグラフ上の座標を算出できる表示制御装置及びこれを備えた粒子径分布測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明に係る表示制御装置は、グラフ表示処理部と、選択受付処理部と、座標指定処理部と、座標算出処理部とを備える。前記グラフ表示処理部は、縦軸及び横軸で表される座標平面からなるグラフ表示領域にグラフを表示させる。前記選択受付処理部は、縦軸又は横軸のいずれか一方の選択を受け付ける。前記座標指定処理部は、前記グラフ表示領域における座標を指定する。前記座標算出処理部は、前記座標指定処理部により座標が指定された場合に、前記選択受付処理部により縦軸の選択が受け付けられていれば、指定された座標と縦軸の値が一致するグラフ上の座標を算出し、前記選択受付処理部により横軸の選択が受け付けられていれば、指定された座標と横軸の値が一致するグラフ上の座標を算出する。
【0010】
このような構成によれば、座標算出処理部は、座標指定処理部により指定された座標と縦軸又は横軸の値が一致するグラフ上の座標を算出する。
そのため、グラフ表示領域上の任意の座標を指定するだけの簡易な操作で、その座標に縦軸又は横軸の値が一致するグラフ上の座標を算出できる。
【0011】
また、グラフ上の縦軸の値を基準として座標を算出したい場合には、選択受付処理部によって縦軸の選択を受け付け、座標指定処理部により指定された座標と縦軸の値が一致するグラフ上の座標を算出することにより、グラフ上の任意の座標を算出できる。また、グラフ上の横軸の値を基準として座標を算出したい場合には、選択受付処理部によって横軸の選択を受け付け、座標指定処理部により指定された座標と横軸の値が一致するグラフ上の座標を算出することにより、グラフ上の任意の座標を算出できる。
【0012】
そのため、選択受付処理部による選択を適宜変更することにより、縦軸又は横軸のうちユーザの所望する軸を選択し、グラフ上の座標を算出できる。
すなわち、簡易な操作でユーザの所望するグラフ上の座標を算出できる。
【0013】
(2)また、前記表示制御装置は、補助線表示処理部をさらに備えてもよい。前記補助線表示処理部は、前記座標算出処理部によりグラフ上の座標が算出された場合に、前記選択受付処理部により縦軸の選択が受け付けられていれば、算出された座標を通る縦軸に平行な補助線を前記グラフ表示領域に表示させ、前記選択受付処理部により横軸の選択が受け付けられていれば、算出された座標を通る横軸に平行な補助線を前記グラフ表示領域に表示させる。
【0014】
このような構成によれば、選択受付処理部により縦軸の選択が受け付けられている場合には、補助線表示処理部により表示される補助線によって、グラフ上の座標の横軸の値を示すことができる。また、選択受付処理部により横軸の選択が受け付けられている場合には、補助線表示処理部により表示される補助線によって、グラフ上の座標の縦軸の値を示すことができる。
【0015】
そのため、選択受付処理部により縦軸の選択が受け付けられている場合には、補助線によって、グラフ上の座標の横軸の値を直感的に認識できる。また、選択受付処理部により横軸の選択が受け付けられている場合には、補助線によって、グラフ上の座標の縦軸の値を直感的に認識できる。
【0016】
(3)また、前記表示制御装置は、数値表示処理部をさらに備えてもよい。前記数値表示処理部は、前記座標算出処理部によりグラフ上の座標が算出された場合に、前記選択受付処理部により縦軸の選択が受け付けられていれば、算出された座標の少なくとも横軸の値を表示させ、前記選択受付処理部により横軸の選択が受け付けられていれば、算出された座標の少なくとも縦軸の値を表示させる。
【0017】
このような構成によれば、数値表示処理部により表示される数値を確認することにより、座標算出処理部により算出されたグラフ上の座標の縦軸及び横軸の少なくとも一方の値を認識できる。
【0018】
(4)また、前記選択受付処理部は、グラフによって2分割された前記グラフ表示領域内の第1領域及び第2領域のうち、前記第1領域内の座標が前記座標指定処理部により指定された場合に縦軸の選択を受け付け、前記第2領域内の座標が前記座標指定処理部により指定された場合に横軸の選択を受け付けてもよい。
【0019】
このような構成によれば、選択受付処理部による縦軸又は横軸の選択を、より簡易な操作で行うことができる。
(5)また、前記グラフ表示処理部は、縦軸又は横軸の一方を粒子量とするグラフを前記グラフ表示領域に表示させてもよい。
【0020】
このような構成によれば、選択受付処理部によって適切な座標軸の選択を受け付けることにより、簡易な操作でグラフ上の粒子量の値を算出できる。
(6)また、前記グラフ表示処理部は、縦軸又は横軸の一方を相対粒子量の積算値とし、他方を粒子径とするグラフを前記グラフ表示領域に表示させてもよい。
【0021】
このような構成によれば、選択受付処理部によって適切な軸の選択を受け付けることにより、簡易な操作でグラフ上の相対粒子量の積算値又は粒子径の値を算出できる。
【0022】
(7)本発明に係る粒子径分布測定装置は、前記表示制御装置と、試料セルと、光源と、複数の受光素子とを備える。前記試料セルには、試料が供給される。前記光源は、前記試料セルに測定光を照射する。前記複数の受光素子は、前記試料セル内の試料からの回折光又は散乱光を受光する。前記グラフ表示処理部は、前記複数の受光素子における受光強度に基づいて、前記グラフ表示領域にグラフを表示させる。
【0023】
このような構成によれば、試料の粒子径分布を測定し、その測定結果をグラフ表示領域にグラフとして表示させることができる。そして、簡易な操作でユーザの所望するグラフ上の座標を算出できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、グラフ表示領域上の任意の座標を指定するだけの簡易な操作で、ユーザの所望するグラフ上の座標を算出できる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
1.粒子径分布測定装置の全体構成
図1は、本発明の一実施形態に係る表示制御装置5を備える粒子径分布測定装置の構成例を示した概略図である。
【0027】
この粒子径分布測定装置は、試料に含まれる粒子群の粒子径と粒子量との関係を測定することにより、粒子径分布データを生成するためのものであり、試料の測定を行うための測定機構1を備えている。
【0028】
測定機構1には、光源11、集光レンズ12、空間フィルタ13、コリメータレンズ14、フローセル15、集光レンズ16及び検出器17などが備えられている。測定対象となる試料は、例えば超音波振動子が内蔵された循環式サンプラ2などの供給源からフローセル15に供給されるようになっている。
【0029】
光源11は、例えばレーザ光源からなる。当該光源11から放射された光(測定光)は、集光レンズ12、空間フィルタ13及びコリメータレンズ14を通過することにより平行光となり、フローセル15に入射する。ただし、フローセル15に限らず、試料が収容された回分セルに光が入射するような構成であってもよい。
【0030】
検出器17は、試料からの光を検出するためのものであり、例えばフォトダイオードアレイにより構成される。検出器17は、例えば互いに異なる半径を有するリング状又は半リング状の検出面が形成された複数(例えば、64個)の受光素子171を、集光レンズ16の光軸を中心として同心円状に配置することにより構成されており、各受光素子171には、それぞれの位置に応じた角度の方向に回折又は散乱された試料からの光が入射する。したがって、検出器17の各受光素子171の検出信号は、入射角度に対応する光の強度を表すことになる。
【0031】
この
図1の例では、フローセル15の前方(光源11とは反対側)にのみ検出器17が示されている。ただし、フローセル15の後方(光源11側)や側方(光の入射方向に対して直交する面内)にも、それぞれ試料で回折又は散乱された光を受光する受光素子を備えた検出器が設けられていてもよい。
【0032】
検出器17の各受光素子171の検出信号は、A/D変換器3によりアナログ信号からデジタル信号に変換された後、通信部4を介して表示制御装置5に入力されるようになっている。これにより、検出器17の各受光素子171の素子番号と各受光素子171における検出強度とが対応付けられた光強度分布データが、表示制御装置5に入力される。
【0033】
表示制御装置5は、試料の粒子径分布を測定する際のデータを処理する。表示制御装置5は、例えばコンピュータにより構成されており、制御部51、操作部52、表示部53及び記憶部54などを備えている。制御部51は、例えばCPU(Central Processing Unit)を含む構成であり、操作部52、表示部53及び記憶部54などの各部が電気的に接続されている。
【0034】
操作部52は、例えばキーボード及びマウスを含む構成であり、ユーザが操作部52を操作することにより入力作業などを行うことができるようになっている。表示部53は、例えば液晶表示器などにより構成されており、測定機構1における測定結果などの各種情報が表示される。記憶部54は、例えばRAM(Random Access Memory)及びハードディスクなどにより構成される。
【0035】
粒子径分布測定装置において試料の測定を行う際には、光源11から光が出射されるとともに、循環式サンプラ2からフローセル15に試料が供給される。
光源11から出射された光は、集光レンズ12、空間フィルタ13及びコリメータレンズ14を通過することにより平行光になる。そして、平行光になった測定光の一部が、フローセル15に照射され、フローセル15内の試料に含まれる粒子群で回折又は散乱された光(回折散乱光)が、集光レンズ16を通って検出器17により受光される。
【0036】
そして、検出器17からの検出信号に基づく光強度分布データが、表示制御装置5に入力される。表示制御装置5において、制御部51は、その光強度分布データを取得し、光強度分布データに対して、所定のパラメータを用いて演算を行うことにより粒子径分布データを算出する。また、制御部51は、その粒子径分布データを記憶部54に格納するとともに、ユーザによる操作部52の操作に応じて、粒子径分布データを表示部53に表示させる。
【0037】
2.表示制御装置の電気的構成
図2は、表示制御装置5の電気的構成を示したブロック図である。
表示制御装置5において、制御部51は、CPUがプログラムを実行することにより、選択受付処理部511、座標指定処理部512、座標算出処理部513及び表示処理部514などとして機能する。
選択受付処理部511は、ユーザによる操作部52の操作に基づいて、表示部53に表示される座標平面における座標軸の選択を受け付ける。
座標指定処理部512は、ユーザによる操作部52の操作に基づいて、表示部53に表示される座標平面における座標を指定する。
【0038】
座標算出処理部513は、選択受付処理部511による座標軸の選択の結果、及び、座標指定処理部512による座標の指定の結果に基づいて、表示部53に表示される座標平面におけるグラフ上の座標を算出する。
表示処理部514には、グラフ表示処理部515、補助線表示処理部516及び数値表示処理部517が含まれる。
【0039】
グラフ表示処理部515は、記憶部54に記憶される粒子径分布データ541に基づいて、表示部53に表示される座標平面にグラフを表示させる。記憶部54には、測定対象の試料に対応する粒子径分布のデータとして、複数の粒子径分布データ541が記憶されている。グラフ表示処理部515は、記憶部54に記憶されている複数の粒子径分布データ541から所定のデータを読み出し、その読み出した粒子径分布データ541に対応するグラフを表示部53に表示させる。
【0040】
補助線表示処理部516は、選択受付処理部511による座標軸の選択の結果、及び、座標算出処理部513による座標の算出の結果に基づいて、表示部53に表示される座標平面に補助線を表示させる。
【0041】
数値表示処理部517は、選択受付処理部511による座標軸の選択の結果に基づいて、座標算出処理部513によって算出された座標の数値情報を表示部53に表示させる。
【0042】
3.表示部のグラフ表示領域の表示態様
図3Aは、表示部53のグラフ表示領域60に対する粒子径分布データの表示態様の一例を示した図であって、第1領域601の座標が指定された状態を示している。
図3Bは、表示部53のグラフ表示領域60に対する粒子径分布データの表示態様の一例を示した図であって、第2領域602の座標が指定された状態を示している。
【0043】
上記した表示部53には、グラフ表示領域60が表示される。グラフ表示領域60は、粒子径分布のデータをグラフ表示させるための領域であって、縦軸が相対粒子量(粒子量)を示しており、横軸が粒子径を示している。グラフ表示領域60には、ユーザの操作部52の操作によって選択された粒子径分布データ541がグラフA,Fとして表示される。グラフFは、粒子径に対する相対粒子量の頻度を棒グラフによって示している。グラフAは、粒子径に対する相対粒子量の積算値を曲線グラフによって示している。グラフAでは、粒子径が大きくなるにつれて、相対粒子量は、緩やかに上昇した後に急上昇し、その後、緩やかに上昇している。すなわち、グラフAは、右肩上がりのグラフである。グラフAは、グラフ表示領域60を2分割している。グラフAによって2分割された領域のうち、粒子径が小さい側の領域(左側の領域)が第1領域601であり、粒子径が大きい側の領域(右側の領域)が第2領域602である。
【0044】
4.制御部による制御動作
上記したグラフ表示領域60に表示されるグラフは、粒子径と相対粒子量との関係を示している。
グラフ上の座標を読み取る場合においては、粒子径を基準として座標を読み取ることが適切な場合もあれば、相対粒子量を基準として座標を読み取ることが適切な場合もある。例えばサンプルの品質を確認する場合などには、相対粒子量が一定区間内の値を示すことを基準とし、その基準となる相対粒子量に対応する粒子径の値を読み取る場合もある。また、粒子径が一定区間内の値を示すことを基準とし、その基準となる粒子径に対応する相対粒子量の値を読み取る場合もある。
このような場合に対応するため、本実施形態では、以下のように、グラフ表示領域60に対する表示の制御が行われる。
【0045】
図4は、表示制御装置5の制御部51による制御動作の一例を示したフローチャートである。なお、以下では、制御部51によってグラフA上の座標が算出される場合について説明する。
【0046】
表示制御装置5の記憶部54では、図示しないが、グラフ表示領域60上の各領域に対応する座標軸の情報が予め記憶されている。具体的には、記憶部54には、グラフ表示領域60の第1領域601にグラフ表示領域60の縦軸が対応し、グラフ表示領域60の第2領域602にグラフ表示領域60の横軸が対応するという情報が予め記憶されている。
【0047】
そして、ユーザが操作部52を操作することにより、図示しないカーソル(ポインター)などによって、グラフ表示領域60上の点が選択(クリック)されると(ステップS101でYES)、座標指定処理部512は、そのグラフ表示領域60上の点を指定する(ステップS102)。
【0048】
この例では、
図3Aに示すように、ユーザによってグラフ表示領域60の第1領域601上の点Bが選択されたとする。そして、座標指定処理部512は、第1領域601上の点Bを指定する。
【0049】
上記したように、グラフ表示領域60の第1領域601にはグラフ表示領域60の縦軸が対応している。そのため、選択受付処理部511は、第1領域601上の点である点Bが指定されたことに基づいて(ステップS103でYES)、グラフ表示領域60の縦軸の選択を受け付ける(ステップS104)。
【0050】
そして、座標算出処理部513は、選択受付処理部511が選択を受け付けた座標軸、及び、座標指定処理部512が指定した座標に基づいて、グラフA上の座標を算出する(ステップS105)。具体的には、座標算出処理部513は、選択受付処理部511によりグラフ表示領域60の縦軸の選択が受け付けられたことに基づいて、座標指定処理部512が指定した点Bと縦軸の値が一致するグラフA上の点Cの座標を算出する。
図3Aでは示されないが、グラフAは一定間隔ごとに表示される点の集合からなるグラフであるため、座標算出処理部513は、スプライン補間や多項式補間などを用いて補間値を算出することで、グラフA上の点Cの座標を算出する。また、このとき、座標算出処理部513は、点Cの位置を丸などの記号によって表示する。
【0051】
また、数値表示処理部517は、グラフ表示領域60において、座標算出処理部513により算出された座標の値を示す座標情報61を表示させる(ステップS106)。具体的には、数値表示処理部517は、選択受付処理部511によりグラフ表示領域60の縦軸の選択が受け付けられたことに基づいて、座標情報61において、少なくともグラフA上の座標の横軸の値を表示させる。この例では、数値表示処理部517は、座標情報61として、座標算出処理部513が算出したグラフA上の点Cの縦軸及び横軸の値を表示させる。
【0052】
そして、補助線表示処理部516は、選択受付処理部511によりグラフ表示領域60の縦軸の選択が受け付けられたことに基づいて、座標算出処理部513により算出された点Cを通る縦軸に平行な補助線62をグラフ表示領域60に表示させる(ステップS107)。
【0053】
一方、ユーザによってグラフ表示領域60の第2領域602上の点Dが選択された場合には、座標指定処理部512は、
図3Bに示すように、第2領域602上の点Dを指定する。
【0054】
上記したように、グラフ表示領域60の第2領域602にはグラフ表示領域60の横軸が対応している。そのため、選択受付処理部511は、第2領域602上の点である点Dが指定されたことに基づいて(ステップS103でNO)、グラフ表示領域60の横軸の選択を受け付ける(ステップS108)。
【0055】
そして、座標算出処理部513は、選択受付処理部511によりグラフ表示領域60の横軸の選択が受け付けられたことに基づいて、座標指定処理部512が指定した点Dと横軸の値が一致するグラフA上の点Eの座標を算出する(ステップS105)。また、このとき、座標算出処理部513は、点Eの位置を丸などの記号によって表示する。
【0056】
また、数値表示処理部517は、グラフ表示領域60において、座標算出処理部513により算出されたグラフA上の点Eの値を示す座標情報63を表示させる(ステップS106)。具体的には、数値表示処理部517は、選択受付処理部511によりグラフ表示領域60の横軸の選択が受け付けられたことに基づいて、座標情報61において、少なくともグラフA上の座標の縦軸の値を表示させる。この例では、数値表示処理部517は、座標情報63として、座標算出処理部513が算出したグラフA上の点Eの縦軸及び横軸の値を表示させる。
【0057】
そして、補助線表示処理部516は、選択受付処理部511によりグラフ表示領域60の横軸の選択が受け付けられたことに基づいて、座標算出処理部513により算出された点Eを通る横軸に平行な補助線64をグラフ表示領域60に表示させる(ステップS107)。
【0058】
このように、ユーザは、
図3Aに示す座標情報61を確認することにより、点Bに対応するグラフA上の点Cの座標の値を認識できる。同様に、
図3Bに示す座標情報63を確認することにより、点Dに対応するグラフA上の点Eの座標の値を認識できる。また、ユーザは、
図3Aに示す補助線62を確認することにより、点Bに対応するグラフA上の点Cの横軸の値を直感的に認識できる。同様に、ユーザは、
図3Bに示す補助線64を確認することにより、点Dに対応するグラフA上の点Eの縦軸の値を直感的に認識できる。
【0059】
5.作用効果
(1)本実施形態では、表示制御装置5において、選択受付処理部511は、グラフ表示領域60における縦軸又は横軸のいずれか一方の選択を受け付ける。座標算出処理部513は、ユーザによって操作部52が操作されて、座標指定処理部512によりグラフ表示領域60上の座標が指定された場合に、選択受付処理部511により縦軸の選択が受け付けられていれば、指定された座標と縦軸の値が一致するグラフA上の座標を算出し、座標指定処理部512により横軸の選択が受け付けられていれば、指定された座標と横軸の値が一致するグラフA上の座標を算出する。
【0060】
このように、表示制御装置5において、座標算出処理部513は、座標指定処理部512により指定された座標と縦軸又は横軸の値が一致するグラフA上の座標を算出する。
そのため、グラフ表示領域60上の任意の座標を指定するだけの簡易な操作で、その座標に縦軸又は横軸の値が一致するグラフA上の座標を算出できる。
【0061】
また、表示制御装置5では、グラフA上の縦軸の値を基準として座標を算出したい場合には、選択受付処理部511によって縦軸の選択を受け付け、座標指定処理部512により指定された座標と縦軸の値が一致するグラフA上の座標を算出することにより、グラフA上の任意の座標を算出できる。また、グラフA上の横軸の値を基準として座標を算出したい場合には、選択受付処理部511によって横軸の選択を受け付け、座標指定処理部512により指定された座標と横軸の値が一致するグラフA上の座標を算出することにより、グラフA上の任意の座標を算出できる。
【0062】
そのため、選択受付処理部511による選択を適宜変更することにより、縦軸又は横軸のうちユーザの所望する軸を選択し、グラフA上の座標を算出できる。
すなわち、簡易な操作でユーザの所望するグラフA上の座標を算出できる。
【0063】
(2)また、本実施形態では、選択受付処理部511によりグラフ表示領域60の縦軸の選択が受け付けられている場合には、
図3Aに示すように、補助線表示処理部516により表示される補助線62によって、グラフA上の座標の横軸の値を示すことができる。また、選択受付処理部511により横軸の選択が受け付けられている場合には、
図3Bに示すように、補助線表示処理部516により表示される補助線64によって、グラフA上の座標の縦軸の値を示すことができる。
【0064】
そのため、選択受付処理部511により縦軸の選択が受け付けられている場合には、補助線62によって、グラフA上の座標の横軸の値を直感的に認識できる。また、選択受付処理部511により横軸の選択が受け付けられている場合には、補助線64によって、グラフA上の座標の縦軸の値を直感的に認識できる。
【0065】
(3)また、本実施形態では、数値表示処理部517は、座標算出処理部513によりグラフA上の座標が算出された場合に、選択受付処理部511によりグラフ表示領域60の縦軸の選択が受け付けられていれば、
図3Aに示す座標情報61において、算出された座標の少なくとも横軸の値を表示させ、選択受付処理部511により横軸の選択が受け付けられていれば、
図3Bに示す座標情報63において、算出された座標の少なくとも縦軸の値を表示させる。
【0066】
そのため、数値表示処理部517により表示される数値(座標情報61,63)を認識することにより、座標算出処理部513により算出されたグラフA上の座標の縦軸及び横軸の少なくとも一方の値を認識できる。
【0067】
(4)また、本実施形態では、選択受付処理部511は、グラフ表示領域60においてグラフAによって2分割された第1領域601内の座標が座標指定処理部512により指定された場合に縦軸の選択を受け付け、グラフ表示領域60においてグラフAによって2分割された第2領域602内の座標が座標指定処理部512により指定された場合に横軸の選択を受け付ける。
そのため、選択受付処理部511によるグラフ表示領域60の縦軸又は横軸の選択を、より簡易な操作で行うことができる。
【0068】
(5)また、本実施形態では、グラフ表示処理部515は、縦軸を粒子量とするグラフAをグラフ表示領域60に表示させる。具体的には、選択受付処理部511は、縦軸を相対粒子量の積算値とし、横軸を粒子径とするグラフAをグラフ表示領域60に表示させる。
【0069】
そのため、選択受付処理部511によって適切な座標軸の選択を受け付けることにより、簡易な操作でグラフA上の相対粒子量の積算値又は粒子径の値を算出できる。
【0070】
(6)また、本実施形態では、表示制御装置5は、粒子径分布測定装置に備えられる。
そのため、試料の粒子径分布を測定し、その測定結果をグラフ表示領域60にグラフとして表示させることができる。そして、簡易な操作でユーザの所望するグラフ上の座標を算出できる。
【0071】
6.変形例
上記した実施形態では、表示制御装置5は、粒子径分布測定装置に備えられるとして説明した。しかし、本発明に係る表示制御装置は、粒子径分布測定装置以外の装置にも適用可能である。
【0072】
また、上記した実施形態では、制御部51は、グラフ表示領域60に表示された粒子量を示すグラフに関する表示制御を行うとして説明した。しかし、制御部51は、上記した表示制御をその他のグラフに関して行うことが可能である。
【0073】
また、上記した実施形態では、制御部51は、グラフ表示領域60に表示されたグラフAに関する表示制御を行うとして説明したが、他のグラフ(曲線グラフ又は折れ線グラフなどの線グラフなど)に関する表示制御を行ってもよい。例えば制御部51は、グラフ表示領域60に表示されたグラフFに関して、上記した表示制御と同様の表示制御を行ってもよい。この場合、
図3A及び
図3Bにおいて二点鎖線に示す曲線グラフ上の座標が算出されてもよい。また、制御部51は、縦軸又は横軸の一方を経過時間とし、他方を一定区間の粒子径における絶対粒子量とするグラフに関して、上記した表示制御と同様の表示制御を行ってもよい。
【0074】
また、上記した実施形態では、数値表示処理部517は、座標算出処理部513が算出したグラフ上の座標の縦軸及横軸の値を表示させるとして説明した。しかし、数値表示処理部517は、選択受付処理部511によりグラフ表示領域60の縦軸の選択が受け付けられた場合には、グラフ上の座標の横軸の値のみを表示させてもよく、選択受付処理部511によりグラフ表示領域60の横軸の選択が受け付けられた場合には、グラフ上の座標の縦軸の値のみを表示させてもよい。
【0075】
また、上記した実施形態では、座標指定処理部512は、ユーザが操作部52を操作して、クリックなどの動作が行われてグラフ表示領域60の所定の点が選択されることに応じて、その点を指定するとして説明した。しかし、座標指定処理部512は、ユーザが操作部52を操作してカーソルが合わされた点を指定してもよい。このようにすれば、ユーザが操作部52を操作してカーソルを移動させるたびに、そのカーソルに対応するグラフ上の座標を自動的に算出して表示させることができる。
【0076】
また、上記した実施形態では、グラフ表示領域60において指定された座標の領域に基づいて、グラフ表示領域60の縦軸又は横軸の選択が受け付けられるとして説明した。しかし、例えば、表示部53において、縦軸を選択するためのボタン、及び、横軸を選択するためのボタンが表示され、これらのボタンが選択されたことに応じて、グラフ表示領域60の縦軸又は横軸の選択が受け付けられてもよい。この場合において、縦軸の選択が受け付けられた場合には、ユーザの操作部52の操作によって移動可能な横軸に平行なカーソル線を表示させ、このカーソル線とグラフとの交点の座標を算出してもよい。また、横軸の選択が受け付けられた場合には、ユーザの操作部52の操作によって移動可能な縦軸に平行なカーソル線を表示させ、このカーソル線とグラフとの交点の座標を算出してもよい。この場合、これらのカーソル線をマウスによるドラッグ操作などにより任意に移動させるようにすることができる。カーソル線を移動するための操作は、ドラッグ操作に限られず、矢印キーなどを移動操作に割り当ててもよい。