(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
底面が四角形状をした製品を水平搬送して上昇開始位置へ配置する搬送機構と、前記上昇開始位置に配置された製品を上昇させるエレベータ機構と、前記上昇開始位置から上昇してきた製品に対して当該上昇過程で包装材を巻き付けるとともに、当該巻き付けた包装材を前記製品に胴巻きして外包み包装する胴巻き・包装機構と、を備えた包装装置において、
前記エレベータ機構を、次の(イ)乃至(ト)の要件を備えた昇降装置で構成したことを特徴とする包装装置。
(イ) 前記製品の底面における四隅をそれぞれ支持するための第1A、第1B、第2A及び第2Bの各載置部と、これら各載置部の相互間隔を製品の底面寸法に合わせて調整する載置部間隔調整手段と、を備える。
(ロ) 前記製品の底面における一方の側縁部を載置する第1の載置面を有し、当該第1の載置面の両端部が前記第1A及び第1Bの載置部を形成する第1の載置ユニットと、
前記製品の底面における他方の側縁部を載置する第2の載置面を有し、当該第2の載置面の両端部が前記第2A及び第2Bの載置部を形成する第2の載置ユニットと、を備え、
前記第1の載置ユニットは、前記載置部間隔調整手段により駆動され、水平面上の一軸方向へ前記第1の載置面を伸縮して、前記第1Aの載置部と前記第1Bの載置部との間隔を可変でき、
前記第2の載置ユニットは、前記載置部間隔調整手段により駆動され、前記第1の載置ユニットと同じ水平面上の一軸方向へ前記第2の載置面を伸縮して、前記第2Aの載置部と前記第2Bの載置部との間隔を可変できる。
(ハ) 前記第1の載置ユニットは、前記第1Aの載置部を支持する第1Aの支持部材と、前記第1Bの載置部を支持する第1Bの支持部材と、前記第1A及び第1Bの支持部材の間に懸架されて、前記第1の載置面を形成する帯状をした第1の載置用ベルトと、前記第1の載置用ベルトを自在に巻き取り又は引き出し可能な第1のベルト収納部と、を備え、前記第1A及び第1Bの支持部材が、前記水平面上の一軸方向へ相対移動自在であり、これら各支持部材の相対移動に伴い、前記第1の載置用ベルトが前記第1のベルト収納部へ巻き取られ又は当該第1のベルト収納部から引き出されて、前記第1の載置面が伸縮する構成となっており、前記載置部間隔調整手段は、前記第1A及び第1Bの支持部材の一方又は双方を駆動して、各支持部材を相対移動させる。
(ニ) 前記第1の載置用ベルトは、前記第1の載置面が上向きに膨出した円弧状の湾曲横断面となるように、横断面が円弧状に湾曲形成してある。
(ホ) 前記第2の載置ユニットは、前記第2Aの載置部を支持する第2Aの支持部材と、前記第2Bの載置部を支持する第2Bの支持部材と、前記第2A及び第2Bの支持部材の間に懸架されて、前記第2の載置面を形成する帯状をした第2の載置用ベルトと、前記第2の載置用ベルトを自在に巻き取り又は引き出し可能な第2のベルト収納部と、を備え、前記第2A及び第2Bの支持部材が、前記水平面上の一軸方向へ相対移動自在であり、これら各支持部材の相対移動に伴い、前記第2の載置用ベルトが前記第2のベルト収納部へ巻き取られ又は当該第2のベルト収納部から引き出されて、前記第2の載置面が伸縮する構成となっており、前記載置部間隔調整手段は、前記第2A及び第2Bの支持部材の一方又は双方を駆動して、各支持部材を相対移動させる。
(ヘ) 前記第2の載置用ベルトは、前記第2の載置面が上向きに膨出した円弧状の湾曲横断面となるように、横断面が円弧状に湾曲形成してある。
(ト) 第1及び第2の載置ユニットは、前記水平面上の一軸方向と直交する他の一軸方向へ相対移動して、前記第1A及び第1Bの載置部と前記第2A及び第2Bの載置部との間隔を可変できる構成となっており、
前記載置部間隔調整手段は、前記第1及び第2の載置ユニットの一方又は双方を駆動して、各載置ユニットを相対移動させる。
【背景技術】
【0002】
昇降装置が組み込まれた包装装置としては、例えば、特許文献1に開示されたものがある。
同文献1のエレベータ装置(132)が本発明の昇降装置に対応しており、そのエレベータ装置(132)は同文献1の
図9に示されるように、昇降台(134)を構成するアングルプレート(138)の水平な台部分に1個の物品(製品)を載置して持ち上げる機能を有している。
物品のサイズ変更に際しては、同文献1の
図4に示されるように、フィルムシート(包装紙)を搬送する一対のサクションベルト28、28の幅間隔が、物品の幅に合わせて調整される。また、同文献1には明記されていないが、同文献1の
図12に示された前後一対のラッチホルダ(172、174)の間隔も、物品の幅に合わせて調整される。
さらに、物品のサイズ変更に際しては、サクションベルト(28、28)及びラッチホルダ(172、174)の間隔調整に対応して、昇降台(134)におけるアングルプレート(138)の水平な台部分(物品が載置される部分)についても幅寸法と前後の長さ寸法を変更する必要がある。
そこで、同文献1には明記されていないが、従来は物品のサイズ変更を実施する毎に、物品のサイズに合わせて昇降台(134)を交換していた。このような交換を前提として、昇降台(134)は昇降スライダ146の上端部にある接続部148に対して取り外し可能に連結されていた(同文献1の明細書段落「0047」参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように特許文献1に開示されたエレベータ装置は、包装対象となる物品(製品)のサイズ変更を実施する毎に、物品のサイズに合わせて昇降台を交換する煩雑な作業が必要となり、しかも包装対象となる物品のサイズ毎にそのサイズに対応した昇降台を用意しておかなければならない。よって、用意された複数の昇降台を保管するスペースの確保と、物品のサイズ交換に際して煩雑な作業を強いられる課題を有していた。
【0005】
そこで、本発明は、製品の寸法に合わせて製品の載置部を移動可能として、容易に製品のサイズ交換に対応することのできる昇降装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、底面が四角形状をした製品を載置して上昇又は下降する昇降装置であって、
製品の底面における四隅をそれぞれ支持するための第1A、第1B、第2A及び第2Bの各載置部と、これら各載置部の相互間隔を製品の底面寸法に合わせて調整する載置部間隔調整手段と、を備えた構成としてある。
【0007】
これにより、製品のサイズが変更されても、第1A、第1B、第2A及び第2Bの各載置部をそれぞれ製品の四隅へ容易に合わせることができる。
なお、本発明の昇降装置において、第1A、第1B、第2A及び第2Bの各載置部は、製品を載置するための仮想載置面の角部を規定するもので、これら各載置部よりも外側に延出又は配置される載置部や載置面は無い。すなわち製品の底面から突き出した載置部や載置面は存在しない。
【0008】
本発明は、製品の底面を載置する第1の載置面を有し、当該第1の載置面の両端部が第1A及び第1Bの載置部を形成する第1の載置ユニットと、
製品の底面を載置する第2の載置面を有し、当該第2の載置面の両端部が第2A及び第2Bの載置部を形成する第2の載置ユニットと、を備え、
第1の載置ユニットは、水平面上の一軸方向へ第1の載置面を伸縮して、第1Aの載置部と第1Bの載置部との間隔を可変でき、
第2の載置ユニットは、第1の載置ユニットと同じ水平面上の一軸方向へ第2の載置面を伸縮して、第2Aの載置部と第2Bの載置部との間隔を可変できる構成とすることもできる。
【0009】
ここで、第1の載置ユニットは、
第1Aの載置部を支持する第1Aの支持部材と、
第1Bの載置部を支持する第1Bの支持部材と、
第1A及び第1Bの支持部材の間に懸架されて、第1の載置面を形成する帯状をした第1の載置用ベルトと、
第1の載置用ベルトを自在に巻き取り又は引き出し可能な第1のベルト収納部と、を備え、
第1A及び第1Bの支持部材が、水平面上の一軸方向へ相対移動自在であり、これら各支持部材の相対移動に伴い、第1の載置用ベルトがベルト収納部へ巻き取られ又は当該ベルト収納部から引き出されて、第1の載置面が伸縮する構成とすることができる。 このとき、載置部間隔調整手段は、第1A及び第1Bの支持部材の一方又は双方を駆動して、各支持部材を相対移動させる。
【0010】
同様に、第2の載置ユニットは、
第2Aの載置部を支持する第2Aの支持部材と、
第2Bの載置部を支持する第2Bの支持部材と、
第2A及び第2Bの支持部材の間に懸架されて、第2の載置面を形成する帯状をした第2の載置用ベルトと、
第2の載置用ベルトを自在に巻き取り又は引き出し可能な第2のベルト収納部と、を備え、
第2A及び第2Bの支持部材が、水平面上の一軸方向へ相対移動自在であり、これら各支持部材の相対移動に伴い、第2の載置用ベルトがベルト収納部へ巻き取られ又は当該ベルト収納部から引き出されて、第2の載置面が伸縮する構成とすることができる。
このとき、載置部間隔調整手段は、第2A及び第2Bの支持部材の一方又は双方を駆動して、各支持部材を相対移動させる。
【0011】
また、第1の載置用ベルトは、第1の載置面が上向きに膨出した円弧状の湾曲横断面となるように、横断面を円弧状に湾曲形成することが好ましい。
同様に、第2の載置用ベルトは、第2の載置面が上向きに膨出した円弧状の湾曲横断面となるように、横断面を円弧状に湾曲形成することが好ましい。
このように各載置面が上向きに膨出した円弧状の湾曲横断面とすることで、その上に載置される製品の重量に対して、載置用ベルトの強度が増して座屈しにくくなる。
【0012】
さらに、第1及び第2の載置ユニットは、水平面上の一軸方向と直交する他の一軸方向へ相対移動して、第1A及び第1Bの載置部と第2A及び第2Bの載置部との間隔を可変できる構成とすることができる。
このとき、載置部間隔調整手段は、第1及び第2の載置ユニットの一方又は双方を駆動して、各載置ユニットを相対移動させる。
【0013】
また、第1及び第2の載置ユニットは、仮想の基準線を中心として対称に配置し、各々当該基準線に対して対称に接近又は離間して相互の間隔を調整できる構成とすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、本発明は、製品の寸法に合わせて製品の載置部を移動可能として、容易に製品のサイズ交換に対応することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に本発明の実施形態を説明する。
<包装装置>
図1に示すように、本発明の実施形態に係る包装装置は、包装材供給トレイ101、包装材引出し機構102、包装材搬送機構103、包装材供給位置104、製品供給部105、製品搬送機構106、エレベータ機構107、胴巻き・包装機構108、包装製品ストック部109の各機構と各部を備えており、
図2に示すような流れで各工程を実施して、製品Wの外表面を包装材Sで包装する機能を有している。
【0017】
包装材Sは、矩形状に裁断された薄厚の紙・フィルムなどからなり、包装材供給トレイ101に多数枚が積層してストックされている。
包装材引出し機構102は、包装材供給トレイ101にストックされた包装材Sを、上から一枚ずつ引き出して、包装材搬送機構103へと受け渡す。
包装材搬送機構103は、包装材供給トレイ101から引き出された包装材Sを、あらかじめ設定してある包装材供給位置104まで搬送して、同位置に水平配置する。
【0018】
一方、製品Wは、製品供給部105から供給される。ここで、本発明は底面が四角形状をした製品Wを対象としており、本実施形態では特に直方体形状(箱形形状ともいう)の製品Wを包装材Sで包装する構成としている。
【0019】
製品搬送機構106は、製品供給部105から供給された製品Wを水平面上で搬送して、あらかじめ設定してある上昇開始位置110へと配置する。そして、上昇開始位置110に配置された製品Wは、エレベータ機構107によって持ち上げられる。
【0020】
図3(a)(b)は、包装材供給位置を上から見た平面図である。包装材Sは一対のサクションベルト103a,103bにより両側端を吸着保持さた状態で包装材供給位置104に配置される。同位置104のすぐ上方には前後一対のラッチホルダ108a,108bが設けてある。
図1に示した胴巻き・包装機構108は、上昇開始位置110から上昇してきた製品Wに対して、包装材供給位置104に配置された包装材Sを巻き付け、上昇端で製品の底部の縁をラッチホルダ108a,108bで保持する。
【0021】
ここで、一対のサクションベルト103a,103bの幅間隔は、製品Wの幅寸法に合わせて調整してあり、またラッチホルダ108a,108bの間隔も、製品Wの長さ寸法に合わせて調整してある。例えば、
図3(a)は大形の製品Wに対するサクションベルト103a,103bとラッチホルダ108a,108bを示しており、、
図3(b)は小形の製品Wに対するサクションベルト103a,103bとラッチホルダ108a,108bを示している。
【0022】
エレベータ機構107は、これらサクションベルト103a,103bとラッチホルダ108a,108bの内側を通過して、ラッチホルダ108a,108bの上位置まで製品Wを持ち上げ、ラッチホルダ108a,108bに製品Wを受け渡した後に下降する。
【0023】
続いて、胴巻き・包装機構108は、ラッチホルダ108a,108bに保持された製品Wに対して、上昇過程で巻き付けた包装材Sを胴巻きし、さらに製品Wの両側端から延出したフラップと称する包装材Sの一部分を製品Wの両端面側に折り込んで、外包み包装を形成する。
【0024】
このようにして外包み包装された製品Wは、胴巻き・包装機構108によって水平搬送され、さらに同機構の終端に設けた排出エレベータ111によって包装製品ストック部109へと持ち上げられて、同ストック部109へ一時的に貯留される。なお、最終的なフラップの折り込みと折り込まれたフラップへのテープの貼り付けは、包装製品ストック部109へ製品Wを持ち上げる過程で行われる。
上述した構成の包装装置において、製品Wを持ち上げるエレベータ機構107に、以下に示す昇降装置を適用している。
【0025】
<昇降装置>
次に、本発明の実施形態に係る昇降装置について、
図4〜
図10を主に参照して説明する。
昇降装置は、大きな寸法の大形製品から小さな寸法の小形製品まで各種寸法の製品Wに対応する構成となっている。そして、
図4〜
図6は大形製品に合わせて構成部位を調整した状態を示しており、一方、
図7〜
図9は小形製品に合わせて構成部位を調整した状態を示している。
【0026】
本実施形態に係る昇降装置は、第1の載置ユニット10と第2の載置ユニット20とを備えている。そして、第1の載置ユニット10は、第1基台11と、第1A支持部材12と、第1B支持部材13と、第1載置用ベルト14とを構成要素に含んでいる。同様に、第2の載置ユニット20は、第2基台21と、第2A支持部材22と、第2B支持部材23と、第2載置用ベルト24とを構成要素に含んでいる。これら第1の載置ユニット10と第2の載置ユニット20は、ほぼ同じ構成である。
【0027】
第1の載置ユニット10の構成要素である第1基台11は、装置の前後方向(
図1の左右方向)に延びる長尺な形状であり、その一端部(本実施形態では前端部)に第1A支持部材12が固定されている。また、第1B支持部材13は、第1基台11の上面に搭載され、第1基台11の上面に形成した前後方向案内レール11aに沿って前後方向に移動自在となっている。
【0028】
さらに、第1基台11には、第1A支持部材12の近傍位置に、第1載置用ベルト14を巻き取り又は引き出し自在な第1ベルト収納部15が固定してある。そして、第1載置用ベルト14の先端は、第1ベルト収納部15から引き出され、第1A支持部材12の側面から上面に導かれ、同支持部材12の上面から第1B支持部材13の上面へと懸架されて、第1B支持部材13の側面に固定されている。
【0029】
同様に、第2の載置ユニット20の構成要素である第2基台21は、装置の前後方向(
図1の左右方向)に延びる長尺な形状であり、その一端部(本実施形態では前端部)に第2A支持部材22が固定されている。また、第2B支持部材23は、第2基台21の上面に搭載され、第2基台21の上面に形成した前後方向案内レール21aに沿って前後方向に移動自在となっている。
さらに、第2基台21には、第2A支持部材22の近傍位置に、第2載置用ベルト24を巻き取り又は引き出し自在な第2ベルト収納部25が固定してある。そして、第2載置用ベルト24の先端は、第2ベルト収納部25から引き出され、第2A支持部材22の側面から上面に導かれ、同支持部材22の上面から第2B支持部材23の上面へと懸架されて、第2B支持部材23の側面に固定されている。
【0030】
ここで、第1載置用ベルト14は、第1A支持部材12の上面から第1B支持部材13の上面までの上面領域が、製品Wを載置するための第1載置面14aを形成している。同様に、第2載置用ベルト24は、第2A支持部材22の上面から第2B支持部材23の上面までの上面領域が、製品Wを載置するための第2載置面24aを形成している。
【0031】
本実施形態では、あらかじめ巻ぐせを付与した定荷重板ばねによって第1及び第2の載置用ベルト14,24を形成し、第1及び第2のベルト収納部15,25の内部にそれぞれ巻き取った状態を初期状態として、各ベルト収納部15,25から引き出した状態では、各ベルト収納部15,25内へ戻ろうとするテンションが各載置用ベルト14,24に作用する構成としてある。よって、各載置用ベルト14,24で形成される製品Wの載置面14a,24aに対して、一定のテンションが常時作用して弛みの発生が防止されている。
【0032】
また、第1及び第2の載置用ベルト14,24は、
図10に示すように、それぞれ載置面14a,24aが上向きに膨出した円弧状の湾曲横断面となるように、横断面を円弧状に湾曲形成してある。
このように載置面14a,24aが上向きに膨出した円弧状の湾曲横断面とすることで、その上に載置される製品Wの重量に対して、各載置用ベルト14,24の強度が増して座屈しにくくなる。
【0033】
上述した第1の載置ユニット10における第1基台11と、第2の載置ユニット20における第2基台21は、装置の幅方向に並べて配置してあり、各基台11,20は前端部をそれぞれ幅方向の対向位置(すなわち、装置における前後方向の同じ位置)に配置してあり、同位置から後方へ平行に延びている。各基台11,20の前端部に固定された第1A支持部材12と第2A支持部材22も、それぞれ幅方向の対向位置(すなわち、装置における前後方向の同じ位置)に配置される。
【0034】
そして、既述したとおり、第1基台11の前端部に第1A支持部材12が固定されるとともに、その後方の任意位置に第1B支持部材13が配置され、それら各支持部材12,13の上面間に懸架された第1載置用ベルト14が第1載置面14aを形成する。同様に、第2基台21の前端部に第2A支持部材22が固定されるとともに、その後方の任意位置に第2B支持部材23が配置され、それら各支持部材22,23の上面間に懸架された第2載置用ベルト24が第2載置面24aを形成する。
したがって、第1載置用ベルト14により形成された第1載置面14aと、第2載置用ベルト24により形成された第2載置面24aは、それぞれ装置の幅方向に並べて配置され、かつ装置の幅方向に対向する位置(すなわち、装置における前後方向の同じ位置)から後方へ平行に延在することになる。
【0035】
既述したとおり、第1B支持部材13は、第1基台11の上面に形成した前後方向案内レール11aに沿って前後方向に移動自在となっている。同様に、第2B支持部材23は、第2基台21の上面に形成した前後方向案内レール21aに沿って前後方向に移動自在となっている。本実施形態では、図示しない駆動モータからの駆動力をもって、第1B及び第2Bの各支持部材13,23を前後方向に移動させる前後方向駆動機構(図示せず)が装置に組み込んであり、駆動モータの回転角度を制御することによって、前後方向駆動機構を介して各支持部材13,23の前後方向位置を任意に調整できるようにしてある。ここで、第1B支持部材13と第2B支持部材23は、装置の幅方向に対向する位置(すなわち、装置における前後方向の同じ位置)を保って移動調整される構成としてある。
【0036】
また、
図6に示すように、本実施形態に係る昇降装置は、幅方向の対向位置に一対の昇降用基枠31,32(
図4,
図7では省略)を備えており、これら各昇降用基枠31,32の間に、2本の幅方向案内軸41,42が懸架されている。そして、軸受43を介して第1基台11と第2基台21の各後部が一方の幅方向案内軸41に支持されており、同様に軸受(図示せず)を介して第1A支持部材12と第2A支持部材22が他方の幅方向案内軸42に支持されている。
この構成により、上述した第1の載置ユニット10と第2の載置ユニット20は、各幅方向案内軸41,42に沿って幅方向に移動自在に支持されている。ここで、第1の載置ユニット10と第2の載置ユニット20は、各ユニットの幅方向中央部に設定した仮想の基準線Oを中心として対称に配置してある。
【0037】
さらに、装置には、図示しない駆動モータからの駆動力をもって第1及び第2の各載置ユニット10,20を幅方向へ移動させる幅方向駆動機構(図示せず)が組み込んであり、駆動モータの回転角度を制御することによって、幅方向駆動機構を介して各載置ユニット10,20の幅方向間隔を任意に調整できるようにしてある。ここで、図示しない幅方向駆動機構は、第1及び第2の各載置ユニット10,20を基準線Oに対して対称に接近又は離間させる構成としてある。
【0038】
また、
図5等に示すように、本実施形態に係る昇降装置は、幅方向の両側にそれぞれ装置本体の一部を構成するサイドフレーム51,52が設けてあり、これらサイドフレーム51,52に各々上下方向に延在する昇降用案内レール53,54が固定してある。そして、上述した昇降用基枠31,32が、図示しないスライダを介してそれぞれ対向する昇降用案内レール53,54に支持され、これら昇降用基枠31,32と一体となって第1及び第2の各載置ユニット10,20が、昇降用案内レール53,54に沿って上下に昇降自在となっている。
ここで、第1及び第2の各載置ユニット10,20の上下方向への駆動は、駆動モータ55からの駆動力をもって駆動する昇降機構(図示せず)により実行される。
【0039】
また、第1B及び第2B支持部材13,23のすぐ後方位置には、それぞれ上下方向に延在する支柱で構成された昇降ガイド16,26が設けてあり、第1B及び第2B支持部材13,23に装着した案内ローラ17,27が昇降ガイド16,26に係合している。これらの昇降ガイド16,26は、第1B及び第2B支持部材13,23の昇降動作に際して、それら各支持部材13,23のがたつきを抑制する機能を有している。
なお、各昇降ガイド16,26は、第1B及び第2Bの各支持部材13,23と一体に前後方向へ移動する。
【0040】
上述した構成の昇降装置において、第1A、第1B、第2A及び第2Bの各支持部材12,13,22,23は、同一平面上に上面が配置されるように高さ位置が設定してある。そして、昇降動作の下降端(上昇開始位置110)において、包装装置の製品搬送機構106により水平搬送されてきた製品Wが、これら各支持部材12,13,22,23の上面に懸架された各載置用ベルト14,24の上に載置される。
このとき、四角形状をした製品Wの底面における四隅を、第1及び第2載置用ベルト14,24における第1及び第2載置面14a,24aの両端部が支持する。すなわち、これら各載置用ベルト14,24における各載置面14a,24aの両端部は、製品Wの底面における四隅をそれぞれ支持するための第1A、第1B、第2A及び第2Bの各載置部12a,13a,22a,23aを形成している。
【0041】
なお、上述した各昇降ガイド16,26は、搬送されてきた製品Wが当接して、各載置部12a,13a,22a,23aに製品Wの四隅を位置決めする製品ストッパの機能を有している。
【0042】
また、上述した前後方向駆動機構及び幅方向駆動機構と、これらの機構に駆動力を付与する各駆動モータ(いずれも図示せず)は、第1A、第1B、第2A及び第2Bの各載置部12a,13a,22a,23aの相互間隔を、製品Wの底面寸法に合わせて調整する載置部間隔調整手段を構成している。
【0043】
すなわち、大きな寸法の大形製品Wから小さな寸法の小形製品Wへ供給対象がサイズ変更されたときは、図示しない駆動モータからの駆動力を受けて幅方向駆動機構が作動し、第1及び第2の各載置ユニット10,20を基準線Oを中心に幅方向に移動して接近させていく。
また、駆動モータからの駆動力を受けて前後方向駆動機構が作動し、第1B支持部材13及び第2B支持部材23を前方に移動して、それぞれ第1A支持部材12及び第2A支持部材22へと接近させていく。このとき、第1載置用ベルト14は、第1ベルト収納部15に一定のテンションをもって巻き取られ、第1A支持部材12の上面と第1B支持部材13の上面の間に弛みなく懸架された状態を保持する。同様に、第2載置用ベルト24は、第2ベルト収納部25に一定のテンションをもって巻き取られ、第2A支持部材22の上面と第2B支持部材23の上面の間に弛みなく懸架された状態を保持する。
【0044】
この動作によって、
図4〜
図6の状態から
図7〜
図9の状態へ変更して、小さな寸法をした小形製品Wの底面における四隅を、第1A、第1B、第2A及び第2Bの各載置部12a,13a,22a,23aが支持するように調整される。
【0045】
同様にして、小さな寸法の小形製品Wから大きな寸法の大形製品Wへ供給対象がサイズ変更されたときは、駆動モータからの駆動力を受けて幅方向駆動機構が作動し、第1及び第2の各載置ユニット10,20を基準線Oを中心に幅方向に移動して離間させていく。
また、駆動モータからの駆動力を受けて前後方向駆動機構が作動し、第1B支持部材13及び第2B支持部材23を後方に移動して、それぞれ第1A支持部材12及び第2A支持部材22から離間させていく。このとき、第1載置用ベルト14は、第1ベルト収納部15から一定のテンションが作用する状態で引き出され、第1A支持部材12の上面と第1B支持部材13の上面の間に弛みなく懸架された状態を保持する。同様に、第2載置用ベルト24は、第2ベルト収納部25から一定のテンションが作用する状態で引き出され、第2A支持部材22の上面と第2B支持部材23の上面の間に弛みなく懸架された状態を保持する。
【0046】
この動作によって、
図7〜
図9の状態から
図4〜
図6の状態へ変更して、大きな寸法をした大形製品Wの底面における四隅を、第1A、第1B、第2A及び第2Bの各載置部12a,13a,22a,23aが支持するように調整される。
【0047】
このように、容易に製品Wの寸法形状に合わせて第1A、第1B、第2A及び第2Bの各支持部材12,13,22,23の相対位置を移動調整することで、製品Wの底面おける四隅に、第1A、第1B、第2A及び第2Bの各載置部12a,13a,22a,23aを容易に配置することができる。したがって、製品Wのサイズ変更に際して、製品Wを載置する部材の交換作業は必要なく、また製品Wの寸法形状に合わせて載置用の部材を複数取り揃えておく必要もない。
【0048】
以上、本発明の実施形態を説明してきたが、本発明はこの他にも種々の構成をもって具現化することができる。
【0049】
また、上述した実施形態では、第1A及び第2A支持部材12,22は移動しない構成としたが、製品を配置する基準位置を前後方向の中央位置に設定する場合は、これら第1A及び第2A支持部材12,22と、第1B及び第2B支持部材13,23とが、基準位置を中心として前後方向へ対称に移動する構成としてもよい。
【0050】
一方、上述した実施形態では、
図6に示した基準線Oを中心として、第1及び第2の載置ユニット10,20を幅方向へ対称に移動する構成としたが、製品Wを配置する基準位置を幅方向の一方に寄せて設定する場合は、第1及び第2の載置ユニット10,20のうち一方を基準位置に合わせて固定し、他方のみを幅方向に移動させる構成としてもよい。
【0051】
さらに、第1A及び第2A支持部材12,22と第1B及び第2B支持部材13,23とを、装置の幅方向に相対移動する構成とし、また第1及び第2の載置ユニット10,20を装置の前後方向に相対移動する構成とすることもできる。
【符号の説明】
【0052】
W:製品、S:包装材、
101:包装材供給トレイ、102:包装材引出し機構、103:包装材搬送機構、103a,103b:サクションベルト、104:包装材供給位置、105:製品供給部、106:製品搬送機構、107:エレベータ機構、108:胴巻き・包装機構、108a,
108b:ラッチホルダ、109:包装製品ストック部、110:上昇開始位置、111:排出エレベータ、
10:第1の載置ユニット、11:第1基台、11a:前後方向案内レール、12:第1A支持部材、12a:第1A載置部、13:第1B支持部材、13a:第1B載置部、14:第1載置用ベルト、14a:第1載置面、15:第1ベルト収納部、16:昇降ガイド、17:案内ローラ、
20:第2の載置ユニット、21:第2基台、21a:前後方向案内レール、22:第2A支持部材、22a:第2A載置部、23:第2B支持部材、23a:第2B載置部、24:第2載置用ベルト、24a:第2載置面、25:第2ベルト収納部、26:昇降ガイド、27:案内ローラ、
31,32:昇降用基枠、41,42:幅方向案内軸、43:軸受、51,52:サイドフレーム、53,54:昇降用案内レール、55:駆動モータ