(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記画像解析部は、前記撮影画像内の物体が含まれる領域を検出し、予め記憶されている情報に基づいて、検出した領域に水棲動物が含まれるか否かを判定する、請求項1に記載の水棲動物養殖支援システム。
前記水棲動物情報は、前記養殖池中の水棲動物の個体数に関する情報、水棲動物の重量に関する情報、水棲動物の大きさに関する情報、水棲動物の腸の色及び大きさの少なくとも一方に関する情報、水棲動物の飼料の消化率に関する情報、及び水棲動物の異常に関する情報の少なくとも1つを含む、請求項1又は2に記載の水棲動物養殖支援システム。
前記撮影画像取得部は、前記昇降装置により前記採取器が前記養殖池から上げられたタイミングに対応するタイミングで撮影された撮影画像を取得する、請求項4に記載の水棲動物養殖支援システム。
前記水棲動物情報取得部は、前記環境センサにより取得された環境計測値に基づいて求めた前記養殖池中の水棲動物の生物量に関する前記水棲動物情報を取得する、請求項10に記載の水棲動物養殖支援システム。
前記水棲動物情報取得部は、前記養殖池に供給された飼料の量と、前記画像解析部の解析結果とに基づいて、前記水棲動物情報を取得する、請求項1から16のいずれかに記載の水棲動物養殖支援システム。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下、水棲動物養殖支援システム等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0053】
なお、以下の説明において用いる用語は、次のように定義される。なお、これらの用語の語義は、これに限定されるものではなく、以下の説明において示されるものも含む。
【0054】
水棲動物とは、例えば、甲殻類、貝類、魚類など、水中に生息する動物をいう。エビとは、いわゆる甲殻類のうち、エビ目のクルマエビ亜目に属するものをいうが、これに限られるものではない。以下の実施の形態は、例えば、バナメイエビ等の養殖において用いられるエビ養殖支援システムに関するものであるが、養殖の対象となるエビはこれに限られない。また、他の水棲動物を養殖対象としてもよい。
【0055】
養殖池とは、水棲動物の養殖を行うための水(淡水、海水、汽水を問わない)が張られている領域をいう。養殖池の環境は、養殖対象となる水棲動物の種類等によって異なる環境であってもよい。養殖池は、人工的に作成されたものであってもよいし、天然に形成されているものであってもよい。養殖池は、屋外、屋内を問わず、養殖用の大きな水槽に水が張られたものであってもよい。水がある領域の一部を区切ることにより構成された一区画を養殖池と呼んでもよい。
【0056】
採取器とは、水棲動物の養殖時において、養殖池中の水棲動物等をサンプリングする際に用いられる器具である。採取器として、例えば、ざるを用いることができる。ざるは、網状部又は多孔部を有するものであって、水中から引き上げたときに液体を通過させて固形物を内部に残すように構成されていればよい。ここで、網状部が布地により構成されているものであってもよい。すなわち、以下の実施の形態において、ざるとして、養殖池中からエビ等の養殖対象の水棲動物やその他の固形物をすくって取り出せるように構成されているものを広く用いることができる。また、採取器として、液体をほとんど透過させない部材で構成されているバケツ等の容器を用いてもよい。
【0057】
撮影画像とは、例えば、カメラにより撮影された静止画又は動画像であるが、これに限られない。例えば、カメラにより撮影された動画像から抽出された静止画などであってもよい。
【0058】
エビ等の水棲動物の成長に関する参照値とは、例えば、エビについて、DOC(Day of Culture;養殖池に稚エビを入れてからの成育日数)と標準的なABW(Average Body Weight;エビの平均体重)とを対応付けた値をいう。参照値は、テーブルにまとめられていてもよいし、例えば数式などによって表される成長曲線であってもよい。
【0059】
成育日数情報とは、例えば、DOCや、ふ化後に経過した日数などである。
【0060】
成育環境に関する情報とは、例えば、環境センサによって得られた情報や、天気に関する情報(具体的には、例えば、気温、風速、天候、降水量、日射量など)である。
【0061】
養殖池の環境とは、例えば、水温や、酸素、アンモニア、硝酸塩、亜硝酸塩、二酸化炭素の濃度や、その他の水質に関する事項などを含む概念であるが、これに限られるものではない。
【0062】
情報の取得とは、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力デバイスから入力された情報の受け付け、他の装置等から有線もしくは無線の通信回線を介して送信された情報の受信、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなどの記録媒体から読み出された情報の受け付けなどにより情報を得ることを含む概念である。
【0063】
情報を出力するとは、ディスプレイへの表示、プロジェクタを用いた投影、プリンタでの印字、音出力、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念である。具体的には、例えば、情報のウェブページへの表示を可能とすることや、電子メール等として送信することや、印刷するための情報を出力することなどを含む。
【0065】
本実施の形態において、水棲動物養殖支援システムは、水棲動物の養殖池から上げられた採取器をカメラで撮影することにより得られた撮影画像を画像解析し、撮影画像の画像解析結果に基づいて養殖池中の水棲動物に関する水棲動物情報を取得する。水棲動物情報は、例えば、水棲動物の生物量に関する情報、水棲動物の異常に関する情報、又は水棲動物の食欲に関する情報(例えば、飼料を消費する速さや、給餌量の過不足に関する情報など)等を含んでいるものである。例えば、水棲動物養殖支援システムは、エビの養殖に用いられるエビ養殖支援システムである。エビ養殖支援システム1は、エビの養殖池から上げられたざる20をカメラ30で撮影することにより得られた撮影画像を画像解析し、撮影画像の画像解析結果に基づいて、水棲動物情報として、養殖池中のエビに関するエビ情報を取得する。エビ情報は、例えば、エビの生物量に関する情報(例えば、エビの生物量、エビの個体数に関する情報、エビの重量に関する情報、エビの大きさに関する情報など)、エビの異常に関する情報、又はエビの食欲に関する情報(例えば、飼料を消費する速さや、給餌量の過不足に関する情報や、エビの腸の色及び大きさの少なくとも一方に関する情報、飼料(餌)の消化率に関する情報など)等を含んでいるものである。
【0066】
なお、例えば、以下のようにしてもよい。すなわち、エビ情報の取得に際しては、画像解析結果のほか、種々の情報を用いることができる。また、本実施の形態において、エビ養殖支援システム1は、ざる20を下げて養殖池に漬けた後に当該ざる20を養殖池から上げる昇降装置40を有していてもよい。この場合、例えば、ざる20が養殖池から上げられたタイミングに対応するタイミングで撮影された撮影画像の画像解析を行うようにしてもよい。また、本実施の形態において、エビ養殖支援システム1は、養殖池に飼料を供給する給餌装置を有していてもよい。この場合、例えば、飼料の供給タイミングと撮影画像の撮影タイミングとに基づいてエビ情報を取得したり、取得されたエビ情報に基づいて給餌装置が飼料の供給に関する条件を設定したりしてもよい。
【0067】
本実施の形態において、情報処理装置100を含むエビ養殖支援システム1について説明する。
【0068】
図1は、本発明の実施の形態1におけるエビ養殖支援システム1の概要図である。
【0069】
なお、以下の図において、符号Sは養殖されているエビを、符号FFは供給される飼料を、符号FRは残餌(供給されたが、エビに食べられずに水中に残っている飼料)を、それぞれ模式的に示している。
【0070】
図1に示されるように、本実施の形態において、エビ養殖支援システム1は、リモート側(いわゆるASP側)の情報処理装置100及び利用者端末装置910と、ローカル側(エビ養殖場側)の各装置とを備えている。ローカル側には、例えば、ざる20、カメラ30、昇降装置40、給餌装置60、エアレーション装置70、環境センサ81、及び重量センサ83などが設けられている。情報処理装置100と、利用者端末装置910と、ローカル側の昇降装置40等とは、例えばインターネットなどのネットワークを介して互いに通信可能である。
【0071】
なお、本実施の形態において、昇降装置40と、給餌装置60と、エアレーション装置70とは、それぞれがインターネットなどのネットワークに接続されているが、これに限られるものではない。例えば、昇降装置40のみがネットワークに接続されており、給餌装置60及びエアレーション装置70は昇降装置40に接続されていてもよい。また、ローカル側にサーバ装置が設けられており、そのサーバ装置に他のローカル側の装置が接続されていてもよい。また、情報処理装置100や利用者端末装置910がローカル側の装置の1つとして設けられていてもよいし、各装置が、ローカル側とリモート側との区別なく、以下に説明するようなエビ養殖支援システム1の動作を行うことができるように互いに接続されていればよい。
【0072】
なお、
図1においては、例えば、タブレット型の情報端末装置が利用者端末装置910として示されているが、利用者端末装置910として用いられるのはこれに限られず、例えば、いわゆるスマートフォンなどの携帯情報端末装置や、ラップトップコンピュータなどのパーソナルコンピュータ(PC)などであってもよいし、これら以外の装置であってもよい。エビ養殖支援システム1のユーザ(利用者)は、利用者端末装置910を利用して、エビ養殖支援システム1を利用することができる。
【0073】
利用者端末装置910は、例えば一般的なタブレット型の情報端末装置であり、タッチパネルを備えたディスプレイデバイスを有している。利用者端末装置910は、種々の情報やプログラム等が記憶されている格納部、MPUやメモリ等から実現されており、プログラムを実行することで種々の処理を行う処理部、利用者端末装置910をネットワークに接続し、ネットワークに接続されている他の装置との間での通信を行えるように制御する通信部などを有している。
【0074】
利用者端末装置910においては、処理部がプログラムを実行することにより、例えばウェブブラウザ機能を機能させたり、電子メール等の情報の送受信機能を機能させたりすることができる。このような機能により、利用者端末装置910のユーザは、ネットワークに接続されている他の装置から受信した情報を閲覧したり、利用者端末装置910に他の装置に向けて情報を送信させたりすることができる。
【0075】
図2は、同エビ養殖支援システム1のブロック図である。
【0076】
まず、ローカル側の各装置の概略構成について、
図1及び
図2を参照して説明する。
【0077】
昇降装置40は、以下のような構成要素を有しており、ざる20を所定の待機位置から下げて養殖池に漬けたり、養殖池に漬けたざる20を養殖池から上げたりすることができる。
【0078】
昇降装置40は、昇降機構41、吊紐(保持部材の一例)43、駆動部(駆動ユニットの一例)45、制御部47等を有する。制御部47は、通信部49を有する。また、昇降装置40には、カメラ30と、環境センサ81と、重量センサ83とが取り付けられている。
【0079】
本実施の形態において、昇降装置40は、例えば、養殖池の上方に位置する構造物に、重量センサ83を介して吊り下げられている。ここで構造物とは、養殖池を囲むように建てられた建物の天井であってもよいし(屋内養殖の場合)、養殖池に建てられた矢倉の梁など(屋外養殖の場合)、養殖池の上方に位置する梁状部材であってもよい。
【0080】
吊紐43は、ざる20を保持する。吊紐43は、例えば、ざる20を昇降機構41から吊り下げる線状部材である。換言すると、ざる20は、例えば、吊紐43によって、昇降機構41から吊り下げられている。
【0081】
昇降機構41は、例えば、吊紐43を巻き取ったり繰り出したりすることができるリールである。昇降装置40は、例えば電動機である駆動部45によって昇降機構41のリールを回転させることで、吊紐43を巻き取ったり繰り出したりして、ざる20を上下させる。
【0082】
制御部47は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。制御部47の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現してもよい。本実施の形態において、制御部47は、駆動部45を動作させる制御などを行う。すなわち、制御部47の制御に応じて、ざる20が上下する。
【0083】
本実施の形態において、昇降装置40は、ざる20を下げて養殖池に漬けた後にざる20を養殖池から上げるように構成されている。なお、本実施の形態において、昇降装置40は、所定のスケジュールに従ってざる20の上げ下げを行う。本実施の形態において、昇降装置40は、所定のスケジュールで情報処理装置100から送信される指令に応じて、ざる20の上げ下げを実行するように構成されている。なお、制御部47などが、昇降装置40内に設けられている格納部に格納されたスケジュール情報に従って、自律的にざる20の上げ下げを行うように構成されていてもよい。
【0084】
通信部49は、昇降装置40をネットワークに接続し、ネットワークに接続されている他の装置との間での通信を行えるように制御する。通信部49は、例えば無線LANや携帯電話のデータ通信などを利用して無線通信を行うように構成されていてもよいし、各種の有線による通信を行うように構成されていてもよい。
【0085】
環境センサ81は、本実施の形態においては、例えば、ざる20に取り付けられている部材に取り付けられている。具体的には、環境センサ81は、吊紐43の、ざる20の近くに取り付けられている。すなわち、環境センサ81は、ざる20と共に養殖池に浸漬可能となるように取り付けられている。環境センサ81は、ざる20に取り付けられていてもよい。
【0086】
環境センサ81は、養殖池の環境に関する環境計測値を取得する。環境計測値は、環境センサ81により計測された値そのものであってもよいし、環境センサ81が、養殖池の環境に関して計測した結果に基づいて、所定の計算式や所定のテーブルを用いて取得した値であってもよい。環境センサ81としては、例えば、水温又は気温を環境計測値として出力する温度センサと、養殖池中の溶存酸素を環境計測値として出力する溶存酸素センサ(DOセンサ)と、養殖池の水の水素イオン濃度を環境計測値として出力するpHセンサとが設けられている。なお、環境センサ81に、これら以外の養殖池の環境に関する環境計測値を出力するセンサが含まれていてもよい。また、上述のうち環境センサ81として設けられていないものがあってもよい。
【0087】
環境センサ81は、ざる20が養殖池に漬けられたときに養殖池に浸漬され、養殖池についての各環境計測値を出力することができる。ざる20が養殖池から引き上げられると、環境センサ81も養殖池から引き上げられる。すなわち、環境センサ81は、ざる20の上げ下げのタイミングに応じて、計測時にのみ養殖池に浸漬されるので、環境センサ81が汚れること(藻類の付着など)を防止することができる。
【0088】
ここで、重量センサ83は、養殖池から上げられたざる20の重量に関する重量情報を出力することができる。例えば、重量センサ83は、養殖池に漬ける前の重量の計測値から、養殖池に漬けた後の重量の計測値の増加分を、ざる20に残ったエビ等の固形物の重量情報として得ることができる。
【0089】
なお、重量センサ83は設けられていなくてもよいし、重量情報は上述のものに限られない。例えば、ざる20を上昇させるときに駆動部45にかかる負荷の大きさを制御部47で検出し、それを重量情報として用いるようにしてもよい。この場合、駆動部45にかかる負荷の大きさに基づいて、ざる20の重量に関する重量情報を制御部47が算出するようにしてもよい。
【0090】
本実施の形態において、制御部47は、環境センサ81から出力された環境計測値や重量センサ83から出力された重量情報などを取得する。制御部47は、取得した情報等を、情報処理装置100等に送信することができる。
【0091】
また、本実施の形態において、制御部47は、ざる20の上下方向の位置を示す位置情報を検出することができる。位置情報は、例えば、昇降機構41や駆動部45などから得られる回転量(吊紐43の繰り出し量、巻き取り量)に基づいて検出することができる。制御部47は、検出した位置情報を情報処理装置100に送信することができる。
【0092】
図3は、同エビ養殖支援システム1の昇降装置40のサンプリング時の動作を示す第1の図である。
図4は、同エビ養殖支援システム1の昇降装置40のサンプリング時の動作を示す第2の図である。
【0093】
上述のように、本実施の形態において昇降装置40を用いたサンプリングを行うときには、
図3に示されるように、昇降機構41から吊紐43を繰り出すことで、ざる20を水上の待機位置から下げ、ざる20を養殖池に浸漬させる。このとき、環境センサ81も養殖池に浸漬させる。これにより、環境センサ81により養殖池の環境に関する環境測定値が得られる。
【0094】
その後、
図4に示されるように、昇降機構41で吊紐43を巻き取ることで、ざる20を水上に引き上げ、所定の待機位置まで上昇させる。そして、その状態で、カメラ30でざる20を撮影することにより、撮影画像を得ることができる。なお、カメラ30と所定の待機位置との距離は、一定になるようにするのが好ましいが、これに限られるものではない。また、撮影画像として動画像を得る場合や1回のサンプリングにおいて複数の静止画を得る場合などにおいて、ざる20を上昇させている最中に撮影が行われるようにしてもよい。このような場合、ざる20についての待機位置が定められていなくてもよい。
【0095】
なお、サンプリング後の撮影が終了した後は、ざる20に残ったものを再び養殖池に戻す作業が行われるのが好ましい。この作業は、作業者が行ってもよいが、ざる20を再び下げて揺すったりざる20を逆さに返したりする機構を設けることで、自動的に行われるようにしてもよい。
【0096】
図1及び
図2に戻って、給餌装置60は、以下のような構成要素を有しており、養殖池に自動的に飼料を供給する。
【0097】
給餌装置60は、飼料タンク61と、計量部(計量ユニットの一例)63と、散布機構(供給ユニットの一例)65と、駆動部66と、制御部67と、給餌条件格納部68とを有している。制御部67は、通信部69を有する。給餌装置60は、例えば、養殖池の上方に配置されており、給餌タイミング毎に、給餌装置60から所定の給餌量の飼料(図において模式的に黒丸(符号FF)で示す)を養殖池に散布することができる。
【0098】
飼料タンク61には、給餌装置60により給餌される飼料が貯蔵される。
【0099】
計量部63は、飼料タンク61から取り出された飼料を計量する秤である。計量部63は、制御部67による制御に応じて、所定の量の飼料を計量して飼料タンク61から取り出すことができる。
【0100】
散布機構65は、計量部63により計量されて飼料タンク61から取り出された飼料を養殖池に供給する。散布機構65は、例えば、回転可能なアーム部材を有している。給餌装置60は、例えば、電動機である駆動部66によって散布機構65のアーム部材を回転させながら、そのアーム部材から飼料を振りまくことで、養殖池にまんべんなく飼料を散布することができるように構成されている。なお、飼料を養殖池に供給する供給ユニットとして、このような散布機構65に限られず、公知である手段を広く用いることができる。
【0101】
給餌条件格納部68には、給餌条件に関する情報(以下、単にこの情報そのものも給餌条件ということある)が格納されている。給餌条件は、飼料の供給タイミングに関する条件と、飼料の供給量に関する条件との少なくとも一方を含む。本実施の形態において、給餌条件は、例えば、飼料の供給タイミングに関する条件と、飼料の供給量に関する条件との両方を含んでいる。
【0102】
給餌条件格納部68は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。本実施の形態においては、後述のようにして、情報処理装置100において給餌条件設定部から送信された給餌条件が給餌条件格納部68に格納される(設定される)。なお、給餌条件格納部68に給餌条件が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して給餌条件が給餌条件格納部68で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された給餌条件が給餌条件格納部68で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された給餌条件が給餌条件格納部68で記憶されるようになってもよい。
【0103】
制御部67は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。制御部67の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現してもよい。制御部67は、給餌条件格納部68に格納された給餌条件に基づいて、養殖池に飼料を供給する。
【0104】
通信部69は、給餌装置60をネットワークに接続し、ネットワークに接続されている他の装置との間での通信を行えるように制御する。通信部69は、例えば無線LANや携帯電話のデータ通信などを利用して無線通信を行うように構成されていてもよいし、各種の有線による通信を行うように構成されていてもよい。
【0105】
本実施の形態において、制御部67は、実際に給餌を行ったとき、その給餌情報(ログ;例えば、給餌を行った時刻や給餌量等の情報が含まれる)を記録する。制御部67は、記録した給餌情報等を、情報処理装置100等に送信することができる。
【0106】
エアレーション装置70は、以下のような構成要素を有しており、養殖池の溶存酸素を増加させる動作(エアレーション)を行う。
【0107】
エアレーション装置70は、例えば、養殖池の水面を叩く羽根車と、羽根車を回転させる電動機である駆動部76と、駆動部76の動作を制御する制御部77等を有する。制御部77は、通信部79を有する。エアレーション装置70は、エアレーションを実行することで、回転する羽根車により養殖池に気泡を生じさせて、養殖池の溶存酸素を増加させる。
【0108】
制御部77は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。制御部77の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現してもよい。制御部77は、情報処理装置100から送信された指令に基づいて、駆動部76を動作させてエアレーションを実行したり、駆動部76を停止させてエアレーションを停止したりする。
【0109】
通信部79は、エアレーション装置70をネットワークに接続し、ネットワークに接続されている他の装置との間での通信を行えるように制御する。通信部79は、例えば無線LANや携帯電話のデータ通信などを利用して無線通信を行うように構成されていてもよいし、各種の有線による通信を行うように構成されていてもよい。
【0110】
なお、エアレーション装置70としては、上述のような羽根車を有するものに限られない。例えば、酸素を含む気体をポンプ等により養殖池中に吹出することで溶存酸素を増加させるものであってもよいし、養殖池の水の一部を入れ替えることにより溶存酸素を増加させるものであってもよい。
【0111】
図2に示されるように、情報処理装置100は、格納部110、処理部150、情報出力部170、及び通信部190などを備える。情報処理装置100は、例えば、サーバ装置である。
【0112】
格納部110は、撮影画像格納部111、重量情報格納部113、環境計測値格納部115、給餌情報格納部116、参照値格納部117、エビ情報格納部(水棲動物情報格納部の一例)119を備える。格納部110は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。格納部110の各部には、例えば後述のような処理部150の各部によって取得された情報などがそれぞれ格納されるが、格納部110の各部に情報等が記憶される過程はこれに限られない。例えば、記録媒体を介して情報等が格納部110で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された情報等が格納部110で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報等が格納部110で記憶されるようになってもよい。
【0113】
撮影画像格納部111には、後述のように撮影画像取得部151で取得された撮影画像、すなわちカメラ30で撮影された撮影画像が格納される。撮影画像は、例えば、撮影された日時等や養殖池を特定する識別子などの撮影情報と対応付けられて格納される。なお、このような撮影情報は、いわゆるExif等の撮影画像のメタデータとして記録されていてもよい。
【0114】
なお、例えば、撮影画像格納部111には、後述のように浸漬中画像取得部153で取得された浸漬中画像も格納されるようにしてもよい。
【0115】
重量情報格納部113には、後述のように重量情報取得部152で取得された重量情報、すなわち昇降装置40から送信された重量情報が格納される。
【0116】
環境計測値格納部115には、昇降装置40から送信された環境計測値が格納される。環境計測値は、例えば、計測された日時等や養殖池を特定する識別子などの情報に対応付けられて格納される。
【0117】
なお、環境計測値格納部115には、後述のように濁度検出部156で検出された濁度についての情報が格納されるようにしてもよい。
【0118】
給餌情報格納部116には、給餌装置60から送信された給餌情報が格納される。
【0119】
参照値格納部117には、エビの成長に関する所定の参照値が格納されている。
【0120】
エビ情報格納部119には、後述のようにエビ情報取得部157が取得したエビ情報が格納される。エビ情報は、例えば、エビの成育日数情報及び成育環境に関する情報に対応付けて格納される。なお、本実施の形態において、エビ情報とは、例えば、エビの生物量に関する情報(例えば、エビの生物量、エビの個体数に関する情報、エビの重量に関する情報、エビの大きさに関する情報など)、エビの異常に関する情報、及びエビの食欲に関する情報(例えば、飼料を消費する速さや、給餌量の過不足に関する情報や、エビの腸の色及び大きさの少なくとも一方に関する情報や、餌の消化率に関する情報など)の少なくとも1つを含むものである。エビ情報はこれに限られず、これら以外の情報を含んでいてもよい。
【0121】
処理部150は、撮影画像取得部151、重量情報取得部152、浸漬中画像取得部153、位置情報取得部154、画像解析部155、濁度検出部156、エビ情報取得部(水棲動物情報取得部の一例)157、給餌条件設定部158を備える。
【0122】
処理部150は、上述の各部が行う処理のほか、情報処理装置100の動作を制御したり、ローカル側の昇降装置40、給餌装置60、及びエアレーション装置70等と連携した処理などを行う。ローカル側の装置との連携は、各装置に指令を送信したり各装置からの情報を受信したりすることなどにより行うことができる。
【0123】
処理部150は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。処理部150の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現してもよい。
【0124】
撮影画像取得部151は、エビの養殖池から上げられたざる20をカメラ30で撮影することにより得られた撮影画像を取得する。撮影画像取得部151は、例えば、昇降装置40によりざる20が養殖池から上げられたタイミングに対応するタイミングで撮影された撮影画像を取得する。換言すると、本実施の形態において、昇降装置40の動作に応じて撮影画像が撮影されると、その撮影画像が情報処理装置100に送信される。撮影画像取得部151は、送信された撮影画像を受信する。
【0125】
重量情報取得部152は、養殖池から上げられたざる20の重量に関する重量情報を取得する。
【0126】
浸漬中画像取得部153は、浸漬中画像を取得する。浸漬中画像は、後述のように、養殖池に漬けられているざる20を養殖池の水面よりも上にあるカメラ30で撮影することにより得られた画像である。浸漬中画像は、例えば、昇降装置40から送信される。浸漬中画像取得部153は、送信された浸漬中画像を受信する。
【0127】
位置情報取得部154は、上下方向におけるざる20の位置に関する位置情報を取得する。本実施の形態において、例えば、位置情報取得部154は、昇降装置40から送信された位置情報を取得する。
【0128】
画像解析部155は、撮影画像格納部111に格納されている撮影画像、すなわち撮影画像取得部151により取得された撮影画像を解析する。画像解析部155は、例えば、撮影画像内の物体が含まれる領域を検出し、予め記憶されている情報に基づいて、検出した領域にエビが含まれているか否かを判定すると共に、その判定結果に基づいて、撮影画像について種々の事項の検出を行う。撮影画像の解析により、例えば、エビの個体数や、エビの大きさ、エビの色、残餌の有無、残餌の量などが検出される。
【0129】
なお、画像解析は、例えば、機械学習のアルゴリズムを用いた手法や、パターンマッチングなどの解析手法により行うことができる。
【0130】
具体的には、例えば、画像解析部155は、画像解析を次のように行うことができる。すなわち、予め、エビの一以上の輪郭情報(パターン情報の一例)や、ざる20についての情報(例えば、地の色、模様の色、模様の大きさ(間隔等)に関する情報など)や、残餌についての情報(例えば、サンプリングされた状態における色等)などを予め記憶しておく。そして、画像解析部155は、撮影画像からざる以外の物体が含まれている領域を検出する。当該検出領域内の物体の輪郭を抽出する。画像解析部155は、抽出した輪郭と予め用意された輪郭情報とを比較し、類似度が所定値よりも高い場合には、当該検出領域にあるものがエビであると判定する。換言すると、画像解析部155は、当該検出領域と予め用意された輪郭情報に対応するとが対応する場合には、当該検出領域にあるものがエビであると判定する。また、画像解析部155は、ざる20の模様の画像内における間隔を判定する(ざる20の模様については、後述する)。また、画像解析部155は、エビであると判定した領域の色を取得する。また、画像解析部155は、ざる20内において残餌の色が含まれる領域を判定する。画像解析部155は、エビが写っていると判定した領域の数により、エビの個体数を検出できる。また、画像解析部155は、エビであると判定された物体の画像内における大きさと、ざる20の模様の画像内における間隔と、実際の模様の間隔についての情報とに基づいて、エビの大きさを検出できる。また、画像解析部155は、エビであると判定した領域の色に基づいて、エビの色を検出できる。また、画像解析部155は、ざる20内において残餌の色が含まれる領域の有無やその大きさによって、残餌の有無やその量を検出できる。なお、エビの輪郭情報として、姿勢や大きさが異なる複数種類のものが記憶されているのが好ましい。また、奇形や病変が発生した部位を有するエビの輪郭情報も合わせて記憶されているのが好ましい。なお、画像解析部155は、エビの輪郭情報に代えて、エビの一部を示すテンプレート情報等をパターン情報として用いるようにしてもよい。
【0131】
他方、機械学習のアルゴリズムの利用については、例えば次のようにすることができる。すなわち、撮影画像を入力とし、エビの個体数や、エビの大きさ、エビの色、残餌の有無、残餌の量などを出力とする学習器を、機械学習のアルゴリズムにより構成する。例えば、撮影画像と、エビの個体数や、エビの大きさ、エビの色、残餌の有無、残餌の量などに関する情報との組の情報を2以上、取得し、当該取得した2組以上の情報を、機械学習の学習器を構成するためのモジュールに与え、学習器を構成し、格納部110に蓄積する。なお、機械学習のアルゴリズムは、例えば、深層学習、ランダムフォレスト、SVR等、問わない。また、機械学習のモジュールは、例えば、TensorFlowのモジュール、fasttext、tiny_svm、各種のrandomForest関数等、種々のものを用いることができる。なお、学習器は分類器ということもできる。
【0132】
なお、このような機械学習のアルゴリズムは、撮影画像中の物体が含まれている領域がエビを含む領域であるかどうかを判定する場合など、部分的に用いられてもよい。例えば、領域にエビが含まれているかどうかを判定する場合には、撮影画像中の物体が含まれている領域の画像を入力として、エビであるか否かを示す情報を出力とする学習器を、機械学習のアルゴリズムにより構成する。例えば、領域の画像と、エビが含まれている領域であるかどうかに関する情報との組の情報を2以上、取得し、当該取得した2組以上の情報を、機械学習の学習器を構成するためのモジュールに与え、学習器を構成し、格納部110に蓄積するようにすればよい。この場合、画像解析部155は、学習器(予め記憶されている情報の一例)に基づいて、検出した領域にエビが含まれているか否かを判定することができる。
【0133】
濁度検出部156は、浸漬中画像取得部153により取得された浸漬中画像に基づいて、養殖池の濁度を検出する。本実施の形態においては、濁度検出部156は、さらに、位置情報取得部154により取得された位置情報に基づいて、濁度の検出を行う。具体的には、例えば、濁度検出部156は、浸漬中画像において、ざる20が所定の可視条件を満たすか否かを判断する。可視条件として、例えば、水中のざる20の影とそれ以外の領域との明度差等の閾値が定められていればよいが、これに限られるものではない。濁度検出部156は、位置情報取得部154で検出された位置情報に基づいて、ざる20について可視条件が満たされなくなった時のざる20の水深を取得する。そして、予め記憶されている、水深と濁度とが対応付けられている情報に基づいて、水深に対応する濁度を検出する。可視条件が満たされなくなった時のざる20の水深が深いほど濁度が低くなる(澄んでいる)。
【0134】
なお、このような検出方法に限られず、例えば、濁度検出部156は、所定の位置(例えば、サンプリング時にざる20が降ろされる所定の降下位置であってもよい)にざる20がある場合における浸漬中画像について、当該浸漬中画像におけるざる20部分の明度を検出し、検出した値に基づいて濁度を検出してもよい。この場合、例えば、ざる20部分の明度と濁度とを対応付ける情報が予め記憶されていればよい。濁度検出部156は、当該記憶されている情報に基づいて、浸漬中画像におけるざる20部分の明度に対応する濁度を求めることができる。すなわち、明度が高いほど、濁度が低くなる(澄んでいる)。
【0135】
エビ情報取得部157は、画像解析部155の解析結果に基づいて、養殖池中のエビに関するエビ情報を取得する。エビ情報取得部157は、画像解析部155の解析結果をそのままエビ情報として取得してもよいし、解析結果に基づいてさらに計算やその他統計処理等を行うことにより求めた情報をエビ情報として取得してもよい。以下、エビ情報の取得の具体例について説明する。なお、サンプリングにより得られた撮影画像に基づいてエビ情報を求める際、養殖池の面積や体積などを考慮して適宜養殖池の全体のエビ情報を換算して求めるようにしてもよいし、かかる換算を行わないようにしてもよい。
【0136】
なお、エビ情報取得部157は、エビ情報の取得にあたり、これまでに取得されたエビ情報(過去のエビ情報)と、今回取得されたエビ情報(現在のエビ情報)とに基づいて、現在の養殖池中のエビについての生育状態について判定するようにしてもよい。例えば、過去のエビ情報の取得時から今回エビ情報の取得時までエビの成育速度が低いなど、エビの成育異常について判定し、その旨をエビ情報として取得するようにしてもよい。
【0137】
エビ情報取得部157は、例えば、画像解析部155の画像解析結果と重量情報取得部152により取得された重量情報とに基づいて、エビ情報を取得してもよい。すなわち、例えば、エビ情報取得部157は、画像解析の解析結果として、サンプリングされたエビの個体数(匹数)、エビが食べ残している飼料の量(残餌量)等を得ることができる。そうすると、エビ情報取得部157は、それらの情報と、重量情報すなわちサンプリングにより養殖池より取り出された固形物の重量とに基づいて、算出を行ったり所定のテーブル等を用いたりすることなどによって、エビのABW(平均体重)を求めることができる。また、エビのABWを取得することができるので、エビ情報取得部157は、養殖池中のエビの生物量を求めることができる。
【0138】
また、エビ情報取得部157は、例えば、環境センサ81により計測された環境計測値に基づいて求めたエビ情報を取得してもよい。すなわち、環境計測値として溶存酸素が得られている場合、エビ情報取得部157は、溶存酸素の低下率(所定の期間における溶存酸素の低下量)と個体数とに基づいて、算出を行ったり所定のテーブル等を用いたりすることなどによって、エビの成育状態(大きさやABW等)を求めることができる。エビが成育するのに伴い、酸素の消費量が多くなり、溶存酸素の低下率が高くなるためである。また、溶存酸素の低下率に基づいて、養殖池中のエビの生物量を求めるようにしてもよい。
【0139】
なお、エビ情報取得部157は、複数の方法で求めた同種のエビ情報を用いて、エビ情報を取得するようにしてもよい。例えば、エビ情報取得部157が、画像解析結果及び重量情報に基づいて取得したエビのABWと、溶存酸素の低下率と個体数とに基づいて取得したエビのABWとを求めて、両者を平均することなどにより、エビのABWを取得するようにしてもよい。
【0140】
また、エビ情報取得部157は、例えば、給餌装置60による飼料の供給タイミング(給餌タイミング)と、画像解析部155で解析した撮影画像の撮影タイミングとに基づいて、給餌量の過不足に関する情報や、エビの腸の色、大きさ、餌の消化率に関する情報を含むエビ情報を取得してもよい。また、エビ情報取得部157は、例えば、養殖池に供給された飼料の量と、画像解析部155の解析結果とに基づいて、エビ情報を取得してもよい。例えば、撮影画像について検出された残餌量が同量である場合であっても、飼料の供給タイミングからその撮影画像の撮影タイミングまでの間隔が長いほど、給餌量が過剰である可能性が高いものとして、給餌量に関する判断を行うことができる。したがって、給餌量の過不足に関する情報を的確に行うことができる。なお、本実施の形態においては、給餌タイミングに応じて、昇降装置40がざる20の上げ下げを行い、給餌タイミングに応じた撮影タイミングの撮影画像が得られるように構成されている。これにより、後述のような給餌量の調整を容易にかつ的確に行うことができる。
【0141】
また、エビ情報取得部157は、例えば、画像解析部155の解析結果に基づいて、所定の異常パターンに該当するエビがいるか否かを判別し、エビの異常に関する情報を取得するようにしてもよい。例えば、エビ情報取得部157は、画像解析の結果、特定の臓器が肥大化しているとか、遊泳行動や姿勢が平均的なエビとは異なっているとか、奇形を有するとかなど、疾病の兆候を示す所定の異常パターンに該当するエビ(異常なエビ)があるか否かを判断する。このような判断は、例えば、エビ情報取得部157が、画像解析部155が予め記憶されている当該異常に関するパターン情報を用いて画像解析を行った結果に基づいて行うようにしてもよい。また、エビ情報取得部157や画像解析部155が、上述のような機械学習のアルゴリズムを利用して、撮影画像又はエビが含まれる領域の画像を入力とし異常パターンを出力として予め構成された学習器を用いて行うようにしてもよい。そして、エビ情報取得部157は、異常パターンに該当するエビがある場合には、例えば、当該養殖池において異常なエビが存在する旨の情報をエビ情報として取得する。なお、異常なエビの数や存在割合が所定の閾値を超えた場合などに、エビ情報取得部157が、異常なエビが存在する旨の情報をエビ情報として取得するようにしてもよい。
【0142】
図5は、同エビ養殖支援システム1でサンプリングされたエビの一例を示す図である。
【0143】
図5においては、サンプリングされたエビを撮影した撮影画像の一部が示されている。異常パターンの更なる具体例としては、例えば、以下のようなものが挙げられる。
【0144】
例えば、
図5において、符号S2で示されるエビのように、エビ頭部下の胆膵管(符号S01で示す部位)の大きさが大きくその周辺部位が白いことは、良好な健康状態であることを示している。
【0145】
また、エビの腸(符号S02で示す部位)が黒色であるときは、餌の消化が完了していないといえる。黒色の腸が太いほど、多くの餌を摂取しているといえる。
図5においては、符号S1で示されるエビも符号S2で示されるエビも、多くの餌を摂取し、かつ、消化中であることが見て取れる。そのため、エビの腸の状態を画像解析することで、餌の消化率を算出することが可能である。
【0146】
また、エビの体の透明度が低かったり、エビの尾が赤みがかっていることは、健康状態が悪化していることを表している。
【0147】
給餌条件設定部158は、エビ情報取得部157により取得されたエビ情報に基づいて、給餌装置60による飼料の供給に関する給餌条件を設定する。より具体的には、例えば、給餌条件設定部158は、参照値格納部117に格納されている参照値と、エビ情報取得部157により取得されたエビ情報との比較結果に基づいて、給餌条件を設定する。例えば、給餌条件設定部158は、取得されたエビ情報に基づく現在のエビのABWと、参照値を用いて求めた現在のDOCに対応するABWとを比較し、養殖池中のエビの成育状況が、参照値で示される一般的なエビよりも速いか遅いかを判別する。そして、その判別結果に基づいて、給餌量を増加させるか減少させるかを決定し、給餌条件を設定し直すことができる。
【0148】
ここで給餌条件としては、飼料の供給タイミングに関する条件と、飼料の供給量に関する条件とがある。飼料の供給タイミングに関する条件について、給餌量を増加させる場合には、例えば、次回の飼料の供給タイミングを早めたり、所定期間当たりの給餌回数を増加させたりすることができる。飼料の供給量に関する条件について、給餌量を増加させる場合には、例えば、1回の給餌機会における給餌量を増加させることができる。なお、給餌量を減少させる場合には、これらの逆に設定するようにすればよい。
【0149】
情報出力部170は、例えば、外部の装置に対して格納部110に格納されている情報を送信するなどして、情報を出力する。本実施の形態において、情報出力部170は、後述のように、作業者等のユーザに報知すべき情報があるとき、例えば、その情報を利用者端末装置910に送信することにより、ユーザに報知することができる。なお、情報出力部170は、上述したような他の出力態様(用紙の印刷、ディスプレイへの表示、電子メールなどの送信など)で報知を行うようにしてもよい。
【0150】
通信部190は、情報処理装置100をネットワークに接続し、ネットワークに接続されている他の装置との間での通信を行えるように制御する。これにより、情報処理装置100は、例えば利用者端末装置910やローカル側の装置との間で情報の送受信を行うことができる。
【0151】
なお、本実施の形態において、上述の情報をまとめると、エビ情報として、例えば次のようなものを取得することができる。すなわち、画像解析の結果として、エビの大きさ(サイズ)、エビの個体数、エビの重量、エビの画像やエビの形、色、などの情報、死んだエビの数(斃死数)、奇形を有するエビの数などを取得することができる。また、溶存酸素などの環境計測値をエビ情報の1つとして取得するようにしてもよい。また、画像解析の結果や環境計測値に基づいてさらに情報処理を行うことにより、より高精度なエビの重量、エビの大きさを取得したり、エビの病気の検出を行ったり、エビの食欲についての評価を行ったりすることができる。また、エビの食欲を評価することで、通常時よりも食欲がない場合の健康状態の低下を検出することができる。なお、エビ情報としてはこれに限られず、他の情報を求めるようにしてもよいし、上述の情報のうち取得しないものが含まれていてもよい。
【0152】
また、これらのエビ情報の取得に際し、用いることができる情報としては、以下のようなものが挙げられる。すなわち、生育日数(DOC)、エビの種類、投入した稚エビ数、給餌量、天候履歴、水温履歴、溶存酸素履歴、水質履歴、及び濁度履歴等の情報を用いることができる。これらの情報を正確に取得してエビ情報の取得に用いることにより、より正確なエビ情報を取得することができる。なお、エビ情報の取得に際し用いることができる情報として、作業者等が入力したものを用いるようにしてもよい。また、水温履歴や、溶存酸素履歴や、水質履歴などについては、環境センサ81等の出力結果を用いるようにしてもよい。また、そのほか、撮影画像についての画像解析の結果や、給餌装置60や昇降装置40から送信された情報を用いるようにしてもよい。
【0153】
図6は、同エビ養殖支援システム1で用いられるざる20を示す図である。
図7は、同エビ養殖支援システム1で取り扱われる撮影画像の一部の一例を模式的に示す図である。
【0154】
図6に示されるように、ざる20は、本実施の形態において、平たい略円板状の形状を有している。なお、本実施の形態において、他の図においては、ざる20の形状は簡略化されて示されている。
【0155】
ざる20には、カメラ30により撮影可能な模様(符号M)が付されている。模様としては、例えば、所定の間隔(例えば、10ミリメートルなど)を有する格子状の模様が付されている。
【0156】
このような模様が付されているざる20を用いることにより、エビのサイズ測定をより正確に行うことができる。すなわち、
図7に示されるように、撮影画像を解析することにより把握できる格子の間隔は既知の所定値である。そのため、画像解析部155が、同撮影画像にあるエビの大きさを、格子の間隔との比率として検出することにより、実際のエビの大きさを高精度に検出することができる。また、ざる20の上面に模様が付されているため、サンプリング前に、カメラ30のキャリブレーションを容易に行い、的確な撮影条件で撮影画像を撮影することができる。
【0157】
図8は、同エビ養殖支援システム1で取り扱われる撮影画像の一部の別の例を模式的に示す図である。
【0158】
なお、模様は上述のような格子状のものに限られず、種々のものが用いられる。例えば、
図8に撮影画像の一部の例として示されるように、所定の大きさの市松模様をざる20に付すようにしてもよい。また、格子状の模様の一部の色を異なる色にしてもよい。また、所定の大きさのパターン(水玉模様、星形模様、所定の間隔や線幅のハッチングなど)や図柄であってもよい。要するに、カメラ30で撮影された画像を解析したときにそのスケールを把握できるような模様をざる20に付したり、カメラ30のキャリブレーションを行うのに適した模様にすることにより、上述の効果を得ることができる。
【0159】
カメラ30は、本実施の形態においては、例えば単眼のデジタルスチルカメラなどを用いることができる。上述のように本実施の形態においてはざる20にサイズ検出の参照となる模様が付されているため、単眼のカメラを用いる場合においても、的確にエビの大きさを検出することが可能となっている。なお、ざる20に模様が付されていない場合においても、例えばカメラ30として複眼のカメラ(ステレオカメラ)を用いることにより、撮影画像に基づいてエビの大きさをより高精度に検出することができる。
【0160】
図9は、同エビ養殖支援システム1で取り扱われる撮影画像の一例を示す図である。
【0161】
図9において、符号Sで示されるように、サンプリングの結果として2匹のエビが含まれる。また、
図9において上部のほうに符号SRで示されるように、残餌が含まれる。このような撮影画像について、画像解析部155による画像解析が行われることにより、サンプリングにより引き上げられたエビの個体数や、大きさ、色などの情報が解析結果として得られる。エビ情報取得部157は、このようなエビの大きさや色などの情報を養殖池のエビのエビ情報として取得することができる。また、取得されたエビの個体数や、大きさ等に基づいて、計算や統計処理などを行うことにより、養殖池のエビの個体数や、生物量などのエビ情報を取得することができる。
【0162】
図10は、同エビ養殖支援システム1で行われる動作の全体の流れを示すフローチャートである。
【0163】
図10に示されるように、エビ養殖支援システム1では、以下のような動作が行われることにより、作業者はエビの養殖支援を受けることができる。以下の処理は、情報処理装置100(又はその処理部120)や、情報処理装置100からの指令に応じて動作するその他の装置により行われるが、これに限られるものではない。
【0164】
(ステップS11)まず、情報処理装置100は、ユーザによる情報の入力を受け付けたり、他の装置から送信された情報を受信したりしたか否かを判断する。入力を受け付けたり情報を受信した場合にはステップS12に進み、そうでない場合にはステップS11に戻る。
【0165】
(ステップS12)情報処理装置100は、入力を受け付けた情報や受信した情報を、格納部110に格納する。
【0166】
(ステップS13)情報処理装置100は、給餌条件を取得する。給餌条件は、給餌装置60から取得してもよいし、給餌条件設定部158で設定した給餌条件を情報処理装置100の内部で取得するようにしてもよい。
【0167】
(ステップS14)情報処理装置100は、給餌タイミングが到来したか否かを判断する。給餌タイミングが到来している場合にはステップS15に進み、そうでない場合にはステップS16に進む。
【0168】
(ステップS15)情報処理装置100及び給餌装置60は、給餌を行う。
【0169】
(ステップS16)情報処理装置100及び昇降装置40は、サンプリングを行う。
【0170】
(ステップS17)情報処理装置100は、エビ情報解析処理を行う。これにより、エビ情報が得られる。
【0171】
(ステップS18)情報処理装置100は、エビ情報に基づいて、反映処理を行う。処理が終了すると、ステップS11に戻る。
【0172】
なお、養殖が終了すると、このような動作を終了すればよい。
【0173】
図11は、同エビ養殖支援システム1で行われる給餌について説明するフローチャートである。
【0174】
給餌は、例えば、情報処理装置100から給餌を実行する旨の指令が給餌装置60に対して送信されたときに、給餌装置60(より具体的には、給餌装置60の制御部67)により実行される。なお、給餌装置60が、設定されている給餌条件(給餌条件格納部68に格納されている給餌条件)に基づいて、所定の給餌タイミングが到来したと判断したときに給餌を実行するようにしてもよい。
【0175】
(ステップS31)給餌装置60は、給餌条件格納部68に格納されている給餌条件を取得する。
【0176】
(ステップS32)給餌装置60は、計量部63を用いて、給餌条件において定められている給餌量に関する条件に基づいて、供給する飼料を計量する。これにより、供給される飼料が飼料タンク61から取り出される。
【0177】
(ステップS33)給餌装置60は、駆動部66を駆動させて、散布機構65により、取り出された飼料を養殖池に散布する。
【0178】
(ステップS34)給餌装置60は、給餌情報を記録する。制御部67は、給餌情報を、情報処理装置100に送信する。情報処理装置100は、給餌情報を受信して、給餌情報格納部116に格納する。
【0179】
ステップS34が終了すると、給餌が終了し、
図10の処理に戻る。
【0180】
図12は、同エビ養殖支援システム1で行われるサンプリングについて説明するフローチャートである。
【0181】
サンプリングは、例えば、情報処理装置100からサンプリングを実行する旨の指令が昇降装置40に対して送信されたときに、昇降装置40(より具体的には、昇降装置40の制御部47)により実行される。本実施の形態において、情報処理装置100は、所定のスケジュールに従って、サンプリングを実行する旨の指令を行う。より具体的には、情報処理装置100は、給餌条件で定められたスケジュールに従って給餌が行われてから所定時間が経過したとき(所定のスケジュールの一例)に、サンプリングを実行する旨の指令を行うように構成されている。
【0182】
なお、サンプリングを実行する旨の指令はこれに限られない。例えば、情報処理装置100は、給餌が行われたか否かにかかわらず、所定のスケジュール情報に従って当該指令を行うように構成されていてもよい。また、昇降装置40が、設定されている所定のスケジュール情報に基づいて、所定の実行タイミングが到来したと判断したときにサンプリングを実行するようにしてもよい。
【0183】
(ステップS111)サンプリングが開始されると、まず、昇降装置40は、ざる20が所定の待機位置にある状態で、カメラ30のキャリブレーションを行う。キャリブレーションでは、カメラ30が、ざる20を撮影しながら、露出状態等の撮影条件が所定の程度になるようにカメラ30の設定を調整する。なお、キャリブレーションは行われなくてもよい。
【0184】
(ステップS112)昇降装置40は、駆動部45を駆動させて昇降機構41を回転させ、ざる20を所定の降下位置まで降下させる。所定の降下位置は、例えば、ざる20と環境センサ81とが養殖池に浸漬される位置に設定されている。
【0185】
(ステップS113)昇降装置40は、環境センサ81から出力される環境計測値を取得する。環境計測値は情報処理装置100に送信され、環境計測値格納部115に格納される。
【0186】
(ステップS114)昇降装置40は、ざる20の引き上げを開始するか否かを判断する。例えば、ステップS112が完了してから所定時間が経過したときに、ざる20の引き上げを開始すると判断することができるが、これに限られるものではない。ざる20の引き上げを開始すると判断するとステップS115に進み、それまではステップS114を繰り返す。
【0187】
(ステップS115)昇降装置40は、駆動部45を駆動させて昇降機構41を回転させ、ざる20を所定の待機位置まで上昇させる。
【0188】
(ステップS116)昇降装置40は、重量センサ83から出力される重量情報を取得する。重量情報は情報処理装置100に送信され、重量情報格納部113に格納される。
【0189】
(ステップS117)昇降装置40は、カメラ30に、ざる20を撮影させる。これにより得られた撮影画像は情報処理装置100に送信される。
【0190】
(ステップS118)情報処理装置100において、撮影画像取得部151は、昇降装置40から送信された撮影画像を撮影画像格納部111に格納する。
【0191】
(ステップS119)昇降装置40は、ざる20の内容物を取り除く復帰動作を行う。なお、復帰動作は行われなくてもよい。例えば作業者がざる20の内容物を取り除くようにしてもよい。
【0192】
ステップS119が終了すると、サンプリングが終了し、
図10の処理に戻る。
【0193】
図13は、同エビ養殖支援システム1で行われるエビ情報解析処理について説明するフローチャートである。
【0194】
エビ情報解析処理は、例えば、サンプリングが実行されて撮影画像が撮影画像格納部111に格納されたときに、情報処理装置100において実行される。なお、情報処理装置100は、所定のスケジュールに従って、例えば定期的に、エビ情報解析処理を実行するようにしてもよい。
【0195】
(ステップS131)エビ情報解析処理が開始されると、画像解析部155は、撮影画像格納部111に格納されている撮影画像のうち、処理対象のものを読み込む。例えば、前回エビ情報解析処理が実行された時より後に格納された撮影画像を読み込む。
【0196】
(ステップS132)画像解析部155は、読み込んだ撮影画像について画像解析を行う。画像解析は、例えば上述のようにして行われる。これにより、エビの大きさや個体数、エビの腸の色や大きさ、残餌量などの解析結果が得られる。
【0197】
(ステップS133)エビ情報取得部157は、画像解析結果と、格納されている情報とに基づいて、エビ情報を取得する。エビ情報の取得は、例えば上述のようにして行われる。これにより、例えば、エビの個体数、エビの重量、エビの大きさ、エビの異常に関する情報、餌の消化率、及びエビの食欲に関する情報などのエビ情報が取得される。
【0198】
(ステップS134)エビ情報取得部157は、取得したエビ情報を、エビ情報格納部119に格納する。
【0199】
ステップS134が終了すると、エビ情報解析処理が終了し、
図10の処理に戻る。
【0200】
図14は、同エビ養殖支援システム1で行われる反映処理について説明するフローチャートである。
【0201】
反映処理は、例えば、エビ情報解析処理が終了し、取得されたエビ情報がエビ情報格納部119に格納されたときに、情報処理装置100において実行される。なお、情報処理装置100は、所定のスケジュールに従って、例えば定期的に、反映処理を実行するようにしてもよい。
【0202】
(ステップS151)処理部150は、エビ情報格納部119から、エビ情報を読み込む。
【0203】
(ステップS152)処理部150は、読み出したエビ情報等に基づいて、所定の報知条件に適合するか否かを判断する。報知条件に適合すると判断した場合は、ステップS153に進み、そうでない場合は、ステップS154に進む。
【0204】
ここで、報知条件としては、種々のものを設定することができる。例えば、エビ情報として、養殖池のエビが異常であることを示す情報があるとき、報知条件に適合すると判断するようにしてもよい。また、エビの食欲が低いとき、報知条件に適合すると判断するようにしてもよい。例えば、給餌後所定時間経過後において、残餌量が所定量以上である場合やエビの腸の色や大きさから餌が消化されずに残っていると判断される場合などに、エビの食欲が低いと判断することができる。また、環境計測値が所定の閾値を超えているとき、報知条件に適合すると判断するようにしてもよい。すなわち、例えば、養殖池の環境が悪化していたり、エビの成育に関して問題がある可能性がある場合には報知条件に適合すると判断されるように、報知条件を設定することが好ましい。
【0205】
(ステップS153)処理部150は、情報出力部170に、報知を実行させる。例えば、報知条件に適合した理由をユーザに報知することにより、ユーザにその旨を知らせ、対応を促すことができる。なお、報知方法としては、上述のように、適宜設定すればよい。なお、ステップS152において常に報知条件を満たすと判断するようにし、ステップS153において常にそのときのエビ情報に関する報知項目(例えば、エビの成育状況や、養殖池の環境状態など)がユーザに報知されるようにしてもよい。
【0206】
(ステップS154)処理部150は、給餌量が過剰であるか否かを判断する。例えば、給餌後所定時間経過後において、残餌量が所定量以上である場合やエビの腸の色や大きさから餌が消化されずに残っていると判断される場合などに、給餌量が過剰であると判断されるようにすればよい。給餌量が過剰であると判断した場合は、ステップS155に進み、そうでない場合は、ステップS156に進む。
【0207】
(ステップS155)給餌条件設定部158は、給餌量を減少させるように給餌条件を変更する。変更後の給餌条件が給餌装置60に送信され、給餌条件格納部68に格納される。例えば、所定量又は所定割合だけ1回の給餌量を減少させたり、所定時間だけ給餌タイミングの間隔を遅れさせたりしてもよい。所定の程度だけ給餌条件を変更することにより、給餌量に関する急激な変化が発生するのを防止することができる。ステップS156に進む。
【0208】
(ステップS156)処理部150は、給餌量が不足しているか否かを判断する。例えば、例えば、給餌後所定時間経過後において、残餌量が所定量未満である場合やエビの腸の色や大きさから餌が消化されていると判断される場合などに、給餌量が不足していると判断されるようにすればよい。給餌量が不足していると判断した場合は、ステップS157に進み、そうでない場合は、ステップS158に進む。
【0209】
(ステップS157)給餌条件設定部158は、給餌量を増加させるように給餌条件を変更する。変更後の給餌条件が給餌装置60に送信され、給餌条件格納部68に格納される。例えば、所定量又は所定割合だけ1回の給餌量を増加させたり、所定時間だけ給餌タイミングの間隔を短くしたりしてもよい。所定の程度だけ給餌条件を変更することにより、給餌量に関する急激な変化が発生するのを防止することができる。ステップS158に進む。
【0210】
(ステップS158)処理部150は、酸素濃度すなわち溶存酸素が第1酸素閾値より低いか否かを判断する。第1酸素閾値は、所定の生物量のエビが健全に成育するのに必要な溶存酸素の最低値よりも若干高く設定されていることが好ましい。酸素濃度が第1酸素閾値よりも低いと判断したとき、ステップS159に進み、そうでなければ、ステップS160に進む。
【0211】
(ステップS159)情報処理装置100は、エアレーション装置70に指令を送信し、エアレーション装置70にエアレーションを実行させる。これにより、養殖池の溶存酸素が不足する状態が継続することを防止することができる。ステップS160に進む。
【0212】
(ステップS160)処理部150は、酸素濃度すなわち溶存酸素が第2酸素閾値より高いか否かを判断する。第2酸素閾値は、第1酸素閾値よりも高い値である。酸素濃度が第2酸素閾値よりも高いと判断したとき、ステップS161に進み、そうでなければ、反映処理を終了する。
【0213】
(ステップS161)情報処理装置100は、エアレーション装置70に指令を送信し、エアレーション装置70にエアレーションを停止させる。これにより、確実に溶存酸素が確保されている状況を維持することができ、かつ、不要なエアレーションが行われることを防止し、省エネルギ化を進めることができる。
【0214】
このように、実施の形態1では、エビ養殖支援システム1により自動的にサンプリングを行ってエビ情報が取得される。したがって、養殖池中のエビ情報を容易に取得することができる。エビ情報は、撮影画像に基づいて画像解析を行うことで取得されたり、画像解析の結果とその他の情報に基づいて取得されたりする。したがって、より高精度なエビ情報を取得することができる。
【0215】
また、エビ養殖支援システム1では、取得されたエビ情報に応じて、反映処理が実行される。反映処理により給餌条件が変更されて、変更後の給餌条件に基づいてその後の給餌が行われるので、エビの成育状況に応じて適切な給餌を行うことができる。したがって、養殖池を良好な環境に維持することができ、かつ、エビに十分な給餌を行うことができる。
【0216】
従来、給餌量の設定にあたっては、一例として、以下のような手法が用いられていた。すなわち、まず、エビの生物量の所定の割合が適切な給餌量であるという仮定の下で、給餌量に基づいて生物量を算出する。すなわち、DOCに対応するABWの参照値を算出する。そして、ABWの参照値に対して、必要な給餌量を算出する(例えば、所定のテーブルを用いて算出するなどしてもよい)。そして、養殖池全体とざるとの面積比と、池全体への餌の供給量との比に基づいて、ざる20上への餌の供給量を算出する。そして、ざる20上の残餌量とざる20上の餌の供給量との比と、池全体への餌の供給量とに基づいて、池全体の残餌量を算出する。そうすると、池全体の餌の摂餌量は、餌の投下量から餌の残餌量を減算して与えられ、池全体の餌の摂餌量に基づいて、エビの個体数を推定することができる。そうすると、エビのABWの参照値が与えられていることから、エビの個体数にABWを乗ずることで、エビの生物量を算出することができる。
【0217】
これに対し、本実施の形態では、実際にサンプリングした結果に基づいて、高精度なエビの生物量を得ることができる。
【0218】
なお、エビへの給餌量は予め決定していた1日の給餌量を1日の給餌回数で除して1回の給餌量が決められるが、エビ養殖支援システム1を活用して、1回ごとの給餌量を自動最適化することが可能である。例えば、N回目の給餌を行った際に給餌xx分後とxx+m分後に自動でざるを持ち上げ、撮影した画像から残餌の有無を判定し、予め設定していた次回の給餌量を調整する。具体的には、例えば、xx分後にすでに残餌が無い場合や、エビの腸の色や大きさから餌がすでに消化されていると判断される場合は、N+1回目の給餌量をN回目の給餌量に対して+Y%とする。xx分後には残餌があるがxx+m分後に残餌がない場合や、エビの腸の色や大きさから餌がすでに消化されていると判断される場合には、給餌量の調整量を0%とする(給餌量を変化させない)。xx+m分後にまだ残餌がある場合や、エビの腸の色や大きさから餌が消化されずに残っていると判断される場合には、−Y%とする。これと同様に、一回の給餌量を調整する代わりに給餌間隔を変更することで一日の給餌量を調整することもできる。このような形で1日の給餌量が最適化されるように調整することで、過給餌を0に近い状態を実現し、水質管理に役立てる他、自動給餌機での1日の給餌量=池全体のエビの摂餌量とすることで正確な生物量の計測にも活用することができる。
【0219】
ここで、本実施の形態においては、カメラ30を用いて、養殖池の濁度を検出することができるようにしてもよい。
【0220】
図15は、同エビ養殖支援システム1で行われる濁度検出処理について説明するフローチャートである。
【0221】
濁度検出処理は、例えば、情報処理装置100からサンプリングを実行する旨の指令が昇降装置40に対して送信されたときに、それに合わせて濁度検出処理藻も行うように指令が出されるようにしてもよい。
【0222】
(ステップS191)濁度検出処理が開始されると、まず、昇降装置40は、ざる20が所定の待機位置にある状態で、カメラ30のキャリブレーションを行う。
【0223】
(ステップS192)昇降装置40は、駆動部45を駆動させて昇降機構41を回転させ、ざる20を徐々に降下させる。
【0224】
(ステップS193)また、昇降装置40は、養殖池の水面位置を検出する。水面位置の検出には、種々の方法を用いることができる。例えば、重量センサ83の計測値の変化に基づいて検出したり、別のセンサを用いて水面位置を検出したりしてもよい。また、ユーザから入力された情報に基づいて水面位置を検出してもよい。水面位置は、濁度を測定する際に用いられる水深の基準となる。
【0225】
(ステップS194)浸漬中画像取得部153は、養殖池に浸かり始めたざる20の浸漬中画像を取得する。
【0226】
(ステップS195)濁度検出部156は、浸漬中画像に基づいて、ざる20が所定の可視条件を満たすか否かを判断する。可視条件を満たすと判断されたとき、ステップS193に戻る。そうでないとき、ステップS196に進む。
【0227】
(ステップS196)位置情報取得部154は、ざる20の上下方向の位置を取得する。すなわち、ざる20について可視条件が満たされなくなった時のざる20の水深が検出される。
【0228】
(ステップS197)濁度検出部156は、可視条件が満たされなくなった時のざる20の水深の値に基づいて、濁度を取得する。例えば、予め水深と濁度とが対応付けられた情報を有しており、その情報と水深とに基づいて、水深に対応する濁度を検出することができる。
【0229】
なお、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現してもよい。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布してもよい。また、このソフトウェアをCD−ROMなどの記録媒体に記録して流布してもよい。なお、本実施の形態における情報処理装置100を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、エビの養殖池から上げられたざるをカメラで撮影することにより得られた撮影画像を取得する撮影画像取得部と、撮影画像取得部により取得された撮影画像を解析する画像解析部と、画像解析部の解析結果に基づいて、養殖池中のエビに関するエビ情報を取得するエビ情報取得部として動作させるための、エビ養殖支援プログラムである。
【0231】
実施の形態2の概要を、上述の実施の形態1とは異なる部分について説明する。実施の形態2では、実施の形態1と同様の内部構成を有する情報処理装置100、給餌装置60、及び昇降装置240が用いられる。本実施の形態では、昇降装置240が給餌装置60の飼料タンク61の内部に設けられている点が実施の形態1とは異なっている。
【0232】
図16は、実施の形態2に係る昇降装置240の構成を示す図である。
【0233】
すなわち、実施の形態2において、カメラ30は、飼料タンク61の内部に、下向きに撮影可能に配置されている。飼料タンク61の下部には、カメラ30がざる20を撮影可能となるように、穴部(図示せず)が形成されている。
【0234】
実施の形態2においては、このように、カメラ30が飼料タンク61の内部にあるため、カメラ30により撮影される撮影画像が、風雪の影響又は日照の影響を受けにくくなる。したがって、屋外の環境要因にかかわらず、高精度のエビ情報を取得することができる。
【0235】
なお、カメラ30のみが飼料タンク61の内部に位置するように構成されていてもよい。
【0237】
実施の形態3の概要を、上述の実施の形態1とは異なる部分について説明する。実施の形態3では、実施の形態1と同様の内部構成を有する情報処理装置100、給餌装置60、及び昇降装置340が用いられる。本実施の形態では、昇降装置340が給餌装置60の飼料タンク61の下に設けられている点が実施の形態1とは異なっている。
【0238】
図17は、実施の形態3に係る昇降装置340の構成を示す図である。
【0239】
すなわち、実施の形態3において、カメラ30は、飼料タンク61の下方に、下向きに撮影可能に配置されている。換言すると、カメラ30は、飼料タンク61の陰になる位置に配置されている。例えば、飼料タンク61を設置するための矢倉に、カメラ30を取り付けるようにすることができる。
【0240】
実施の形態3においては、このように、カメラ30が飼料タンク61の下にあるため、カメラ30により撮影される撮影画像が、風雪の影響又は日照の影響を受けにくくなる。したがって、屋外の環境要因にかかわらず、高精度のエビ情報を取得することができる。
【0241】
なお、カメラ30のみが飼料タンク61の下方に位置するように構成されていてもよい。
【0242】
また、カメラ30を、養殖池上に設置した日除け矢倉の下に設置して、同様の効果が得られるようにしてもよい。
【0244】
実施の形態4の概要を、上述の実施の形態1とは異なる部分について説明する。実施の形態4では、実施の形態1とはざる20の上げ下げを行う方法が異なる昇降装置440が用いられる。
【0245】
図18は、実施の形態4に係る昇降装置440の構成を示す図である。
【0246】
図18において、昇降装置440によりサンプリングが行われている状態であって、ざる20及び環境センサ81が養殖池に浸漬されている状態が示されている。
【0247】
本実施の形態において、昇降装置440は、アーム状の昇降機構441と、駆動部445とを有している。駆動部445は、昇降機構441をその根本部で基礎442に対して支持すると共に、昇降機構441を基礎442に対して回動させることができるように構成されている。駆動部445は、例えば電動機や歯車等で構成されているが、これに限られるものではない。
【0248】
昇降機構441の先端部には、ざる20を保持する吊紐43が取り付けられている。吊紐43には、例えば、環境センサ81と、重量センサ83とが設けられている。重量センサ83により、ざる20の重量情報が得られるようになっている。なお、昇降機構441に生じる応力の大きさや駆動部445の負荷の大きさに基づいてざる20の重量情報を得るようにしてもよい。
【0249】
本実施の形態において、カメラ30は、例えば、昇降機構441の先端部の近くに、ざる20に向けて下向きに撮影可能に取り付けられている。
【0250】
図19は、同昇降装置440のサンプリング時の動作を示す図である。
【0251】
図19においては、
図18に示されるように養殖池に浸漬されているざる20を養殖池から引き上げた状態が示されている。すなわち、
図18に示される状態から、駆動部445を駆動させて、昇降機構441を基礎442に対して上方に回転させることで、ざる20を待機位置まで引き上げることができる。この状態で、カメラ30によりざる20を撮影して撮影画像を得ることにより、上述の実施の形態1と同様に、エビ情報を容易に取得することができる。
【0252】
このようないわゆるロボットアーム状の昇降装置440を用いることによっても、ざる20の上げ下げを実行させ、サンプリングを容易に行うことができるようになる。そのほか、本実施の形態においても、上述の実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0253】
図20は、実施の形態4の一変形例に係る昇降装置440について説明する図である。
【0254】
図20に示されるように、実施の形態4において、カメラ30が陰に隠れるような、カメラ30と給餌装置60の飼料タンク61との位置関係を採用するようにしてもよい。このようにすることによって、屋外の環境要因にかかわらず、高精度のエビ情報を取得することができる。
【0256】
作業者が給餌してもよい。この場合、給餌条件を作業者に通知することにより、作業者が、供給する飼料の量や給餌タイミングを容易に知ることができる。また、作業者が利用者端末装置910を操作して情報を入力することなどにより、情報処理装置100に実際に供給された飼料の量や給餌タイミングが記録されるようにすることが好ましい。
【0257】
また、作業者がざるを昇降させたりしてもよい。この場合、引き上げたざる20が自動的にカメラ30で撮影されるようにすることが好ましいが、これに限られるものではない。例えば、作業者がざる20を引き上げた後にそのざる20をカメラ30で自ら撮影し、撮影により得られた撮影画像を、作業者が利用者端末装置910等を操作して情報処理装置100に送信するようにしてもよい。
【0258】
撮影画像の画像解析からエビ情報の取得が行われるまでの間に、作業者による作業が介在していたり、作業者による作業と情報処理装置により行われる処理とが並行して行われたりするようにしてもよい。例えば、撮影画像を確認した作業者が行う情報の入力を情報処理装置が受け付けて、受け付けられた情報に基づいてエビ情報取得部がエビ情報を取得するようにしてもよい。具体的には、例えば、撮影画像を見た作業者が残餌量を入力し、作業者が入力した残餌量に基づいてエビ情報取得部がエビ情報を取得するようにしてもよい。また、例えば、サンプリングされたエビに関する異常の有無等の情報を、撮影画像を見た作業者が入力し、入力された異常の有無に関する情報をエビ情報取得部がエビ情報として取得するようにしてもよい。この場合、例えば、情報処理装置から作業者が操作する端末装置に対して、撮影画像や撮影画像の解析結果が送信され、その後、作業者が操作する端末装置から送信された情報を情報処理装置が受信するようにすればよい。また、画像解析部が撮影画像の画像解析を行った結果が暫定的なものとして作業者に対して送信されるようにし、送信された情報が適切であるか否かが作業者によって確認されるようにしてもよい。この場合、作業者により適切であることが確認された撮影画像の画像解析結果をに基づいて、エビ情報取得部がエビ情報の取得を行うようにしてもよい。また、例えば、作業者が、撮影画像中に含まれる物体の領域の特定や、その領域の属性(エビであるか、残餌であるか、など)についてのアノテーションを行ったりして、その結果に基づいて画像解析等が行われるようにしてもよい。このように作業者による作業が介在していたり、作業者による作業と情報処理装置により行われる処理とが並行して行われたりする場合においても、撮影画像に基づいてエビ情報を適切に取得することができる。
【0259】
ざるに代えて、例えばバケツやトレイなどの容器を採取器として用いるようにしてもよい。例えばバケツなどのように養殖池の水ごとサンプリングを行うことができる採取器を用いることにより、エビ等の水棲動物が水の中に居る状態のままで撮影することができる。エビ等が暴れないようにして撮影を行うことができる。また、水中における振る舞いを示す撮影画像を取得し、エビ情報を得ることができる。
【0260】
カメラ30として、動画を撮影するカメラを用いて、撮影画像としての動画像を解析することによりエビ情報を求めるようにしてもよい。例えば、所定時間の動画像についてエビの検出を行い、そのエビの移動量等を用いて、エビの活性度をエビ情報として得るようにしてもよい。
【0261】
図21は、上記実施の形態におけるコンピュータシステム800の概観図である。
図22は、同コンピュータシステム800のブロック図である。
【0262】
これらの図においては、本明細書で述べたプログラムを実行して、上述した実施の形態の情報処理装置100等を実現するコンピュータの構成が示されている。上述の実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムで実現されうる。
【0263】
コンピュータシステム800は、CD−ROMドライブを含むコンピュータ801と、キーボード802と、マウス803と、モニタ804とを含む。
【0264】
コンピュータ801は、CD−ROMドライブ8012に加えて、MPU8013と、CD−ROMドライブ8012等に接続されたバス8014と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM8015と、MPU8013に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶するとともに一時記憶空間を提供するためのRAM8016と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するためのハードディスク8017とを含む。ここでは、図示しないが、コンピュータ801は、さらに、LANへの接続を提供するネットワークカードを含んでもよい。
【0265】
コンピュータシステム800に、上述した実施の形態の情報処理装置等の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM8101に記憶されて、CD−ROMドライブ8012に挿入され、さらにハードディスク8017に転送されてもよい。これに代えて、プログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ801に送信され、ハードディスク8017に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM8016にロードされる。プログラムは、CD−ROM8101またはネットワークから直接、ロードされてもよい。
【0266】
プログラムは、コンピュータ801に、上述した実施の形態の情報処理装置等の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティープログラム等は、必ずしも含まなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいればよい。コンピュータシステム800がどのように動作するかは周知であり、詳細な説明は省略する。
【0267】
なお、上記プログラムにおいて、情報を送信する送信ステップや、情報を受信する受信ステップなどでは、ハードウェアによって行われる処理、例えば、送信ステップにおけるモデムやインターフェースカードなどで行われる処理(ハードウェアでしか行われない処理)は含まれない。
【0268】
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0269】
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段は、物理的に一の媒体で実現されてもよいことはいうまでもない。
【0270】
また、上記各実施の形態において、各処理(各機能)は、単一の装置(システム)によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい(この場合、分散処理を行う複数の装置により構成されるシステム全体を1つの「装置」として把握することが可能である)。
【0271】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0272】
上述の複数の実施の形態を適宜組み合わせた実施の形態を構成してもよい。例えば、上述の実施の形態の構成そのものに限られず、上述の実施の形態のそれぞれの構成要素について、適宜、他の実施の形態の構成要素と置換したり組み合わせたりしてもよい。また、上述の実施の形態のうち、一部の構成要素や機能が省略されていてもよい。
【0273】
また、以上の実施の形態に係る構成と同様の構成を有し、エビとは異なる他の甲殻類の動物や、貝類、魚類に属する動物など、他の水棲動物を養殖の対象とする水棲動物養殖支援システムを構成してもよい。
【解決手段】水棲動物養殖支援システム1は、水棲動物の養殖池から上げられた採取器20をカメラ30で撮影することにより得られた撮影画像を取得する撮影画像取得部151と、撮影画像取得部151により取得された撮影画像を解析する画像解析部155と、画像解析部155の解析結果に基づいて、養殖池中の水棲動物に関する水棲動物情報を取得する水棲動物情報取得部157とを備える。