(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
外部から操作可能な外部操作手段をさらに有し、前記導通維持手段は前記外部操作手段が操作されたときに前記導通維持通電を行うように構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の警報器。
さらに、前記導通維持通電を定期的に行わせる定期通電手段、及び/又は、前記警報器の警報機能の検査を行うと共に前記警報機能の検査時に前記導通維持通電を行わせる保守手段が設けられている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の警報器。
前記コネクタの接触抵抗を定期的に検査し、前記接触抵抗の検査が不良判定となる場合に前記導通維持通電を行わせる導通検査手段が設けられている請求項1〜5のいずれか1項に記載の警報器。
さらに、前記導通維持通電後に前記コネクタの接触抵抗の事後検査を行い、前記事後検査が不良判定となる場合にユーザーに報知する故障報知手段が設けられている請求項1〜6のいずれか1項に記載の警報器。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明の一実施形態の警報器について、図面を参照しながら説明する。
図1に示されるように、一実施形態の警報器1は、外部環境の状態を検知する検知部2と、検知部2の検知データを処理する制御部3と、制御部3からの制御信号により動作する報知部4とを有している。警報器1は、図示されていないが複数の構成部品で構成されており、警報器1の構成部品の少なくとも1つがコネクタ5を介して警報器1内の他の構成部品と電気的に接続されている。
図1に示される例では、電気部品6がコネクタ5を介して接続されている。そして、制御部3は、コネクタ5に電気的に接続されている導通維持手段7を有している。導通維持手段7は所定の時期にコネクタ5の接触部の導通を保つための導通維持通電をコネクタ5に対して行うように構成されている。
【0017】
「導通維持通電」は、コネクタ内の接触体間の接触抵抗を低減するためにコネクタに電流を流すことを意味している。低減により達成される接触抵抗の大きさは、絶対値として規定されるものではなく、コネクタにより接続される構成部品の機能のうち警報器内で求められる機能が問題なく発揮される抵抗値である。そのような好ましい抵抗値への低減は、電流を1回または複数回流すことにより達成されてよい。たとえば、導通維持通電により接触体の接触界面の酸化膜が破壊され、それにより導通性能が回復する。しかしながら、導通の維持もしくは回復の具体的な態様は酸化膜の破壊に限定されず、通電による磁界の変化やアーク放電などによる微小な絶縁性異物の放散であってもよい。また、導通維持通電では、コネクタを介して接続される構成部品の通常動作時の電流と、大きさ(振幅)、通電時間、直流/交流の別、および/または、交流の場合の周波数やデューティ比などが異なる電流が流される。そうすることにより、たとえば、通常動作では破壊し得ない酸化膜が破壊され得る。および/または、ユーザーが導通維持通電による構成部品の動作と通常の動作とを混同することが防がれる。
【0018】
コネクタ5および電気部品6は、
図1上では制御部3内に描かれているが、検知部2から報知部4にわたる二点鎖線Pで囲まれているように、検知部2、制御部3および報知部4のいずれに属する部品であってもよい。警報器1が検知部2、制御部3および報知部4以外の機能ブロックを1つまたは複数含んでいる場合は、コネクタ5および電気部品6はそのような機能ブロックに属するものでもよい。また、コネクタ5を介して電気部品6と電気的に接続される他の構成部品も、検知部2、制御部3、報知部4、および図示されない他の機能ブロックのいずれに属する部品であってもよい。すなわち、
図1では、コネクタ5は導通維持手段7だけに接続されているが、電気部品6は導通維持手段7を構成する部品以外の部品とコネクタ5を介して電気的に接続されていてもよい。
【0019】
検知部2は、主に、警報器1の周囲の監視対象領域の物理現象を監視して監視データを出力する各種のセンサ(図示せず)から構成される。各種のセンサは、たとえば、一酸化炭素(CO)ガス、メタンガス(CH
4)またはプロパンガス(C
3H
8)を検知する各種ガスセンサ、サーミスタなどからなる温度センサ、湿度センサ、または煙センサ、臭気センサなどであってよい。検知部2を構成するセンサの数は1つでも複数でもよく、また、検知部2は異種のセンサを含んでいてもよい。また、検知部2は、各センサの他に、たとえば各センサの出力のレベル調整などを行う周辺回路を含んでいてもよい。検知部2から出力される検知データは制御部3に送られる。
【0020】
制御部3は、好ましくは、入力信号の演算機能、基準値との比較機能、時間経過をモニタするタイマ機能またはカウント機能、ならびに、制御プログラムや各入力データ、および演算結果や比較結果などを記録する記憶機能などを有し、検知部2から送られる検知データを処理する。制御部3は、たとえば、市販のマイコンやASICなどの半導体装置などを含み、内蔵されたプログラムに沿って動作するように構成されている。制御部3には、このようなマイコンなどの他に、EEPROMなどの記憶素子や、トランジスタやダイオードなどの個別半導体素子、抵抗やコンデンサなどの受動素子が含まれていてもよい。制御部3により、警報器1の周囲の環境が異常状態にあるか否かが判断され、その判断に基づく制御信号が報知部4に送られる。
【0021】
報知部4は、たとえば、発光ダイオード、ブザー、スピーカ、および/または、ディスプレイ装置などを有しており、制御部3からの制御信号により動作し、光や音声を発することによりユーザーなどに異常事態の発生を報知する。報知部4は、周囲環境の異常の報知の他に、警報器1の状態、たとえば、電力受給の状態や故障個所の有無などをユーザーに知らせる表示器や音声生成装置を有していてもよい。また、報知部4は、このような各種の報知手段の他に、たとえば、制御部3からの制御信号に基づいてブザーやスピーカなどの駆動電流を生成する駆動装置などを含んでいてもよい。
【0022】
警報器1は、図示されていないが、検知部2、制御部3および報知部4に電力を供給する電源部を備えている。また、前述のように、警報器1は、検知部2、制御部3および報知部4以外に他の機能ブロック、たとえば、検知データを外部の装置などに送ったり、ユーザーの指示を無線で受けたりする通信部などを有していてもよい。検知部2による周囲環境の監視および異常の検出から報知部4による異常事態の報知までの動作は、従来の警報器と同じであるため、その詳細な説明は省略する。
【0023】
コネクタ5は、接触体5aおよび接触体5bを備えており、接触体5aと接触体5bとが結合することにより、接触体5aに接続された導体と接触体5bに接続された導体とを電気的に接続する。
図1には、コネクタ5が2極のコネクタである例が示されているが、コネクタ5の極数は1つでもよく、3つ以上であってもよい。また、
図1には、接触体5aがめす型(ソケット)であり、接触体5bがおす型(プラグ)であるように示されているが、それぞれ逆のタイプであってよい。接触体5a、5bは、導線に接続されるものでも、警報器1の電気回路を形成する配線基板に接続されるものでもよく、或いは、電気部品6の一部として、もしくは、電気部品6に電気的に接続される他の構成部品の一部として形成されているものでもよい。
図1の例ではコネクタ5は接触体5a、5bを収容するハウジング5cを有しているが、コネクタ5は、ハウジングの無いものでもよい。要するに、コネクタ5は、接触体同士の接触により1組または複数組の導体を互いに電気的に接続する、あらゆるタイプの接続部材であってよい。
【0024】
コネクタ5を介して接続される構成部品(
図1の例では電気部品6)は、警報器1を構成する部品であって通電により動作するあらゆる電気部品であってよい。
図1には、電気部品6が2つの電極を備えている例が示されているが、電気部品6の極数は1つでも、3つ以上でもよい。電気部品6は、たとえば、検知部2内の各種センサであってよく、制御部3内の各種の半導体素子や受動素子であってよく、報知部4内のスピーカやブザーもしくは表示部材であってよい。警報器1の構成部品のいずれかである電気部品6がコネクタ5を介して接続されることにより、警報器1の組み立てや、電気部品6の故障時の交換などが容易になることがある。コネクタ5を介して接続される構成部品は、このように特に限定されないが、警報器1の稼働中に常に通電されるのではなく、異常検知時など特定の条件下でのみ通電される電気部品である場合に、本実施形態による導通維持通電は特に有効である。長い非通電期間中の厚い酸化膜の形成を防ぐことができ、いざ警報動作が必要とされるときに警報器1を正常に動作させることができるからである。
【0025】
導通維持手段7は、所定の時期にコネクタ5に電流を流す導通維持通電を行うことによりコネクタ5の接触体5aと接触体5bとの間の導通性を維持する。導通維持手段7は、具体的には、たとえば、制御部3内のマイコンやASICなどの演算装置、演算装置の動作を規定する制御プログラム、制御プログラムが記録されたROMなどの記憶装置もしくは演算装置内の記憶要素、および、演算装置からの信号に基づいてコネクタ5に流す電流を生成する装置などで構成される。電流を生成する装置は、電気部品6の通常の動作時に電気部品6の駆動電流を生成する駆動装置であってよく、図示しない電源部からの給電により動作する増幅器であってよい。導通維持手段7からコネクタ5に電流が流され、それにより、コネクタ5の導通性が維持される。たとえば、コネクタ5内の接触体5a、5b間に酸化膜が形成され、両者間の接触抵抗が電気部品6の正常な動作を阻害するほど大きくなっている場合は、導通維持手段7の通電により酸化膜が破壊され、接触体5a、5b間の導通性が回復することによりコネクタ5の導通性が維持される(以下、導通性の回復を伴う場合も含めて単に「導通性の維持」もしくは「導通維持」という)。
【0026】
導通維持通電によりコネクタ5に流される導通維持電流の態様は、電気部品6の種別に応じて導通維持手段7を構成する制御部3内の演算装置で決定される。たとえば、導通維持電流は交流であっても直流であってもよい。導通維持電流は、電気部品6の通常動作時に流れる電流よりも平均値の大きな直流電流、または、振幅もしくは実効値の大きな交流電流であってよい。また、導通維持電流は、ハイレベルの電流値が電気部品6の通常動作時の電流値よりも高いパルス電流であってよい。導通維持電流の大きさが大きいと、電気部品6の通常動作では破壊されない接触体5a、5b間の酸化膜を破壊できることがある。
【0027】
しかしながら、導通維持電流は、コネクタ5の導通を維持できる値であれば、電気部品6の通常動作時の電流値よりも小さい方が好ましいことがある。たとえば、警報器1が商用電源を要しない電池式の警報器である場合、導通維持電流の電流値が小さい方が、消費電力が小さく、電池を長持ちさせることができる。また、電気部品6が、報知部4を構成するブザーやスピーカまたは発光ダイオードなどである場合にも、導通維持電流の電流値が小さい方が好ましいことがある。ユーザーが認知できない程度の音量または光度の音や光しか生じさせない電流値で通電を行うことにより、ユーザーが周囲環境の異常や警報器1の故障が報知されていると誤認することを防ぐことができる。たとえば、電気部品6の通常動作時に200mA〜300mA程度の電流が流れる場合、導通維持電流は、1桁以上小さい100μA〜10mA程度であることが好ましいことがあり、500μA〜5mA程度であることがより好ましいことがある。
【0028】
また、電気部品6が報知部4を構成するスピーカやブザーなどの音響生成部品であり、通電される電流の周波数に応じた音が生成される場合は、導通維持電流を可聴帯域外の周波数を有する交流電流やパルス電流とすることで、導通維持通電により生じる得る音をユーザーが認知できない音域の音にすることができる。それにより、音量が小さい場合と同様に、ユーザーが異常状態の警報などと誤認することを防ぐことができる。従って、導通維持電流の周波数は、たとえば、20Hz以下、もしくは20kHz以上とすることが好ましいことがある。
【0029】
導通維持手段7が導通維持通電を行う時期は、警報器1の種別や特性、設置場所など種々の事情に応じて適宜設定されてよい。たとえば、検知部からの検知データが、警報には至らないものの所定の閾値を超えて変化した場合に、近々の警報動作に備えて、報知部4内の電気部品6が接続されているコネクタ5に対して導通維持電流が流されてよい。導通維持通電は、これに限らず、ユーザーの求めに応じて行われてもよく、定期的に行われてもよい。導通維持手段7による導通維持通電が行われる種々の時期について、導通維持手段7に導通維持通電を行わせる幾つかの手段を備えた他の実施形態の警報器10(
図2参照)を例に、以下に説明する。
【0030】
図2に示されるように、警報器10は、
図1の警報器1と同様に、検知部2、制御部3、報知部4および導通維持手段7を有しており、さらに、外部操作手段8を有している。なお、
図2では、コネクタ5および電気部品6と、導通維持手段7や外部操作手段8などの各手段との結線の表示は省略されている。外部操作手段8は、ユーザーなどが警報器10を外部から操作できるように警報器10の筐体91(
図3参照)などの一部に設けられ、制御部3に所定の電圧や電気信号を入力したり、制御部3の電気回路の一部を接地したりできるように制御部3に電気的に接続されている。外部操作手段8が設けられることにより、ユーザーが警報器10に所望のタイミングで所望の特定の動作をさせることが可能となる。外部操作手段8はこのように機能し得るものであれば、その具体的な構成は特に限定されず、たとえば、
図3に示されるような押しボタン式やスライド式などのスイッチ類であってよく、多少複雑な情報入力も可能なように幾つかのキーを備えたキーボード、または、タッチパネル式のディスプレイなどであってもよく、警報器とは別体のリモコンや携帯端末などに設けられたスイッチ類などでもよい。そして、実施形態の警報器10では、外部操作手段8の操作状態が直接または間接的に導通維持手段7に伝わるように構成されており、導通維持手段7は外部操作手段8が所定の状態に操作されたときに導通維持通電を行うように構成されている。
【0031】
たとえば、外部操作手段8は、導通維持手段7を構成する制御部3内の演算装置の入力端子の1つと、警報器10の図示しない電源部またはグランド電位との間に接続された押しボタンスイッチであってよい。そして、外部操作手段8が押されると、外部操作手段8に接続された制御部3内の演算装置の入力端子に電源またはグランドと略同電位の電圧が入力され、それをトリガとして導通維持手段7による導通維持通電が行われてもよい。
【0032】
外部操作手段8は、導通維持手段7に導通維持通電を行わせること以外に、警報器10に他の動作をさせるために操作されてもよい。たとえば、外部操作手段8は、ユーザーが警報器10に警報機能の検査を含めたセルフチェックを行わせるときに操作するスイッチであってよい。すなわち、導通維持手段7は、法令で定められた警報器の定期点検時、またはユーザーが所望のタイミングで自主的に行う警報器の点検時に、導通維持通電を行うように構成されていてもよい。法令で定められた点検時に導通維持通電を行うように構成されることにより、長期間非通電状態が継続することなく定期的に導通維持通電が行われることとなる。それによりコネクタ5の導通性が継続的に維持される。なお、外部操作手段8の操作に応じて導通維持通電が行われる場合は、電気部品6が報知部4内のスピーカや表示器などであってもユーザーが認知できるような音や光を発するように導通維持通電が行われるのが好ましいことがある。ユーザーが警報などと誤認することが無く、むしろ正常に点検動作が行われたことを認識できる方が好ましいからである。
【0033】
図2に示されるように、警報器10は、さらに、定期通電手段9、保守手段11および通電制御手段12、導通検査手段13、および故障報知手段14を備えている。各手段は、制御部3や報知部4などと別に記載されているが、制御部3や報知部4、および/または検知部2に属する、警報器10の構成部品、および/または、それらの構成部品が有する特定の機能をもたらす各構成部品内の個々の要素から構成される。各手段は、たとえば、制御部3に属する構成部品および報知部4に属する構成部品の両方を含むこともあるため、各部とは別に記載されている。
【0034】
各手段は、具体的には、たとえば、制御部3内のマイコンやASICなどの演算装置内の演算要素や判定要素、演算装置の動作を規定する制御プログラム、および、制御プログラムが記録されたROMなどの記憶装置もしくは演算装置内の記憶要素などから構成される。各手段は、必要に応じて、経過時間のモニタのための発振子もしくは演算装置内のクロック生成要素、およびカウンタもしくはタイマ要素を含んでいてもよく、また、コネクタ5の接触抵抗測定用の測定回路、測定電流生成要素および電圧検出要素を含んでいてもよい。各手段の動作は、たとえば、制御部3内の記憶装置、もしくは、演算装置内の記憶要素に記録された制御プログラムにより規定されている。マイコンなどの演算装置がこの制御プログラムを実行することにより各手段の所定の動作が遂行される。以下、各手段の動作について順に説明する。
【0035】
定期通電手段9は、導通維持手段7に定期的に導通維持通電を行わせるように構成されている。たとえば、定期通電手段9は、制御部3内の発振子の出力またはマイコンなどの演算装置内のクロック要素のクロックをカウンタでカウントするか、タイマ要素によりモニタする。定期通電手段9は、カウンタのカウント数が所定の数に達するか、タイマ要素により所定の時間の経過が検出されると、導通維持手段7に導通維持通電を行うように、たとえばトリガ信号を送信することにより指示を送る。そして、定期通電手段9は、導通維持手段7に指示を送ると、カウンタもしくはタイマ要素をリセットしたうえで、クロックのカウント動作や時間経過のモニタ動作を継続する。導通維持手段7は、定期通電手段9からの指示を受ける毎に導通維持通電を行う。それにより定期的に導通維持通電が行われ、コネクタ5の導通性が継続的に維持される。
【0036】
定期通電手段9による、定期的な導通維持通電の所定の間隔は、定期通電手段9の動作を規定する制御プログラム内で規定されていてもよいし、別途、ROMなどの記憶要素内に記録されていてもよい。また、所定の間隔は、外部操作手段8の操作によりユーザーなどが適宜変更できるように構成されていてもよい。定期的な導通維持通電の所定の間隔としては2箇月が例示される。厚い酸化膜が形成されることなく、消費電力が節約される。
【0037】
保守手段11は、警報器10の警報機能の検査を行うと共に、その警報機能の検査時に導通維持手段7に導通維持通電を行わせるように構成されている。保守手段11による警報機能の検査は、たとえば、制御部3内のROMなどの記憶装置やマイコンなどの演算装置内の記憶要素内に記録された検査プログラムに沿って実施される。検査プログラムが実行されることにより、検知部2や報知部4が正常に動作し得るか否かが検査される。検査プログラムの実行により遂行される一連の検査プロセスは、従来の警報器で行われるものと同様であってよく、詳細な説明を省略する。
【0038】
保守手段11による警報機能の検査は定期的に行われてもよく、たとえば、ユーザーの要求に応じて行われてもよい。たとえば、外部操作手段8の操作に応じて、保守手段11による警報器の検査が行われてもよい。換言すると、外部操作手段8の操作に応じて行われる前述のセルフチェックや定期点検は、保守手段11による警報器10の警報機能の検査であってよい。たとえば、保守手段11は、保守手段11に入力される信号などの、外部操作手段8の操作に応じた変化を検知し、警報機能の検査プログラムを実行する。そして、保守手段11は、警報機能の検査プログラムの実行の前後もしくは実行中に、トリガ信号などにより導通維持手段7に導通維持通電を行うように指示を送る。
【0039】
通電制御手段12は、導通維持手段7による導通維持通電を制御するように構成されている。たとえば、通電制御手段12は、コネクタ5を流れる電流の停止時、すなわち、コネクタ5に最後に流れた電流が流れ終わった時から所定の期間は、導通維持手段7に導通維持通電を休止させるように構成される。コネクタ5に電流が流れている間はコネクタ5の接触体間に酸化膜などが形成され難いので、コネクタ5に何らかの電流が流された後、所定の期間は導通維持通電を休止することにより、コネクタ5の導通維持を図りながらも消費電力を少なくすることができる。その場合、通電制御手段12は、たとえば、コネクタ5に流れる電流を直接モニタするか、導通維持手段7の動作、または、コネクタ5に接続されていて電気部品6の通常動作時の駆動電流を生成する図示しない駆動装置の動作をモニタするように構成される。すなわち、通電制御手段12は、導通維持手段7の導通維持通電により流れる電流、および電気部品6の通常動作において流れる電流のいずれについても、その電流が流れ終わった時から所定の間、導通維持手段7に導通維持通電を休止させるように構成されてよい。しかしながら、電気部品6の通常動作時の電流値が、たとえば、コネクタ5の接触体間に形成された酸化膜を破壊できるほど大きくない場合は、導通維持手段7による通電後の所定の期間だけ、導通維持通電を休止させるように構成されてよい。
【0040】
図4には、通電制御手段12の動作の一例がフローチャートで示されている。
図4中、ステップS11aおよびS16aは、通電制御手段12の指示を受けて導通維持手段7で行われる動作である。通電制御手段12は、コネクタ5に流れる電流を直接モニタするか、導通維持手段7の動作、もしくは電気部品6の通常動作時の駆動電流を生成する駆動装置の動作をモニタすることによりコネクタ5への通電開始を検知する(ステップS10)。コネクタ5への通電を検知すると、導通維持手段7への信号の送信などにより導通維持通電休止を指示する(ステップS11)。導通維持手段7では、通電制御手段12からの指示を受けて、所定の時期に導通維持通電を行う通常モードから、所定の時期が到来しても導通維持通電を行わない導通維持通電休止モードに状態を遷移させる(ステップS11a)。通電制御手段12は、たとえば、制御部3内のカウンタなどをリセットしたうえで(ステップS12)、コネクタ5の通電状態のモニタを継続する(ステップS13でNの場合のループ)。
【0041】
通電制御手段12は、コネクタ5への電流の停止を検知すると(ステップS13でY)、カウンタをカウントアップして(ステップS14)、カウンタのカウント数が所定の時間に相当する数に達したかどうか判定する(ステップS15)。カウンタのカウント数が所定の値に達していなければ(ステップS15でN)、ステップS14に戻って、ステップS14とS15とのループを繰り返す。カウント数が所定の値に達した場合は(ステップS15でY)、導通維持手段7に導通維持通電休止の解除を通知する(ステップS16)。導通維持手段7では、通電制御手段12からの通知を受けると、所定の時期に導通維持通電を行う通常モードに復帰する(ステップS16a)。なお、ステップS14およびステップS15間のループ中に、再度コネクタ5への通電が行われた場合は、ステップS12に戻ってカウンタをリセットする。
【0042】
なお、通電制御手段12による導通維持通電の休止は、たとえば、定期通電手段9からのトリガによる導通維持通電だけを対象にしてもよく、外部操作手段8や保守手段11からのトリガによる導通維持通電だけを対象にしてもよく、両方を対象にしてもよい。この選択は、導通維持手段7の制御プログラムにより設定されてよい。
【0043】
また、導通維持通電を休止させる所定の期間は特に限定されず、警報器10の設置環境や電気部品6の通常動作時の駆動電流の大きさなどにより選択されてよい。たとえば、1箇月程度の期間に設定される。この程度の期間であれば、電気部品6の機能を阻害するほどの酸化膜は形成され難いと考えられるからである。
【0044】
導通検査手段13は、コネクタ5の接触体5a、5b(
図1参照)間の接触抵抗を検査するように構成されている。また、導通検査手段13は、定期的に、コネクタ5の接触抵抗を検査するように構成されてもよい。さらに、導通検査手段13は、コネクタ5の接触抵抗の検査結果が不良判定となる場合に、導通維持手段7に導通維持通電を行わせるように構成されてもよい。
【0045】
図5には、導通検査手段13によるコネクタ5の接触体5a、5b間の接触抵抗の検査回路の一例である回路13aが示されている。コネクタ5は、第1極51と第2極52とを有している。回路13aは、端子131とグランド電位との間に直列に接続された抵抗体R1、R2およびR3と、コネクタ5の第2極52の接触体5aとグランド電位との間に接続された抵抗体R4とを有している。コネクタ5の第1極51の接触体5aは、抵抗体R1と抵抗体R2との接続点に接続されている。抵抗体R2と抵抗体R3との接続点が端子132として引き出されている。コネクタ5の第1極51の接触体5a、5b間の接触抵抗がRc1として、また、第2極52の接触体5a、5b間の接触抵抗がRc2として、擬似的に破線で示されている。たとえば、端子131、132は、制御部3(
図2参照)内のマイコンなどの演算装置内の電流生成要素および電圧検出要素にそれぞれ接続される。このように、導通検査手段13は、コネクタ5の周囲に接続される抵抗体などからなる検査回路や、制御部3内の演算装置内の電流もしくは電圧生成要素、および、電圧もしくは電流検出要素を含んでいてよい。
【0046】
コネクタ5の第1および第2極51、52の接触体5bは、電気部品6に接続されている。
図5には、電気部品6がスピーカ6aである例が示されている。一方、コネクタ5の第1および第2極51、52の接触体5aは、抵抗体R2、R4の他に駆動回路17にも接続されている。駆動回路17は、電気部品6の通常動作時の駆動電流を生成する駆動装置内の回路である。駆動回路17は、導通維持手段7内の導通維持電流を生成する装置内の回路であってもよい。
【0047】
回路13aを用いた導通検査手段13によるコネクタ5の接触抵抗の検査は、たとえば、次のように行われる。端子131に、制御部3内の演算装置から所定の検査用電流Imが流される。検査用電流Imは抵抗体R1を経て、抵抗体R2およびR3側とコネクタ5側とに分流して、グランド電位に流れ込む。抵抗体R1とR2との接続点N12の電圧V12は、抵抗体R2〜R4、電気部品6の内部抵抗Rp、ならびに、コネクタ5の接触抵抗Rc1およびRc2の合成抵抗Rmと、抵抗体R1との比に応じた電圧となる。そして、電圧V12が抵抗体R2とR3とで分圧されてなる抵抗体R2とR3との接続点N23の電圧V23が、端子132から、制御部3内の演算装置の電圧検出要素に入力される。なお、検査用電流Imの大きさとしては、1μA〜10μA程度が例示される。定期的にコネクタ5の接触抵抗の検査が行われても、消費電力があまり大きくならないため好ましい。
【0048】
制御部3内の演算装置の電圧検出要素により検知された電圧V23が、演算装置内の比較要素などで、記憶要素などに記録された所定の閾値などと比較され、コネクタ5の接触抵抗Rc1、Rc2の良否が判定される。接触抵抗Rc1、Rc2が大きくなると、合成抵抗Rmが大きくなり、それにより電圧V12およびV23がそれぞれ増大するため、電圧V23と、適切な閾値とを比較することにより接触抵抗Rc1、Rc2の良否が判定され得る。
【0049】
抵抗体R1〜R4の値は、コネクタ5の正常時の接触抵抗Rc1、Rc2の大きさや電気部品6の内部抵抗Rpの大きさ、および、制御部3内の演算装置の電源電圧などに応じて適宜選択される。導通検査手段13によるコネクタ5の接触抵抗の検査は、このように、電気部品6の通常動作時の駆動電流を生成する駆動回路17、および導通維持手段7内の導通維持電流の生成回路を用いずに行われてよい。しかしながら、導通検査手段13によるコネクタ5の接触抵抗の検査は、
図5に示される回路を用いる方法に限定されず、他の方法で行われてもよい。
【0050】
導通検査手段13は、コネクタ5の接触抵抗を定期的に検査し、所定の回数または所定の時間連続して検査結果が不良判定となる場合に、導通維持手段7に導通維持通電を行わせるように構成されていてもよい。
図6には、そのように構成された導通検査手段13の動作の一例がフローチャートで示されている。
【0051】
導通検査手段13は、たとえば、制御部3内の2つのカウンタもしくはタイマ要素をリセットし(ステップS20およびS21)、コネクタ5の接触抵抗を検出し(ステップS22)、接触抵抗の良否判定を行う(ステップS23)。
図6の例では、第1カウンタは導通維持手段7に導通維持通電を指示するタイミングを計るために用いられ、第2カウンタはコネクタ5の接触抵抗の検査を行うタイミングを計るために用いられる。また、ステップS22およびS23は、前述の
図5を参照して説明した動作により行われてよい。
【0052】
接触抵抗が良品判定(ステップS23で“OK”)となった場合は、第2カウンタをカウントアップしたうえで(ステップS28)、第2カウンタのカウント数が、定期的な接触抵抗検査の所定の間隔に相当する数に達したか否かを判断する(ステップS29)。第2カウンタのカウント数が所定の数に達していない場合は(ステップS29でN)、ステップS28およびステップS29のループを繰り返し、第2カウンタのカウント数が所定の数に達すると(ステップS29でY)、第2カウンタをリセットし(ステップS30)、ステップS22に戻ってコネクタ5の接触抵抗の検査を行う。
【0053】
また、接触抵抗が不良判定となる場合(ステップS23で“NG”)は、第1カウンタをカウントアップしたうえで(ステップS24)、第1カウンタのカウント数が所定の数に達したかを判定する(ステップS25)。第1カウンタのカウント数が、導通維持手段7により導通維持通電を行う所定の不良判定継続回数、または所定の不良判定継続時間に相当する数に達していない場合(ステップS25でN)は、ステップS28に進む。第1カウンタのカウント数が所定の数に達している場合(ステップS25でY)は、導通維持手段7に導通維持通電を行うように、たとえばトリガ信号を送信することにより指示を送り(ステップS26)、第1カウンタをリセット(ステップS27)したうえで、ステップS28に進む。
【0054】
なお、一度の不良判定で直ぐに導通維持手段7に導通維持通電を行わせる場合は、ステップS20、S24、S25およびS27が省略される。
【0055】
導通維持手段7に導通維持通電を行わせる不良判定継続時間や不良判定継続回数は、ガス漏れ、火災などの警報器の検出対象の種類や設置場所などに応じて設定される。たとえば、導通維持通電を行う不良判定継続時間としては、10時間が例示され、不良判定継続回数としては3600回が例示される。この場合、検査のばらつきなどにより必要以上に頻繁に導通維持通電が行われることが防止され、消費電力が少なくされる。
【0056】
また、コネクタ7の接触抵抗の判定基準も、正常状態での接触抵抗の大きさや接触抵抗増大に対する電気部品6の頑健性、および/または、電気部品6の内部抵抗などに応じて適宜設定される。たとえば、電気部品6の内部抵抗が8Ω程度の場合、電気部品6の内部抵抗を含めたコネクタ7の2極間の抵抗値が100kΩ以上の場合に不良と判定される。この場合も、検査のばらつきなどにより必要以上に頻繁に導通維持通電が行われることが防止され、消費電力が節約され得る。なお、電気部品6の内部抵抗を含めたコネクタ7の2極間の抵抗値とは、たとえば、
図5に示される第1極51の接触体5aから、第1極51の接触体5b、電気部品6および第2極52の接触体5bを介して第2極52の接触体5aに至る経路の抵抗値を意味している。
【0057】
導通検査手段13の動作により、コネクタ5の接触抵抗が不良と判定されたときだけ導通維持通電を行わせることができる。それにより、必要以上に通電が行われることによる電力消費の増大が抑制される。その結果、効率的にコネクタ5の導通性を維持させることができる。しかしながら、導通検査手段13は、定期通電手段9や保守手段11と共に動作してもよい。
【0058】
図2に示される故障報知手段14は、前述の警報器の警報機能の検査や定期点検の結果、警報器の故障が検出された場合にユーザーに報知するように構成されている。従って、故障報知手段14は、好ましくは、報知部4に属するブザーやスピーカなどの音響生成部品および発光ダイオードやディスプレイなどの表示部材の少なくとも1つを含んでいる。故障報知手段14は、警報器10の故障検出に応じて、たとえば、ブザーなどで音響を発生し、および/または、発光ダイオードなどの点灯もしくは点滅により警報器10が故障を抱えていることをユーザーに報知する。
【0059】
故障報知手段14は、導通維持手段7による導通維持通電後に、コネクタ5の接触抵抗の検査(事後検査)を行い、事後検査が不良判定となる場合にユーザーに報知するように構成されていてよい。故障報知手段14による事後検査は、導通検査手段13による接触抵抗の検査と同様の方法で行われてよい。また、導通検査手段13により定期的に接触抵抗の検査が行われている場合は、故障報知手段14による事後検査は、導通検査手段13の動作中の導通維持通電(
図6のステップS26)後に行われてよい。すなわち、コネクタ5の接触抵抗の不良判定が所定の回数もしくは所定の時間継続したために導通維持通電が行われ、その後の接触抵抗の検査でなお不良判定となる場合に故障報知を行うように構成されてよい。なお、その場合、
図6のステップS26後に故障報知手段14により接触抵抗の検査が行われるため、導通検査手段13は、
図6のステップS28に移る前に第2カウンタをリセットするように構成されてもよい。
【0060】
なお、このように導通維持手段7による導通維持通電後でもなお接触抵抗が高く、故障と判定される場合を除いて、導通維持通電後は、酸化膜などによる導通性能の劣化要因は除去されていると考えられる。従って、導通維持通電後に事後検査を行うことにより、酸化膜などと異なる要因による導通性能の低下状態を正確に把握することが可能となることがある。たとえば、コネクタ5の接触体には、経年劣化により微小な変形が生じることがあり、それによる接圧の低下に伴う接触抵抗の増加を検出できることがある。コネクタ55の劣化による警報器10の不具合を防止できることがある。
【0061】
外部操作手段8などを有する実施形態の警報器10の外観の一例が
図3に示されている。警報器10は、
図2に示される検知部2、制御部3および報知部4や、図示されない電源部などを収容する筐体91で外装されており、
図3上、筐体91の下端部に外部操作手段として押しボタンスイッチ8aが設けられている。また、筐体91の、
図3上、左下のコーナー部分には、表示窓94が設けられており、表示窓94を通して表示状態が視認されるように、電源部からの給電状態を示す表示器40が配置されている。表示器40は、コネクタ5で接続される電気部品6であってよく、また、報知部4に属する部品であってよい。
【0062】
図3上、押しボタンスイッチ8aの上方には、警報器10が故障状態にあることを表示する発光ダイオード16、および、検知部2による周囲環境の異常を検出した場合の警報手段として発光ダイオード18a〜18eが、2列にわたって備えられている。発光ダイオード16は、故障報知手段14を構成する表示部材であってよい。また、発光ダイオード18aは規定値を超えるCO
2の検出について、発光ダイオード18bはガス漏れについて、そして発光ダイオード18c〜18eは火災についての警報手段であってよい。発光ダイオード18c〜18eは、火災の程度に応じていずれかだけが、または全部が点灯するように、または、注意喚起のために順に点滅するように制御されてもよい。発光ダイオード18a〜18eは、報知部4に属する部品であってよい。また、筐体91には、
図3上、右上の位置に開口92が設けられ、たとえば、報知部4を構成する図示しないブザーやスピーカなどが開口92の近傍に配置されることにより、それらの鳴動音が筐体91に遮られることなく発せられるようになっている。
【0063】
筐体91の側面には、警報器10の挿抜式の電源スイッチ93が設けられている。警報器10は、
図3上、背面側を部屋の壁や天井に向けて設置される。設置後、安易に停止状態にされることなく常に異常の検出が可能な状態にあるように、比較的ユーザーの手の届き難い位置に電源スイッチ93が設けられている。一方、前述の押しボタンスイッチ8a、表示窓94や各発光ダイオード16、18a〜18e、および開口92は、ユーザーが操作し易く、また光や音を認知し易いように、筐体91の前面(
図3上、正面)に設けられている。本実施形態の警報器10の外観や、開口92および表示窓94の位置、ならびに各発光ダイオードなどの配列は、
図3に例示されるものに限定されず、種々の形状の筐体の任意の位置に配置されてよい。