特許第6695688号(P6695688)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6695688-医療用フットコントロール装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6695688
(24)【登録日】2020年4月24日
(45)【発行日】2020年5月20日
(54)【発明の名称】医療用フットコントロール装置
(51)【国際特許分類】
   A61C 19/00 20060101AFI20200511BHJP
   A61B 18/00 20060101ALI20200511BHJP
   A61G 13/00 20060101ALI20200511BHJP
   H04W 76/10 20180101ALI20200511BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20200511BHJP
【FI】
   A61C19/00 B
   A61B18/00
   A61G13/00 Z
   H04W76/10
   H04W84/10 110
【請求項の数】8
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-242524(P2015-242524)
(22)【出願日】2015年12月11日
(65)【公開番号】特開2016-112417(P2016-112417A)
(43)【公開日】2016年6月23日
【審査請求日】2018年12月4日
(31)【優先権主張番号】10 2014 118 528.5
(32)【優先日】2014年12月12日
(33)【優先権主張国】DE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】502154016
【氏名又は名称】アエスキュラップ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エリック シェーネベルク
【審査官】 小林 睦
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2009/0203349(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0287062(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0001844(US,A1)
【文献】 特開2007−319697(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 19/00
A61B 18/00
G06F 3/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用制御ユニットの操作ユニット(1)と前記医療用制御ユニットの制御装置(2)との無線通信のためのペアリング方法であって、
前記医療用制御ユニットが、医療機器(3)を制御するように配置され、かつ、意図され、
前記操作ユニット(1)が少なくとも2つの操作要素(4、5)を含み、前記少なくとも2つの操作要素(4、5)のそれぞれを使用者が作動した時に、前記制御装置(2)から前記医療機器(3)に制御信号が送信され、
前記制御装置(2)がペアリングモードにあり、
前記少なくとも2つの操作要素(4、5)が、前記制御装置(2)から前記医療機器(3)へ制御信号を出力するための作動とは異なる作動の組合せにおいて作動されると、前記操作ユニット(1)が、少なくとも2つの操作要素(4、5)の使用者による組み合わされた作動によってペアリングモードになり、
前記少なくとも2つの操作要素(4、5)が、前記少なくとも2つの操作要素(4、5)の同時の作動が片手のみまたは片足のみでできないように、互いに間隔を開けて配置され、および/または空間的に分離され、前記操作ユニット(1)が、前記少なくとも2つの操作要素(4、5)の同時の作動によって前記ペアリングモードになる、ペアリング方法。
【請求項2】
前記操作ユニット(1)が、一定期間続く前記少なくとも2つの操作要素(4、5)の組み合わされた作動により、前記ペアリングモードになることを特徴とする、請求項1に記載のペアリング方法。
【請求項3】
前記少なくとも2つの操作要素(4、5)が、互いに空間的に分離されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のペアリング方法。
【請求項4】
前記操作ユニット(1)が足操作スイッチ手段であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のペアリング方法。
【請求項5】
前記操作ユニット(1)が、横に並んで配置された3つの操作要素(4、5、6)を含み、前記操作ユニット(1)が、2つの外側の操作要素(4、5)の使用者による組み合わされた作動によってペアリングモードになることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のペアリング方法。
【請求項6】
前記操作ユニット(1)および前記制御装置(2)がNFCまたはBluetooth(登録商標)を介して通信することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のペアリング方法。
【請求項7】
操作ユニット(1)と、前記操作ユニット(1)と通信するために無線で接続可能であるように適合された制御装置(2)と、を備える医療用制御ユニット、特に足操作制御ユニットであって、
前記操作ユニット(1)が、少なくとも2つの操作要素(4、5)を含み、前記少なくとも2つの操作要素(4、5)のそれぞれを使用者が作動した時に、前記制御装置(2)から医療機器(3)に制御信号が送信され、
前記制御装置(2)が、ペアリングモードであるか、前記ペアリングモードになるように適合され、
前記操作ユニット(1)が、少なくとも2つの操作要素(4、5)を前記制御装置(2)から前記医療機器(3)へ制御信号を出力するときの作動とは異なる作動の組合せにおいて作動させることによる、前記少なくとも2つの操作要素(4、5)の組み合わされた作動により、ペアリングモードになるように適合されており、
前記少なくとも2つの操作要素(4、5)が、前記少なくとも2つの操作要素(4、5)の同時の作動が片手のみまたは片足のみでできないように、互いに間隔を開けて配置され、および/または空間的に分離され、前記操作ユニット(1)が、前記少なくとも2つの操作要素(4、5)の同時の作動によって前記ペアリングモードになる、医療用制御ユニット。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法を実施するように適合され、かつ、配置されている、請求項7に記載の医療用制御ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用制御ユニット、特にフットコントロールユニットの操作ユニット、特に足操作スイッチデバイスと、医療用制御ユニットの制御装置との無線通信のためのペアリング方法に関し、操作ユニットおよび制御装置は互いに無線通信する。さらに、本発明は、操作ユニット、特に足操作スイッチ手段と、それと無線通信するように適合された制御装置とを含む医療用制御ユニット、特にフットコントロールユニットに関し、操作ユニットは、少なくとも2つの操作要素を含み、操作要素のそれぞれの使用者側の作動時に、制御装置によって医療機器に対しそれを制御するために制御信号が出力される。
【背景技術】
【0002】
従来技術から、モータ制御装置および無線フットコントロール装置等、互いに無線通信する2つのコンポーネントまたはデバイスが用いられる、医療用フットコントロール装置が知られている。前記コンポーネントを互いに通信させるために、いわゆるペアリング手順を実行することが知られている。したがって、特別なイベントが使用され、それが発生するとデバイスがペアリングモードに変化する。従来技術では、この目的のために、たとえば追加のスイッチの形態である、別個のデバイスが必要である。別個のデバイスは、通常動作中、実際の制御には不要である。それは、不都合にもフットコントロール装置のコストおよび複雑性を増大させる。特に、医用工学の分野における要件に関して、必然的に防水であるように構成されるデバイスにおける漏水のリスクがさらに増大する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した従来技術から始まり、本発明の基礎にある目的は、医療用制御ユニットのためのペアリング方法とともに、こうした制御ユニット、特に医療用フットコントロール装置を提供することであり、医療用制御ユニットの操作ユニットは、医療用制御ユニットの制御装置と無線で通信し、操作ユニットは制御装置と無線でペアリングされ、この目的のために導入される特別なデバイスは不要である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、医療用制御ユニットの操作ユニットと医療用制御ユニットの制御装置との無線通信または相関のためのペアリング方法によって達成され、医療用制御ユニットは、医療機器を制御するように配置されかつ意図され、操作ユニットは少なくとも2つの操作要素を含み、操作要素のそれぞれの使用者側の作動時または作動によって、制御装置は医療機器に制御信号を出力し、制御装置は、ペアリングモードで提供されるか、前記ペアリングモードになり、操作ユニットは、少なくとも2つの操作要素の組み合わされた使用者側の作動によってペアリングモードになり、少なくとも2つの操作要素は、制御装置から医療機器への制御信号の出力から逸脱する組合せにおいて作動される。医療機器を制御するように命令を入力する操作要素は、いずれにしても操作ユニットに存在するため、ペアリング手順を開始するために別個の操作要素は不要である。したがって、操作ユニットは、有利に単純な構成を有していてもよい。操作ユニットおよび制御装置は、特にNFCまたはBluetooth(登録商標)を介して通信していてもよい。この目的で、たとえばSteute−Wireless(登録商標)無線通信プロトコルが適している。
【0005】
言い換えれば、モータ制御装置は、ペアリングモードで提供されてもよく、またはそれぞれ画面ダイアログを介してペアリングモードにすることができる。使用者が制御装置を介して医療機器を制御するために利用する2つのすでに存在する操作要素は、操作ユニットを等しくペアリングモードにするように用いられる。本発明によれば、好ましくは組合せが使用され、すなわち、不注意により作動される可能性がほとんどなく、かつ通常動作中、すなわち医療機器の実際の制御により発生しない組合せで、操作要素が駆動される。これは、たとえば、操作ユニットの外側または縁に配置された、2つの操作要素、特に外部スイッチの同時の作動であり得る。
【0006】
2つの操作要素は、特に、片足で同時に作動させることができず、または通常の操作から逸脱する足の位置でのみ作動させることができるように、互いに間隔が開けられるように配置することができる。
【0007】
ペアリングモードでは、操作ユニットおよび制御装置は、互いに結合されるか、または相関される。言い換えれば、ペアリング操作では、特定の選択された操作ユニットが、医療機器を制御する特定の制御装置に、前記2つの特定のユニットの無線通信が可能であるように割り当てられる。操作ユニットの制御装置への定義された結合または相関により、所望の操作ユニットが所望の制御装置と排他的に通信することを確実にすることができる。たとえば間違った操作ユニットまたは同時に2つの操作ユニットが同じ制御装置と通信してしまうのを安全に防止することができる。
【0008】
操作ユニットおよび制御装置の正確なまたは所望のペアリングは、特に制御装置におよび/または操作ユニットに識別子を割り当てることによってもたらされてもよい。前記識別子は、たとえば、NFCタグ内に含めてもよい。使用者の視点から、ペアリング操作は、たとえば、制御装置の始動後、いずれの有線操作ユニットも接続されていない状態で、使用者に対して(ペアリングに従って)所望の操作ユニットを制御装置に結合するように要求されるように、行うことができる。要求は、たとえば制御装置のディスプレイに示されてもよい。それを特に図示してもよい。特に、使用者に対して、操作ユニットを制御装置またはそのディスプレイに隣接して結合されるように移動させ、適切な場合は結合を確認させるように要求することができる。このように、操作ユニットの試験を行うことができ、使用者によって確認を提供することができる。こうした使用者側の確認により、操作ユニットをペアリングモードにすることができる。このとき、制御装置および操作ユニットは相関される。ペアリングがNFCを介してもたらされる場合、デバイスの割当が確実であるため、使用者側の確認を省略することができる。しかしながら、使用者に対して、(たとえば、二重鍵作動の場合等)ペアリング結果が望ましくない場合、ペアリングを再度切断する可能性も提供することができる。その後、操作ユニットの機能試験を行うことができる。
【0009】
デバイスレベルでは、本発明によるペアリング方法は、制御装置によっていかなる操作ユニットも検出されなかった場合に、無線モジュール、特にNFCモジュールが起動されることになるかまたは起動されているように、行ってもよい。相関のための動作に対する要求を使用者に出力してもよい。無線モジュールのスイッチを入れてもよい。本発明によれば、このとき、無線モジュールの到達範囲内のNFCタグを探索することができる。
【0010】
制御装置がNFCタグを検出すると、最初にNFCタグを読み出すことができる。操作ユニットのデバイスのタイプを識別するために、識別子を探索することができる。検出されたタグが適切なまたは所望の操作ユニットに属する場合、制御装置は、操作ユニットのHFモジュールのIDを読み出し、それ自体のHFモジュールIDをタグに書き込むように書込みモードに変化することができる。その後、NFC送受信機のスイッチを切ることができる。
【0011】
操作ユニットは、スタンバイモードから立ち上がることができ、または上述した手順によってアクティブ状態に変化することができる。そして、タグに提示されている識別子またはIDを読み出すことができる。さらに、接続の確立を開始し、適切な場合は、たとえばSteute−Wireless(登録商標)を介してこうした接続を確立することができる。制御装置は、操作ユニットの接続試行を受け取り、特に、それを自動的に許容することができる。本発明による方法において操作ユニットをペアリングモードにするために行われる、少なくとも2つの操作要素の組み合わされた使用者側作動により、操作ユニットは、タグに提供された識別子またはIDを読み出してもよい。NFCが使用される場合、操作ユニットは、制御装置の付近まで移動したときにハーベストされた電圧によって自動的に立ち上がるため、二重作動は不要である。代替的にまたは加えて、上記作動は、接続確立を開始し、場合によっては接続を確立することができる。さらに代替的にまたは加えて、上記作動により、操作ユニットは、非動作状態から立ち上がるかまたは起動されてもよい。最後に、上記作動は、特に操作ユニットと制御装置との間の上述した通信に影響を与える必要がないが、医療機器の内部制御のために制御装置に受信されたデータを利用するのに役立ちうる、ペアリング手順の使用者側の確認を形成してもよい。
【0012】
電子機器レベルでは、起動時、NFC送受信機、たとえばCR95HF(ST)は、交番磁界を放出することができ、到達範囲内のタグにアドレス指定しようと試みることができる。操作ユニットにおいて、NFC−EEPROM、たとえばM24LR04E(ST)を構築してもよい。それは、好ましくはフレームアンテナを介してエネルギーハーベスティングによって、送受信機によって放出される交番磁界からその動作エネルギーを取得することができる。送受信機は、正確なパスワードまたは識別子を入力しながら、EEPROM内に含まれるデータを読み出すことができ、制御装置のIDを含むように意図されたセクタを記述することも可能である。このように、このとき、両側において、すなわち操作ユニット側とともに制御装置側において、それぞれの要求された相関またはペアリング情報が提供される。
【0013】
EEPROMは、特にピンにおいて「ハーベストされた」供給電圧を放出してもよい。したがって、操作ユニットのマイクロコントローラは、ハードウェア割込によって立ち上がるかまたは起動することができる。EEPROMの動作電圧をオンに切り換えることができる。EEPROMからの接続データを、たとえばICを介して読み出すことができる。EEPROM供給電圧を再度オフに切り換えることができ、たとえばSteute−Wireless(登録商標)によって制御装置への接続を確立してもよい。
【0014】
操作ユニットは、特に、足操作スイッチ手段または手動コントロールであってもよい。それは、次に医療機器を制御する制御装置と無線で通信する。操作ユニットの操作要素は、使用者によって制御装置を介して医療機器を制御するように作動させる、好ましくはスイッチまたはペダルとすることができる。少なくとも2つの操作要素を、特に2つの操作要素を同時に作動させることによってペアリングモードにすることができる。一実施形態では、少なくとも2つの操作要素を、互いから空間的に分離し、および/または間隔を開けて配置してもよい。特に、それらは、2つの操作要素の同時の作動またはペアリングに必要な組合せにおける両操作要素の作動が、両手でまたは両足でのみ可能であるように、互いから間隔を開けて配置され、および/または空間的に分離されていてもよい。このように、ペアリング動作には操作ユニットの故意の使用者側作動が必要であり、ペアリング動作の不注意による開始は排除される。
【0015】
一実施形態では、操作ユニットは、3つの並置された操作要素を含んでいてもよく、特に、2つの外側操作要素の使用者側の組み合わされた作動によって、ペアリングモードになってもよい。この種の操作要素の配置は、本発明による方法を適用するために既知のハードウェアを採用することができるように、足操作スイッチング手段の場合に特に有用である。
【0016】
操作要素、特にペアリング手順のための組合せで駆動される操作要素は、操作手段の積重ねにより2つの側部スイッチを作動させることができないように、というのもこれはペアリング手順に必要となろうから、本発明の提案に従って構造的に設計される。
【0017】
さらなる実施形態によれば、操作ユニットは、一定期間、好ましくは2秒間から4秒間、より好ましくは3秒間続く、少なくとも2つの操作要素の組み合わされた作動によって、ペアリングモードになることができる。こうした期間は、特に、存在する可能性がある欠陥を検出するために操作ユニットのセルフテストを実行するために使用することができる。
【0018】
装置側では、本発明の基礎をなす目的は、操作ユニットと、それと無線で通信するように適合された制御装置とを備える、医療用制御ユニット、特に医療用フットコントロールユニットによって達成される。操作ユニットは、少なくとも2つの操作要素を含む。操作要素のそれぞれ使用者側の作動時、制御信号が、医療機器を制御するため、制御装置によって医療機器に送信される。制御装置は、ペアリングモードであるように、またはこうしたペアリングモードになるように配置されている。操作ユニットは、少なくとも2つの操作要素の組み合わされた作動によってペアリングモードになることができる。この目的で、少なくとも2つの操作要素は、制御装置から医療機器への制御信号の出力から逸脱する組合せで作動させなければならない。本発明による医療用制御ユニットは、本発明による方法、特に添付の請求項のいずれか1つによる方法を実施するように、特に適しておりかつ構成されている。
【0019】
一実施形態によれば、操作ユニットおよび/または操作装置のNFC送受信機は、交番磁界が放出されるフレームアンテナを含んでいてもよい。フレームアンテナの表面積が広いほど、到達範囲を広げることができる傾向がある。通常の場合、到達範囲は5cmから10cmである。アンテナは、好ましくは、制御装置に組み込まれる。それは、特に、PCBアンテナまたはホイルアンテナまたはフェライトホイルであってもよい。通常は、アンテナを、周波数および送受信機ICに正確に同調させまたは適合させなければならない。
【0020】
操作ユニットは、適切な回路を有する、特にM24LR04E型のNFC−EEPROMを含んでいてもよい。NFC−EEPROMは、好ましくは、ICバス用の少なくとも1つのプルアップ、電圧供給を切り替えるFETおよび/またはブロック型コンデンサを含む。
【0021】
一実施形態では、制御装置は、特にさまざまな低位のSMDコンデンサおよび抵抗器を備えるアダプタネットワークとクオーツとを備える、CR95HF型のNFC送受信機を含んでいてもよい。
【0022】
一実施形態によれば、操作ユニットと制御装置との間で、たとえば一定の間隔(たとえば、5秒毎)で特定の一定期間(たとえば、3分間)にわたってpingを送信することにより、接点信号が反復的に交換される。
【0023】
本発明の一実施形態では、操作ユニットが、規定された期間に制御装置に到達しないかまたは制御装置に到達しなかった場合、ペアリング手順は停止し、相手の識別子はキャンセルされるかまたは無効としてマークされ、操作ユニットは、スリープモードまたはスタンバイモードに変化する。
【0024】
別の実施形態によれば、制御装置のスイッチが切られた場合、組み込まれた「リアルタイムクロック」(RTC)がリセットされる。前記リアルタイムクロックは、適切に寸法が決められたバッファコンデンサに接続してもよく、したがって実行し続ける。制御装置が再度始動されると、現RTCステータスを評価することができる。現RTCステータスが定義された値(たとえば、5分間)未満である場合、最新で相関された操作ユニットの預けられた相手の識別子は有効であり続け、前記操作ユニットの信号は、制御装置によって処理され、特に、制御装置の送受信機は、操作ユニットの信号に応答するように適合される。しかしながら、RTCステータスの値が定義された限界であるかそれを超える場合、相手の識別子をキャンセルするかまたは無効であるようにマークすることができる。
【0025】
本発明のさらなる特徴および利点は、本発明の以下の例示的な説明から、かつ特に好ましく限定しない実施形態から、単に本発明の理解に役立つ図により、もたらされるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明による方法を実施する操作ユニットの概略上面図である。
図2】本発明による例示的な方法のフローの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1では、足操作スイッチングユニット1が操作ユニット1として示されている。それはハウジング7を含み、ハウジング7には、縁部側のフットスイッチ4の形態の第1操作要素4(以下、スイッチS4とも呼ぶ)と、ハウジング7のフットスイッチ4と反対側に配置されたフットスイッチ5の形態の第2操作要素5(以下、スイッチS5とも呼ぶ)と、中央スイッチ6(以下、スイッチS6とも呼ぶ)が配置されている。フットスイッチ4、フットスイッチ5および中央スイッチ6の各々は、医療機器の医療用途に対して足操作スイッチングユニット1によって制御される医療機器3を、使用者が制御するために作動させる操作要素である。
【0028】
図に示すように、足操作スイッチングユニット1は、制御装置2と無線通信する。制御装置2は、医療機器3を無線でおよび/または適切な回線10を介して制御する。
【0029】
フットスイッチ4と中央スイッチ6との間と、フットスイッチ5と中央スイッチ6との間にそれぞれ、ランド部8、9が配置されている。間違ったスイッチの不注意によるまたは意図しない作動を回避することができるように、ランド部により、前記スイッチ4、5、6の間に隙間または空間が設けられている。
【0030】
中央スイッチ6と差向いに、フットスイッチ4、5は、ハウジング7の方向に凹陥されるように配置されまたは形成されている。この構成のために、2つの縁部側のフットスイッチ4、5は、互いに組み合わせてまたは片足のみによって同時にでさえ作動させることができない。したがって、縁部側のフットスイッチ4、5の組み合わされたおよび/または同時の作動は、使用者の両足による意図的な作動によってのみ可能である。これにより、本発明による図に示す操作ユニット1と制御ユニット2とのペアリングをもたらすこうした作動は、不注意により開始することはできないことが確実になる。
【0031】
図2は、本方法の例示的なフローを概略的に示す。本方法は、使用者または操作者が医療機器3および制御装置2を起動することで開始する。操作ユニット1は、この時点では、スイッチが切られており、および/またはアイドルモード(スリープモード)である。
【0032】
起動後、制御装置2は、操作ユニット1がケーブル接続されているか否かを確認する。こうしたケーブル接続された操作ユニット1が検出されると、適切な情報が使用者に出力され、使用者側がケーブル接続された操作ユニット1に制御命令を入力することにより、制御装置2を介して医療機器3が制御される。
【0033】
ケーブル接続された操作ユニット1が検出されない限り、制御装置2は、ペアリングモードに変化する。代替的に、制御装置2は、直接ペアリングモードに変化するか、ペアリングモードにされてもよい。後者の場合、制御装置2の無線モジュールが作動され、ペアリング手順を開始するための要求が使用者に出力される。図示する例では、ペアリング手順は、使用者が操作ユニット1のスイッチS4およびS5を特定の期間、たとえば3秒間、同時に作動させることによって開始される。
【0034】
こうしたペアリング手順を開始する使用者側の作動により、操作ユニット1およびその無線モジュールが作動される。一方、制御装置2は、その無線モジュールによって、付近に提供される操作ユニット1の外部無線モジュールを探索する。制御装置2は、たとえば、特に識別子またはパスワードを交換することにより、ペアリングが実行される操作ユニット1を検出する。ペアリングが達成された後、ペアリングが正しく完了したという情報が使用者に出力される。
【0035】
そして、使用者は、制御装置2を介して操作ユニット1のスイッチS4、S5、S6を作動させることにより医療機器3を制御することができる。スイッチS4の作動時、制御装置2は、医療機器3に適切な命令を出力する。これは、スイッチS5またはS6が作動されたときに必要な変更を加えて適用される。医療機器3の制御に必要な操作ユニット1のスイッチの作動は、ペアリングを開始するために必要なスイッチS4およびS5の同時作動とは異なる。
【0036】
制御装置2と無線通信する操作ユニット1を介する医療機器3の制御は、制御装置2が使用者または操作ユニット1によって結合が解除され、および/または制御装置2のスイッチが切られるか、制御装置2が所定期間使用されなくなるまで可能である。
以下の項目は、本出願時の特許請求の範囲に記載の要素である。
(項目1)
医療用制御ユニットの操作ユニット(1)と前記医療用制御ユニットの制御装置(2)との無線通信のためのペアリング方法であって、
前記医療用制御ユニットが、医療機器(3)を制御するように配置され、かつ、意図され、
前記操作ユニット(1)が少なくとも2つの操作要素(4、5)を含み、前記操作要素(4、5)のそれぞれの使用者側の作動時に、前記制御装置(2)から前記医療機器(3)に制御信号が送信され、
前記制御装置(2)がペアリングモードにあり、
前記操作ユニット(1)が、少なくとも2つの操作要素(4、5)の使用者側の組み合わされた作動によってペアリングモードになり、前記少なくとも2つの操作要素(4、5)が、前記制御装置(2)から前記医療機器(3)への制御信号の出力から逸脱する組合せにおいて作動される、ペアリング方法。
(項目2)
前記操作ユニット(1)が少なくとも2つの操作要素(4、5)を含み、前記操作ユニット(1)が、前記2つの操作要素(4、5)の同時の作動によって前記ペアリングモードになることを特徴とする、項目1に記載のペアリング方法。
(項目3)
前記操作ユニット(1)が、一定期間、好ましくは2秒間から4秒間、より好ましくは3秒間続く前記少なくとも2つの操作要素(4、5)の組み合わされた作動により、前記ペアリングモードになることを特徴とする、項目1または2に記載のペアリング方法。
(項目4)
前記少なくとも2つの操作要素(4、5)が、互いに空間的に分離されていることを特徴とする、項目1〜3のいずれか一項に記載のペアリング方法。
(項目5)
前記少なくとも2つの操作要素(4、5)が、前記2つの操作要素(4、5)の同時の作動が両手でまたは両足によってのみ可能であるように、互いに間隔を開けて配置され、および/または空間的に分離されていることを特徴とする、項目1〜4のいずれか一項に記載のペアリング方法。
(項目6)
前記操作ユニット(1)が足操作スイッチ手段であることを特徴とする、項目1〜5のいずれか一項に記載のペアリング方法。
(項目7)
前記操作ユニット(1)が、横に並んで配置された3つの操作要素(4、5、6)を含み、前記操作ユニット(1)が、2つの外側の操作要素(4、5)の使用者側の組み合わされた作動によってペアリングモードになることを特徴とする、項目1〜6のいずれか一項に記載のペアリング方法。
(項目8)
前記操作ユニット(1)および前記制御装置(2)がNFCまたはBluetoothを介して通信することを特徴とする、項目1〜7のいずれか一項に記載のペアリング方法。
(項目9)
操作ユニット(1)と、前記操作ユニット(1)と通信するために無線で接続可能であるように適合された制御装置(2)とを備える医療用制御ユニット、特に足操作制御ユニットであって、前記操作ユニット(1)が、少なくとも2つの操作要素(4、5)を含み、前記操作要素(4、5)のそれぞれの使用者側の作動時に、前記制御装置(2)から前記医療機器(3)に制御信号が送信され、前記制御装置(2)が、ペアリングモードであるか、前記ペアリングモードになるように適合され、前記操作ユニット(1)が、少なくとも2つの操作要素(4、5)を前記制御装置(2)から前記医療機器(3)への制御信号の出力から逸脱する組合せにおいて作動させることによる、前記少なくとも2つの操作要素(4、5)の組み合わされた作動により、ペアリングモードになるように適合されている医療用制御ユニット。
(項目10)
項目1〜8のいずれか一項に記載の方法を実施するように適合され、かつ、配置されている、項目9に記載の医療用制御ユニット。

図1
図2