【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、医療用制御ユニットの操作ユニットと医療用制御ユニットの制御装置との無線通信または相関のためのペアリング方法によって達成され、医療用制御ユニットは、医療機器を制御するように配置されかつ意図され、操作ユニットは少なくとも2つの操作要素を含み、操作要素のそれぞれの使用者側の作動時または作動によって、制御装置は医療機器に制御信号を出力し、制御装置は、ペアリングモードで提供されるか、前記ペアリングモードになり、操作ユニットは、少なくとも2つの操作要素の組み合わされた使用者側の作動によってペアリングモードになり、少なくとも2つの操作要素は、制御装置から医療機器への制御信号の出力から逸脱する組合せにおいて作動される。医療機器を制御するように命令を入力する操作要素は、いずれにしても操作ユニットに存在するため、ペアリング手順を開始するために別個の操作要素は不要である。したがって、操作ユニットは、有利に単純な構成を有していてもよい。操作ユニットおよび制御装置は、特にNFCまたはBluetooth(登録商標)を介して通信していてもよい。この目的で、たとえばSteute−Wireless(登録商標)無線通信プロトコルが適している。
【0005】
言い換えれば、モータ制御装置は、ペアリングモードで提供されてもよく、またはそれぞれ画面ダイアログを介してペアリングモードにすることができる。使用者が制御装置を介して医療機器を制御するために利用する2つのすでに存在する操作要素は、操作ユニットを等しくペアリングモードにするように用いられる。本発明によれば、好ましくは組合せが使用され、すなわち、不注意により作動される可能性がほとんどなく、かつ通常動作中、すなわち医療機器の実際の制御により発生しない組合せで、操作要素が駆動される。これは、たとえば、操作ユニットの外側または縁に配置された、2つの操作要素、特に外部スイッチの同時の作動であり得る。
【0006】
2つの操作要素は、特に、片足で同時に作動させることができず、または通常の操作から逸脱する足の位置でのみ作動させることができるように、互いに間隔が開けられるように配置することができる。
【0007】
ペアリングモードでは、操作ユニットおよび制御装置は、互いに結合されるか、または相関される。言い換えれば、ペアリング操作では、特定の選択された操作ユニットが、医療機器を制御する特定の制御装置に、前記2つの特定のユニットの無線通信が可能であるように割り当てられる。操作ユニットの制御装置への定義された結合または相関により、所望の操作ユニットが所望の制御装置と排他的に通信することを確実にすることができる。たとえば間違った操作ユニットまたは同時に2つの操作ユニットが同じ制御装置と通信してしまうのを安全に防止することができる。
【0008】
操作ユニットおよび制御装置の正確なまたは所望のペアリングは、特に制御装置におよび/または操作ユニットに識別子を割り当てることによってもたらされてもよい。前記識別子は、たとえば、NFCタグ内に含めてもよい。使用者の視点から、ペアリング操作は、たとえば、制御装置の始動後、いずれの有線操作ユニットも接続されていない状態で、使用者に対して(ペアリングに従って)所望の操作ユニットを制御装置に結合するように要求されるように、行うことができる。要求は、たとえば制御装置のディスプレイに示されてもよい。それを特に図示してもよい。特に、使用者に対して、操作ユニットを制御装置またはそのディスプレイに隣接して結合されるように移動させ、適切な場合は結合を確認させるように要求することができる。このように、操作ユニットの試験を行うことができ、使用者によって確認を提供することができる。こうした使用者側の確認により、操作ユニットをペアリングモードにすることができる。このとき、制御装置および操作ユニットは相関される。ペアリングがNFCを介してもたらされる場合、デバイスの割当が確実であるため、使用者側の確認を省略することができる。しかしながら、使用者に対して、(たとえば、二重鍵作動の場合等)ペアリング結果が望ましくない場合、ペアリングを再度切断する可能性も提供することができる。その後、操作ユニットの機能試験を行うことができる。
【0009】
デバイスレベルでは、本発明によるペアリング方法は、制御装置によっていかなる操作ユニットも検出されなかった場合に、無線モジュール、特にNFCモジュールが起動されることになるかまたは起動されているように、行ってもよい。相関のための動作に対する要求を使用者に出力してもよい。無線モジュールのスイッチを入れてもよい。本発明によれば、このとき、無線モジュールの到達範囲内のNFCタグを探索することができる。
【0010】
制御装置がNFCタグを検出すると、最初にNFCタグを読み出すことができる。操作ユニットのデバイスのタイプを識別するために、識別子を探索することができる。検出されたタグが適切なまたは所望の操作ユニットに属する場合、制御装置は、操作ユニットのHFモジュールのIDを読み出し、それ自体のHFモジュールIDをタグに書き込むように書込みモードに変化することができる。その後、NFC送受信機のスイッチを切ることができる。
【0011】
操作ユニットは、スタンバイモードから立ち上がることができ、または上述した手順によってアクティブ状態に変化することができる。そして、タグに提示されている識別子またはIDを読み出すことができる。さらに、接続の確立を開始し、適切な場合は、たとえばSteute−Wireless(登録商標)を介してこうした接続を確立することができる。制御装置は、操作ユニットの接続試行を受け取り、特に、それを自動的に許容することができる。本発明による方法において操作ユニットをペアリングモードにするために行われる、少なくとも2つの操作要素の組み合わされた使用者側作動により、操作ユニットは、タグに提供された識別子またはIDを読み出してもよい。NFCが使用される場合、操作ユニットは、制御装置の付近まで移動したときにハーベストされた電圧によって自動的に立ち上がるため、二重作動は不要である。代替的にまたは加えて、上記作動は、接続確立を開始し、場合によっては接続を確立することができる。さらに代替的にまたは加えて、上記作動により、操作ユニットは、非動作状態から立ち上がるかまたは起動されてもよい。最後に、上記作動は、特に操作ユニットと制御装置との間の上述した通信に影響を与える必要がないが、医療機器の内部制御のために制御装置に受信されたデータを利用するのに役立ちうる、ペアリング手順の使用者側の確認を形成してもよい。
【0012】
電子機器レベルでは、起動時、NFC送受信機、たとえばCR95HF(ST)は、交番磁界を放出することができ、到達範囲内のタグにアドレス指定しようと試みることができる。操作ユニットにおいて、NFC−EEPROM、たとえばM24LR04E(ST)を構築してもよい。それは、好ましくはフレームアンテナを介してエネルギーハーベスティングによって、送受信機によって放出される交番磁界からその動作エネルギーを取得することができる。送受信機は、正確なパスワードまたは識別子を入力しながら、EEPROM内に含まれるデータを読み出すことができ、制御装置のIDを含むように意図されたセクタを記述することも可能である。このように、このとき、両側において、すなわち操作ユニット側とともに制御装置側において、それぞれの要求された相関またはペアリング情報が提供される。
【0013】
EEPROMは、特にピンにおいて「ハーベストされた」供給電圧を放出してもよい。したがって、操作ユニットのマイクロコントローラは、ハードウェア割込によって立ち上がるかまたは起動することができる。EEPROMの動作電圧をオンに切り換えることができる。EEPROMからの接続データを、たとえばI
2Cを介して読み出すことができる。EEPROM供給電圧を再度オフに切り換えることができ、たとえばSteute−Wireless(登録商標)によって制御装置への接続を確立してもよい。
【0014】
操作ユニットは、特に、足操作スイッチ手段または手動コントロールであってもよい。それは、次に医療機器を制御する制御装置と無線で通信する。操作ユニットの操作要素は、使用者によって制御装置を介して医療機器を制御するように作動させる、好ましくはスイッチまたはペダルとすることができる。少なくとも2つの操作要素を、特に2つの操作要素を同時に作動させることによってペアリングモードにすることができる。一実施形態では、少なくとも2つの操作要素を、互いから空間的に分離し、および/または間隔を開けて配置してもよい。特に、それらは、2つの操作要素の同時の作動またはペアリングに必要な組合せにおける両操作要素の作動が、両手でまたは両足でのみ可能であるように、互いから間隔を開けて配置され、および/または空間的に分離されていてもよい。このように、ペアリング動作には操作ユニットの故意の使用者側作動が必要であり、ペアリング動作の不注意による開始は排除される。
【0015】
一実施形態では、操作ユニットは、3つの並置された操作要素を含んでいてもよく、特に、2つの外側操作要素の使用者側の組み合わされた作動によって、ペアリングモードになってもよい。この種の操作要素の配置は、本発明による方法を適用するために既知のハードウェアを採用することができるように、足操作スイッチング手段の場合に特に有用である。
【0016】
操作要素、特にペアリング手順のための組合せで駆動される操作要素は、操作手段の積重ねにより2つの側部スイッチを作動させることができないように、というのもこれはペアリング手順に必要となろうから、本発明の提案に従って構造的に設計される。
【0017】
さらなる実施形態によれば、操作ユニットは、一定期間、好ましくは2秒間から4秒間、より好ましくは3秒間続く、少なくとも2つの操作要素の組み合わされた作動によって、ペアリングモードになることができる。こうした期間は、特に、存在する可能性がある欠陥を検出するために操作ユニットのセルフテストを実行するために使用することができる。
【0018】
装置側では、本発明の基礎をなす目的は、操作ユニットと、それと無線で通信するように適合された制御装置とを備える、医療用制御ユニット、特に医療用フットコントロールユニットによって達成される。操作ユニットは、少なくとも2つの操作要素を含む。操作要素のそれぞれ使用者側の作動時、制御信号が、医療機器を制御するため、制御装置によって医療機器に送信される。制御装置は、ペアリングモードであるように、またはこうしたペアリングモードになるように配置されている。操作ユニットは、少なくとも2つの操作要素の組み合わされた作動によってペアリングモードになることができる。この目的で、少なくとも2つの操作要素は、制御装置から医療機器への制御信号の出力から逸脱する組合せで作動させなければならない。本発明による医療用制御ユニットは、本発明による方法、特に添付の請求項のいずれか1つによる方法を実施するように、特に適しておりかつ構成されている。
【0019】
一実施形態によれば、操作ユニットおよび/または操作装置のNFC送受信機は、交番磁界が放出されるフレームアンテナを含んでいてもよい。フレームアンテナの表面積が広いほど、到達範囲を広げることができる傾向がある。通常の場合、到達範囲は5cmから10cmである。アンテナは、好ましくは、制御装置に組み込まれる。それは、特に、PCBアンテナまたはホイルアンテナまたはフェライトホイルであってもよい。通常は、アンテナを、周波数および送受信機ICに正確に同調させまたは適合させなければならない。
【0020】
操作ユニットは、適切な回路を有する、特にM24LR04E型のNFC−EEPROMを含んでいてもよい。NFC−EEPROMは、好ましくは、I
2Cバス用の少なくとも1つのプルアップ、電圧供給を切り替えるFETおよび/またはブロック型コンデンサを含む。
【0021】
一実施形態では、制御装置は、特にさまざまな低位のSMDコンデンサおよび抵抗器を備えるアダプタネットワークとクオーツとを備える、CR95HF型のNFC送受信機を含んでいてもよい。
【0022】
一実施形態によれば、操作ユニットと制御装置との間で、たとえば一定の間隔(たとえば、5秒毎)で特定の一定期間(たとえば、3分間)にわたってpingを送信することにより、接点信号が反復的に交換される。
【0023】
本発明の一実施形態では、操作ユニットが、規定された期間に制御装置に到達しないかまたは制御装置に到達しなかった場合、ペアリング手順は停止し、相手の識別子はキャンセルされるかまたは無効としてマークされ、操作ユニットは、スリープモードまたはスタンバイモードに変化する。
【0024】
別の実施形態によれば、制御装置のスイッチが切られた場合、組み込まれた「リアルタイムクロック」(RTC)がリセットされる。前記リアルタイムクロックは、適切に寸法が決められたバッファコンデンサに接続してもよく、したがって実行し続ける。制御装置が再度始動されると、現RTCステータスを評価することができる。現RTCステータスが定義された値(たとえば、5分間)未満である場合、最新で相関された操作ユニットの預けられた相手の識別子は有効であり続け、前記操作ユニットの信号は、制御装置によって処理され、特に、制御装置の送受信機は、操作ユニットの信号に応答するように適合される。しかしながら、RTCステータスの値が定義された限界であるかそれを超える場合、相手の識別子をキャンセルするかまたは無効であるようにマークすることができる。
【0025】
本発明のさらなる特徴および利点は、本発明の以下の例示的な説明から、かつ特に好ましく限定しない実施形態から、単に本発明の理解に役立つ図により、もたらされるであろう。