(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態における作業支援システムを示している。
作業支援システムは、作業を行う作業機1の支援を行うことが可能なシステムである。作業機とは、農業機械、建設機械等であって、農業機械は、トラクタ、コンバイン、田植機等である。以下、農業機械の1つであるトラクタ1を例にとり説明する。トラクタ1には、作業装置2を設けることが可能である。
【0012】
まず、トラクタ1の全体構成について説明する。
図9に示すように、トラクタ1は、車輪を有する走行車両(走行車体)3と、ディーゼルエンジン等の原動機4と、変速装置5とを備えている。また、走行車体3には運転席6と、運転席6を囲むキャビン7とが設けられている。また、走行車体3の後部には、3点リンク機構等で構成された連結部8が設けられている。連結部8には、作業装置2が着脱可能である。作業装置2を連結部8に連結することによって、走行車体3によって作業装置2を牽引することができる。
【0013】
作業装置2は、肥料、薬剤等の散布剤を散布することが可能な散布装置である。散布装置2は、散布剤を貯留可能な容器2aと、容器2aに設けられ且つ容器2a内の散布剤を外部に散布する散布機構2bとを備えている。散布機構2bは、例えば、開閉式のシャッター等で構成され、シャッターの開閉の動作によって散布剤を散布することが可能である。なお、散布装置2(散布機構2b)は、
図9に示したものに限定されず、容器2a内の散布剤を外部に散布するものであれば、どのような構造であってもよい。
【0014】
図1に示すように、散布装置2は、散布機構2bを制御する制御装置2cと、制御装置2cに接続された表示装置2dとを備えている。表示装置2dには、所定面積当たり(単位面積当たりの散布量[例えば、10kg/10a(1000m
2)]、散布剤の散布幅(単位:m)、容器2aに投入した散布剤の投入量(単位:kg)等が入力可能である。制御装置2cは、散布量及び散布幅等に基づいて、散布機構2bの開閉量(開度)や開閉のタイミング等を制御する。なお、散布装置2による散布は、移動速度(車速)に連動して単位時間当たりの散布量を変更する車速連動であることが好ましい。また、制御装置2cは、表示装置2dに設けられたスイッチ等が操作され、散布が開始すると、散布を開始したことを示す信号(開始信号)を後述する車載ネットワークN1に出力する。また、制御装置2cは、スイッチ等が操作され、散布が終了すると、散布を終了したことを示す信号(終了信号)を車載ネットワークN1に出力する。
【0015】
図1に示すように、トラクタ1は、検出装置10と、制御装置11と、表示装置12とを備えている。検出装置10、制御装置11、表示装置12は、CAN等の車載ネットワークN1により接続されている。
検出装置10は、トラクタ1が走行している状態(走行状態)、即ち、走行車体3の走行状態を検出する装置である。検出装置10は、例えば、走行状態として、走行車体3の移動距離、移動速度(車速)を検出可能である。この実施形態では、検出装置10は、衛星測位システム(Global Positioning System,Galileo、GLONASSなど)に用いて走行車体3の位置を演算し、演算した位置から移動距離、移動速度を検出する。
【0016】
検出装置10は、測位衛星15の衛星信号(電波)を受信する受信部10aと、受信部10aが受信した衛星信号に基づいてトラクタ1(走行車体3)の走行状態を算出する状態演算部10bとを有している。受信部10a、状態演算部10bは電気・電子部品、CPU等に組み込まれたプログラム等から構成されている。
図9に示すように、検出装置10は、受信部10a及び状態演算部10bを収容する筐体10cとを有している。筐体10cは、キャビン7の天板に取り付けられている。なお、筐体10cは、キャビン7以外に取り付けられていてもよく、例えば、作業装置2に設けられていてもよい。
【0017】
状態演算部10bは、測位衛星15から送信される衛星信号の搬送波位相に基づいて、受信部10aの位置を算出する。そして、状態演算部10bは、所定時間内において受信部10aが位置変化したときの移動距離を求め、移動距離を速度に換算し、換算値をトラクタ1の移動速度(車速)とする。なお、状態演算部10bは、測位衛星15が送信した衛星信号の周波数と受信部10aが衛星信号を受信したときの当該衛星信号の周波数とのずれ(ドップラーシフト値)と、衛星信号に基づいて当該受信部10aの位置を算出してもよく、位置の算出方法は、限定されない。また、状態演算部10bは、移動距離のみを算出してもよいし、移動速度(車速)のみを算出してもよい。状態演算部10bが算出した移動距離、移動速度は、車載ネットワークN1に出力される。したがって、走行状態(移動距離、移動速度)は、制御装置11、表示装置12等が取得可能である。
【0018】
制御装置11は、運転席6の周りに設置された操作具(操作レバー、操作スイッチ、操作ボリューム等)を操作したときの操作信号、走行車体3に搭載された様々なセンサの検出信号等に基づいてトラクタ1の走行系や作業系の制御を行う。例えば、制御装置11は、連結部8を操作具の操作信号に基づいて昇降する制御を行ったり、アクセルペダルセンサに基づいてディーゼルエンジンの回転数を制御する。なお、制御装置11は、トラクタ1の作業系や走行系を制御するものであればよく、制御方式は限定されない。
【0019】
表示装置12は、制御部12aと、記憶部12bと、表示部12cとを有している。制御部12aは、CPU等から構成され、表示装置12に関する様々な制御を行う。記憶部12bは、不揮発性のメモリ等であって、様々な情報を記憶する。記憶部12bは、例えば、様々なアプリケーションソフト(Application software)を記憶している。表示部12cは、表示及び入力を行うことができるタッチパネルである。
【0020】
制御部12aは、状態取得部21と、幅取得部22と、投入量取得部23と、散布量取得部24と、演算部25とを有している。状態取得部21、幅取得部22、投入量取得部23、散布量取得部24及び演算部25は、電気・電子部品、制御部12aに組み込まれたプログラム等から構成されている。
状態取得部21は、状態演算部10bで検出された走行状態として、移動速度を取得する。即ち、検出装置10の状態演算部10bが算出した移動速度を、車載ネットワークN1を介して取得する。
【0021】
幅取得部22は、作業装置2における作業幅を取得する。作業装置2が散布装置2である場合は、作業幅は、散布剤を散布する範囲(散布幅)である。例えば、散布装置2の制御装置2cにはケーブル2eが接続されている。ケーブル2eは車載ネットワークN1に接続するコネクタ16等に接続可能である。即ち、散布装置2の制御装置2c及び表示装置12は、車載ネットワークN1に接続可能である。幅取得部22は、散布装置2の制御装置2cに対して散布幅の要求を行う。制御装置2cは、幅取得部22の応答に応じて、表示装置2dに入力された散布幅を表示装置12(幅取得部22)に送信する。これにより、幅取得部22は、散布装置2に設定(入力)された散布剤の散布幅を取得する。なお、表示装置12に散布幅を入力する入力部を設けておき、幅取得部22は、当該表示装置12の入力部に入力された散布幅を取得してもよい。
【0022】
投入量取得部23は、散布装置2の容器2aに投入した散布剤の投入量を取得する。例えば、投入量取得部23は、散布装置2の制御装置2cに対して投入量の要求を行う。制御装置2cは、投入量取得部23の応答に応じて、表示装置2dに入力された投入量を表示装置12(投入量取得部23)に送信する。これにより、投入量取得部23は、散布装置2の容器2aに投入した散布剤の投入量を取得する。なお、表示装置12に投入量を入力する入力部を設けておき、投入量取得部23は、当該表示装置12の入力部に入力された投入量を取得してもよい。
【0023】
散布量取得部24は、散布剤の散布量を取得する。散布量取得部24は、散布装置2の制御装置2cに対して散布量の要求を行う。制御装置2cは、散布量取得部24の応答に応じて、表示装置2dに入力された散布量を表示装置12(散布量取得部24)に送信する。これにより、散布量取得部24は、散布装置2に設定(入力)された散布剤の散布量を取得する。なお、表示装置12に散布量を入力する入力部を設けておき、散布量取得部24は、当該表示装置12の入力部に入力された散布量を取得してもよい。
【0024】
演算部25は、状態取得部21が取得した走行状態、幅取得部22が取得した散布幅、投入量取得部23が取得した投入量及び散布量取得部24が取得した散布量に基づいて、容器2a内の散布剤の残量を求める。具体的には、演算部25は、車載ネットワークN1に出力された開始信号を表示装置12が取得すると、散布を開始してから現在までの経過時間を算出する。また、演算部25は、1秒間当たりの走行車体3の移動速度と散布幅と散布量との積により、1秒間当たりの散布量を求める[1秒間当たりの散布量(kg/sec)=移動速度(m/sec)×散布幅(m)×単位面積当たりの散布量(kg/m
2]。そして、演算部25は、散布剤の散布を開始してから現在までの時間(経過時間)に、1秒間当たりの散布量を掛けることによって、散布量(kg)、即ち、理論散布量(kg)を求める[理論散布量(kg)=経過時間(sec)×1秒間当たりの散布量(kg/sec)]。次に、演算部25は、投入量と理論散布量とを用いて容器2aに残っている散布剤の残量、即ち、理論残量(kg)を求める。上述した実施形態では、1秒間当たりの散布量を求めているが、これに限定されず、単位時間当たりの施肥量を求めればよい。なお、演算部25は、車載ネットワークN1に出力された終了信号を表示装置12が取得すると、散布剤の残量の演算を終了すると共に経過時間をリセットする。
【0025】
表示部12cは、演算部25が求めた残量(理論残量)を数字、図形、文字等で表示する。
図3に示すように、例えば、表示部12cには、農作業支援のアプリを起動後の画面であるアプリケーション画面M2が表示され、当該アプリケーション画面M2の第3表示領域48cに残量を示す文字及び数字を表示する。なお、表示部12cは、演算部25が散布剤の残量を算出する毎に、表示する残量を更新する。表示部12cは、予め定められた時間毎に残量を表示してもよいし、予め定められた移動距離毎に残量を表示してもよい。
【0026】
以上、作業支援システム及び農業機械は、状態取得部21、幅取得部22、投入量取得部23、散布量取得部24、演算部25を備えている。そのため、例えば、状態取得部21で取得した走行車体3(農業機械1)の走行状態である車速と、幅取得部22で取得した作業幅(例えば、散布幅)と、散布量取得部24が取得した散布量とを用いて、演算部25によって散布剤の残量を求めることができる。また、作業支援システム及び農業機械によれば、表示部12cによって演算部25が求めた散布量を表示しているため、作業者は容易に散布剤の残量を把握することができる。したがって、散布剤の残量を検出するセンサが搭載されていない散布装置2においても、散布剤の残量を求めることができる。また、散布剤を貯留する容器2aの透明の有無に関わらず、散布剤の残量を把握することができる。
【0027】
なお、上述した実施形態では、状態取得部21、幅取得部22、投入量取得部23、散布量取得部24、演算部25は、表示装置12に設けられているが、これに限定されず、制御装置11に設けられていても良いし、農業機械に設けられたその他の電気機器等に設けられていてもよい。
さて、
図2に示すように、表示装置12の表示部12cには、操作に対応して様々な画面(複数の画面)が表示可能であって、主に、メイン画面(ホーム画面)M1と、アプリケーションに対応した画面(アプリケーション画面)M2と、設定画面M3と、を個別に表示する。なお、説明の便宜上、複数の画面を表す場合は、単に、画面M1,M2,M3ということがある。
【0028】
画面M1,M2,M3の大きさは、縦横比は略同じであって、これらの画面M1,M2,M3には、共通の指定部(選択部)40が表示されている。指定部(選択部)40は、画面に関する指定を行うものであって、例えば、画面M1,M2,M3を切り替えることが可能である。ホーム画面M1を表示させることを指定する(ホーム画面M1に切り替える)ホームボタン40aと、現在表示している画面から1つ前の画面に戻す(前の画面に切り替える)戻しボタン40bとを含んでいる。ホームボタン40aの位置は、ホーム画面M1、アプリケーション画面M2及び設定画面M3のいずれでも同じである。ホームボタン40aは、例えば、画面M1,M2,M3の左下に位置している。戻しボタン40bの位置も、ホーム画面M1、アプリケーション画面M2及び設定画面M3のいずれでも同じである。戻しボタン40bは、例えば、画面M1,M2,M3においてホームボタン40aの右隣りに位置している。即ち、ホームボタン40a及び戻しボタン40bは、画面M1,M2,M3の左下のコーナ部43LDに位置している。
【0029】
詳しくは、画面M1,M2,M3には、指定部40(ホームボタン40a、戻しボタン40b)を表示するための第1表示領域45が設定されている。第1表示領域45は、横方向に延びる第1横ライン42aと、この第1横ライン42aから所定の間隔で離れて当該第1横ライン42aに平行な第2横ライン42bと、縦方向に延びる第1縦ライン42cと、この第1縦ライン42bから所定の間隔で離れて当該第1縦ライン42aに平行な第2縦ライン42dとで囲まれることにより構成されている。アプリケーション画面M2及び設定画面M3においては、第2縦ライン42dは傾斜していて、他の領域と区別しやすいようになっている。
【0030】
なお、指定部(選択部)40は、設定画面M3を表示させることを指定する設定ボタン40cを有していてもよい。設定ボタン40cは、ホームボタン40a及び戻しボタン40bから離れていて、ホームボタン40a及び戻しボタン40bが配置されるコーナ部43LDとは反対側のコーナ部(画面M1,M2の右下のコーナ部)43RDに位置している。
【0031】
アプリケーション画面M2を表示した場合には、第1表示領域45は、一方のコーナ部側の領域と、他方のコーナ部側の領域との2つの領域に分かれる。即ち、アプリケーション画面M2では、第1表示領域45は、左下のコーナ部43LDであってホームボタン40a及び戻しボタン40bを表示させる第1左表示領域45aと、右下のコーナ部RDであって設定ボタン40cを表示させる第1右表示領域45bとを含む。したがって、アプリケーション画面M2においては、左下のコーナ部43LDと、右下のコーナ部43RDとの間の領域を、アプリケーション用の表示領域として使用することができ、アプリケーションに対応した文字、数字、絵柄等を広く表示することができる。
【0032】
ホーム画面M1は、表示装置12に格納されているアプリケーションソフト(アプリ)のアイコンを表示するアイコン表示領域46と、基本情報を表示する基本表示領域47とを有している。基本情報とは、使用者(例えば、農作業者)の氏名、メールアドレス等である。アプリケーション画面M2は、アプリに対応した様々な情報を表示する画面であって、アプリ表示領域48を有している。なお、
図2のアプリケーション画面M2は、営農支援のアプリの画面を示している。このアプリケーション画面M2では、農作業者が行う作業計画、即ち、後述する作業計画を表示することができる。設定画面M3は、表示装置12の設定等に関する情報を表示する。
【0033】
図3は、農作業支援のアプリを起動後のアプリケーション画面M2を示している。ここで、農作業支援のアプリとは、農業機械(トラクタ)の走行の状態等を表示することによって農業機械の運転(操縦)を支援するソフトである。即ち、表示装置12は、アプリ起動後は、農業機械の運転を支援する支援装置(運転支援装置)として作動する。
次に、表示装置12が運転支援装置として作動した場合について詳しく説明する。
【0034】
図3に示すように、表示装置12を運転支援装置として作動させた場合、アプリケーション画面M2のアプリ表示領域48は、主に、第1表示領域48aと、第2表示領域48bと、第3表示領域48cに区分される。第1表示領域48aには、方向表示部50及びズレ量表示部51が表示される。第2表示領域48bには、フィールド表示部52が表示される。第3表示領域48cには、演算部25が求めた残量(理論残量)が数字及び文字で表示される。なお、表示装置12は残量を表示しない場合にも適用可能であって、この場合は、第3表示領域48cはなくてもよい。
【0035】
方向表示部50は、予め定められた基準位置に対して、測位衛星15からの衛星信号に基づいて求められた走行車体3の位置(トラクタ1の位置)がズレていることを示す部分である。基準位置は、後述するようにフィールド表示部52で設定することが可能である。方向表示部50は、例えば、走行車体3の現在の位置が基準位置から左側にズレていることを示したり、走行車体3の現在の位置が基準位置から右側にズレていることを示す。
【0036】
ズレ量表示部51は、走行車体3の位置と基準位置とのズレ量を数字等で表示する部分である。例えば、走行車体3の現在の位置と基準位置とのズレ量が0.5mである場合、ズレ量を示す「0.5m」を表示する。
以下、方向表示部50及びズレ量表示部51について詳しく説明する。
方向表示部50は、基準表示部50aと、一方向表示部50bと、他方向表示部50cとを有している。基準表示部50aは、基準位置を示す図形であって、第1表示領域48aにおける横方向の中心部に位置している。基準表示部50aとズレ量表示部51とは同一の位置に位置している。即ち、基準表示部50aとズレ量表示部51とは画像上で重なっている。また、基準表示部50aの横幅及び縦幅は、ズレ量表示部51よりも大きく、画像上では、基準表示部50a内にズレ量表示部51が収まっている。
【0037】
一方向表示部50bは、基準位置に対する走行車体3のズレを、一方向(例えば、左)を向く矢印で示す図形であって、基準表示部50aの左側に配置されている。他方向表示部50cは、基準位置に対する走行車体3のズレを、一方向とは反対側である他方向(例えば、右)を向く矢印で示す図形であって、基準表示部50aの右側に配置されている。例えば、走行車体3が基準位置から左にズレている場合、走行車体3が基準位置から左にずれていることを一方向表示部50bで示す。また、走行車体3が基準位置から右にズレている場合、走行車体3が基準位置から右にずれていることを他方向表示部50bで示す。したがって、この実施形態では、基準位置に対して走行車体3がズレている方向と、方向表示部50(一方向表示部50b、他方向表示部50c)の矢印とが一致する。
【0038】
一方向表示部50bと、他方向表示部50cとの間に、基準表示部50aが位置している。言い換えれば、一方向表示部50bと、他方向表示部50cとの間に、ズレ量表示部51が位置している。
一方向表示部50b及び他方向表示部50cは、ズレの方向を示すに際して、ズレ量の大きさ(度合)もズレの方向と共に同時に表示する。具体的には、一方向表示部50bは、ズレの方向を示しつつズレ量の大きさ(度合)を段階的に表示可能であって、一方向にズレていることを示す複数の一方向矢印部を有している。複数の一方向矢印部は、ズレ量の大きさに応じて、表示状態(色の濃さ)が変化する。
【0039】
複数の一方向矢印部は、第1矢印部50b1、第2矢印部50b2、第3矢印部50b3、第4矢印部50b4、第5矢印部50b5とを含んでいる。第1矢印部50b1、第2矢印部50b2、第3矢印部50b3、第4矢印部50b4、第5矢印部50b5は、一直線上に一方向に並べられている。
第1矢印部50b1は、ズレ量の大きさが最も小さい段階であることを示し、ズレ量が所定値を超え且つ所定値以下であれば、表示色が濃くなる(彩度、明度を強くする)。第5矢印部50b5は、ズレ量の大きさが最も大きい段階であることを示し、ズレ量が所定値以上であれば、表示色が濃くなる。第2矢印部50b2、第3矢印部50b3及び第4矢印部50b4は、ズレ量の大きさが、最も小さい段階と最も大きい段階との間の段階で、ズレ量が所定値を超え且つ所定値以下であれば、表示色が濃くなる。
【0040】
図5は、一方向表示部50bの複数の一方向矢印部の表示状態の変化を示している。
図5に示すように、走行車体3の位置が基準位置から左にずれ且つズレ量が0.5m以下であれば、第1矢印部50b1の表示色が濃くなる。走行車体3の位置が基準位置から左にずれ且つズレ量が0.5mを超え1.0m以下であれば、第1矢印部50b1及び第2矢印部50b2の表示色が濃くなる。走行車体3の位置が基準位置から左にずれ且つズレ量が1.0mを超え1.5m以下であれば、第1矢印部50b1、第2矢印部50b2及び第3矢印部50b3の表示色が濃くなる。走行車体3の位置が基準位置から左にずれ且つズレ量が1.5mを超え2.0m以下であれば、第1矢印部50b1、第2矢印部50b2、第3矢印部50b3及び第4矢印部50b4の表示色が濃くなる。走行車体3の位置が基準位置から左にずれ且つズレ量が2.0m超えれば、第1矢印部50b1、第2矢印部50b2、第3矢印部50b3、第4矢印部50b4及び第5矢印部50b5の表示色が濃くなる。即ち、一方向表示部50bにおける複数の一方向矢印部は、ズレ量が0.5m刻みで、表示状態が変化する。なお、矢印部の表示色を濃くするためのズレ量の閾値(所定値)、即ち、ズレ量の度合は、例えば、ズレ量が作業装置2で行う作業幅、或いは、走行車体3の幅に対するズレ量の割合を基準に設定してもよいし、それ以外の方法で行っても良い。
【0041】
他方向表示部50cは、ズレの方向を示しつつズレ量の大きさ(度合)を段階的に表示可能であって、他方向にズレていることを示す複数の他方矢印部を有している。複数の他方向矢印部は、ズレ量の大きさに応じて、表示状態(色の濃さ)が変化する。複数の他方向矢印部は、第1矢印部50c1、第2矢印部50c2、第3矢印部50c3、第4矢印部50c4、第5矢印部50c5とを含んでいる。
【0042】
第1矢印部50c1は、ズレ量の大きさが最も小さい段階であることを示し、ズレ量が所定値を超え且つ所定値以下であれば、表示色が濃くなる。第5矢印部50c5は、ズレ量の大きさが最も大きい段階であることを示し、ズレ量が所定値以上であれば、表示色が濃くなる。第2矢印部50c2、第3矢印部50c3及び第4矢印部50c4は、ズレ量の大きさが、最も小さい段階と最も大きい段階との間の段階で、で、ズレ量が所定値を超え且つ所定値以下であれば、表示色が濃くなる。
【0043】
したがって、走行車体3の位置が基準位置から右にずれている場合は、他方向表示部50cの第1矢印部50c1、第2矢印部50c2、第3矢印部50c3、第4矢印部50c4、第5矢印部50c5は、一方向表示部50bと同様に、ズレ量の大きさに応じて、表示色が変化する。即ち、複数の他方向矢印部の表示状態は、ズレの方向を除き、複数の一方向矢印部と同じである。
【0044】
以上、方向表示部50によれば、走行車体3の位置と基準位置とのズレの量に応じて、一方向表示部50b(第1矢印部50b1、第2矢印部50b2、第3矢印部50b3、第4矢印部50b4、第5矢印部50b5)の表示状態が変化する。そのため、ズレ量表示部51に表示された数値だけでなく、複数の矢印部を見ることによって、一方向への走行車体3のズレ度合がどれだけ大きいか、直感的に確認することができる。また、方向表示部50によれば、ズレの量に応じて、他方向矢印部50cの表示状態が変化する。そのため、ズレ量表示部51に表示された数値だけでなく、複数の矢印部を見ることによって、他方向への走行車体3のズレ度合がどれだけ大きいか、直感的に確認することができる。
【0045】
複数の一方向矢印部及び複数の他方向矢印部は、直線的に並べられている。そのため、複数の矢印部(複数の一方向矢印部及び複数の他方向矢印部)を配置するスペースを可及的に少なくすることができ、スペースの余裕ができた部分に、他の情報を表示することができる。
ズレ量表示部51が、一方向表示部50bと他方向表示部50cとの間に設けられている。そのため、走行車体3がどちらの方向にどの程度、ズレているかを即座に把握することができ、ズレ方向とズレ量との関係を確認しやすい。
【0046】
また、方向表示部50と、ズレ量表示部51とを同一位置に設けている。即ち、方向表示部50とズレ量表示部51とが重ねられて表示されている。したがって、方向表示部50及びズレ量表示部51を同一の焦点で見ることができ、即ち、視点(視線)をずらさなくても両者を視認することができる。そのため、実際に走行している走行車体3の位置が、基準である基準位置からどの程度、どの方向にズレているかを一目で視認することができる。
【0047】
また、方向表示部50は、基準表示部50a、一方向表示部50b及び他方向表示部50cを有し、ズレ量表示部51は、基準表示部50aに重ねられている。したがって、基準表示部50aを見れば、走行車体3がどれだけ基準位置からズレているかを一目で把握することができる。また、ズレている方向は、基準表示部50aを中心として一方及び他方に配置された一方向表示部50b及び他方向表示部50cを見るだけで把握することができる。つまり、基準表示部50aを走行車体3と見なすことができ、基準表示部50a内に表示されたズレ量表示部51の数値が零であれば、走行車体3の位置と基準位置とが一致し、基準表示部50a内に表示されたズレ量表示部51の数値が零以外であれば、走行車体3の位置と基準位置とがズレていることが分かり、現在の走行車体3の位置を簡単に把握することができる。
【0048】
さて、
図3に示すように、フィールド表示部52は、走行車体3が走行する圃場、農場等のフィールドを仮想的に示す部分である。また、フィールド表示部52は、トラクタ1(走行車体3)の運転席に着座した運転者が実際のフィールドを見た場合と、フィールド表示部52に表示したフィールド(フィールド画像)とが感覚的に一致するように、フィールド画像を斜めに表示している。説明の便宜上、フィールド表示部52に表示した仮想的なフィールドのことを「仮想フィールド」、又は、「フィールド画像」ということがある。
また、フィールド表示部52には、機械表示部53が示されている。機械表示部53は、トラクタ1(走行車体3)を仮想的に示していて、フィールド表示部52に対する機械表示部53の表示位置は固定である。また、機械表示部53の中心位置P1が、仮想フィールド上における現在のトラクタ1(走行車体3)の位置である。
【0049】
したがって、トラクタ1を実際に走行させた場合、仮想フィールドの機械表示部53の表示位置は固定のままで、検出装置10によって検出された走行車体3の位置の変化に伴って、フィールド表示部52に示された仮想フィールド(フィールド画像)がスクロールする。
また、仮想フィールドには、トラクタ1の移動軌跡、即ち、トラクタ1によって作業を行った仮想の作業領域(作業済みの部分)W1が表示可能である。仮想フィールドには、トラクタ1(走行車体3)の作業幅に対応する仮想作業幅が設定され、当該仮想作業幅の中心位置と機械表示部53の中心位置P1とは一致している。そして、トラクタ1の走行に対応してフィールド画像をスクロールさせた場合、スクロール後のフィールド画像には、機械表示部53を基準に仮想作業幅に相当する範囲が他の部分と異なる色に着色され、これにより、仮想の作業領域W1が仮想フィールドに描写される。仮想の作業領域W1のデータは、記憶部12bに記憶される。なお、作業幅とは、トラクタ1がフィールドを走行した場合に実施される農作業の範囲のことである。この実施形態では、散布作業の場合は散布幅である。
【0050】
仮想フィールドは、少なくとも基準位置を示す複数の基準ラインLを表示可能である。複数の基準ラインは、現時点での基準位置を示す第1基準ラインL1と、過去又は未来の基準位置を示す第2基準ラインL2とを含む。第1基準ラインL1は、仮想フィールド(フィールド画像)がスクロールしても、フィールド表示部52の横方向の中央部に位置する。即ち、アプリケーション画面M2では、第1基準ラインL1の延長線上にズレ量表示部51が位置している。また、アプリケーション画面M2では、第1基準ラインL1の延長線上に基準表示部50aが位置している。
【0051】
第2基準ラインL2は、トラクタ1(走行車体3)の作業幅を仮想的に示す仮想作業幅を基準に、フィールド画像に描写したラインであって、仮想作業幅毎にフィールド画像に示されている。
フィールド表示部52には、複数のアイコン部55が示されている。複数のアイコン部55は、第1アイコン部55aと、第2アイコン部55bと、第3アイコン部55cと、第4アイコン部55dを含む。
【0052】
第1アイコン部55a及び第2アイコン部55bは、仮想フィールドにポイントを作成することを指令するアイコンである。第1アイコン部55aを選択すると、第1ポイントを示す第1ポイント図形Aが仮想フィールドに示される。第2アイコン部55bを選択すると、第2ポイントを示す第2ポイント図形Bが仮想フィールドに示される。なお、表示装置(運転支援装置)12は、第1アイコン部55aを選択時に検出装置10で検出された走行車体3の位置(第1位置という)を保持すると共に、第2アイコン部55bを選択時に検出装置10で検出された走行車体3の位置(第2位置という)を保持する。また、表示装置(運転支援装置)12は、第1アイコン部55aを選択してから第2アイコン部55bを選択するまでの走行車体3の位置(中間位置という)を保持する。
【0053】
第3アイコン部55cは、複数のポイントを通る直線状の基準ラインLの作成を指令するアイコンである。例えば、第1ポイント図形Aと、第2ポイント図形Bとを示している状態で、第3アイコン部55cを選択すると、仮想フィールド上における第1位置と仮想フィールド上における第2位置とを通る直線状の第1基準ラインL1が、仮想フィールド上に作成される。また、第3アイコン部55cによる指令によって作成された第1基準ラインL1と同じ形状のラインが、仮想作業幅で仮想フィールド上に複写されることで、第2基準ラインL2が当該仮想フィールド上に複数作成される。
【0054】
ここで、第3アイコン部55cは、直線状の基準ラインLの作成を指令するアイコンであることを視認しやすい工夫がなされている。
図4Aに示すように、第3アイコン部55cは、第1辺56a、第2辺56b、第3辺56c、第4辺56dによって構成された矩形状の枠56を有している。
また、第3アイコン部55cは、第1ポイントであることを示す第1図形57と、他のポイントであることを示す第2図形58と、直線状の基準ラインLであることを示す第3図形59とを有している。第1図形57、第2図形58及び第3図形59は、枠56内に示されている。
【0055】
第1図形57は、第1辺56aと第2辺56bとが交差するコーナ部60の付近に配置されている。第2図形58は、第3辺56cと第4辺56dとが交差するコーナ部61付近に配置されている。即ち、第2図形58は、第1図形57が示されたコーナ部60と対角線上のコーナ部61に配置されている。第3図形59は、直線を示す図形であって、始点はコーナ部60の付近に配置され、終点は第2図形58に近接され、終点には矢印が示されている。
【0056】
したがって、第3アイコン部55cは、少なくともポイントを示す図形(第1図形57、第2図形58)が対角線上のコーナ部60,61に配置され、且つ、ポイントを示す図形を跨るように第3図形59が配置されることで構成されている。そのため、第3アイコン部55cは、2つのポイントを直線で結ぶことが強調されているため、2つのポイントを結んだ直線を作成するためのアイコンであることを容易に視認することができる。
【0057】
第4アイコン部55dは、複数のポイントを通る曲線状の基準ラインLの作成を指令するアイコンである。例えば、第1ポイント図形Aと、第2ポイント図形Bとを示している状態で、第4アイコン部55dを選択すると、仮想フィールド上における第1位置と仮想フィールド上における第2位置とを通り、且つ、仮想フィールド上における第1ポイント図形Aから第2ポイント図形Bまでの中間位置を通る曲線状の第1基準ラインL1が、仮想フィールド上に作成される。また、第4アイコン部55dによる指令によって作成された第1基準ラインL1と同じ形状のラインが、仮想作業幅で仮想フィールド上に複写されることで、第2基準ラインL2が当該仮想フィールド上に複数作成される。
【0058】
ここで、第4アイコン部55dは、曲線状の基準ラインLの作成を指令するアイコンであることを視認しやすい工夫がなされている。
図4Bに示すように、第4アイコン部55dは、第1辺63a、第2辺63b、第3辺63c、第4辺63dによって構成された矩形状の枠63を有している。
また、第4アイコン部55dは、第1ポイントであることを示す第1図形64と、他のポイントであることを示す第2図形65と、曲線状の基準ラインLであることを示す第3図形66とを有している。第1図形64、第2図形65及び第3図形66は、枠63内に示されている。
【0059】
第1図形64は、第1辺63aと第2辺63bとが交差するコーナ部71の付近に配置されている。第2図形65は、第3辺63cと第4辺63dとが交差するコーナ部72付近に配置されている。即ち、第2図形65は、第1図形64が示されたコーナ部71と対角線上のコーナ部72に配置されている。第3図形66は、曲線を示す図形であって、始点はコーナ部71の付近に配置され、終点は第2図形65に近接され、終点には矢印が示されている。また、第3図形66においては、少なくとも曲線を表すために2つの屈曲部(アール)66a、66bを有している。第3図形66において、始点から屈曲部66aの部分は第4辺63dへ向けて延び、屈曲部66aは第4辺63dに近接している。また、第3図形66において、屈曲部66aから屈曲部66bの部分は第2辺63bに向けて延びている。
【0060】
したがって、第4アイコン部55dは、少なくともポイントを示す図形(第1図形64、第2図形65)が対角線上のコーナ部71,72に配置され、且つ、ポイントを示す図形を跨るように第3図形66が配置されることで構成されている。また、第3図形66の屈曲部66a、66bが第4辺63d及び第2辺63bに近づくように描写されている。
そのため、第4アイコン部55dは、2つのポイントを曲線で結ぶことが強調されているため、2つのポイントを結んだ曲線を作成するためのアイコンであることを容易に視認することができる。
【0061】
また、
図3に示すように、複数のアイコン部55は、第5アイコン部55eと、第6アイコン部55fと、第7アイコン部55gとを含む。第5アイコン部55eは、仮想フィールドに仮想の作業領域W1を表示することを指令するアイコンである。第6アイコン部55fは、仮想フィールドに仮想の作業領域W1を表示しないことを指令するアイコンである。第5アイコン部55e及び第6アイコン部55fは、作業領域W1を示す第1図形68と、目(瞳)を示す第2図形69とを有している。また、第6アイコン部55fは、目(瞳)を示す第2図形69に交差する線状の第3図形70を有している。したがって、第5アイコン部55e及び第6アイコン部55fは、作業領域W1を示す第1図形68を示し、且つ、目を示す第2図形69で構成されている。そのため、第5アイコン部55e、第6アイコン部55fでは、作業領域W1の表示、作業領域W1の非表示が強調されていて、作業領域W1の表示及び非表示のアイコンであることを容易に視認することができる。
【0062】
第7アイコン部55gは、記憶部12bに記憶された仮想の作業領域W1のデータを削除することを指令するアイコンである。第7アイコン部55gには、目(瞳)に対応する図形ではなく、バツ(×)を示す図形が示されている。そのため、仮想の作業領域W1を表示/非表示する上述したアイコンと区別し易く、仮想の作業領域W1のデータを削除するためのアイコンであることを容易に視認することができる。
[第2実施形態]
図6は、第2実施形態の作業支援システムを示している。第2実施形態の作業支援システムは、複数のコンピュータ27を備えている。複数のコンピュータ(支援装置)27は、作業者用コンピュータ27Aと、管理者用コンピュータ27Bと、生産管理コンピュータ27Cである。
【0063】
作業者用コンピュータ27Aは、農作業を行う農作業者が操作可能なものであって、農作業者に割り当てられて農作業者が所持する通信端末(携帯端末)である。管理者用コンピュータ27Bは、農作業者を管理する管理者は操作可能なものであって、管理者に割り当てられたパーソナルコンピュータ(PC)等である。生産管理コンピュータ27Cは、作業者用コンピュータ27A及び管理者用コンピュータ27Bが接続可能であって、サーバである。
【0064】
まず、サーバ(生産管理コンピュータ)27Cについて説明する。
サーバ27Cは、作業計画を作成する作業計画作成部30と、作業計画を記憶する作業計画記憶部31とを有している。作業計画作成部30は、サーバ27Cに格納されたプログラム等から構成されている。作業計画とは、圃場で行われる農作業に関する計画であって、少なくとも農作業として、圃場で行う散布作業が含まれている。散布作業とは、例えば、肥料を散布する作業(施肥作業)、農薬を散布する作業(農薬散布作業)等である。なお、農作業において、散布する作業に関するものは、散布作業であると考えてよい。また、サーバ27Cでは、農作業として、例えば、床土作り、畦塗り、耕耘、田植え、代掻き、溝切り、除草、収穫、播種、施肥(施肥作業)、薬剤散布等の計画を設定することが可能である。
【0065】
管理者用コンピュータ27Bがサーバ27Cにログインをして、当該管理者用コンピュータ27Bから作業計画作成の要求があると、この要求に応じて作業計画作成部30は、
図7に示すように、作業計画を立てるための作業計画設定画面32を管理者用コンピュータ27Bに表示する。
作業計画設定画面32は、農作業を行う日付を設定する日付設定部80と、圃場等の作業場を設定する作業場設定部81と、農作業(農作業の作業項目)を設定する作業設定部82と、農作業者を設定する作業者設定部83と、作業時間を設定するための時間設定部84とを含んでいる。また、作業計画設定画面32は、機械を設定する機械設定部85と、散布剤の種類を設定する散布剤設定部86と、散布剤の散布量を設定する散布量設定部87とを含んでいる。
【0066】
作業場設定部81には、作業場の地図が表示され、地図上に示された作業場を選択することによって、作業を行う予定の作業場を設定することができる。作業設定部82は、上述した様々な農作業(床土作り、畦塗り、耕耘、田植え、代掻き、溝切り、除草、収穫、播種、施肥(施肥作業)、薬剤散布)の作業項目、即ち、作業項目が選択又は入力可能である。
【0067】
作業者設定部83では、予め管理者用コンピュータ27B又はサーバ27Cに登録された作業者名(農作業者名)が一覧で表示され、作業を行う作業者名を一覧から選択することによって作業者を決定することができる。また、時間設定部84では、農作業を行う時間帯が設定可能である。機械設定部85では、農業機械で作業を行う場合の作業装置が設定可能ある。散布剤設定部86では、播種、施肥、薬剤散布等で使用する散布剤の種類が設定可能である。散布量設定部87では、所定の面積当たりの散布剤の散布量が設定可能である。作業計画設定画面32によって設定された作業計画[日付、作業場、作業項目(作業内容)、作業者名、作業時間、機械(作業装置)、散布剤の種類、散布量]は、作業計画記憶部31に記憶させる。
【0068】
したがって、管理者用コンピュータ27Bをサーバ27Cに接続することにより、農作業者に対応付けて作業計画を簡単に作成することができ、作成した作業計画を作業計画記憶部31に記憶することができる。
また、サーバ27Cは、作業指示部33を備えている。作業指示部33は、サーバ27Cに格納されたプログラム等から構成されている。作業指示部33は、通信端末27Aに作業計画を送信可能である。
【0069】
農作業者に割り当てられた通信端末27Aがサーバ27Cにログインをして、当該通信端末27Aから作業計画の送信の要求があると、この要求に応じて作業指示部33は、通信端末27Aに割り当てられた作業者が含まれる作業計画を作業計画記憶部31から抽出する。そして、作業指示部33は、抽出した作業計画を通信端末27Aに送信する。なお、通信端末27Aに作業計画を取得したい圃場を入力して、当該通信端末27Aから作業計画を取得したい圃場をサーバ27Cに要求し、サーバ27C(作業指示部33)は要求された圃場に対応する作業計画を、通信端末27Aに送信してもよい。
【0070】
通信端末27Aは、サーバ27Cから取得した作業計画を表示したり、トラクタ等の農業機械1に送信可能である。通信端末27Aは、例えば、比較的演算能力の高いスマートフォン(多機能携帯電話)やタブレットPC等で構成されている。通信端末27Aは、第1通信部27A1と、第1記憶部27A2と、表示部27A3とを備えている。
第1通信部27A1は、後述するトラクタ1の通信部(第2通信部35A)やサーバ27Cと無線通信を行う装置である。第1通信部27A1は、例えば、通信規格であるIEEE802.11シリーズのWi-Fi(Wireless Fidelity、登録商標)等により無線通信を行うことができる。また、第1通信部27A1は、例えば、携帯電話通信網やデータ通信網や携帯電話通信網などにより無線通信を行うことができる。第1記憶部27A2は、作業計画等の様々な情報を記憶することが可能である。表示部27A3は、作業計画等の様々な情報を表示することが可能である。
【0071】
さて、トラクタ1は、通信装置35を備えている。通信装置35は、車載ネットワークN1に接続されている。通信装置35は、第2通信部35Aと、第2記憶部35Bとを備えている。第2通信部35Aは、近距離、或いは、長距離の通信を行う装置で構成され、外部の機器(コンピュータ)と接続可能である。例えば、第2通信部35Aは、通信規格であるIEEE802.11シリーズのWi-Fi(Wireless Fidelity、登録商標)等により無線通信を行う装置である。なお、第2通信部35Aは、携帯電話通信網により無線通信を行う装置であっても、データ通信網により無線通信を行う装置であってもよい。したがって、通信装置35の第2通信部35Aと通信端末27Aの第1通信部27A1とを接続した場合、通信装置35は、通信端末27Aが得た作業計画を受信可能である。第2記憶部35Bは、様々なデータを記憶するものであって、例えば、作業計画を一時記憶する。
【0072】
表示装置12の散布量取得部24は、通信装置35(第2通信部35A)が受信した作業計画に含まれる散布量を取得可能である。例えば、散布作業を行う場合、農作業者は、通信端末27Aを操作することにより、通信端末27Aとサーバ27Cとを接続する。そして、農作業者に割り当てられた通信端末27Aは、サーバ27C(作業指示部33)から散布作業を行う圃場に対応する作業計画を受信する。また、作業計画を受信後、通信端末27は、通信装置35に接続して、当該作業計画を当該通信装置35に送信する。通信装置35が作業計画を受信した場合、散布量取得部24は、通信装置35が受信した作業計画のうち、少なくとも、作業計画に含まれる散布量を取得する。
【0073】
以上、作業支援システム及び農業機械は、サーバ27Cと、通信装置35(第2通信部35A)とを備えている。そのため、サーバ27から送信された作業計画から、簡単に作業装置(散布装置)2で散布する散布剤の散布量を取得することができる。即ち、通信装置35(第2通信部35A)が自動的に散布量を受信することができるため、散布剤の残量を求めるために人為的に散布剤の散布量を入力しなくても簡単に残量を求めることができる。
【0074】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、表示装置12に、通信装置35が有する構成、例えば、第2通信部35Aを設けても良い。表示装置12と通信装置35とを一体の装置として構成してもよい。また、通信端末27Aに、状態取得部21、幅取得部22、投入量取得部23、散布量取得部24、演算部25を設けて、残量を表示できるようにしてもよい。また、状態取得部21、幅取得部22、投入量取得部23、散布量取得部24、演算部25のいずれかを、通信端末27Aに設けてもよい。
【0075】
また、上述した実施形態では、一方向表示部50b及び他方向表示部50cは、ズレ量の度合(程度)に応じて、濃くする矢印部の個数を変化させていたが、ズレ量の度合に応じて矢印部の大きさを変化させてもよい。例えば、一方向表示部50bは、一方向にズレていることを示す少なくとも1つの第1矢印部50b1を有している。また、他方向表示部50cは、他方向にズレていることを示す少なくとも1つの第1矢印部50c1を有している。第1矢印部50b1及び第1矢印部50c1は、ズレ量の度合が大きいと、形状が大きくなり、ズレ量の度合が小さいと、形状が小さくなる。
【0076】
上述した実施形態においては、
図8Aに示すように、基準位置(例えば、第1基準ラインL1)に対する走行車両3のズレを、方向表示部50の一方向表示部50bで示していた。即ち、上述した実施形態では、走行車両3のズレの方向と、方向表示部50で示す矢印部の方向とを一致させていた。これに代え、
図8Bに示すように、基準位置(例えば、第1基準ラインL1)に対する走行車両3のズレを、一方向表示部50bではなく他方向表示部50cで示しても良い。即ち、方向表示部50は、基準位置に対する走行車両3のズレを、当該ズレの方向(例えば、左)とは反対を向く矢印部(例えば、右)で示すものであってもよい。つまり、
図8Bでは、方向表示部50で示すズレの方向(矢印部で示す方向)は、走行車体3を基準位置に戻す方向を示している。したがって、本発明は、走行車体3を基準位置に戻す方向を示す方向表示部50、即ち、基準位置に対する走行車両3のズレの方向と反対側の方向を矢印で示す方向表示部50にも適用可能である。