特許第6695881号(P6695881)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6695881
(24)【登録日】2020年4月24日
(45)【発行日】2020年5月20日
(54)【発明の名称】医療装置アセンブリおよび関連する方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/06 20060101AFI20200511BHJP
   A61B 1/05 20060101ALI20200511BHJP
   A61B 1/04 20060101ALI20200511BHJP
   A61B 1/07 20060101ALI20200511BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20200511BHJP
【FI】
   A61B1/06 520
   A61B1/05
   A61B1/04 520
   A61B1/07 730
   A61B1/07 733
   G02B23/24 A
【請求項の数】30
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-533382(P2017-533382)
(86)(22)【出願日】2015年12月22日
(65)【公表番号】特表2018-500995(P2018-500995A)
(43)【公表日】2018年1月18日
(86)【国際出願番号】US2015067419
(87)【国際公開番号】WO2016109349
(87)【国際公開日】20160707
【審査請求日】2018年9月21日
(31)【優先権主張番号】62/097,438
(32)【優先日】2014年12月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】フィーリング、キルステン
(72)【発明者】
【氏名】ドレッシャー、ラッセル
(72)【発明者】
【氏名】アキリーノ、ポール
(72)【発明者】
【氏名】フォス、ライアン
【審査官】 牧尾 尚能
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/114957(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0022829(US,A1)
【文献】 特開2005−080819(JP,A)
【文献】 特開2013−099464(JP,A)
【文献】 特開2014−113350(JP,A)
【文献】 特開2006−218292(JP,A)
【文献】 特開2004−033726(JP,A)
【文献】 特表2006−521882(JP,A)
【文献】 特開2003−116783(JP,A)
【文献】 特開2005−279253(JP,A)
【文献】 特開2008−48905(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/092956(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00 − 1/32
G02B 23/24 −23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療装置であって、
画像化装置と、
前記画像化装置に接続された電線と、
第1照明装置と、
第2照明装置と、
前記第1照明装置に接続された第1照明接続体と、
前記第2照明装置に接続された第2照明接続体と、
前記電線および前記第1及び第2照明接続体に接続されたコネクタとを含み、前記第1照明接続体は前記コネクタの第1突起を通って延びており、前記第2照明接続体は前記コネクタの第2突起を通って延びている、医療装置と、
制御装置であって、
電気的インタフェースと、
第1光源と、
第2光源と、
ポートとを含む、制御装置とを備え、前記ポートは、前記コネクタの前記第1突起及び前記第2突起を受容して、前記電線を前記電気的インタフェースに作動可能に接続し、前記第1照明接続体を前記第1光源に作動可能に接続するように構成されており、前記第2照明接続体を前記第2光源に作動可能に接続するように構成されており、前記第1突起と前記第2突起との間の距離は前記第1光源と前記第2光源との間の距離と同じであり、前記コネクタは、前記ポートに取り外し可能に取り付け可能である、医療装置アセンブリ。
【請求項2】
前記第1照明接続体は、前記医療装置を通って光を伝送するように構成された少なくとも1本の光ファイバを備える、請求項1に記載の医療装置アセンブリ。
【請求項3】
前記第1光源は、前記第1照明接続体に光を伝送するように構成された少なくとも1つの発光ダイオードを備える、請求項1または2に記載の医療装置アセンブリ。
【請求項4】
前記制御装置は、前記電気的インタフェースに接続された処理装置を備え、前記処理装置は、前記電線および電気的インタフェースを介して、前記画像化装置から画像化データを受信するように構成されている、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の医療装置アセンブリ。
【請求項5】
前記コネクタは単一のケーブルを備え、前記電線および前記第1及び第2照明接続体は、前記ケーブル内に少なくとも部分的に受容され、前記制御装置は、前記電気的インタフェース、前記第1及び第2光源および処理装置を収容する単一のハウジングを備える、請求項4に記載の医療装置アセンブリ。
【請求項6】
前記医療装置は内視鏡である、請求項1乃至のいずれか1項に記載の医療装置アセンブリ。
【請求項7】
前記画像化装置は前記内視鏡の遠位端部に位置する、請求項に記載の医療装置アセンブリ。
【請求項8】
医療装置を制御装置に接続する方法であって、該方法は、
前記医療装置上のコネクタを前記制御装置上のポートに接続することを含み、前記コネクタは第1突起及び第2突起を含んでおり、前記コネクタを前記ポートに接続することは、
前記コネクタの前記第1突起を通って延びる第1照明接続体を前記制御装置内の第1光源に作動可能に接続して、前記コネクタの前記第2突起を通って延びる第2照明接続体を前記制御装置内の第2光源に作動可能に接続して、前記第1突起と前記第2突起との間の距離は前記第1光源と前記第2光源との間の距離と同じであり、前記第1及び第2光源のそれぞれから前記第1及び第2照明接続体のそれぞれへ、および前記第1及び第2照明接続体のそれぞれから前記医療装置内の第1及び第2照明装置のそれぞれへ光が伝送されることを可能にすることと、
前記コネクタ内の電線を前記制御装置内の電気的インタフェースに作動可能に接続して、前記電気的インタフェースから前記医療装置内の画像化装置へ電流が流れることを可能にし、かつ前記画像化装置から前記電気的インタフェースに画像化データが流れることを可能にすることとを含む、方法。
【請求項9】
前記第1照明接続体と前記第1光源とは、前記電線と電気的インタフェースとが作動可能に接続されるのと同時に、作動可能に接続される、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記コネクタは、前記ポートに取り外し可能に取り付け可能である、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記コネクタは、前記医療装置のハンドルに固定して取り付けられている、請求項8乃至10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記医療装置は内視鏡である、請求項8乃至11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記第1光源は発光ダイオードを備える、請求項8乃至12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
医療装置であって、
画像化装置と、
前記画像化装置に接続された電線と、
第1照明装置と、
第2照明装置と、
前記第1照明装置に接続された第1照明接続体と、
前記第2照明装置に接続された第2照明接続体と、
前記電線および前記第1及び第2照明接続体に接続されたコネクタとを含み、前記第1照明接続体は前記コネクタの第1突起を通って延びており、前記第2照明接続体は前記コネクタの第2突起を通って延びている、医療装置と、
制御装置であって、
電気的インタフェースと、
第1光源と、
第2光源と、
第1コネクタ開口及び第2コネクタ開口を有するポートとを含む、制御装置とを備え、前記第1コネクタ開口は、前記コネクタの前記第1突起を受容しており、前記第2コネクタ開口は、前記コネクタの前記第2突起を受容しており、前記電気的インタフェースは前記第1コネクタ開口と前記第2コネクタ開口との間に設けられており前記ポートは前記電線を前記電気的インタフェースに作動可能に接続し、かつ前記第1照明接続体を前記第1光源に作動可能に接続するように構成されており、前記第2照明接続体を前記第2光源に作動可能に接続するように構成されており、前記コネクタは、前記ポートに取り外し可能に取り付け可能である、医療装置アセンブリ。
【請求項15】
前記第1照明接続体は、前記医療装置を通って光を伝送するように構成された少なくとも1本の光ファイバを備える、請求項14に記載の医療装置アセンブリ。
【請求項16】
前記第1光源は、前記第1照明接続体に光を伝送するように構成された少なくとも1つの発光ダイオードを備える、請求項14に記載の医療装置アセンブリ。
【請求項17】
前記制御装置は、前記電気的インタフェースに接続された処理装置を備え、前記処理装置は、前記電線および電気的インタフェースを介して、前記画像化装置から画像化データを受信するように構成されている、請求項14に記載の医療装置アセンブリ。
【請求項18】
前記コネクタは単一のケーブルを備え、前記電線および前記第1及び第2照明接続体は、前記ケーブル内に少なくとも部分的に受容され、前記制御装置は、前記電気的インタフェース、前記第1及び第2光源および処理装置を収容する単一のハウジングを備える、請求項17に記載の医療装置アセンブリ。
【請求項19】
前記医療装置は内視鏡である、請求項14に記載の医療装置アセンブリ。
【請求項20】
前記画像化装置は前記内視鏡の遠位端部に位置している、請求項19に記載の医療装置アセンブリ。
【請求項21】
内視鏡であって、
近位端部と遠位端部とを有する長尺状シャフトと、
前記長尺状シャフトの遠位端部に位置する画像化装置と、
前記画像化装置に接続された電線と、該電線は前記長尺状シャフトを通って延びることと、
前記長尺状シャフトの遠位端部に位置する第1照明装置と、
前記長尺状シャフトの遠位端部に位置する第2照明装置と、
前記第1照明装置に接続された第1照明接続体と、該第1照明接続体は前記長尺状シャフトを通って延びることと、
前記第2照明装置に接続された第2照明接続体と、該第2照明接続体は前記長尺状シャフトを通って延びることと、
前記電線の少なくとも一部および前記第1及び第2照明接続体の各々の少なくとも一部を受容するコネクタとを含み、前記第1照明接続体は前記コネクタの第1突起を通って延びており、前記第2照明接続体は前記コネクタの第2突起を通って延びている、内視鏡と、
制御装置であって、
電気的インタフェースと、
第1光源と、
第2光源と、
第1コネクタ開口及び第2コネクタ開口を有するソケットとを含む、制御装置とを備え、前記第1コネクタ開口は、前記コネクタの前記第1突起を受容するように構成されており、前記第2コネクタ開口は、前記コネクタの前記第2突起を受容するように構成されており、前記電気的インタフェースは前記第1コネクタ開口と前記第2コネクタ開口との間に設けられており、前記ソケットは、前記電線を前記電気的インタフェースに作動可能に接続し、前記第1照明接続体を前記第1光源に作動可能に接続するように構成されており、前記第2照明接続体を前記第2光源に作動可能に接続するように構成されており、前記第1突起と前記第2突起との間の距離は前記第1光源と前記第2光源との間の距離と同じであり、前記コネクタは前記ソケットに取り外し可能に取り付け可能である、内視鏡システム。
【請求項22】
前記第1照明接続体は、前記内視鏡の遠位端部から前記コネクタの近位端部まで延在する、請求項21に記載の内視鏡システム。
【請求項23】
前記第1照明接続体は少なくとも1本の光ファイバを備える、請求項21に記載の内視鏡システム。
【請求項24】
前記第1照明装置は前記内視鏡の最遠位端部に位置する、請求項21に記載の内視鏡システム。
【請求項25】
前記第1光源は発光ダイオードを備える、請求項21に記載の内視鏡システム。
【請求項26】
前記画像化装置は前記内視鏡の最遠位端部に位置する、請求項21に記載の内視鏡システム。
【請求項27】
医療装置を制御装置に接続する方法であって、
前記医療装置上のコネクタを前記制御装置上のポートに接続することを含み、前記コネクタは第1突起及び第2突起を含んでおり、前記コネクタをポートに接続することは、
前記コネクタの前記第1突起を通って延びる第1照明接続体を前記制御装置内の第1光源に作動可能に接続して、前記コネクタの前記第2突起を通って延びる第2照明接続体を前記制御装置内の第2光源に作動可能に接続して、前記第1突起は前記ポートの第1コネクタ開口に受容されており、前記第2突起は前記ポートの第2コネクタ開口に受容されており、前記第1及び第2光源のそれぞれから前記第1及び第2照明接続体のそれぞれへ、および前記第1及び第2照明接続体のそれぞれから前記医療装置内の第1及び第2照明装置のそれぞれへ光が伝送されることを可能にすることと、
前記コネクタ内の電線を前記制御装置内の電気的インタフェースに作動可能に接続しており、前記電気的インタフェースは前記第1コネクタ開口と前記第2コネクタ開口との間に設けられており、前記電気的インタフェースから前記医療装置内の画像化装置へ電流が流れることを可能にし、かつ前記画像化装置から前記電気的インタフェースに画像化データが流れることを可能にすることとを含む、方法。
【請求項28】
前記第1照明接続体と前記第1光源とは、前記電線と電気的インタフェースとが作動可能に接続されるのと同時に、作動可能に接続される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記コネクタは、前記ポートに取り外し可能に取り付け可能である、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記コネクタは、前記医療装置のハンドルに固定して取り付けられている、請求項27に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して医療装置に関し、より詳細には医療装置アセンブリおよび関連する方法に関する。例えば、本開示の態様は、単一の制御装置に接続された単回使用の単一コネクタ医療装置および関連する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡可視化は、消化管、気道および泌尿器管における様々な状態を診断および/または治療するために用いられ得る。内視鏡は標的部位に誘導するためだけでなく、診断および/または治療のための標的部位における十分な可視化を提供するために用いられ得る。
【0003】
典型的な内視鏡システムは、再使用可能な内視鏡、並びに別部品の資本的設備を含み得る。例えば、従来の内視鏡システムの資本的設備は、画像処理ユニットと、別個の光源ユニットとを備え得る。いくつかの内視鏡において、グラスファイバ束は、光源から光が導入され得る内視鏡の近位端から遠位端へ光を伝送し得る。これはいくつかの不都合を有し得る。再使用可能な内視鏡は、すべての手順の後に洗浄/殺菌を必要とし得る。すべての洗浄サイクルは、場合により高価な修理を必要とする損傷を生じる可能性があり得る。加えて、誤って/不適当に洗浄された内視鏡を再使用する危険性があり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
更に、使用前に内視鏡は資本的設備に接続され得る。それは多重接続、すなわち、内視鏡から画像処理ユニットに画像またはビデオ信号を送信する電気的接続、および光源から内視鏡に光を伝送する照明接続を行うことを必要とし得る。多重接続の確立はより多くのユーザ相互作用およびセットアップ時間を要し得る。複数の別ユニットの資本的設備を有することにより、設備内においてより多くの空間も必要とし得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の例は、医療装置アセンブリおよび方法を含む。一例において、医療装置アセンブリは、医療装置と、制御装置とを備え得る。前記医療装置は、画像化装置と、前記画像化装置に接続された電線と、照明装置と、前記照明装置に接続された照明接続体と、前記電線および照明接続体に接続されたコネクタとを含み得る。前記制御装置は電気的インタフェースと、光源と、ポートとを含み、前記ポートは、前記コネクタを受容して、前記電線を前記電気的インタフェースに作動可能に接続し、かつ前記照明接続体を前記光源に作動可能に接続するように構成されており、前記コネクタは前記ポートに取り外し可能に取り付け可能である。
【0006】
前記医療装置アセンブリの例は、加えて、かつ/またはこれに代わって、1つ以上の他の特徴を備えてもよい。例えば、前記照明接続体は、前記医療装置を通って光を伝送するように構成された少なくとも1本の光ファイバを備え得る。これに代わって、または加えて、前記光源は、前記照明接続体に光を伝送するように構成された少なくとも1つの発光ダイオードを備えてもよい。前記制御装置は、前記電気的インタフェースに接続された処理装置を備えてもよく、前記処理装置は、前記電線および電気的インタフェースを介して、前記画像化装置から画像化データを受信するように構成されている。前記コネクタは単一のケーブルを備えてもよく、前記電線および照明接続体は、前記ケーブル内に少なくとも部分的に受容され得、前記制御装置は、前記電気的インタフェース、光源および処理装置を収容する単一のハウジングを備え得る。前記照明接続体は第1照明接続体であり、前記照明装置は第1照明装置であり、かつ前記医療装置は、第2照明装置に接続された第2照明接続体を備えてもよい。前記医療装置は内視鏡であってもよい。加えて、または、これに代わって、前記画像化装置は前記内視鏡の遠位端部に位置してもよい。
【0007】
別の例において、内視鏡システムは、内視鏡と、制御装置とを備え得る。前記内視鏡は、近位端部と遠位端部とを有する長尺状シャフトと、前記長尺状シャフトの遠位端部に位置する画像化装置と、前記画像化装置に接続された電線と、該電線は前記長尺状シャフトを通って延びることと、前記長尺状シャフトの遠位端部に位置する照明装置と、前記照明装置に接続された照明接続体と、該照明接続体は前記長尺状シャフトを通って延びることと、前記電線の少なくとも一部および前記照明接続体の少なくとも一部を受容するコネクタとを含み得る。前記制御装置は、電気的インタフェースと、光源と、ソケットとを含み、前記ソケットは、前記コネクタを受容して、前記電線を前記電気的インタフェースに作動可能に接続し、かつ前記照明接続体を前記光源に作動可能に接続するように構成されており、前記コネクタは前記ソケットに取り外し可能に取り付け可能である。
【0008】
前記内視鏡システムの例は、加えて、かつ/またはこれに代わって、1つ以上の他の特徴を備えてもよい。例えば、前記照明接続体は、前記内視鏡の遠位端部から前記コネクタの近位端部まで延在してもよい。前記照明接続体は少なくとも1本の光ファイバを備えてもよい。前記照明装置は前記内視鏡の最遠位端部に位置してもよい。前記光源は発光ダイオードを備えてもよい。加えて、またはこれに代わって、前記画像化装置は前記内視鏡の最遠位端部に位置してもよい。加えて、またはこれに代わって、前記照明接続体は第1照明接続体であり、前記照明装置は第1照明装置であり、かつ前記内視鏡は、第2照明装置に接続された第2照明接続体を備えてもよい。
【0009】
一例において、医療装置を制御装置に接続する方法は、前記医療装置上のコネクタを前記制御装置上のポートに接続することを含み得る。前記医療装置上のコネクタを前記制御装置上のポートに接続することは、前記コネクタ内の照明接続体を前記制御装置内の光源に作動可能に接続して、前記光源から前記照明接続体へ、および前記照明接続体から前記医療装置内の照明装置へ光が伝送されることを可能にすることと、前記コネクタ内の電線を前記制御装置内の電気的インタフェースに作動可能に接続して、前記電気的インタフェースから前記医療装置内の画像化装置へ電流が流れることを可能にし、かつ前記画像化装置から前記電気的インタフェースに画像化データが流れることを可能にすることとを含み得る。
【0010】
前記医療装置を制御装置に接続する方法の例は、加えて、かつ/またはこれに代わって、1つ以上の他の特徴を備えてもよい。例えば、前記照明接続体と光源とは、前記電線と電気的インタフェースとが作動可能に接続されるのと同時に、作動可能に接続されてもよい。前記コネクタは、前記ポートに取り外し可能に取り付け可能であってもよい。前記コネクタは、前記医療装置のハンドルに固定して取り付けられてもよい。加えて、またはこれに代わって、前記照明接続体を光源に作動可能に接続することは、前記コネクタ内の複数の照明接続体を1つ以上の光源に作動可能に接続することを含んでもよい。
【0011】
この明細書に援用され、この明細書の一部を構成する添付図面は、様々な例を示し、前記説明と共に、本開示の原理について説明する役目を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の形態に従った医療装置アセンブリの概略側面図。
図2】本開示の態様に従ったコネクタの概略側面図。
図3】本開示の態様に従った図2のコネクタに接続するためのポートまたはソケットの正面図。
図4】本開示の態様に従った図3のソケットに接続された図2のコネクタの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここで添付図面にその例が示されている本開示の態様について詳細に述べる。同一または同様の部品を指すためには、可能な限り同一の参照番号を図面全体にわたって用いる。本願で用いられる場合、「約」という用語は、表示した値の+/−5%以内の範囲の値を示し得る。
【0014】
概要
本開示の例は、医療装置アセンブリおよび関連する方法に関する。本願に記載する医療装置アセンブリは、内視鏡内における比較的低安価な構成要素/装備の配置、および制御装置内におけるより高価な構成要素/装備の配置を可能にし得る。複数の別個の資本的設備を有し、また光および電力のために複数の別々の接続を確立しなければならないという不都合に対処するために、電気接続および照明接続が1つの接続に併合され得る。
【0015】
詳細な例
図1は、例示的な医療装置100を示す。医療装置100は、内視鏡112、制御装置114、および内視鏡112と制御装置114とを接続するコネクタ102を備える。図1は単に例示であり、内視鏡112、制御装置114および/またはコネクタ102のいずれも単独で用いられてもよいし、組み合わせて用いられてもよいし、かつ/または他の装置とともに用いられてもよい。例えば、内視鏡112は、制御装置114とは異なる構成および/または装備を有する制御装置に接続されてもよい。同様に、制御装置114は、内視鏡112だけでなく、任意の適当な装置とともに用いられてもよい。例えば、制御装置114は、異なる内視鏡、カテーテル、プローブ、および/または電力、画像化装置、および/または光源の必ずしもすべてではないが、それらのうちの1つを用いる任意の他の装置とともに用いられてもよい。内視鏡112は、その原価が比較的安価であるため、1回使用されて廃棄されるように設計されていてもよいが、内視鏡112は所望により複数回使用されてもよいことが企図される。
【0016】
A.内視鏡
内視鏡112はシャフト113を備え得る。内視鏡112は遠位端部174および近位端部176を有し、遠位端部174と近位端部176との間には、1本以上の電線104および/または1つ以上の照明接続体106,108が延在する。近位端部176はコネクタ102に接続され得る。例えば、近位端部176は、内視鏡112のハンドル126によって、および/またはコネクタ102へ延びるアンビリカス(umbilicus)またはコネクタケーブル124によって、コネクタ102に接続され得る。一例において、コネクタ102は、内視鏡112の近位端部176に固定して取り付けられ得る。別の例では、コネクタ102は、内視鏡112に取り外し可能に取り付けられてもよい。
【0017】
内視鏡112は、その遠位端部174において1つ以上の照明装置を備え得る。例えば、図1に示すように、内視鏡112は2つの照明装置166,168を有し得る。照明装置166,168はそれぞれ照明接続体106,108の遠位端部であり得る。一例において、照明接続体106,108は、光ファイバ、ファイバ束またはそれらの組み合わせを備え得る。光を内視鏡112の近位端部176から遠位端部174に伝送するためにグラスファイバ束を用いるのではなく、光は高開口数を有する単一または数本の大径プラスチック光ファイバ内に伝送されてもよい。プラスチック光ファイバは、グラスファイバほど高価ではなく、内視鏡112の製造原価を低減し得る。単一ファイバの扱いおよび組み立ては、ファイバ束と比較して、より容易であり得、それにより製造時間を削減し、かつ生産高を潜在的に増大させることによって、さらに製造原価を低減する。
【0018】
プラスチック光ファイバはいくつかの異なる開口数および直径で入手可能である。ファイバの開口数および直径が大きいほど、より多くの光がファイバによって伝送され得る。内視鏡112の本体内における寸法的な制約に基づいて、十分な照明を提供することができ得る最も細いプラスチック光ファイバを選択することが有利であり得る。光は、内視鏡112の外部に位置する1つ以上の光源、例えば制御装置114内の1つ以上の光源から、照明接続体106,108に指向され得る。例示的な光源について下記で説明する。
【0019】
内視鏡112の遠位端部174は、電線104に接続された画像化装置110を備え得る。画像化装置110は、電荷結合素子(charge−coupled device:CCD)または相補型金属酸化膜半導体(complementary metal−oxide semiconductor:CMOS)画像センサーのような画像センサーを備え得る。また、画像化装置110がカメラ部を備え得ることも企図される。
【0020】
電線104は内視鏡112の外部の供給源、例えば壁コンセント、または制御装置114内の供給源から、画像化装置110に電力を提供し得る。電線104は、加えて、またはこれに代わって、画像化装置110からプロセッサにデータを伝送し得る。一例において、前記プロセッサは内視鏡112の内部にあり得る。例えば、前記プロセッサはハンドル126内に収容されていてもよい。別の例では、前記プロセッサは内視鏡112の外部にあってもよい。例えば、データは、電線104を介して、コネクタ102に、さらに制御装置114内の処理装置121へと伝送され得る。
【0021】
B.制御装置
図1に図示した例に示すように、制御装置114は、光源116,118、ポートまたはソケット130、電気的インタフェース120、処理装置121および/またはデータ出力部122のうちの1つ以上を備え得るが、これらに限定されるものではない。これらの構成要素は制御装置114の同一のハウジング115内にあり得る。制御装置114は、前述の構成要素を収容する単一体の資本的設備であり得る。
【0022】
ソケット130は、制御装置114のハウジング115の外部からハウジング115の内部へのアクセス、および/またはハウジング115内に配置された構成要素へのアクセスを提供し得る。例えば、ソケット130は、照明接続体106,108の光源116,118への作動可能な接続を可能にし得る。加えて、またはこれに代わって、ソケット130は、電線104の電気的インタフェース120、処理装置121および/またはデータ出力部122への作動可能な接続を可能にしてもよい。ソケット130は、例えば、溶着、係止構成、接着剤の使用、制御装置114との一体成形によって、制御装置114に取り付けられ得る。加えて、またはこれに代わって、ソケット130は、制御装置114の側面内に埋設されてもよいし、かつ/または制御装置114から取り外し可能であってもよい。ソケット130については、図3および図4に関連して以下でさらに詳細に説明する。
【0023】
光源116,118は、照明接続体106,108にそれぞれ接続され得る。これに代わって、照明接続体106,108は双方とも光源116,118のうちの1つに接続されてもよい。光源116,118はコネクタ106,108に取り外し可能に取り付けられてもよい。光源116,118は任意の適当な光源を備え得る。いくつかの例において、白色光および/または蛍光を含むが、これらに限定されない任意の波長の光が光源116,118によって放射され得る。一例において、光源116,118はハロゲン光源またはキセノン光源を備え得る。別の例では、光源116,118は発光ダイオード(LED)を備えてもよい。光源116,118は、光源の組み合わせを備えてもよい。例えば、光源116はハロゲン光を備え、かつ光源118はLEDを備えてもよい。光源116,118のうちの一方が光源の組み合わせを備えてもよい。例えば、光源116は、すべて単一の照明接続体106に接続されたハロゲン源、キセノン源、および/またはLED源の組み合わせを備えてもよい。光源116,118は例示に過ぎない。制御装置114は任意の適当な数および種類の光源を備え得る。
【0024】
電気的インタフェース120は任意の適当な装置からデータを受信し得る。一例において、電気的インタフェース120は、コネクタ102内に延在する電線104に取り外し可能に接続され得る。そのような例において、内視鏡112の遠位端部174に位置する画像化装置110からのデータは、電線104を介して電気的インタフェース120に伝送され得る。電気的インタフェース120は任意の適当な構成を有し得る。一例において、電気的インタフェース120は、ソケット130内に位置する16本のばね負荷式ポゴピン(spring loaded pogo pins)(図示せず)と、コネクタ102上において前記ピンに対応するパッド(図示せず)とを備え得る。この構成は16の別個の電気的接続を可能にし得る。一例において、前記構成は、画像化装置110への電力および接地の供給、並びに/または画像化装置110と制御装置114との間における、低電圧差動信号、画像化装置キャリブレーションデータおよび/または画像またはビデオデータを含む、データ転送を可能にし得る。
【0025】
処理装置121は、画像化装置110からのデータを較正するための情報、領域の明るさを判定するための情報、光源116,118の明るさを調節するための情報、画像化装置110によって見られる対象の大きさおよび/または構成を判定するための情報、画像化装置110からの出力画像を生成および調整するための情報、並びに/または他の適当な形態の処理のための情報を含むが、これらに制限されない任意の情報を処理するように構成され得る。一例において、処理装置121は、光源116,118への電力を提供および調節し、かつ/または画像情報をデータ出力部122において、またはデータ出力部122を介して、監視装置(図示せず)に送信し得る。また、処理装置121が光源116,118および/または画像化装置110に無関係の情報を処理することも企図される。例えば、処理装置121は、内視鏡112または他の適当な装置の目標領域までの最良の経路を判定し、その装置を目標領域まで操縦し得る。別の例では、内視鏡112または他の適当な装置は目標領域から試料を摘出し、処理装置121は前記試料の1つ以上の特性(例えば成分)を判定してもよい。
【0026】
データ出力部122は、処理装置121によって処理されたデータを出力するための任意の装置を備え得る。例えば、データ出力部122は、制御装置114の側面に埋設された、制御装置114に取り付けられた、かつ/または制御装置114に接続された監視装置(図示せず)を備え得る。データ出力部122は、監視装置または別個の演算器(図示せず)に接続するように構成されたポートまたはケーブル(図示せず)を備え得る。一例において、データ出力部122は静止画像またはビデオ画像を生成するか、または他の場合には通信し得る。そのような例では、これらの画像はデータ出力部122を介して監視装置上に表示され得る。
【0027】
C.コネクタ
コネクタ102は、シャフト113の近位端部176および/またはハンドル126に固定して取り付けられるか、または取り外し可能に取り付けられ得る。電線104、照明接続体106および/または照明接続体108は、シャフト113からコネクタ102の遠位端部まで、コネクタ102の長さにわたって延在し得る。コネクタ102は、例えば、締結具、ケーブル、溶着、係止構成、接着剤の使用、内視鏡112および/または制御装置114との一体成形によって、内視鏡112および/または制御装置114に取り付けられ得る。加えて、またはこれに代わって、コネクタ102は、アンビリカスまたはコネクタケーブル124によって、内視鏡112のハンドル126に取り付けられ得る。
【0028】
コネクタ102の一例を図2に示す。コネクタ102は、コネクタケーブル124、1本以上の電線104、照明接続体106,108のうちの1つ以上、突起216,218の1つ以上、および/または電気的接続部220を備えるが、これらに限定されるものではない。一例において、コネクタケーブル124はコネクタ102の遠位端部に接続され得る。コネクタケーブル124は内視鏡112の近位端部に接続され得る。例えば、コネクタケーブル124は、シャフト113の近位端部176においてハンドル126に接続されてもよい。電線104および/または照明接続体106,108は、コネクタケーブル124内に配置され、かつ/またはコネクタケーブル124の長さにわたり得る。電線104および/または照明接続体106,108は、コネクタ102の長さにわたり得る。一例において、コネクタケーブル124の長さは約4.6メートル未満であり得る。コネクタ102は内視鏡112と制御装置114との間の電気的接続および照明接続のための唯一のコネクタであり得ることが企図される。
【0029】
電線104は電気的接続部220まで延在し得る。一例において、電気的接続部220は、図1に示した電気的インタフェース120と電気的に連絡するように配置され得る。例えば、電気的接続部220は、電気的インタフェース120の1つ以上の接点またはピン(図示せず)に取り外し可能に接続され得る1つ以上の接点またはパッド(図示せず)を備えてもよい。
【0030】
一例において、図2に示すように、電線104はコネクタ102の長手軸線に沿って延在し得る。例えば、電線104は照明接続体106と照明接続体108との間に位置し得る。これは、照明接続体106,108を制御装置114内において離間され得る光源116,118に正しく整合させることを支援し得る。光源116と光源118とを引き離すことは、例えば、光源116,118の大きさに適応するため、光源116,118の光路が交差する可能性を回避するため、および/または光源116,118から放散する熱を分散させるのを助けるためを含む様々な理由で所望されることがある。
【0031】
照明接続体106,108は、突起216,218を通ってそれぞれ延び得る。突起216,218は制御装置114に接続し得る。突起216,218は制御装置114によって受容されるような寸法であり得る。例えば、突起216,218は約5cm〜10cmの長さであり得る。光源116,118は、約1.25cm〜4cm離れていてもよい。そのような例では、突起216、218は、照明接続体106,108が光源116,118と整合される(例えば、突起216,218が約1.25cm〜4cm離れ得る)ように構成され得る。例えば、光源116,118が約2.5cm離れていてもよい場合、照明接続体106,108および突起216,218もまた、それらが制御装置114によって受容される場所において約2.5cm離れ得る。照明接続体を光源と整合させるための公差は、約0.10mm〜約1.0mm、または好ましくは約0.25mmであり得る。前記公差は、必要とされる光の量に依存し得る。例えば、所望の面積を適当に照明するのに必要な光が少ないほど、前記公差は大きい。
【0032】
図2には2つの突起216,218が示されているが、単一の突起、または3つ以上の突起がコネクタ102上に存在してもよいことが理解されるはずである。単一の突起は、内視鏡112が単一の光源および単一の照明接続体を備える例において用いられ得る。3つ以上の突起は、内視鏡112が3つ以上の光源および3つ以上の照明接続体を備える例において用いられ得る。いくつかの例において、突起は2つ以上の照明接続体を含み得る。突起216および/または突起218は、コネクタ120が制御装置114に取り付けられるときに、電気的接続部220を電気的インタフェース120と整合させるのを支援し得る。
【0033】
D.ポート/ソケット
例示的なポートまたはソケット330を図3に示す。図1のソケット130はソケット330に類似し得る。ソケット330は、締結具開口332、照明接続体開口326,328、および/または電気的インタフェース120を備え得るが、これらに限定されるものではない。一例において、ソケット330は制御装置114の側面に取り付けられ得る。ソケット330は、締結具穴332を通じて締結具を挿入することにより、制御装置114に取り付けられるか、または前記制御装置内に収容され得る。例えば、ソケット330は、締結具穴332を通じてねじを挿入することにより取り付けられてもよい。
【0034】
コネクタ開口326,328は、それぞれ突起216,218を受容するように構成され得る。コネクタ開口326,328および突起216,218は、接続を維持するのを支援する摩擦嵌合を有し得る。いくつかの例において、摩擦嵌合はソケット330およびコネクタ102の他の要素の間で行われてもよい。コネクタ開口326,328は、突起216,218内の照明接続体106,108が制御装置114にアクセスし、図1の光源116,118と整合するのを可能にし得る。整合されたならば、突起216,218をコネクタ開口326,328内にさらに挿入することにより、照明接続体106,108が光源116,118と接触し、その結果、光が光源116,118から照明接続体106,108に伝送され得る。コネクタ102の突起216,218は、電気的接続部220がソケット330内の電気的インタフェース120上に、電気的インタフェース120内に、または電気的インタフェース120に対して、完全に着座するのと同時に、コネクタ開口326,328内に完全に着座し得、それにより照明接続体106,108を光源116,118に接続することが企図される。
【0035】
図4は、コネクタ102に接続されたソケット330の例を示す。コネクタケーブル124は、コネクタ102を内視鏡112のような別の装置に接続し得る。例えば、コネクタケーブル124は、コネクタ102を内視鏡112のハンドル126に接続し得る。
【0036】
本開示の多くの特徴は詳細な明細書から明らかであり、よって添付された特許請求の範囲により、本開示の真の趣旨および範囲内にある本開示のそのような特徴をすべて含むことが意図される。さらに多数の修正および別例が当業者によって容易に想到されるので、本開示を例示および記載された厳密な構造および操作に限定することは望ましくない。従って、すべての適当な変更物および均等物は用いられてもよく、本開示の範囲内に含まれる。
【0037】
他の例は、本願に開示された本発明の明細書および実施の検討から当業者には明白になるであろう。本明細書および例は、例示的なものに過ぎないと見なされることが意図され、本発明の真の範囲および趣旨は以下の特許請求の範囲によって示される。
図1
図2
図3
図4