(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記液相が、アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤、天然若しくは合成的に誘導された脂肪族アルコールエトキシレート非イオン性界面活性剤、又はこれらの混合物を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の水溶性単位用量物品。
前記アミンが、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、及びこれらの混合物を含む群から選択される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の水溶性単位用量物品。
前記液体洗濯洗剤組成物が、補助成分を含み、前記補助成分が、漂白剤、漂白触媒、染料、色調染料、アルコキシル化ポリアミン及びポリエチレンイミンを含む洗浄ポリマー、界面活性剤、溶媒、移染抑制剤、キレート剤、酵素、香料、カプセル化香料、セルロースポリマー、及びこれらの混合物を含む群から選択される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の水溶性単位用量物品。
請求項1〜14のいずれか一項に記載の水溶性単位用量物品に含まれる前記液体洗濯洗剤組成物の製造方法であって、前記固体を添加する工程を含み、前記固体が粒子を含み、前記粒子が500μm未満の平均粒径分布を有する、方法。
【発明を実施するための形態】
【0009】
洗濯洗剤組成物
本発明の液体洗濯洗剤組成物は、液相と固体活性物質とを含む。固体活性物質は、液相内に分散しており、液体洗濯洗剤組成物の0.5重量%〜7.5重量%存在する。固体活性物質は、汚れ放出ポリマー、増白剤、ポリカルボキシレートポリマー、又はこれらの混合物の群から選択される。固体活性物質及び液相については、以下でより詳細に説明する。
【0010】
好ましくは、液体洗濯洗剤組成物は、1000s
−1の剪断速度で300mPa・s〜700mPa・s、より好ましくは350mPa・s〜600mPa・sの粘度を有する。粘度を測定するための例示的な方法は、製造業者の説明書に従って、20℃で1000μmのギャップを使用してTA instruments製のレオメータDHR1を使用することである。
【0011】
本発明の液体洗濯洗剤組成物は、好ましくは、不透明である。理論に束縛されるものではないが、消費者は、優れた洗浄のシグナルとなるので、不透明な組成物を好む。不透明とは、本明細書では、当該組成物が、70超、より好ましくは72超、より好ましくは75超の新鮮ハンターL値を有することを意味する。ハンター色空間は、立方体として体系化される。L軸は、上から下に延びる。最大L値は、白色の100であり、最小値は、黒色の0である。a及びb軸は、特定の数値限定を有しないが、正のaは赤色、負のaは緑色、正のbは黄色、及び負のbは青色である(
図1を参照)。デルタ値(ΔL、Δa及びΔb)を測定することができ、これは色変化に関連する。合計色差であるΔEを計算することもできる。ΔEは、試験サンプルと比較サンプルとの間のL、a及びbの差を考慮した単一の値である。ΔEは、以下のとおり計算される。
L
1、a
1、b
1並びにL
2、a
2及びb
2を用いて、
ΔE=√(L
2−L
1)
2+(a
2−a
1)
2+(b
2−b
1)
2
【0012】
最小可知差異(JND)は、2.3を超えるΔEを特徴とする。JNDは、特定の感覚刺激の出発レベルと二次レベルとの間の人間の目で感知可能な最小差である。
【0013】
本発明の測定は、以下のとおり設定したHunterLab色測定機器(Hunter Lab Color Quest XE)を用いて行われる;
光照射器:D65、観察者の角度:10°、モード:反射
【0014】
この機器は、製造業者の指示書に従って用いられる。20mLのサンプルを、長さ10mm及び寸法55mm×57mmの固定経路を有する光学的に透明なガラスのセル内で試験する。測定の種類は、ポートにおいてサンプルの拡散及び正反射率を測定する反射測定RSINである。この測定は、正反射性の排出ポートの扉を閉じた状態で行う。
【0015】
新鮮ハンター色値は、調製直後の新鮮サンプルの色パラメータの尺度である。
【0016】
本発明の液体洗濯洗剤組成物全体は、事実上液体である。すなわち、たとえ液相内に分散した固体を含んでいようと、当該組成物は、固体又は顆粒状組成物ではなく、液体の性質を有する。本発明の洗濯洗剤組成物に関連して、用語「液体」は、このような分散液、ゲル、ペーストなどの形態を包含する。液体組成物は、好適に細分された形態の気体を含んでもよい。しかし、液体組成物は、錠剤又は顆粒などの全体が非液体である形態を除外する。
【0017】
用語「液体洗濯洗剤組成物」とは、家庭用洗濯機で布地を濡らし、処理することができる、例えば、衣類を洗浄することができる液体を含む任意の洗濯洗剤組成物を指す。
【0018】
液体組成物は、単位用量物品に処方され得る。本発明の単位用量物品は、少なくとも1つの区画に液体組成物を完全に封入する水溶性フィルムを含む。好適な単位用量物品については、以下でより詳細に説明する。
【0019】
液体洗濯洗剤組成物は、完全に処方された消費者製品として使用してもよく、又は1つ以上の更なる成分に添加して、完全に処方された消費者製品を形成してもよい。液体洗濯洗剤組成物は、布地を洗浄液に加える前に、布地、好ましくは布地のしみに加える「前処理」組成物であってもよい。
【0020】
液体洗濯洗剤組成物は、当該組成物の10重量%〜30重量%の直鎖アルキルベンゼンスルホネートを含む。
【0021】
液体洗濯洗剤組成物は、当該液体洗濯洗剤組成物の10重量%未満、又は更には5重量%未満、又は更には2重量未満の、アミン中和アニオン性界面活性剤を含み、当該アニオン性界面活性剤は、好ましくは、直鎖アルキルベンゼンスルホネート、アルキルサルフェート、及びこれらの混合物を含む群から選択される。
【0022】
液体洗濯洗剤組成物は、当該組成物の0.5重量%〜20重量%の水を含み、20℃で65%未満の平衡相対湿度を有し得る。
【0023】
当該組成物は、その組成物の5重量%未満のヒドロキシル含有アミン化合物を含む。好適なアミンについては、以下でより詳細に説明する。
【0024】
液体洗濯洗剤組成物は、界面活性剤を含み得る。好適な界面活性剤については、以下でより詳細に説明する。
【0025】
液体洗濯洗剤組成物は、香料原材料を含み得る。香料原材料は、好ましくは、アルデヒド、ケトン、又はこれらの混合物から選択される。
【0026】
本発明の液体洗濯洗剤組成物は、補助成分を含み得、当該補助成分は、固相中、液相中、又は両方に存在する。
【0027】
理論に束縛されるものではないが、ヒドロキシル含有アミン化合物の除去によって、多数の洗剤成分が溶液から出てくると考えられる。次に、これによって、組成物の粘度が増大する。本発明は、許容可能な粘度の組成物が得られるように、慎重に固体形態と液体形態との間で成分の形態のバランスをとる。
【0028】
更に、ヒドロキシル含有アミンの除去によって、処方が相分離する恐れがある(すなわち、少なくとも2つの明白に異なる相が見えることがある)。本発明は、相分離を最小限に抑えながら、低い相対湿度及びより低濃度のヒドロキシル含有アミン化合物を有する組成物を提供するという更なる効果を提供する。
【0029】
固体活性物質
本発明の液体洗濯洗剤組成物は、固体洗浄活性物質を含み、当該固体活性物質は、液相に分散している。
【0030】
「固体活性物質」とは、本明細書では、洗浄効果を提供しかつ固体である、すなわち、液体ではない任意の材料を意味する。固体活性物質は、粒子形態であってよい。粒子は、2μm〜50μmの平均粒径分布を有し得る。
【0031】
「水溶性」とは、本明細書では、最大孔径20マイクロメートルのガラスフィルターの使用後に本明細書に記載の方法によって測定したとき、固体の少なくとも75%、又は更には少なくとも85%、又は更には少なくとも95%が水に溶解することを意味する。
【0032】
予め秤量した3Lのビーカーに、5グラム±0.1グラムの固体を添加し、2L±5mLの蒸留水を添加する。これを、600rpmに設定した電磁攪拌器(Lablineモデル番号1250又は等価物)及び15cmの電磁攪拌器により、35℃にて30分間激しく攪拌した。次いで、この混合物を、上に定義した孔径(最大20マイクロメートル)の折り畳まれた定性焼結ガラスフィルターで濾過する。回収した濾液から任意の従来の方法によって水を乾燥させ、残った材料の重量を測定する(これが溶解又は分散画分である)。次いで、溶解度又は分散度の割合を計算することができる。
【0033】
水溶性固相は、液体洗濯洗剤組成物を12N(1200G)で10分間遠心分離したときに得ることができる。好ましい方法は、以下である。
1.使用前に、遠心分離器(Sigma Centrifuge 6−15H、6ポットロータ)を所望の温度に予め加熱する。遠心管をロータにロードするとき、当該遠心管は、常に、正反対の位置に互いに対向して配置しなければならず、試験することができるサンプルの数は、2、3、4及び6である。
2.85mLのポリカーボネートねじ蓋付き試験管を使用する。各管に50gの材料を充填し、合計質量:管+蓋+試験材料を測定した。
3.均一に離間するように遠心分離ロータに管を入れ、ロータカバーをしっかり締結する。遠心管をロータにロードするとき、当該遠心管は、常に、正反対の位置に互いに対向して配置しなければならず、試験することができるサンプルの数は、2、3、4及び6である。
4.遠心分離時間を90分に設定する。遠心分離器(17119相対遠心分離力まで速度を自動的に徐々に増大させる(分離速度を最大化するためにこの遠心分離器の最大RCFが用いられる)を起動させる。
5.数回使用後に遠心管に亀裂が入り得るので、90分の終わりに、なくなった材料がないことを確実に確認するために各管を再計量する。
6.遠心分離の最後に様々な画分を得ることができ、画分の数はサンプルの性質に依存し、固体画分は、最も密度が高く、底部が不透明な画分であり、比較的高粘度である。次いで、管から最上相を簡単に除去することによって、底画分を得ることができる。
【0034】
液体洗濯洗剤組成物は、当該液体洗濯洗剤組成物の0.5重量%〜7.5重量%の固体活性物質を含む。
【0035】
固体活性物質は、汚れ放出ポリマー、増白剤、ポリカルボキシレートポリマー、又はこれらの混合物の群から選択される。好適な汚れ放出ポリマー、増白剤及びポリカルボキシレートポリマーについては、以下でより詳細に説明する。
【0036】
固体活性物質は、当該固体活性物質の0.5重量%〜2.5重量%、又は更には0.5重量%〜5重量%、又は更には0.5重量%〜7.5重量%の汚れ放出ポリマーを含み得る。液体洗濯洗剤組成物は、当該液体洗濯洗剤組成物の0.5重量%〜2.5重量%、又は更には0.75重量%〜2重量%の汚れ放出ポリマーを含み得る。
【0037】
固体活性物質は、当該固体活性物質の0.5〜2.5重量%、又は更には0.5重量%〜5重量%、又は更には0.5重量%〜7.5重量%の増白剤を含み得る。液体洗濯洗剤組成物は、当該液体洗濯洗剤組成物の0.5重量%〜2.5重量%、又は更には0.75重量%〜2重量%の増白剤を含み得る。
【0038】
固体活性物質は、当該固体活性物質の0.5重量%〜2.5重量%、又は更には0.5重量%〜5重量%、又は更には0.5重量%〜7.5重量%のポリカルボキシレートポリマーを含み得る。液体洗濯洗剤組成物は、当該液体洗濯洗剤組成物の0.5重量%〜2.5重量%、又は更には0.75重量%〜2重量%のポリカルボキシレートポリマーを含み得る。
【0039】
上記の組成物は、固体非洗浄活性物質を含み得る。非洗浄活性物質としては、審美的若しくは感覚的効果を提供する成分、又は充填剤材料として分類されるものが挙げられる。例えば、非洗浄活性物質としては、粘土、香料、香料送達技術、柔軟性技術、顔料、シリコーン、消泡剤、付着促進技術などが挙げられる。
【0040】
液相
本発明の液体洗濯洗剤組成物は、固体活性物質が分散している液相を含む。
【0041】
液相は、当該液体の5重量%〜40重量%のアルコールを含む。アルコールについては、以下により詳細に説明する。
【0042】
液相は、当該組成物の5重量%〜20重量%、又は更には5重量%〜15重量%のアルコールを含み得る。
【0043】
液相は、天然又は合成的に誘導された脂肪族アルコールエトキシレート非イオン性界面活性剤を含み得る。好ましい合成的に誘導された脂肪族アルコールエトキシレート非イオン性界面活性剤、又はオキソ合成プロセスから誘導されたもの、すなわち、いわゆるオキソ合成非イオン性界面活性剤。上記の組成物は、当該組成物の0重量%〜30重量%、又は更には0.1重量%〜25重量%の脂肪族アルコールエトキシレート非イオン性界面活性剤を含み得る。
【0044】
エトキシ化非イオン性界面活性剤は、例えば、一級及び二級アルコールエトキシレート、特にアルコール1モル当たり平均1〜50モル、又は更には20モルのエチレンオキシドでエトキシ化されたC
8〜C
20脂肪族アルコール、より特にアルコール1モル当たり平均1〜10モルのエチレンオキシドでエトキシ化されたC
10〜C
15一級及び二級脂肪族アルコールであってよい。
【0045】
エトキシ化アルコール非イオン性界面活性剤は、例えば、3〜8モルのエチレンオキシドと、1モルの、9〜15個の炭素原子を有する一級アルコールとの縮合生成物であり得る。
【0046】
非イオン性界面活性剤は、式R(EO)
n(式中、Rは、4〜30個の炭素原子のアルキル鎖を表し、(EO)は、エチレンオキシドモノマーの1単位を示し、nは、0.5〜20の平均値を有する)の脂肪族アルコールエトキシレートを含み得る。
【0047】
上記の組成物は、他の非イオン性界面活性剤、好ましくは、天然又は合成非イオン性界面活性剤を含み得る。
【0048】
アルコール
液相は、当該組成物の5重量%〜40重量%、又は更には5重量%〜20重量%、又は更には5重量%〜15重量%のアルコールを含み、好ましくは、当該アルコールは、20〜400の分子量を有し、かつアルコールeRH試験によって測定したときに、20℃で50%〜80%、又は更には52%〜75%のeRHを有する。
【0049】
アルコールeRH試験は、脱イオン水中80%アルコールの溶液を調製する工程と、続いて、室温(20℃+/−1℃)で、較正したRotronic Hygrolab meter(深さ14mmのプラスチックサンプルライナにおいて)にこれを添加する工程と、これを25分間較正する工程と、最後に、記録されたeRHを測定する工程とを含む。用いたサンプルの体積は、プラスチックサンプルライナを充填するのに十分であった。
【0050】
「アルコール」とは、本明細書では、全てまとめたとき、それぞれが20〜400の分子量を有し、かつアルコール混合物が脱イオン水中80%活性物質溶液として存在するときに20℃で50%〜80%の、化合物又は混合物の全体eRHを有する、単一化合物又は化合物の混合物のいずれかを意味する。理論に束縛されるものではないが、アルコールは、少なくとも1つのOH単位、好ましくはポリオール及びジオール、より好ましくはジオールを含む任意の化合物である。好ましいジオールとしては、グリコールが挙げられる。
【0051】
アルコールは、エチレングリコール、1,3プロパンジオール、1,2プロパンジオール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、2,3−ブタンジオール、1,3ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロールホルマール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、及びこれらの混合物を含む群から選択され得る。
【0052】
最も好ましくは、アルコールは、エチレングリコール、1,2プロパンジオール、2,3−ブタンジオール、1,3ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロールホルマール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、及びこれらの混合物を含む群から選択され得る。
【0053】
更により好ましくは、アルコールは、1,2プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、2,3−ブタンジオール、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、及びこれらの混合物を含む群から選択される。
【0054】
最も好ましくは、アルコールは、1,2プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、及びこれらの混合物を含む群から選択され得る。
【0055】
汚れ放出ポリマー
洗浄活性物質は、汚れ放出ポリマーを含み得る。汚れ放出ポリマーは、ポリエステル汚れ放出ポリマーを含み得る。好適なポリエステル汚れ放出ポリマーは、テレフタレートポリマー、アミンポリマー、又はこれらの混合物から選択され得る。好適なポリエステル汚れ放出ポリマーは、以下の構造(I)、(II)又は(III):
(I)−[(OCHR
1−CHR
2)
a−O−OC−Ar−CO−]
d
(II)−[(OCHR
3−CHR
4)
b−O−OC−sAr−CO−]
e
(III)−[(OCHR
5−CHR
6)
c−OR
7]
f
(式中、
a、b及びcは、1〜200であり;
d、e及びfは、1〜50であり;
Arは、1,4−置換フェニレンであり;
sArは、5位がSO
3Meにより置換されている1,3−置換フェニレンであり;
Meは、H、Na、Li、K、Mg/2、Ca/2、Al/3、アンモニウム、モノ−、ジ−、トリ−若しくはテトラアルキルアンモニウム(アルキル基は、C
1〜C
18アルキル又はC
2〜C
10ヒドロキシアルキルである)、又はこれらの任意の混合物であり;
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、及びR
6は、独立して、H又はC
1〜C
18 n−若しくはイソ−アルキルから選択され;
R
7は、直鎖若しくは分枝鎖C
1〜C
18アルキル、又は直鎖若しくは分枝鎖C
2〜C
30アルケニル、又は5〜9個の炭素原子を有するシクロアルキル基、又はC
8〜C
30アリール基、又はC
6〜C
30アリールアルキル基である)のうちの1つによって定義される構造を有し得る。
【0056】
好適なポリエステル汚れ放出ポリマーは、上記の式(I)又は(II)の構造を有するテレフタレートポリマーであり得る。
【0057】
好適なポリエステル汚れ放出ポリマーとしては、Repel−o−tex SF2(Rhodia)などのRepel−o−texシリーズのポリマー、及び/又はTexcare SRA300(Clariant)などのTexcareシリーズのポリマーが挙げられる。
【0058】
増白剤
洗浄活性物質は、増白剤を含み得る。増白剤は、好ましくは、スチルベン増白剤、疎水性増白剤、及びこれらの混合物から選択される。
【0059】
増白剤は、増白剤15などのスチルベンを含み得る。他の好適な増白剤は、疎水性増白剤及び増白剤49である。増白剤は、3〜30マイクロメートル、又は3マイクロメートル〜20マイクロメートル、又は3〜10マイクロメートルの範囲内の重量平均粒径を有する微粉化粒子形態であってもよい。増白剤は、α又はβ結晶形態であってよい。
【0060】
好適な増白剤としては、ジスチリルビフェニル化合物、例えば、Tinopal(登録商標)CBS−X、ジアミノスチルベンジスルホン酸化合物、例えば、Tinopal(登録商標)DMS pure Xtra及びBlankophor(登録商標)HRH、並びにピラゾリン化合物、例えば、Blankophor(登録商標)SN、並びにクマリン化合物、例えば、Tinopal(登録商標)SWNが挙げられる。
【0061】
好ましい増白剤は、ナトリウム2(4−スチリル−3−スルホフェニル)−2H−ナフトール[1,2−d]トリアゾール、二ナトリウム4,4’−ビス{[(4−アニリノ−6−(Nメチル−N−2ヒドロキシエチル)アミノ1,3,5−トリアジン−2−イル)];アミノ}スチルベン−2−2’ジスルホネート、二ナトリウム4,4’−ビス{[(4−アニリノ−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)]アミノ}スチルベン−2−2’ジスルホネート、及び二ナトリウム4,4’−ビス(2−スルホスチリル)ビフェニルである。好適な蛍光増白剤は、そのβ又はα結晶質形態で用いることができるC.I.蛍光増白剤260、又はこれら形態の混合物である。
【0062】
ポリカルボキシレートポリマー
洗浄活性物質は、ポリカルボキシレートポリマーを含み得る。洗浄活性物質は、組成物の少なくとも5重量%のポリカルボキシレートポリマーを含み得る。固相は、当該固相の1重量%〜5重量%、又は更には1重量%〜2重量%のポリカルボキシレートポリマーを含み得る。液体洗濯洗剤組成物は、当該液体洗濯洗剤組成物の0.5重量%〜2.5重量%、又は更には0.75重量%〜2重量%のポリカルボキシレートを含み得る。
【0063】
ポリカルボキシレートポリマーは、マレエート/アクリレートランダムコポリマー又はポリアクリレートホモポリマーを含み得る。好適なポリカルボキシレートポリマーとしては、4,000Da〜9,000Daの分子量を有するポリアクリレートホモポリマー、50,000Da〜100,000Da又は60,000Da〜80,000Daの分子量を有するマレエート/アクリレートランダムコポリマーが挙げられる。
【0064】
別の好適なポリカルボキシレートポリマーは、(i)50〜98重量%未満の、カルボキシル基を含む1つ以上のモノマーから誘導される構造単位;(ii)1〜49重量%未満の、スルホネート部分を含む1つ以上のモノマーから誘導される構造単位;並びに(iii)1〜49重量%の、以下の式(I)及び(II):
【0065】
【化1】
(式(I)中、R
0は、水素原子又はCH
3基を表し、Rは、CH
2基、CH
2CH
2基、又は単結合を表し、Xは、0〜5の数を表すが、ただし、Xは、Rが単結合である場合、1〜5の数を表し、R
1は、水素原子又はC
1〜C
20有機基である);
【0066】
【化2】
(式(II)中、R
0は、水素原子又はCH
3基を表し、Rは、CH
2基、CH
2CH
2基又は単結合を表し、Xは、0〜5の数を表し、R
1は、水素原子又はC
1〜C
20有機基である)によって表されるエーテル結合含有モノマーから選択される1種以上のモノマーから誘導される構造単位、を含むコポリマーである。
【0067】
ポリマーは、少なくとも50kDa、又は更には少なくとも70kDaの重量平均分子量を有することが好ましい場合がある。
【0068】
アニオン性界面活性剤
液体洗濯洗剤組成物は、当該組成物の10重量%〜30重量%の非アミン中和直鎖アルキルベンゼンスルホネートを含む。直鎖アルキルベンゼンスルホネートは、液体中に存在してもよく、固体として、又はこれらの混合物として存在してもよい。直鎖アルキルベンゼンスルホネートが固体として存在する場合、好ましくは、層状液晶アルキルベンゼンスルホネートの形態である。「層状液晶」とは、本明細書では、界面活性剤分子が、溶媒の薄層によって分離されている溶融状態の界面活性剤の二層の積層体に構築されている状態である系を意味する。この構造は、流動体の観点における液体特性及び構造化の観点における固体特性の両方を有する。この構造は、そのd−スペーシング、二層の厚さの合計、及びシート間の溶媒層によって特徴付けられる。この構造の繰り返し及び周期性によって、結晶相に特徴的な急峻なx線回折ピークが得られる。
【0069】
非アミン中和直鎖アルキルベンゼンスルホネートは、アミン以外の中和物質を用いて、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸が、対応する直鎖アルキルベンゼンスルホネートに中和されているものである。このような中和基の非限定的な例としては、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、及びこれらの混合物が挙げられる。非アミン中和直鎖アルキルベンゼンスルホネートは、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸カリウム、アルキルベンゼンスルホン酸マグネシウム、又はこれらの混合物であってよい。
【0070】
例示的な直鎖アルキルベンゼンスルホネートは、C
10〜C
16アルキルベンゼンスルホン酸又はC
11〜C
14アルキルベンゼンスルホン酸である。「直鎖」とは、本明細書では、アルキル基が直鎖状であることを意味する。アルキルベンゼンスルホネートは、当該技術分野において周知である。特に有用なのは、アルキル基の炭素原子の平均数が約11〜14である、直鎖線状アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、カリウム、及びマグネシウムである。
【0071】
洗浄技術は、アミン中和アニオン性界面活性剤、好ましくは、アミン中和直鎖アルキルベンゼンスルホネート、アミン中和アルキルサルフェート、又はこれらの混合物を含み得る。液体洗濯洗剤組成物は、固相、液相、又は両方にアミン中和アニオン性界面活性剤を含み得る。
【0072】
液体洗濯洗剤組成物は、アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤を含み得る。液体洗濯洗剤組成物は、当該洗濯洗剤組成物の10重量%〜30重量%、又は更には15重量%〜25重量%のアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤を含み得る。
【0073】
アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、アミンで中和されていなくてもよく、アミンで中和されていてもよく、又はこれらの混合物であってもよく、好ましくは、アルキルサルフェートは、アミンで中和されていない。非アミン中和アルキルサルフェートは、アルキル硫酸ナトリウム、アルキル硫酸カリウム、アルキル硫酸マグネシウム、又はこれらの混合物であってよい。
【0074】
アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、液体中に存在してもよく、固体として、又はこれらの混合物として存在してもよい。アルキルサルフェートが固体として存在する場合、好ましくは、層状液晶アルキルサルフェートの形態である。アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、アルコキシ化されていてもよく、アルコキシ化されていなくてもよく、これらの混合物であってもよい。アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、主にC
12アルキルサルフェートを含む、C
10〜C
20一級分枝鎖及びランダムアルキルサルフェート(AS)であってよい。あるいは、アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、C
10〜C
18二級(2,3)アルキルサルフェートであってよい。あるいは、アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、C
10〜C
18アルキルアルコキシサルフェート(AE
xS)(xは1〜30である)であってよい。あるいは、アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、全ての上記アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤の混合物であってよい。アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤についての好適なカチオンの非限定的な例としては、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、アミン、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0075】
アミン
洗剤組成物は、当該組成物の5重量%未満のヒドロキシル含有アミン化合物、又は更には当該組成物の0.1重量%〜5重量%、又は更には0.1重量%〜4重量%のヒドロキシル含有アミン化合物を含む。「ヒドロキシル含有アミン化合物」とは、本明細書では、アルコール(OH)基及びアミン基を含む化合物を意味する。ヒドロキシル含有アミン化合物は、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、モノアミノヘキサノール、2−[(2−メトキシエチル)メチルアミノ]−エタノール、プロパノールアミン、N−メチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノブタノールアミン、イソブタノールアミン、モノペンタノールアミン、1−アミノ−3−(2−メトキシエトキシ)−2−プロパノール、2−メチル−4−(メチルアミノ)−2−ブタノール、6−アミノ−1−ヘキサノール、ヘプタミノール、イソエタリン、ノルエピネフリン、スフィンゴシン、フェニルプロパノールアミン、及びこれらの混合物から選択され得る。
【0076】
ヒドロキシル含有アミン化合物は、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、及びこれらの混合物を含む群から選択され得る。
【0077】
好ましくは、ヒドロキシル含有アミン化合物は、500未満、又は更には250未満の分子量を有する。
【0078】
洗剤組成物は、他のアミン含有化合物を含み得る。
【0079】
構造化剤
本発明の組成物は、当該組成物の2重量%未満の構造化剤を含み得る。構造化剤が存在する場合、好ましくは、当該組成物は、0.05重量%〜2重量%、好ましくは0.1重量%〜1重量%の構造化剤を含む。構造化剤は、非ポリマー構造化剤又はポリマー構造化剤から選択され得る。構造化剤は、非ポリマー構造化剤、好ましくは、結晶化可能なグリセリドであり得る。構造化剤は、ポリマー構造化剤、好ましくは、繊維系ポリマー構造化剤、より好ましくは、セルロース繊維系構造化剤であり得る。構造化剤は、結晶化可能なグリセリド、セルロース繊維系構造化剤、TiO
2、シリカ、及びこれらの混合物から選択され得る。
【0080】
好適な構造化剤は、好ましくは、十分な降伏応力又は低剪断粘度を付与して、組成物の洗浄性界面活性剤の任意の構造化効果とは独立に、すなわち、当該効果以外によって液体洗濯洗剤組成物を安定化させる成分である。好ましくは、構造化剤は、21℃、20sec−1で1〜1500cpsの高剪断粘度、及び5000cpsを超える低剪断粘度(21℃、0.05sec−1)を洗濯洗剤組成物に付与する。粘度は、直径40mmの平板鋼製スピンドル及びギャップサイズ500μmを用いて、TA instruments製のAR 550レオメータを使用して測定される。20s
−1における高剪断粘度及び0.5s
−1における低剪断粘度は、21℃で3分の対数剪断速度掃引0.1−1〜25−1から得ることができる。
【0081】
構造化剤は、結晶化可能なグリセリド、好ましくは、硬化ヒマシ油、すなわち「HCO」を含むポリマー結晶質ヒドロキシ官能性構造化剤であってよい。HCOは、本明細書で使用するとき、最も一般的には、非ポリマー結晶質ヒドロキシ官能性構造化剤プレミックスにおいて結晶化することができる限り、任意の硬化ヒマシ油又はその誘導体であってよい。ヒマシ油としては、ヒドロキシル基を組み込むC
10〜C
22アルキル又はアルケニル部分を含む、グリセリド、特にトリグリセリドを挙げることができる。HCOを生成するために、ヒマシ油を水素化して、出発油中にリシノレイル部分として存在し得る二重結合を変換する。その結果、リシノレイル部分は、飽和ヒドロキシアルキル部分、例えば、ヒドロキシステアリルに変換される。本明細書におけるHCOは、トリヒドロキシステアリン、ジヒドロキシステアリン、及びこれらの混合物から選択され得る。HCOは、固形、溶融物、及びこれらの混合物から選択されるものが挙げられるが、これらに限定されない任意の好適な出発形態で加工することができる。本発明で使用するHCOとしては、市販されているものが挙げられる。
【0082】
本発明において使用される市販のHCOの非限定的な例としては、Rheox,Inc.製のTHIXCIN(登録商標)が挙げられる。
【0083】
構造化剤は、繊維系構造化剤を含み得る。構造化剤は、典型的には高いアスペクト比(長さの断面寸法に対する比)を有する、ナノサイズのセルロースフィブリルから構成される材料であるミクロフィブリル化セルロース(MFC)を含み得る。典型的な横方向寸法は、1〜100又は5〜20ナノメートルであり、長手方向寸法は、ナノメートル〜数マイクロメートルの広範囲にわたる。構造化の改善のために、ミクロフィブリル化セルロースは、好ましくは、50〜200,000、より好ましくは、100〜10,000の平均アスペクト比(l/d)を有する。ミクロフィブリル化セルロースは、細菌セルロース、柑橘類繊維、及び植物(例えば、テンサイ、チコリー根、ジャガイモ、ニンジンなど)を含む任意の好適な供給源に由来し得る。
【0084】
構造化剤は、二酸化チタン、二酸化スズ、修飾TiO
2の任意の形態、TiO
2又は酸化第二スズ、オキシ塩化ビスマス又はオキシ塩化ビスマスでコーティングされたTiO
2、シリカでコーティングされたTiO
2又は金属酸化物でコーティングされたTiO
2、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。修飾TiO
2は、炭素修飾TiO
2、金属ドープTiO
2、又はこれらの混合物を含み得る。金属ドープTiO
2は、白金ドープTiO
2、ロジウムドープTiO
2から選択され得る。
【0085】
構造化剤は、シリカを含み得る。当業者は、使用するのに好適なシリカ物質を理解している。シリカは、ヒュームドシリカを含み得る。
【0086】
水及び平衡相対湿度
液体洗濯洗剤組成物は、当該組成物の0.5重量%〜15重量%の水を含む。液体洗濯洗剤組成物は、当該組成物の0.5重量%〜12重量%、又は更には0.5重量%〜10重量%の水を含み得る。
【0087】
液体洗濯洗剤組成物は、20℃で65%未満の平衡相対湿度を有し得る。
【0088】
当該組成物のeRHを測定するのに好ましい方法は、組成物eRH試験によるものである。組成物eRH試験は、室温(20℃+/−1℃)で、較正されたRotronic Hygrolab meter(深さ14mmのプラスチックサンプルライナにおいて)に当該組成物のサンプルを添加する工程と、これを25分間較正する工程と、最後に、記録されたeRHを測定する工程とを含む。用いたサンプルの体積は、プラスチックサンプルライナを充填するのに十分であった。
【0089】
補助剤成分
液体洗濯洗剤組成物は、補助成分を含み得る。液体洗濯洗剤組成物は、当該組成物の20重量%〜40重量%の補助成分を含み得る。補助成分は、漂白剤、漂白触媒、染料、色調染料、アルコキシル化ポリアミン及びポリエチレンイミンを含む洗浄ポリマー、界面活性剤、溶媒、移染抑制剤、キレート剤、酵素、香料、カプセル化香料、セルロースポリマー、及びこれらの混合物を含む群から選択され得る。
【0090】
水溶性パウチ
液体洗濯洗剤組成物は、水溶性単位用量物品内に存在し得、当該液体洗濯洗剤組成物は、当該液体洗濯洗剤組成物の0.5重量%〜15重量%、好ましくは0.5重量%〜12重量%、より好ましくは0.5重量%〜10重量%の水を含む。このような実施形態では、水溶性単位用量物品は、単位用量物品が水溶性フィルムによって包囲された少なくとも1つの内部区画を含むような形状の少なくとも1枚の水溶性フィルムを含む。少なくとも1つの区画は、液体洗濯洗剤組成物を含む。水溶性フィルムは、保管中に液体洗濯洗剤組成物が区画から漏れ出さないように封止される。しかし、水溶性単位用量物品を水に添加すると、水溶性フィルムが溶解して、内部区画の内容物が洗浄液中へと放出される。
【0091】
区画は、組成物を保持する、単位用量物品内の閉じた内部空間を意味すると理解されるべきである。好ましくは、単位用量物品は水溶性フィルムを含む。単位用量物品は、水溶性フィルムが組成物を完全に取り囲み、それによって組成物が存在する区画が画定されるように製造される。単位用量物品は、2枚のフィルムを含んでよい。第1のフィルムは、組成物が添加される開放された区画を含むような形状であってよい。次いで、区画の開口部を閉じるような配向で第1のフィルムを第2のフィルムで覆う。次いで、封止領域に沿って第1及び第2のフィルムを互いに封止する。フィルムについては、以下により詳細に説明する。
【0092】
単位用量物品は、2つ以上の区画、更には少なくとも2つの区画、又は更には少なくとも3つの区画を含んでよい。区画は、重ね合わせ配向、すなわち、一方が他方の上に位置するように配置してよい。あるいは、区画は、並列配向、すなわち、一方が他方に隣接するように位置してもよい。更に、区画は、「タイヤとリム」の配置で配向してもよく、すなわち、第1の区画が第2の区画に隣接して位置するが、第1の区画が第2の区画を少なくとも部分的に取り囲むが、第2の区画を完全には封入しない。あるいは、1つの区画が別の区画内に完全に封入されていてもよい。
【0093】
本発明のフィルムは、水溶性又は水分散性である。水溶性フィルムは、好ましくは20〜150マイクロメートル、好ましくは35〜125マイクロメートル、更により好ましくは50〜110マイクロメートル、最も好ましくは約76マイクロメートルの厚さを有する。
【0094】
好ましくは、最大孔径20マイクロメートルのガラスフィルターの使用後に本明細書に記載の方法によって測定したとき、フィルムは、少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、又は更には少なくとも95%の水溶性を有する。
予め秤量した3Lのビーカーに、5グラム±0.1グラムのフィルム材料を添加し、2L±5mLの蒸留水を添加する。これを、600rpmに設定した電磁攪拌器(Lablineモデル番号1250又は等価物)及び5cmの電磁攪拌器により、30℃にて30分間激しく攪拌した。次いで、この混合物を、上に定義した孔径(最大20マイクロメートル)の折り畳まれた定性焼結ガラスフィルターで濾過する。回収した濾液から任意の従来の方法によって水を乾燥させ、残った材料の重量を測定する(これが溶解又は分散画分である)。次いで、溶解度又は分散度の割合を計算することができる。
【0095】
好ましいフィルム材料は、好ましくは、ポリマー材料である。フィルム材料は、当該技術分野において既知であるとおり、例えば、ポリマー材料の注型成形、吹込成形、押出成形又は吹込押出成形によって得ることができる。
【0096】
パウチ材料として使用するのに好適な好ましいポリマー、コポリマー、又はこれらの誘導体は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、アクリルアミド、アクリル酸、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリカルボン酸及び塩、ポリアミノ酸又はペプチド、ポリアミド、ポリアクリルアミド、マレイン酸/アクリル酸のコポリマー、デンプン及びゼラチンを含む多糖類、キサンタン及びカラゴムなどの天然ゴムから選択される。より好ましいポリマーは、ポリアクリレート及び水溶性アクリレートコポリマー、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレートから選択され、最も好ましくは、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、並びにこれらの組み合わせから選択される。好ましくは、パウチ材料中のポリマー、例えば、PVAポリマーの濃度は、少なくとも60%である。ポリマーは、任意の重量平均分子量を有していてよく、好ましくは、約1000〜1,000,000、より好ましくは、約10,000〜300,000、更により好ましくは、約20,000〜150,000である。
【0097】
ポリマー混合物をパウチ材料として使用してもよい。
【0098】
好ましいフィルムは、冷水、すなわち、加熱されていない蒸留水中で良好な溶解を呈するものである。好ましくは、このようなフィルムは24℃の温度、更により好ましくは10℃の温度にて良好な溶解を示す。良好な溶解とは、上記のとおり、最大孔径20マイクロメートルのガラスフィルターの使用後に本明細書に記載の方法によって測定したとき、フィルムが、少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、又は更には少なくとも95%の水溶性を呈することを意味する。
【0099】
好ましいフィルムは、Monosolによって商品参照番号M8630、M8900、M8779、M8310として供給されているものである。
【0100】
フィルムは、不透明、半透明又は透明であってよい。フィルムは、印刷された領域を含んでよい。
【0101】
印刷領域は、フレキソ印刷又はインクジェット印刷などの標準的な技術を使用して得ることができる。
【0102】
フィルムは、例えば苦味剤などの嫌悪剤を含んでよい。好適な苦味剤としては、ナリンギン、オクタ酢酸スクロース、塩酸キニーネ、安息香酸デナトニウム、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。任意の好適な濃度の嫌悪剤をフィルムに使用してよい。好適な濃度としては、1〜5000ppm、又は更には100〜2500ppm、又は更には250〜2000rpmが挙げられるが、これらに限定されない。
【0103】
製造方法
本発明の液体洗濯洗剤組成物は、当該技術分野において既知の任意の好適な製造技術を使用して製造され得る。当業者であれば、本発明に係る組成物を製造するのに適切な方法及び機器を理解するであろう。
【0104】
好ましいプロセスは、固相を添加する工程を含み、当該固相は、粒子を含み、当該粒子は、500μm未満の平均粒径分布を有する。
【0105】
HCOプレミックスは、HCOを融解させ、小体積の温液体洗濯洗剤組成物(酵素も香料材料も含まない)に添加することによって形成され得る。次いで、HCOプレミックスを他の成分に添加して、液体洗濯洗剤組成物を形成する。
【0106】
使用方法
本発明の組成物又は単位用量物品は、洗濯物が既に存在しているか、又は洗濯物が加えられる洗浄液に添加してよい。上記の組成物又は物品は、洗濯機の稼働中に使用してよく、ドラムに直接添加しても、引き出し式ディスペンサー(dispenser drawer)に添加してもよい。洗濯機は、自動洗濯機であっても、半自動洗濯機であってもよい。布地柔軟剤又はしみ除去剤などの他の洗濯洗剤組成物と組み合わせて使用してもよい。洗浄液に添加する前に、前処理組成物として、しみに使用してもよい。
【0107】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に指示がない限り、そのような各寸法は、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【実施例】
【0108】
様々な組成物の粘度を比較した。以下の組成物を調製した。
【0109】
【表1】
【0110】
10cmのインペラを備えるIKA Eurostar 200ミキサを有する1Lのビーカーを調製することによって、組成物を製造した。これを250rpmで稼働させた。回転インペラを備えるビーカーに溶媒材料を添加し、続いて、界面活性剤材料を添加した。これらが分散したら、ポリマー及び塩を添加した。組成物のpHを、NaOHを用いて約&(Sartorius PT−10 pH計を用いて測定)に調整した。次いで、残りの成分を添加し、混合した。全ての材料を、Mettler Toledo PB3002−S秤を用いて計量した。
【0111】
組成物Cは、当該組成物Cの6.25重量%のモノエタノールアミンを含んでいた。組成物A及びBは、モノエタノールアミンを含んでいなかった。
【0112】
次いで、20℃で1000μmのギャップを使用してTA instruments製のレオメータDHR1を用いて、組成物の粘度を測定した。サンプルを、0.05s
−1で1分間平衡化し、続いて、10分間にわたって0.05s
−1〜1200s
−1の流動曲線を測定した。0.05s
−1〜1000s
−1の結果を表2に示す。
【0113】
【表2】
【0114】
0.05s
−1における剪断力は、消費者が組成物を注いでいる間に組成物が受ける剪断力に相当する。1000s
−1における剪断力は、製造中に組成物が受ける剪断力に相当する。
【0115】
6.25%のモノエタノールアミンを含む組成物Cは、消費者注入剪断力及び加工投入剪断力に相当する低及び高剪断力において、許容可能な粘度プロファイルを示す。
【0116】
しかし、組成物Aにおいてモノエタノールアミンを除去した(そして、対応して、界面活性剤を炭酸ナトリウムで中和した)とき、粘度が許容不可能なレベルに増大する。
【0117】
モノエタノールアミンが除去され、界面活性剤が炭酸ナトリウムで中和されているだけでなく、1,2−プロパンジオールも添加されている組成物Bは、本発明に相当する。粘度は、許容可能なレベルまで戻る。