(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記酵素が、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ケラタナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、及びアミラーゼ、又はこれらの混合物を含む群から選択される、請求項1に記載の水溶性単位用量物品。
前記液相が、アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤、天然若しくは合成的に誘導された脂肪族アルコールエトキシレート非イオン性界面活性剤、又はこれらの混合物を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の水溶性単位用量物品。
前記液体洗濯洗剤組成物が、補助成分を含み、前記補助成分が、漂白剤、漂白触媒、染料、色調染料、アルコキシル化ポリアミン及びポリエチレンイミンを含む洗浄ポリマー、汚れ放出ポリマー、界面活性剤、溶媒、移染抑制剤、キレート剤、酵素、香料、カプセル化香料、ポリカルボキシレート、構造化剤、及びこれらの混合物を含む群から選択される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の水溶性単位用量物品。
【発明を実施するための形態】
【0009】
洗濯洗剤組成物
本発明の液体洗濯洗剤組成物は、液相と、当該組成物の0.5重量%〜15重量%の固体酵素粒子とを含む。固体粒子は、液相内に分散している。好適な酵素については、以下でより詳細に説明する。固体粒子及び液相については、以下でより詳細に説明する。
【0010】
好ましくは、液体洗濯洗剤組成物は、1000s
−1の剪断速度で300mPa・s〜700mPa・s、より好ましくは350mPa・s〜600mPa・sの粘度を有する。粘度を測定するための例示的な方法は、製造業者の説明書に従って、20℃で1000μmのギャップを使用してTA instruments製のレオメータDHR1を使用することである。
【0011】
本発明の液体洗濯洗剤組成物は、好ましくは、不透明である。理論に束縛されるものではないが、消費者は、優れた洗浄のシグナルとなるので、不透明な組成物を好む。不透明とは、本明細書では、当該組成物が、70超、より好ましくは72超、より好ましくは75超の新鮮ハンターL値を有することを意味する。ハンター色空間は、立方体として体系化される。L軸は、上から下に延びる。最大L値は白色の100であり、最小値は黒色の0である。a及びb軸は、特定の数値限定を有しないが、正のaは赤色、負のaは緑色、正のbは黄色、及び負のbは青色である(
図1を参照)。デルタ値(ΔL、Δa及びΔb)を測定することができ、これは色変化に関連する。合計色差であるΔEを計算することもできる。ΔEは、試験サンプルと比較サンプルとの間のL、a及びbの差を考慮した単一の値である。ΔEは、以下のとおり計算される。
L
1、a
1、b
1並びにL
2、a
2及びb
2を用いて、
ΔE=√(L
2−L
1)
2+(a
2−a
1)
2+(b
2−b
1)
2
【0012】
最小可知差異(JND)は、2.3を超えるΔEを特徴とする。JNDは、特定の感覚刺激の出発レベルと二次レベルとの間の人間の目で感知可能な最小差である。
【0013】
本発明の測定は、以下のとおり設定したHunterLab色測定機器(Hunter Lab Color Quest XE)を用いて行われる;
光照射器:D65、観察者の角度:10°、モード:反射
【0014】
この機器は、製造業者の指示書に従って用いられる。20mLのサンプルを、長さ10mm及び寸法55mm×57mmの固定経路を有する光学的に透明なガラスのセル内で試験する。測定の種類は、ポートにおいてサンプルの拡散及び正反射率を測定する反射測定RSINである。この測定は、正反射性の排出ポートの扉を閉じた状態で行う。
【0015】
新鮮ハンター色値は、調製直後の新鮮サンプルの色パラメータの尺度である。
【0016】
本発明の液体洗濯洗剤組成物全体は、事実上液体である。すなわち、たとえ液相内に分散している固体粒子を含んでいようと、当該組成物は、固体又は顆粒状組成物ではなく、液体の性質を有する。本発明の洗濯洗剤組成物に関連して、用語「液体」は、このような分散液、ゲル、ペーストなどの形態を包含する。液体組成物は、好適に細分された形態の気体を含んでもよい。しかし、液体組成物は、錠剤又は顆粒などの全体が非液体である形態を除外する。
【0017】
用語「液体洗濯洗剤組成物」とは、家庭用洗濯機で布地を濡らし、処理することができる、例えば、衣類を洗浄することができる液体を含む任意の洗濯洗剤組成物を指す。
【0018】
液体組成物は、単位用量物品に処方され得る。本発明の単位用量物品は、少なくとも1つの区画に液体組成物を完全に封入する水溶性フィルムを含む。好適な単位用量物品については、以下でより詳細に説明する。
【0019】
液体洗濯洗剤組成物は、完全に処方された消費者製品として使用してもよく、又は1つ以上の更なる成分に添加して、完全に処方された消費者製品を形成してもよい。液体洗濯洗剤組成物は、布地を洗浄液に加える前に、布地、好ましくは布地のしみに加える「前処理」組成物であってもよい。
【0020】
液体洗濯洗剤組成物は、当該組成物の10重量%〜30重量%の直鎖アルキルベンゼンスルホネートを含む。
【0021】
液体洗濯洗剤組成物は、当該液体洗濯洗剤組成物の10重量%未満、又は更には5重量%未満、又は更には2重量未満の、アミン中和アニオン性界面活性剤を含み、当該アニオン性界面活性剤は、好ましくは、直鎖アルキルベンゼンスルホネート、アルキルサルフェート、及びこれらの混合物を含む群から選択される。
【0022】
液体洗濯洗剤組成物は、当該組成物の0.5重量%〜50重量%の水を含み、好ましくは、20℃で65%未満の平衡相対湿度を有する。
【0023】
当該組成物は、当該組成物の5重量%未満のヒドロキシル含有アミンを含む。好適なアミンについては、以下でより詳細に説明する。
【0024】
液体洗濯洗剤組成物は、界面活性剤を含み得る。好適な界面活性剤については、以下でより詳細に説明する。
【0025】
液体洗濯洗剤組成物は、シリカを含み得る。
【0026】
液体洗濯洗剤組成物は、香料原材料を含み得る。香料原材料は、好ましくは、アルデヒド、ケトン、又はこれらの混合物から選択される。
【0027】
本発明の液体洗濯洗剤組成物は、補助成分を含み得、当該補助成分は、固相中、液相中、又は両方に存在する。
【0028】
理論に束縛されるものではないが、ヒドロキシル含有アミン化合物の除去によって、多数の洗剤成分が溶液から出てくると考えられる。次に、これによって、組成物の粘度が増大する。本発明は、許容可能な粘度の組成物が得られるように、慎重に固体形態と液体形態との間で成分の形態のバランスをとる。
【0029】
更に、ヒドロキシル含有アミンの除去によって、処方が相分離する恐れがある(すなわち、少なくとも2つの明白に異なる相が見えることがある)。本発明は、相分離を最小限に抑えながら、低い相対湿度及びより低濃度のヒドロキシル含有アミン化合物を有する組成物を提供するという更なる効果を提供する。
【0030】
固体酵素粒子
本発明の液体洗濯洗剤組成物は、固体酵素粒子を含み、当該固体酵素粒子は、液相に分散している。好ましくは、酵素粒子は、部分的に又は完全に水溶性である。
【0031】
「固体」とは、本明細書では、固体である、すなわち、液体ではない任意の材料を意味する。固体は、粒子形態である。用語「粒子」は、本明細書では、その最も広い意味で用いられる。粒子は、2μm〜50μmの平均粒径分布を有し得る。
【0032】
「水溶性」とは、本明細書では、最大孔径20マイクロメートルのガラスフィルターの使用後に本明細書に記載の方法によって測定したとき、固体の少なくとも75%、又は更には少なくとも85%、又は更には少なくとも95%が水に溶解することを意味する。
【0033】
予め秤量した3Lのビーカーに、5グラム±0.1グラムの固体を添加し、2L±5mLの蒸留水を添加する。これを、600rpmに設定した電磁攪拌器(Lablineモデル番号1250又は等価物)及び15cmの電磁攪拌器により、35℃にて30分間激しく攪拌した。次いで、この混合物を、上に定義した孔径(最大20マイクロメートル)の折り畳まれた定性焼結ガラスフィルターで濾過する。回収した濾液から任意の従来の方法によって水を乾燥させ、残った材料の重量を測定する(これが溶解又は分散画分である)。次いで、溶解度又は分散度の割合を計算することができる。
【0034】
水溶性固相は、液体洗濯洗剤組成物を12N(1200G)で10分間遠心分離したときに固体画分中に得られる任意の材料からなる。好ましい方法は、以下である。
1.使用前に、遠心分離器(Sigma Centrifuge 6−15H、6ポットロータ)を所望の温度に予め加熱する。遠心管をロータにロードするとき、当該遠心管は、常に、正反対の位置に互いに対向して配置しなければならず、試験することができるサンプルの数は、2、3、4及び6である。
2.85mLのポリカーボネートねじ蓋付き試験管を使用する。各管に50gの材料を充填し、合計質量:管+蓋+試験材料を測定した。
3.均一に離間するように遠心分離ロータに管を入れ、ロータカバーをしっかり締結する。遠心管をロータにロードするとき、当該遠心管は、常に、正反対の位置に互いに対向して配置しなければならず、試験することができるサンプルの数は、2、3、4及び6である。
4.遠心分離時間を90分に設定する。遠心分離器(17119相対遠心分離力まで速度を自動的に徐々に増大させる(分離速度を最大化するためにこの遠心分離器の最大RCFが用いられる)を起動させる。
5.数回使用後に遠心管に亀裂が入り得るので、90分の終わりに、材料がなくなっていないことを確実に確認するために各管を再計量する。
6.遠心分離の最後に様々な画分を得ることができ、画分の数はサンプルの性質に依存し、固体画分は、最も密度が高く、底部が不透明な画分であり、比較的高粘度である。次いで、管から最上相を簡単に除去することによって、底画分を得ることができる。
【0035】
液体洗濯洗剤組成物は、当該液体洗濯洗剤組成物の0.5重量%〜10重量%、又は更には0.5重量%〜7.5重量%、又は更には0.5重量%〜5重量%の酵素粒子を含み得る。
【0036】
酵素は、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ケラタナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ及びアミラーゼ、又はこれらの混合物を含む群から選択され得る。典型的な組み合わせは、プロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ及び/又はセルラーゼのような従来の適用可能な酵素をアミラーゼと組み合わせた混液である。
【0037】
典型的な組み合わせは、例えば、アミラーゼとともにプロテアーゼ及びリパーゼを含み得る酵素カクテルである。
【0038】
好ましい酵素は、プロテアーゼを含み得る。好適なプロテアーゼとしては、例えば、サブチリシン(EC 3.4.21.62)などの中性又はアルカリ性微生物セリンプロテアーゼを含むメタロプロテアーゼ及びセリンプロテアーゼが挙げられる。一態様では、このような好適なプロテアーゼは、微生物起源のものであってよい。好適なプロテアーゼとしては、前述の好適なプロテアーゼの化学的又は遺伝的に改変された突然変異体が挙げられる。一態様では、好適なプロテアーゼは、アルカリ性微生物プロテアーゼ又は/及びトリプシン型プロテアーゼなどのセリンプロテアーゼであってよい。好適な中性又はアルカリ性プロテアーゼの例としては、以下が挙げられる。
(a)バチルス・レンタス(Bacillus lentus)、バチルス・アルカロフィラス(B.alkalophilus)、バチルス・サブチルス(B.subtilis)、バチルス・アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)及びバチルス・ギブソニイ(Bacillus gibsonii)などのバチルス属由来のものを含むサブチリシン(EC 3.4.21.62)。
(b)フサリウムプロテアーゼ及びセルロモナス(Cellumonas)に由来するキモトリプシンプロテアーゼを含む、(例えば、ブタ起源又はウシ起源の)トリプシンなどのトリプシン型又はキモトリプシン型プロテアーゼ。
(c)バチルス・アミロリケファシエンスに由来するものを含むメタロプロテアーゼ。
(d)バチルス属の種TY−145、NCIMB 40339に由来するサブチリシンプロテアーゼ、特に、171、173、175又は179位に置換及び/又は欠失を有する、記載する変異型。
【0039】
好ましいプロテアーゼとしては、バチルス・ギブソニイ、バチルス・アミロリケファシエンス、バチルス属の種TY−145又はバチルス・レンタスに由来するものが挙げられる。
【0040】
好適な市販のプロテアーゼ酵素としては、Novozymes A/S(Denmark)によって商標名Alcalase(登録商標)、Savinase(登録商標)、Primase(登録商標)、Durazym(登録商標)、Polarzyme(登録商標)、Kannase(登録商標)、Liquanase(登録商標)、Liquanase Ultra(登録商標)、Savinase Ultra(登録商標)、Ovozyme(登録商標)、Neutrase(登録商標)、Blaze(登録商標)、Everlase(登録商標)及びEsperase(登録商標)として販売されているもの、DuPont International Biosciencesによって商標名Maxatase(登録商標)、Maxacal(登録商標)、Maxapem(登録商標)、Properase(登録商標)、Purafect(登録商標)、Purafect Prime(登録商標)、Purafect Ox(登録商標)、FN3(登録商標)、FN4(登録商標)、Excellase(登録商標)、Ultimase(登録商標)、Purafect OXP(登録商標)及びPreferenz P(登録商標)シリーズとして販売されているもの、Solvay Enzymesによって商標名Opticlean(登録商標)及びOptimase(登録商標)として販売されているもの、BASFから入手可能なもの、すなわちBLAP(突然変異S99D+S101R+S103A+V104I+G159Sを有する米国特許第5,352,604号の
図29に示されている配列、以下BLAPと称する)、BLAP R(突然変異S3T+V4I+V199M+V205I+L217Dを有するBLAP)、BLAP X(突然変異S3T+V4I+V205Iを有するBLAP)及びBLAP F49(突然変異S3T+V4I+A194P+V199M+V205I+L217Dを有するBLAP)(いずれもBASF製)、並びに花王株式会社から入手可能なKAP(突然変異A230V+S256G+S259Nを有するバチルス・アルカロフィラスのサブチリシン)が挙げられる。
【0041】
好適なα−アミラーゼとしては、細菌又は真菌起源のものが挙げられる。化学的に又は遺伝的に改変された突然変異体(変異体)が含まれる。好ましいアルカリ性α−アミラーゼは、バチルス属の菌株、例えば、バチルス・リケニフォルミス、バチルス・アミロリケファシエンス、バチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)、バチルス・サブチルス、又は他のバチルス属の種、例えば、バチルス属の種、NCIB 12289、NCIB 12512、NCIB 12513、DSM 9375、DSM 12368、DSMZ no.12649、KSM AP1378、KSM K36又はKSM K38に由来する。好ましいアミラーゼとしては以下が挙げられる:
(a)国際公開第94/02597号、同第94/18314号、同第96/23874号及び同第97/43424号に記載されている変異体、特に国際公開第96/23874号に配列番号2として列挙されている酵素に対して、以下の位置:15、23、105、106、124、128、133、154、156、181、188、190、197、202、208、209、243、264、304、305、391、408及び444のうちの1つ以上が置換されている変異体。
(b)米国特許第5,856,164号、並びに国際公開第99/23211号、同第96/23873号、同第00/60060号及び同第06/002643号に記載されている変異体、特に国際公開第06/002643号に配列番号12として列挙されているAA560酵素に対して、以下の位置:
26、30、33、82、37、106、118、128、133、149、150、160、178、182、186、193、203、214、231、256、257、258、269、270、272、283、295、296、298、299、303、304、305、311、314、315、318、319、339、345、361、378、383、419、421、437、441、444、445、446、447、450、461、471、482、484のうちの1つ以上が置換されており、好ましくはD183
*及びG184
*の欠失も含有する変異体。
(c)国際公開第06/002643号の配列番号4と少なくとも85%、好ましくは90%の同一性を示す変異体、バチルス属SP722由来の野性型酵素、特に、183及び184位に欠失を有する変異体、並びに国際公開第00/60060号、同第11/100410号及び同第13/003659号に記載の変異体、特に、国際公開第06/002643号の配列番号4に対して以下の位置:
51、52、54、109、304、140、189、134、195、206、243、260、262、284、347、439、469、476及び477のうちの1つ以上が置換されているもの。
(d)バチルス属の種707(米国特許第6,093,562号の配列番号7)由来の野生型酵素と少なくとも95%の同一性を示す変異体、特に以下の突然変異:M202、M208、S255、R172及び/又はM261のうちの1つ以上を含むもの。好ましくは、上記のアミラーゼは、M202L、M202V、M202S、M202T、M202I、M202Q、M202W、S255N及び/又はR172Qのうちの1つ以上を含む。特に好ましいのは、M202L又はM202T突然変異を含むものである。
(e)国際公開第09/149130号に記載されている変異体、好ましくは国際公開第09/149130号の配列番号1又は配列番号2と少なくとも90%の同一性を有するもの、ゲオバチルス・ステアロフェルモフィルス(Geobacillus Stearophermophiluss)に由来する野生型酵素又はその切頭バージョン。
(f)国際公開第10/115021号に記載されている変異体、特に、国際公開第10/115021号の配列番号2と少なくとも75%、又は少なくとも85%、又は少なくとも90%、又は少なくとも95%を示すもの、バチルス属の種TS−23に由来するα−アミラーゼ。
【0042】
好適な市販のα−アミラーゼとしては、DURAMYL(登録商標)、LIQUEZYME(登録商標)、TERMAMYL(登録商標)、TERMAMYL ULTRA(登録商標)、NATALASE(登録商標)、SUPRAMYL(登録商標)、STAINZYME(登録商標)、STAINZYME PLUS(登録商標)、EVEREST(登録商標)、FUNGAMYL(登録商標)及びBAN(登録商標)(Novozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark))、KEMZYM(登録商標)AT 9000(Biozym Biotech Trading GmbH(Wehlistrasse 27b A−1200 Wien Austria))、RAPIDASE(登録商標)、PURASTAR(登録商標)、ENZYSIZE(登録商標)、OPTISIZE HT PLUS(登録商標)、POWERASE(登録商標)及びPURASTAR OXAM(登録商標)、PREFERENZ S1000及びPREFERENZ S110を含むPREFERENZ(登録商標)Sシリーズ(DuPont Industrial Biosciences(Palo Alto,California);並びにKAM(登録商標)(花王株式会社(日本、〒103−8210、東京都中央区日本橋茅場町1丁目14−10))が挙げられる。一態様では、好適なアミラーゼとしては、NATALASE(登録商標)、EVEREST(登録商標)、PREFERENZ S1000(登録商標)、STAINZYME(登録商標)及びSTAINZYME PLUS(登録商標)、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0043】
一態様では、このような酵素は、「第1サイクルのリパーゼ」を含む、リパーゼからなる群から選択することができる。一態様では、リパーゼは、第1の洗浄用リパーゼ、好ましくはT231R及びN233R突然変異のうちの1つ以上を含む、サーモマイセス・ラヌゲノウス(Thermomyces lanuginosus)由来の野生型リパーゼの変異体である。野生型配列は、Swissprotアクセッション番号Swiss−Prot O59952(サーモマイセス・ラヌゲノウス(フミコーラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa)由来)の269個のアミノ酸(アミノ酸23〜291)である。好ましい第1のサイクルのリパーゼとしては、以下の位置:27、38、58、60、83、96、111、150、163、227、231、233、254、255及び256のうちの1つ以上に突然変異を有するものが挙げられる。更なる好ましいリパーゼ変異体は、野性型リパーゼよりも正電荷が多い正味電荷を有する。正味電荷は、アニオン性基(D及びE)に−1の電荷を割り当て、カチオン性基(R及びK)に+1の正味電荷を割り当て、野性型と比較することによって計算することができる。好ましい突然変異としては、D27R、G38A、G91A、D96G、D96E、D111A、G163K、G225R、T231R、N233R、D254S、P256T、S58A、V60S、S83T、A150G、L227G、I255A及び/又はP256Kが挙げられる。好ましい変異体としては、以下の突然変異を有するものが挙げられる:
(a)T231R+N233R;
(b)D27R+G38A+D96E+D111A+G163K+T231R+N233R+D254S+P256T
(c)G91A+D96G+G225R+T231R+N233R
【0044】
好ましいリパーゼとしては、商標名Lipex(登録商標)、Lipoclean(登録商標)、Calipso(登録商標)及びLipolex(登録商標)として販売されているものが挙げられる。
【0045】
一態様では、他の好ましい酵素としては、米国特許第7,141,403(B2)号におけるアミノ酸配列の配列番号2と少なくとも90%、94%、97%、及び更には99%の同一性の配列を有するバチルス属のメンバー並びにこれらの混合物に対して内因性である細菌ポリペプチドを含む、エンド−β−1,4−グルカナーゼ活性(E.C.3.2.1.4)を示す真菌及び微生物由来のエンドグルカナーゼが挙げられる。好適なエンドグルカナーゼは、商標名Celluclean(登録商標)、Carezyme(登録商標)、Celluzyme(登録商標)、Carezyme Premium(登録商標)及びWhitezyme(登録商標)(Novozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark)として販売されている。
【0046】
他の好ましい酵素としては、商標名Pectawash(登録商標)、Pectaway(登録商標)、Xpect(登録商標)として販売されているペクチン酸リアーゼと、商標名Mannaway(登録商標)(全てNovozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark)製)並びにPreferenz F(登録商標)及びPurabrite(登録商標)(DuPont International Biosciences(Palo Alto,California))として販売されているマンナーゼとが挙げられる。
【0047】
デオキシリボヌクレアーゼ(DNase):好適なデオキシリボヌクレアーゼ(DNase)は、DNA骨格におけるホスホジエステル結合の加水分解による切断を触媒し、それによって、DNAを分解する任意の酵素である。本発明によれば、細菌から入手することができるDNaseが好ましい;特に、バチルス属から入手することができるDNaseが好ましい;特に、バチルス・サブチルス又はバチルス・リケニフォルミスから入手することができるDNaseが好ましい。
【0048】
ペルヒドロラーゼ:好適なペルヒドロラーゼは、過酸素源(例えば、過酸化水素)の存在下でカルボン酸エステル(アシル)基質から過酸が生成される過加水分解反応を触媒することができる。多くの酵素は低レベルでこの反応を実施するが、ペルヒドロラーゼは、高い過加水分解:加水分解比を呈する(多くの場合、1を超える)。好適なペルヒドロダーゼは、植物起源、細菌起源又は真菌起源であってよい。化学的に修飾された又はタンパク質操作された突然変異体が含まれる。
【0049】
有用なペルヒドロラーゼの例としては、天然に生じるマイコバクテリアペルヒドロラーゼ酵素、又はその変異体が挙げられる。例示の酵素は、マイコバクテリア・スメグマチス(Mycobacterium smegmatis)に由来する。
【0050】
オキシダーゼ/ペルオキシダーゼ:好適なオキシダーゼ及びペルオキシダーゼ(又は酸化還元酵素)としては、様々な糖オキシダーゼ、ラッカーゼ、ペルオキシダーゼ及びハロペルオキシダーゼが挙げられる。
【0051】
好適なペルオキシダーゼとしては、International Union of Biochemistry and Molecular Biology(IUBMB)のNomenclature Committeeによって設定されている酵素分類EC1.1 1.1.7に含まれるもの、又はペルオキシダーゼ活性を呈するこれに由来する任意の断片が挙げられる。
【0052】
好適なペルオキシダーゼとしては、植物起源、細菌起源又は真菌起源のものが挙げられる。化学的に修飾された又はタンパク質操作された突然変異体が含まれる。有用なペルオキシダーゼの例としては、ヒトヨタケ属(Coprinopsis)、例えば、C.シネレア(cinerea)由来のペルオキシダーゼ、及びその変異体が挙げられる。
【0053】
また、本発明で使用するためのペルオキシダーゼは、ハロペルオキシダーゼ酵素、例えば、クロロペルオキシダーゼ、ブロモペルオキシダーゼ、及びクロロペルオキシダーゼ又はブロモペルオキシダーゼ活性を呈する化合物も含む。ハロペルオキシダーゼは、ハロゲン化物イオンに対する特異性に従って分類される。クロロペルオキシダーゼ(E.C.1.11.1.10)は、塩化物イオンからの次亜塩素酸塩の形成を触媒する。
【0054】
一実施形態では、ハロペルオキシダーゼは、クロロペルオキシダーゼである。好ましくは、ハロペルオキシダーゼは、バナジウムハロペルオキシダーゼ、すなわち、バナジウム含有ハロペルオキシダーゼである。本発明の好ましい方法では、バナジウム含有ハロペルオキシダーゼを塩化物イオン源と組み合わせる。
【0055】
ハロペルオキシダーゼは、多くの異なる真菌、特に、真菌群黒色線菌綱、例えば、カルダリノミセス属(Caldariomyces)、例えば、C.フマゴ(C.fumago)、アルテルナリア属(Alternaria)、クルブラリア属(Curvularia)、例えば、C.ベルクロサ(C.verruculosa)及びC.イナエクアリス(C.inaequalis)、ドレクスレラ属(Drechslera)、ウロクラジウム属(Ulocladium)、並びにボトリチス属(Botrytis)から単離されている。また、ハロペルオキシダーゼは、シュードモナス属(Pseudomonas)、例えば、P.ピロシニア(P.pyrrocinia)及びストレプトミセス属(Streptomyces)、例えば、S.オーレオファシエンス(S.aureofaciens)などの細菌からも単離されている。
【0056】
好ましい実施形態では、ハロペルオキシダーゼは、クルブラリア属の種、特に、クルブラリア・ベルクロサ若しくはクルブラリア・イナエクアリス、例えば、C.イナエクアリスCBS 102.42 6;又はC.ベルクロサCBS 147.63若しくはC.ベルクロサCBS 444.70;又はドレクスレラ・ハルトレビイ(Drechslera hartlebii)、デンドリフィエラ・サリナ(Dendryphiella salina)、ファエオトリココニス・クロタラリエ(Phaeotrichoconis crotalarie)、又はゲニクロスポリウム属(Geniculosporium)の種に由来し得る。
【0057】
本発明に係るオキシダーゼとしては、特に、酵素分類EC 1.10.3.2に含まれる任意のラッカーゼ酵素、若しくはラッカーゼ活性を呈するこれに由来する任意の断片、又は類似の活性を示す化合物、例えば、カテコールオキシダーゼ(EC 1.10.3.1)、o−アミノフェノールオキシダーゼ(EC 1.10.3.4)若しくはビリルビンオキシダーゼ(EC 1.3.3.5)が挙げられる。
【0058】
好ましいラッカーゼ酵素は、微生物起源の酵素である。酵素は、植物、細菌又は真菌(糸状菌及び酵母を含む)に由来し得る。
【0059】
真菌由来の好適な例としては、アスペルギルス属(Aspergillus)、ノイロスポレン属(Neurospora)(例えば、アカパンカビ(N. crassa)、ポドスポラ属(Podospora)、ボトリチス属(Botrytis)、コリビア属(Collybia)、フォメス属(Fomes)、レンチヌス属(Lentinus)、ヒラタケ属(Pleurotus)、ホウロクタケ属(Trametes)(例えば、T.ビロサ(T. villosa)及びT.ベルシコロー(T. versicolor))、リゾクトニア属(Rhizoctonia)(例えば、R.ソラニ(R. solani))、コプリノプシス属(例えば、C.シネレア、C.コマツス(C. comatus)、C.フリエシイ(C. friesii)及びC.ピカチリス(C. plicatilis))、プサチレラ属(Psathyrella)(例えば、P.コンデレアナ(P. condelleana))、パナエオラス属(Panaeolus)(例えば、P.パピリオナセウス(P. papilionaceus))、マイセリオフトラ属(Myceliophthora)(例えば、M.サーモフィラ(M. thermophila))、スチタリジウム属(Schytalidium)(例えば、S.サーモフィルム(S. thermophilum))、ポリポラス属(Polyporus)(例えば、P.ピンシツス(P. pinsitus))、フレビア属(Phlebia)(例えば、P.ラジアータ(P. radiata))又はカワラタケ属(Coriolus)(例えば、C.イルスツス(C. irsutus))が挙げられる。
【0060】
細菌由来の好適な例としては、バチルス属の株に由来し得るラッカーゼが挙げられる。コプリノプシス属又はマイセリオフトラ属由来のラッカーゼ、特に、コプリノプシス・シネレア、又はマイセリオフトラ・サーモフィラ由来のラッカーゼが好ましい。
【0061】
他のオキシダーゼの例としては、アミノ酸オキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、乳酸オキシダーゼ、ガラクトースオキシダーゼ、ポリオールオキシダーゼ及びアルドースオキシダーゼが挙げられるが、これらに限定されない。オキシダーゼ及びその対応する基質は、過酸化水素生成酵素系、ひいては過酸化水素源として用いることができる。ペルオキシダーゼ、ハロペルオキシダーゼ及びペルヒドロラーゼなどのいくつかの酵素は、過酸化水素源を必要とする。EC 1.1.3._、EC 1.2.3._、EC 1.4.3._及びEC 1.5.3.又は類似の分類(International Union of Biochemistryによる)について研究することによって、オキシダーゼ及び基質のこのような組み合わせの他の例が当業者に容易に認識される。
【0062】
また、酵素は、固体形態で又はカプセルとして添加してもよい。固体形態は、層状顆粒などの流動床コーティングによって作製することができる顆粒を含む。好ましくは、上記の顆粒及び/又はカプセルが製品中で安定であるが、水で希釈する際にその酵素負荷量(payload)を放出するように、イオン性強度トリガーを介して誘発される放出を提供するポリマーで、上記のマイクロカプセル及び顆粒をコーティングする。このようなポリマーコーティングの例としては、セルロース誘導体、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース誘導体、特に、ヒドロキシルプロピルメチルセルロースフタレート及びセルロースアセテートフタレートが挙げられる。更に好ましいポリマーコーティングは、ポリビニルアルコールである。安定性を促進し、可視相の沈降を防ぐために、任意のカプセル及び/又は顆粒は周囲の液体マトリクスと密度が一致していることが更に好ましい。更なる態様では、酵素を、ポリアミン、好ましくは分岐ポリアミンの界面重合反応から誘導されたカプセル及び/又はマイクロカプセルとして添加してよい。上記のマイクロカプセルは、BASFによって商標名Lupasolとして販売されているものなどのポリアミンを酸塩化物と反応させることによって製造することができる。
【0063】
顆粒の場合、好ましい粒径は、50〜1000μm、好ましくは50〜500μm、最も好ましくは100〜250μmである。カプセルの場合、好ましい粒径は、1〜1000μm、好ましくは5〜200μm、最も好ましくは10〜100μmである。
【0064】
スラリー化した固体又はカプセル化形態における酵素の添加は、作業者の安全にとって特に有利であるが、その理由は、製造中のエアゾール化リスクを最小化する機能を有し、固体形態(ダスティング)及び液体形態(微細エアゾール、特に<5μmのもの)からの従来のリスクを軽減するためである。
【0065】
液相
本発明の液体洗濯洗剤組成物は、固体酵素粒子が分散している液相を含む。
【0066】
液相は、当該液体の5重量%〜60重量%のアルコールを含む。アルコールについては、以下でより詳細に説明する。
【0067】
液相は、天然又は合成的に誘導された脂肪族アルコールエトキシレート非イオン性界面活性剤を含み得る。好ましい合成的に誘導された脂肪族アルコールエトキシレート非イオン性界面活性剤、又はオキソ合成プロセスから誘導されたもの、すなわち、いわゆるオキソ合成非イオン性界面活性剤。上記の組成物は、当該組成物の0重量%〜30重量%、又は更には0.1重量%〜25重量%の脂肪族アルコールエトキシレート非イオン性界面活性剤を含み得る。
【0068】
エトキシ化非イオン性界面活性剤は、例えば、一級及び二級アルコールエトキシレート、特にアルコール1モル当たり平均1〜50モル、又は更には20モルのエチレンオキシドでエトキシ化されたC
8〜C
20脂肪族アルコール、より特にアルコール1モル当たり平均1〜10モルのエチレンオキシドでエトキシ化されたC
10〜C
15一級及び二級脂肪族アルコールであってよい。
【0069】
エトキシ化アルコール非イオン性界面活性剤は、例えば、3〜8モルのエチレンオキシドと、1モルの、9〜15個の炭素原子を有する一級アルコールとの縮合生成物であり得る。
【0070】
非イオン性界面活性剤は、式R(EO)
n(式中、Rは、4〜30個の炭素原子のアルキル鎖を表し、(EO)は、エチレンオキシドモノマーの1単位を示し、nは、0.5〜20の平均値を有する)の脂肪族アルコールエトキシレートを含み得る。
【0071】
上記の組成物は、他の非イオン性界面活性剤、好ましくは、天然又は合成非イオン性界面活性剤を含み得る。
【0072】
アルコール
液相は、当該組成物の5重量%〜40重量%、又は更には5重量%〜20重量%、又は更には5重量%〜15重量%のアルコールを含み、好ましくは、当該アルコールは、20〜400の分子量を有し、かつアルコールeRH試験を介して測定したときに20℃で50%〜80%、又は更には52%〜75%のeRHを有する。
【0073】
アルコールeRH試験は、脱イオン水中80%アルコールの溶液を調製する工程と、続いて、室温(20℃+/−1℃)で、較正したRotronic Hygrolab meter(深さ14mmのプラスチックサンプルライナにおいて)にこれを添加する工程と、これを25分間較正する工程と、最後に、記録されたeRHを測定する工程とを含む。用いたサンプルの体積は、プラスチックサンプルライナを充填するのに十分であった。
【0074】
「アルコール」とは、本明細書では、全てまとめたとき、それぞれが20〜400の分子量を有し、かつアルコールeRH試験を介して測定したときに20℃で50%〜80%の、化合物又は混合物の全体eRHを有する、単一化合物又は化合物の混合物のいずれかを意味する。理論に束縛されるものではないが、アルコールは、少なくとも1つのOH単位、好ましくはポリオール及びジオール、より好ましくはジオールを含む任意の化合物である。好ましいジオールとしては、グリコールが挙げられる。
【0075】
アルコールは、エチレングリコール、1,3プロパンジオール、1,2プロパンジオール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、2,3−ブタンジオール、1,3ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロールホルマール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、及びこれらの混合物を含む群から選択され得る。
【0076】
好ましくは、アルコールは、エチレングリコール、1,2プロパンジオール、2,3−ブタンジオール、1,3ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロールホルマール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、及びこれらの混合物を含む群から選択され得る。
【0077】
より好ましくは、アルコールは、1,2プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、2,3−ブタンジオール、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、及びこれらの混合物を含む群から選択される。
【0078】
最も好ましくは、アルコールは、1,2プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、及びこれらの混合物を含む群から選択され得る。
【0079】
アニオン性界面活性剤
液体洗濯洗剤組成物は、当該組成物の10重量%〜30重量%の非アミン中和直鎖アルキルベンゼンスルホネートを含む。直鎖アルキルベンゼンスルホネートは、液体中に存在してもよく、固体として、又はこれらの混合物として存在してもよい。直鎖アルキルベンゼンスルホネートが固体として存在する場合、好ましくは、層状液晶アルキルベンゼンスルホネートの形態である。「層状液晶」とは、本明細書では、界面活性剤分子が、溶媒の薄層によって分離されている溶融状態の界面活性剤の二層の積層体に構築されている状態である系を意味する。この構造は、流動体の観点における液体特性及び構造化の観点における固体特性の両方を有する。この構造は、そのd−スペーシング、二層の厚さの合計、及びシート間の溶媒層によって特徴付けられる。この構造の繰り返し及び周期性によって、結晶相に特徴的な急峻なx線回折ピークが得られる。
【0080】
非アミン中和直鎖アルキルベンゼンスルホネートは、アミン以外の中和物質を用いて、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸が、対応する直鎖アルキルベンゼンスルホネートに中和されているものである。このような中和基の非限定的な例としては、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、及びこれらの混合物が挙げられる。非アミン中和直鎖アルキルベンゼンスルホネートは、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸カリウム、アルキルベンゼンスルホン酸マグネシウム、又はこれらの混合物であってよい。
【0081】
例示的な直鎖アルキルベンゼンスルホネートは、C
10〜C
16アルキルベンゼンスルホン酸又はC
11〜C
14アルキルベンゼンスルホン酸である。「直鎖」とは、本明細書では、アルキル基が直鎖状であることを意味する。アルキルベンゼンスルホネートは、当該技術分野において周知である。特に有用なのは、アルキル基の炭素原子の平均数が約11〜14である、直鎖線状アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、カリウム、及びマグネシウムである。
【0082】
洗浄技術は、アミン中和アニオン性界面活性剤、好ましくは、アミン中和直鎖アルキルベンゼンスルホネート、アミン中和アルキルサルフェート、又はこれらの混合物を含み得る。液体洗濯洗剤組成物は、固相、液相、又は両方にアミン中和アニオン性界面活性剤を含み得る。
【0083】
液体洗濯洗剤組成物は、アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤を含み得る。液体洗濯洗剤組成物は、当該洗濯洗剤組成物の10重量%〜30重量%、又は更には15重量%〜25重量%のアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤を含み得る。
【0084】
アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、アミンで中和されていなくてもよく、アミンで中和されていてもよく、又はこれらの混合物であってもよく、好ましくは、アルキルサルフェートは、アミンで中和されていない。非アミン中和アルキルサルフェートは、アルキル硫酸ナトリウム、アルキル硫酸カリウム、アルキル硫酸マグネシウム、又はこれらの混合物であってよい。
【0085】
アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、液体中に存在してもよく、固体として、又はこれらの混合物として存在してもよい。アルキルサルフェートが固体として存在する場合、好ましくは、層状液晶アルキルサルフェートの形態である。アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、アルコキシ化されていてもよく、アルコキシ化されていなくてもよく、これらの混合物であってもよい。アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、主にC
12アルキルサルフェートを含む、C
10〜C
20一級分枝鎖及びランダムアルキルサルフェート(AS)であってよい。あるいは、アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、C
10〜C
18二級(2,3)アルキルサルフェートであってよい。あるいは、アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、C
10〜C
18アルキルアルコキシサルフェート(AE
xS)(xは1〜30である)であってよい。あるいは、アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、全ての上記アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤の混合物であってよい。アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤についての好適なカチオンの非限定的な例としては、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、アミン、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0086】
アミン
洗剤組成物は、当該組成物の5重量%未満のヒドロキシル含有アミン化合物、又は更には当該組成物の0.1重量%〜5重量%、又は更には0.1重量%〜4重量%のヒドロキシル含有アミン化合物を含む。「ヒドロキシル含有アミン化合物」とは、本明細書では、アルコール(OH)基及びアミン基を含む化合物を意味する。ヒドロキシル含有アミン化合物は、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、モノアミノヘキサノール、2−[(2−メトキシエチル)メチルアミノ]−エタノール、プロパノールアミン、N−メチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノブタノールアミン、イソブタノールアミン、モノペンタノールアミン、1−アミノ−3−(2−メトキシエトキシ)−2−プロパノール、2−メチル−4−(メチルアミノ)−2−ブタノール、6−アミノ−1−ヘキサノール、ヘプタミノール、イソエタリン、ノルエピネフリン、スフィンゴシン、フェニルプロパノールアミン、及びこれらの混合物から選択され得る。
【0087】
ヒドロキシル含有アミン化合物は、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、及びこれらの混合物を含む群から選択され得る。
【0088】
好ましくは、ヒドロキシル含有アミン化合物は、500未満、又は更には250未満の分子量を有する。
【0089】
洗剤組成物は、他のアミン含有化合物を含み得る。
【0090】
構造化剤
本発明の組成物は、当該組成物の2重量%未満の構造化剤を含み得る。構造化剤が存在する場合、好ましくは、当該組成物は、0.05重量%〜2重量%、好ましくは0.1重量%〜1重量%の構造化剤を含む。構造化剤は、非ポリマー構造化剤又はポリマー構造化剤から選択され得る。構造化剤は、非ポリマー構造化剤、好ましくは、結晶化可能なグリセリドであり得る。構造化剤は、ポリマー構造化剤、好ましくは、繊維系ポリマー構造化剤、より好ましくは、セルロース繊維系構造化剤であり得る。構造化剤は、結晶化可能なグリセリド、セルロース繊維系構造化剤、TiO
2、シリカ、及びこれらの混合物から選択され得る。
【0091】
好適な構造化剤は、好ましくは、十分な降伏応力又は低剪断粘度を付与して、組成物の洗浄性界面活性剤の任意の構造化効果とは独立に、すなわち、当該効果以外によって液体洗濯洗剤組成物を安定化させる成分である。好ましくは、構造化剤は、21℃、20sec−1で1〜1500cpsの高剪断粘度及び5000cpsを超える低剪断粘度(21℃、0.05sec−1)を洗濯洗剤組成物に付与する。粘度は、直径40mmの平板鋼製スピンドル及びギャップサイズ500μmを用いて、TA instruments製のAR550レオメータを使用して測定される。20s
−1における高剪断粘度及び0.5s
−1における低剪断粘度は、21℃で3分間の対数剪断速度掃引0.1−1〜25−1から得ることができる。
【0092】
上記の組成物は、非ポリマー結晶質ヒドロキシル官能性構造化剤を含み得る。このような非ポリマー結晶質ヒドロキシル官能性構造化剤は、一般に、結晶化可能なグリセリドを含み、これは、最終的な液体洗濯洗剤組成物への分散を支援するために予め乳化しておいてもよい。このような予め乳化された外部構造剤系の非限定的な例は、(a)結晶化可能なグリセリド;(b)アニオン性界面活性剤;及び(c)水、並びに任意に非アミノ官能性有機溶媒を含む。これら各構成成分については、以下に詳細に論じる。
【0093】
構造化剤は、結晶化可能なグリセリド、好ましくは、硬化ヒマシ油、すなわち「HCO」を含むポリマー結晶質ヒドロキシ官能性構造化剤であってよい。HCOは、本明細書で使用するとき、最も一般的には、非ポリマー結晶質ヒドロキシ官能性構造化剤プレミックスにおいて結晶化することができる限り、任意の硬化ヒマシ油又はその誘導体であってよい。ヒマシ油としては、ヒドロキシル基を組み込むC
10〜C
22アルキル又はアルケニル部分を含む、グリセリド、特にトリグリセリドを挙げることができる。HCOを生成するために、ヒマシ油を水素化して、出発油中にリシノレイル部分として存在し得る二重結合を変換する。その結果、リシノレイル部分は、飽和ヒドロキシアルキル部分、例えば、ヒドロキシステアリルに変換される。本明細書におけるHCOは、トリヒドロキシステアリン、ジヒドロキシステアリン、及びこれらの混合物から選択され得る。HCOは、固形、溶融物、及びこれらの混合物から選択されるものが挙げられるが、これらに限定されない任意の好適な出発形態で加工することができる。HCOは、典型的には、外部構造化系中に2重量%〜10重量%、3重量%〜8重量%、又は4重量%〜6重量%の濃度で存在する。完成した洗濯洗剤製品に送達される硬化ヒマシ油の対応する百分率は、1.0%未満、典型的には0.1%〜0.8%であってよい。HCOは、洗濯洗剤組成物の0.01重量%〜1重量%、又は更には0.05重量%〜0.8重量%の濃度で存在し得る。
【0094】
本発明で使用するHCOとしては、市販されているものが挙げられる。本発明で使用する市販のHCOの非限定的な例としては、Rheox,Inc.製のTHIXCIN(登録商標)が挙げられる。有用なHCOの更なる例は、米国特許第5,340,390号に見出すことができる。
【0095】
硬化ヒマシ油の使用が好ましいが、任意の結晶化可能なグリセリドを本発明の範囲内で使用することができる。好ましい結晶化可能なグリセリドは、40℃〜100℃の融点を有する。
【0096】
構造化剤は、繊維系構造化剤を含み得る。構造化剤は、典型的には高いアスペクト比(長さの断面寸法に対する比)を有する、ナノサイズのセルロースフィブリルから構成される材料であるミクロフィブリル化セルロース(MFC)を含み得る。典型的な横方向寸法は、1〜100又は5〜20ナノメートルであり、長手方向寸法は、ナノメートル〜数マイクロメートルの広範囲にわたる。構造化の改善のために、ミクロフィブリル化セルロースは、好ましくは、50〜200,000、より好ましくは、100〜10,000の平均アスペクト比(l/d)を有する。ミクロフィブリル化セルロースは、細菌セルロース、柑橘類繊維、及び植物(例えば、テンサイ、チコリー根、ジャガイモ、ニンジンなど)を含む任意の好適な供給源に由来し得る。
【0097】
構造化剤は、二酸化チタン、二酸化スズ、修飾TiO
2の任意の形態、TiO
2又は酸化第二スズ、オキシ塩化ビスマス又はオキシ塩化ビスマスでコーティングされたTiO
2、シリカでコーティングされたTiO
2又は金属酸化物でコーティングされたTiO
2、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。修飾TiO
2は、炭素修飾TiO
2、金属ドープTiO
2、又はこれらの混合物を含み得る。金属ドープTiO
2は、白金ドープTiO
2、ロジウムドープTiO
2から選択され得る。
【0098】
構造化剤は、シリカを含み得る。当業者は、使用するのに好適なシリカ物質を理解している。シリカは、ヒュームドシリカを含み得る。
【0099】
水及び平衡相対湿度
液体洗濯洗剤組成物は、当該組成物の0.5重量%〜15重量%の水を含む。液体洗濯洗剤組成物は、当該組成物の0.5重量%〜12重量%、又は更には0.5重量%〜10重量%の水を含み得る。
【0100】
液体洗濯洗剤組成物は、20℃で65%未満の平衡相対湿度を有し得る。
【0101】
当該組成物のeRHを測定するのに好ましい方法は、組成物eRH試験を介するものである。組成物eRH試験は、室温(20℃+/−1℃)で、較正されたRotronic Hygrolab meter(深さ14mmのプラスチックサンプルライナにおいて)に当該組成物のサンプルを添加する工程と、これを25分間較正する工程と、最後に、記録されたeRHを測定する工程とを含む。用いたサンプルの体積は、プラスチックサンプルライナを充填するのに十分であった。
【0102】
補助剤成分
液体洗濯洗剤組成物は、補助成分を含み得る。補助成分は、漂白剤、漂白触媒、染料、色調染料、アルコキシル化ポリアミン及びポリエチレンイミンを含む洗浄ポリマー、汚れ放出ポリマー、界面活性剤、溶媒、移染抑制剤、キレート剤、酵素、香料、カプセル化香料、ポリカルボキシレート、構造化剤、及びこれらの混合物を含む群から選択され得る。
【0103】
水溶性パウチ
液体洗濯洗剤組成物は、水溶性単位用量物品内に存在し得、当該組成物は、当該組成物の0.5重量%〜15重量%、好ましくは0.5重量%〜12重量%、より好ましくは0.5重量%〜10重量%の水を含む。このような実施形態では、水溶性単位用量物品は、単位用量物品が水溶性フィルムによって包囲された少なくとも1つの内部区画を含むような形状の少なくとも1枚の水溶性フィルムを含む。少なくとも1つの区画は、液体洗濯洗剤組成物を含む。水溶性フィルムは、保管中に液体洗濯洗剤組成物が区画から漏れ出さないように封止される。しかし、水溶性単位用量物品を水に添加すると、水溶性フィルムが溶解して、内部区画の内容物が洗浄液中へと放出される。
【0104】
区画は、組成物を保持する、単位用量物品内の閉じた内部空間を意味すると理解されるべきである。好ましくは、単位用量物品は水溶性フィルムを含む。単位用量物品は、水溶性フィルムが組成物を完全に取り囲み、それによって組成物が存在する区画が画定されるように製造される。単位用量物品は、2枚のフィルムを含んでよい。第1のフィルムは、組成物が添加される開放された区画を含むような形状であってよい。次いで、区画の開口部を閉じるような配向で第1のフィルムを第2のフィルムで覆う。次いで、封止領域に沿って第1及び第2のフィルムを互いに封止する。フィルムについては、以下により詳細に説明する。
【0105】
単位用量物品は、2つ以上の区画、更には少なくとも2つの区画、又は更には少なくとも3つの区画を含んでよい。区画は、重ね合わせ配向、すなわち、一方が他方の上に位置するように配置してよい。あるいは、区画は、並列配向、すなわち、一方が他方に隣接するように位置してもよい。更に、区画は、「タイヤとリム」の配置で配向してもよく、すなわち、第1の区画が第2の区画に隣接して位置するが、第1の区画が第2の区画を少なくとも部分的に取り囲むが、第2の区画を完全には封入しない。あるいは、1つの区画が別の区画内に完全に封入されていてもよい。
【0106】
本発明のフィルムは、水溶性又は水分散性である。水溶性フィルムは、好ましくは20〜150マイクロメートル、好ましくは35〜125マイクロメートル、更により好ましくは50〜110マイクロメートル、最も好ましくは約76マイクロメートルの厚さを有する。
【0107】
好ましくは、最大孔径20マイクロメートルのガラスフィルターの使用後に本明細書に記載の方法によって測定したとき、フィルムは、少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、又は更には少なくとも95%の水溶性を有する。
【0108】
予め秤量した3Lのビーカーに、5グラム±0.1グラムのフィルム材料を添加し、2L±5mLの蒸留水を添加する。これを、600rpmに設定した電磁攪拌器(Lablineモデル番号1250又は等価物)及び5cmの電磁攪拌器により、30℃にて30分間激しく攪拌した。次いで、この混合物を、上に定義した孔径(最大20マイクロメートル)の折り畳まれた定性焼結ガラスフィルターで濾過する。回収した濾液から任意の従来の方法によって水を乾燥させ、残った材料の重量を測定する(これが溶解又は分散画分である)。次いで、溶解度又は分散度の割合を計算することができる。
【0109】
好ましいフィルム材料は、好ましくは、ポリマー材料である。フィルム材料は、当該技術分野において既知であるとおり、例えば、ポリマー材料の注型成形、吹込成形、押出成形又は吹込押出成形によって得ることができる。
【0110】
パウチ材料として使用するのに好適な好ましいポリマー、コポリマー、又はこれらの誘導体は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、アクリルアミド、アクリル酸、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリカルボン酸及び塩、ポリアミノ酸又はペプチド、ポリアミド、ポリアクリルアミド、マレイン酸/アクリル酸のコポリマー、デンプン及びゼラチンを含む多糖類、キサンタン及びカラゴムなどの天然ゴムから選択される。より好ましいポリマーは、ポリアクリレート及び水溶性アクリレートコポリマー、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレートから選択され、最も好ましくは、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、並びにこれらの組み合わせから選択される。好ましくは、パウチ材料中のポリマー、例えば、PVAポリマーの濃度は、少なくとも60%である。ポリマーは、任意の重量平均分子量を有していてよく、好ましくは、約1000〜1,000,000、より好ましくは、約10,000〜300,000、更により好ましくは、約20,000〜150,000である。
【0111】
ポリマー混合物をパウチ材料として使用してもよい。
【0112】
好ましいフィルムは、冷水、すなわち、加熱されていない蒸留水中で良好な溶解を呈するものである。好ましくは、このようなフィルムは24℃の温度、更により好ましくは10℃の温度にて良好な溶解を示す。良好な溶解とは、上記のとおり、最大孔径20マイクロメートルのガラスフィルターの使用後に本明細書に記載の方法によって測定したとき、フィルムが、少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、又は更には少なくとも95%の水溶性を呈することを意味する。
【0113】
好ましいフィルムは、Monosolによって商品参照番号M8630、M8900、M8779、M8310として供給されているものである。
【0114】
フィルムは、不透明、半透明又は透明であってよい。
【0115】
印刷領域は、フレキソ印刷又はインクジェット印刷などの標準的な技術を使用して得ることができる。
【0116】
フィルムは、例えば苦味剤などの嫌悪剤を含んでよい。好適な苦味剤としては、ナリンギン、オクタ酢酸スクロース、塩酸キニーネ、安息香酸デナトニウム、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。任意の好適な濃度の嫌悪剤をフィルムに使用してよい。好適な濃度としては、1〜5000ppm、又は更には100〜2500ppm、又は更には250〜2000rpmが挙げられるが、これらに限定されない。
【0117】
製造方法
本発明の液体洗濯洗剤組成物は、当該技術分野において既知の任意の好適な製造技術を使用して製造され得る。当業者であれば、本発明に係る組成物を製造するのに適切な方法及び機器を理解するであろう。
【0118】
好ましいプロセスは、固相を添加する工程を含み、当該固相は、粒子を含み、当該粒子は、500μm未満の平均粒径分布を有する。
【0119】
使用方法
本発明の組成物又は単位用量物品は、洗濯物が既に存在しているか、又は洗濯物が加えられる洗浄液に添加してよい。上記の組成物又は物品は、洗濯機の稼働中に使用してよく、ドラムに直接添加しても、引き出し式ディスペンサー(dispenser drawer)に添加してもよい。洗濯機は、自動洗濯機であっても、半自動洗濯機であってもよい。布地柔軟剤又はしみ除去剤などの他の洗濯洗剤組成物と組み合わせて使用してもよい。洗浄液に添加する前に、前処理組成物として、しみに使用してもよい。
【0120】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に指示がない限り、そのような各寸法は、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【実施例】
【0121】
様々な組成物の粘度を比較した。以下の組成物を調製した。
【0122】
【表1】
【0123】
10cmのインペラを備えるIKA Eurostar 200ミキサを有する1Lのビーカーを調製することによって、組成物を製造した。これを250rpmで稼働させた。回転インペラを備えるビーカーに溶媒材料を添加し、続いて、界面活性剤材料を添加した。これらが分散したら、ポリマー及び塩を添加した。組成物のpHを、NaOHを用いて約&(Sartorius PT−10 pH計を用いて測定)に調整した。次いで、残りの成分を添加し、混合した。全ての材料を、Mettler Toledo PB3002−S秤を用いて計量した。
【0124】
組成物Cは、当該組成物Cの6.25重量%のモノエタノールアミンを含んでいた。組成物A及びBは、モノエタノールアミンを含んでいなかった。
【0125】
次いで、20℃で1000μmのギャップを使用してTA instruments製のレオメータDHR1を用いて、組成物の粘度を測定した。サンプルを、0.05s−1で1分間平衡化し、続いて、10分間にわたって0.05s−1〜1200s−1の流動曲線を測定した。0.05s
−1〜1000s
−1の結果を表2に示す。
【0126】
【表2】
【0127】
0.05s
−1における剪断力は、消費者が組成物を注いでいる間に組成物が受ける剪断力に相当する。1000s
−1における剪断力は、製造中に組成物が受ける剪断力に相当する。
【0128】
6.25%のモノエタノールアミンを含む組成物Cは、消費者注入剪断力及び加工投入剪断力に相当する低及び高剪断力において、許容可能な粘度プロファイルを示す。
【0129】
しかし、組成物Aにおいてモノエタノールアミンを除去した(そして、対応して、界面活性剤を炭酸ナトリウムで中和した)とき、粘度が許容不可能なレベルに増大する。
【0130】
モノエタノールアミンが除去され、界面活性剤が炭酸ナトリウムで中和されているだけでなく、1,2−プロパンジオールも添加されている組成物Bは、本発明に相当する。粘度は、許容可能なレベルまで戻る。