(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
長手方向中心線及び横方向中心線、前側腰縁部を有する前側腰部領域、後側腰縁部を有する後側腰部領域、前記前側腰部領域と前記後側腰部領域の間に配置された股領域、及び前記前側腰縁部と前記後側腰縁部とを接合する2つの離間した長手方向側縁部を有し、構成要素のアセンブリを含む、使い捨て吸収性物品であって、
前記構成要素のアセンブリが、
a)トップシートと、
b)前記トップシートの下のバックシートと、
c)前記トップシートと前記バックシートとの間に配置され、コアカバー、ダスティング層、捕捉層、分配層、及び貯蔵部材の少なくとも1つを有する吸収性コアと、
d)
i)前記吸収性物品が装着された際に、前記前側腰部領域と前記後側腰部領域とを接合する締結システムと、
ii)前記長手方向側縁部のうちの1つの内周側に隣接して配置されるバリアカフと、
iii)前記長手方向側縁部と前記バリアカフとの間に配置されたガスケッティングカフと、
iv)前記前側腰部領域内に配置された前耳部と、
v)前記後側腰部領域内に配置された後耳部と、
vi)受入部材と、から成る群から選択された少なくとも1つの追加要素と、
e)少なくとも2つの前記構成要素のアセンブリを一体に接合するホットメルト接着剤組成物であって、前記ホットメルト接着剤組成物が
(i)(a)30〜70モル%の1−ブテンモノマー単位、並びに(b)30〜70モル%のエチレン、プロペン、1−ヘキセン、1−オクテンおよびこれらの混合物から選択されるモノマー単位を含む、少なくとも10重量%の非晶質ポリオレフィンコポリマーと、
(ii)プロペンコモノマー単位、エチレン、1−ヘキセン及び1−オクテンから選択されるコモノマー単位、非晶特性ブロック、並びに結晶性ブロックを含む、10〜90重量%のヘテロ相ポリオレフィンプロピレンコポリマー組成物と、
(iii)0.05〜0.75重量%の酸化防止剤とを含み、
前記非晶質ポリオレフィンコポリマーの粘度は、190℃でASTM D−3236により測定した場合、2000〜8000mPa・sであり、
粘着剤を実質的に含まず、
ASTM D 3461−97により測定した場合、80〜140度の軟化点を有する、前記ホットメルト接着剤組成物とを含む、使い捨て吸収性物品。
前記ホットメルト接着剤組成物は、前記トップシートを、前記吸収性物品の長手方向縁部に隣接した前記バックシートに接合する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の吸収性物品。
長手方向中心線及び横方向中心線、前側腰縁部を有する前側腰部領域、後側腰縁部を有する後側腰部領域、前記前側腰部領域と前記後側腰部領域の間に配置された股領域、及び前記前側腰縁部と前記後側腰縁部とを接合する2つの離間した長手方向側縁部を有し、構成要素のアセンブリを含む、使い捨て吸収性物品であって、
前記構成要素のアセンブリが、
a)トップシートと、
b)前記トップシートの下のバックシートと、
c)前記トップシートと前記バックシートとの間に配置され、コアカバー、ダスティング層、捕捉層、分配層、及び貯蔵部材の少なくとも1つを有する吸収性コアと、
d)
i)前記吸収性物品が装着された際に、前記前側腰部領域と前記後側腰部領域とを接合する締結システムと、
ii)前記長手方向側縁部のうちの1つの内周側に隣接して配置されるバリアカフと、
iii)前記長手方向側縁部と前記バリアカフとの間に配置されたガスケッティングカフと、
iv)前記前側腰部領域内に配置された前耳部と、
v)前記後側腰部領域内に配置された後耳部と、
vi)受入部材と、から成る群から選択された少なくとも1つの追加要素と、
e)少なくとも2つの前記構成要素のアセンブリを一体に接合するホットメルト接着剤組成物であって、前記ホットメルト接着剤組成物が
(i)(a)30〜70モル%の1−ブテンモノマー単位、並びに(b)30〜70モル%の、エチレン、プロペン、1−ヘキセン、1−オクテンおよびこれらの混合物から選択されるモノマー単位を含む、少なくとも10重量%の非晶質ポリオレフィンコポリマーと、
(ii)プロペンコモノマー単位、エチレン、1−ヘキセン及び1−オクテンから選択されるコモノマー単位、非晶特性ブロック、並びに結晶性ブロックを含む、10〜90重量%のヘテロ相ポリオレフィンプロピレンコポリマー組成物と、
(iii)0.05〜0.75重量%の酸化防止剤とを含み、
前記非晶質ポリオレフィンコポリマーの粘度は、190℃でASTM D−3236により測定した場合、2000〜8000mPa・sであり、
粘着剤を実質的に含まない、前記ホットメルト接着剤組成物とを含む、使い捨て吸収性物品。
長手方向中心線及び横方向中心線、前側腰縁部を有する前側腰部領域、後側腰縁部を有する後側腰部領域、前記前側腰部領域と前記後側腰部領域の間に配置された股領域、及び前記前側腰縁部と前記後側腰縁部とを接合する2つの離間した長手方向側縁部を有し、構成要素のアセンブリを含む、使い捨て吸収性物品であって、
前記構成要素のアセンブリが、
a)トップシートと、
b)前記トップシートの下のバックシートと、
c)前記トップシートと前記バックシートとの間に配置され、コアカバー、ダスティング層、捕捉層、分配層、及び貯蔵部材の少なくとも1つを有する吸収性コアと、
d)
i)前記吸収性物品が装着された際に、前記前側腰部領域と前記後側腰部領域とを接合する締結システムと、
ii)前記長手方向側縁部のうちの1つの内周側に隣接して配置されるバリアカフと、
iii)前記長手方向側縁部と前記バリアカフとの間に配置されたガスケッティングカフと、
iv)前記前側腰部領域内に配置された前耳部と、
v)前記後側腰部領域内に配置された後耳部と、
vi)受入部材と、から成る群から選択された少なくとも1つの追加要素と、
e)少なくとも2つの前記構成要素のアセンブリを一体に接合するホットメルト接着剤組成物であって、前記ホットメルト接着剤組成物が
(i)(a)30〜60モル%の1−ブテンモノマー単位、並びに(b)30〜70モル%のプロペンモノマー単位を含む、少なくとも10重量%の非晶質ポリオレフィンコポリマーと、
(ii)プロペンコモノマー単位、エチレン、1−ヘキセン及び1−オクテンから選択されるコモノマー単位、非晶特性ブロック、並びに結晶性ブロックを含む、10〜90重量%のヘテロ相ポリオレフィンプロピレンコポリマー組成物と、
(iii)0.05〜0.75重量%の酸化防止剤とを含み、
前記非晶質ポリオレフィンコポリマーの粘度は、190℃でASTM D−3236により測定した場合、2000〜8000mPa・sであり、
粘着剤を実質的に含まず、
ASTM D 3461−97により測定した場合、80〜140度の軟化点を有する、前記ホットメルト接着剤組成物とを含む、使い捨て吸収性物品。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書において、以下の用語は下記で指定される意味を有するものとする。
吸収性物品に関連する「使い捨て」は、洗濯する、あるいは別の方法で吸収性物品として復元するか再利用することが一般に意図されない(すなわち、単一回の使用の後で廃棄する、好ましくはリサイクルする、堆肥化する、あるいは環境に適合する方法で廃棄することが意図される)吸収性物品を意味する。
【0008】
「吸収性物品」とは、身体排泄物を吸収及び収容するデバイスを指し、より詳細には、着用者の身体に接してあるいは近接して配置されて、身体から排出される様々な排泄物を吸収し、収容するデバイスを指す。代表的な吸収性物品としては、おむつ、トレーニングパンツ、プルオンパンツ型おむつ(すなわち、米国特許第6,120,487号に示されているような予め成形された腰部開口部及び脚部開口部を有するおむつ)、再締結可能おむつあるいはパンツ型おむつ、成人失禁用ブリーフ及び下着、おむつホルダ及びライナー、パンティライナー等の女性用生理衣類、吸収性挿入物等が挙げられる。
【0009】
用語「近位」及び「遠位」は、それぞれ、構造体の長手方向又は横方向の中心線に比較的近い又は遠い要素の位置を指す(例えば、長手方向に延びる要素の近位縁が、同じ要素の遠位縁が同じ長手方向中心線に対して配置されるよりも長手方向中心線により近く配置されている)。
【0010】
「身体に面する」及び「衣類に面する」はそれぞれ、要素若しくは要素の表面、又は要素のグループの相対的な位置を指す。「身体に面する」とは、着用時にその要素又は面が他の何らかの要素又は面よりも着用者に近いことを意味する。「衣類に面する」とは、着用時にその要素又は面が他の何らかの要素又は面よりも着用者から離れていることを意味する(すなわち、要素又は面が、使い捨て吸収性物品の上に着用され得る着用者の衣類に隣接する)。
【0011】
用語「長手方向」は、物品の腰縁部から対向する腰縁部まで実質的に垂直に続き、一般的には物品の最大長さ寸法に対して実質的に平行な方向を意味する。長手方向の45度以内の方向は「長手方向」であると考えられる。
【0012】
「横方向」は、物品の長手方向縁部から向かい合う長手方向の縁部まで、長手方向にほぼ直角に走る方向を指す。横方向の45度以内の方向は、「横方向」であると考えられる。
【0013】
「配置される」は、要素が特定の場所又は位置に位置付けられることを指す。
【0014】
「接合される」は、要素が直接的に他の要素に取り付けられることによって要素が直接固定される形態、及び要素が中間の部材に取り付けられ、その中間部材が次に他の要素に取り付けられることによって要素が他の要素に間接的に固定される形態を指す。
【0015】
「フィルム」は、材料の長さ及び幅が材料の厚さを大幅に上回るシート状材料を指す。フィルムは典型的には約0.5mm以下の厚さを有する。
【0016】
「透水性」及び「不透水性」は、使い捨て吸収性物品の意図された使用に関連する材料の浸透性を指す。具体的には、用語「透水性」は、液体の水、尿、又は合成尿が、押し付け圧力がない状態で、その厚さを通過できるようにする孔、開口部、及び/又は相互接続された空隙を有する層又は層構造体を指す。逆に、用語「不透水性」は、液体の水、尿、又は合成尿が(重力などの自然力とは別に)押し付け圧力がない状態でその厚さを通過できない層又は層構造体を指す。この定義に従う不透水性の層又は層構造体は、水蒸気に対して透過性であってもよく、すなわち「蒸気透過性」であってもよい。
【0017】
「延伸性」及び「伸展性」は、弛緩状態の構成要素の幅又は長さを伸ばす又は増加させることができることを意味する。
【0018】
「弾性体」、「エラストマー」、及び「エラストマーの」は、一般的に、破断又は破裂することなく少なくとも50%のひずみに伸ばすことができ、変形力を取り除いた後に実質的にその本来の寸法に回復することができる材料を指す。
【0019】
「エラストマー材料」は、弾性特性を示す材料である。エラストマー材料としては、エラストマーフィルム、スクリム、不織布、及び他のシート状構造体を挙げることができる。
【0020】
「外側寄り」及び「内側寄り」は、それぞれ第2要素に対しておむつの長手方向の中心線から比較的遠くに又は近くに配置される要素の位置を指す。例えば、要素Aが要素Bの外側寄りである場合、要素Aは、要素Bよりも長手方向の中心線から遠くにある。
【0021】
「パンツ」は、予め成形された腰部及び脚部開口部を有する使い捨て吸収性物品を指す。パンツは、着用者の脚部を脚部開口部に挿入してからパンツを着用者の下部胴体周辺の位置に滑り込ませることにより着用可能である。パンツは、一般に「閉鎖型おむつ」、「事前締着型おむつ」、「プルオン式おむつ」、「トレーニングパンツ」及び「おむつパンツ」とも呼ばれる。
【0022】
「不織布」布地又はウェブは、インターレイされた(interlaid)個々の繊維又は糸の構造を有するが、それが編布におけるような規則的又は識別可能な様式ではないウェブを意味する。不織布布地又はウェブは、例えば、メルトブローイング法、スパンボンディング法、エアレイイング法、及び結合カードウェブ法等の多くの方法から形成されている。不織生地の坪量は、材料の1平方ヤード当たりのオンス(osy)又は1平方メートル当たりのグラム(gsm)で通常表わされ、繊維直径はミクロンで通常表わされる。(注:osyをgsmに変換するには、osyに33.91を掛ける。)
【0023】
「基材」は、本明細書において、主に2次元(すなわち、XY平面)であり、厚さ(Z方向)がその長さ(X方向)及び幅(Y方向)と比べて比較的小さい(すなわち1/10以下)材料を説明するために用いられる。基材の非限定例としては、例えば、ウェブ、繊維性材料の層(1つ以上)、不織布、高分子フィルム又は金属箔等のフィルム及び箔が挙げられる。これらの材料は、単独で使用されてもよく、又は一緒に積層化された2つ又は3つ以上の層を含んでもよい。したがって、ウェブは基材であってもよく、又は2つ又は3つ以上の基材の積層体であってもよい。
【0024】
「スパンボンドされている繊維」又は「スパンボンド繊維」とは、例えば米国特許第4,340,563号、同第3,692,618号、同第3,802,817号、同第3,338,992号、同第3,341,394号、同第3,502,763号、同第3,502,538号、及び同第3,542,615号に記載されているように、紡糸口金の、微細で、円形又は別の構造の複数個の毛管から、溶融した熱可塑性材料をフィラメントとして押し出し、次いで、押し出されたフィラメントの直径を急激に縮径させることによって形成される、小径の繊維を指す。スパンボンド繊維は、収集面に堆積するときに急冷され、通常は粘着性を有さない。スパンボンド繊維は、通常は連続的であり、多くの場合約7ミクロンを超える、より具体的には約10〜30ミクロンの平均直径を有する。スパンボンド材、層、又は基材は、スパンボンドされた(又はスパンボンド)繊維を含む。
【0025】
「メルトブローン繊維」は、通常は本質的に熱可塑性の溶融材料を、溶融糸又はフィラメントとして、微細で、通常は円形の複数のダイキャピラリーを通して収束高速加熱ガス(例えば、空気)流中に押し出し、この収束高速加熱ガス流により、マイクロファイバーが有するような直径程度になるまで溶融材料のフィラメントを細くすることで得られた繊維を意味する。その後、メルトブローン繊維は、高速ガス流によって担送され、収集面上に堆積して、無作為に分散されたメルトブローン繊維のウェブを形成する。そのようなプロセスは、米国特許第3,849,241号に開示されている。メルトブローン繊維は、連続的又は不連続的であってもよく、直径が一般的に10ミクロンよりも小さく、収集面上に堆積されると通常自己融着するマイクロファイバーである。
【0026】
「マイクロファイバー」とは、約100ミクロン以下の平均直径、例えば、約0.5〜50ミクロンの直径を有する小径の繊維を意味し、より具体的には、マイクロファイバーは約1〜20ミクロンの平均直径を有してもよい。約3ミクロン以下の平均直径を有するマイクロファイバーは、一般的に超微細マイクロファイバーと称される。超微細マイクロファイバーの例示的な製造方法は、例えば、米国特許第5,213,881号に見出すことができる。
【0027】
「ホモポリマー」とは、単一のモノマーの重合により得られるポリマー、すなわち、1種類の繰り返し単位から本質的に成るポリマーを意味する。
【0028】
「共重合体」は、少なくとも2つの異なるモノマーの重合により形成されたポリマーを指す。例えば、用語「共重合体」は、プロペン又は2−ブテン、好ましくは1−ブテン等のモノマーと、例えば、エチレン、1−ヘキセン又は1−オクテン等のα−オレフィンとの重合反応生成物を含む。
【0029】
「プロペン共重合体」又は「プロピレン共重合体」は、40重量パーセント超又は50重量パーセント以上のプロペンと、エチレン及びC
4〜C
20 αーオレフィンを含む群から選択された少なくとも1種のモノマーとの共重合体を意味する。
【0030】
「ブテン共重合体」とは、n−ブテン(1−ブテン)又は2−ブテンと、C
2〜3及びC
5〜20 α−オレフィンの群から選択された少なくとも1種のモノマーとの重合体を意味する。ブテン共重合体は、通常、1−ブテン等のブテンモノマーを少なくとも約40又は約50重量パーセントの最小量で含む。
【0031】
「ヘテロ相」ポリマーとは、非晶質で、冷却された接着剤が凝集強さを有することができるように、実質的結晶含量を少なくとも多少有する(少なくとも5重量%、10重量%、20重量%、40重量%、又は50重量%の結晶含量)ポリマーである。結晶性部分は、立体規則性を有するブロック又は配列の形態であることができる。
【0032】
「非晶質」とは、結晶度が実質的に存在しない、(すなわち)5%未満及び1%未満であることを意味する。
【0033】
「シーケンス又はブロック」とは、組成、結晶度、又は他の態様が類似しているモノマーが繰り返されるポリマー部分を意味する。
【0034】
「オープンタイム」とは、溶融したホットメルト接着剤組成物が第1基材に塗られてから、接着剤組成物の硬化により、接着剤の基材上における有効な粘着性又は湿潤性が効果的に消滅するまでに経過する時間を指す。オープンタイムは「張り合わせ時間」とも称される。
【0035】
「実質的」とは、ある規定の性質、定義等と概して同一又は均一であるが、若干の差異を許容する又は有することを意味する。例えば、粘度、融点等の本明細書に記載される測定された特性の、測定可能又は測定不能なわずかな変動が、人的エラー又は方法の精確性により生じ得る。その他の変動は製造工程における固有の変動、配合物の熱履歴等によって生じる。ただし、接着剤組成物は、報告されたような性質を実質的に有するものであるといえる。
【0036】
「大部分」とは、ある材料又はモノマーが50重量%超使用されていることを意味する。
【0037】
「主成分」とは、ある材料又はモノマーが、混合物又はポリマーにおいて、その他のものと比較してより一般的な物質であるか、高い濃度でありながら、50重量パーセントには達しないことを意味する。
【0038】
「ホットメルト処理可能」とは、ある接着剤組成物をホットメルトタンク(すなわち、組成物が実質的に液状となるよう加熱されるシステム)により液化し、ポンプ(例えば、ギアポンプ又は容積型ポンプ)により、タンクから基材又は他の材料に近位の塗布地点まで、又は別のタンク、システム、又は動作単位(例えば、接着剤を塗布地点に送るための付加的な1つ又は複数のポンプを含み得る別のシステム)まで輸送可能であることを意味する。ホットメルト接着剤を実質的に液化するため使用されるホットメルトタンクは、通常約38℃〜約230℃の範囲で動作する。通常、塗布地点では、実質的に液化した接着剤組成物はノズル又はノズルの束を通過するが、スロット等その他いくつかの機械的要素を通過してもよい。ホットメルト処理可能接着剤組成物は、配合物を液化、混合、及び/又は運搬するために、従来の押出機、並びにそれに付随する押出機の圧力及び温度特性を必要とする組成物と対比されるものである。ホットメルト処理システムのホットメルトタンク及びポンプは、接着剤組成物の粘度範囲として約1000センチポアズ〜約10000センチポアズまで処理可能であるが、押出機の場合、処理及び加工可能な接着剤組成物の粘度範囲は約10000センチポアズから数十万センチポアズとなる。
【0039】
特に規定されない限り、「積層構造」又は「積層体」とは、1つの層、材料、構成要素、ウェブ、又は基材が、少なくとも部分的に別の層、材料、構成要素、ウェブ、又は基材に接着剤で接合された構造を意味する。本出願の他の箇所に記載されるように、層、材料、構成要素、ウェブ、又は基材をそれ自体の上に折りたたみ、それ自体に接着結合することで、「積層構造体」又は「積層体」を形成することができる。
【0040】
図1は、本発明のおむつ20の平坦かつ非収縮状態(つまり、収縮をもたらす弾性を有さない)における、例示的かつ非限定的な実施形態の平面図である。おむつ20の衣類に面する表面120が見る側に向いている。おむつ20は、長手方向中心線100及び横方向中心線110を含む。おむつ20は、シャーシ22を備えてもよい。おむつ20及びシャーシ22は、前側腰部領域36、前側腰部領域36に対向する後側腰部領域38、及び前側腰部領域36と後側腰部領域38との間に配置される股領域37を有することが示されている。腰部領域36及び38は、一般に、着用されたときに着用者の腰部を取り巻く、おむつ20の部分を備える。腰部領域36及び38は、着用者の腰部周りで縮んで改善されたフィット性及び封入性をもたらすように、弾性要素を含んでもよい。股領域37は、おむつ20を着用した際に、概して着用者の脚の間に位置する、おむつ20の部分である。
【0041】
シャーシ22の外側周辺部は、長手方向側縁部12及び端縁部14により画定される。シャーシ22は、長手方向の中心線100にほぼ平行に配向される、対向する長手方向側縁部12を有してもよい。しかしながら、よりフィットするように、長手方向側縁部12を湾曲又は曲げて、平面図で見たときに、例えば「砂時計」形状のおむつを製造してもよい。シャーシ22は、横方向中心線110に対してほぼ平行に配向される対向する端縁部14を有し得る。
【0042】
シャーシ22は、長手方向側縁部25と、バックシート26と、トップシート24とバックシート26との間の吸収性コア28とを有する液体透過性トップシート24を備えてもよい。吸収性コア28は、身体に面する表面と衣類に面する表面とを有し得る。トップシート24は、コア28及び/又はバックシート26に接合されてもよい。バックシート26は、コア28及び/又はトップシート24に接合され得る。他の構造体、要素、又は基材がコア28とトップシート24及び/又はバックシート26との間に位置していてもよいことを認識すべきである。特定の実施形態において、シャーシ22は、複合おむつ構造を形成するために付加され得る他の機構と共に、おむつ20の主要構造を含む。トップシート24、バックシート26、及び吸収性コア28は、様々な周知の構造で組み立てられ得るが、好ましいおむつの構造は、米国特許第3,860,003号、同第5,151,092号、同第5,221,274号、同第5,554,145号、同第5,569,234号、同第5,580,411号、及び同第6,004,306号に概して記載されている。
【0043】
トップシート24は、一般的に、少なくとも部分的に着用者に接触して又はごく接近して位置決めされ得る、おむつ20の一部分である。適切なトップシート24は、多孔質発泡体、網状発泡体、孔を形成したプラスチックフィルム、又は天然繊維(例えば、木材繊維若しくは綿繊維)、合成繊維(例えば、ポリエステル繊維若しくはポリプロピレン繊維)、又は天然繊維及び合成繊維の組み合わせによる織布ウェブ又は不織布ウェブ等の多様な材料から製造されてもよい。トップシート24は、一般に、着用者の皮膚に対してしなやかで柔らかい感触であり、無刺激性である。一般に、トップシート24の少なくとも一部分は液体透過性であり、そのため液体がトップシート24の厚さを容易に透過することができる。特に好ましいトップシート24は、BBA Fiberweb(Brentwood,TN)から供給元コード055SLPV09Uとして入手することができる。
【0044】
トップシート24の任意の部分が、当該技術分野で既知のローションでコーティングされてもよい。好適なローションの例としては、米国特許第5,607,760号、同第5,609,587号、同第5,635,191号、及び同第5,643,588号に記載されるものが挙げられる。トップシート24は、トップシート24とコア28との間に空隙空間を提供するために、完全若しくは部分的に伸縮又は縮小させてもよい。伸縮又は縮小されたトップシートを含む代表的な構造体は、米国特許第4,892,536号同第4,990,147号、同第5,037,416号、及び同第5,269,775号により詳細に記載されている。
【0045】
吸収性コア28は、使い捨ておむつ及びその他の吸収性物品に一般に使用される多種多様な液体吸収性材料を含んでもよい。適切な吸収性材料の例としては、通常エアフェルトクレープ紙綿と呼ばれる粉砕された木材パルプ、コフォームを含むメルトブローンポリマー、化学的に強化、改質、又は架橋されたセルロース繊維、薄紙の包装紙及び薄片を含む薄紙、吸収性発泡体、吸収性スポンジ、超吸収性ポリマー、吸収性ゲル化材料、又は任意のその他吸収性材料又は材料の組み合わせが挙げられる。これらの材料を組み合わせて、捕捉層、分配層及び貯蔵層等の流体処理層を含み得る1つ又は複数の層(図示されていない個々の層)の形態のコア28としてもよい。吸収性コア28は、基材層と、吸収性ポリマー材料と、接着剤の繊維質層(不図示)とを有してもよい。そのような吸収性コア28はまた、他のコア構成要素を安定化するための層(図示せず)を含んでもよい。そのような層としては、コアカバー及びダスティング層が挙げられる。こうした層に好適な材料は、Avgol America,Inc.(Knoxville,NC)から入手可能な、約10〜15g/m
2の坪量を有する、スパンボンド/メルトブローン/スパンボンド不織布(メルトブローン層は<5g/m
2を占める)である。例えば、吸収性コア28として用いるための代表的な吸収性構造体が、米国特許第4,610,678号、同第4,673,402号、同第4,834,735号、同第4,888,231号、同第5,137,537号、同第5,147,345号、同第5,342,338号、同第5,260,345号、同第5,387,207号、同第5,397,316号、及び同第5,625,222号に記載されている。吸収性コアの全体の寸法及び/又は厚さを減じることで着用者の快適性を向上させ、かつ汚れた挿入物によって生じる使い捨て廃棄物の量を減らすために、性能制約の範囲内で可能な最小限度量のコア材料を用いた吸収性コアを作製することが望ましい場合がある。この目的を達成するために、好適な吸収性コアに適した材料及び構成の例は、米国特許出願第12/141,122号及び同第12/141,124号、並びに米国特許第8,017,827号、及び同第8,496,637号に記載されているが、これらに限定されない。これら文献は、超吸収性ポリマー粒子と組み合わされる、エアフェルト又は他の形態のセルロース繊維の必要性及びこれらの混入を最小限にする若しくは排除する吸収性コア構造(以下「実質的にエアフェルトを含まないコア」と称する)について一般的に記述している。本発明の接着剤は、他の使用の中でも、コアを固定する、吸収材を固定する、又はコア基材を吸収性ポリマー材料に接着させるために、コアの内部又は近傍で使用することができる。吸収性コアの構成及びコアの内部で使用される接着剤は、米国特許第8,319,005号及び同第8,187,240号、並びに米国特許出願公開第2012/0316530号に記載されているようなものでよい。いくつかの実施形態において、接着剤は、繊維性であっても、ネット状構造であってもよい。
【0046】
バックシート26は、一般的に、おむつ20の衣類に面する表面120の少なくとも一部分であり得るように位置決めされる。バックシート26は、おむつ20に吸収され、おむつ20内に収容された排泄物が、ベッドシーツや下着のような、おむつ20と接触し得る物品を汚すことを防ぐように設計されてもよい。ある実施形態では、バックシート26は、実質的に不透水性である。好適なバックシート26の材料としては、Tredegar Industries Inc.(Terre Haute,IN)が製造し、商標名X15306、X10962、及びX10964で販売されるものなどのフィルムが挙げられる。他の好適なバックシート26の材料としては、蒸気をおむつ20から排出させながら排出物がバックシート26を通り抜けるのを防ぐ通気性材料を挙げることができる。代表的な通気性材料としては、織布ウェブ、不織布ウェブ、フィルムコーティング不織布ウェブなどの複合材料、並びに商品名ESPOIR NOでMitsui Toatsu Co.(Japan)により、及び商品名EXXAIREでEXXON Chemical Co.(Bay City,TX)により製造される微孔性フィルムなどの材料を挙げることができる。ポリマーブレンドを含む好適な通気性複合材料は、Clopay Corporation(Cincinnati,OH)から商品名HYTREL blend P18−3097で入手可能である。このような通気性複合材料は、国際公開WO第95/16746号及び米国特許第5,865,823号により詳細に説明されている。不織布ウェブ及び孔あき成形フィルムを含む他の通気性バックシートが米国特許第5,571,096号に記載されている。代表的な好適なバックシートは、米国特許第6,107,537号に開示されている。好適なバックシート26を提供するため、表面処理、特定のフィルムの選定及び加工、特定のフィラメントの選定及び加工などを含むがこれらに限定されない他の好適な材料及び/又は製造技術が使用されてもよい。
【0047】
バックシート26は、
図1の切欠に示したような1つを超える層から構成されてもよい。バックシート26は外側カバー26aと内側層26bとを備えてもよい。外側カバー26aは長手方向側縁部27aを有してもよく、内側層26bは長手方向側縁部27bを有してもよい。外側カバー26aは柔らかい不織布材料から作製され得る。内側層26bは実質的に不透水性のフィルムでから作製され得る。外側カバー26aと内側層26bとは接着剤又は任意の他の好適な材料若しくは方法で接合され得る。特に好適な外側カバー26aは、Corovin GmbH(Peine,Germany)から供給元コードA18AH0として入手可能であり、特に好適な内側層26bは、RKW Gronau GmbH(Gronau,Germany)から供給元コードPGBR4WPRとして入手可能である。本明細書では様々なバックシート構成が考えられているが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正が可能であることは当業者には明らかである。
【0048】
おむつ20は、締結装置50を含んでもよい。締結される際、締結装置50は、前側腰部領域36及び後側腰部領域38と相互結合し、おむつ20の装着中、着用者の腰部周辺を取り囲んでよい。締結装置50は、例えば、テープタブ、フックとループの締結要素、タブ及びスロットのような係合締結具、バックル、ボタン、スナップ、及び/又は雌雄同体締結要素等の締結具を含んでよいが、他の既知の任意の締結手段も、概して使用可能である。いくつかの代表的な表面締結装置が、米国特許第3,848,594号、同第4,662,875号、同第4,846,815号、同第4,894,060号、同第4,946,527号、同第5,151,092号、及び同第5,221,274号に開示されている。代表的な係合締結装置は米国特許第6,432,098号に開示されている。締結装置50は、米国特許第4,963,140号にて開示されるように、物品を廃棄構成に維持するための手段を更に提供してもよい。締結装置50は、米国特許第4,699,622号に開示されるように、一次及び二次締結装置を含んでもよい。締結装置50は、米国特許第5,242,436号、同第5,499,978号、同第5,507,736号、及び同第5,591,152号に開示されるように、重なり合う部分のずれを低減するか、又はフィット性を向上するよう構成されてもよい。
【0049】
図1は、係合部材52及び受入部材54を有する締結装置50を示す。図示の係合部材52は、フック、ループ、接着剤、粘着剤、又は他の締結部材を含み得る係合表面53を有する。受入部材54は、係合部材52が係合するのを可能とする表面を有してもよい。受入部材54は、係合部材52を受け入れることのできるフック、ループ、接着剤、粘着剤、又は他の締結構成要素を含んでよい。好適な係合部材52及び受入部材54の組み合わせとしては、フック/ループ、フック/フック、接着剤/高分子フィルム、粘着剤/粘着剤、接着剤/接着剤、タブ/スロット、及びボタン/ボタン穴が挙げられるが、これらに限定されない。
【0050】
おむつ20は、バリアカフ60及び/又はガスケットカフ70を含んでよい。ガスケッティングカフ70は、外側レッグカフ、レッグバンド、サイドフラップ、レッグカフ、又は弾性カフとも呼ぶことができる。バリアカフ60は、第2のカフ、内側レッグカフ、又は「立ち上がった」弾性フラップと呼ばれることもある。
【0051】
ガスケットカフ70は、実質的に非弾性であってもよく、又は弾性的に延伸性であって、着用者の脚部に動的に適合してもよい。ガスケットカフ70は、トップシート24、バックシート26、又はおむつ20の形成に使用された任意の他の好適な基材に動作可能に接合された、1つ又は複数の弾性部材72(弾性ストランド等)により形成されてもよい。好適なガスケットカフ構造が、米国特許第3,860,003号に更に記載されている。
【0052】
バリアカフ60は、長手方向中心線100にほぼ平行に走る遠位縁61及び近位縁63を有することができる。バリアカフ60は、おむつ20の長手方向の全長に及び得る。バリアカフ60は、フラップ62及び弾性部材64(弾性ストランド等)によって形成されてもよい。フラップ62は、おむつ20を形成する既存材料又は要素のいずれかの連続延長部であってもよい。他の実施形態では、
図1に示すように、バリアカフ60は、個別の要素であってもよい。そのような実施形態では、フラップ62及び弾性部材64を含むバリアカフ60が形成され、その後、結合部65によりシャーシ22に接合されてもよい。
【0053】
フラップ62は、プラスチックフィルム、並びに天然繊維(例えば、木材又は綿繊維)、合成繊維(例えば、ポリエステル又はポリプロピレン繊維)、又は天然繊維及び合成繊維の組み合わせの織布又は不織布ウェブ等の種々の基材を含んでよい。ある実施形態において、フラップ62は、スパンボンドウェブ、メルトブローンウェブ、カードウェブ、及びこれらの組み合わせ(例えば、スパンボンド−メルトブローン複合材料及び変形)等の不織布ウェブを含んでよい。前述した基材の積層体を使用してフラップ62を形成してもよい。特に好適なフラップは、BBA Fiberweb(Brentwood,TN)から供給元コード30926として入手可能な不織布を含み得る。特に好適な弾性部材は、Invista(Wichita,KS)から供給元コードT262Pとして入手可能である。バリアカフ及びかかるバリアカフの好適な構成を有するおむつの更なる記載は、米国特許第4,808,178号及び同第4,909,803号に見出すことができる。弾性部材64は、一般にバリアカフ60の長手方向長さに及ぶ。他の実施形態では、弾性部材64は、少なくとも股領域37内のバリアカフ60の長手方向長さに及んでよい。弾性部材64は、バリアカフ60の近位縁63が通常の着用時に着用者に接触したままであるような十分な弾性を示し、それによりバリアカフ60のバリア性を向上させるのが望ましい。弾性部材64は、対向する長手方向末端部でフラップ62に接続されてもよい。ある実施形態において、フラップ62は、弾性部材64を取り囲むようにそれ自身の上に折り重なってもよい。フラップ62の折り重なった区域を固定するため、結合部67が使用されてもよい。
【0054】
バリアカフ60及び/又はガスケッティングカフ70は、トップシートについて上述したようにローションで全体若しくは一部が処理されてもよく、又は米国特許出願第11/055,743号(2005年2月10日出願)に詳述されているように疎水性表面コーティングで完全に若しくは部分的にコーティングされてもよい。
【0055】
おむつ20は前耳部40及び後耳部42を含んでよい。前耳部40及び/又は後耳部42は、おむつ20の一体要素であってもよい(すなわち、それらは、おむつ20に固定された別々に操作できる要素ではなく、むしろおむつの種々の層の1つ以上から形成され種々の層の1つ以上の延伸部である)。ある実施形態において、前耳部40及び/又は後耳部42は、
図1に示したようにシャーシ22に接合された個別の要素であってもよい。個別の前耳部40及び/又は後耳部42は、接着剤結合、圧力結合、熱結合等の、当該技術分野において既知の任意の結合方法によりシャーシ22に接合できる。他の実施形態において、前耳部40及び/又は後耳部42は、シャーシ22に接合された個別の要素を含んでもよく、シャーシ22は、前耳部40及び/又は後耳部42の上に延びる層、要素、又は基材を有する。前耳部40及び後耳部42は、延伸性、非延伸性、弾性、又は非弾性であってもよい。前耳部40及び後耳部42は、不織布ウェブ、織布ウェブ、編生地、高分子及びエラストマーフィルム、有孔フィルム、スポンジ、発泡体、スクリム、並びにそれらの組み合わせ及び積層体から形成できる。ある実施形態において、前耳部40及び後耳部42は、不織布/エラストマー材積層体又は不織布/エラストマー材/不織布積層体で形成できる。好適な弾性後耳部42は、2つの不織布層(BBA Fiberweb(Brentwood,TN)から供給元コードFPN332として入手可能なような)の間に配置されるエラストマーフィルム(Tredegar Corp(Richmond,VA)から供給元コードX25007として入手可能なような)を含む積層体であってもよい。以下の実施形態は、後耳部42の設計及び構造を対象とするが、これらの実施形態は、前耳部40の設計及び構造にも等しく適用可能である。以下の実施形態のいかなる組み合わせも後耳部42及び/又は前耳部40に使用されてもよいことが理解されよう。
【0056】
別の実施形態では、おむつ20は、パンツを作るために、製造業者が事前に作製してもよい。パンツは、任意の好適な技術によって予備形成されてもよく、その例としては、再締結可能及び/又は再締結不可能な結合(例えば、シーム、溶接、接着、凝集結合、締結具)を使用して、物品の一部分を一緒に接合することが挙げられるが、これに限定されない。例えば、
図1のおむつ20は、係合された締結装置50を有して製造されてもよい(すなわち、係合部材52は受入部材54に接合される)。更なる例として、
図1のおむつ20は、接着結合、機械的結合、又は当該技術分野において既知の他のいくつかの結合技術等の結合によって、前耳部40を後耳部42と接合させて製造され得る。好適なパンツは米国特許第5,246,433号、同第5,569,234号、同第6,120,487号、同第6,120,489号、同第4,940,464号、同第5,092,861号、同第5,897,545号、及び同第5,957,908号に開示されている。
【0057】
上述のように、構造接着剤は通常、吸収性物品が組み立てられる際に、吸収性物品の構成要素を接合するために用いられる。そのような、構造接着剤を使用した接合の非限定的例として、
・コアカバーのダスティング層への接合、
・バックシート26のコア28への接合、
・バリアカフ60又はガスケッティングカフ70形成のため、弾性部材64の不織布及び/又はフィルムへの接合、
・バックシート26形成のため、不織布の蒸気透過性フィルムへの接合、
・バリアカフのトップシート24への接合、
・受入部材54のトップシート24への接合、
・耳部40、42のバックシート26への接合、
・コア基材層のコア吸収性ポリマー材料への接合、が挙げられる。
【0058】
これらの用途の多くは、不織材料を別材料に接合することを伴うことが理解されよう。不織材料が別の不織布に接合される場合もある。他の例では、不織布がフィルムに接合される場合もある。
【0059】
本発明の不織布は、米国特許出願第61/837,286号、米国特許第8,388,594号、同第8,226,625号、同第8,231,595号、同第8,226,626号に開示されたものであってもよい。
【0060】
接着剤
接着剤は、実質的に非晶質又はランダム重合したポリマー材料を含むポリオレフィンを含む第1ポリマー、及びヘテロ相ポリマーを含む第2ポリマーを含む。
【0061】
第1の非晶質ポリマーは、典型的にはブテン、(例えば)1−ブテンを含み、また、エチレン、プロペン、又は第2のC
4〜40オレフィンポリマーを含有してもよい。これらの実質的に非晶性である結晶化度の低いポリマーは、10%未満、好ましくは5%未満の結晶性特性を有する。
【0062】
第2のヘテロ相オレフィンポリマーは、プロペンモノマーを相当量の割合(40又は50モル%超)含有する第1のポリα−オレフィンポリマーを含み、また、若干の結晶質を含有する非晶質ポリマーを含む。
【0063】
非晶質ポリマーはブテン系コポリマー(最低量が少なくとも1ブテンの約30、40、又は50重量%である)であり、これはランダムブテン−α−オレフィンコポリマーとも称され得る。ブテンコポリマーは、プロペン由来の1つ又は複数の単位、すなわちマー単位(mer units)、エチレン又は4〜約20個の炭素原子を含むα−オレフィン由来の1又は複数のコモノマー単位を含む。
【0064】
第1コポリマーは、約30モル%〜約70モル%、好ましくは約40モル%〜約60モル%のブテン由来単位を含む。ブテン由来単位に加えて、本コポリマーは、約70モル%〜約30モル%から約60モル%〜約40モル%までの、好ましくはエチレン、プロペン又は少なくとも1種のC
5〜10 α−オレフィンモノマーに由来する単位を含有する。
【0065】
1つ又は複数の実施形態では、α−オレフィンコモノマー単位は、エチレン、1−ブテン、1−ヘキサン、4−メチル−1−ペンテン及び/又は1−オクテン等のその他のモノマーからも誘導され得る。例示的なα−オレフィンは、エチレン、ブテン−1、ペンテン−1,2−メチルペンテン−1,3メチルブテン−1、ヘキセン−1,3−メチルペンテン−1,4−メチルペンテン−1,3,3−ジメチルブテン−1、ヘプテン−1、ヘキセン−1、メチルヘキセン−1、ジメチルペンテン−1、トリメチルブテン−1、エチルペンテン−1、オクテン−1、メチルペンテン−1、ジメチルヘキセン−1、トリメチルペンテン−1、エチルヘキセン−1、メチルエチルペンテン−1、ジエチルブテン−1、プロピルペンタン−1、デセン−1、メチルノネン−1、ノネン−1、ジメチルオクテン−1、トリメチルヘプテン−1、エチルオクテン−1、メチルエチルブテン−1、ジエチルヘキセン−1、ドデセン−1、及びヘキサドデセン−1から成る群から選択される。
【0066】
1つ又は複数の実施形態では、非晶質コポリマーは、ブテン由来の単位を、約30〜約70モル%、好ましくは約40〜約60モル%含み、またエチレン、プロペン、1−ヘキセン、又は1−オクテンから選択される少なくとも1種のα−オレフィンモノマー由来の単位を、約70〜約30モル%から約60〜約40モル%含む。少量のα−オレフィンモノマーは約0.1〜20モル%の範囲で使用可能である。非晶性ポリマーは、約1,000〜約25,000以下、好ましくは約2,000〜20,000の重量平均分子量(Mw)を有する。
【0067】
1以上の実施形態では、第1の共重合体は、ブテン由来の単位を、約30〜約70モル%、好ましくは約40〜約60モル%含み、プロペン由来の単位を、約70〜約30モル%から約60〜約40モル%まで含み、更に少量のα−オレフィンモノマーを約0.1〜20モル%の範囲で使用可能である。
【0068】
非晶性ポリマーは、約1,000〜約50,000以下、好ましくは約5,000〜45,000の重量平均分子量(Mw)を有する。
【0069】
非晶性共重合体の粘度は、190℃でASTM D−3236により測定した場合、10,000mPa・s(1センチポアズ[cps]=1mPa・s)未満であり、例えば約2000〜8000mPa・sである。溶融粘度はASTM D−3236によって定められ、本明細書において「粘度」及び/又は「ブルックフィールド粘度」とも呼ばれる。
【0070】
非晶質ポリオレフィンのいくつかの例としては、Huntsmanが製造するRextac E−63、E−65、2815、2830などを含むRextacポリマーが挙げられる。ポリマー類の説明に関しては、例えば、明示的に本明細書に組み込まれるSusticの米国特許第5,723,546号を参照されたい。その他の有用な非晶質ポリマーは、Vistoplast(登録商標)及びEastoflex(登録商標)材料として販売されている。
【0071】
接着剤は、実質的なヘテロ相コポリマーを含む第2ポリオレフィンを含む。ヘテロ相ポリオレフィンは、プロペンコポリマー、(すなわち)他のコモノマーを含有するプロペン系ポリマーを含み得る。プロペン系ポリマー主鎖は、プロペン及び1つ又は複数のC
2若しくはC
4〜20のα−オレフィンを含むことが好ましい。プロペン系ヘテロ相ポリマーは、例えば、プロペン及びエチレン、ヘキセン、又は所望によりその他のC
2若しくはC
4〜20のα−オレフィンを含み得る。ポリマーは、約99.5〜約70重量%、好ましくは約95〜約75重量%のプロペン由来単位を含む。プロペン由来単位に加えて、本発明のコポリマーは、約0.1〜30重量%、好ましくは約5〜25重量%の、好ましくは少なくともC
2〜4又はC
5〜10のα−オレフィン由来の単位を含む。
【0072】
1つ又は複数の実施形態では、第2コポリマーは、過半量のプロペン、及び約0.1〜30重量%又は2〜25重量%のエチレンを含む。1つ又は複数の実施形態では、第2コポリマーは、過半量のプロペン、及び約0.1〜30重量%又は2〜25重量%の1−ブテンを含む。
【0073】
1つ又は複数の実施形態では、第2コポリマーは、過半量のプロペン、及び約0.1〜30重量%又は2〜25重量%の1−ヘキセンを含む。1つ又は複数の実施形態では、第2コポリマーは、過半量のプロペン、及び約0.1〜30重量%又は2〜25重量%の1−オクテンを含む。
【0074】
第1又は第2ポリオレフィンのいずれかに用いるためのその他のコモノマーには、エチレン又は4〜12個の炭素原子を含むα−オレフィンが含まれる。代表的なα−オレフィンは、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン−3−メチル−1−ペンテン−4−メチル−1−ペンテン−3,3−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、1−ヘキセン、1−メチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ペンテン、トリメチル−1−ブテン、エチル−1−ペンテン、1−オクテン、メチル−1−ペンテン、ジメチル−1−ヘキセン、トリメチル−1−ペンテン、エチル−1−ヘキセン、1−メチルエチル−1−ペンテン、1−ジエチル−1−ブテン、プロピル−1−ペンテン、1−デセン、メチル−1−ノネン、1−ノネン、ジメチル−1−オクテン、トリメチル−1−ヘプテン、エチル−1−オクテン、メチルエチル−1−ブテン、ジエチル−1−ヘキセン、1−ドデセン、及び1−ヘキサドデセンからなる群から選択され得る。好ましいC
4〜10のα−オレフィンは、6〜8個の炭素原子を有するものであり、最も好ましいα−オレフィンは1−ヘキセン及び1−オクテンである。
【0075】
好ましいプロペンコポリマーは、コモノマーがエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、又は1−オクテンであるコポリマーである。ポリマーの立体規則性(アイソタクチック又はシンジオタクチック)配列又はブロック含分は、結晶化可能含分のヘテロ相(部分的に非晶質及び部分的に結晶質)特性をポリマーに付与する。本明細書で使用する場合、また半結晶性ヘテロ相コポリマーに適用する場合、用語「結晶化可能」とは、冷却によって結晶化可能なこれらのポリマー配列又はブロックを表す。固化した半結晶コポリマーの結晶質含分はホットメルト接着剤の凝集力を増加させる。メタロセン重合された半結晶コポリマー系のホットメルト接着剤配合物は、最終的に、配合物中で良好な凝集力を達成する十分な結晶性含分を経時的に作り上げることができる。
【0076】
第2ヘテロ相ポリマーは、好ましくはエチレン又はプロペンなどの重合モノマーの立体規則性配列からなる結晶化可能なポリマーブロック又は配列を含み、この配列は、典型的に1配列当たりで少なくとも反復又はブロックモノマー単位を結晶化するのに十分に長い。
【0077】
好ましい実施形態では、結晶化可能セグメントは立体規則性又はアイソタクチックであってもよい。オレフィン配列のアイソタクチシティは、所望の触媒組成物を選択した重合によって達成可能である。従来技術では、アイソタクチシティはDSC又はC−13 NMR機器技術を用いて測定される。
【0078】
ヘテロ相ポリマーは、少なくとも5重量%、10重量%、20重量%、40重量%、又は50重量%、好ましくは20%〜80%、より好ましくは25%〜70%の結晶化度を有する。
【0079】
ヘテロ相コポリマーの融解熱は約10J/g〜約70J/g及び約15J/g〜約70J/gであり(ASTM E793による)、その融点は150℃未満、及び約105℃〜約135℃である。
【0080】
ヘテロ相ポリマーは約20,000以下、好ましくは約10,000以下、好ましくは約500〜8,000の重量平均分子量(Mw)を有する。
【0081】
ヘテロ相コポリマーの粘度は、(ASTM D−3236によって測定して)ブルックフィールド粘度計を用いて190℃で測定した場合、20,000mPa・s未満(1センチポアズ[cps]=1mPa・s)、例えば15000mPa・s未満であり、特定の用途の場合は10,000mPa・s未満及び5,000mPa・s未満であり、これは本明細書において「粘度」及び/又は「ブルックフィールド粘度」とも呼ばれる。
【0082】
ホットメルト接着剤組成物に有用なヘテロ相ポリマーのいくつかの例としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、並びにExxonMobil Chemical(Houston,TX)から商品名VISTAMAXX(商標)で販売されるポリプロピレン系エラストマー、並びにDow Chemical Company(Midland,MI)から商品名AFFINITY(商標)及びENGAGE(商標)で販売されるものなどのポリエチレン系エラストマーといったこれらのコポリマーが挙げられる。
【0083】
ホットメルト接着剤組成物に有用なその他のヘテロ相ポリマーとしては、ポリオレフィンエラストマーのVISTAMAXX(商標)8816、VISTAMAXX(商標)2230、及びENGAGE(商標)8200が挙げられる。AFFINITY(商標)GA 1900のASTM D792に準拠した密度は0.870g/cm3であり、融解熱は46.1J/gであり、ASTM D 1084に準拠した177℃でのブルックフィールド粘度は8200cPである。AFFINITY(商標)GA 1950のASTM D792に準拠した密度は0.874g/cm3であり、融解熱は53.4J/gであり、ASTM D 1084に準拠した177℃でのブルックフィールド粘度は17,000cPである。ENGAGE(商標)8200のASTM D792に準拠した密度は0.87g/cm3であり、190℃でのメルト・インデックスは5g/10分である。これらのオレフィンエラストマーはホットメルト接着剤組成物に有用なプロピレンコポリマーと相溶性があり、有効硬化時間(effective set time)を犠牲にすることなしに低温接着性能などの物理的特性を改善する。
【0084】
任意の従来技術の重合合成プロセスによってもポリオレフィンコポリマーを調製することができる。オレフィンモノマー又はモノマー混合物の重合には、典型的にはメタロセン系触媒又はチーグラー・ナッタ系触媒である1つ又は複数の触媒を用いることが好ましい。重合方法としては、高圧重合、スラリー重合、ガス重合、バルク重合、懸濁重合、超臨界重合、若しくは溶液相重合、又はこれらの組み合わせが挙げられ、シングルサイトのメタロセン触媒系を用いることが好ましい。触媒は均質な溶液の形態であってもよく、担持されてもよく、又はこれらの組み合わせであってもよい。重合は連続的、半連続的、又はバッチプロセスによって実施されてもよく、また連鎖移動剤、捕捉剤、又はその他の適用可能と考えられる添加剤の使用を含んでもよい。連続的とは、中断又は停止することなく稼働する(又は稼働することを意図した)システムを意味する。例えば、ポリマーを製造するための連続的プロセスは、1つ又は複数の反応器に絶え間なく反応剤が導入され、ポリマー生成物が絶え間なく引き出されるプロセスである。1実施形態では、本明細書で説明するプロペンコポリマーは、単一の重合触媒を用いて単一又は複数の重合ゾーン内で生産される。ヘテロ相ポリマーは、典型的には所望のヘテロ相構造を獲得する複数のメタロセン触媒ブレンドを用いて作られる。
【0085】
本明細書に開示される組成物は、接着剤中の粘度を低減させ得るか又は粘着性を改善し得る可塑剤若しくは可塑化用油又はエキステンダー油を更に含んでもよい。当業者に公知の任意の可塑剤を、本明細書で開示される接着剤組成物に使用してもよい。可塑剤の非限定的な例としては、オレフィンオリゴマー、液体ポリブテンなどの低分子量ポリオレフィン、低分子量の非芳香族ポリマー(例えばEastman Chemical CompanyのREGALREZ 101)、フタル酸エステル、ナフテン系油、パラフィン系油、又は水添化(ホワイト)油(例えばKaydolオイル又はParaLuxオイル(Chevron U.S.A.Inc製))などの鉱物油、植物油及び動物油並びにこれらの誘導体、石油由来油、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。低分子量ポリオレフィンとしては、Mwが100のもの、特に約100〜3000の範囲のもの、約250〜約2000の範囲のもの、及び約300〜約1000の範囲のものが挙げられ得る。
【0086】
いくつかの実施形態では、可塑剤としては、約350〜約10,000の間の平均分子量を有するポリプロピレン、ポリブテン、水素添加ポリイソプレン、水素添加ポリブタジエン、ポリピペリレン、ピペリレン及びイソプレンのコポリマーなどが挙げられる。その他の実施形態では、可塑剤としては、従来の脂肪酸グリセリルエステル及びその重合生成物が挙げられる。いくつかの実施形態では、可塑剤はイソブチレンポリマーであってもよい。好ましい可塑剤にはポリイソブチレンポリマーが含まれる。ポリマーは、過半量のイソブチレン単位を含むことができるか、又は次式で表すことができる。
[−C(CH
3)
2−CH
2−]
n
式中、nは15〜75である。ポリイソブチレン材料は、分子量が約200〜20,000、約200〜5,000、又は約500〜2,000の粘性の液体である。好ましい材料は、100℃で約100〜20,000のセイボルトユニバーサル秒(SUS)粘度を有する。ポリイソブチレンに特有の特徴は、ガス透過性が低く、酸、アルカリ、及び塩溶液の作用に対する耐性が高いことに加えて、誘電率が高いことである。これらの特徴は、太陽光又は紫外線の作用下で徐々に低下する(カーボンブラックを添加することによりこの過程は遅くなる)。産業においては、ポリイソブチレンは、−80℃〜−100℃の温度でモノマーのイオン重合(AlCl
3触媒)により製造される。これらは、ゴム産業で通常使用されている装置を使用して加工される。ポリイソブチレンは、天然又は合成ゴム、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、及びフェノール−ホルムアルデヒド樹脂と容易に混ざり合う。
【0087】
好ましい組成物の実施形態は、オープンタイム、基材の濡れ、又は粘着のうち任意の特徴を接着剤材料に付加し得る従来技術の粘着剤材料を実質的に40重量%未満、20重量%未満用いるか、又はその有効量を実質的に含まない。粘着剤の使用を回避することにより、接着剤の密度、接着剤及び製品のコストが低減され、また配合者は供給不足の材料を使用せずに済む。更に、粘着剤は望ましくない匂いを使い捨て物品に付与する場合があり、また物品に用いられるポリエチレンバックシート材料を脆弱化させ得る低分子量可塑剤の担体(SBC系接着剤に用いられるプロセス油のような)としての役割を果たす場合がある。こうした物品に使用されるポリエチレンフィルムの厚さが薄型化しているため、バックシートの完全性の重要性が高まっている。用語「従来の粘着剤樹脂」は、接着剤技術及び産業において一般的に入手可能で、典型的なホットメルト接着剤に使用されるような樹脂を意味する。これに該当する従来の粘着付与樹脂の例としては、脂肪族炭化水素樹脂、芳香族変性脂肪族炭化水素樹脂、水素化ポリシクロペンタジエン樹脂、ポリシクロペンタジエン樹脂、ガムロジン、ガムロジンエステル、ウッドロジン、ウッドロジンエステル、トールオイルロジン、トールオイルロジンエステル、ポリテルペン、芳香族変性ポリテルペン、テルペンフェノール、芳香族変性水素化ポリシクロペンタジエン樹脂、水素化脂肪族樹脂、水素化脂肪族芳香族樹脂、水素化テルペン及び変性テルペン、並びに水素化ロジンエステルが挙げられる。従来の配合では、こうした樹脂は約40〜約65重量%の量で用いられる場合が多い。
【0088】
更なる実施形態において、本明細書に開示される組成物は、所望により酸化防止剤又は安定剤を含むことができる。当業者に公知の任意の抗酸化剤を、本明細書で開示される接着剤組成物に使用してもよい。好適な抗酸化剤の非限定例としては、アルキルジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、アルキル又はアラルキル置換フェニルナフチルアミン、アルキル化p−フェニレンジアミン、テトラメチル−ジアミノジフェニルアミン等のアミン系抗酸化剤、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール等のヒンダードフェノール化合物、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス[(メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナマート)]メタン(例えば、Ciba Geigy(New York)製のIRGANOXTM1010など)、オクタデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロシンナマート(例えば、Ciba Geigy製のIRGANOXTM 1076など)、及びそれらの組み合わせが挙げられる。酸化防止剤を使用する場合、組成物中の量は、組成物の総重量の約0超〜約1重量%、約0.05〜約0.75重量%、又は約0.1〜約0.5重量%とすることができる。
【0089】
更なる実施形態では、本明細書に開示の組成物は、所望により、照射による組成物の劣化を防止又は低減し得るUV安定剤を含んでもよい。当業者に公知の任意のUV安定剤を、本明細書で開示される接着剤組成物に使用してもよい。好適なUV安定剤の非限定例としては、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、アリールエステル、オキサニリド、アクリル酸エステル、ホルムアミジンカーボンブラック、ヒンダードアミン、ニッケル失活剤、ヒンダードアミン、フェノール系抗酸化剤、金属塩、亜鉛化合物、及びそれらの組み合わせが挙げられる。使用される場合、組成物中のUV安定剤の量は、組成物の総重量の約0超〜約1重量%、約0.05〜約0.75重量%、又は約0.1〜約0.5重量%とすることができる。
【0090】
更なる実施形態において、本明細書に開示される組成物は、所望により、蛍光増白剤、着色剤又は顔料を含むことができる。当業者に公知の任意の着色剤又は染料を、本明細書で開示される接着剤組成物で使用してもよい。好適な増白剤、着色剤、又は染料の非限定例としては、トリアジンスチルベン、クマリン、イミダゾール、ジアゾール、二酸化チタン、カーボンブラック等の蛍光体や染料、フタロシアニン染料、及びIRGAZINB、CROMOPHTALB、MONASTRALB、CINQUASIAB、IRGALITEB、ORASOLB(いずれもCiba Specialty Chemicals(Tarrytown,N.Y)から入手可能)等のその他の有機染料が挙げられる。使用される場合、組成物中の増白剤、着色剤、又は染料の量は、組成物の総重量の約0超〜約10重量%、約0.01〜約5重量%、約0.1〜約2重量%であってもよい。
【0091】
本明細書に開示される組成物は、所望により、香料又は他の着臭剤等の芳香剤も含むことができる。このような芳香剤は、ライナーによって保持されるか、又は、例えば、剥離ライナーを除去するか組成物を加圧して芳香剤を放出することができるマイクロカプセル等の放出剤内に収容されてもよい。
【0092】
更なる実施形態において、本明細書に開示する組成物は、所望により、フィラーを含むことができる。本明細書に開示される接着剤組成物中で、当業者に周知の任意のフィラーを使用することができる。好適なフィラーの非限定的な例としては、砂、タルク、ドロマイト、炭酸カルシウム、粘土、シリカ、雲母、ウォラストナイト、長石、ケイ酸アルミニウム、アルミナ、水和アルミナ、ガラスビーズ、ガラス微小球、セラミック微小球、熱可逆性プラスチック微小球、重晶石、木粉、及びこれらの組み合わせが挙げられる。本組成物中にフィラーが使用される場合、その量は、約0超〜約60重量%、約1〜約50重量%、又は約5〜約40重量%とすることができる。
【0094】
特許請求される接着剤における1つの実質的な利点は、接着剤配合物の密度に関する。従来の粘着剤の密度は約1.07〜1.09g/cm
−3の範囲である場合が多い。従来の粘着剤を約40〜60重量%の量で含む従来の配合された接着剤は、0.9g/cm
−3を上回る密度を有する。粘着剤を実質的に含まない本発明の配合された接着剤の密度は0.9g/cm
−3未満であり、多くの場合、約0.85〜0.89g/cm
−3の範囲であり、多くの場合、0.86〜0.87g/cm
−3の範囲である。これらの接着剤が粘着剤材料に起因する問題を有しないだけでなく、特許請求される接着剤の使用及び低い密度によって、重量で測定した使用量を低減してコストを削減することができる。
【0095】
別の態様は、ホットメルト接着剤組成物を用いた製造方法である。この方法は、溶融した組成物を基材に塗布し、続いて接着剤組成物を第1基材に塗布してから0.1秒〜5秒以内に接着剤組成物を第2基材と接触させることを含み、この接触によって基材間に接着結合が生じる。
【0096】
ホットメルト接着剤組成物は、従来のホットメルト接着剤塗布器での使用に適した溶融レオロジーや熱安定性を有する。ホットメルト接着性合成物の混合成分は、塗布温度では溶融粘度が低いため、組成物に溶剤やエキステンダー油を加えるまでもなく、例えばコーティングダイ又はノズルのようなコーティング装置を通って組成物が流れやすいものとなっている。ローター27番を176.66℃(50rpm,350°F)で使用するブルックフィールド社製サーモセルRVT粘度計により測定される、ホットメルト接着剤組成物の溶融粘度は、ミリパスカル秒単位又はセンチポアズ(cP)で1500cP〜と3500cP、又は約2000〜3000cPである。ホットメルト接着剤組成物の軟化点は、約80〜140℃、いくつかの実施形態では約115〜130℃である(ASTM D 3461−97 Standard Test Method for Mettler Softening Point Method)。
【0097】
特定の用途の場合、ホットメルト接着剤組成物の有効硬化時間は約5秒以下、例えば約0.1〜5秒であり、いくつかの実施形態では約0.1〜3秒であり、いくつかの実施形態では約0.2〜1秒である。特にオープンタイムが許容範囲内に留まることを考えると、ホットメルト接着剤の有効硬化時間は予想以上に短い。
【0098】
構造接着剤は、スロット押出、らせんスプレーを含むスプレー、及びビーズを含むがこれらに限定されない幅広く多様な周知の塗布方法を使用して塗布することができる。非限定的な具体例としては、
・トップシートを下にある不織布層に接合するための、らせんスプレー又はスロットコーティングにおける構造接着剤の塗布、
・捕捉層又は分配層をコアカバーに接合するための、スロットコーティングによる構造接着剤の塗布、
・カフを備える不織布材料とバックシートとの間に位置する構造接着剤のビーズの塗布、
・吸収性物品の長手方向縁部を封止するようにトップシートをバックシートに接合するための、らせんスプレー又はスロットコーティングにおける構造接着剤の塗布、
・ランディングゾーン(すなわち、受入部材)をバックシートに接合するための、スロットコーティングを使用する構造接着剤の塗布、
・コアカバーをダスティング層に接合するための、スロットコーティングを使用する構造接着剤の塗布、
・コアをバックシートに接合するための、らせんスプレーにおける構造接着剤の塗布、
・カフを備える不織布材料を、バックシートを備える不織布材料に接合するための、らせんスプレーにおける構造接着剤の塗布、が挙げられる。
【0099】
接着剤は、典型的には、得られる接合材料の1平方メートル当たり約1〜約100、約4〜約90、又は約7〜約70グラム(g/m
2)の量で塗布される。材料は、得られる接合材料の1平方メートル当たり約0.1〜約20、約0.2〜約10、又は約0.3〜約15グラム(g/m
2)の量で塗布されてもよい。接着性材料は、0.5〜2g/m
2、0.6〜1.7g/m
2、又は0.7〜1.5g/m
2のアドオン率で、吸収性物品に使用されてもよい。
【実施例】
【0100】
第1の非晶質コポリマーと、第2のヘテロ相コポリマーと、ポリマー可塑剤/希釈剤と、酸化防止剤とを、高温の混合条件下でブレンドして完全に均一な流体溶融物を形成することで、多数のホットメルト接着剤組成物を調製した。混合温度は約135〜約200℃、好ましくは約150〜約175℃であった。成分を完全に均一化して最終接着剤組成物を確実に調製するためにWiseStir(登録商標)ミキサーを使用した。
【0101】
(実施例1〜4)
ホットメルト接着剤組成物を下記の通り溶融混練することによって配合した。特定の成分及び成分量を次の表2に示す。
【0102】
【表2】
【0103】
【表3】
【0104】
これらのデータは、これら材料が、使い捨て吸収性物品において良好な構造接合をもたらすことを示す。ある種の条件下では、粘度は材料の流れに対する抵抗に関係することに注意されたい。この特有の性質は、溶融ポリマーの流動性、濡れの程度、及び基材への浸透を決定する。これは、ホットメルト接着剤材料としての加工可能性及び実用性の指標を提供するものである。溶融粘度は一般にポリマー分子量と直接関係しており、ローター27番を用いたブルックフィールド社製サーモセルRVT粘度計を指定温度で使用して、ミリパスカル秒又はセンチポアズ(cP)単位で報告される。
【0105】
摂氏温度又は華氏温度におけるメトラー軟化点は、通常、ASTM D3104を使用して測定される。ポリオレフィン材料は非晶質であるため、はっきりとした又は明確な融点を有しない。むしろ温度が上昇するほど、非晶性ポリマーは徐々に固体から軟化し、次に液体材料へと変化する。ガラス転移又は融解温度は、多くの場合、明確には定義されていない。したがって、定義される温度としては通常、ディスク状のポリマー試料を毎分2℃又は毎分−12℃(10°F)で加熱し、鉄球(グラム単位)の試験物体が当該試料を貫通して落下するほど試料が軟化する精確な温度が測定される。摂氏又は華氏で報告されたポリマーの軟化点は、通常ポリマーの熱耐性、有用な塗布温度、凝固点を示すため、重要である。
【0106】
特許請求の範囲は、好適には、開示された又は引用されたいずれかの要素を含むか、これらからなるか、又は本質的にこれらからなるか、若しくは実質的にこれらを含まないものであってもよい。本明細書において例示的に開示した本発明は、本明細書に具体的に開示していない任意の要素の不存在下で適切に実施することもできる。
【0107】
本明細書に開示した寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく制限されるものとして理解すべきではない。むしろ、特に断らない限り、そのような各寸法は、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示されている寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0108】
「発明を実施するための最良の形態」の中で引用された全ての文献は、関連部分において本明細書に参照により援用されている。いかなる文書の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを認めるものとして解釈されるべきではない。本明細書における用語のいずれかの意味又は定義が、参照により組み込まれる文献における用語のいずれかの意味又は定義と対立する範囲においては、本明細書においてその用語に付与した意味又は定義を適用するものとする。
【0109】
以上、本発明の特定の諸実施形態を図示、説明したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び改変を行いうる点は当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのような全ての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。