(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6695994
(24)【登録日】2020年4月24日
(45)【発行日】2020年5月20日
(54)【発明の名称】照明装置の、少なくとも2つのLEDを含むモジュールを検査するための方法およびICT装置
(51)【国際特許分類】
H01L 33/48 20100101AFI20200511BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20200511BHJP
【FI】
H01L33/48
H01L33/00 K
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-542135(P2018-542135)
(86)(22)【出願日】2017年2月6日
(65)【公表番号】特表2019-507953(P2019-507953A)
(43)【公表日】2019年3月22日
(86)【国際出願番号】AT2017060020
(87)【国際公開番号】WO2017136864
(87)【国際公開日】20170817
【審査請求日】2018年9月26日
(31)【優先権主張番号】A50087/2016
(32)【優先日】2016年2月11日
(33)【優先権主張国】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】593045569
【氏名又は名称】ツェットカーヴェー グループ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(74)【代理人】
【識別番号】100119415
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 充
(72)【発明者】
【氏名】ヴェーバー、エマヌエル
(72)【発明者】
【氏名】エスターレ、シュテファン
【審査官】
百瀬 正之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−004190(JP,A)
【文献】
特開2000−036622(JP,A)
【文献】
実開昭62−140371(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0319586(US,A1)
【文献】
特開昭55−057998(JP,A)
【文献】
特開2002−344055(JP,A)
【文献】
特開2012−227201(JP,A)
【文献】
特開2013−068461(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0063121(US,A1)
【文献】
特開平09−008277(JP,A)
【文献】
特開2006−234497(JP,A)
【文献】
特開昭61−239680(JP,A)
【文献】
国際公開第2015/107655(WO,A1)
【文献】
独国特許出願公開第102004056705(DE,A1)
【文献】
特開2008−300456(JP,A)
【文献】
特開2008−298489(JP,A)
【文献】
特開2004−301574(JP,A)
【文献】
特開2011−222239(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00−33/64
G01N 21/84−21/958
G01R 31/28−31/30
H05K 3/32−3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明装置の、少なくとも2つのLED(2−1〜2−4)を含むLEDモジュール(1)を検査するための方法において、
モジュール(1)のLEDの少なくとも1つのペア(2−1,2−2;2−3,2−4)を選択し、
前記ペアの2つのLEDのうちの一方のLED(2−2;2−4)を少なくとも1つの電流源(11−1;11−2)に接続し、前記2つのLEDのうちの他方のLED(2−1;2−3)を少なくとも1つの電気的な測定装置(12−1;12−2)に接続し、
前記2つのLEDのうちの前記一方のLEDに所定の電流強度で給電を行い、前記2つのLEDのうちの前記他方のLEDにおいて生じた物理的な変化を測定し、
さらに、前記ペアの2つのLEDにおける給電と測定を入れ替え、
少なくとも1回の測定において前記測定装置(12−1;12−2)を用いて求められた値が設定可能な範囲外にある場合には、前記モジュール(1)を欠陥のあるものとして識別すること、
当該検査では、基板(3)上に配置され、選択されたペアのLEDを、前記電流源(11−1;11−2)および前記測定装置(12−1;12−2)に接続させると共にそれらのLEDを光学的に接続させるためにICTアダプタ手段(5)を使用し、それらのLEDの測定点および/またははんだ個所との接触接続を行うと共に光導波体(7−1;7−2)を介して光学的な接続を確立すること、但し1つのペアの2つのLED(2−1,2−2;2−3,2−4)は、1つの光導波体(7−1;7−2)を介して光学的に相互に接続されること、
を特徴とする、方法。
【請求項2】
2つより多くのLED(2−1〜2−4)を備えたLEDモジュール(1)において、請求項1に記載の方法をLEDの考えられるすべてのペアに適用することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
LED(2−1〜2−4)のペアを1つより多く備えたLEDモジュール(1)において、1つのペアの2つのLEDをペアごとに光学的に接続するために2つまたはそれ以上の光導波体(7−1;7−2)を使用することを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
光導波体(7;7−1,7−2)の両端部をセンタリングして、前記LEDの少なくとも1つのペアの2つのLED(2−1,2−2;2−3,2−4)の電気−光学活性領域の近傍領域に移動させることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記測定装置(12−1,12−2)を用いて電流および/または電圧を測定することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか1項記載の方法を用いて、照明装置の、少なくとも2つのLED(2−1〜2−4)を含むモジュール(1)を検査するためのICT装置であって、
前記LEDの測定点(9−1〜9−5)および/またははんだ個所に接触接続するためのコンタクト手段(6−1〜6−5)を有するICTアダプタ手段(5)と、少なくとも1つの電流源(11−2,11−2)と、少なくとも1つの電気的な測定装置(12−1;12−2)と、を備えたICT装置において、
前記ICTアダプタ手段(5)は、1つのペアの2つのLED(2−1,2−2;2−3,2−4)をペアごとに光学的に接続するために少なくとも1つの光導波体(7;7−1,7−2)を有することを特徴とする、ICT装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの光導波体は光ファイバ線として形成されていることを特徴とする、請求項6記載のICT装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの光導波体(7)は光導性のU字状のロッドとして形成されていることを特徴とする、請求項6記載のICT装置。
【請求項9】
基板(3)上に配置されたLED(2−1〜2−4)に対して2つまたはそれ以上の光導波体(7−1,7−2)が設けられていることを特徴とする、請求項6から8までのいずれか1項記載のICT装置。
【請求項10】
前記測定装置(12−1,12−2)は電流/電圧測定装置であることを特徴とする、請求項6から9までのいずれか1項記載のICT装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置の、少なくとも2つのLEDを含むLEDモジュールを検査するための方法に関する。
【0002】
同様に、本発明は、本発明による方法を用いて、照明装置の、少なくとも2つのLEDを含むモジュールを検査するためのICT装置であって、LEDの測定点および/またははんだ個所に接触接続するためのコンタクト手段を有するICTアダプタ手段と、少なくとも1つの電流源と、少なくとも1つの電気的な測定装置と、を備えたICT装置に関する。
【背景技術】
【0003】
特に自動車の分野におけるLED光モジュールは、それらが使用される前に、機能性についての診断が行われなければならない。このことは、基板にLED、また必要に応じて別の構成部材を実装した後の機能検査の際に、光モジュールにおける個々のLEDの状態を明らかにするモニタリングを行わなければならないことを意味している。個々の光モジュールは、多くの場合、列状に配置された複数のLEDから成る。そのような一連のLEDの診断は、従来技術によれば、電流/電圧測定を介して実現される。測定された電圧が所定の限界値を上回るか、または下回ると、誤動作が生じていると診断され、また必要な措置が講じられ、例えば相応のモジュールが欠陥品として識別される。
【0004】
しかしながら、LEDの電気的なパラメータの測定だけを基礎とするこの種の診断測定は電気的な機能しか反映再現しない。光モジュールの光学的な領域においてエラーが発生した場合には、そのエラーを診断することができず、したがってまた、欠陥のあるモジュールを排除することができないか、もしくは故障しているものとしてマークすることができない。光モジュールの実際の光学的な機能を評価する、従来技術による診断の可能性は、完成後のICT(In Circuit Test)テストもしくはEOL(End Of Line)テストにおけるLEDの光学的な検査である。この検査においては、外部の光検出器に接続されているガラスファイバモジュールを用いて、またはカメラベースのシステムを用いて処理が行われる。このシステムの欠点は、調達コストが高いこと、また通常の場合このシステムにおいては、機能しているか否かの検査しか実施されないことから、診断の可能性が限定的でしかないことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】US 2012/319586 Al
【特許文献2】DE 10 2004 056705 Al
【特許文献3】US 2012/063121 Al
【特許文献4】US 4797609A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、LED光モジュールのLEDの信頼性の高い検査を廉価に実施する方法を提供することである。同様に、本発明の課題は、高いコストを要することなく製造することができる、相応の方法の実施に適したICT装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、本発明は、冒頭で述べたような方法を提供し、この方法においては、本発明によれば、モジュールのLEDの少なくとも1つのペアが選択され、このペアの2つのLEDが光導波体を介して光学的に相互に接続され、ペアの2つのLEDのうちの一方のLEDが、少なくとも1つの電流源に接続され、2つのLEDのうちの他方のLEDが、少なくとも1つの電気的な測定装置に接続され、2つのLEDのうちの一方のLEDには、所定の電流強度で給電が行われ、2つのLEDのうちの他方のLEDにおいて生じた物理的な変化が測定され、さらにペアの2つのLEDにおける給電と測定が入れ替えられ、少なくとも1回の測定において測定装置を用いて求められた値が設定可能な範囲外にある場合には、モジュールが欠陥のあるものとして識別される。
特に本発明の
第1の視点において、以下の方法が提供される。
照明装置の、少なくとも2つのLEDを含むLEDモジュールを検査するための方法において、
モジュールのLEDの少なくとも1つのペアを選択し、
前記ペアの2つのLEDのうちの一方のLEDを少なくとも1つの電流源に接続し、前記2つのLEDのうちの他方のLEDを少なくとも1つの電気的な測定装置に接続し、
前記2つのLEDのうちの前記一方のLEDに所定の電流強度で給電を行い、前記2つのLEDのうちの前記他方のLEDにおいて生じた物理的な変化を測定し、
さらに、前記ペアの2つのLEDにおける給電と測定を入れ替え、
少なくとも1回の測定において前記測定装置を用いて求められた値が設定可能な範囲外にある場合には、前記モジュールを欠陥のあるものとして識別すること、
1つのペアの2つのLEDを、光導波体を介して光学的に相互に接続すること、
を特徴とする、方法。
より詳しくは、前記第1の視点において、照明装置の、少なくとも2つのLEDを含むLEDモジュールを検査するための方法において、
モジュールのLEDの少なくとも1つのペアを選択し、
前記ペアの2つのLEDのうちの一方のLEDを少なくとも1つの電流源に接続し、前記2つのLEDのうちの他方のLEDを少なくとも1つの電気的な測定装置に接続し、
前記2つのLEDのうちの前記一方のLEDに所定の電流強度で給電を行い、前記2つのLEDのうちの前記他方のLEDにおいて生じた物理的な変化を測定し、
さらに、前記ペアの2つのLEDにおける給電と測定を入れ替え、
少なくとも1回の測定において前記測定装置を用いて求められた値が設定可能な範囲外にある場合には、前記モジュールを欠陥のあるものとして識別すること、
当該検査では、基板上に配置され、選択されたペアのLEDを、前記電流源および前記測定装置に接続させると共にそれらのLEDを光学的に接続させるためにICTアダプタ手段を使用し、それらのLEDの測定点および/またははんだ個所との接触接続を行うと共に光導波体を介して光学的な接続を確立すること、但し1つのペアの2つのLEDは、1つの光導波体を介して光学的に相互に接続されること、を特徴とする。
更に本発明の第2の視点において、前記方法を用いて、照明装置の、少なくとも2つのLEDを含むモジュールを検査するためのICT装置であって、前記LEDの測定点および/またははんだ個所に接触接続するためのコンタクト手段を有するICTアダプタ手段と、少なくとも1つの電流源と、少なくとも1つの電気的な測定装置と、を備えたICT装置において、
前記ICTアダプタ手段は、1つのペアの2つのLEDをペアごとに光学的に接続するために少なくとも1つの光導波体を有することを特徴とする、ICT装置が提供される。
なお、特許請求の範囲に付記した図面参照符号は専ら発明の理解を助けるためのものであり、本発明を図示の態様に限定することは意図していない。
【発明を実施するための形態】
【0008】
なお、本発明のさらなる好適な構成は、従属請求項に記載されている。
本発明な好適な構成は、2つより多くのLEDを備えたLEDモジュールにおいて、方法ステップがLEDの考えられるすべてのペアに適用されることを特徴とする。
【0009】
また、LEDのペアを1つより多く備えたLEDモジュールにおいて、2つまたはそれ以上の光導波体が、それぞれ2つのLEDを光学的に接続するために使用されるということも有利であると考えられる。
【0010】
さらに、基板上に配置されたLEDの、少なくとも1つの電流源および少なくとも1つの測定装置への接続に関して、LEDの測定点および/またははんだ個所との接触接続のために、また光導波体を介して光学的な接続を確立するために、ICTアダプタが使用される場合には、特に好適である。
【0011】
本発明の別の優れた構成では、光導波体の両端部がセンタリングされて、LEDの少なくとも1つのペアの2つのLEDの電気−光学活性領域の近傍領域に移動される。
【0012】
測定装置を用いて電流および/または電圧が測定される場合には特に有利である。
【0013】
上記の課題は、ICTアダプタ手段がそれぞれ2つのLEDを光学的に接続するための少なくとも1つの光導波体を有する、冒頭で述べたようなICT装置を用いて解決される。
【0014】
ここで、少なくとも1つの光導波体が光ファイバ線として形成されている場合には有利である。
【0015】
別の優れた変化態様では、少なくとも1つの光導波体が光導性のU字状のロッドとして形成されている。
【0016】
また、基板上に配置されたLEDに対して2つまたはそれ以上の光導波体が設けられている場合には好適である。
【0017】
特に優れた構成では、測定装置が電流/電圧測定装置である。
【0018】
以下では、図面に図示されている例示的な実施形態(実施例)に基づいて、本発明を別の利点と共に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】LEDモジュールを、プリント回路基板と、その上方に位置している、本発明によるICT測定装置のICTアダプタと共に斜視図で示す。
【
図2】
図1と同様の図であるが、しかしながらICTアダプタがプリント回路基板まで降下されて接触接続されている状態の図を示す。
【
図3】直列に接続されている4つのLEDの検査を概略的な回路図で示す。
【
図4】4つのLEDを備えたモジュールの検査の1つのステップを側面図で示す。
【
図4a】4つのLEDを備えたモジュールの検査の1つのステップを平面図で示す。
【
図5】4つのLEDを備えたモジュールの検査の1つのステップを側面図で示す。
【
図5a】4つのLEDを備えたモジュールの検査の1つのステップを平面図で示す。
【
図6】4つのLEDを備えたモジュールの検査の1つのステップを側面図で示す。
【
図6a】4つのLEDを備えたモジュールの検査の1つのステップを平面図で示す。
【実施例】
【0020】
図1は、この例では、プリント回路基板3上に配置されており、かつ導体路4を介して相互に接続された4つのLED2−1,2−2,2−3および2−4を有するLEDモジュール1を示す。LEDは一般的に、またここに図示されているように直列に接続されている。その種のLEDモジュールを、特に、車両投光器(ヘッドライト)において使用することができる。
【0021】
上記において既に説明したように、LEDモジュールは使用前に、適切に機能しているかについて検査されなければならない。このために、いわゆるICT(In Circuit Test)ないし適切なアダプタ手段を備えた相応のICT装置が使用され、それらのうち、
図1には本発明による方法の実施に適したICTアダプタ5が示されている。
【0022】
例として示されているICTアダプタ5は、ここでは5つの測定ピン6−1〜6−5と、この図では下方に向いており、また光の入射ないし光の出射のための大抵は平坦な端面を備えた2つのU字状の光導体(光導波体)7−1,7−2と、を有する。
【0023】
測定ピン6−1〜6−5および光導体7−1,7−2は、概略的に図示されている支持体8に固定されており、またICTアダプタ5をLEDモジュール1に接触させると、光導体7−1,7−2を用いてそれぞれ2つのLED2−1,2−2ないし2−3,2−4を光学的に相互に接続することができるように配置されている。この接触については
図2を参照されたい。この接触された位置において、測定ピン6−1〜6−5は、導体路4の測定点9−1〜9−5に当接する。所望の電気的な接触を保証するために、測定点は、場合によっては設けられているソルダレジストから露出されていなければならない。測定ピン6−1〜6−5は、もちろん導電性材料から形成されており、また後述するようにして、少なくとも1つの電流源および少なくとも1つの電気的な測定装置に接続されている。
【0024】
ICTアダプタ5は、LEDモジュール1を検査するために、確実な電気的な接触を保証するには十分な所定の力でモジュール1に押し付けられる。この際、U字状の光導体7−1,7−2の端面は、必ずしもLEDと物理的に接触している必要はないが、センタリングされてLEDの電気−光学活性領域の近傍領域には到達しているべきである。
【0025】
次に
図3を参照して、本発明による方法を実施するために、LEDモジュール1およびICTアダプタが接触された状態から出発して、光導体を介して光学的に接続されている2つのLEDのうちの一方が光源として、また他方が光検出器としてそれぞれ使用されることを詳細に説明する。給電ならびに測定は、測定ピン6−1〜6−5を介して行われる。
【0026】
本発明は、個々のLED間の光学的な経路、図示した例においてはU字状の光導体が、機能テストの間に一方のLEDから他方のLEDに光を供給するために配置されるというコンセプトを基礎とする。この際、一方のLEDを光源として使用し、他方のLEDにおいては、フォトダイオードの場合のように、光電流に比例する電圧が生じる。したがって、一方のLEDは順方向において駆動され、半導体のPN接合部においては光子が生成される。それに対し、能動的な給電が行われない他方のLEDにおいては、PN接合部に入射した光子が電気的なエネルギに変換される。
【0027】
図3には、1つのモジュール、例えば
図1および
図2のモジュール1の4つのLED2−1,2−2,2−3および2−4の直列回路が示されており、ここでは、LED2−1とLED2−2との間に配置された光導体7−1と、LED2−3とLED2−4との間に配置された光導体7−2とが概略的に示されている。
【0028】
測定ピン(複数)、測定点(複数)および導体路(複数)を介して、LEDの端子を一時的に、概略的に表されている制御装置10に接続することができ、この制御装置10は、図示していない切替手段も有しており、それによって相応に選択されたLEDが、少なくとも1つの電気的な測定装置にも接続される。制御装置10は一般的に、LEDの給電および測定の全体の経過ならびにICTアダプタの移動を制御するマイクロコンピュータも有する。
【0029】
図3に図示した状態においては、LED2−2および2−4が電流源11−1および11−2に接続されており、またLED2−1および2−3が電気的な測定装置12−1および12−2に接続されている。それらの電気的な測定装置12−1および12−2は好適には、電圧測定または電流測定のために設計されているか、もしくは電圧測定または電流測定に適したものである。極めて一般的に、LEDの物理的な変化を測定することができ、例えば入射する光の強度および/または光の入射持続時間に依存する容量(キャパシティ)を測定することができる。
【0030】
原則として、本発明による方法は、1つのモジュールのLED(複数)の少なくとも1つのペアが選択され、図示した例においてはLEDペア2−1,2−2およびLEDペア2−3,2−4が選択され、続いてそのペアの2つのLEDが光導体を介して、ここでは光導体7−1,7−2を介して、光学的に相互に接続されるようにして実施される。
【0031】
続いて、ペアの2つのLEDのうちの一方、ここではLED2−2,2−4が少なくとも1つの電流源11−1,11−2に接続され、また2つのLEDのうちの他方、ここではLED2−1,2−3が少なくとも1つの電気的な測定装置12−1,12−2に接続される。
【0032】
2つのLEDのうちのそれぞれ一方のLED2−2,2−4は、所定の電流強度で給電され、2つのLEDのうちのそれぞれ他方のLED2−1,2−3において生じた物理的な変化が測定される。続いて、ペアの2つのLEDにおける給電と測定が入れ替えられ、少なくとも1回の測定において1つまたは複数の測定装置を用いて求められた値、例えば測定された電圧が設定可能な範囲外にある場合には、当該モジュールは欠陥のあるものとして識別される。「範囲」という概念は任意の範囲を含むべきであり、上方に開の(上限のない)範囲または下方に開の(下限のない)範囲も含むべきである。例えば、1つのペアの給電が行われていないLEDにおいて電圧を測定することができ、また測定された電圧値が設定された電圧レベルを下回る場合には、モジュールを欠陥のあるものとして識別することができる。また範囲を非常に狭く選定することもでき、その場合、測定された値はその都度の測定精度内で実際にその値に対応していなければならず、対応していなければ、欠陥のあるモジュールとみなすことができる。
【0033】
図4〜6ないし
図4a〜6aの例に基づいて、その種の測定プロセスをより詳細に説明する。
【0034】
2つより多くのLED、ここでもまた図示されているように4つのLED2−1,2−2,2−3および2−4を備えたLEDモジュール1に対して、ただ1つの光導体7、ならびに測定装置および電流源だけが必要となるようにするために、ICTアダプタ5はスライド可能に構成されている。相応に、ここでは、測定装置および電流源と同様に図示されていない4つの測定ピンが使用される。この場合、図面から見て取れるように、光導体7および測定ピンを備えたICTアダプタ5が、1つのLEDペア(
図4および
図4aにおけるLED2−1および2−2)から、後続のLEDペア(
図5および
図5aにおけるLED2−2および2−3、ならび
図6および
図6aにおけるLED2−3および2−4)へと前進される。有利には、4つの測定ピンおよび1つの光導体のみを用いて、LEDモジュールの図示した4つのLEDに対して方法を実施することができるように、上記において説明したプリント回路基板3上の測定ピンならびにLEDモジュール1のLED2−1,2−2,2−3および2−4は配置されているか、もしくはそれらの間隔は相互に設計(設定)されている(
図4aにおける矢印を参照されたい)。
図4a、
図5aおよび
図6aにおけるハッチング部は、その都度選択されているLEDペアを表しており、また導体路上の点は、その際に使用される測定ピンの接触接続点を表している。
【0035】
導体路が相応に設計されている場合、例えば
図3から見て取れるように、回路は1つのコンタクトを測定装置および給電部のために共通して使用することができるので、3つの測定ピンのみを使用することも可能である。これによって、例えば、2つのLED間の1つのコンタクトを1つの測定ピンに接触接続させ、ICTアダプタ5外で各測定装置ないし電流源に振り分ける(割り当てる)ことも考えられる。
【0036】
しかしながらまた、LEDおよび所属の導体路の配置を、たしかに光導体は1つだけしか必要とされないが、しかしながら複数の測定ピンが必要とされるように構成することもさらに可能である。そのようなケースは、プリント回路基板のレイアウト設計が、図示されているような導体路の経過(配置)を許容しない場合である。同様に、3つまたは4つの測定ピンだけを使用するが、しかしながら複数の光導体を使用することも考えられる。何故ならば、場合によっては、同様にしてLEDモジュール内の複数のLEDが光技術に起因して、規則的な間隔を有していないことも考えられるからである。
【0037】
図4から
図6aに示されている方法は、構成部材のコストを、アダプタ5においても、制御装置10においても低く抑えることができるので、特に好適であることが分かる。
【0038】
各LEDが光源としても光検出器としても使用される状況は、必然的に、高い欠陥検出率を有する検査の非常に高い信頼性をもたらす。
【符号の説明】
【0039】
1 LEDモジュール
2−1,2−2,2−3,2−4 LED
3 プリント回路基板
4 導体路
5 ICTアダプタ、ICTアダプタ手段
6−1,6−2,6−3,6−4,6−5 測定ピン
7−1,7−2 光導体(光導波体)
8 支持体
9−1〜9−5 測定点
10 制御装置
11−1,11−2 電流源
12−1,12−2 測定装置