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特許6696057情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、プログラム及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6696057
(24)【登録日】2020年4月24日
(45)【発行日】2020年5月20日
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、プログラム及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20120101AFI20200511BHJP
【FI】
   G06Q10/08 330
【請求項の数】18
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-540864(P2019-540864)
(86)(22)【出願日】2018年8月20日
(86)【国際出願番号】JP2018030673
(87)【国際公開番号】WO2019049643
(87)【国際公開日】20190314
【審査請求日】2019年12月24日
(31)【優先権主張番号】特願2017-173009(P2017-173009)
(32)【優先日】2017年9月8日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000191076
【氏名又は名称】日鉄ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117857
【弁理士】
【氏名又は名称】南林 薫
(72)【発明者】
【氏名】吉田 詠一
【審査官】 山本 雅士
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−209206(JP,A)
【文献】 特開2015−059023(JP,A)
【文献】 特開2014−043353(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者による物品のピッキング作業を支援する情報処理システムであって、
前記ピッキング作業対象の物品の識別に係る物品情報を取得する第1の取得手段と、
前記作業者の習熟レベルを取得する第2の取得手段と、
前記第1の取得手段が取得した前記物品情報に基づいて前記ピッキング作業対象の物品に係る条件に合致するか否かを判定する判定手段と、
前記作業者の注意を喚起する前記ピッキング作業の注意情報であって、前記第2の取得手段が取得した前記作業者の習熟レベルに応じた前記注意情報を決定する決定手段と、
前記判定手段が前記条件に合致すると判定した場合に、前記決定手段が決定した前記注意情報を出力するよう制御する出力制御手段と
を有することを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記物品情報と、前記作業者の習熟レベルと、前記注意情報とが対応付けられた注意情報管理テーブルを管理する管理手段を更に有し、
前記決定手段は、前記第1の取得手段が取得した前記物品情報と、前記第2の取得手段が取得した前記作業者の習熟レベルと、前記注意情報管理テーブルと、に基づいて、前記注意情報を決定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記決定手段は、前記物品情報に対応付けられた物品の組合せに係る注意情報を決定することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記判定手段は、前記作業者が従うピッキングリストに示された物品情報を前記第1の取得手段が取得した場合に、前記物品情報に基づいて前記ピッキング作業対象の物品に係る条件に合致するか否かを判定することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記第1の取得手段は、前記作業者が装着するウェアラブルデバイスの撮像部により撮像された画像から前記物品情報を取得することを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記出力制御手段は、前記作業者が装着するウェアラブルデバイスの表示部に前記注意情報を出力するよう制御することを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記決定手段は、前記第1の取得手段が取得した前記物品情報と、前記第2の取得手段が取得した前記作業者の習熟レベルと、に基づいて、前記注意情報を決定することを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記第1の取得手段は、前記ピッキング作業での作業の種類を示す作業種類情報を取得し、
前記判定手段は、さらに前記第1の取得手段が取得した前記作業種類情報に基づいて前記ピッキング作業での作業の種類に係る条件に合致するか否かを判定することを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記決定手段は、前記第1の取得手段が取得した前記物品情報及び前記作業種類情報と、前記第2の取得手段が取得した前記作業者の習熟レベルと、に基づいて、前記注意情報を決定することを特徴とする請求項に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記第1の取得手段は、前記ピッキング作業での作業場所に係る位置情報を取得し、
前記判定手段は、さらに前記第1の取得手段が取得した前記位置情報に基づいて前記ピッキング作業での作業の作業場所に係る条件に合致するか否かを判定することを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記決定手段は、前記第1の取得手段が取得した前記物品情報及び前記位置情報と、前記第2の取得手段が取得した前記作業者の習熟レベルと、に基づいて、前記注意情報を決定することを特徴とする請求項10に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記出力制御手段は、前記ピッキング作業の作業を行うタイミングが期間に係る予め定められた条件に合致する場合に、前記注意情報を出力するよう制御することを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記注意情報を確認した旨の確認情報を受け付ける受付手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至12の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項14】
前記注意情報の出力に対する作業者からの評価情報を受け付ける受付手段と、
前記評価情報を集計する集計手段と
を有することを特徴とする請求項1乃至13の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項15】
作業者による物品のピッキング作業を支援する情報処理装置であって、
取得した前記ピッキング作業対象の物品の識別に係る物品情報に基づいて前記ピッキング作業対象の物品に係る条件に合致するか否かを判定する判定手段と、
前記作業者の注意を喚起する前記ピッキング作業の注意情報であって、取得した前記作業者の習熟レベルに応じた前記注意情報を決定する決定手段と、
前記判定手段が前記条件に合致すると判定した場合に、前記決定手段が決定した前記注意情報を出力するよう制御する出力制御手段と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項16】
作業者による物品のピッキング作業を支援する情報処理システムが実行する情報処理方法であって、
前記ピッキング作業対象の物品の識別に係る物品情報を取得する第1の取得ステップと、
前記作業者の習熟レベルを取得する第2の取得ステップと、
前記第1の取得ステップにて取得した前記物品情報に基づいて前記ピッキング作業対象の物品に係る条件に合致するか否かを判定する判定ステップと、
前記作業者の注意を喚起する前記ピッキング作業の注意情報であって、前記第2の取得ステップにて取得した前記作業者の習熟レベルに応じた前記注意情報を決定する決定ステップと、
前記判定ステップにて前記条件に合致すると判定した場合に、前記決定ステップにて決定した前記注意情報を出力するよう制御する出力制御ステップと
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項17】
作業者による物品のピッキング作業を支援する情報処理装置のコンピュータを、
取得した前記ピッキング作業対象の物品の識別に係る物品情報に基づいて前記ピッキング作業対象の物品に係る条件に合致するか否かを判定する判定手段と、
前記作業者の注意を喚起する前記ピッキング作業の注意情報であって、取得した前記作業者の習熟レベルに応じた前記注意情報を決定する決定手段と、
前記判定手段が前記条件に合致すると判定した場合に、前記決定手段が決定した前記注意情報を出力するよう制御する出力制御手段と
して機能させるためのプログラム。
【請求項18】
作業者による物品のピッキング作業を支援する情報処理装置のコンピュータを、
取得した前記ピッキング作業対象の物品の識別に係る物品情報に基づいて前記ピッキング作業対象の物品に係る条件に合致するか否かを判定する判定手段と、
前記作業者の注意を喚起する前記ピッキング作業の注意情報であって、取得した前記作業者の習熟レベルに応じた前記注意情報を決定する決定手段と、
前記判定手段が前記条件に合致すると判定した場合に、前記決定手段が決定した前記注意情報を出力するよう制御する出力制御手段と
して機能させるためのプログラムを記憶したコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、プログラム及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、倉庫作業において、作業者に注意喚起を行いたい場合には、看板を張り出して注意喚起を行う等の方法が取られていた。また、特許文献1には、注意喚起を行う技術として、複数種類の物品の組合せ作業を行う組合せエリアにおいて、組合せに必要な組合せ情報を移動棚に保持される箱体に対応して報知するピッキングシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5760925号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、看板等に示される内容がどの商品、どの作業に対応する注意喚起であるのかわかり難いといった問題があった。また、特許文献1の技術においては、専用の棚に移送する等の特別な仕組みが必要となりコストがかかるという問題があった。
【0005】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたもので、作業に関する注意喚起を簡素な構成で適切なタイミングで行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明は、作業者による物品のピッキング作業を支援する情報処理システムであって、前記ピッキング作業対象の物品の識別に係る物品情報を取得する第1の取得手段と、前記作業者の習熟レベルを取得する第2の取得手段と、前記第1の取得手段が取得した前記物品情報に基づいて前記ピッキング作業対象の物品に係る条件に合致するか否かを判定する判定手段と、前記作業者の注意を喚起する前記ピッキング作業の注意情報であって、前記第2の取得手段が取得した前記作業者の習熟レベルに応じた前記注意情報を決定する決定手段と、前記判定手段が前記条件に合致すると判定した場合に、前記決定手段が決定した前記注意情報を出力するよう制御する出力制御手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、作業に関する注意喚起を簡素な構成で適切なタイミングで行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、情報処理システムの全体図である。
図2図2は、スマートグラスのハードウェア構成等の一例を示す図である。
図3図3は、サーバ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4図4は、商品テーブルのデータ構成の一例を示す図である。
図5図5は、注意喚起テーブルのデータ構成の一例を示す図である。
図6図6は、作業者テーブルのデータ構成の一例を示す図である。
図7図7は、ロケーションテーブルのデータ構成の一例を示す図である。
図8図8は、作業管理処理を示すシーケンス図である。
図9図9は、ピッキングリストのデータ構成の一例を示す図である。
図10図10は、表示画面の一例を示す図である。
図11図11は、表示画面の一例を示す図である。
図12図12は、変形例に係る表示画面の一例を示す図である。
図13図13は、変形例に係る表示画面の一例を示す図である。
図14図14は、変形例に係る表示画面の一例を示す図である。
図15図15は、変形例に係る表示画面の一例を示す図である。
図16図16は、変形例に係るテーブルのデータ構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0010】
図1は、情報処理システムの全体図である。情報処理システムは、作業者による作業を支援するシステムであり、単一の又は複数のスマートグラス100、サーバ装置130を含む。ここで、スマートグラス100は、ウェアラブルデバイスの一例である。ここで、作業としては、物品のピッキング作業や、物品の入庫作業、物品の配置替えによる整理整頓作業等が挙げられる。なお作業場所としては倉庫が挙げられる。ここで、倉庫は、物品の保管に利用される施設である。物品の保管には、例えば、注文を受け付け発送されるまでの商品の保管等の物品の一時的な保管や、工場等で生産される製品の中間加工品の一時的な保管や、資源の貯蓄や保存等の物品の長期的な保管等がある。スマートグラス100、サーバ装置130は、ネットワークを介して、無線通信が可能なように接続されている。
【0011】
スマートグラス100は、作業者が装着するメガネ型の情報処理装置であり、カメラ110及びマイク120と接続されている。なお、他の例としては、スマートグラス100、カメラ110及びマイク120は、一つの装置で構成されてもよいし、有線又は無線を介して通信可能に接続された別々の装置で構成されていてもよい。また、作業者が携帯する装置は、スマートグラス100に限定されるものではなく、スマートフォンやタブレット等の携帯端末装置であってもよい。
【0012】
サーバ装置130は、スマートグラス100にピッキング等の指示を出す情報処理装置である。サーバ装置130は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット装置、サーバ装置等で構成される。
【0013】
作業者はスマートグラス100を装着した状態で作業を行う。本実施形態においては、作業者が、ピッキングリストに従い、複数の物品のピッキング作業を行う場合を例に実施形態を説明する。図1に示すように、物品が保管される棚140には、本体151と蓋152からなる商品が保管されている。なお、本体151及び蓋152は、それぞれが複数個ずつ重ねられた状態で保管されている。さらに、図1に示す棚140には、棚140のロケーション情報を示す2次元コード141と、棚に保管されている商品(物品)の商品コードを示す2次元コード142が表示されている。スマートグラス100は、2次元コード141の撮影画像から作業者が存在するロケーションを特定することができる。また、スマートグラス100は、2次元コード142の撮影画像から、商品を特定することができる。ここで、商品コードは、商品を識別する情報である。ロケーション情報は、位置やエリアを示す情報である。
【0014】
なお、スマートグラス100が撮影画像から作業者のロケーション情報及び商品コードを特定できる仕組みであればよく、そのための構成等は実施形態に限定されるものではない。他の例としては、2次元コードに替えてバーコード、カラービット等が表示され、スマートグラス100は、これらの撮影画像からロケーション等を特定してもよい。また、他の例としては、棚にロケーション情報及び商品コードがテキスト情報で表示されていてもよい。この場合には、スマートグラス100は、これらの撮影画像に対し文字認識処理を施すことにより、ロケーション情報等を特定してもよい。また、他の例としては、棚140に表示されたロケーション情報等を作業者が読み上げ、スマートグラス100は、作業者の発話からロケーション情報等を特定してもよい。
【0015】
図2は、スマートグラス100のハードウェア構成等の一例を示す図である。スマートグラス100は、CPU101、メモリ102、カメラI/F103、マイクI/F104、ディスプレイ105、通信I/F106を含む。各構成は、バス等を介して接続されている。但し、各構成の一部、又は全ては、有線、又は無線を介して通信可能に接続された別々の装置で構成されていてもよい。
【0016】
CPU101は、スマートグラス100の全体を制御する。スマートグラス100の機能や処理は、CPU101がメモリ102に記憶されているプログラムに基づき処理を実行することにより実現される。メモリ102は、プログラム、CPU101がプログラムに基づき処理を実行する際に使用するデータ等を記憶する。プログラムは、例えば、非一時的記録媒体に記憶され、入出力I/Fを介してメモリ102に読み込まれてもよい。カメラI/F103は、スマートグラス100とカメラ110とを接続するためのインターフェースである。マイクI/F104は、スマートグラス100とマイク120とを接続するためのインターフェースである。ディスプレイ105は、AR(Augmented Reality)を実現するためのディスプレイ等で構成されるスマートグラス100の表示部である。通信I/F106は、有線、無線を介して他の装置、例えばサーバ装置130等と通信するためのインターフェースである。
【0017】
カメラ110は、スマートグラス100からの要求に基づき撮影を行う。マイク120は、作業者の音声を音声データとしてスマートグラス100に入力したり、スマートグラス100からの要求に応じて音声を出力したりする。
【0018】
図3は、サーバ装置130のハードウェア構成の一例を示す図である。サーバ装置130は、CPU131、メモリ132、通信I/F133を含む。各構成は、バス等を介して接続されている。CPU131は、サーバ装置130の全体を制御する。サーバ装置130の機能や処理は、CPU131がメモリ132に記憶されているプログラムに基づき処理を実行することにより実現される。メモリ132は、プログラム、CPU131がプログラムに基づき処理を実行する際に使用するデータ等を記憶するサーバ装置130の記憶部である。プログラムは、例えば、非一時的記録媒体に記憶され、入出力I/Fを介してメモリ132に読み込まれてもよい。通信I/F133は、有線、無線を介して他の装置、例えばスマートグラス100等と通信するためのインターフェースである。
【0019】
次に、サーバ装置130に記憶されている情報について説明する。サーバ装置130は、商品テーブル、注意喚起テーブル、作業者テーブル、ロケーションテーブルを記憶している。以下、各テーブルについて説明する。なお、テーブルの構成は一例であって、仕様に応じて種々の変更が可能である。
【0020】
図4は、商品テーブル400のデータ構成の一例を示す図である。商品テーブル400において、商品コードと、商品名と、作業種類と、指示情報とロケーション情報とが対応付けられている。商品コードは、商品の識別情報である。作業種類は、商品に対して行う作業の種類である。指示情報は作業時に作業者に提示する指示内容を示す情報である。ロケーション情報は、商品の保管されている場所を示す情報である。本実施形態においては、ロケーション情報は、大エリアと小エリアというように段階的にエリアを示すものである。例えば、「X001−001」は、「X001」という大エリア内の「001」という小エリアを示している。ロケーション情報は、また単に「X001」のみを示すものであってもよい。また、エリアの段階数は実施形態に限定されるものではない。また、ロケーション情報は、位置を特定可能な情報であればよく、具体的な内容は実施形態に限定されるものではない。
【0021】
図5は、注意喚起テーブル500のデータ構成の一例を示す図である。注意喚起テーブル500において、商品コードと、作業種類と、習熟レベルと、注意情報と、期間と、出力タイミングとが対応付けられている。習熟レベルは作業者の作業に対する習熟度を示す情報である。注意情報は、対応する作業において作業者に注意喚起すべき情報である。期間は、注意喚起が必要な期間を示す情報である。出力タイミングは、注意情報を出力するタイミングを示す情報である。このように、注意喚起テーブル500は、商品と、その作業種類と、作業者の習熟レベルに応じた注意情報を記憶するテーブルである。ここで、商品、作業種類及び熟練レベルは、注意情報を出力するか否かを判定するための予め定められた条件である。
【0022】
図6は、作業者テーブル600のデータ構成の一例を示す図である。作業者テーブル600において、作業者コードと、習熟レベルと、備考と、が対応付けられている。作業者コードは、作業者の識別情報である。図7は、ロケーションテーブル700のデータ構成の一例を示す図である。ロケーションテーブル700において、ロケーション情報と、注意情報とが対応付けられている。すなわち、ロケーションテーブル700は、作業場所に応じた注意情報を記憶するテーブルである。
【0023】
図8は、情報処理システムによる作業管理処理を示すシーケンス図である。S800において、サーバ装置130のCPU131は、ピッキングリストを作成する。次に、S801において、CPU131は、ピッキングリストに従って作業を行う作業者のスマートグラス100に対し、ピッキングリストを送信する。図9は、ピッキングリスト900のデータ構成の一例を示す図である。ピッキングリスト900には、ピッキング対象の商品の商品コードがピッキング順に一覧表示されている。さらに、商品名、個数、ロケーション情報、作業種類が商品コードに対応付けて記載されている。ピッキングリスト900は、出荷作業の際、CPU131が、例えば図示しない出荷情報テーブル等に記憶される当該出荷作業日時の出庫対象商品について、図4に示す商品テーブル400から必要な項目を抽出することにより生成される。
【0024】
作業者は、自身が装着するスマートグラス100が受信したピッキングリストに従い、ピッキング作業を進める。具体的には、作業者は、まずピッキングリストに示される、ピッキング対象の商品の棚に移動する。なお、作業者の作業中は、カメラ110は常に撮影を行う。そして、S802において、スマートグラス100のCPU101は、商品コードを取得したか否かを判定する。CPU101は、撮像部としてのカメラ110から取得した撮影画像に2次元コードが示されており、2次元コードから商品コードを読み取った場合に、商品コードを取得したと判定する。図1を参照しつつ説明したように、本実施形態においては、商品コードの2次元コードは、商品が保管されている棚に表示されている。したがって、作業者が商品の棚に到着したときに、CPU101が商品コードを取得することになる。
【0025】
CPU101は、商品コードを取得すると(S802でYes)、処理をS803へ進める。CPU101は、商品コードを取得しなかった場合には(S802でNo)、処理をS808へ進める。S803において、CPU101は、ピッキングリストにおいて、S802において取得した商品コードに対応付けられている作業種類を特定する。そして、CPU101は、S802において取得した商品コード、作業種類及び作業者の作業者コードをサーバ装置130に送信する。なお、作業者コードは、スマートグラス100のメモリ102に予め記憶されているものとする。また他の例としては、作業開始時に作業者が作業者コードが示されたバーコードをスマートグラス100に読み取らせ、スマートグラス100が読み取ったバーコードに対応した作業者コードをメモリ102に記憶してもよい。ここで、商品コードは、作業対象商品(物品)に係る物品情報の一例である。また、S803の処理は、物品情報を取得する取得処理の一例である。
【0026】
サーバ装置130のCPU131は、S803において作業種類、商品コード及び作業者コードを受信すると処理をS804へ進める。S804において、CPU131は、商品テーブル400(図4)を参照し、商品コード、作業種類に応じて、指示情報を特定する。また、CPU131は、作業者テーブル600(図6)を参照し、作業者コードから習熟レベルを特定する。そして、CPU131は、注意喚起テーブル500(図5)を参照し、商品コード、作業種類及び習熟レベルの条件に合致するか否かを判定し、条件に合致する注意情報が記憶されている場合に、注意情報、期間及び出力タイミングを特定する。なお、注意情報は商品コード、作業種類及び作業者属性としての習熟レベルに応じて定まるものであり、S804の処理は、商品(物品)に基づいて、注意情報を決定する決定処理の一例である。
【0027】
次に、S805において、CPU131は、指示情報及び注意情報をスマートグラス100に送信する。このとき、CPU131は、注意情報と共に、注意情報の期間及び出力タイミングも送信する。
【0028】
スマートグラス100のCPU101は、S805において、指示情報及び注意情報を受信すると、処理をS806へ進める。S806において、CPU101は、指示情報をディスプレイ105に表示するよう制御する。次に、S807において、CPU101は、期間及び出力タイミングを参照し、適切なタイミングで注意情報を表示する。例えば、商品コード「M001」、作業種類「出庫」に対しては、期間「無期限」、出力タイミング「作業開始時」が対応付けられている。したがって、この場合には、注意情報の受信後速やかに注意情報の表示を行うよう制御する。なお、出力タイミング「作業終了時」が対応付けられている場合には、CPU101は、「OK!ピック完了!」という作業者の発話をマイク120を介して受け付けたときに、「作業終了時」と判断し、このタイミングで注意情報の表示を行う。さらに、スマートグラス100は、「OK!到着」、「OK!作業開始!」等の発話を受け付け、これらの発話に基づいて、出力タイミングの判定を行ってもよい。S807の処理は、注意情報を出力するよう制御する出力制御処理の一例である。
【0029】
図10は、S806においてスマートグラス100がディスプレイ105に表示する表示画面の一例を示す図である。表示画面1000には、「以下の品目をピックして下さい」という指示情報が表示され、商品に関する情報が併せて表示される。図11は、S807においてスマートグラス100がディスプレイ105に表示する表示画面の一例を示す図である。表示画面1100には、「本体と蓋の両方をピックして下さい。」という注意情報が表示される。このように、スマートグラス100は、適切なタイミングにおいて、作業において作業者の注意を喚起するための注意情報を出力するよう制御することができる。なお、サーバ装置130は、S804において条件に合致する注意情報が記憶されていなかった場合には、注意情報の送信は行わない。これに伴い、スマートグラス100によるS807における注意情報の表示も行われず、S806の処理の後、処理はS808へ進む。
【0030】
図8に戻り、S807の処理の後、S808において、スマートグラス100のCPU101は、ロケーション情報を取得したか否かを判定する。CPU101は、カメラ110から取得した撮影画像に2次元コードが示されており、2次元コードからロケーション情報を読み取った場合に、ロケーション情報を取得したと判定する。ここで、ロケーション情報は、作業者の位置に係る位置情報の一例である。
【0031】
CPU101は、ロケーション情報を取得すると(S808でYes)、処理をS809へ進める。CPU101は、ロケーション情報を取得しなかった場合には(S808でNo)、処理をS813へ進める。S809において、CPU101は、ロケーション情報をサーバ装置130に送信する。
【0032】
サーバ装置130は、S809において、ロケーション情報を受信すると、処理をS810へ進める。S810において、サーバ装置130のCPU131は、ロケーションテーブル700を参照し、受信したロケーション情報が、ロケーションテーブル700に記憶されている条件に合致するか否かを判定し、合致する場合に、対応する注意情報を特定する。次に、S811において、CPU131は、特定した注意情報をスマートグラス100に送信する。スマートグラス100は、S811において注意情報を受信すると、処理をS812へ進める。S812において、CPU101は、注意情報を表示するよう制御する。
【0033】
なお、S810において、CPU131は、受信したロケーション情報がロケーションテーブル700に記憶されていない場合、すなわちロケーション情報の条件に合致しない場合には、注意情報の送信は行わない。これに伴い、スマートグラス100によるS812における注意情報の表示も行われず、S811の処理の後、処理はS813へ進む。
【0034】
また、他の例としては、ロケーションテーブル700においても、注意情報に対する期限や出力タイミングが定められていてもよい。この場合には、S812において、CPU101は、対応する期限及び出力タイミングに従い、注意情報の表示を制御する。
【0035】
S812の処理ののち、S813において、CPU101は、ピッキングリストに示されるすべての作業が完了したか否かを判定する。例えば、作業完了時に作業者は「OK!ピック完了」と発話することとし、CPU101は、この発話を、マイク120を介して受け付けた場合にすべての作業が完了したと判定する。CPU101は、すべての作業が完了した場合には(S813でYes)、作業管理処理を終了する。CPU101は、未処理の作業がある場合には(S813でNo)、処理をS802へ進め、処理を継続する。
【0036】
以上のように、本実施形態に係る情報処理システムは、作業に関する注意喚起を簡素な構成で適切なタイミングで行うことができる。
【0037】
なお、本実施形態の第1の変形例としては、図8を参照しつつ説明したスマートグラス100の処理とサーバ装置130の各処理の主体となる装置は実施形態に限定されるものではない。例えば、S800において、サーバ装置130は、ピッキングリストに、指示情報や、注意情報とその期間、出力タイミング等も記載されたピッキングリストを作成、送信する。そして、スマートグラス100は、注意情報の出力の都度、サーバ装置130とのやり取りを行うことなく、取得したピッキングリストに含まれる情報を参照して、指示情報や注意情報を表示してもよい。すなわち、スマートグラス100のCPU101が、ピッキングリストに示される商品コードと指示情報の対応付けに基づいて指示情報の特定を行う。同様に、CPU101が商品コードと注意情報の対応付けに基づいて注意情報の特定を行う。また、他の例としては、スマートグラス100が商品テーブル400、注意喚起テーブル500、ロケーションテーブル700を記憶しており、すべての処理をスマートグラス100が行ってもよい。
【0038】
また、第2の変形例としては、本実施形態においては、スマートグラス100は、複数の注意情報の出力タイミングが重なった場合には、すべての注意情報を出力するが、これに替えて、優先順位に応じて注意情報を出力してもよい。例えば、サーバ装置130は、注意情報毎に優先順位を定めておく。そして、サーバ装置130は、注意情報をスマートグラス100に送信する際には、優先順位も併せて送信する。そして、スマートグラス100は、比較的短い一定期間に送信対象となった注意情報のうち優先順位が最も高い注意情報のみを出力することとする。
【0039】
第3の変形例としては、スマートグラス100による注意情報の出力形態は実施形態に限定されるものではない。スマートグラス100は、図12に示すように、テキスト情報だけでなく、注意喚起を促す画像1200をディスプレイ105に表示してもよい。また、他の例としては、スマートグラス100はさらにスピーカを備え、音声1210により注意情報をスピーカから出力してもよい。
【0040】
第4の変形例としては、スマートグラス100が注意情報を出力(表示)した後、作業者が注意情報を確認したことをスマートグラス100が確認するようにしてもよい。例えば、図13に示すように、スマートグラス100は、注意情報と共に、確認済みの入力を促す情報1301を表示する。さらにその後数分程度の一定期間確認済みの入力を受け付けない場合には、スマートグラス100は、再度確認済みの入力を促す情報1302を表示する。なお、スマートグラス100は、情報1301の表示後、確認した旨を示す確認情報を受け付けた場合には、情報1302の表示は行わない。
【0041】
第5の変形例としては、スマートグラス100は、注意情報の表示による注意喚起が作業者の役に立ったか否かの有用性のフィードバックを受け付けてもよい。スマートグラス100は、例えば、図14に示すような確認画面1400を表示する。確認画面1400には、注意喚起に対する評価入力を促す情報が表示されている。本例においては、作業者は、「1」〜「3」の数値で評価を入力することができる。これに対し、スマートグラス100は、評価結果を示す評価情報を受け付け(受付処理)、サーバ装置130に送信する。そして、サーバ装置130は、評価結果の集計を行い、これを出力する。図15は、評価結果の出力例を示す図である。これにより、管理者等は、作業工程の改善等の検討の際に評価結果を参照することができる。
【0042】
第6の変形例としては、スマートグラス100は、例えば、作業工程を示す工程情報を特定し、作業工程に応じた注意情報を表示するよう制御してもよい。なお、作業工程の特定の仕方としては、例えば、その作業工程においてのみ用いられる部品や器具等に表示された2次元コードを読み取り、工程情報を特定してもよい。あるいは、ユーザが作業を開始する際に、入力装置を介して、作業工程を示す情報を情報処理システムに入力することで、スマートグラス100が作業工程を示す工程情報を特定する構成であってもよい。
【0043】
第7の変形例としては、本実施形態においては、図8を参照しつつ説明したように、本実施形態のスマートグラス100は、商品に関する注意喚起の後、位置に関する注意喚起を行うが、処理順序は実施形態に限定されるものではない。他の例としては、スマートグラス100は、位置に関する注意喚起を行った後、商品に関する注意喚起を行うこととしてもよい。具体的には、スマートグラス100は、図8に示すS808〜S812の処理の後で、S801〜S807の処理を行うこととしてもよい。さらに、サーバ装置130は、ピッキングリストを生成する際に、ピンキングリストに位置情報ごとの注意情報や商品ごとの注意情報を含めた形で生成してもよい。この場合、スマートグラス100は、ピッキングリストを受信した後は、サーバ装置130への確認を行わずに、ピッキングリストに含まれる注意情報に基づいて、作業者に注意情報を提示することとしてもよい。
【0044】
第8の変形例としては、スマートグラス100が記憶する各種データ(テーブル)のデータ構成は実施形態に限定されるものではない。例えば、図16は、変形例に係るテーブルの一例である。図16に示すテーブル1600は、実施形態において説明した注意喚起テーブル500(図5)にロケーションテーブル700を組み込んだテーブルである。
【0045】
スマートグラス100は、例えば、作業場所に応じた注意情報を出力する場合、取得した作業者の作業場所を示す情報に基づいて、図16に示すテーブルのロケーション情報のフィールドを参照する。そして、スマートグラス100は、当該作業場所と一致するロケーション情報が含まれるレコードの注意情報を出力することとしてもよい。また、他の例としては、スマートグラス100は、取得した作業対象の商品の情報に基づいて、図16に示すテーブルの商品コードのフィールドを参照し、当該商品と一致する商品コードが含まれるレコードの注意情報を出力することとしてもよい。また、スマートグラス100は、複数のフィールドの情報に基づいて、注意情報を出力することとしてもよい。例えば、図16に示すテーブルに含まれる情報のうち、取得した作業者や作業者に関する情報に対応する商品コード、作業種類、ロケーション情報、習熟レベルの全てが一致するレコードの注意情報を出力することとしてもよい。
【0046】
<その他の実施形態>
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給する。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【0047】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
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