(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
仮想通貨によって商品又はサービスの決済をするイベントに関するイベント情報、及び前記イベントに出店する店舗が扱う前記商品又は前記サービスに関する店舗情報の入力を受け付ける受付手段と、
前記イベント情報及び前記店舗情報に基づいて前記仮想通貨と流通通貨との換算レートを設定する換算レート設定手段と、
前記換算レートに基づいて、前記イベントに参加する利用者が保有する前記仮想通貨の額を前記イベントにおいて使用可能な額に換算し、前記利用者が購入した前記商品又は前記サービスの前記仮想通貨による価格を、前記換算後の仮想通貨により決済する仮想通貨決済手段と、を備える、
情報処理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
イベント用の電子マネーを利用したり、イベント用の電子マネーとして利用可能なポイントを付与したりすることで、参加者は、イベント期間内に電子マネー等を使い切ろうとして、購買意欲が高まることが考えられる。しかしながら、イベント用の電子マネー等として利用可能なポイントが、一律に付与されたり、購入金額に応じて付与されたりすると、イベントの残り期間によっては、在庫不足が生じる場合がある。また、イベントの残り期間や商品の在庫数等の販売状況を考慮して、商品やサービス等の販売価格を調整した場合、価格の変動により決済時の手続きが煩雑となることが考えられる。
【0005】
そこで、本発明は、イベントの進行に合わせた決済手続きを簡便化する技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明では、仮想通貨によって商品又はサービスの決済をするイベントにおいて、イベントに関する情報及び商品又はサービスに関する情報に基づいて、仮想通貨と流通通貨との換算レートを設定することにした。
【0007】
詳細には、本発明は、情報処理装置であって、仮想通貨によって商品又はサービスの決済をするイベントに関するイベント情報、及びイベントに出店する店舗が扱う商品又はサービスに関する店舗情報の入力を受け付ける受付手段と、イベント情報及び店舗情報に基づいて仮想通貨と流通通貨との換算レートを設定する換算レート設定手段と、を備える。
【0008】
上記の情報処理装置は、仮想通貨によって決済をするため、商品又はサービス(以下、商品等ともいう)の購入時の精算にかかる時間を短縮することができる。また、イベントに出店する店舗は釣銭を準備をしなくてもよく、決済手続きは簡便化される。さらに、イベント情報及び店舗情報に基づき、イベントの進行に応じて仮想通貨と流通通貨との換算レートを設定することで、販売状況に応じて換算レートが変動し、販売が促進又は抑制され、在庫管理を簡便化することができる。
【0009】
なお、ここでの仮想通貨は、金融機関を介さずにコンピュータ間での交換により決済を可能とするデジタル通貨であり、法定通貨として市場に流通する流通通貨との交換が可能な通貨である。イベント情報は、イベントの開催期間、仮想通貨の発行数(以下、払出数ともいう)、出店店舗数、集客予想数等の情報を含んでもよい。店舗情報は、各店舗が扱う商品又はサービスのそれぞれの数量、販売価格、利益率等の情報を含んでもよい。イベントは、現実におけるイベントに限られず、コンピュータ上で実現されるバーチャルのイベントを含む。
【0010】
また、情報処理装置は、換算レートに基づいて、イベントに参加する利用者が保有する仮想通貨の額をイベントにおいて使用可能な額に換算し、利用者が購入した商品又はサービスの仮想通貨による価格を、換算後の仮想通貨により決済する仮想通貨決済手段をさらに備えるものであってもよい。上記の情報処理装置は、換算レートに基づいて仮想通貨の実質的な価値を変動させることで、商品等の仮想通貨による価格を変更することなく、商品等の現実の流通価格を変更することができる。商品等の仮想通貨による価格が変更されないため、利用者及び出店者は、商品等の精算の際、価格の変更による混乱を回避することができる。
【0011】
また、イベント情報は、イベントの開催期間及び仮想通貨の払出数の情報を含み、店舗情報は、商品又はサービスのそれぞれの在庫数量及び販売価格の情報を含み、換算レート設定手段は、イベントの残り期間、イベントにおける売上金額、仮想通貨の払出数、商品又はサービスのそれぞれの在庫数量及び販売価格から予測される売上予測金額のうちの一以上のデータに基づいて、換算レートを設定するようにしてもよい。このような換算レート設定手段であれば、イベントの進行に合わせて仮想通貨の価値を変動させることができる。したがって、情報処理装置は、仮想通貨の価値を変動させることで、商品等の値下げによる決済処理又は利用者の購買意欲促進による在庫管理等の手続きを簡便化することができる。
【0012】
なお、換算レート設定手段は、売上金額が目標に到達していない場合であっても、イベントの残り期間に合わせて換算レートを設定したり、イベントの残り期間を延長して目標の売上金額を達成するように換算レートを設定たりしてもよい。また、在庫数量は、商品の在庫数量又はサービスの提供可能数量である。
【0013】
また、情報処理装置は、利用者が保有する仮想通貨の額に相当する流通通貨の額を利用者に払い戻す払戻手段、をさらに備えるものであってもよい。上記の情報処理装置は、イベント中に利用者が使用しなかった仮想通貨を、流通通貨として、利用者に払い戻すことができる。利用者は、購入した仮想通貨を無駄にすることなく、返金を受けることができる。なお、情報処理装置は、流通通貨に限らず、他のサービス事業者によって提供されるポイントや電子マネーに換算して利用者に払い戻すことも可能である。この場合、情報処理装置は、利用者が保有する仮想通貨の額を流通通貨に換算し、換算された流通通貨を、さらに他のサービス事業者によって提供されるポイント数に換算すればよい。
【0014】
また、本発明は、方法の側面から捉えることもできる。例えば、本発明は、コンピュータが、仮想通貨によって商品又はサービスの決済をするイベントに関するイベント情報、及びイベントに出店する店舗が扱う商品又はサービスに関する店舗情報の入力を受け付ける受付ステップと、イベント情報及び店舗情報に基づいて仮想通貨と流通通貨との換算レートを設定する換算レート設定ステップと、を実行する、情報処理方法であってもよい。
【0015】
また、本発明は、コンピュータプログラムの側面から捉えることもできる。例えば、本発明は、コンピュータに、仮想通貨によって商品又はサービスの決済をするイベントに関するイベント情報、及びイベントに出店する店舗が扱う商品又はサービスに関する店舗情
報の入力を受け付ける受付ステップと、イベント情報及び店舗情報に基づいて仮想通貨と流通通貨との換算レートを設定する換算レート設定ステップと、を実行させる、情報処理プログラムであってもよい。
【0016】
また、本発明は、システムの側面から捉えることもできる。例えば、本発明は、サーバ及び店舗用端末を含む情報処理システムであって、サーバは、仮想通貨によって商品又はサービスの決済をするイベントに関するイベント情報、及びイベントに出店する店舗が扱う商品又はサービスに関する店舗情報の入力を受け付ける受付手段と、イベント情報及び店舗情報に基づいて仮想通貨と流通通貨との換算レートを設定する換算レート設定手段と、換算レートに基づいて、イベントに参加する利用者が保有する仮想通貨の額をイベントにおいて使用可能な額に換算し、利用者が購入した商品又はサービスの仮想通貨による価格を、換算後の仮想通貨により決済する仮想通貨決済手段と、を備え、店舗用端末は、利用者が購入した商品又はサービスの決済処理を受け付ける決済受付手段と、決済処理の対象である商品又はサービスの仮想通貨による価格をサーバに通知し、決済処理の実行をサーバに指示する決済指示手段と、を備える。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、イベントの進行に合わせた決済手続きを簡便化する技術を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、実施形態について説明する。以下に示す実施形態は、単なる例示であり、本開示の技術的範囲を以下の態様に限定するものではない。
【0020】
本実施形態では、情報処理装置は、仮想通貨によって商品又はサービスの決済をするイベントにおいて、イベントに関する情報及びイベントに出店する店舗が扱う商品又はサービスに関する情報に基づいて、仮想通貨と流通通貨との換算レートを設定する。情報処理装置は、イベントの進行に合わせて換算レートを変動させることにより、在庫管理や決済手続きを簡便化することができる。
【0021】
<システム構成>
図1は、実施形態に係る情報処理システムの構成を例示する図である。情報処理システム10は、サーバ1及び店舗用端末2を含み、ネットワークNを介して相互に通信可能である。店舗用端末2は、媒体3に記憶された利用者の情報を読取る。
【0022】
サーバ1は、イベントの主催者等により設置されるコンピュータであり、イベントに関する情報、イベントに出店する店舗の情報、各店舗が提供する商品又はサービスの情報、イベントで使用される仮想通貨の情報を保持する。イベント情報は、イベントの主催者等によってサーバ1に登録される。店舗の情報、商品又はサービスの情報を含む店舗情報は、イベントへの出店者によってサーバ1に登録される。サーバ1は、利用者の購入手続きに応じて仮想通貨を発行する。サーバ1は、発行した仮想通貨の情報を、利用者と紐づけて保持する。サーバ1は、「情報処理装置」の一例である。
【0023】
店舗用端末2は、読取部28を備える端末であり、利用者が購入した商品等の決済処理をサーバ1に指示する。読取部28は、媒体3から利用者を識別する情報及び購入された商品等の情報を読み取り、ネットワークNを介してサーバ1に送信する。店舗用端末2は、1台に限らず複数台設置されてもよく、例えば、イベントに出店する店舗ごとに設置されるようにしてもよい。
【0024】
媒体3は、イベントに参加する利用者が購入した仮想通貨に関する情報を記憶する。媒体3は、サーバ1に記憶された仮想通貨の情報のうち、媒体3を所有する利用者を識別するための識別子を記憶すればよい。サーバ1は、識別子に基づいて利用者に紐づく仮想通貨の情報を取得することができる。媒体3は、例えば、利用者の識別子を示すバーコード又はQRコード(登録商標)が印字されたカード、利用者の識別子を記憶するICカード、利用者の識別子を所定のアプリで管理するスマートフォン等の携帯端末である。なお、利用者の識別子は、紛失するリスクを考慮して、ブラックライトで発光するインク等で身体の一部に印字してもよい。
【0025】
ネットワークNは、例えば、インターネット等の世界規模の公衆パケット通信網であり、サーバ1と店舗用端末2とを相互に接続する。なお、ネットワークNは、インターネットの代わりに、WAN(Wide Area Network)やその他の通信網が採用されてもよい。
【0026】
<サーバのハードウェア構成>
図2は、実施形態に係るサーバのハードウェア構成を例示する図である。サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11、RAM(Random Access Memory)12、ROM(Read Only Memory)13、補助記憶装置14及びゲートウェイ等を介してインターネットに接続されるNIC(Network Interface Controller)15を備えるコンピュータである。なお、サーバ1は、CPU11等の汎用プロセッサの代わりに、専用プロセッサや専用回路等により実現されてもよい。
【0027】
CPU11は、中央演算処理装置であり、RAM12等に展開された各種プログラムの命令及びデータを処理することで、RAM12、ROM13、補助記憶装置14等を制御する。RAM12は、主記憶装置であり、CPU11によって制御され、各種命令やデータが書き込まれ、読み出される。ROM13は、読出し専用であり、主記憶装置としてBIOS(Basic Input/Output System)やファームウェア等を記憶する。補助記憶装置14は、不揮発性の記憶装置であり、RAM12にロードされる各種プログラム等、永続性が求められる情報が書き込まれ、読み出される。補助記憶装置
14は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等である。
【0028】
<店舗用端末のハードウェア構成>
図3は、実施形態に係る店舗用端末のハードウェア構成を例示する図である。店舗用端末2は、CPU21、RAM22、ROM23、補助記憶装置24、ゲートウェイ等を介してインターネットに接続されるNIC25、入力部26、表示部27及び読取部28を備えるコンピュータである。なお、店舗用端末2は、CPU21等の汎用プロセッサの代わりに、専用プロセッサや専用回路等により実現されてもよい。
【0029】
CPU21は、中央演算処理装置であり、RAM22等に展開された各種プログラムの命令及びデータを処理することで、RAM22、ROM23、補助記憶装置24等を制御する。RAM22は、主記憶装置であり、CPU21によって制御され、各種命令やデータが書き込まれ、読み出される。ROM23は、読出し専用であり、主記憶装置としてBIOSやファームウェア等を記憶する。補助記憶装置24は、不揮発性の記憶装置であり、RAM22にロードされる各種プログラム等、永続性が求められる情報が書き込まれ、読み出される。補助記憶装置24は、例えば、EEPROM、HDD等である。
【0030】
入力部26は、例えば、タッチパッド、マウス、タッチパネル等のポインティングデバイス、キーボード、操作ボタン等であり、操作入力を受け付ける。表示部27は、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCD)、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ等の表示装置等であり、入力部26から入力された内容、又は読取部28で読み取った内容を表示する。読取部28は、媒体3から各種情報を読取る。読取部28は、例えば、バーコードリーダー、QRコードリーダー、ICカードリーダーライターである。なお、読取部28が読み取る各種情報は、入力部26を介して入力されてもよい。
【0031】
<サーバの機能構成>
図4は、実施形態に係るサーバの機能構成を例示する図である。サーバ1は、補助記憶装置14に記憶されているプログラムが、RAM12に読み出され、CPU11によって実行されることで、イベント情報データベースD11、店舗情報データベースD12、仮想通貨管理データベースD13、受付部F11、換算レート設定部F12、仮想通貨管理部F13、及び払戻部F14を備えるコンピュータとして機能する。
【0032】
なお、本実施形態において、サーバ1の備える各機能は、汎用プロセッサであるCPU11によって実行されるが、これらの機能の一部又は全部は、1又は複数の専用プロセッサ、ハードウェアの演算回路等によって実行されてもよい。ここで、ハードウェアの演算回路とは、例えば、論理ゲートを組み合わせた加算回路、乗算回路、フリップフロップ等をいう。また、これらの機能の一部又は全部は、ネットワークNを介してサーバ1と通信可能な別途のコンピュータ、例えば、店舗用端末2、プログラムの実行が可能なスマートフォン等の端末である媒体3、利用者が仮想通貨の購入、残額確認、払戻等の手続きをするための端末等において実行されてもよい。
【0033】
(データベース)
イベント情報データベースD11は、イベントを管理及び運営するための各種情報を格納するデータベースである。店舗情報データベースD12は、イベントに出店する店舗及び店舗で扱われる商品又はサービスに関する各種情報を格納するデータベースである。仮想通貨管理データベースD13は、イベントで使用される仮想通貨を管理するための各種情報を格納するデータベースである。イベント情報データベースD11、店舗情報データ
ベースD12及び仮想通貨管理データベースD13は、CPU11によって実行されるデータベース管理システム(DBMS、Database Management System)のプログラムが、補助記憶装置14に記憶されるデータを管理することで構築される。イベント情報データベースD11、店舗情報データベースD12及び仮想通貨管理データベースD13は、例えば、リレーショナルデータベースである。イベント情報データベースD11は、イベント情報テーブルを有する。店舗情報データベースD12は、店舗テーブル及び商品テーブルを有する。仮想通貨管理データベースD13は、仮想通貨テーブルを有する。
【0034】
図6は、イベント情報テーブルの一例を示す図である。イベント情報データベースD11のイベント情報テーブルは、イベントの残り期間、仮想通貨の発行数等に基づいて、仮想通貨と流通通貨との換算レートを設定するために用いられる。イベント情報テーブルに格納されるレコード1件は、単一のイベントのデータを示す。なお、イベント情報テーブルにおいて、単一のイベントは開催日や開催地ごとに別レコードとして管理されてもよい。イベント情報テーブルのレコードは、イベント開催前にイベントの主催者によってイベント情報が登録されたときに追加される。
【0035】
イベント情報テーブルのレコードは、
図6の例では、イベント番号、イベント名、開始日時、終了日時、仮想通貨発行額、店舗数、集客予想数及び換算レートのフィールドを有する。イベント番号は、イベントを識別するための識別子を示す。イベント名は、イベントの名称を示す。開始日時は、イベントの開始日時を示す。終了日時は、イベントの終了日時を示す。仮想通貨発行額は、イベント開催前及びイベント開催中に発行された仮想通貨の額の合計金額を示す。店舗数は、イベントに出店する店舗の数を示す。集客予想数は、イベントに参加する利用者の予想数を示す。換算レートは、イベントの終了日時及び現在時刻から求められるイベント残り期間、仮想通貨発行額等に基づいて設定される仮想通貨と流通通貨との換算レートを示す。換算レートは、イベントごとに設定されるが、各店舗の販売状況に応じて、店舗ごとに設定されるようにしてもよい。また、換算レートは、商品又はサービス種別ごとに設定されるようにしてもよい。
【0036】
図7は、店舗テーブルの一例を示す図である。店舗情報データベースD12の店舗テーブルは、イベントに出店する店舗を管理するために用いられる。店舗テーブルに格納されるレコード1件は、単一の店舗のデータを示す。店舗テーブルのレコードは、イベント開催前にイベントの主催者又は店舗の出店者によって、店舗情報が登録されたときに追加される。
【0037】
店舗テーブルのレコードは、
図7の例では、イベント番号、店舗番号、店舗名及び換算レートのフィールドを有する。イベント番号は、イベント情報テーブルに登録されたイベントと店舗とを紐づけるための識別子を示す。店舗番号は、店舗を識別するための識別子を示す。店舗名は、店舗の名称を示す。換算レートは、店舗ごとに換算レートを設定する場合に用いられるフィールドである。換算レートは、イベント残り期間、店舗で扱われる商品又はサービスのそれぞれの在庫数量に基づいて設定される仮想通貨と流通通貨との換算レートを示す。イベント残り期間は、イベント情報テーブルの対応するイベントの終了日時及び現在時刻から求められる。店舗で扱われる商品又はサービスのそれぞれの在庫数量は、商品テーブルにおいて店舗に紐づく商品又はサービスの在庫数量フィールドから取得される。
【0038】
図8は、商品テーブルの一例を示す図である。店舗情報データベースD12の商品テーブルは、店舗で扱われる商品又はサービスを管理するために用いられる。商品テーブルに格納されるレコード1件は、単一の商品又はサービスのデータを示す。商品テーブルのレコードは、イベント開催前に店舗の出店者によって、店舗で扱われる商品又はサービス情
報が登録されたときに追加される。
【0039】
商品テーブルのレコードは、
図8の例では、店舗番号、商品名、販売数、在庫数量、設定価格、販売価格及び利益率のフィールドを有する。店舗番号は、店舗テーブルに登録された店舗と商品又はサービスとを紐づけるための識別子を示す。商品名は、商品の名称を示す。販売数は、販売済の商品等の数量を示す。在庫数量は、商品の在庫数量又はサービスの提供可能数量を示す。設定価格は、出店者が確保したい流通通貨での販売額を示す。例えば、設定価格は商品又はサービスの提供にかかる原価又はコストである。販売価格は、仮想通貨での販売価格を示す。イベント開催中、仮想通貨での販売価格は変更せず、仮想通貨と流通通貨との換算レートを変動させることで、商品等の流通通貨での実価格が調整される。利益率は、商品等の価格に対する利益の割合を示し、例えば、商品等の実価格から原価又はコストを差し引いた粗利の実価格に対する割合を算出して求められる。
【0040】
図9は、仮想通貨テーブルの一例を示す図である。仮想通貨管理データベースD13の仮想通貨テーブルは、利用者が保有する仮想通貨を管理するために用いられる。仮想通貨テーブルに格納されるレコード1件は、単一の利用者が保有する仮想通貨のデータを示す。仮想通貨テーブルのレコードは、利用者が仮想通貨を購入したときに追加される。
【0041】
仮想通貨テーブルのレコードは、
図9の例では、利用者ID、利用者名、購入金額、保有仮想通貨及び口座番号のフィールドを有する。利用者IDは、利用者を識別するための識別子を示す。利用者名は、利用者の氏名を示す。購入金額は、利用者が購入した仮想通貨の合計金額を示す。保有仮想通貨は、利用者が保有する仮想通貨の額を示す。なお、仮想通貨の額は、換算レートによる換算前の額であり、同額の流通通貨に相当する。また、利用者が追加で仮想通貨を購入した場合には、保有仮想通貨の額に追加された額が加算される。口座番号は、利用者が所有する口座の口座番号を示す。口座番号は、利用者が購入した仮想通貨の決済をしたり、イベント終了後に仮想通貨の残額を返金したりするために使用される口座の口座番号である。
【0042】
(データベース以外の機能)
受付部F11は、イベント情報及び店舗情報の入力を受け付ける。イベント情報及び店舗情報は、換算レートを設定するための情報を含む。受付部F11は、受け付けたイベント情報及び店舗情報を、イベント情報データベースD11又は店舗情報データベースD12に格納する。受付部F11は、「受付手段」の一例である。
【0043】
換算レート設定部F12は、受付部F11がイベント情報データベースD11又は店舗情報データベースD12に格納したイベント情報及び店舗情報に基づいて、仮想通貨と流通通貨との換算レートを設定する。換算レート設定部F12は、「換算レート設定手段」の一例である。
【0044】
仮想通貨管理部F13は、イベントに参加する利用者が保有する仮想通貨を、換算レート設定部F12が設定した換算レートに基づいて使用可能な額に換算する。仮想通貨管理部F13は、利用者が購入した商品又はサービスの代金を、換算後の仮想通貨によって決済する。仮想通貨管理部F13は、「仮想通貨決済手段」の一例である。
【0045】
払戻部F14は、イベント終了後に、未使用の仮想通貨に対応する流通通貨の額を利用者に返金する。未使用の仮想通貨に対応する流通通貨の額は、未使用の仮想通貨と同額であってもよく、払戻の際の換算レートによって換算された仮想通貨の額であってもよい。未使用の仮想通貨に対応する流通通貨の額は、利用者が商品等を購入する度に算出して仮想通貨管理データベースD13に記憶しておいてもよく、払戻の際に購入した商品等の合計額を減額して算出してもよい。なお、払戻の際に購入した商品等の合計額を減額して算
出する場合、購入時の換算レートに応じて各商品等の額を算出する。なお、換算レートの値を、変更日時と対応付けてイベント情報データベースD11に記憶しておくことで、払戻部F14は、商品購入時の換算レートを取得することができる。また、払戻部F14は、イベント開催中又はイベント終了後に、利用者からの払戻の請求があった場合に、払戻を請求した利用者に対して払戻処理を実行してもよい。払戻部F14は、「払戻手段」の一例である。
【0046】
<店舗用端末の機能構成>
図5は、実施形態に係る店舗用端末の機能構成を例示する図である。店舗用端末2は、補助記憶装置24に記憶されているプログラムが、RAM22に読み出され、CPU21によって実行されることで、決済受付部F21及び決済指示部F22を備えるコンピュータとして機能する。
【0047】
なお、本実施形態において、店舗用端末2の備える各機能は、汎用プロセッサであるCPU21によって実行されるが、これらの機能の一部又は全部は、1又は複数の専用プロセッサ、ハードウェアの演算回路等によって実行されてもよい。ここで、ハードウェアの演算回路とは、例えば、論理ゲートを組み合わせた加算回路、乗算回路、フリップフロップ等をいう。また、これらの機能の一部又は全部は、別途のコンピュータ、例えば、プログラムの実行が可能なスマートフォン等の端末である媒体3において実行されてもよい。
【0048】
決済受付部F21は、利用者が商品等を購入した際、媒体3から利用者を識別する情報を読み取る。また、決済受付部F21は、購入された商品等の商品番号、購入数量、価格等の情報の入力を受け付ける。決済受付部F21は、商品等に付されたバーコード等を読み取ることで商品等の各種情報を取得してもよい。決済受付部F21は、「決済受付手段」の一例である。
【0049】
決済指示部F22は、決済受付部F21が読み取った利用者を識別する情報及び受け付けた商品等の各種情報をサーバ1に送信するとともに、サーバ1に対して決済処理の実行を指示する。決済指示部F22は、「決済指示手段」の一例である。
【0050】
<処理の流れ>
図10は、イベント開催時の仮想通貨による決済に伴う全体的な処理の流れを例示する図である。イベント開催前、主催者は、サーバ1に対してイベント情報を入力する(P10)。また、主催者又は出店者は、サーバ1に対して店舗情報を入力する(P11)。
【0051】
サーバ1は、イベント情報及び店舗情報に基づいて、換算レートの初期値を設定する(P12)。換算レートの初期値は、例えば1とすることができる。仮想通貨の発行数が、イベントにおいて提供される商品又はサービスの販売価格の合計を下回る場合には、換算レートの初期値を1より大きくすることで、商品等の余剰を抑制することが可能となる。例えば、換算レートを1.2とした場合、流通通貨と仮想通貨とは、1:1.2の比率で交換される。即ち、流通通貨100円は、仮想通貨120円として使用することができる。
【0052】
イベント開催中、利用者は、仮想通貨を購入する(P20)。なお、利用者は、イベント開催前に仮想通貨を購入できるようにしてもよい。利用者は、仮想通貨の購入に際し、購入金額、決済のための口座番号をサーバ1に通知する。なお、現金で購入する場合には口座番号の通知は省略可能である。また、仮想通貨を購入する手続きは、店舗用端末2、利用者の所有するスマートフォン等の端末等を介して実行したり、利用者が記入した申込用紙の記載に基づいてサーバ1に直接入力して実行したりすることができる。
【0053】
サーバ1は、利用者から仮想通貨の購入の申込みを受け付けると、利用者から通知された額の仮想通貨を発行する(P21)。利用者の口座番号が通知された場合には、購入された仮想通貨の代金は、当該口座から引き落とされる。サーバ1は、仮想通貨管理データベースD13の仮想通貨テーブルに、仮想通貨の購入金額等の情報を利用者ごとに格納する。なお、仮想通貨が追加で購入された場合、仮想通貨テーブルの保有仮想通貨の額が更新される。サーバ1は、利用者に対し、購入された仮想通貨の情報を記憶した媒体3を発行する。媒体3は、少なくとも利用者と購入された仮想通貨とを紐づけるための識別子を記憶していればよく、仮想通貨の購入金額及び保有仮想通貨の額を記憶するようにしてもよい。
【0054】
サーバ1は、イベントの進行に応じて、仮想通貨と流通通貨との換算レートを更新する(P22)。換算レートは、所定の時間間隔、例えば30分ごとに更新されるようにしてもよい。サーバ1は、例えば、イベント残り時間の減少とともに増加する所定の係数を乗算することにより、換算レートを算出することができる。なお、イベントが複数日にわたって開催される場合には、イベント残り期間に応じた所定の係数に基づいて、換算レートを算出してもよい。
【0055】
サーバ1は、さらに、商品の在庫数量又はサービスの提供可能数量に比例する係数を乗算して、換算レートを算出してもよい。例えば、商品等の在庫数量が、イベントの残り時間における販売予測数量を上回る場合には、換算レートを1よりも大きくすることで、商品等の流通通貨による価格は下げられる。反対に、商品等の在庫数量が、イベントの残り時間における販売予測数量を下回る場合には、換算レートを1よりも小さくすることで、商品等の流通通貨による価格は上げられる。
【0056】
サーバ1は、商品又はサービスの流通通貨による価格が、対応する設定価格を下回らないように換算レートを設定してもよい。サーバ1は、商品等を設定価格で販売した場合の販売額が、売上予測を上回るように換算レートを設定してもよい。サーバ1は、換算レートを店舗ごとに設定する場合、店舗で扱う商品等の利益率の平均値が他の店舗よりも高ければ、換算レートは当該他の店舗よりも低く設定するようにしてもよい。
図11により、換算レートを設定する具体例を説明する。
【0057】
図11は、イベントにおける売上実績、売上予測及び換算レートの関係を例示するグラフである。左側の縦軸は、売上金額を示す。右側の縦軸は、仮想通貨の換算レートを示す。横軸はイベント開始からの経過時間を示す。グラフS1及びグラフS2は、それぞれ売上金額の予測値及び実績値をプロットしたものである。売上金額の予測値は、イベントに出店する店舗数、イベントの集客予想数、仮想通貨の発行額、商品等の販売価格又は在庫数量等に基づく経過時間単位の販売状況の予測売上金額等を、累乗近似曲線、移動平均等によるシミュレーションから算出することができる。
【0058】
グラフS3は、サーバ1によって設定される仮想通貨の換算レートをプロットしたものである。また、グラフS4及びグラフS5は、それぞれ売上金額の予測値及び実績値に対する累乗近似曲線である。グラフS4及びグラフS5が示すように、一点鎖線で囲まれたT1内において、売上金額の実績値は予測値と乖離することなく推移する。このため、仮想通貨の換算レートは、イベント開始当初に設定された初期値から変動しない。
【0059】
一方、点線で囲まれたT2内において、売上金額の実績値は、イベントの経過時間とともに予測値を下回り、イベント終了時に予測した目標売上金額に到達しない可能性がある。この場合、サーバ1は、仮想通貨の換算レートを上昇させる。例えば、グラフS3において、イベント開始から10時間経過後、仮想通貨レートは1.3となっている。即ち、イベント開始時に購入された100仮想通貨は、イベント開始から10時間経過後、13
0仮想通貨に価値が変動する。販売される商品等の仮想通貨による価格は変動しないため、利用者は、仮想通貨の換算レートの上昇に伴いより多くの商品等を購入することができるようになる。これにより利用者の購買意欲が高まり、販売は促進される。
【0060】
なお、サーバ1は、売上金額の実績値の伸び率が所定の閾値以下の場合に、現時点の換算レートに対して所定の割合だけ上昇させるように、換算レートの値を算出してもよい。また、サーバ1は、売上金額の実績値の伸び率が所定の閾値以下の状態が所定期間継続した場合、タイムサービス期間として、一定期間、所定の係数を乗算することで換算レートをより高く設定するようにしてもよい。さらに、サーバ1は、売上金額の予測値が販売する商品等の原価又はコストを下回らないように、換算レートを設定してもよい。
【0061】
換算レートが変更された後、利用者が保有する仮想通貨の額は、換算レートに応じてイベントにおいて使用可能な額に換算される(
図10のP23)。利用者は、媒体3が、サーバ1と通信可能で表示部を備えるスマートフォン等の端末である場合には、媒体3によってサーバ1から受信した換算後の仮想通貨の額を表示させて確認することができる。また、利用者は、仮想通貨の購入時に発行される媒体3に記憶されたバーコード、QRコード等を所定の端末にかざすことで、所定の端末が備える表示部を介して、換算後の仮想通貨の額を確認することができる。所定の端末は、例えば、店舗用端末2、又はイベント会場に設置され利用者が仮想通貨の残額確認等の手続きをするための端末である。媒体3又は所定の端末において、換算後の仮想通貨の額を確認するための画面を、
図12に例示する。
【0062】
図12は、利用者が保有する仮想通貨の確認画面を例示する図である。確認画面のA1には、仮想通貨を保有する利用者の氏名が表示される。確認画面のA2には、保有する仮想通貨の額が表示される。確認画面のA3には、
図10のP22で更新された現在の換算レートの値が表示される。確認画面のA4には、換算後の仮想通貨の額が表示される。
図12の例では、利用者が保有する仮想通貨の額が6,200円、現在の換算レートが1.2であるため、換算後の仮想通貨の額として7,440円が利用可能であることが表示される。
【0063】
次に、商品等購入時の決済処理について説明する。利用者は、イベントにおいて商品等を購入する(
図10のP24)。商品等を販売する出店者は、店舗用端末2に対して、購入された商品等の情報を入力する。出店者は、商品等に伏されたバーコードを読取部28に読み取らせることによって、購入された商品等の情報を入力してもよい。また、出店者は、利用者が保有する仮想通貨の情報が記憶された媒体3を、店舗用端末2の読取部28にかざす。店舗用端末2は、読取部28が媒体3から読み取った情報をサーバ1に送信し、サーバ1に対して決済処理の実行を指示する(P25)。サーバ1は、店舗用端末2から受信した情報に基づいて、利用者が購入した商品等の仮想通貨による決済を実行する(P26)。サーバ1による決済処理は、
図13の説明において詳述される。
【0064】
イベント終了後、サーバ1は、仮想通貨の利用を停止する(P30)。仮想通貨の利用が停止されることにより、イベント後の締め処理は簡便化される。サーバ1は、仮想通貨の利用停止後、各利用者が保有する仮想通貨の残高に応じて、払戻処理を実行する(P31)。サーバ1による払戻処理は、
図14の説明において詳述される。なお、払戻処理は、利用者からの要求があった場合に実行されるようにしてもよい。
【0065】
(決済処理の流れ)
図13は、商品等購入時の決済処理の流れを例示するフローチャートである。
図13に示す処理は、
図10のP26の処理の詳細を示す。この処理の流れは、例えば、利用者がイベントにおいて商品等を購入することを契機に開始する。
【0066】
まず、ステップS101では、仮想通貨管理部F13は、店舗用端末2の決済指示部F22から、利用者が購入する商品等の決済処理の実行指示を受信する。仮想通貨管理部F13は、決済処理の実行指示とともに、利用者が購入する商品等の仮想通貨による価格等の情報、及び利用者を識別する情報も受信する。
【0067】
ステップS102では、仮想通貨管理部F13は、ステップS101で受信した情報から、利用者が購入する商品等の仮想通貨による価格、購入数量等の情報を取得する。
【0068】
ステップS103では、仮想通貨管理部F13は、現時点での換算レートを取得する。現時点での換算レートは、イベント情報データベースD11のイベント情報テーブルから取得することができる。なお、換算レートが店舗ごとに設定される場合には、仮想通貨管理部F13は、店舗情報データベースD12の店舗テーブルから、商品等が購入された店舗の換算レートを取得すればよい。
【0069】
ステップS104では、仮想通貨管理部F13は、利用者が購入する商品等の価格に対し、利用者が保有する仮想通貨の残高が不足するか否かを判定する。具体的には、仮想通貨管理部F13は、まず、ステップS101で受信した情報から、利用者を識別する情報を取得する。仮想通貨管理部F13は、仮想通貨テーブルを参照し、利用者を識別する情報(
図9の例では利用者ID)から、利用者が保有する仮想通貨の残高を取得する。利用者が保有する仮想通貨の残高が不足すると判定された場合(S104;YES)、処理はステップS105へ進む。利用者が保有する仮想通貨の残高が不足しないと判定された場合(S104;NO)、処理はステップS106に進む。
【0070】
ステップS105では、仮想通貨管理部F13は、利用者によって仮想通貨が追加で購入されたか否かを判定する。なお、仮想通貨は、商品等の決済をする際、店舗用端末2に対する操作によっても購入可能である。利用者によって仮想通貨が追加で購入された場合(S105;YES)、処理はステップS106へ進む。利用者によって仮想通貨が追加で購入されない場合、決済処理は実行されず、
図13に示す処理は終了する。
【0071】
ステップS106では、仮想通貨管理部F13は、利用者が購入する商品等を、利用者が保有する仮想通貨により決済する。具体的には、まず、仮想通貨管理部F13は、仮想通貨管理部F13は、利用者が保有する仮想通貨の残高を、ステップS103で取得した換算レートに基づき、利用可能な仮想通貨の額に換算する。仮想通貨管理部F13は、換算後の仮想通貨の額から利用者が購入する商品等の価格を減額する。仮想通貨管理部F13は、減額後の額を換算レートによって換算されていない仮想通貨の額に戻し、仮想通貨テーブルに換算されていない仮想通貨の額を格納し、
図13に示す処理は終了する。
【0072】
(払戻処理の流れ)
図14は、イベント終了後の払戻処理の流れを例示するフローチャートである。
図14に示す処理は、
図10のP31の処理の詳細を示す。この処理の流れは、例えば、イベント終了後にサーバ1が仮想通貨の利用を停止すること、又は利用者から払戻処理の請求があったことを契機に開始する。
【0073】
まず、ステップS201では、払戻部F14は、払戻処理の実行指示を受け付ける。払戻部F14は、イベント終了後にサーバ1から払戻処理の実行指示を受け付け、仮想通貨を購入した各利用者に対して払戻処理を実行することができる。また、払戻部F14は、イベント開催中又はイベント開催後に、仮想通貨を購入した利用者からの請求により、当該利用者に対する払戻処理を実行するようにしてもよい。
【0074】
ステップS202では、払戻部F14は、利用者が保有する仮想通貨の額を取得する。払戻部F14は、例えば、払戻部F14は、仮想通貨管理データベースD13の仮想通貨テーブルの保有仮想通貨の額を取得すればよい。なお、仮想通貨テーブルの保有仮想通貨のフィールドは、換算レートに基づいて換算された仮想通貨の額から、利用者が購入した商品等の仮想通貨による価格を減額した額に相当する流通通貨の額、即ち換算レートによって換算されていない仮想通貨の額を記憶する。
【0075】
ステップS203では、払戻部F14は、払戻金額を利用者の口座に払い戻すか否かを判定する。払戻部F14は、仮想通貨テーブルにおいて口座番号が登録されているか否かによって、払戻金額を利用者の口座に払い戻すか否かを判定してもよい。また、払戻部F14は、利用者から払戻処理の請求があった場合に、口座に払い戻すか否かを選択させることで判定してもよい。払戻金額を利用者の口座に払い戻すと判定された場合(S203;YES)、処理はステップS204へ進む。払戻金額を利用者の口座に払い戻さないと判定された場合(S203;NO)、処理はステップS205に進む。
【0076】
ステップS204では、払戻部F14は、利用者の所有する口座に利用者が保有する仮想通貨の額に相当する流通通貨の額を送金する。払戻部F14は、例えば、保有する仮想通貨の額と同額の流通通貨を、利用者の所有する口座に入金することで払戻処理を実行し、
図14に示す処理は終了する。
【0077】
ステップS205では、払戻部F14は、口座への送金以外の方法、例えば現金によって、利用者が保有する仮想通貨の額を利用者に払い戻し、
図14に示す処理は終了する。なお、現金による払戻の場合、利用者は、例えば、店舗用端末2又は利用者が仮想通貨の購入等の手続きをするための端末において現金を受け取ることができる。
【0078】
<作用効果>
以上説明した本実施形態では、サーバ1は、仮想通貨による決済により、精算時間が短縮され、釣銭の準備が不要となるため、決済手続きを簡便化することができる。また、サーバ1は、イベントの進行に応じて仮想通貨と流通通貨との換算レートを設定することで、販売状況に応じて換算レートを変動させる。商品等の仮想通貨による価格を変更しなくてもよいため、イベントにおける決済手続きは簡便化される。
【0079】
また、サーバ1は、換算レートを変動させることにより、商品等の実質的な価格(流通価格)が下がる場合であっても、商品等の設定価格を下回らないように換算レートを設定することで、所望の利益が確保される。さらに、サーバ1は、イベント中に使用されなかった仮想通貨に対応する額を、利用者に払い戻すため、利用者は購入した仮想通貨を無駄にすることがなくなる。