(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
エレベーターの乗場の壁に設けられる操作表示機器のカバーより後方において前記壁に埋め込まれる埋込ボックスの内側に取り付けられ、前記埋込ボックスから離れる第1方向において前記壁に沿う取付け部を有し、前記取付け部に取付けられたインターホンに接続されるケーブルを通す貫通孔が前記取付け部に空けられる取付け板と、
前記取付け部および前記壁の間に設けられ、前記貫通孔から前記埋込ボックスに向けて前記ケーブルを案内する案内路を前記取付け部および前記壁の間に形成する第1スペーサーと、
を備えるインターホンの取付け装置。
エレベーターの乗場の壁に設けられている操作表示機器のカバーを前記壁から取り外すことで、前記カバーより後方において前記壁に埋め込まれている埋込ボックスの内側を前記乗場に露出させるカバー取外し工程と、
インターホンに接続されるケーブルを取付け板の取付け部に空けられた貫通孔に通して、前記インターホンを前記取付け部に取り付けるインターホン取付け工程と、
前記取付け部が前記埋込ボックスから離れる第1方向において前記壁に沿うように前記取付け板を前記壁との間に案内路としての間隔をあけて配置し、前記案内路を通じて前記貫通孔から前記乗場に露出している前記埋込ボックスの内側まで前記ケーブルを通す配線工程と、
前記取付け板を前記乗場に露出している前記埋込ボックスの内側に取り付ける取付け板取付け工程と、
前記カバーを前記壁に取り付けることで、前記埋込ボックスの内側を前記乗場の方向から遮蔽するカバー取付け工程と、
を備えるインターホンの取付け方法。
前記カバー取付け工程より前に、前記壁に垂直な方向における前記第1スペーサーの厚さおよび前記取付け板の厚さの和より厚い第2スペーサーを前記カバーの裏側に取り付ける第2スペーサー取付け工程
を備える請求項17に記載のインターホンの取付け方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一または相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化または省略する。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るエレベーターの構成図である。
【0012】
エレベーター1は、建築物2に設けられる。建築物2は、複数の階床を備える。エレベーター1において、昇降路3は、建築物2の複数の階床の各々を貫く。エレベーター1において、複数の乗場4の各々は、建築物2の複数の階床の各々に設けられる。
【0013】
エレベーター1は、巻上機5と、主ロープ6と、かご7と、釣合い錘8と、を備える。巻上機5は、モーターと、シーブと、を備える。巻上機5のモーターは、駆動力を発生させる装置である。巻上機5のシーブは、モーターが発生させた駆動力によって回転する装置である。主ロープ6は、巻上機5のシーブに巻きかけられる。主ロープ6は、巻上機5のシーブの回転に追従して移動する部材である。主ロープ6の一端は、例えばかご7に設けられる。主ロープ6の他端は、例えば釣合い錘8に設けられる。かご7は、主ロープ6の移動に追従して昇降路3の内部を鉛直方向に走行することで、建築物2の複数の階床の間で利用者などを輸送する装置である。かご7は、かご扉9を備える。かご扉9は、利用者などがかご7に乗降しうるようにかご7が複数の階のいずれかに停止しているときに開閉する装置である。釣合い錘8は、昇降路3に設けられる。釣合い錘8は、主ロープ6を通じて巻上機5のシーブの両側にかかる荷重の釣合いをかご7との間で取る装置である。
【0014】
エレベーター1は、複数の乗場扉10と、複数の乗場操作盤11と、を備える。複数の乗場扉10の各々は、複数の乗場4の各々に設けられる。複数の乗場扉10の各々は、当該乗場扉10が設けられる階にかご7が停止しているときにかご扉9に連動して開閉する装置である。複数の乗場操作盤11の各々は、複数の乗場4の各々の壁12に設けられる。複数の乗場操作盤11の各々は、利用者の乗場呼びの操作を受け付ける装置である。複数の乗場操作盤11の各々は、操作表示機器の例である。
【0015】
例えば既設のエレベーター1において、インターホン13およびケーブル14が新たに設けられることがある。ここで、インターホン13は、例えばかご7の内部に設けられる図示されない非常通話装置からの通話を受け付ける装置である。ケーブル14は、当該通話の信号を通信しうるように、インターホン13に接続される。インターホン13は、例えば共用部である一階の乗場4に設けられる。このとき、取付け装置15が、インターホン13の設置に用いられる。
【0016】
図2は、実施の形態1に係る取付け装置の斜視図である。
図2において、取付け装置15によって乗場操作盤11の下方にインターホン13が取り付けられている状態が示される。
図2において、乗場4の壁12は、図示されない。
【0017】
乗場操作盤11は、カバー16と、埋込ボックス17と、ケーブル配管18と、を備える。
【0018】
カバー16は、乗場操作盤11の前面をなす。乗場操作盤11の前面は、乗場4に露出する部分である。カバー16は、例えば利用者の操作を受け付ける図示されないボタンを備えてもよい。カバー16の形状は、例えば前面から見て鉛直方向に長い長方形である。エレベーター1は、ケーブル19を備える。ケーブル19は、受け付けた利用者の操作の信号を通信しうるように、カバー16に接続される。
【0019】
埋込ボックス17は、カバー16より後方において乗場4の壁12に埋め込まれる部材である。埋込ボックス17は、前面のカバー16によって乗場4から見えないように配置される。
【0020】
ケーブル配管18は、埋込ボックス17の背面に設けられる。ケーブル配管18の内部は、埋込ボックス17の内部から昇降路3に通じる。ケーブル19は、ケーブル配管18の内部を通じて、例えば昇降路3に設けられる図示されない制御盤に接続される。
【0021】
取付け装置15は、一対の固定具20と、取付け板21と、一対の第1緩衝材22と、第2緩衝材23と、を備える。
【0022】
一対の固定具20の各々は、L字状に折り曲げられた板状の部材である。一対の固定具20の各々は、埋込ボックス17の内側に設けられる。一対の固定具20の各々は、埋込ボックス17の後側の面および下側の面の各々に例えばビス留めによって固定される。
【0023】
取付け板21は、L字状に折り曲げられた板状の部材である。取付け板21は、一対の押さえしろ24と、取付け部25と、を有する。
【0024】
一対の押さえしろ24の一方は、一対の固定具20の一方と埋込ボックス17の下側の面との間に挟みこまれることによって固定される。一対の押さえしろ24の他方は、一対の固定具20の他方と埋込ボックス17の下側の面との間に挟みこまれることによって固定される。
【0025】
取付け部25は、インターホン13が取り付けられる部分である。取付け部25は、一対の押さえしろ24の各々に対して直角に折れ曲がる。取付け部25は、平坦な長方形状の部分である。取付け部25の左右方向の幅は、インターホン13の左右方向の幅より狭い。取付け板21は、取付け部25に取付け孔26を有する。インターホン13は、例えば掛け金具27を取付け孔26にビス留めすることによって、取付け部25の表側に取り付けられる。取付け板21は、取付け部25に貫通孔28を有する。貫通孔28は、インターホン13に接続されるケーブル14が通される部分である。取付け部25は、埋込ボックス17の下端から下方において乗場4の壁12に沿って配置される。下方は、第1方向の例である。取付け部25の裏面は、乗場4の壁12に対向する。
【0026】
一対の第1緩衝材22は、第1スペーサーの例である。一対の第1緩衝材22は、取付け部25の裏側に設けられる。一対の第1緩衝材22の各々は、例えば弾性を有するゴム部材である。一対の第1緩衝材22の各々は、鉛直方向に長い部材である。一対の第1緩衝材22の各々の乗場4の壁12に垂直な方向の厚さは、ケーブル14の直径より厚い。一対の第1緩衝材22の一方は、取付け部25の裏側の左端に沿って設けられる。一対の第1緩衝材22の他方は、取付け部25の裏側の右端に沿って設けられる。一対の第1緩衝材22の各々は、貫通孔28に対して左右の両側に設けられる。一対の第1緩衝材22の各々は、一対の押さえしろ24の側の端部に隙間29を空けて設けられる。隙間29は、例えばカバー16の下端より上方に設けられる。
【0027】
一対の第1緩衝材22の各々は、例えば両面テープによって、取付け部25の裏側および乗場4の壁12の両方に貼り付けられる。一対の第1緩衝材22の各々は、取付け部25および乗場4の壁12の間の間隔を、ケーブル14の直径より広い間隔に保つ。これにより、一対の第1緩衝材22の各々は、貫通孔28および隙間29を繋ぐ案内路30を取付け部25および乗場4の壁12の間に形成する。案内路30は、貫通孔28から隙間29を通じて埋込ボックス17の内側にケーブル14を案内する空間である。
【0028】
第2緩衝材23は、第2スペーサーの例である。第2緩衝材23は、カバー16の裏側に設けられる。第2緩衝材23は、例えば弾性を有するゴム部材である。乗場4の壁12に垂直な方向において、第2緩衝材23の厚さは、第1緩衝材22の厚さおよび取付け板21の取付け部25の厚さの和より厚い。第2緩衝材23は、カバー16の裏側において、取付け板21が設けられる下端部分に隙間29を空けてカバー16の外周に沿うように設けられる。第2緩衝材23は、例えば両面テープによって、カバー16の裏側および乗場4の壁12の両方に貼り付けられる。第2緩衝材23は、カバー16の位置を取付け板21の前面より前方に保つ。
【0029】
ケーブル14は、裏側からインターホン13に接続される。ケーブル14は、インターホン13の裏側から貫通孔28を通じて案内路30に通される。ケーブル14は、一対の第1緩衝材22の間の案内路30において、鉛直方向に貫通孔28から隙間29まで案内される。ケーブル14は、案内路30から隙間29を通じて埋込ボックス17の内側に通される。ケーブル14は、埋込ボックス17の内側からケーブル配管18の内部を通じて昇降路3に通される。ケーブル14は、昇降路3において、例えばかご7または図示されない制御盤などに接続される。
【0030】
ケーブル14は、インターホン側ケーブル32と、かご側ケーブル33と、を備える。インターホン側ケーブル32は、インターホン13に接続されるケーブルである。インターホン側ケーブル32は、端部にインターホン側コネクター34を備える。かご側ケーブル33は、かご7または図示されない制御盤などに接続されるケーブルである。かご側ケーブル33は、端部にかご側コネクター35を備える。インターホン側ケーブル32およびかご側ケーブル33は、インターホン側コネクター34およびかご側コネクター35によって接続される。
【0031】
図3は、実施の形態1に係る取付け板および一対の固定具の斜視図である。
【0032】
この例において、取付け板21は、2つの取付け孔26を有する。取付け孔26は、取付け部25の長手方向の中心線上に並んで空けられる。貫通孔28は、取付け部25の長手方向の中心線上において、2つの取付け孔26の間に空けられる。
【0033】
一対の固定具20の各々は、ビス留めの固定位置を調整可能な長穴36を有する。長穴36は、一対の固定具20の各々において折り曲げられた二面にわたる。
【0034】
続いて、
図4から
図7を用いて、取付け装置15を用いたインターホン13の取付け方法を説明する。
図4、
図6および
図7は、実施の形態1に係る取付け装置の側面図である。
図5は、実施の形態1に係る取付け板およびカバーの背面図である。
図4から
図7において、カバー16に接続されるケーブル19は図示されない。
【0035】
図4において、インターホン13が取り付けられる前の乗場操作盤11の状態が示される。
【0036】
乗場操作盤11のカバー16は、乗場4の壁12に取り付けられている。乗場操作盤11の埋込ボックス17は、カバー16より後方において乗場4の壁12に埋め込まれている。乗場操作盤11のケーブル配管18の内部の空間は、埋込ボックス17の内部および昇降路3を繋ぐ。埋込ボックス17は、一対のビス受け31を備える。一対のビス受け31の一方は、上側の内面において左右の中央に設けられる。一対のビス受け31の他方は、下側の内面において左右の中央に設けられる。カバー16は、一対のビス受け31の各々にビス留めによって固定される。
【0037】
本実施の形態に係る取付け方法は、カバー取外し工程と、インターホン取付け工程と、第1スペーサー取付け工程と、第2スペーサー取付け工程と、配線工程と、取付け板取付け工程と、カバー取付け工程と、を備える。
【0038】
カバー取外し工程において、インターホン13の取付け作業を行う作業員は、ビスを外すことによってカバー16を乗場4の壁12から取り外す。これにより、埋込ボックス17の内側が乗場4に露出する。
【0039】
図5において、取付け板21およびカバー16の裏側が示される。
【0040】
インターホン取付け工程において、作業員は、例えば次のように取付け板21の取付け部25にインターホン13を取り付ける。作業員は、インターホン13の掛け金具27を取付け孔26にビス留めする。作業員は、インターホン13に接続されているインターホン側ケーブル32を取付け部25の貫通孔28に通す。作業員は、インターホン13の本体を掛け金具27に掛ける。なお、インターホン13は、取付け孔26に直接ビス留めされてもよい。
【0041】
第1スペーサー取付け工程において、作業員は、例えば次のように一対の第1緩衝材22の各々を取付け部25の裏側に取りつける。作業員は、一対の第1緩衝材22の一方を、取付け部25の裏側の左端に沿って両面テープによって貼り付ける。作業員は、一対の第1緩衝材22の他方を、取付け部25の裏側の左端に沿って両面テープによって貼り付ける。作業員は、一対の第1緩衝材22の各々において取付け部25に貼り付けられている面の反対側の面に両面テープを貼り付ける。作業員は、インターホン13の受話器に落下防止のマグネットを貼り付けてもよい。
【0042】
作業員は、インターホン取付け工程の作業および第1スペーサー取付け工程の作業の少なくとも一方を、カバー取付け工程の作業より前に行ってもよい。作業員は、インターホン取付け工程の作業および第1スペーサー取付け工程の作業の少なくとも一方を、インターホン13を設置する乗場4の他の作業場所において行ってもよい。
【0043】
第2スペーサー取付け工程において、作業員は、例えば次のように第2緩衝材23をカバー16の裏側に取りつける。作業員は、取付け板21が設けられる下端部分に隙間29を空けてカバー16の外周に沿うように第2緩衝材23をカバー16の裏側に両面テープによって貼り付ける。作業員は、第2緩衝材23においてカバー16に貼り付けられている面の反対側の面に両面テープを貼り付ける。
【0044】
図6において、埋込ボックス17の内側が乗場4に露出している状態の乗場操作盤11が示される。
【0045】
配線工程において、作業員は、例えば次のようにケーブル14を引き回す。作業員は、貫通孔28から一対の第1緩衝材22の間を通って隙間29から抜けるように、インターホン側ケーブル32を引き回す。このとき、インターホン側ケーブル32は、テープなどによって取付け部25の裏側に固定されてもよい。作業員は、昇降路3からケーブル配管18を通じてかご側ケーブル33を埋込ボックス17の内側に引きこむ。作業員は、かご側コネクター35とインターホン側コネクター34とを接続する。作業員は、一対の押さえしろ24の間に下側のビス受け31が位置するように、取付け板21を配置する。取付け板21の取付け部25は、下方に向けて壁12に沿うように配置される。取付け部25は、裏側の第1緩衝材22によって、案内路30としての間隔をあけて配置される。このとき、一対の第1緩衝材22の各々は、両面テープによって壁12に貼り付けられる。
【0046】
図7において、取付け装置15によって乗場4の壁12に取り付けられた状態のインターホン13が示される。
【0047】
取付け板取付け工程において、作業員は、例えば次のように取付け板21を固定する。作業員は、一対の固定具20の一方を、取付け板21の一対の押さえしろ24の一方の上に重ねる。作業員は、一対の固定具20の他方を、取付け板21の一対の押さえしろ24の他方の上に重ねる。作業員は、一対の固定具20の各々の上から一対の押さえしろ24を埋込ボックス17の下側内面にビス留めする。作業員は、一対の固定具20の各々を埋込ボックス17の後側内面にビス留めする。このとき、作業員は、埋込ボックス17の内側にビス留め用の穴を空けてもよい。
【0048】
カバー取付け工程において、作業員は、カバー16をビス留めによってビス受け31に固定する。このとき、第2緩衝材23は、両面テープによって壁12に貼り付けられる。また、カバー16は、第2緩衝材23の厚さの分、壁12から間隔をあけて取り付けられる。このため、カバー取付け工程においてカバー16を固定するビスは、カバー取外し工程において取り外されたビスの長さより、第2緩衝材23の厚さに対応する長さだけ長いビスであってもよい。
【0049】
以上に説明したように、実施の形態1に係る取付け装置15は、取付け板21と、第1スペーサーと、を備える。操作表示機器は、エレベーター1の乗場4の壁12に設けられる。埋込ボックス17は、操作表示機器のカバー16より後方において乗場4の壁12に埋め込まれる。取付け板21は、埋込ボックス17の内側に取り付けられる。取付け板21は、取付け部25を有する。取付け部25は、埋込ボックス17から離れる第1方向において乗場4の壁12に沿う。貫通孔28は、取付け部25に空けられる。貫通孔28は、取付け部25に取り付けられたインターホン13に接続されるケーブル14を通す。第1スペーサーは、取付け部25および乗場4の壁12の間に設けられる。第1スペーサーは、貫通孔28から埋込ボックス17に向けてケーブル14を案内する案内路30を取付け部25および壁12の間に形成する。
【0050】
また、実施の形態1に係るインターホン13の取付け方法は、カバー取外し工程と、インターホン取付け工程と、配線工程と、取付け板取付け工程と、カバー取付け工程と、を備える。操作表示機器は、エレベーター1の乗場4の壁12に設けられている。埋込ボックス17は、カバー16より後方において乗場4の壁12に埋め込まれている。カバー取外し工程において、カバー16が乗場4の壁12から取り外されることで、埋込ボックス17の内側が乗場4に露出させられる。取付け板21の取付け部25は、インターホン13が取り付けられる部分である。インターホン取付け工程において、インターホン13は、インターホン13に接続されるケーブル14を取付け板21の取付け部25に空けられた貫通孔28に通して、取付け部25に取り付けられる。配線工程において、取付け板21は、取付け部25が埋込ボックス17から離れる第1方向において乗場4の壁12に沿うように、乗場4の壁12との間に案内路30としての間隔をあけて配置される。配線工程において、ケーブル14は、案内路30を通じて貫通孔28から乗場4に露出している埋込ボックス17の内側まで通される。取付け板取付け工程において、取付け板21は、乗場4に露出している埋込ボックス17の内側に取り付けられる。カバー取付け工程において、埋込ボックス17の内側は、カバー16が前記壁12に取り付けられることで、乗場4の方向から遮蔽される。
【0051】
取付け板21は、乗場4の壁12に埋め込まれる埋込ボックス17の内側に取り付けられる。インターホン13は、取付け板21の取付け部25に取り付けられる。取付け板21は、埋込ボックス17から離れる第1方向において乗場4の壁12に沿うように、壁12との間に案内路30としての間隔をあけて配置される。取付け板21は、インターホン13に接続されるケーブル14を通す貫通孔28を取付け部25に有する。案内路30は、ケーブル14を貫通孔28から埋込ボックス17に向けて案内する。これにより、乗場4の壁12に穴あけなどの加工を必要とすることなく、インターホン13を取り付けられる。また、ケーブル14を案内する案内路30は、インターホン13が取り付けられる取付け板21と乗場4の壁12との間に設けられる。このため、ケーブル14は、乗場4にいる利用者から隠される。したがって、乗場4の意匠性を損なわずにインターホン13が取り付けられる。また、乗場4の壁12に穴あけなどの加工を行わずにインターホン13が取り付けられるので、取り付けたインターホン13を撤去する場合にも容易に復旧できる。
【0052】
また、取付け板21は、埋込ボックス17の下部の内側に取り付けられる。取付け板21は、取付け部25が埋込ボックス17の下端から下方において乗場4の壁12に沿う。
【0053】
これにより、インターホン13は、重心より上方において支持される。このため、インターホン13は、安定に取り付けられる。
【0054】
また、取付け板21の第1方向に垂直な方向の幅は、インターホン13の第1方向に垂直な方向の幅より狭い。
【0055】
これにより、取付け板21は、インターホン13によって乗場4にいる利用者から隠される。このため、取付け板21を設けることによって乗場4の意匠性が損なわれない。
【0056】
また、第1スペーサーは、弾性を有するゴム部材である。
【0057】
これにより、乗場4の壁12に凹凸がある場合においても、第1スペーサーは、ゴム弾性により変形することで乗場4の壁12に密着できる。このため、第1スペーサーは、より安定して乗場4の壁12に取り付けられる。
【0058】
また、第1スペーサーは、取付け部25の第1方向に垂直な方向の両端において第1方向に沿って設けられる。
【0059】
これにより、案内路30は、第1スペーサーによって左右の両側から隠される。このため、第1スペーサーは、ケーブル14が露出することによる意匠性の悪化を抑制する。
【0060】
また、第1スペーサーは、取付け部25の第1方向の埋込ボックス17の側の端部にケーブル14が通る隙間29を空けて設けられる。
【0061】
これにより、取付け部25の上端においてビス受け31または押さえしろ24などの干渉物がケーブル14に干渉する場合においても、作業員は、隙間29を通すことで当該干渉物を回避してケーブル14を配線できる。
【0062】
また、第1スペーサーは、取付け部25および乗場4の壁12の両方に貼り付けられる。
【0063】
これにより、取付け部25は、第1スペーサーを介して乗場4の壁12に固定される。このため、取付け部25は、より安定に乗場4の壁12に取り付けられる。したがって、インターホン13は、より安定に乗場4の壁12に取り付けられる。
【0064】
また、取付け装置15は、第2スペーサーを備える。第2スペーサーの厚さは、乗場4の壁12に垂直な方向において第1スペーサーの厚さおよび取付け板21の厚さの和より厚い。第2スペーサーは、カバー16および乗場4の壁12との間に設けられる。
【0065】
また、実施の形態1に係る取付け方法は、カバー取付け工程より前に、第2スペーサー取付け工程を備える。第2スペーサーは、乗場4の壁12に垂直な方向における第1スペーサーの厚さおよび取付け板21の厚さの和より厚い。第2スペーサー取付け工程において、第2スペーサーは、カバー16の裏側に取り付けられる。
【0066】
取付け装置15が埋込ボックス17に取り付けられることによって、カバー16は、乗場4の壁12より前方に位置するようになる。第2スペーサーは、カバー16と乗場4の壁12との間隔を一定に保つ。これにより、取付け装置15が埋込ボックス17に取り付けられた後においても、乗場操作盤11のカバー16は、埋込ボックス17に安定して取り付けられる。
【0067】
また、第2スペーサーは、弾性を有するゴム部材である。
【0068】
これにより、乗場4の壁12に凹凸がある場合においても、第2スペーサーは、ゴム弾性により変形することで乗場4の壁12に密着できる。このため、第2スペーサーは、より安定して乗場4の壁12に取り付けられる。
【0069】
また、第2スペーサーは、取付け板21が設けられる部分に隙間29を空けてカバー16の外周に沿うように設けられる。
【0070】
これにより、カバー16の裏面は、第2スペーサーによって側方から隠される。このため、第2スペーサーは、カバー16の裏面が乗場4に露出することによる意匠性の悪化を抑制する。
【0071】
また、第2スペーサーは、カバー16および乗場4の壁12の両方に貼り付けられる。
【0072】
これにより、カバー16は、第2スペーサーを介して乗場4の壁12に固定される。このため、取付け装置15が埋込ボックス17に取り付けられた後においても、カバー16は、乗場4の壁12においてより安定に設けられる。
【0073】
また、取付け装置15は、固定具20を備える。固定具20は、取付け板21を埋込ボックス17の内側に固定する。
【0074】
これにより、乗場操作盤11の埋込ボックス17の内側の構造によらずに、取付け装置15をインターホン13の取付けに適用できる。
【0075】
また、インターホン取付け工程の作業は、カバー取外し工程の作業の前に行われる。
【0076】
これにより、作業員は、インターホン13を取り付ける乗場4である現地に行く前にインターホン取付け工程の作業を済ませられる。このため、現地における作業時間が短縮される。したがって、インターホン13の取付け作業のためにエレベーター1を利用できない時間が短くなる。
【0077】
また、実施の形態1に係る取付け方法は、配線工程より前に、第1スペーサー取付け工程を備える。第1スペーサー取付け工程において、案内路30を形成する第1スペーサーが、取付け部25の裏側に取り付けられる。
【0078】
これにより、配線工程の作業において、第1スペーサーによって案内路30が安定に形成される。このため、配線工程の作業が容易になる。また、作業員は、第1スペーサー取付け工程の作業をカバー取外し工程の作業の前に行うことができる。これにより、作業員は、現地に行く前に第1スペーサー取付け工程の作業を済ませられる。このため、現地における作業時間が短縮される。したがって、インターホン13の取付け作業のためにエレベーター1を利用できない時間が短くなる。
【0079】
なお、取付け板21の第1方向に垂直な方向の幅は、カバー16の第1方向に垂直な方向の幅に等しくてもよい。
【0080】
これにより、取付け板21とカバー16との一体感が高まる。このため、取付け装置15を設けたことによる乗場4の意匠性の悪化が抑えられる。取付け板21は、カバー16の前面の材料と同様の材料により形成されてもよい。これにより、取付け板21とカバー16との一体感がより高まる。
【0081】
また、操作表示機器は、例えば利用者の操作の受付けまたは利用者への表示を行う機器である。操作表示機器は、例えばかご7の位置を利用者に表示するインジケーターであってもよい。操作表示機器は、例えば乗場操作盤11およびインジケーターを組み合わせた機器であってもよい。
【0082】
実施の形態2.
実施の形態2では、実施の形態1で開示された例と相違する点について詳しく説明する。実施の形態2で説明しない特徴については、実施の形態1で開示された例のいずれの特徴が採用されてもよい。
【0083】
図8は、実施の形態2に係る取付け装置の側面図である。
【0084】
この例において、埋込ボックス17は、ビス受け31を備えない。埋込ボックス17は、一対のラッチ受け37を備える。一対のラッチ受け37の一方は、上側の内面において左右の中央にビス留めによって設けられる。一対のラッチ受け37の他方は、下側の内面において左右の中央にビス留めによって設けられる。
【0085】
乗場操作盤11は、一対のラッチ38を備える。一対のラッチ38の各々は、カバー16の裏面に設けられる。一対のラッチ38の一方は、上側において左右の中央に設けられる。一対のラッチ38の他方は、下側において左右の中央に設けられる。カバー16は、一対のラッチ受け37の各々に一対のラッチ38の各々がはめこまれることによって固定される。
【0086】
取付け板21の押さえしろ24は、下側のラッチ受け37と埋込ボックス17の下側の内面との間に挟みこまれることによって固定される。
【0087】
このように、取付け装置15は、固定具20を備えなくてもよい。すなわち、作業員は、例えば埋込ボックス17の既設の部品を用いて取付け板21を埋込ボックス17の内側に固定してもよい。
【0088】
なお、取付け装置15が埋込ボックス17に取り付けられることによって、カバー16は、乗場4の壁12より前方に位置するようになる。これにより、カバー16とラッチ受け37との間隔は、広くなる。このため、カバー16の裏面に設けられたラッチ38がラッチ受け37にはまらなくなる可能性がある。この場合において、作業員は、第2スペーサーの厚さに対応する厚さのライナーをカバー16とラッチ38との間に設けることによって、カバー16とラッチ受け37との間隔を調整してもよい。
【0089】
実施の形態3.
実施の形態3では、実施の形態1および実施の形態2で開示された例と相違する点について詳しく説明する。実施の形態3で説明しない特徴については、実施の形態1または実施の形態2で開示された例のいずれの特徴が採用されてもよい。
【0090】
図9は、実施の形態3に係る取付け装置の斜視図である。
【0091】
取付け装置15は、保護板39を備える。保護板39は、コの字型の板材である。保護板39は、インターホン13と取付け板21との間に設けられる。保護板39は、インターホン13を側方から覆う。
【0092】
これにより、例えば利用者が側方からぶつかった場合の衝撃などからインターホン13が保護される。
【解決手段】取付け装置15は、取付け板21を備える。取付け板21は、乗場の壁に埋め込まれる埋込ボックス17の内側に取り付けられる。インターホン13は、取付け板21の取付け部25に取り付けられる。取付け板21は、埋込ボックス17から離れる第1方向において乗場の壁に沿うように、壁との間に案内路30としての間隔をあけて配置される。取付け板21は、インターホン13に接続されるケーブル14を通す貫通孔28を取付け部25に有する。案内路30は、ケーブル14を貫通孔28から埋込ボックス17に向けて案内する。