(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。各図における同一の符号は、同一の部分または相当する部分を示す。本開示では、重複する説明については、適宜に簡略化または省略する。なお、本開示は、以下の各実施の形態で説明する構成のうち、組み合わせ可能な構成のあらゆる組み合わせを含み得るものである。
【0012】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1の除湿機の斜視図である。
図2は、実施の形態1の除湿機の正面図である。
図3は、実施の形態1の除湿機100の側面図である。
図1、
図2および
図3は、除湿機100の外観を示す図である。
【0013】
ここで、
図2における紙面上の上下方向を、除湿機100の上下方向とする。また、
図2における紙面の手前方向を、除湿機100の前方向とする。
図2における紙面の奥方向を除湿機100の後方向とする。
図2において、紙面上の左方向が除湿機100の右方向に、紙面上の右方向が除湿機100の左方向になる。
【0014】
また、
図3における紙面上の左右方向は、除湿機100の前後方向となる。
図3における紙面上の上下方向は、除湿機100の上下方向である。
図3において、紙面の手前方向が除湿機100の左方向に、紙面の奥方向が除湿機100の右方向になる。
【0015】
また、
図4は、実施の形態1の除湿機100の縦断面図である。
図4は、
図2におけるA−A位置での除湿機100の断面を示す。
図4は、除湿機100の内部の構造を模式的に示す。
図4における紙面上の上下左右方向は、
図3における紙面上の上下左右方向に対応する。
【0016】
除湿機100は、筐体1を備える。筐体1は、除湿機100の外殻となる部材である。筐体1は、例えば、自立可能な縦長の箱状に形成されている。除湿機100は、車輪2を備えてもよい。車輪2は、例えば、筐体1の底に設けられる。この車輪2によって、使用者は、除湿機100を容易に移動させることができる。
【0017】
筐体1には、吸込口3および吹出口4が形成される。吸込口3は、筐体1の内部に空気を取り込むための開口である。吸込口3は、例えば、筐体1の後面に形成される。吹出口4は、筐体1の内部から外部に向かって空気を吹き出すための開口である。吹出口4は、例えば、筐体1の前面の上部に形成される。吹出口4の形状は、例えば、筐体1の左右方向に伸びる長方形状である。
【0018】
筐体1の内部には、風路5が形成される。風路5は、吸込口3から吹出口4へ至る空間である。除湿機100は、送風手段の一例として、送風ファン6aおよびファンモータ6を備える。送風ファン6aは、風路5内に、吸込口3から吹出口4へと向かう気流を発生させるものである。送風ファン6aには、ファンモータ6が接続される。ファンモータ6は、送風ファン6aを回転させる装置である。
【0019】
送風ファン6aおよびファンモータ6は、筐体1の内部に設けられる。送風ファン6aは、風路5内に配置される。本実施の形態において風路5内には、送風ファン6aによって、吸込口3から吹出口4へ向かって空気が流れる。本実施の形態では、送風ファン6aによって、筐体1の内部から当該筐体1の外部へ空気が送り出される。ここで、風路5において、吸込口3がある側を上流側、吹出口4がある側を下流側とする。すなわち本実施の形態では、送風ファン6aによって空気が風路5内を上流側から下流側へと向かって流れる。
【0020】
除湿機100は、空気中の水分を除去する除湿手段の一例として、除湿部7を備える。除湿部7は、空気中の水分を凝縮して排出する装置である。一例として、除湿部7は、凝縮した水分を、液体の水として下方に滴下する。除湿部7は、空気中の水分の除去、すなわち空気の除湿を行う。除湿部7によって除湿された空気は、乾燥した空気となる。
【0021】
除湿部7は、例えば、ヒートポンプ回路を利用した装置である。ヒートポンプ回路を利用した除湿部7は、蒸発器によって、空気中の水分を凝縮させる。なお、除湿部7は、例えば、デシカント方式の装置であってもよい。デシカント方式の除湿部7は、空気中の水分を吸着する吸着剤、ヒーターおよび熱交換器を有する。デシカント方式の除湿部7が有する吸着剤に吸着された水分は、ヒーターによって加熱される。このヒーターによって加熱された水分は、熱交換器によって冷却されて凝縮する。
【0022】
除湿部7は、筐体1の内部に設けられる。除湿部7は、風路5内に配置される。除湿部7は、一例として、吸込口3と送風ファン6aとの間に配置される。本実施の形態の除湿部7は、送風ファン6aの上流側に配置される。本実施の形態において、吸込口3、除湿部7、送風ファン6aおよび吹出口4は、上流側から下流側へ順に配置される。
【0023】
本実施の形態の除湿機100は、除湿部7によって排出された水を貯める貯水部8を備える。貯水部8は、例えば、上部が開口した容器状の部材である。貯水部8は、筐体1の内部で、除湿部7の下方に設けられる。貯水部8は、除湿部7から滴下された水を、上部の開口から受けて貯める。この貯水部8は、筐体1に対して着脱可能に設けられる。
【0024】
また、除湿機100は、フィルター9を備えてもよい。フィルター9は、筐体1の内部に設けられる。フィルター9は、吸込口3を筐体1の内部から覆うように設けられる。フィルター9は、筐体1の内部への塵および埃の侵入を防止する。
【0025】
除湿機100は、風向変更部10を備える。
図5は、実施の形態1の風向変更部10の構成を示す断面図である。
図5は、
図3におけるB−B位置での除湿機100の断面の一部を模式的に示す。
図5における紙面上の上下左右方向は、
図2における紙面上の上下左右方向に対応する。
【0026】
風向変更部10は、吹出口4から空気が送り出される方向を決めるものである。吹出口4から空気が送り出される方向を、以下、送風方向と称する。風向変更部10が動くことにより、送風方向は変更される。送風方向は、風向変更部10の状態によって決まる。本実施の形態の風向変更部10は、風向決定手段の一例である。風向変更部10は、吹出口4の近傍に配置される。
【0027】
風向変更部10は、吹出口4から空気が送られる方向を上下方向に変更する第1変更部の一例として上下方向ルーバー11を有する。上下方向ルーバー11は、吹出口4の形状に合わせて形成される。本実施の形態の上下方向ルーバー11は、左右方向に伸びる長方形状の枠状の部材である。一例として、上下方向ルーバー11には、
図5に示すように、左右方向に伸びる板状の3枚の部材が含まれる。本実施の形態の上下方向ルーバー11は、左右方向に伸びる長方形状の開口を有する。上下方向ルーバー11は、この開口の向きが上下に変更されるように、回転可能に形成される。上下方向ルーバー11は、例えば、左右方向に伸びる軸11aを介して筐体1に取り付けられる。上下方向ルーバー11は、この軸11aを中心にして回転可能に形成される。
【0028】
風向変更部10は、上下方向ルーバー11を動かすための第1モータ12を有する。第1モータ12は、筐体1の内部に設けられる。第1モータ12は、歯車12a、歯車12bおよび歯車12cを介して、上下方向ルーバー11を回転させる。上下方向ルーバー11が回転すると、当該上下方向ルーバー11の開口の向きが上下方向に変更される。これにより、送風方向が上下方向に変更される。
【0029】
また、風向変更部10は、吹出口4から空気が送られる方向を左右方向に変更する第2変更部の一例として左右方向ルーバー13を有する。左右方向ルーバー13は、上下方向に伸びる板状の部材によって形成される。一例として、左右方向ルーバー13には、上下方向に伸びる板状の部材が6枚含まれる。この上下方向に伸びる6枚の板状の部材は、例えば、等間隔に配置される。
【0030】
左右方向ルーバー13は、枠状の上下方向ルーバー11の内側に配置される。一例として左右方向ルーバー13は、図示しない上下方向に沿った軸を介し、上下方向ルーバー11に取り付けられる。左右方向ルーバー13は、この上下方向に沿った軸を中心にして回転可能である。また、一例として上下方向ルーバー11および左右方向ルーバー13は、当該上下方向ルーバー11の左右方向の中央と当該左右方向ルーバー13全体の左右方向の中央とが一致するように、配置される。
【0031】
風向変更部10は、左右方向ルーバー13を動かすための第2モータ14を有する。第2モータ14は、筐体1の内部に設けられる。また、風向変更部10は、リンク15を有する。このリンク15は、例えば、左右方向ルーバー13の後部に接続される。リンク15は、第2モータ14に接続される。左右方向ルーバー13と第2モータ14とは、リンク15を介して接続される。
【0032】
第2モータ14が駆動すると、リンク15が動く。リンク15が動くと、左右方向ルーバー13が当該リンク15に連動して回転する。一例として左右方向ルーバー13は、左右方向ルーバー13を上下方向ルーバー11に対して取り付けている上下方向に沿った軸を中心にして、回転する。左右方向ルーバー13が回転することにより、送風方向が左右方向に変更される。
【0033】
また、リンク15は、上下方向ルーバー11と連動するように形成される。リンク15は、上下方向ルーバー11が動くと、この上下方向ルーバー11と共に動く。リンク15が動くと、このリンク15に接続された左右方向ルーバー13も動く。左右方向ルーバー13は、上下方向ルーバー11が動くと、この上下方向ルーバー11に連動するリンク15と共に動く。このようにして、左右方向ルーバー13は、上下方向ルーバー11が動く方向と同じ方向へ動く。
【0034】
また、除湿機100は、センサ部16を備える。本実施の形態においてセンサ部16は、枠状の上下方向ルーバー11の内側に配置される。一例としてセンサ部16は、上下方向ルーバー11の左右方向の中央の位置に配置される。
【0035】
図6は、実施の形態1のセンサ部16を正面から見た図である。
図7は、実施の形態1のセンサ部16の構造を示す断面図である。
図7は、
図6におけるC−C位置でのセンサ部16の断面を示す。
図6の紙面の手前方向を、センサ部16の正面方向とする。
図6の紙面上の上下方向を、センサ部16の上下方向とする。
図7において、紙面上の右方向はセンサ部16の正面方向、紙面上の左方向はセンサ部16の背面方向である。
図7の紙面上の上下方向は、センサ部16の上下方向である。
【0036】
図6および
図7に示すように、センサ部16は、センサケース17を有する。センサケース17は、センサ部16の外枠となる部材である。一例として、センサケース17は、筒状に形成される。センサケース17は、例えば、図示しない上下方向に伸びる軸によって支持される。また、センサケース17は、例えば、図示しない左右方向に伸びる軸によって支持される。センサケース17は、これらの軸を中心にして回転可能である。
【0037】
一例としてセンサケース17は、上下方向ルーバー11の左右方向の中央の位置で、リンク15に接続される。センサケース17は、リンク15を介して、左右方向ルーバー13に接続される。なお、センサケース17は、リンク15を介さず、左右方向ルーバー13に直接設けられてもよい。
【0038】
センサケース17は、当該センサケース17の正面が送風方向を向くように、設けられる。上述したように、センサケース17は、リンク15または左右方向ルーバー13に機械的に接続されている。センサケース17は、左右方向ルーバー13に連動する。センサケース17は、左右方向ルーバー13が動く方向と同じ方向へ動く。
【0039】
また、上述したように、左右方向ルーバー13は、上下方向ルーバー11と共に動く。センサケース17は、上下方向ルーバー11が動くと、この上下方向ルーバー11に連動する。センサケース17は、上下方向ルーバー11が動く方向と同じ方向へ動く。このようにして、センサケース17の正面は、送風方向が変更された場合においても、変更された後の送風方向を向く。
【0040】
本実施の形態のセンサケース17は、センサ窓17aを有する。センサ窓17aは、
図6および
図7に示すように、センサケース17の正面部分に形成される。センサ窓17aは、赤外線の透過率が高い材料によって形成される。赤外線の透過率が高い材料は、例えば、シリコンである。ここで、吹出口4から送り出された空気が当たる領域を、以下、送風領域と称することとする。センサ窓17aは、この送風領域から放射される赤外線が透過するように、配置および形成される。
【0041】
センサ部16は、表面温度検出手段の一例として表面温度検出部18を有する。表面温度検出部18は、対象物の表面温度を、非接触の状態で検出する装置である。本実施の形態において表面温度検出部18は、センサ窓17aを透過した赤外線を受けることで、当該赤外線を発した対象物の表面温度を検出する。表面温度検出部18は、送風領域の表面温度を検出する。すなわち、表面温度検出部18は、吹出口4から送り出された空気が当たっている対象物の表面温度を検出する。
【0042】
上記の表面温度検出部18の構成について、より詳しく説明する。表面温度検出部18は、センサケース17の内部に設けられる。表面温度検出部18は、センサ窓17aの背面側に配置される。一例として、表面温度検出部18には、熱起電力を利用したものが用いられる。熱起電力を利用して表面温度を検出する表面温度検出部18は、赤外線吸収膜およびサーミスタを有する。
【0043】
表面温度検出部18の赤外線吸収膜は、センサ窓17aを透過した赤外線を吸収する。赤外線吸収膜は、感熱部分を有する。赤外線吸収膜の感熱部分は、センサ窓17aを透過した赤外線を吸収することによって昇温する。赤外線吸収膜の感熱部分は、温接点となる。また、表面温度検出部18のサーミスタは、赤外線吸収膜の感熱部分ではない部分の温度を検出する。赤外線吸収膜の感熱部分ではない部分は、冷接点となる。表面温度検出部18は、上記の温接点と冷接点との温度差から、赤外線吸収膜に吸収された赤外線を発した領域の表面温度を検出する。このようにして表面温度検出部18は、送風領域の表面温度を検出する。
【0044】
吹出口4から送り出された空気が当たる領域である送風領域は、送風方向と共に変更される。センサケース17の内部に設けられた表面温度検出部18は、センサケース17と共に動く。また、上述したように、センサケース17は、上下方向ルーバー11および左右方向ルーバー13と共に動く。すなわち、表面温度検出部18は、上下方向ルーバー11および左右方向ルーバー13と共に動く。また、センサケース17の正面部分に形成されたセンサ窓17aも、上下方向ルーバー11および左右方向ルーバー13と共に動く。これにより、表面温度検出部18は、送風領域が変更された場合においても、変更された後の送風領域の表面温度を検出することができる。
【0045】
また、センサ部16は、可視光を照射する照射手段の一例として、照射部19を有する。照射部19は、光源19aおよびレンズ19bを有する。レンズ19bは、センサケース17の正面部分に設けられる。一例として、レンズ19bは、センサ窓17aよりも下方に配置される。光源19aは、センサケース17の内部に設けられる。光源19aは、レンズ19bの背面側に設けられる。
【0046】
光源19aは、可視光を発するものである。光源19aは、例えば、LEDである。なお、光源19aは、レーザーダイオードでもよい。本実施の形態において光源19aは、正面方向に可視光を発する。一例として光源19aは、1000mcd以上の光度の可視光を発する。また、一例として光源19aは、緑色の可視光を発する。なお、光源19aが発する可視光の色は、緑色に限られない。光源19aが発する可視光の色は、橙色等であってもよい。
【0047】
レンズ19bは、光源19aが発した可視光を集光するためのものである。レンズ19bは、例えば、アクリル樹脂で形成された平凸レンズである。レンズ19bの材質は、例えば、ポリカーボネイト樹脂またはガラスでもよい。また、レンズ19bは、フレネルレンズでもよい。
【0048】
センサケース17のうちの光源19aとレンズ19bとの間の部分は、一例として、光源19aによって発せられる可視光が透過する材料で形成される。なお、センサケース17のうち、光源19aとレンズ19bとの間の部位には、開口が形成されていてもよい。本実施の形態において光源19aが正面方向に発した可視光は、レンズ19bへ到達する。
【0049】
光源19aが発した可視光は、レンズ19bを通過することで集光される。レンズ19bによって集光された可視光は、容易に視認可能な状態となる。レンズ19bによって集光された可視光は、センサケース17および筐体1の外部へ向かって照射される。光源19aおよびレンズ19bは、レンズ19bによって集光された可視光がセンサケース17の正面方向に照射されるように設けられる。
【0050】
上述したように、センサケース17の正面は、送風方向を向く。レンズ19bによって集光された可視光は、送風方向へ照射される。また、光源19aおよびレンズ19bは、センサケース17に設けられる。光源19aおよびレンズ19bは、センサケース17と共に動く。上述したように、センサケース17は、上下方向ルーバー11および左右方向ルーバー13と共に動く。すなわち、光源19aおよびレンズ19bは、上下方向ルーバー11および左右方向ルーバー13と共に動く。このため、レンズ19bによって集光された可視光は、送風方向が変更された場合においても、変更された後の送風方向へ照射される。使用者は、容易に視認可能な状態となった可視光を見ることで、送風方向を確認することができる。
【0051】
ここで、レンズ19bによって集光された可視光が照射される領域を、照射領域30とする。換言すると、照射領域30とは、容易に視認可能な状態となった可視光によって照らされている領域である。
【0052】
光源19aおよびレンズ19bは、照射領域30の少なくとも一部が送風領域に含まれるように配置および形成される。使用者は、可視光によって照らされている照射領域30を見ることで、送風領域を確認することができる。また、一例として、光源19aおよびレンズ19bは、照射領域30の全体が送風領域に含まれるように配置および形成されてもよい。一例として、光源19aおよびレンズ19bは、筐体1から1m離れた位置での照射領域30が直径60mmの円となるように、配置および形成される。なお、照射領域30の大きさおよび形状は、本実施の形態に限定されない。照射領域30の形状は、例えば、長方形等であってもよい。
【0053】
上述したように、本実施の形態の表面温度検出部18は、送風領域の表面温度を検出する。表面温度検出部18は、照射領域30に含まれる対象物の表面温度を検出してもよい。すなわち、表面温度検出部18は、可視光によって照らされている対象物の表面温度を検出してもよい。例えば、センサ窓17aは、照射領域30から放射される赤外線が透過するように、配置および形成されてもよい。一例として表面温度検出部18は、照射領域30全域の表面温度を検出する。
【0054】
また、本実施の形態の除湿機100は、制御装置20および操作部21を備える。制御装置20は、除湿機100に備えられる各機器に接続される。制御装置20は、除湿機100に備えられる各機器を制御するものである。制御装置20は、例えば、筐体1の内部に設けられる。
【0055】
操作部21は、使用者が除湿機100を操作するためのものである。操作部21は、例えば、筐体1の上面の後面側に設けられる。一例として操作部21は、運転ボタン21a、モード選択ボタン21b、設定ボタン21cおよび操作キー21dを有する。
【0056】
運転ボタン21aは、除湿機100の運転を開始および停止させるためのものである。モード選択ボタン21bは、除湿機100の運転モードを選択するためのものである。制御装置20と操作部21とは、電気的に接続される。操作部21の運転ボタン21aおよびモード選択ボタン21bは、使用者からの操作に応じた信号を、制御装置20へ送信する。また、設定ボタン21cは、除湿機100の設定を行うためのものである。設定ボタン21cは、使用者からの操作に応じた信号を、制御装置20へ送信する。
【0057】
操作キー21dは、操作指示を送信する操作手段の一例である。操作キー21dは、風向変更部10を動かすためのものである。操作キー21dは、例えば、十字キーである。操作キー21dは、使用者からの操作に応じた信号を、制御装置20へ送信する。以下、操作キー21dが制御装置20へ送信する信号を、操作指示とも称する。制御装置20は、操作指示を受信すると、受信した操作指示に基づいて動作する。なお、操作キー21dは、十字キー以外のものでもよい。
【0058】
図8は、実施の形態1の制御装置20の機能を示すブロック図である。上述したように、制御装置20は、操作部21に電気的に接続される。また、本実施の形態の制御装置20は、
図8に示すように、ファンモータ6、除湿部7、第1モータ12、第2モータ14および照射部19に電気的に接続される。操作部21は、使用者からの操作に応じた信号を、制御装置20へ送信する。制御装置20は、操作部21から信号を受信すると、受信した信号に基づいて、ファンモータ6、除湿部7、第1モータ12、第2モータ14および照射部19を制御する。
【0059】
また、制御装置20は、
図8に示すように、表面温度検出部18に電気的に接続される。表面温度検出部18は、検出した表面温度の情報を、電圧等の電気信号に変換する。表面温度検出部18は、変換した電気信号を、制御装置20へ送信する。制御装置20は、表面温度検出部18からの電気信号に基づいて、ファンモータ6、除湿部7、第1モータ12、第2モータ14および照射部19を制御する。
【0060】
図8に示すように、本実施の形態の制御装置20は、動作制御部20a、記憶部20b、温度判定部20c、設定部20dおよび照射制御部20eを有する。
【0061】
動作制御部20aは、操作キー21dからの操作指示に基づいて、第1モータ12および第2モータ14を制御する。上述したように、第1モータ12および第2モータ14が動くと、送風方向が変更される。本実施の形態の動作制御部20aは、吹出口4から空気が送り出される方向を制御するための風向制御手段の一例である。
【0062】
記憶部20bは、記憶手段の一例である。記憶部20bには、例えば、予め複数の運転モードが設定されている。例えば、動作制御部20aは、モード選択ボタン21bからの信号に基づいて、記憶部20bに設定された複数の運転モードの中から1つの運転モードの処理を実行する。動作制御部20aは、モード選択ボタン21bからの信号に基づいて、ファンモータ6、除湿部7、第1モータ12、第2モータ14および照射部19を制御する。
【0063】
一例として、記憶部20bに設定されている複数の運転モードには、第1モードが含まれる。第1モードは、乾燥した空気を狭い範囲に集中的に供給する運転モードである。第1モードが選択された状態で除湿機100が動作すると、風向変更部10はスイングせずに固定される。これにより、例えば、少量の靴または少量の衣服31等の対象物に対して集中的に乾燥した空気が当てられる。
【0064】
また、記憶部20bに設定されている複数の運転モードには、一例として、第2モードが含まれる。第2モードは、結露の発生を抑制するためのモードである。第2モードが選択された状態で除湿機100が動作すると、表面温度検出部18によって室内の低温の場所が検出され、この低温の場所に向けて乾燥した空気が送られる。これにより、室内の低温の場所の温度が上昇して乾燥する。このようにして、結露の発生が抑制される。
【0065】
温度判定部20cは、表面温度検出部18から送信された電気信号に基づいて判定を行う。温度判定部20cは、各種の判定を行う判定手段の一例である。本実施の形態において記憶部20bには、表面温度の基準値の情報が記憶される。温度判定部20cは、表面温度検出部18からの電気信号に含まれる温度情報と記憶部20bに記憶された基準値の情報とに基づいて、表面温度の判定を行う。
【0066】
記憶部20bには、表面温度の基準値の情報がテーブルとして記憶されている。
図9は、実施の形態1の記憶部20bに記憶される表面温度の基準値の情報を模式的に示す図である。記憶部20bには、表面温度の基準値の一例である第1温度Th1および第2温度Th2の情報が記憶される。
【0067】
第1温度Th1および第2温度Th2は、筐体1に対して送風方向に人がいるか否かを判定するための基準値である。第1温度Th1および第2温度Th2は、人の体温または肌の表面温度に基づいて設定される。第1温度Th1は、例えば、35℃である。第2温度Th2は、例えば37℃である。なお、第1温度Th1および第2温度Th2は、人の着ている衣類等を考慮して、人の体温よりも低い温度として設定されてもよい。
【0068】
ここで、下限値である第1温度Th1から上限値である第2温度Th2までの温度範囲を、第1基準Tr1とする。本実施の形態において温度判定部20cは、表面温度検出部18によって検出された表面温度が第1基準Tr1内であるか判定する。この判定は、筐体1に対して送風方向に人がいるか否かの判定である。本実施の形態の除湿機100は、表面温度検出部18によって検出された表面温度が第1基準Tr1内である場合には、可視光の照射を停止する。第1基準Tr1は、人の有無を判定するための基準温度範囲の一例である。
【0069】
また、記憶部20bには、表面温度の基準値の一例である第3温度Th3の情報が記憶されてもよい。第3温度Th3は、洗濯物等の対象物が乾燥したかどうかを判定するための温度として設定される。水分を含んだ洗濯物等の対象物の温度は、周囲の気温よりも低くなる。一例として、乾燥が完了した対象物の温度は、周囲の気温以上になる。第3温度Th3は、一例として、気温に基づいて設定される。第3温度Th3は、例えば、20℃である。ここで、第3温度Th3を下限値とする温度範囲を、第2基準Tr2とする。
図9に示すように、第1基準Tr1と第2基準Tr2とは、重複していてもよい。一例として、温度判定部20cは、表面温度検出部18によって検出された表面温度が第2基準Tr2内であるか判定する。この判定は、対象物の乾燥が完了したか否かの判定である。
【0070】
設定部20dは、設定ボタン21cからの信号に応じて、記憶部20bに設定方向を設定する。設定ボタン21cは、照射部19によって可視光が照射されている時に押されると、設定部20dへ信号を送信する。設定部20dは、設定ボタン21cから信号を受信すると、その時点で照射部19によって可視光が照射されている方向を、設定方向として記憶部20bに設定する。本実施の形態における設定ボタン21cおよび設定部20dは、設定方向を設定するための設定手段の一例である。
【0071】
照射制御部20eは、照射部19を制御する。本実施の形態において、照射制御部20eは、照射部19の光源19aを制御する。照射制御部20eは、照射制御手段の一例である。照射制御部20eは、温度判定部20cの判定結果に基づいて光源19aを制御する。
【0072】
図10は、実施の形態1の制御装置20の構成の一例を示す図である。本実施の形態における制御装置20の動作制御部20a、記憶部20b、温度判定部20c、設定部20dおよび照射制御部20eの各機能は、例えば、処理回路により実現される。処理回路は、専用ハードウェア200であってもよい。処理回路は、プロセッサ201およびメモリ202を備えていてもよい。処理回路の一部が専用ハードウェア200として形成され、且つ、当該処理回路は更にプロセッサ201およびメモリ202を備えていてもよい。
図10に示す例において、処理回路の一部は専用ハードウェア200として形成されている。また、
図10に示す例において、処理回路は、専用ハードウェア200に加えてプロセッサ201およびメモリ202を更に備えている。
【0073】
一部が少なくとも1つの専用ハードウェア200である処理回路には、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらを組み合わせたものが該当する。
【0074】
処理回路が少なくとも1つのプロセッサ201および少なくとも1つのメモリ202を備える場合、制御装置20の動作制御部20a、記憶部20b、温度判定部20c、設定部20dおよび照射制御部20eの各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。
【0075】
ソフトウェアおよびファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ202に格納される。プロセッサ201は、メモリ202に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。プロセッサ201は、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータあるいはDSPともいう。メモリ202には、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリー、EPROMおよびEEPROM等の不揮発性または揮発性の半導体メモリ、または磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスクおよびDVD等が該当する。
【0076】
このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、制御装置20の動作制御部20a、記憶部20b、温度判定部20c、設定部20dおよび照射制御部20eの各機能を実現することができる。なお、除湿機100の構成は、単一の制御装置20により動作が制御される構成に限定されるものではない。除湿機100は、複数の装置が連携することにより動作が制御されるように構成されてもよい。
【0077】
次に、本実施の形態の除湿機100の動作について説明する。
図11は、実施の形態1の動作時の除湿機100を示す図である。
図12は、実施の形態1の照射部19の制御を示すフローチャートである。
図12のフローチャートを参照して、表面温度検出部18によって検出される表面温度に基づく照射部19の制御を説明する。
【0078】
除湿機100は、例えば、リビング等の室内で使用される。除湿機100は、使用者によって運転ボタン21aが押されることによって、運転を開始する。使用者によって押された運転ボタン21aは、動作制御部20aへ信号を送信する。動作制御部20aは、運転ボタン21aから信号を受信すると、ファンモータ6および除湿部7を駆動させる。
【0079】
ファンモータ6が駆動すると、送風ファン6aが回転する。送風ファン6aは、気流を発生させる。送風ファン6aによって、
図4に示すように、室内空気Pが吸込口3から筐体1の内部へ取り込まれる。室内空気Pは、除湿部7によって除湿されて、乾燥空気Qとなる。乾燥空気Qは、送風ファン6aによって、吹出口4から室内へ送り出される。上記のようにして、除湿機100は運転を開始する(ステップS101)。
【0080】
動作制御部20aは、ファンモータ6および除湿部7を駆動させると、照射部19の光源19aに可視光を発させる。光源19aが発した可視光は、レンズ19bによって集光される。レンズ19bによって集光された可視光は、乾燥空気Qの送風方向へ照射される(ステップS102)。なお、上記のステップS101の処理とステップS102の処理とは、同時または逆の順序で実行されてもよい。
【0081】
乾燥空気Qの送風方向は、風向変更部10の状態によって決まる。照射部19は、この送風方向へ向けて可視光を照射する。
図11に示すように、乾燥空気Qの送風方向へ照射された可視光は、照射領域30を照らす。使用者は、照射領域30を見ながら操作キー21dを操作する。操作キー21dは、使用者からの操作に基づいた操作指示を、動作制御部20aへ送信する。
【0082】
動作制御部20aは、受信した操作指示に基づいて、第1モータ12および第2モータ14を制御する。これにより、上下方向ルーバー11および左右方向ルーバー13が動く。上下方向ルーバー11および左右方向ルーバー13が動くことにより、送風方向が変更される。また、上下方向ルーバー11および左右方向ルーバー13が動くと、センサ部16も共に動く。センサ部16のセンサケース17に設けられた照射部19も共に動く。照射部19は、変更された送風方向へ可視光を照射するように動く。照射領域30は、送風方向の変更に合わせて動く(ステップS103)。
【0083】
本実施の形態の除湿機100の使用者は、可視光によって照らされた照射領域30を見ることで、乾燥空気Qが当たる送風領域を視認することができる。使用者は、照射領域30を見ながら、例えば
図11に示すように、予め設置しておいた衣服31が可視光で照らされるように操作キー21dを操作する。これにより、衣服31に乾燥空気Qが集中的に当たる。本実施の形態の除湿機100の使用者は、照射領域30を見ることによって、乾燥空気Qの送風方向を容易に認識することができる。
【0084】
使用者は、操作キー21dによって乾燥空気Qの送風方向を任意の方向へ容易に変更することができる。使用者は、乾かしたい衣服31に向けて照射領域30を動かすことによって、当該衣服31に乾燥空気Qを集中的に当てることができる。使用者は、除湿機100の位置に合わせて予め干しておいた衣服31を動かすことなく、当該衣服31を乾燥空気Qによって乾燥させることができる。本実施の形態によれば、乾燥空気Qの送風方向をより容易に認識することができ、かつ乾燥空気Qの送風方向を任意の方向へより容易に変更することができる除湿機100が得られる。
【0085】
また、本実施の形態の表面温度検出部18は、除湿機100が運転している際、送風領域の表面温度を検出する。表面温度検出部18は、検出した表面温度の情報が含まれる電気信号を制御装置20へ送る。制御装置20の温度判定部20cは、表面温度検出部18からの電気信号に含まれる温度情報と記憶部20bに記憶された基準値の情報とに基づいて、表面温度の判定を行う。上述したように、本実施の形態の温度判定部20cは、表面温度検出部18によって検出された表面温度が第1基準Tr1内であるか判定する。この判定は、筐体1に対して送風方向に人がいるか否かの判定である(ステップS104)。
【0086】
例えば、筐体1に対して送風方向に人がいない場合、表面温度検出部18によって検出される表面温度は、第1基準Tr1外になる。表面温度検出部18によって検出された表面温度が第1基準Tr1外であると温度判定部20cによって判定されると、ステップS102以降の処理が、再び実行される。表面温度検出部18によって検出された表面温度が第1基準Tr1外であると温度判定部20cによって判定すると、照射制御部20eは光源19aに発光を継続させる。これにより、照射部19による可視光の照射が継続する。
【0087】
また、例えば、筐体1に対して送風方向に人がいる場合、表面温度検出部18によって検出される表面温度は、第1基準Tr1内になる。表面温度検出部18によって検出された表面温度が第1基準Tr1内であると温度判定部20cによって判定されると、照射制御部20eは光源19aに発光を止めさせる。これにより、照射部19による可視光の照射が停止する(ステップS105)。
【0088】
ステップS105で照射部19による可視光の照射が停止すると、再びステップS104の判定が行われる。照射部19からの可視光の照射が停止している状態で表面温度検出部18によって検出される表面温度が第1基準Tr1外になると、照射制御部20eは光源19aに発光を再開させる。これにより、照射部19による可視光の照射が再開する。照射部19による可視光の照射が再開した後に再びステップS104の判定が行われる。照射部19による可視光の照射が再開している状態で表面温度検出部18によって検出される表面温度が第1基準Tr1内になると、ステップS105の処理が再び実行され、照射部19による可視光の照射が停止する。
【0089】
次に、本実施の形態の除湿機100の第1モードの動作について説明する。
図13は、実施の形態1の除湿機100の第1モードの動作を示すフローチャートである。
図13のステップS201は、
図12のステップS101に対応する。除湿機100は、使用者によって運転ボタン21aが操作されることで、運転を開始する(ステップS201)。
【0090】
使用者は、運転ボタン21aによって除湿機100の運転を開始させた後、モード選択ボタン21bを操作してもよい。使用者は、モード選択ボタン21bを操作して、運転モードを選択する(ステップS202)。
【0091】
以下、使用者が第1モードを選択したことを前提に、この第1モードでの除湿機100の動作を説明する。動作制御部20aは、モード選択ボタン21bからの信号に基づいて、記憶部20bに設定された第1モードの処理を実行する。動作制御部20aは、照射部19に可視光を照射させる(ステップS203)。このステップS203は、
図12のステップS102に対応する。
【0092】
図13に示す例において照射部19は、第1モードの処理が実行されると可視光を照射する。なお、照射部19は、除湿機100の運転が開始すると同時に可視光の照射を開始してもよい。また、照射部19は、設定ボタン21cが押されたと同時、または、設定ボタン21cが押されてから一定時間経過後に、可視光の照射を開始してもよい。
【0093】
使用者は、操作キー21dを操作して、送風方向および照射領域30を変更させる(ステップS204)。このステップS204は、
図12のステップS103に対応する。ここで、第1モードを選択した使用者は、例えば衣服31が可視光によって照らされている状態で設定ボタン21cを押す。使用者によって押された設定ボタン21cは、設定部20dへ信号を送信する。設定部20dは、設定ボタン21cから信号を受信すると、照射部19によって可視光が照射されている方向を設定方向として記憶部20bに設定する。設定方向が記憶部20bに設定されると、動作制御部20aは、送風方向がこの設定方向へ固定されるように第1モータ12および第2モータ14を制御する(ステップS205)。
【0094】
送風方向が設定方向へ固定されると、乾燥空気Qは、設定方向へ吹き出され続ける。表面温度検出部18は、乾燥空気Qが当たっている衣服31の表面温度を検出する。表面温度検出部18は、検出した表面温度の情報が含まれる電気信号を制御装置20へ送る。制御装置20の温度判定部20cは、表面温度検出部18からの電気信号に含まれる温度情報と記憶部20bに記憶された基準値の情報とに基づいて、表面温度の判定を行う。温度判定部20cは、表面温度検出部18によって検出された表面温度が第2基準Tr2内であるか判定する。この判定は、対象物の乾燥が完了したか否かの判定である(ステップS206)。
【0095】
上述したように、送風方向が設定方向へ固定されると、乾燥空気Qは、設定方向へ吹き出され続ける。温度判定部20cは、乾燥空気Qが当たっている衣服31の表面温度が第2基準Tr2内になるまで、ステップS206の判定を継続する。乾燥空気Qは、衣服31の表面温度が第2基準Tr2内になるまで衣服31に当たり続ける。表面温度検出部18によって検出された表面温度が第2基準Tr2内になると、動作制御部20aは、ファンモータ6、除湿部7および照射部19を停止させる。これにより、除湿機100の運転が終了する(ステップ207)。
【0096】
図13のフローチャートに示す処理は、
図12のフローチャートに示す処理と並行して実施される。第1モードが選択されている場合においても、照射部19は、表面温度検出部18によって検出される表面温度が第1基準Tr1内であるときには、可視光の照射を停止する。
【0097】
本実施の形態の除湿機100の使用者は、設定ボタン21cを操作することにより、任意の方向に乾燥空気Qを集中的に送ることができる。乾燥空気Qは、特定の衣服31へ向かって無駄なく確実に送られる。これにより、乾燥させる必要のない物への送風による無駄な電気代が削減される。また、本実施の形態の除湿機100は、対象物の乾燥が完了すると、自動的に運転を終了する。これにより、無駄な電気代がより削減される。
【0098】
なお、上記のステップS206において表面温度検出部18によって検出された表面温度が第2基準Tr2内になった場合には、ステップS202の処理が再び行われてもよい。また、ステップS206の判定は行われなくてもよい。例えば、除湿機100は、ステップS205の処理が行われた一定時間経過後に運転を終了してもよい。
【0099】
次に、本実施の形態の除湿機100の第2モードの動作について説明する。
図13は、実施の形態1の除湿機100の第2モードの動作を示すフローチャートである。
図14のステップS301は、
図13のステップS201に対応する。
図14のステップS302は、
図13のステップS202に対応する。ステップS301およびステップS302の説明を省略する。
【0100】
以下、ステップS302において使用者が第2モードを選択したことを前提に、この第2モードでの除湿機100の動作を説明する。動作制御部20aは、モード選択ボタン21bからの信号に基づいて、記憶部20bに設定された第2モードの処理を実行する。動作制御部20aは、照射部19に可視光を照射させる(ステップ303)。このステップS303は、
図13のステップS203に対応する。使用者は、操作キー21dを操作して、送風方向および照射領域30を変更させる(ステップS304)。このステップS304は、
図13のステップS204に対応する。
【0101】
第2モードの処理が実行されている際、表面温度検出部18は、送風領域に限らず、当該表面温度検出部18が検知することが可能な範囲の表面温度を検出する。動作制御部20aは、表面温度検出部18が検出した表面温度に基づいて、室内のうちの低温の場所に乾燥空気Qが当たるように第1モータ12および第2モータ14を制御する(ステップS305)。低温の場所とは、例えば、表面温度が予め設定された閾値以下の場所である。この閾値は、記憶部20bに設定される。
【0102】
表面温度検出部18は、乾燥空気Qが当たっている低温の場所の表面温度を検出する。表面温度検出部18は、検出した表面温度の情報が含まれる電気信号を制御装置20へ送る。制御装置20の温度判定部20cは、表面温度検出部18からの電気信号に含まれる温度情報と記憶部20bに記憶された基準値の情報とに基づいて、表面温度の判定を行う。温度判定部20cは、表面温度検出部18によって検出された表面温度が第2基準Tr2内であるか判定する。この判定は、乾燥空気Qが当たっている低温の場所の温度が、周囲と同程度になったかの判定である(ステップS306)。
【0103】
温度判定部20cは、乾燥空気Qが当たっている場所の表面温度が第2基準Tr2内
になるまで、ステップS306の判定を継続する。表面温度検出部18によって検出された表面温度が第2基準Tr2内になると、動作制御部20aは、ファンモータ6、除湿部7および照射部19を停止させる。これにより、除湿機100の運転が終了する(ステップ307)。これにより、室内の低温であった部分がなくなり、結露の発生が抑制される。
【0104】
なお、上記のステップS307において表面温度検出部18によって検出された表面温度が第2基準Tr2内になった場合には、ステップS305の処理が再び行われてもよい。第2モードが選択された場合において除湿機100は、室内の複数の低温の場所の全てがなくなるように動作してもよい。
【0105】
図14のフローチャートに示す処理は、
図12のフローチャートに示す処理と並行して実施される。第2モードが選択されている場合においても、照射部19は、表面温度検出部18によって検出される表面温度が第1基準Tr1内であるときには、可視光の照射を停止する。
【0106】
上記の実施の形態の除湿機100は、筐体1に対して送風方向に人がいる場合、可視光の照射を停止する。これにより、照射部19から照射された可視光が使用者の目に直接入ることがない。上記の実施の形態によれば、使用者にとってより使い勝手のよい除湿機100を得ることができる。
【0107】
なお、上記の実施の形態における表面温度検出部18および温度判定部20cは、人を検出する人検出手段の一例である。除湿機100は、人検出手段として、例えば、焦電素子を用いたセンサを備えていてもよい。また、除湿機100は、人検出手段として、超音波によって人を検出するセンサまたは可視光によって人を検出するセンサを備えていてもよい。除湿機100は、人を検出する複数種類のセンサを備えていてもよい。また、除湿機100は、人を検出する特定の種類のセンサを複数備えていてもよい。人検出手段は、複数のセンサによって構成されることで、例えば気温等の環境の影響を受けること無く高精度で人を検出することができる。また、人を検出する複数のセンサの少なくとも1つは、例えば、筐体1の右側面に設けられてもよい。また、人を検出する複数のセンサの少なくとも1つは、例えば、筐体1の左側面に設けられてもよい。人を検出する複数のセンサが分散して配置されることで、当該複数のセンサによって人の存在を検知することができる範囲がより広くなる。
【0108】
上記の実施の形態において、人の存在の有無は、表面温度検出部18が検出する表面温度に基づいて判定される。これにより、精度良く人の存在の有無が判定される。また、人を検出するためのこの表面温度検出部18により、衣服31等の対象物
の乾燥が完了したかが判定可能になる。上記の実施の形態であれば、無駄な構成部品を追加することなく、より使い勝手のよい除湿機100が得られる。また、上記の実施の形態において、人の存在の有無は、基準温度範囲の一例である第1基準Tr1に基づいて判定される。これにより、より精度良く人の存在の有無が判定される。
【0109】
なお、記憶部20bには、例えば、第2温度Th2の情報が設定されていなくてもよい。第1基準Tr1の上限値は、設定されていなくてもよい。温度判定部20cは、例えば、表面温度検出部18によって検出された表面温度が第1温度Th1以上であるかの判定をしてもよい。この判定は、筐体1に対して送風方向に人がいるか否かの判定である。例えば、筐体1に対して送風方向に人がいない場合、表面温度検出部18によって検出された表面温度は第1温度Th1未満になる。また、例えば、筐体1に対して送風方向に人がいる場合、表面温度検出部18によって検出された表面温度は第1温度Th1以上になる。このように、記憶部20bには、第1温度Th1と第2温度Th2とのうちの一方の情報が設定されていなくてもよい。
【0110】
また、第1温度Th1、第2温度Th2および第3温度Th3等の基準値は、固定値として設定されなくてもよい。第1温度Th1、第2温度Th2および第3温度Th3等の基準値は、例えば、室内の気温等に基づいて制御装置20によって算出されてもよい。除湿機100は、室内気温を測定するためのセンサ等を備えていてもよい。室内の気温は、表面温度検出部18によって測定されてもよい。
【0111】
上記の実施の形態において照射部19は、表面温度検出部18と一緒にセンサケース17に設けられている。照射部19は、表面温度検出部18から離れた場所に設けられていてもよい。また、除湿機100は、照射部19と風向変更部10とが独立して動作可能な構成であってもよい。除湿機100は、風向変更部10を動かすための第1モータ12および第2モータ14に加えて、照射部19を風向変更部10に対して独立して動かすための部品を備えていてもよい。また、制御装置20は、風向変更部10の動きに合わせて、この風向変更部10から離れた位置に設けられた照射部19を動かしてもよい。
【0112】
風向決定手段の一例である風向変更部10は、上下方向ルーバー11および左右方向ルーバー13を有していなくてもよい。風向変更部10は、上記の実施の形態以外にも、例えば上下左右方向へ動くことができるノズル状の構造であってもよい。
【0113】
上記の実施の形態において、操作部21の操作キー21dは、筐体1に設けられる。使用者は、筐体1上の操作キー21dを操作するという容易な動作によって、乾燥空気Qの送風方向を変更することができる。なお、除湿機100は、操作部21の代わりに、操作キー21dを有するリモートコントローラーを備えていてもよい。これにより使用者は、筐体1から離れた位置で、除湿機100を操作できる。また、除湿機100は、操作部21とリモートコントローラーとの両方を備えていてもよい。
【0114】
上記の実施の形態においては衣服31を乾燥させる動作を一例として示したが、乾燥空気Qが吹き出される対象は衣服31に限られない。除湿機100は、浴室の壁および床等の、屋内の濡れた場所を乾燥する際にも使用できる。
【0115】
実施の形態2.
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態2の除湿機100の構成は、実施の形態1と同様に、
図1から
図10によって示される。実施の形態1と同様の構成および動作については、説明を省略する。
【0116】
図15は、実施の形態2の照射部19の制御を示すフローチャートである。
図15のフローチャートにおけるステップS401からステップS404は、実施の形態1の
図12のフローチャートにおけるステップS101からステップS104と同様である。ステップS401からステップS404までの説明を、省略する。
【0117】
ステップS404では、実施の形態1のステップS104と同様に、筐体1に対して送風方向に人がいるか否かの判定が行われる。温度判定部20cは、ステップS404で、表面温度検出部18によって検出された表面温度が第1基準Tr1内であるか判定する。
【0118】
例えば、筐体1に対して送風方向に人がいない場合、表面温度検出部18によって検出される表面温度は、第1基準Tr1外になる。表面温度検出部18によって検出された表面温度が第1基準Tr1外であると温度判定部20cによって判定されると、ステップ402以降の処理が、再び実行される。表面温度検出部18によって検出された表面温度が第1基準Tr1外であると温度判定部20cによって判定すると、照射制御部20eは光源19aに発光を継続させる。これにより、照射部19による可視光の照射が継続する。
【0119】
また、例えば、筐体1に対して送風方向に人がいる場合、表面温度検出部18によって検出される表面温度は、第1基準Tr1内になる。表面温度検出部18によって検出された表面温度が第1基準Tr1内であると温度判定部20cによって判定されると、照射制御部20eは光源19aに、発している可視光の光度を低くさせる。これにより、照射部19によって照射される可視光の光度が低下する(ステップS405)。本実施の形態であれば、強い可視光が使用者に向けて照射されない。例えば、使用者が照射部19の正面を見た際の眩しさが低減される。また、人の目に入射する可視光の量が少なくなる。本実施の形態によれば、実施の形態1と同様に、使い勝手のよい除湿機100が得られる。なお、本実施の形態の
図15に示すフローチャートの処理は、実施の形態1と同様に、第1モードの処理または第2モードの処理と並行して実行されてもよい。
【0120】
実施の形態3.
次に、実施の形態3について説明する。実施の形態3の除湿機101の基本的な構成は、実施の形態1および実施の形態2の除湿機100と同様である。除湿機101について、実施の形態1および実施の形態2の除湿機100と同様の構成および動作の説明を省略する。
【0121】
図16は、実施の形態3の除湿機101の斜視図である。また、
図17は、実施の形態3の制御装置23の機能を示すブロック図である。本実施の形態の除湿機101は、発音装置の一例であるブザー22を備える。ブザー22は、例えば、筐体1の上面に設けられる。なお、ブザー22の配置は、本実施の形態に限定されるものではない。また、発音装置の一例であるブザー22は、
図17に示すように、除湿機101の制御装置23に電気的に接続される。ブザー22は、例えば、制御装置23の動作制御部20aによって制御される。なお、本実施の形態の制御装置23の機能は、実施の形態1の制御装置20と同様に、処理回路によって実現される。
【0122】
図18は、実施の形態3の照射部の制御を示すフローチャートである。
図18のフローチャートにおけるステップS501からステップS505は、実施の形態1の
図12のフローチャートにおけるステップS101からステップS105と同様である。ステップS501からステップS505までの説明を、省略する。
【0123】
本実施の形態では、ステップS505で照射部19による可視光の照射が停止すると、上記のブザー22が音を発する。ブザー22は、当該ブザー22に電気的に接続された制御装置23によって動作させられる。除湿機101は、当該除湿機101が備えるブザー22により、使用者が可視光を直視してしまう可能性を当該使用者へ報知することができる。本実施の形態であれば、使用者が強い可視光を直視してしまう可能性が、より少なくなる。本実施の形態によれば、使用者にとってより使い勝手がよい除湿機101が得られる。なお、除湿機101が備える発音装置は、音を発することができればよく、ブザー22に限定されるものではない。