【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、式(I)化合物のメシル酸塩を提供する。
【0007】
【化2】
【0008】
本発明は、式(I)化合物のメシル酸塩の製造方法を提供する。
【0009】
本発明は、更に、溶剤中で式(I)化合物をメシル酸に直接反応させて式(I)化合物のメシル酸塩を得る、式(I)化合物のメシル酸塩の製造方法を提供する。
【0010】
本発明は、式(I)化合物のメシル酸塩と、薬学的に許容可能な担体とを含む薬物組成物を提供する。
【0011】
本発明は、更に、式(I)化合物のメシル酸塩と、薬学的に許容可能な担体、賦形剤又は希釈剤とを含む薬物組成物を提供する。
【0012】
本発明は、抗腫瘍薬物として用いられる式(I)化合物のメシル酸塩を提供する。
【0013】
本発明は、更に、式(I)化合物のメシル酸塩の、EGFRの活性型又は薬剤耐性型突然変異体に起因する哺乳動物、特にヒトの疾病、とりわけ癌治療の薬物の製造における使用を提供する。
【0014】
本発明は、更に、式(I)化合物のメシル酸塩の、癌治療の薬物の製造における使用を提供する。
【0015】
本発明は、更に、式(I)化合物のメシル酸塩の、EGFRの活性型又は薬剤耐性型突然変異体に起因する哺乳動物、特にヒトの疾病、とりわけ癌治療における使用を提供する。
【0016】
本発明は、更に、式(I)化合物のメシル酸塩を含む薬物組成物の、EGFRの活性型又は薬剤耐性型突然変異体に起因する哺乳動物、特にヒトの疾病、とりわけ癌治療の薬物の製造における使用を提供する。
【0017】
本発明は、更に、式(I)化合物のメシル酸塩を含む薬物組成物の、癌治療の薬物の製造における使用を提供する。
【0018】
本発明は、更に、EGFRの活性型又は薬剤耐性型突然変異体に起因する哺乳動物、特にヒトの疾病、とりわけ癌を治療する方法を提供する。前記方法は、式(I)化合物のメシル酸塩を、又は、治療有効量の式(I)化合物のメシル酸塩と、薬学的に許容可能な担体、賦形剤若しくは希釈剤とを含む薬物組成物を患者に投与することを含む。
【0019】
本発明は、更に、癌を治療する方法を提供する。前記方法は、式(I)化合物のメシル酸塩を、又は、治療有効量の式(I)化合物のメシル酸塩と、薬学的に許容可能な担体、賦形剤若しくは希釈剤とを含む薬物組成物を患者に投与することを含む。
【0020】
本発明で言及する癌としては、例えば、肺癌、卵巣癌、子宮頸癌、乳癌、胃癌、大腸癌、膵臓癌、神経膠腫、膠芽腫、メラノーマ、前立腺癌、白血病、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、肝細胞癌、消化管間質腫瘍(GIST)、甲状腺癌、胆管癌、子宮内膜癌、腎臓癌、未分化大細胞型リンパ腫、急性骨髄性白血病(AML)、多発性骨髄腫、中皮腫が挙げられるがこれらに限られず、特に、上皮成長因子受容体の790番目のトレオニンがメチオニンに突然変異する(EGFR T790M)タイプの腫瘍をより良好に適用されるものとして挙げられる。例えば、本発明における式(I)化合物のメシル酸塩は、非小細胞癌(EGFR T790M)の治療薬物として使用可能である。
【0021】
本発明で提供する式(I)化合物の製造方法は、中国特許出願第CN201410365911.4号における実施例1の方法を参照するものであり、なかでも中間体1cと中間体2aの製造において中国特許出願第CN201410365911.4号の実施例をそのまま引用する。
【0022】
【化3】
【0023】
中間体1cと中間体2aが置換又はカップリング反応を経ることで化合物(II)が得られ、化合物(II)のニトロ基が還元されることで化合物(III)が得られ、化合物(III)と塩化アクリルがアシル化されることで化合物(I)が得られる。中間体1cと中間体2aの置換又はカップリング反応は、遷移金属触媒による触媒作用下で行ってもよい。前記遷移金属触媒としては、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム/4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテンが挙げられるが、これに限られず、ニトロ基の還元方法で採用される当該分野において公知の一般的な還元剤が挙げられ、当該還元剤として、鉄粉、亜鉛粉、硫化ナトリウム、H
2/白金(IV)ジオキシドが挙げられるが、これらに限られない。
【0024】
本発明で提供する式(I)化合物のメシル酸塩の製造方法は、以下の通りである。
【0025】
【化4】
【0026】
溶剤中で式(I)化合物をメシル酸に直接反応させて式(I)化合物のメシル酸塩を得る。前記溶剤として、アセトンと水の混合溶剤が挙げられるが、これに限られない。
【0027】
本発明における式(I)化合物のメシル酸塩は、ヒトを含む哺乳動物に対し、経口投与、経直腸投与、非経腸・非経胃投与(静脈内投与、筋肉内投与又は皮下投与)、局所投与(粉剤、軟膏剤又は点滴剤)、又は腫瘍内投与することができる。
【0028】
本発明における式(I)化合物のメシル酸塩の投与量は、約0.05〜50mg/体重kg/日とすればよく、例えば、0.1〜45mg/体重kg/日、更に例えば、0.5〜35mg/体重kg/日とすればよい。
【0029】
本発明における式(I)化合物のメシル酸塩は、経口投与に用いられる固体剤形として製造することができ、当該固体剤形としては、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤及び顆粒剤等が挙げられるが、これらに限られない。これらの固体剤形において、本発明にかかる式(I)化合物のメシル酸塩は活性成分として、例えばクエン酸ナトリウム又はリン酸二カルシウムといった少なくとも1種の一般的な不活性賦形剤(又は担体)と混合され、或いは次の成分:(1)充填剤又は増量剤(例えば、デンプン、乳糖、蔗糖、ブドウ糖、マンニトール、ケイ酸等);(2)結合剤(例えば、ヒドロキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、蔗糖、アラビアゴム等);(3)保湿剤(例えばグリセロール等);(4)崩壊剤(例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプン又はタピオカデンプン、アルギン酸、いくつかの複合ケイ酸塩、炭酸ナトリウム等);(5)溶解遅延剤(例えば、パラフィン等);(6)吸収促進剤(例えば、第四級アンモニウム化合物等);(7)湿潤剤(例えば、セチルアルコール、モノステアリン酸グリセロール等);(8)吸着剤(例えば、カオリン等);(9)潤滑剤(例えば、滑石、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ドデシル硫酸ナトリウム等);又はこれらの混合物と混合される。カプセル剤、錠剤、丸剤には、緩衝剤が含まれてもよい。
【0030】
前記固体剤形(例えば、錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、顆粒剤)は、コーティング及びシェル材料(例えば、腸溶コーティングと当該分野において公知のその他材料)でコーティング又はマイクロカプセル化してもよい。これらは不透明剤であってもよく、そして、これら組成物中の活性成分の放出は、遅延した方式で消化器内のある部分において放出されてもよい。使用可能な包埋成分の実例は、重合体物質、ワックス類物質である。必要に応じて、活性成分は前記賦形剤のうちの1種又は複数種とともにマイクロカプセルを形成してもよい。
【0031】
本発明における式(I)化合物のメシル酸塩は、経口投与に用いられる液体剤形として製造することができ、当該液体剤形としては、薬学的に許容可能な乳濁液、溶液、懸濁液、シロップ、チンキ等が挙げられるが、これらに限られない。液体剤形は、活性成分である式(I)化合物のメシル酸塩のほか、当該分野において一般的に用いられる不活性希釈剤(例えば、水及びその他の溶剤、可溶化剤及び乳化剤、例えば、エタノール、イソプロパノール、炭酸エチル、酢酸エチル、プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、ジメチルホルムアミド及び油脂類、特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ胚芽油、オリーブ油、ひまし油、ゴマ油等)、又はこれら物質の混合物等を含んでもよい。これら不活性希釈剤のほか、本発明の液体剤形は、一般的な助剤(例えば、湿潤剤、乳化剤及び懸濁化剤、甘味剤、矯味剤及び香料等)を含んでもよい。
【0032】
前記懸濁化剤としては、例えば、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、マイクロクリスタリンセルロース、アルミニウムメトキシド及び寒天等、又はこれら物質の混合物が挙げられる。
【0033】
本発明における式(I)化合物のメシル酸塩は、非経口注射に用いられる剤形として製造することができ、当該剤形としては、生理的に許容可能な無菌の含水若しくは無水溶液、分散液、懸濁液又は乳濁液、及び、新たに溶解して得られる無菌の注射可能な溶液又は分散液に用いられる無菌粉末が挙げられるが、これらに限られない。適切な担体、希釈剤、溶剤又は賦形剤としては、水、エタノール、ポリオール及びこれらの適切な混合物が挙げられる。
【0034】
本発明の化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、局所投与に用いられる剤形として製造することができ、当該剤形としては、例えば、軟膏剤、散剤、座薬、点滴剤、噴射剤、吸入剤等が挙げられる。活性成分としての本発明における式(I)化合物のメシル酸塩は、無菌条件下において、生理的に許容可能な担体及び任意の防腐剤、緩衝剤、或いは必要に応じて推進剤とともに混合される。
【0035】
本発明は、更に、薬物組成物を提供し、当該薬物組成物は本発明における式(I)化合物のメシル酸塩と、薬学的に許容可能な担体、賦形剤又は希釈剤とを含む。薬物組成物を製造する際、通常は、本発明における式(I)化合物のメシル酸塩と、薬学的に許容可能な担体、賦形剤又は希釈剤とを混合する。
【0036】
一般的な製造方法に基づいて、前記本発明の組成物を一般的な薬物製剤として製造することができる。例えば、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、乳濁液剤、懸濁剤、分散液、溶液剤、シロップ、エリキシル剤、軟膏剤、点滴剤、座薬、吸入剤、噴射剤等である。
【0037】
本発明に係る式(I)化合物のメシル酸塩は、単独で投与してもよいし、或いは他の薬学的に許容可能な治療剤と組み合わせて投与してもよく、特に、他の抗腫瘍薬物と組み合わせて投与してもよい。前記治療剤としては、DNAの化学構造に作用する抗腫瘍薬(例えば、シスプラチン)、ヌクレオチドの合成に影響する抗腫瘍薬物(例えば、メトトレキサート(MTX)、5−フルオロウラシル(5FU)等)、核酸の転写に影響する抗腫瘍薬物(例えば、ドキソルビシン、エピルビシン、アクラシノマイシン、ミトラマイシン等)、チューブリンの合成に作用する抗腫瘍薬物(例えば、パクリタキセル、ビノレルビン等)、アロマターゼ阻害薬(例えば、アミノグルテチミド、レンタロン、レトロゾール、アナストロゾール等)、細胞シグナル経路阻害剤(例えば、上皮成長因子受容体阻害剤であるイマチニブ(Imatinib)、ゲフィチニブ(Gefitinib)、エルロチニブ(Erlotinib)等)が挙げられるが、これらに限られない。組み合わされる各成分は、同時に投与してもよいし、或いは順に投与してもよく、単一製剤の形式で投与してもよいし、或いは製剤形式とせずに投与してもよい。上記の組み合わせには、本発明における化合物と1種類のその他の活性剤の組み合わせが含まれるだけでなく、本発明における化合物と2種類又は更に多くの種類のその他の活性剤の組み合わせも含まれる。
【0038】
本発明における式(I)化合物のメシル酸塩を胃内投与する場合の絶対的バイオアベイラビリティの測定方法は次の通りである。
【0039】
静脈投与:健康なSDラットをランダムに群分けする。測定する化合物を所定の投与量Dで静脈投与し、投与前と、投与から5min後、15min後、0.5h後、1.0h後、2.0h後、4.0h後、8.0h後、12h後及び24h後に眼球後静脈叢から採血する。これを分離して血漿を作製し、液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析法により血漿中の薬物濃度を測定することで、薬物濃度−時間曲線を取得する。
【0040】
胃内投与:健康なSDラットをランダムに群分けする。測定物質を所定の投与量Dで胃内投与し、投与前と、投与から0.5h後、1.0h後、2.0h後、4.0h後、6.0h後、8.0h後、10h後、12h後及び24h後にラットの眼球後静脈叢から静脈血を採取する。これを分離して血漿を作製し、液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析法により血漿中の薬物濃度を測定することで、薬物濃度−時間曲線を取得する。
【0041】
投与量を補正した後、薬物濃度−時間曲線よりも下の面積(AUC
0−t)を計算することで、絶対的バイオアベイラビリティFを得る。計算式は、F=(AUC
胃内投与×D
静脈)/(AUC
静脈×D
胃内投与)×100%である。
【0042】
本発明における式(I)化合物のメシル酸塩による動物の移植瘤に対する成長阻害効果は、一般的な方法で測定すればよく、好ましい評価方法としては、ヒト肺癌H1975ヌードマウス皮下移植瘤に対する成長阻害作用である。実験方法:ヒト肺癌H1975細胞株(5×10
6株/匹)をヌードマウスの右側背部の皮下に接種する。腫瘍が平均(100〜150)mm
3まで成長してから、腫瘍の大きさとマウスの体重に基づきランダムに群分けする。測定する化合物を所定の投与量で胃内投与するとともに、溶剤対照群については同量の溶剤を胃内投与する。毎日1回投与し、連続して21日投与する。実験の全過程において、マウスの体重と腫瘍の大きさを毎週2回測定し、毒性反応出現の有無を観察する。
【0043】
腫瘍体積の計算式は、腫瘍体積(mm
3)=0.5×(腫瘍長径×腫瘍短径
2)である。