(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6696724
(24)【登録日】2020年4月27日
(45)【発行日】2020年5月20日
(54)【発明の名称】ボイラのシャットダウンを管理するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
F22B 35/00 20060101AFI20200511BHJP
F22B 1/18 20060101ALI20200511BHJP
【FI】
F22B35/00 Z
F22B1/18 L
【請求項の数】15
【外国語出願】
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-226101(P2014-226101)
(22)【出願日】2014年11月6日
(65)【公開番号】特開2015-90267(P2015-90267A)
(43)【公開日】2015年5月11日
【審査請求日】2017年10月30日
【審判番号】不服2019-3865(P2019-3865/J1)
【審判請求日】2019年3月25日
(31)【優先権主張番号】13191735.3
(32)【優先日】2013年11月6日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ハイム
(72)【発明者】
【氏名】トーマス フェラント
【合議体】
【審判長】
平城 俊雅
【審判官】
松下 聡
【審判官】
紀本 孝
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭60−21802(JP,U)
【文献】
特開平3−51601(JP,A)
【文献】
特開平3−286901(JP,A)
【文献】
実開平5−96703(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F22B35/00
F22B1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボイラ(1)のシャットダウンを管理するための方法であって、
前記ボイラ(1)は、管路(12)と、少なくとも1つの熱交換コンポーネントとを含み、
前記少なくとも1つの熱交換コンポーネントは、前記管路(12)内にある管状の熱交換面(16)と、前記管状の熱交換面(16)に接続されている、前記管路(12)の外側にあるヘッダ(17,18)と、
を含み、
前記ヘッダ(17,18)、及び、前記管状の熱交換面(16)は、蒸気を収容する、方法において、
シャットダウン中の前記ヘッダ(17,18)の温度を目標温度まで調整し、前記調整は、当該ヘッダを通過し、それぞれのヘッダに接続された前記管状の熱交換面からの蒸気を維持することにより、前記ボイラのシャットダウン後に、前記ヘッダ(17,18)を通過する蒸気の流れを持続し、
前記ボイラ(1)はさらに、前記少なくとも1つの熱交換コンポーネントの下流にある高圧バイパス制御弁(26)を含み、
前記ヘッダ(17,18)を通過する蒸気の流れの前記持続は、前記高圧バイパス制御弁(26)を通過する蒸気の流れを持続させることである、
方法。
【請求項2】
前記高圧バイパス制御弁(26)を通過する蒸気の流れの前記持続は、定格質量流量の10%未満の質量流量の持続を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記熱交換コンポーネントは、過熱器であり、
前記高圧バイパス制御弁(26)は、前記過熱器の下流にある、
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
シャットダウン中に、前記管路(12)内のガスの流れを持続させる、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記ボイラ(1)は、前記管路(12)を通過させてガスの流れを維持させるためのファン(7)を含み、
前記ガスの流れの前記持続は、前記ファン(7)の稼働を含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ファン(7)の前記稼働は、前記ファン(7)の最小負荷での稼働を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ファン(7)の前記稼働は、前記ファン(7)の定格質量流量の10%未満での稼働を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
シャットダウン中又はシャットダウン前に、前記ボイラ内の圧力を調整する、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記ボイラ(1)はさらに、過熱器(13)の下流に1つ以上の高圧バイパス制御弁(26)を含み、及び/又は、再熱器(14)の下流に1つ以上の低圧バイパス制御弁(27)を含み、
前記圧力の前記調整は、前記高圧バイパス制御弁(26)及び/又は前記低圧バイパス制御弁(27)の調整を含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ボイラ(1)はさらに、エコノマイザ(20)を含み、
前記圧力の前記調整は、前記エコノマイザ(20)を介した水の流れと、前記エコノマイザ(20)を介した水の少なくとも一部の蒸発とを含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記圧力の前記調整は、前記管路(12)を通過するガスを流すことをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ボイラ(1)は、前記管路(12)を通過させてガスを流すためのファン(7)を含み、
前記ガスを流すことは、前記ファン(7)の稼働を含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記目標温度は、前記管状の熱交換面(16)から前記ヘッダ(17,18)の中へと移動する蒸気に対する予想温度であるか、又は、前記予想温度よりも低い温度である、
請求項1から12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
ボイラ(1)のシャットダウンを管理するための装置であって、
前記ボイラ(1)は、管路(12)と、少なくとも1つの熱交換コンポーネントとを含み、
前記少なくとも1つの熱交換コンポーネントは、前記管路(12)内にある管状の熱交換面(16)と、前記管状の熱交換面(16)に接続されている、前記管路(12)の外側にあるヘッダ(17,18)と、
を含み、
前記ヘッダ(17,18)、及び、前記管状の熱交換面(16)は、蒸気を収容する、装置において、
シャットダウン中の前記ヘッダ(17,18)の温度を目標温度まで調整し、前記調整は、当該ヘッダを通過し、それぞれのヘッダに接続された前記管状の熱交換面からの蒸気を維持することにより、前記ボイラのシャットダウン後に、前記ヘッダ(17,18)を通過する蒸気の流れを持続し、
前記ボイラ(1)はさらに、前記少なくとも1つの熱交換コンポーネントの下流にある高圧バイパス制御弁(26)を含み、
前記ヘッダ(17,18)を通過する蒸気の流れの前記持続は、前記高圧バイパス制御弁(26)を通過する蒸気の流れを持続させることである、
装置。
【請求項15】
前記目標温度は、前記管状の熱交換面(16)から前記ヘッダ(17,18)の中へと移動する蒸気に対する予想温度であるか、又は、前記予想温度よりも低い温度である、請求項14に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボイラのシャットダウンを管理するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、壁3(管状壁、好ましくはフィン付きの管状壁)によって画定された蒸発器2を有するボイラ1の一例を示している。壁3はチャンバ4を画定しており、壁3の底部がホッパー5を画定している。
【0003】
1つ又は複数の壁3は、燃焼システム6を収容している。燃焼システム6は、空気のような酸化剤のためのファンと、石炭、石油、ガス等のための燃料供給部8とを含む。
【0004】
管状壁3は、入口ヘッダ9と、出口ヘッダ10とに接続されている。入口ヘッダ9において水が収集され、管状壁3の管を通って分散される。管状壁3を通過した後、出口ヘッダ10において蒸気(又は、蒸気と水の混合物、又は、少量程度の水を含んだ蒸気)が収集される。ヘッダ9,10は、チャンバ4の外側にある。もちろん別のタイプの蒸発器も可能である。
【0005】
ボイラ1は、蒸発器2の上方に管路12を有する。管路12は、底部から頂上部に向かって順番に、高圧ユーザ(例えば発電所の高圧タービン13a等)へと導かれる蒸気を加熱するための過熱器13と、高圧ユーザから排出されて中圧又は低圧ユーザ(例えば発電所の中圧又は低圧タービン14a等)へと導かれる蒸気を加熱するための再熱器14とを収容している。
【0006】
過熱器13は、入口ヘッダ17と口ヘッダ18とに接続された管状の熱交換面16を有する複数の熱交換コンポーネントを含む。管状の熱交換面16は、例えば管状コイル又は管状パネルとすることができる。添付図面は、3つの熱交換コンポーネントを有する過熱器13の例を図示している。これらの3つの熱交換部材は各々、管状の熱交換面16と、入口ヘッダ17と、出口ヘッダ18とを有する。
【0007】
再熱器14は、過熱器13と同様の構造を有している。
【0008】
再熱器14は、管状コイル又は管状パネルのような管状の熱交換面16を有する複数の熱交換コンポーネントを含む。管状の熱交換面16は、入口ヘッダ17と、出口ヘッダ18とに接続されている。
【0009】
添付図面は、2つの熱交換コンポーネントを含む再熱器14の例を図示している。これら2つの熱交換コンポーネントは各々、管状の熱交換面16と、入口ヘッダ17と、出口ヘッダ18とを有する。
【0010】
再熱器14の上方には、給水源20aから蒸発器2へと導かれる水を予熱するためのエコノマイザ20が設けられている。エコノマイザ20にも、入口ヘッダと出口ヘッダとが設けられている。
【0011】
管路12の中には通常、エコノマイザ20の下流において、排ガス中のNOx含有量を低減するための触媒21(排ガス規制に応じて必要である場合)と、燃料燃焼用のチャンバ4へと供給される予熱空気のための予熱器22と、排ガスから固体粒子を除去するためのフィルタ又は静電集塵器のような除塵ユニット23とが設けられており、場合によってはさらに、排ガス管路12の開閉を調整するためのダンパ24と、煙突34へと排ガスを輸送するためのファン7とを設けることもできる。
【0012】
場合によっては、エコノマイザ20を2つの部分に、すなわち触媒21の下流側と、触媒21の上流側とに分離することも可能である。
【0013】
稼働中には水は、エコノマイザ20を通過し、エコノマイザ20にて温まり始め、その後、ヘッダ9を通過して管状壁3へと供給される。管状壁3を通過している間に、水は、蒸発して蒸気を発生させる。この蒸気は、ヘッダ10において収集され、(液滴を除去するための分離システム25を通過して)ヘッダ18aを経由して過熱器13へと導かれる。過熱器13の第1段は、上方(垂直)のボイラ包囲壁とすることができるか、又は、第1の過熱器管束で終端する内部の支持管とすることができる。
【0014】
過熱器13の下流では、過熱された蒸気が、例えば発電所又はその他の高圧ユーザのための高圧タービン13aへと導かれるか、又は、高圧バイパス制御弁26を介して再熱器14の入口へと導かれる。
【0015】
高圧タービン13a又はその他の高圧ユーザからの蒸気は、再熱器14の入口ヘッダ17において収集され、再熱器14を通過した後、出口ヘッダ18において収集される。この蒸気は、出口ヘッダ18から、中圧又は低圧タービン14a若しくは中圧又は低圧ユーザへと導かれるか、又は、低圧バイパス制御弁27を介して蒸気タービンの下流に設けられた凝縮器35へと導かれる。
【0016】
分離システム25において収集された液滴は、再循環ポンプ29を通過してエコノマイザ20へと戻される。
【0017】
シャットダウン中には燃焼システム6が停止され、高圧タービン13aと、中圧又は低圧タービン14aとが切断され、制御弁26,27は閉弁される。
【0018】
このため、過熱器13及び再熱器14を通過する蒸気は停止する。すなわち、過熱器13及び再熱器14の熱交換面16内ではこれ以上蒸気は流動しなくなる。
【0019】
それにも拘わらず空気は、例えばパージ又は自然通風に起因して、シャットダウン中にもチャンバ4を通って循環し続ける。例えばファン7は、ボイラ包囲壁の内部における低圧を持続させるために、シャットダウン中でも稼働することが多い。これによって空気は、過熱器13及び再熱器14内の蒸気の温度よりも低い温度で流動する。
【0020】
この空気流は、過熱器13及び再加熱気14の管状の熱交換面16内に含まれる蒸気の冷却を増進する。この冷却は大きいことがある。なぜなら、管状の熱交換面16の厚さは一般的に薄いので、管状壁の蓄熱容量は小さいからである。
【0021】
これとは対照的に、ヘッダ17,18内に含まれている蒸気は、非常に限定的にしか冷却されない。
【0022】
実際に、ヘッダ17,18の壁厚は厚いので、ヘッダ17,18の蓄熱容量も大きい。
【0023】
これに加えてヘッダ17,18は、ヘッダ17,18の外部からの実質的な冷却が阻止されるよう絶縁されている。さらには、ヘッダ17,18の内部には蒸気の流れがないので、ヘッダ17,18の内部からの実質的な冷却は発生しない。
【0024】
この結果、再熱器14及び過熱器13のヘッダ17,18の温度(すなわちヘッダ17,18の材料の温度)及び蒸気の温度は、非常に小さな勾配でしか低下しなくなる(すなわち、この蒸気の温度は緩慢に低下する)。しかしながら、再熱器14及び過熱器13の管状の熱交換面16に含まれている蒸気の温度は、著しく降下する。
【0025】
ボイラ1がシャットダウン後に再始動される際には、燃焼システム6が始動され、高圧バイパス制御弁26と低圧バイパス制御弁27とが開弁される。
【0026】
高圧バイパス制御弁26と低圧バイパス制御弁27とを開弁することによって、過熱器13及び再熱器14の熱交換面16と、ヘッダ17,18とを通過して蒸気が循環する。この循環により、(シャットダウン中の管状の熱交換面16内に含まれていた為)低温の蒸気が、格段に温度の高いヘッダ17,18を通過することとなる。
【0027】
従って、この循環によってヘッダ17,18の材料の熱応力が引き起こされ、寿命を減少させる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
本発明の課題は、過熱器及び/又は再熱器のヘッダの熱応力を制限することができる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0029】
上記の課題及びさらなる課題は、添付した特許請求の範囲に記載された方法によって解決される。
【0030】
さらなる特徴及び利点は、本発明の方法の好ましい実施形態に関して添付図面を参照して説明する以下の記載から明らかとなる。しかしながら本発明は、これらの好ましい実施形態及び添付図面に限定されるものではない。
【実施例】
【0032】
以下では、
図1のボイラが参照される。
【0033】
本発明の方法は、図示したボイラとは異なるいかなるボイラにおいても実施することができる。例えば壁3を、ボイラの頂上部まで延長させることが可能である(つまり壁3が、管路12を画定し、管状コイル又は管状パネル16を収容することができる)。壁全体を蒸発器として使用することも、また、壁を蒸発器(下部)と過熱器(上部)とに分割することも可能である。さらに蒸発器は、管状壁3とは異なる構造を有することが可能である。
【0034】
この方法は、好ましくは、過熱器13のヘッダ17,18の応力を制限するために実施される。しかしながら、再熱器14のヘッダ17,18の応力、又は、ボイラ1の他の部分の応力を制限するために使用することも可能である。
【0035】
本方法は、シャットダウン中のヘッダ17,18の温度を目標温度まで調整することを含む。なお、この目標温度は、シャットダウン後の始動時に管状の熱交換面16からヘッダ17,18の中へと移動する蒸気に対する予想温度の関数である。目標温度は、例えば、管状の熱交換面16からヘッダ17,18の中へと移動する蒸気に対する予想温度であるか、又は好ましくは、当該予想温度に近い温度であり、後者の場合にはこの温度は、前記予想温度よりも低い温度である。
【0036】
特にこの温度の調整は、ヘッダ17,18の冷却である。
【0037】
この冷却は、主にシャットダウン後に行われる。つまり、高価な燃料を追加的に使用することなく、ボイラの蓄圧容量とボイラの熱含有量とを適切に使用するだけでよい。
【0038】
ヘッダ17,18の制御されたこの冷却のおかげで、シャットダウン後にボイラ1が始動されて蒸気が管状の熱交換面16からヘッダ17,18を通って移動する際に、蒸気の温度はヘッダ17,18の温度と変わらないか、又は、温度差が制限、制御、計算されているので、ヘッダ17,18が受ける熱応力は制限される。
【0039】
好ましくは、ヘッダ17,18の温度の調整は、シャットダウン中、又は、少なくともシャットダウンの一部の期間、ヘッダ17,18を通過する流れを持続させることを含む。
【0040】
実際に、蒸気が管状の熱交換面16とヘッダ17,18とを通過して循環し続ける場合には、ヘッダ17,18は、当該ヘッダ17,18を通過して循環する蒸気によって冷却され、この蒸気もまた、管路12を通過する流れによって冷却される。
【0041】
ヘッダ17,18を通過する流れの持続は、制御弁26及び制御弁27を通過する蒸気の流れを持続させることによって実現することができる。実際に、制御弁26を通過する流れによって過熱器13のヘッダ17,18を冷却することができ、制御弁27を通過する流れによって再熱器14のヘッダ17,18を冷却することができる。好ましくは、制御弁26,27を通過する質量流量は、定格質量流量の10%未満である。
【0042】
好ましい1つの実施形態においては、本方法は、過熱器13の管状の熱交換面16に関連して実施され、制御弁26は、過熱器13の下流にある。
【0043】
シャットダウン中にはさらに、好ましくは、管路12を通過するガスの流れが持続される。管路12を通過するガスの流れの持続は、ファン7の稼働を含む。例えばファン7は、最小負荷で、又は、定格質量流量の10%未満の負荷で稼働される。しかしながら、ファン7の稼働は必須ではなく、空気循環のためには自然通風で十分である。
【0044】
本方法はまた、ボイラ内の圧力の調整、すなわち、熱交換コンポーネント内の圧力の調整を含むこともできる。圧力の調整は、シャットダウン前又はシャットダウン中に実施することができる。好ましくは、このような調整は、ボイラ1内の圧力を増加させることを目的としている。
【0045】
第1の実施例では、圧力の調整は、高圧バイパス制御弁26の調整、又は、タービン入口弁の調整を含む。
【0046】
別の1つの実施例では、圧力の調整は、エコノマイザ20を介した水の循環と、エコノマイザ20を介した水の少なくとも一部の蒸発とを含む。エコノマイザ20を介した循環は、再循環ポンプ29を停止することによって、及び、エコノマイザの頂上部と分離システム25との間に設けられた管30(エコ蒸発管)を開放することによって、達成することができる。
【0047】
シャットダウン後にファン7を一定時間連続的に動作させることによって、又は、ボイラの自然通風を使用することによって、蒸気の生産によりエコノマイザの表面上に恒久的な熱入力が生じる。この蒸気の生成は、ヘッダの冷却過程中における圧力の持続を改善するために使用される。少ない給水流量を持続すること(連続的又は不連続的)により、エコノマイザの完全な蒸発が回避される。
【0048】
もちろん、上に説明した各特徴は、各々単独で実施することが可能である。実際に使用する材料及び寸法は、要求及び従来技術に基づいて選択することができる。
【符号の説明】
【0049】
1 ボイラ
2 蒸発器
3 壁
4 チャンバ
5 ホッパー
6 燃焼システム
7 ファン
8 燃料供給部
9 ヘッダ
10 ヘッダ
12 管路
13 過熱器
13a 高圧タービン
14 再熱器
14a 中圧/低圧タービン
16 管状の熱交換面
17 ヘッダ
18,18a ヘッダ
20 エコノマイザ
20a 給水源
21 触媒
22 予熱器
23 除塵ユニット
24 ダンパ
25 分離システム
26 高圧バイパス制御弁
27 低圧バイパス制御弁
29 再循環ポンプ
30 エコ蒸発管
34 煙突
35 凝縮器