(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ロードセルを平面視した場合、前記ロードセルは、前記サブフレームとの固定部から離間した位置において前記ベースに片持ちで支持されている請求項3に記載の過積載判定装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
配送バイクなどの二輪車に載った荷物の過積載判定について鋭意検討が行われ、以下の知見が得られた。
【0013】
荷物を積んだ状態のキャスター付きのかごを公知の計量器(例えば、上記の特許文献2参照)に載せることで、配送バイクに載せる予定の荷物の過積載の有無を判別することが可能である。しかし、このような計量器への荷物の載せ降ろし作業を配送員に課すことは、配送効率の低下を招くおそれがある。
【0014】
特許文献1のトラックスケールの載台を、配送バイクの大きさに改良することで、配送バイクに載った荷物の過積載の有無を判別することが可能である。しかし、特許文献1の如く、載台を埋め込むためのピットを路面に形成する場合、過積載判定装置を店舗に設置する際の工事費が嵩む。また、店舗によっては、設置場所が限定されない可搬型の過積載判定装置の導入が要望される場合があるが、特許文献1のトラックスケールでは、かかる要望に対応できない。
【0015】
すなわち、本開示の第1の態様は、以上の知見に基づいて案出されたものであり、路面上に設けられ、二輪車の前輪および後輪のそれぞれの輪重を計測する輪重計と、二輪車の風袋重量と輪重計によって計測された上記の輪重とを用いて、二輪車に載った荷物の過積載の有無を判定する制御器と、を備える過積載判定装置を提供する。
【0016】
かかる構成によると、本態様の過積載判定装置は、二輪車に載った荷物の過積載を簡易に判定し得る。具体的には、制御器は、輪重計によって計測された二輪車の前輪の輪重および後輪の輪重を合算することで二輪車の総重量を演算できる。よって、制御器は、二輪車の総重量から二輪車の風袋重量を差し引くことで、二輪車に載った荷物の総重量を演算できるので、荷物の総重量と二輪車に載せる荷物の最大積載量との比較で、二輪車に載った荷物の過積載を簡易に判定できる。
【0017】
また、本態様の過積載判定装置は、路面上に輪重計を設けているので、特許文献1の如く、輪重計を埋め込むためのピットを路面に形成する必要がない。よって、過積載判定装置を店舗に設置する際の工事費が軽減できる。また、設置場所が限定されない可搬型の過積載判定装置を実現できる。
【0018】
本開示の第2の態様の過積載判定装置は、第1の態様の過積載判定装置において、二輪車の風袋重量を決定するための情報を、媒体から読み取るリーダをさらに備え、制御器は、上記の情報から二輪車の風袋重量を導く。
【0019】
これにより、様々な車種の二輪車が過積載判定装置に進入する場合でも、二輪車の風袋重量を容易に決定できる。具体的には、制御器の記憶回路は、二輪車の車種毎に、そのバイク車重が記憶されたテーブルを備える。また、上記の媒体には、例えば、二輪車の車種が記憶されている。よって、制御器は、リーダによって読み取られた情報(二輪車の車種)から、二輪車の風袋重量(バイク車重)を容易に決定できる。
【0020】
以下、添付図面を参照しつつ、本開示の実施形態、実施例および第1〜第4変形例について説明する。以下の具体例で示される構成要素、構成要素の配置位置および接続形態などは一例であり、本開示を限定するものではない。また、以下の具体例における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、図面において、同じ符号が付いた構成要素は、説明を省略する場合がある。また、図面は理解しやすくするために、それぞれの構成要素を模式的に示したもので、形状および寸法比などについては正確な図示ではない場合がある。
【0021】
(実施形態)
[装置構成]
図1および
図2は、実施形態の過積載判定装置の一例を示す図である。
図2には、
図1の過積載判定装置100の側面視において、二輪車50が過積載判定装置100を通過する様子が示されている。便宜上、
図1および
図2において、「前」および「後」が、これらの図面の如く取られており、二輪車50が過積載判定装置100の「後」から進入し、過積載判定装置100の「前」から退出するものして、以下の過積載判定装置100の構成を説明する。
【0022】
なお、
図2においては、図面を簡素化する趣旨で、操作指示計30の図示が省略されている。また、以下の説明では、便宜上、重力が作用する上下方向に対して平行な面を鉛直面、上下方向に対して垂直な方向を水平方向という。
【0023】
この水平方向は、特許請求の範囲における「基準方向」の一部である。基準方向とは、上記水平方向を含め、この水平方向に平行な面に対して、載台カバー11上を配送バイク50などの被測定物が載って重量を計測するのに支障がない範囲内の角度分、傾斜した傾斜面に平行である方向をも含む。この場合、上記鉛直面は、上記傾斜面に対して垂直な面となる。
【0024】
配送バイク50は、配送バイク50の前輪上方に設けられた第1収納部50F(例えば、キャリーバック)と配送バイク50の後輪上方に設けられた第2収納部50B(例えば、キャリーボックス)とを備える。これらの第1収納部50Fおよび第2収納部50Bに配送用の荷物が収納される。
【0025】
過積載判定装置100は、輪重計10と、前方スロープ20Fと、後方スロープ20Bと、操作指示計30とを備える。
【0026】
輪重計10は、路面40上に設けられ、配送バイク50の前輪および後輪のそれぞれの輪重を計測する。
【0027】
輪重計10は、路面40上に設けられているベース(
図1および
図2では図示せず)と、ベースに固定されたロードセル(
図1および
図2では図示せず)と、ロードセルへの荷重伝達が行われる載台フレーム(
図1および
図2では図示せず)と、載台フレームを覆う載台カバー11と、を備える。つまり、載台カバー11の内部には、上記のベース、ロードセルおよび載台フレームが配置されている。載台カバー11の内部の構成については実施例で詳しく説明する。
【0028】
図2に示すように、配送バイク50の前輪および後輪の一方のみがそれぞれ、載台カバー11に載ることで、配送バイク50の前輪および後輪の輪重が計測される。つまり、載台カバー11の輪重測定面12は、配送バイク50の前輪および後輪の一方のみが載り込み得る程度の大きさに設定されている。具体的には、輪重測定面12の幅寸法Bは、配送バイク50の前輪および後輪のタイヤの幅よりも広い。また、輪重測定面12の前後寸法Lは、配送バイク50の前輪および後輪のタイヤ接地長よりも長く、配送バイク50の前輪と後輪との間の軸間距離よりも短い。これにより、輪重計10は、輪重測定面12上に、配送バイク50の前輪および後輪のそれぞれが進入できるように構成され、配送バイク50の前輪および後輪のそれぞれの輪重を計測できる。
【0029】
また、載台カバー11の幅方向の両サイドには、輪重測定面12に対して垂直に形成されたガイド17が設けられている。これにより、配送バイク50が輪重測定面12上を通過する際に、配送バイク50の車輪が輪重計10から脱輪することが抑制されている。
【0030】
なお、輪重測定面12の中央部は、輪重測定面12の前後の領域に比べ所定の段差分、低くなっている。これにより、配送バイク50の前輪および後輪がそれぞれ、輪重測定面12の中央部上に載ったことが配送員に容易に理解され得る。
【0031】
後方スロープ20Bは、載台カバー11の後端部と路面40との間で配送バイク50が輪重計10に進入するための傾斜路を形成する部材である。
【0032】
後方スロープ20Bの幅方向の両サイドには、後方スロープ20Bの通路面に対して垂直に形成されたガイド21が設けられている。これにより、配送バイク50が後方スロープ20B上を通過する際に、配送バイク50の車輪が後方スロープ20Bから脱輪することが抑制されている。
【0033】
後方スロープ20Bのガイド21の前端部と輪重計10のベースに固定された第1ブラケット13とが、載台カバー11の後端部付近で、第1連結ヒンジ部14を介して連結されている。これにより、後方スロープ20Bは、第1ブラケット13に対して第1連結ヒンジ部14の軸回りに揺動可能となっている。そして、後方スロープ20Bが第1連結ヒンジ部14の軸回りに動くことで、後方スロープ20Bの後端部が路面40上に接触するとき、上記の傾斜路が形成される。
【0034】
前方スロープ20Fは、載台カバー11の前端部と路面40との間で配送バイク50が輪重計10から退出するための傾斜路を形成する部材である。
【0035】
前方スロープ20Fの幅方向の両サイドには、前方スロープ20Fの通路面に対して垂直に形成されたガイド22が設けられている。これにより、配送バイク50が前方スロープ20F上を通過する際に、配送バイク50の車輪が前方スロープ20Fから脱輪することが抑制されている。
【0036】
前方スロープ20Fのガイド22の後端部と輪重計10のベースに固定された第2ブラケット15とが、載台カバー11の前端部付近で、第2連結ヒンジ部16を介して連結されている。これにより、前方スロープ20Fは、第2ブラケット15に対して第2連結ヒンジ部16の軸回りに揺動可能となっている。そして、前方スロープ20Fが第2連結ヒンジ部16の軸回りに動くことで、前方スロープ20Fの前端部が路面40上に接触するとき、上記の傾斜路が形成される。
【0037】
操作指示計30は、操作器31と、リーダ32と、表示器33と、制御器34とを備える。操作指示計30は、輪重計10の後端部付近で、配送バイク50の通行の妨げにならない位置に設けられたポール35に支持されている。
【0038】
リーダ32は、配送バイク50の風袋重量を決定するための情報を媒体から読み取る。リーダ32として、例えば、RFID(Radio Frequency Identification)リーダ32を例示できる。媒体として、例えば、ICタグ化されたRFIDカード(図示せず)を例示できる。この場合、RFIDリーダ32は、上記の情報が記憶されたRFIDカードから近距離の無線通信によって本情報を読み取れる機器である。配送員が、RFIDカードをRFIDリーダ32にかざすと、RFIDリーダ32は、RFIDカードから上記の情報を読み取り、これを制御器34へと送信する。上記の情報としては、例えば、配送バイク50の車種などを例示できる。
【0039】
なお、ここでは、詳細な図示を省略するが、操作指示計30は、操作指示計30の操作表示面が、上向きとなるように約90°回転できるように構成されている。これにより、配送員が、例えば、RFIDカードを操作指示計30の操作表示面上に置くだけで、RFIDリーダ32は上記の情報を読み取れる。
【0040】
操作器31は、例えば、操作スイッチや入力キーなどを備え、測定開始および終了の動作、使用モードの切り換え動作、数値設定動作などの種々の動作の際に用いられる。
【0041】
表示器33は、例えば、液晶表示装置などを例示できる。表示器33の表示画面には、測定結果、各種データの入出力値などが表示される。
【0042】
制御器34は、配送バイク50の風袋重量と輪重計10によって計測された輪重とを用いて、配送バイク50に載った荷物の過積載の有無を判定する。
【0043】
制御器34は、制御機能を有するものであれば、どのような構成であっても構わない。例えば、制御器34は、インターフェイス回路、演算回路および記憶回路などを備える。
【0044】
インターフェイス回路は、ロードセルと、操作器31と、表示器33と、演算回路との間で各種の信号やデータの受け渡しを行う機能を備える。
【0045】
演算回路として、例えば、MPU、CPUなどを例示できる。演算回路は、記憶回路に格納されている制御プログラムの指示に従って、必要な信号を、インターフェイス回路を介して受け取り、必要なデータを記憶回路から受け取り、受け取った信号およびデータに基づいて演算を実行する機能を備える。
【0046】
記憶回路として、例えば、半導体メモリ(PROM、RAM)などを例示できる。記憶回路は、制御プログラム、基本データなどを長期的に記憶したり、種々のデータおよび演算用数値などを一時的に記憶したりする機能を備える。
【0047】
なお、制御器34は、集中制御が行われる単独の制御器で構成されていてもいいし、互いに協働して分散制御が行われる複数の制御器で構成されていてもいい。
【0048】
[動作]
以下、
図1および
図2を用いて、過積載判定装置100の動作について説明する。以下の過積載判定の動作は、制御器34の演算回路が、記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われる。なお、過積載判定装置100は、配送員が配送バイク50に荷物を積んでから店舗外に出発するまでの動線上の適所に設置されている。
【0049】
まず、配送員は、手押しで配送バイク50を過積載判定装置100の後方スロープ20Bに進入させる。
【0050】
次に、配送員は、RFIDカードをRFIDリーダ32にかざす。すると、RFIDリーダ32は、RFIDカードから配送バイク50の車種を読み取り、これを制御器34へと送信する。このとき、制御器34の記憶回路は、配送バイク50の車種毎に、そのバイク車重が記憶されたテーブルを備えるので、制御器34は、RFIDリーダ32から送信された配送バイク50の車種から配送バイク50の風袋重量としてのバイク車重を決定できる。
【0051】
次に、配送員は、配送バイク50の前輪が載台カバー11の輪重測定面12上を通過するように配送バイク50を手押し操作する。このとき、制御器34は、ロードセルの出力信号に基づいて輪重測定面12上の配送バイク50の前輪の輪重を計測する。
【0052】
次に、配送員は、配送バイク50の後輪が載台カバー11の輪重測定面12上を通過するように配送バイク50を手押し操作する。このとき、制御器34は、ロードセルの出力信号に基づいて輪重測定面12上の配送バイク50の後輪の輪重を計測する。
【0053】
その後、配送員は、手押しで配送バイク50を過積載判定装置100の後方スロープ20Bから退出させた後、配送バイク50に乗り込み荷物の配送作業を開始する。
【0054】
以上により、本実施形態の過積載判定装置100は、配送バイク50に載った荷物の過積載を簡易に判定し得る。つまり、制御器34は、輪重計10によって計測された配送バイク50の前輪の輪重および後輪の輪重を合算することで配送バイク50の総重量を演算できる。すると、制御器34は、配送バイク50の総重量から配送バイク50の風袋重量(バイク車重)を差し引くことで、配送バイク50に載った荷物の総重量を演算できる。よって、制御器34は、この荷物の総重量と配送バイク50に載せる荷物の最大積載量(例えば、30kg)との比較で、配送バイク50に載った荷物の過積載を簡易に判定できる。そして、制御器34が、配送バイク50に載った荷物が過積載であると判定した場合、適宜の警報を発信する。かかる警報は、操作指示計30のLEDなどによる警報表示でもよいし、警報音でもよい。例えば、配送バイク50に載った荷物が過積載の場合、赤色LEDが点灯し、配送バイク50に載った荷物が過積載でない場合、青色LEDが点灯してもよい。
【0055】
また、本実施形態の過積載判定装置100は、路面40上に輪重計10を設けているので、特許文献1の如く、輪重計10を埋め込むためのピットを路面に形成する必要がない。よって、過積載判定装置100を店舗に設置する際の工事費が軽減できる。また、設置場所が限定されない可搬型の過積載判定装置100を実現できる。例えば、後方スロープ20Bおよび前方スロープ20Fをそれぞれ、第1連結ヒンジ部14および第2連結ヒンジ部16のそれぞれの軸回りに動かして後方スロープ20Bおよび前方スロープ20Fを折りたたむことができる。よって、過積載判定装置100の移動を容易に行い得る。なお、後方スロープ20Bおよび前方スロープ20Fが折りたたまれた状態を維持できるように、ストッパー機構を設ければ、より移動が容易になる。
【0056】
さらに、本実施形態の過積載判定装置100は、様々な車種の配送バイク50が過積載判定装置100に進入する場合でも、配送バイク50の風袋重量を容易に決定できる。具体的には、上記のとおり、制御器34の記憶回路は、配送バイク50の車種毎に、そのバイク車重が記憶されたテーブルを備える。また、RFIDカードには、配送バイク50の車種が記憶されている。よって、配送員がRFIDカードをRFIDリーダ32にかざすだけで、制御器34は、RFIDリーダ32によって読み取られた情報(配送バイク50の車種)から、配送バイク50の風袋重量(バイク車重)を容易に決定できる。
【0057】
なお、上述では、RFIDカードから読み取ったバイク車種に応じた風袋重量をテーブルから決定しているが、RFIDカードに風袋重量を記憶させておき、これを読み取って風袋重量を決定してもよい。
【0058】
(実施例)
図3、
図4、
図5、および
図6は、実施形態の実施例の過積載判定装置の一例を示す図である。
図3には、輪重計10の載台カバー11を取り外した状態で輪重計10を平面視した図が示されている。
図4には、
図3のA−A部の断面図が、載台カバー11の断面とともに示されている。
図5には、
図3のB−B部の断面図が示されている。
図6には、
図3のC−C線断面が示されている。
【0059】
重量計(本例では、輪重計10)は、ロードセルと対向する対向部材とを備え、対向部材およびロードセルは、少なくとも各々の一部が予め定められた基準方向に対向して配置されている。また、対向部材は、重量計内に設けられた内部部材と重量計の外殻を構成する外部部材とを備える。かかる内部部材の一例は、ロードセルへの荷重伝達が行われる載台フレームである。また、かかる外部部材の一例は、ロードセルが固定されたベースである。そして、例えば、外部部材の鉛直面およびロードセルは、少なくとも各々の一部が予め定められた基準方向に対向して配置されている。
【0060】
以下、このような重量計の具体的な構成について図面を参照しながら詳しく説明する。
【0061】
上記重量計の一例である輪重計10は、上記のとおり、路面40上に設けられたベース60と、ベース60に固定されたロードセル61と、ロードセル61への荷重伝達が行われる載台フレーム62と、載台フレーム62を覆う載台カバー11と、を備える。
【0062】
載台フレーム62は、輪重計10の本体の骨格をなす内部部材である。また、載台フレーム62は、載台カバー11を上下方向に保持し、載台カバー11に載った配送バイク50の荷重を受ける保持部材でもある。
【0063】
載台フレーム62は、一対のメインフレーム62A、62Bと、メインフレーム62A、62Bに固定された一対のサブフレーム62C、62Dを備える。メインフレーム62A、62Bは互いに、輪重計10の幅方向に所定間隔だけ隔てて配置されている。サブフレーム62C、62Dは互いに、輪重計10の前後方向に所定間隔だけ隔てて配置されている。
【0064】
サブフレーム62C、62Dは、メインフレーム62A、62Bの上面に溶接などにより固定されている。サブフレーム62Cは、後述するように、その主面62Sを固定部63としてロードセル61に固定されている。つまり、メインフレーム62A、62Bとサブフレーム62C、62Dは、サブフレーム62Cの主面62Sを固定部63として、一体的にロードセル61に取り付けられている。メインフレーム62A、62Bは、ロードセル61による計量に影響を与えないような撓み量に抑えることが可能な強度とされている。
【0065】
本実施例の輪重計10では、
図3および
図4に示すように、サブフレーム62C、62Dは平板部材で構成され、メインフレーム62A、62Bは、角パイプで構成されているが、これに限らない。
【0066】
図6に示すように、サブフレーム62Cの断面は一方向に開口した矩形状をしており、開口にロードセル61を差し込んだ状態で、サブフレーム62Cの上部からボルトB1が差し込まれている。ロードセル61の対応位置にはネジ穴61Hが形成されており、ボルトB1がネジ穴61Hに螺合して、サブフレーム62Cがロードセル61に固定される。
【0067】
また、ロードセル61と、一対のメインフレーム62A、62Bとの少なくとも各々の一部が、水平方向に対向して配置されている。本例では、ロードセル61の鉛直面のすべてが、メインフレーム62A、62Bの鉛直面のすべてと予め定められた基準方向(本例では水平方向)に対向している。
【0068】
ここで、基準方向には、先述したように、傾斜面に平行な方向である傾斜方向が含まれるが、このような傾斜方向を基準方向とした場合には、上述の鉛直面は、上記傾斜方向に垂直な方向をなす。
【0069】
ロードセル61は、メインフレーム62A、62Bの間に基準方向(水平方向)に挟まれており、サブフレーム62C、62Dの対のうちのサブフレーム62Cが、適宜の固定手段(ここでは先述のボルトB1)によりロードセル61に固定されている。ロードセル61を平面視した場合、ロードセル61は、サブフレーム62Cとの固定部63から離間した位置において、
図5に示す如く、適宜の固定手段(ここでは、ボルトB2およびナットN)によりベース60に片持ちで支持されている。
【0070】
具体的には、1個のロードセル61がほぼ直方体で構成されており、直方体の長手方向(中心軸方向)が前後方向とほぼ一致している。そして、
図3、
図4、および
図6に示すように、ロードセル61の前方の端部に上記の固定部63が設けられ、
図5に示すように、ロードセル61の後方の端部に上記の片持ちの支持部64が設けられている。つまり、支持部64以外のロードセル61とベース60との間は、隙間Gが形成されている。
【0071】
サブフレーム62C、62Dはそれぞれ、主面62Sとリブ62Rとを備える。サブフレーム62Cの主面62Sの幅方向中央部には、ロードセル61が固定されている。リブ62Rは、主面62Sの幅方向の両サイドにおいて、主面62Sに対して垂直に形成されている。そして、
図4に示すように、リブ62Rが、載台カバー11の裏面(輪重測定面12と反対側の面)に当接している。また、載台カバー11の裏面にも一対のリブ11Rが形成されており、リブ11Rのそれぞれがメインフレーム62A、62Bのそれぞれの上面に当接している。
【0072】
以上により、配送バイク50の前輪または後輪が、載台カバー11の輪重測定面12上に載ると、配送バイク50の前輪または後輪の荷重が、載台カバー11から載台フレーム62のリブ11Rおよびリブ62Rに伝達する。
【0073】
すると、配送バイク50の前輪または後輪の荷重が、ロードセル61とサブフレーム62Cとの固定部63へ伝達される。これにより、片持ち状態のロードセル61が撓み、この撓み量に基づいて、上記の固定部63に付与された荷重の大小がロードセル61で検出される。このようにして、ロードセル61により、配送バイク50の輪重を検出できる。
【0074】
本実施例の輪重計10では、ベース60に固定されたロードセル61と、載台フレーム62のメインフレーム62A、62Bとが、各々の少なくとも一部が水平方向に対向しているので、ロードセルをベースと載台フレームとで上下から挟む従来の輪重計に比べ、載台カバー11の輪重測定面12(
図1参照)と路面40との距離H(高さ)を短くできる(つまり、輪重計10を低床化できる)。
【0075】
特に、本実施例では、ロードセル61のすべてが、メインフレーム62A、62Bのすべてに水平方向に挟まれているので、上述の低床化をより効果的に図ることができる。
【0076】
かかる構成によると、過積載判定装置100を従来よりも小型に構成できる。
【0077】
具体的には、輪重測定面と路面との距離が長い場合、前方スロープ20Fおよび後方スロープ20Bの通路面の傾斜が急勾配になるので、前方スロープ20Fおよび後方スロープ20Bにおける配送バイク50の進入および退出に支障が出る可能性がある。また、これらの通路面の傾斜を緩やかにするには、前方スロープ20Fおよび後方スロープ20Bの前後寸法を長くする必要があるが、これは過積載判定装置100の大型化を招く。
【0078】
これに対して、本実施例の過積載判定装置100は、上記の構成により、載台カバー11の輪重測定面12と路面40との距離Hを従来よりも短くできる。よって、前方スロープ20Fおよび後方スロープ20Bの前後寸法を長くせずに済むので、過積載判定装置100の大型化を適切に抑制できる。
【0079】
なお、載台カバー11およびサブフレーム62Cのそれぞれのリブ11R、62Rの長さは小さいほうが、低床化には望ましい。
【0080】
また、ロードセル61の上面(おもて面)全体に荷重がかかるなど、計量に影響を与える場合を除いて、リブ11R、62Rを必ずしも設ける必要はない。例えば、サブフレーム62Cのリブ62Rは、サブフレーム62Cをロードセル61に固定するボルトB1の頭が位置する空間を確保するために設けられているが、ボルトB1をサブフレーム62Cの側面62Eからロードセル61に対して水平方向に差し込むよう構成すれば(
図6参照)、上述した空間は不要になるので、リブ62Rが不要となる。
【0081】
なお、上述の例では、ロードセル61、メインフレーム62A、62Bはそれぞれ平行な位置関係とされているが、計量に影響を与えない限りにおいて、ロードセル61、メインフレーム62A、メインフレーム62Bのいずれか一者が、他の二者のいずれか一方あるいは両方と平行でなくてもよい。
【0082】
また、メインフレーム62A、62Bは、載台カバー11の支持および強度に影響を与えない範囲内において、1本にすることも考えられる。
【0083】
また、対向部材は、ロードセル61に対向して配されており、ロードセル61の近隣に配置され且つロードセル61と対向する対向面を持つ部材であれば、どのようなものであってもよい。つまり、本実施例では、ロードセル61と枠状のメインフレーム62A、62Bとが水平方向に対向して設置される構成を説明したが、かかる構成には限定されない。
【0084】
例えば、対向部材は、骨格、載台カバー11の支持および荷重受けの少なくとも1つの用途の、枠状ではない内部部材であっても構わない。この内部部材とロードセル61とが、少なくとも一部が、基準方向に対向するように配置するとよい。これによっても、輪重計10の薄型化が図れる。
【0085】
さらに、対向部材の他の例としては、上述のメインフレーム62A、62Bなどの他、ベース(上記の外部部材の一例)60が挙げられる。このベース60の鉛直面60Aと、ロードセル61とが、少なくとも一部が基準方向に対向するように配置されている。これによっても、輪重計10の薄型化を図れる。
【0086】
さらに、対向部材としては、メインフレーム62A、62Bのような内部部材、ベース60のような外部部材にも限定されず、ロードセル61と対向する対向面を持つどのような部材であっても構わない。
【0087】
本実施例の過積載判定装置100は、上記特徴点以外は、実施形態の過積載判定装置100と同様に構成してもよい。
【0088】
(第1変形例)
配送バイク50の前輪上方に設けられた第1収納部50F内の荷物および後輪上方に設けられた第2収納部50B内の荷物のそれぞれの重量を知ることができると、配送バイク50の走行不安定性に関する有益な情報が得られる。
【0089】
そこで、本変形例の過積載判定装置100は、第1または第2の態様の過積載判定装置100において、制御器34は、配送バイク50の前輪および後輪のそれぞれの輪重と配送バイク50の前輪側の風袋重量および後輪側の風袋重量とを用いて、第1収納部50F内の荷物の重量および第2収納部50B内の荷物の重量の一方、または、両方を演算してもよい。
【0090】
なお、制御器34は、RFIDリーダ32によって読み取られた情報(配送バイク50の車種)から配送バイク50の前輪側の風袋重量および後輪側の風袋重量を導いてもよい。この場合、制御器34の記憶回路は、配送バイク50の車種毎に、配送バイク50の前輪側の風袋重量および後輪側の風袋重量が記憶されたテーブルを備える。
【0091】
以上により、第1収納部50F内の荷物および/または第2収納部50B内の荷物のそれぞれの重量を知ることができるので、配送バイク50の走行不安定性に関する有益な情報が得られる。
【0092】
例えば、第1収納部50F内の荷物が重い場合には、配送バイク50の走行が不安定となる可能性がある。そこで、制御器34が、第1収納部50F内の荷物の重量と、制御器34の記憶回路に記億された適宜の許容重量との比較で、適宜の警報を発することで、上記の可能性が低減される。なお、かかる警報は、例えば、第1収納部50Fから第2収納部50Bへ荷物を移すことをうながす警告を含むものであってもよい。
【0093】
なお、上述では、RFIDカードから読み取ったバイク車種に応じた前輪および後輪側の風袋重量を、テーブルから決定しているが、RFIDカードに前輪および後輪側の風袋重量を記憶させておき、これを読み取って風袋重量を決定してもよい。
【0094】
また、第1収納部50F内の荷物の重量と第2収納部50B内の荷物の重量との間の重量バランスが悪い場合にも、配送バイク50の走行が不安定となる可能性がある。そこで、制御器34が、第1収納部50F内の荷物の重量と第2収納部50B内の荷物の重量との間の差分重量と、制御器34の記憶回路に記億された適宜の許容差分重量との比較で、適宜の警報を発することで、上記の可能性が低減される。なお、かかる警報は、例えば、第1収納部50Fと第2収納部50Bとの間での荷物の移し替えをうながす警告を含むものであってもよい。
【0095】
本変形例の過積載判定装置100は、上記特徴点以外は、実施形態の過積載判定装置100と同様に構成してもよい。
【0096】
(第2変形例)
実施形態の過積載判定装置100では、配送員の手押しで、配送バイク50が過積載判定装置100の輪重計10を通過する例を説明したが、これに限らない。
【0097】
配送員が配送バイク50に乗ったまま、配送バイク50の輪重が過積載判定装置100の輪重計10で計測されてもよい。この場合、RFIDカードには、配送バイク50の風袋重量を決定するための情報として、配送バイク50の車種の他、配送員の個別情報なども記憶されている。なお、この個別情報には、配送員の体重が含まれていてもよいし、制御器34の記憶回路が、上記の配送員の個別情報毎に、配送員の体重が記憶されたテーブルを備えてもよい。
【0098】
これにより、配送員が配送バイク50に乗ったままでも、過積載判定装置100は、配送バイク50に載った荷物の過積載を簡易に判定し得る。
【0099】
本変形例の過積載判定装置100は、上記特徴点以外は、実施形態の過積載判定装置100と同様に構成してもよい。
【0100】
(第3変形例)
実施形態の実施例の過積載判定装置100では、載台カバー11の下方に1個の直方形のロードセル61が設けられているが、これに限らない。
【0101】
例えば、載台カバー11の四隅のそれぞれを支持する4個の小型のロードセルを設けてもよい。これにより、前後に配置されたロードセルの出力信号に基づいて、配送バイク50が、載台カバー11上を移動するときの移動速度が検出され得る。
【0102】
本変形例の過積載判定装置100は、上記特徴点以外は、実施形態の過積載判定装置100と同様に構成してもよい。
【0103】
(第4変形例)
実施形態の実施例の過積載判定装置100では、RFIDリーダ32が、配送バイク50の風袋重量を決定するための情報などをRFIDカードから読み取る例を説明したが、これに限らない。
【0104】
例えば、廉価版の過積載判定装置として、RFIDなどを使用しない形態であっても構わない。具体的には、例えば、制御器34の記憶回路に、予め配送バイク50の車種とその風袋重量との関係を表すテーブルを記憶させておき、配送員による操作器31の操作スイッチにて、配送バイク50の車種を選択することで、配送バイク50の風袋重量を求めてもよい。
【0105】
本変形例の過積載判定装置100は、上記特徴点以外は、実施形態の過積載判定装置100と同様に構成してもよい。
【0106】
なお、実施形態、実施例、第1変形例、第2変形例、第3変形例および第4変形例は、互いに相手を排除しない限り、互いに組み合わせても構わない。
【0107】
上記説明から、当業者にとっては、本開示の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本開示を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本開示の精神を逸脱することなく、その構造および/または機能の詳細を実質的に変更できる。
【0108】
また、上記各例では、配送バイク50に載せた荷物についての検出を行っているが、自転車にも適用可能である。さらに、本開示の技術は輪重計だけでなく、ロードセルを有するあらゆる重量計に適用可能である。さらに、本開示の技術を適用した重量計は、上記各例のように過積載判定装置100の構成要素の一部としてではなく、何ら他の装置(操作指示計30など)と組み合わされることがない、単独の重量計として用いられても良い。さらに、進行方向の前後が上述例と逆であっても、計量には影響を与えない。