【課題を解決するための手段】
【0011】
実施形態は、光学コヒーレンストモグラフィ(OCT)により目を検査する光学システムを提供する。本システムは、目に入射する測定ビームを生成するように構成されるOCTシステムを備え得る。OCTシステムは、対物レンズ及び可変光学組立体を備え得る。可変光学組立体は、物体に向けられた測定ビームの光路に相対して見た場合、対物レンズの上流に配置され得る。OCTシステムは、光学システムの第1の状態及び第2の状態が、可変光学組立体の作動により又は可変光学組立体の作動により生じる方法で、選択的に設定可能であるように実施され得る。第1の状態では、測定ビームは、対物レンズから物体距離において測定フォーカスを有し得る。第1の状態及び第2の状態において、物体距離はそれぞれ、50mm〜400mmの値を有し得る。第2の状態では、測定ビームは、同じ物体距離においてデフォーカスを有し得る。デフォーカスは、100mmを超える、物体距離の位置からの仮想又は現実フォーカスの距離に対応し得る。対物面において平行である測定ビームは、無限である対物面からの仮想又は現実フォーカスの距離を表し、したがって、100mmよりも大きい。
【0012】
更なる実施形態によれば、第2の状態での現実又は仮想フォーカスの距離は、130mmよりも大きく、150mmよりも大きく、170mmよりも大きく、200mmよりも大きく、300mmよりも大きく、又は500mmよりも大きい。更なる実施形態によれば、測定ビームは、第2の状態において物体距離で平行又は略平行である。更なる実施形態によれば、可変光学組立体は、可変光学組立体及び対物レンズが一緒に、無限焦点システム又は実質的な無限焦点システムを形成するように、制御可能に設定可能であり得る。第2の状態では、可変光学組立体及び対物レンズは一緒に、無限焦点システム又は実質的な無限焦点システムを形成し得る。
【0013】
物体距離は、第1の状態及び第2の状態において同じ値を有する。目、特に目の角膜又は角膜の前面は、物体距離に配置可能であり得る。物体距離は、対物レンズに相対する位置及び/又は対物レンズの物体側の位置を定義し得る。物体距離の位置は、固定参照点に相対して測定され得る。代替又は追加として、固定参照点に相対して測定される対物レンズの位置は、第1の状態及び第2の状態において同じ又は略同じであり得る。物体距離は、対物レンズの光軸に沿って及び/又は対物レンズの物体側頂点に相対して測定され得る。物体距離は、50mm〜300mmの範囲内、100mm〜300mmの範囲内、100mm〜250mmの範囲内、又は150mm〜250mmの範囲内の値を有し得る。例として、物体距離は、150mm、200mm、又は250mmであり得る。
【0014】
これは、目の効率的で精密な検査を促進する光学システムを提供する。特に、これにより、短い時間期間内で目の前部及び網膜等の目の後部の両方からOCTデータを捕捉することができる。目の前部は、結膜、角膜、水晶体、及び虹彩を含み得る。したがって、後部を検査する場合、接触レンズの利用も基底撮像システムの使用も必要ない。本光学システムは、測定ビームの測定フォーカスが第1の状態において目の角膜に配置され、及び/又は第2の状態において、測定フォーカスが目の網膜に配置されるように構成され得る。角膜は、物体距離の位置に配置され得る。目は、非遠近調節状態で正視眼であり得る。
【0015】
測定ビームの測定フォーカスはビームウェストを有し得る。ビームウェストは、測定ビームが最小直径を有する、測定ビームの軸に沿ったその軸方向位置として定義され得る。測定フォーカス、特に測定フォーカスのビームウェストは、OCTシステムの軸方向測定範囲内に配置され得る。軸方向測定範囲は、OCTシステムの走査中、散乱強度を捕捉可能な測定ビームのビーム軸に沿った領域であり得る。例として、測定データは、参照アームの光路長を変更することにより、軸方向測定範囲にわたり捕捉され得る。例として、参照アームの光路長の変更は、参照アームに配置される参照ミラーの位置変更により行われ得る。
【0016】
更に、OCTシステムは、更なる光学構成要素との結合を効率的に促進する。そのような更なる光学構成要素は、対物レンズを通過する光ビーム又はビーム路を生成するように構成され得る。光ビーム又はビーム路は、目に向けられ得る。例として、更なる光学構成要素は、顕微鏡又は誤差測定器であり得る。
【0017】
OCTシステムは、時間領域OCTシステム(TD−OCT)及び/又は周波数領域OCTシステム(FD−OCT)であり得る。OCTシステムは、スペクトル領域OCTシステム(SD−OCT)及び/又は掃引源OCTシステム(SS−OCT)であり得る。
【0018】
可変光学組立体は、第1の状態と第2の状態との間の遷移が、可変光学組立体を作動させることにより生成されるように実施され得る。別の表現では、第1の状態と第2の状態とを交互にするために、焦点距離、焦点面位置、屈折率、及び/又は曲率半径等、OCTシステムの更なる構成要素の光学特性を変更する必要がなくてよい。
【0019】
本光学システムはコントローラを備え得る。コントローラは、可変光学組立体に信号接続され得る。可変光学組立体は、コントローラから可変光学組立体に転送される制御信号に応じて作動し得る。
【0020】
対物レンズは、100mmを超える、150mmを超える、又は200mmを超える焦点距離を有し得る。対物レンズの焦点距離は、500mm未満、400mm未満、又は300mm未満であり得る。対物レンズは、変更可能な焦点距離を有し得る。第1の状態及び第2の状態において、物体距離の位置は、各状態で対物レンズの焦点面にあり得る。
【0021】
測定フォーカスは、第1の状態において、物体距離に配置される。測定フォーカスのビームウェストは、物体距離に配置され得る。測定フォーカス又は現実若しくは仮想フォーカスの位置は、目又は物体の存在がない状態で測定され得る。したがって、実際又は仮想フォーカスの距離は、空気を通る距離を表す。
【0022】
本開示の範囲内で、「構成要素のパラメータが制御可能に設定可能であるように構成要素が構成される」という語句は、光学システムが、その構成要素に信号接続されるコントローラを備えるように定義され得る。コントローラは、パラメータがコントローラから構成要素への制御信号に応じて設定可能であるように構成され得る。
【0023】
OCTシステムは干渉計を備え得る。OCTシステムは、測定ビーム及び参照ビームを生成するように実施され得る。OCTシステムは、測定ビームが参照ビームに干渉するように構成され得る。本光学システムは、干渉がOCTシステムの検出器により捕捉可能であるように実施され得る。
【0024】
更に、OCTシステムは、第1の状態での軸方向測定範囲が第2の状態での軸方向測定範囲と異なるように構成され得る。測定フォーカスは、第1の状態において、軸方向測定範囲内に配置され得る。目の網膜は、第2の状態において、軸方向測定範囲に配置され得る。軸方向測定範囲の変更は、反射ビーム及び/又は測定ビームの光路長の変更を含み得る。
【0025】
測定ビームの部分は、光ガイド内で拡張し得る。光ガイドは光ファイバであり得る。光ファイバは、マルチモードファイバ及び/又はシングルモードファイバであり得る。光ガイドは光射出部を有し得る。光ガイドは、測定ビームが光射出部を通って測定ビーム光学組立体に放射されるように実施され得る。したがって、光射出部は、測定ビーム光学組立体への光入射部を形成し得る。測定ビーム光学組立体は、撮像光学組立体であり得る。したがって、光入射部は、非撮像光学組立体と撮像光学組立体との間の遷移部であり得る。測定ビーム光学組立体は、光入射部の画像が物体領域において生成可能であるように実施及び/又は構成可能であり得る。物体領域は目に配置され得る。測定ビームの測定フォーカスは、光入射部の画像であり得る。代替又は追加として、物体距離の位置からの距離がデフォーカスを表す現実又は仮想フォーカスは、光入射部の画像であり得る。測定ビーム光学組立体は、可変光学組立体及び対物レンズを備え得る。測定ビーム光学組立体は、以下の構成要素のうちの1つ又は組合せを含み得る:走査システム、コレクタ光学組立体、及び偏向要素。
【0026】
可変光学組立体は、レンズ、接合要素、及び/又はミラーを備え得る。可変光学組立体を通って延びる光軸は、直線であるか又は傾斜していることができる。
【0027】
物体に向けられた測定ビームの光路に相対して、可変光学組立体は、偏向要素の上流又は下流に配置され得る。偏向要素は、ミラー及び/又はビームスプリッタを含み得る。偏向要素から出射した測定ビームの部分の軸は、物体の光軸に平行又は略平行に延び得る。射出部分の軸は、対物レンズの光軸に沿って又は略沿って延び得る。
【0028】
更なる実施形態によれば、光学システムは走査システムを更に備える。走査システムは、測定ビーム又は測定フォーカスの一次元又は二次元走査に向けて実施され得る。測定フォーカスは目に配置され得る。走査は、横方向走査、すなわち、測定ビームの軸に対して直角での走査であり得る。走査システムは、走査面で測定フォーカス、特にビームウェストを走査するように構成され得る。走査面は、測定ビームの軸に垂直又は略垂直に延び得る。走査システムは、1つ、2つ、又は3つ以上の走査ミラーを備え得る。走査ミラーのそれぞれ1つは、1つ又は2つの軸の回りを制御可能に旋回可能であり得る。可変光学組立体は、偏向要素へのポイントを撮像するように構成され得、このポイントは、走査システムの少なくとも1つの走査位置の場合、走査システムの走査ミラーに配置される。代替的には、このポイントは、少なくとも1つの走査位置の場合、測定ビームの部分の軸に配置され得、上記部分は、走査システムの2つの走査ミラー間に延びる。
【0029】
物体に向けられた測定ビームの光路に相対して、走査システムは、対物レンズの上流に配置され得る。追加又は代替として、走査システムは、可変光学組立体の上流又は下流に配置され得る。走査システムは、偏向要素の上流又は下流に配置され得る。走査システムは、測定ビーム光学組立体への光入射部の下流及び/又は光ガイドからの光射出部の下流に配置され得る。走査システムは、コレクタ光学組立体の上流又は下流に配置され得る。
【0030】
OCTシステムは、第1の状態及び/又は第2の状態において、測定ビームが平行又は略平行に走査システムに入射するように実施され得る。第1の状態及び/又は第2の状態において、測定ビームは、光源側で平行又は略平行に可変光学組立体に入射し得る。代替的には、測定ビームは、第1の状態及び/又は第2の状態において、光源側で収束又は発散式に入射し得る。OCTシステムは、測定ビームが収束又は発散式に、平行に可変光学組立体に選択的に制御可能に入射するように実施され得る。
【0031】
更なる実施形態によれば、可変光学組立体からの出現部から始まる物体距離で入射部に延びる経路において、測定ビームが受ける全体光学効果は、第1の状態及び第2の状態で同じ又は略同じである。全体光学効果は、経路の開始での波面と比較した場合、経路の終了における測定ビームの波面の変化を意味するものとして理解し得る。更なる実施形態によれば、対物レンズからの出現部から始まる物体距離で入射部に延びる経路において、測定ビームが受ける全体光学効果は、第1の状態において第2の状態と同じ又は略同じである。更なる実施形態によれば、対物レンズからの出現部から始まる物体距離で入射部に延びる経路において、測定ビームが受ける全体光学効果は、第1の状態及び第2の状態でゼロ又は略ゼロである。更なる実施形態によれば、第1の状態及び第2の状態での測定ビームは、対物レンズからの出現部から始まる物体距離で入射部に延びる経路上で空気を通過する。第1の状態及び第2の状態において、全体光学効果は、測定ビーム光学組立体への光入射部から、光ガイドからの光射出部から、及び/又はコレクタ光学組立体への入射部から始まる可変光学組立体への入射部まで延びる経路に沿って、第1の状態及び第2の状態で同じ又は略同じであることができる。対物レンズの一方又は両方の主面の焦点距離及び/又は焦点面位置は、第1の状態及び第2の状態で同じ又は略同じであり得る。測定ビームが通過する対物レンズの全ての光学的有効面の結合光学効果は、対物レンズのこれらの2つの主面により近軸光学系の範囲内で記述され得る。
【0032】
可変光学組立体からの出現部から始まり物体距離で入射部に延びるその光路の光学部分システムは、物体側ビーム出力の主面と、光源側ビーム入力の主面とを有し得る。測定ビームが通過するこの光学部分システムの全ての光学的有効面の結合光学効果は、これらの2つの主面により近軸光学系の範囲内で記述され得る。例として、光学部分システムは、偏向要素及び対物レンズからなり得る。第1の状態及び第2の状態において、物体側ビーム出力の主面の焦点距離及び/又は焦点面位置並びに/或いは光源側ビーム入力の主面位置の焦点距離及び/又は焦点面位置は、同じ値又は略同じ値を有し得る。焦点面位置は、固定参照点に相対して測定され得る。
【0033】
実施形態は、光学コヒーレンストモグラフィにより目を検査するシステムを提供する。光学システムは、目に入射する測定ビームを生成するように構成されるOCTシステムを備え得る。OCTシステムは、対物レンズ及び可変光学組立体を備え得る。可変光学組立体は、物体に向けられた測定ビームの光路に相対して見た場合、対物レンズの上流に配置され得る。OCTシステムは、対物レンズからの同じ物体距離において、可変光学組立体の作動により又は可変光学組立体の作動により生じさせる方法で、測定ビームが、選択的に、(a)略平行又は平行であるように設定可能であるか、又は(b)300mm未満である物体距離からの測定ビームの現実又は仮想フォーカスの距離に対応するデフォーカスに設定可能であるように実施され得る。設定(a)及び設定(b)において、物体距離は同じ値を有する。設定(a)及び設定(b)では、物体距離は、50mm〜400mmの値を有し得る。
【0034】
これは、正視眼の場合及び屈折誤差を有する前の場合の両方で網膜を検査し、精密であることを可能にする光学システムを提供する。屈折誤差は球面屈折誤差であり得る。屈折誤差は、ジオプタ単位で測定され得る。屈折誤差の絶対値が大きくなるほど、目の角膜が物体距離に配置される場合、網膜に測定フォーカスを生成するために、物体距離の位置からの現実又は仮想フォーカスの距離は小さくなければならない。
【0035】
仮想又は現実フォーカスの距離が200mmだけ物体距離よりも大きい場合、屈折誤差+5dptを有する目であれば、測定ビームを網膜にフォーカスさせることが可能である。対物レンズからの仮想又は現実フォーカスの距離が200mmだけ物体距離より短い場合、屈折誤差−5dptの屈折誤差を有する目であれば、測定ビームを網膜にフォーカスさせることが可能である。固定参照点に相対して測定される物体距離の位置は、設定(a)及び設定(b)で同じ又は略同じであり得る。代替又は追加として、固定参照点に相対して測定される対物レンズの位置は、設定(a)及び設定(b)で同じ又は略同じであり得る。
【0036】
更なる実施形態によれば、設定(b)での現実又は仮想フォーカスの距離は、200mm未満、180mm未満、150mm未満、130mm未満、100mm未満、80mm未満、又は70mm未満であり得る。設定(a)及び/又は設定(b)では、測定ビームは、各設定で平行又は略平行に可変光学組立体に入射し得る。本光学システムは走査システムを備え得る。OCTシステムは、設定(a)及び/又は設定(b)において、測定ビームが平行又は略平行に走査システムに入射するように実施され得る。
【0037】
本光学システムは、物体距離でのデフォーカスが、可変光学組立体の作動により連続して及び/又は離散してデフォーカス範囲にわたり調整可能であるように実施され得る。デフォーカス範囲は、設定(a)及び/又は(b)を有し得る。可変光学組立体の作動は、離散調整及び/又は連続調整を生じさせ得る。
【0038】
可変光学組立体は、設定(a)と設定(b)との間の遷移が、可変光学組立体を作動させることにより生成可能であるように実施され得る。別の表現では、設定(a)と設定(b)とを交互にするために、OCTシステムの更なる構成要素の光学特性を変更する必要がなくてよい。更なる実施形態によれば、可変光学組立体からの出現部から始まる物体距離で入射部まで延びる経路において、測定ビームが受ける全体光学効果は、設定(a)及び設定(b)で同じ又は略同じである。更なる実施形態によれば、対物レンズからの出現部から始まる物体距離で入射部まで延びる経路に沿って測定ビームが受ける全体光学効果は、設定(a)及び設定(b)で同じ又は略同じである。更なる実施形態によれば、対物レンズからの出現部から始まる物体距離で入射部まで延びる経路において、測定ビームが受ける全体光学効果は、設定(a)及び設定(b)でそれぞれゼロ又は略ゼロである。更なる実施形態によれば、設定(a)及び設定(b)での測定ビームは、対物レンズからの出現部から始まる物体距離で入射部まで空気を通過する。対物レンズの一方又は両方の主面の焦点距離及び/又は焦点面位置は、設定(a)及び設定(b)で同じ又は略同じであり得る。
【0039】
設定(a)では、光ガイドからの光射出部から、測定ビーム光学組立体への光入射部から、及び/又はコレクタ光学組立体への入射部から始まる可変光学組立体への入射部まで延びる経路上で測定ビームが受ける全体光学効果は、設定(b)で同じ又は略同じであり得る。
【0040】
可変光学組立体からの出現部から始まる物体距離で入射部に延びるその光路の光学部分システムは、物体側ビーム出力の主面と、光源側ビーム入力の主面とを有し得る。測定ビームが通過する光学部分システムの全ての光学的有効面の結合光学効果は、これらの2つの主面により近軸光学系の範囲内で記述され得る。例として、光学部分システムは、偏向要素及び対物レンズからなり得る。設定(a)及び設定(b)において、物体側ビーム出力の主面の焦点距離及び/又は焦点面位置並びに/或いは光源側ビーム入力の主面位置の焦点距離及び/又は焦点面位置は、同じ値又は略同じ値を有し得る。
【0041】
更なる実施形態によれば、物体距離でのデフォーカスは、対物レンズからの現実又は仮想フォーカスの距離が50mm〜150mmだけ物体距離よりも大きいように、25mm〜150mmだけ物体距離よりも大きいように、又は20mm〜150mmだけ物体距離よりも大きいように、可変光学組立体の作動により更に選択的に設定可能である。
【0042】
可変光学組立体の作動は、現実又は仮想フォーカスの距離を生じさせ得る。対物レンズからの現実又は仮想フォーカスの距離は、対物レンズの光軸に沿って及び/又は対物レンズの物体側頂点に相対して測定され得る。
【0043】
実施形態は、目を検査する光学システムを提供する。本システムはOCTシステムを備え得る。OCTシステムは、目に入射する測定ビームを生成するように構成され得る。OCTシステムは、対物レンズ、可変光学組立体、及びコレクタ光学組立体を備え得る。可変光学組立体は、測定ビームの対物レンズとコレクタ光学組立体との間に配置され得る。コレクタ光学組立体は、制御可能に変更可能な焦点距離を有し得る。コレクタ光学組立体から出射する測定ビームの部分の直径は、制御可能に変更可能な焦点距離により又は制御可能に変更可能な焦点距離により生じる方法で、変更可能であり得る。測定ビームの部分は、直径変更の前後で平行又は略平行であり得る。OCTシステムは、対物レンズから同じ物体距離における測定ビームのデフォーカスが、可変光学組立体の作動により又は可変光学組立体の作動により生じる方法で、制御可能に設定可能であるように実施され得る。物体距離は、50mm〜400mmの値を有し得る。
【0044】
デフォーカスは、物体距離の位置からの測定ビームの現実又は仮想フォーカスの距離として測定され得る。別の表現では、物体距離の位置からの測定ビームの現実又は仮想フォーカスの距離は、可変光学組立体の作動により又は可変光学組立体の作動により生じる方法で、制御可能に設定可能である。
【0045】
コレクタ光学組立体から出射する測定ビームの部分の直径の最大値(δ
max)と、直径の最小値(δ
min)との比率(すなわち、値δ
max/δ
min)であって、直径がコレクタ光学組立体の作動によるか又はコレクタ光学組立体の作動により生じる方法で設定可能である、比率は、1.5よりも大きい値、1.7よりも大きい値、1.8よりも大きい値、2よりも大きい値、3よりも大きい値、又は3.5よりも大きい値であり得る。この非率は、10未満、20未満、又は30未満であり得る。
【0046】
コレクタ光学組立体は、光源側ビーム入力の主面と、物体側ビーム出力の主面とを備え得る。測定ビームが通過するコレクタ光学組立体の全ての光学的有効面の結合光学効果は、これらの2つの主面による近軸光学系の範囲内で記述され得る。コレクタ光学組立体は、光源側ビーム入力の主面の焦点面位置が、焦点距離の制御可能な変更の前後で同じ又は略同じであるように構成され得る。OCTシステムへの光入射は、焦点面位置に配置され得る。OCTシステムの光ガイドからの光射出は焦点面位置に配置され得る。
【0047】
更なる実施形態によれば、OCTシステムは、測定ビームのコレクタ光学組立体と可変光学組立体との間に配置される走査システムを備える。OCTシステムは、走査システムに入射する測定ビームの部分が平行若しくは略平行であるか、又は平行若しくは略平行であるように設定可能であるように実施され得る。走査システムに入射する測定ビームの部分は、物体距離における様々な設定のデフォーカスで平行又は略平行であり得、物体距離でのデフォーカスは、可変光学組立体により又は可変光学組立体の作動により生じる方法で設定可能である。
【0048】
更なる実施形態によれば、コレクタ光学組立体は、負の屈折力を有する第1の可動式光学ユニットを備える。
【0049】
本開示の範囲内で、「屈折力」という表現は球面「屈折力」を示し得る。円柱屈折力又は非円柱屈折力が球面屈折力の他に存在し得る。屈折力は、局所屈折力又は非局所屈折力であり得る。屈折力は、回転対称球面及び/又は回転対称非球面光学的有効面により生成され得る。屈折力を生成する光学的有効面は、円柱屈折力を有する1つ又は複数の光学的有効面を備え得る。屈折力を生成する光学的有効面は、いかなる円柱屈折力を有さなくてもよく、及び/又はいかなる非球面を有さなくてもよい。更に、第1、第2、第3、及び第4の光学ユニット又は可動式光学ユニットというラベルは、本開示の範囲内で、ユニット同士を互いに区別するために使用される。したがって、例えば、「第3の光学ユニット」というラベルは、第1の光学ユニット及び第2の光学ユニットが存在する必要があることを指定しない。
【0050】
本開示の範囲内で、可動式光学ユニットは、構成要素の全ての光学的有効面が、互いに相対する配置を維持しながら一体として一緒に移動する構成要素として定義され得る。別の表現では、可動式ユニットの光学的有効面は、共通の移動中、互いに対する相対移動を実行しない。
【0051】
可動式光学ユニットのうちの1つ又は複数は、コレクタ光学組立体の光軸に沿って及び/又は光軸に対して傾斜して移動を実行するように構成され得る。例として、コレクタ光学組立体は、1つ又は複数のアルバレスレンズを含み得る。代替又は追加として、可動式光学ユニットのうちの1つ又は複数は、測定ビーム内に選択的に導入可能であり、及び測定ビームから選択的に除去可能であるように構成され得る。
【0052】
代替又は追加として、コレクタ光学組立体は、制御可能に変更可能な形態の屈折面若しくは反射面及び/又は制御可能に変更可能な屈折率を有する1つ又は複数の光学ユニットを備え得る。例として、光学ユニットは、レンズ、接合要素、及びミラーのうちの1つ又は組合せであり得る。例として、コレクタ光学組立体は、1つ又は複数の液体レンズを備え得る。
【0053】
更なる実施形態によれば、コレクタ光学組立体は、第2の可動式光学ユニットを備え得る。第2の可動式光学ユニットは正の屈折力を有し得る。測定ビームは、物体に向けられた光路において第2の可動式光学ユニットを通してコレクタ光学組立体から出射し得る。別の表現では、第2の可動式光学ユニットは光学的有効面を有し得、光学的有効面を通して、物体に向けられた光路における測定ビームがコレクタ光学組立体から出射する。
【0054】
更なる実施形態によれば、コレクタ光学組立体は、第1の可動式光学ユニット及び第2の可動式光学ユニットを備える。第1の可動式光学ユニットは負の屈折力を有し、及び第2の可動式光学ユニットは正の屈折力を有し得る。物体に向けられた測定ビームの光路に沿って見た場合、第2の可動式光学ユニットは、第1の可動式光学ユニットの下流に配置され得る。
【0055】
更なる実施形態によれば、コレクタ光学組立体は、第3の光学ユニットを備える。第3の可動式光学ユニットは、物体に向けられた測定ビームの光路に沿って見た場合、コレクタ光学組立体の第1の可動式光学ユニットの上流に配置され得る。第1の可動式光学ユニットは負の屈折力を有し得る。代替又は追加として、第3の光学ユニットは、コレクタ光学組立体の第2の可動式光学ユニットの上流に配置され得る。第2の可動式光学ユニットは正の屈折力を有し得る。代替又は追加として、第3の光学ユニットは、第1の可動式光学ユニットと第4の光学ユニットとの間に配置され得る。代替又は追加として、第3の光学ユニットは、第2の可動式光学ユニットと第4の光学ユニットとの間に配置され得る。代替又は追加として、第3の光学ユニットは正の屈折力を有し得る。
【0056】
更なる実施形態によれば、コレクタ光学組立体は、第4の光学ユニットを備える。第4の光学ユニットは、物体に向けられた測定ビームの光路に沿って見た場合、コレクタ光学組立体の第1の可動式光学ユニットの上流に配置され得る。第1の可動式光学ユニットは負の屈折力を有し得る。代替又は追加として、第4の光学ユニットは、コレクタ光学組立体の第2の可動式光学ユニットの上流に配置され得る。第2の可動式光学ユニットは正の屈折力を有し得る。代替又は追加として、第4の光学ユニットは、コレクタ光学組立体の第3の光学ユニットの上流に配置され得る。第3の光学ユニットは正の屈折力を有し得る。代替又は追加として、物体に向けられた光路で第4の光学ユニットから出射する測定ビームの部分は、平行又は略平行であり得る。代替又は追加として、第4の光学ユニットは正の屈折力を有し得る。代替又は追加として、物体に向けられた光路での測定ビームは、第4の光学ユニットを通してコレクタ光学組立体に入り得る。別の表現では、第4の光学ユニットは光学的有効入射面を有し得、この面を通して、測定ビームは、物体に向けられた光路において、コレクタ光学組立体に入る。測定ビームが通過するコレクタ光学組立体の全ての屈折面は、第1の可動式光学ユニットの表面、第2の可動式光学ユニットの表面、第3の光学ユニットの表面、及び第4の光学ユニットの表面により表し得る。
【0057】
実施形態は、目を検査する光学システムを提供する。本システムは、目に入射する測定ビームを生成するように構成されるOCTシステムを備え得る。OCTシステムは、対物レンズ及び可変光学組立体を備え得る。可変光学組立体は、物体に向けられた測定ビームの光路に相対して見た場合、対物レンズの上流に配置され得る。可変光学組立体は、第1の光学構成要素を備え得る。第1の光学構成要素は光学的有効入射面を有し得、この面を通して、測定ビームは、物体に向けられた光路において可変光学組立体に入る。第1の光学構成要素は、第1の光学構成要素の物体側ビーム出力の主面の焦点面を有し得る。可変光学組立体は、第1の構成を有し得、及び/又は第1の構成に制御可能に構成可能であり得、第1の構成では、第1の光学構成要素の焦点面位置は、可変光学組立体内に配置される。代替又は追加として、可変光学組立体は、第2の構成に制御可能に構成可能であり得る。第2の構成では、第1の光学構成要素の焦点面位置は、可変光学組立体外に配置され得る。第1の光学構成要素は、制御可能に変更可能な焦点距離を有し得る。可変光学組立体は、制御可能に変更可能な焦点距離により又は制御可能に変更可能な焦点距離により生じる方法で、第1の構成と第2の構成とを切り替え可能であり得る。制御可能に変更可能な焦点距離は、第1の光学構成要素の物体側ビーム出力の主面の焦点距離であり得る。代替又は追加として、第1の構成要素の制御可能に変更可能な焦点距離により又は第1の構成要素の制御可能に変更可能な焦点距離により生じる方法で、複数の異なる焦点面位置を可変光学組立体の物体側ビーム出力の主面に対して設定可能であり得る。代替又は追加として、物体距離での測定ビームのデフォーカスは、第1の構成要素の制御可能に変更可能な焦点距離により又は第1の構成要素の制御可能に変更可能な焦点距離により生じる方法で、設定可能であり得る。代替又は追加として、本光学システムは、第1の構成要素の制御可能に変更可能な焦点距離により又は第1の構成要素の制御可能に変更可能な焦点距離により生じる方法で、第1の状態と第2の状態とで切り替え可能であり得る。測定ビームは、可変光学組立体の第1の構成、可変光学組立体の第2の構成、本光学システムの第1の状態、及び/又は本光学システムの第2の状態では、可変光学組立体に平行又は略平行に入射し得る。
【0058】
第1の光学構成要素は、物体側ビーム出力の主面と、光源側ビーム入力の主面とを備え得る。測定ビームが通過する第1の光学構成要素の全ての光学的有効面の結合光学効果は、これらの2つの主面により近軸光学系の範囲内で記述され得る。第1の光学構成要素の物体側ビーム出力の主面の焦点面位置及び/又は焦点距離は、制御可能に可変であり得る。
【0059】
光学的有効入射面は、例えば、レンズ、接合要素、又はミラーの表面であり得る。別の表現では、第1の光学構成要素は、透過ビームが、物体に向けられた光路において可変光学組立体に入る光学的有効面を有する。例として、光学的有効面は屈折面又は反射面であり得る。
【0060】
第1の構成では、第1の光学構成要素の焦点面位置は、可変光学組立体内に配置される。焦点面位置は、平行ビームが可変光学組立体に入射する場合に生成される現実フォーカスの位置であり得る。現実フォーカスは、2つの光学要素間又は光学要素内に配置され得る。
【0061】
「可変光学組立体内」という表現は、焦点面位置が光軸上の光学的有効面入射面と可変光学組立体の光学的有効射出面との間に配置されるように定義され得る。光学的有効入射面及び射出面は、物体に向けられた光路に相対して定義され得る。物体に向けられた光路において、測定ビームは、光学的有効射出面を通して可変光学組立体から出射し得る。第1の構成では、測定ビームは、可変光学組立体内に現実フォーカスを形成し得る。測定ビームの現実フォーカスは、2つの光学要素間又は光学要素内に配置され得る。例として、光学要素はレンズ又は接合要素であり得る。
【0062】
第2の構成では、第1の光学構成要素の物体側主面の焦点面位置は、可変光学組立体外に配置される。一実施形態によれば、第1の光学構成要素の焦点面は、第2の構成では、可変光学組立体の物体側に配置される。可変光学組立体の第2の構成は、入射平行ビームの場合又は入射平行光束の場合、このビーム又はこの光束が可変光学組立体内に現実フォーカスを形成しないように、可変光学組立体を通過するように実施され得る。第2の構成では、測定ビームは、必ずしも可変光学組立体に平行に入射する必要はない。
【0063】
第1の光学構成要素は、1つ又は複数の光学的有効面からなり得る。特に、第1の光学構成要素は、1つ又は複数のレンズ及び/又は接合要素からなり得る。第1の光学構成要素は、第1の可動式光学ユニット及び/又は第2の可動式光学ユニットを備え得る。第1の可動式光学ユニットは負の屈折力を有し得る。第2の可動式光学ユニットは正の屈折力を有し得る。第2の可動式光学ユニットは、物体に向けられた測定ビームの光路に相対して見た場合、第1の可動式光学ユニットの上流に配置され得る。
【0064】
一実施形態によれば、可変光学組立体は、本光学システムの第1の状態では、第1の構成である。更なる実施形態によれば、可変光学組立体は、本光学システムの第2の状態では、第2の構成である。
【0065】
可変光学組立体の第1の構成から可変光学組立体の第2の構成への遷移は、第1の構成要素の変更可能な焦点距離の制御可能な変更を含み得る。代替又は追加として、本光学システムの第1の状態から本光学システムの第2の状態への遷移は、第1の構成要素の変更可能な焦点距離の制御可能な変更を含み得る。制御可能に変更可能な焦点距離は、第1の構成要素の物体側ビーム出力の主面の焦点距離であり得る。更なる実施形態によれば、第1の構成要素の変更可能な焦点距離は、第1の構成よりも第2の構成において大きい、1.5倍大きい、2倍大きい、2.5倍大きい、又は3倍大きい。
【0066】
一実施形態によれば、可変光学組立体は、第1の構成では、無限焦点システム又は実質的な無限焦点システムである。
【0067】
更なる実施形態によれば、可変光学組立体は第2の光学構成要素を備える。第2の光学構成要素は、物体に向けられた光線の光路に相対して、第1の光学構成要素の下流に配置され得る。第2の光学構成要素は正の屈折力を有し得る。第1の構成では、第2の光学構成要素は、物体側で無限又は略無限に第1の光学構成要素の焦点面の焦点面位置におけるポイントを撮像するような実施形態を有し得る。第2の光学構成要素は、物体に向けられた光路に相対して見た場合、可変光学組立体の光学的有効射出面を備え得る。別の表現では、物体に向けられた光路における測定ビームは、光学的有効射出面を通して可変光学組立体から出射し得る。
【0068】
一実施形態によれば、第2の光学構成要素の光源側ビーム入力の主面の焦点距離は、第1の光学構成要素の物体側ビーム出力の主面の焦点距離よりも大きく、1.5倍大きく、2倍大きく、2.5倍大きく、3倍大きく、又は4倍大きい。
【0069】
第2の光学構成要素は、物体側ビーム出力の主面と、光源側ビーム入力の主面とを備え得る。測定ビームが通過する第2の光学構成要素の全ての光学的有効面の結合光学効果は、これらの2つの主面により近軸光学系の範囲内で記述され得る。
【0070】
更なる実施形態によれば、本光学システムは、固視光デバイスを更に備える。固視光デバイスは、目の固視点を生成するように構成され得、ここで、目、特に目の角膜は、対物レンズからの物体距離の位置に配置される。物体距離は、50mm〜400mmの値を有し得る。
【0071】
固視点とは、目で見ることができる物体点として定義され得る。見られることにより、格子点は中心に固視される。固視点の画像は、中心固視の結果として小窩の中心に生成される。固視点の生成は、現実又は仮想画像を生成することを含み得る。現実又は仮想画像は、固視点を定義又は含み得る。
【0072】
更なる実施形態によれば、固視光デバイスは、物体距離の位置で入射する固視光を生成するように実施される。固視光は、物体距離の位置でデフォーカスし得る。固視光のデフォーカスは、100mmよりも大きい、200mmよりも大きい、又は300mmよりも大きい物体距離の位置から現実又は仮想画像面の距離に対応し得る。現実又は仮想画像及び/又は現実又は仮想固視点は、画像面に配置され得る。固視光は、対物レンズ及び/又は可変光学組立体を通過し得る。
【0073】
光学システムは、走査システムの走査設定の場合、物体距離に入射する測定ビームの部分の軸が、目が物体距離に配置され、固視点を中心に固視した状態で、目の視軸に平行又は略平行に延びるように構成され得る。
【0074】
視軸は、固視点と網膜上の固視点の画像点との間を結ぶ直線として定義され得、固視点は目により中心に固視される。次に、画像点は、小窩の中心に配置される。代替又は追加として、視軸は、物体距離において、すなわち、光ビームが目の角膜に入射する位置において、固視光の光ビームの方向により定義又は実質的に定義され得る。
【0075】
更なる実施形態によれば、本光学システムは、観測チャネルを生成するように構成される顕微鏡システムを備える。目の物体領域の画像面における画像は、観測チャネルを用いて生成可能であり得、目の上記物体領域は対物面に配置される。観測チャネルは、対物レンズを通過し得る。対物面は、物体距離の位置に配置され得る。対物面は、画像面と光学的に共役し得る。対物面は対物レンズの焦点面であり得る。本光学システムは、対物面におけるポイントから出射する観測チャネルの光束が、対物レンズにより、無限又は略無限に撮像されるように実施され得る。換言すれば、光束は、対物レンズの下流で平行又は略平行であり得る。可変光学組立体は、画像面において、対物面での物体領域の画像を生成するのに使用される光線を有さなくてもよい。特に、可変光学組立体は、顕微鏡システムの左側立体観測チャネル及び右側立体観測チャネルの外部に配置され得る。特に、測定ビーム及び/又は固視光の光ビームのみが可変光学組立体を通過し得る。
【0076】
物体面は物体距離に配置され、異なるデフォーカス状態は、可変光学組立体により物体距離において設定可能であるため、外科医は、目の前部及び目の後部の両方で、組織構造をOCTシステムにより検査可能でありながら、目の前部を引き続き観測し得る。特に、OCTシステムは、前部の領域が顕微鏡システムにより引き続き撮像可能でありながら、目の軸方向長さを測定し得る。これは、特に白内障手術を実行する場合に有利であることがわかっている。
【0077】
顕微鏡システムは、平面視顕微鏡システム又は立体視顕微鏡システムであり得る。立体視顕微鏡システムは、左側観測チャネル及び右側観測チャネルを備え得る。対物面に配置される物体領域の立体画像は、左側観測チャネル及び右側観測チャネルにより生成され得る。立体画像は、2つの立体部分画像を有し得る。各立体部分画像は、画像面での物体の領域の画像であり得る。左側観測チャネル及び右側観測チャネルは、対物レンズを貫通し得る。
【0078】
一実施形態によれば、複数の異なる焦点面位置は、可変光学組立体の作動により又は可変光学組立体の作動により生じる方法で、可変光学組立体の物体側ビーム出力の主面に対して制御可能に設定可能であり得る。測定フォーカスは、異なる焦点面位置により又は異なる焦点面位置により生じる方法で、目の角膜と網膜との間で調整可能である。
【0079】
可変光学組立体は、物体側ビーム出力の主面と、光源側ビーム入力の主面とを備え得る。焦点面は、各事例で主面に割り当てられ得る。2つの主面は、可変光学組立体に入射した測定ビームの部分を可変光学組立体から出射する測定ビームの部分に再整形する光学効果を表し得る。可変光学組立体の主面及びその各焦点距離は一緒に、測定ビームが通過する可変光学組立体の全ての光学的有効面を表し得る。別の表現では、測定ビームが通過する可変光学組立体の全ての光学的有効面の光学効果は、2つの主面及びそれぞれの焦点距離により近軸光学系の範囲内で記述され得る。
【0080】
主面の焦点面は、この主面の焦点を含む光軸に垂直な平面として定義され得る。焦点面は、現実の焦点面又は仮想焦点面であり得る。仮想焦点面は、仮想フォーカスを含む平面として定義され得る。
【0081】
光源側での可変光学組立体に入射する平行光束は、出射する光束が物体側ビーム出力の主面の焦点面に現実又は仮想フォーカスを有するように、可変光学組立体から出射する光束に可変光学組立体により再整形され得る。したがって、光源側ビーム入力の主面の焦点面に仮想又は現実焦点を有する光源側に入射する光束は、可変光学組立体により、物体側で可変光学組立体から出射する平行光束に再整形され得る。
【0082】
焦点面位置は、光軸に相対して測定される焦点面の軸方向位置であり得る。焦点面位置は、固定参照点に相対して測定され得る。主面の位置は、焦点面位置を変化させずに変更され得る。その結果、焦点面位置を変更させずに、主面の焦点距離を変更することも可能である。
【0083】
測定ビームのビーム軸に相対して測定される測定ビームの測定フォーカスの軸方向位置は、可変光学組立体の物体側ビーム出力の主面の焦点面位置に依存し得る。この焦点面は、測定フォーカス、特にビームウェストが、測定ビーム光学組立体の部分及び/又は目の光学的有効構成要素により配置される平面に撮像され得る。光学的有効構成要素は、目の角膜及び/又は水晶体を含み得る。物体距離、特にデフォーカスを表す物体距離からの現実又は仮想フォーカスの距離での測定ビームのデフォーカスは、可変光学組立体の物体側ビーム出力の主面の焦点面位置の制御可能な設定により又は焦点面位置の制御可能な設定により生じる方法で、制御可能に設定可能であり得る。代替又は追加として、これにより、測定フォーカスは物体距離に位置決め可能であることができる。特に、第1の状態、第2の状態、設定(a)、設定(b)、及び/又は物体距離での異なるデフォーカスを選択的に設定する可変光学組立体の作動は、焦点面位置の制御可能な設定を含み得る。
【0084】
更なる実施形態によれば、光学システムは、可変光学組立体の物体側ビーム出力の主面の焦点距離が、異なる値に制御可能に設定可能であるように構成され得る。焦点面の焦点面位置は、各値の焦点距離で同じ又は略同じであり得る。可変光学組立体は、可変ビーム拡張デバイスとして構成され得る。
【0085】
物体側ビーム出力の主面の同じ又は略同じ焦点面位置の場合、焦点距離の絶対値が小さいほど(すなわち、大きさが小さいほど)、物体側での可変光学組立体から出射する測定ビームの開口角を増大させ得る。この結果、測定フォーカスでの測定ビームはより大きい開口数を有し得る。その結果、開口数が大きいほど、測定フォーカスにおいてウェストの直径は低減され得る。OCTデータは、ビームウェストの直径が小さいほど、高い方位分解能で捕捉され得る。方位分解能は、測定ビームの軸に垂直な平面での分解能であり得る。
【0086】
更なる実施形態によれば、可変光学組立体は、複数の無限焦点又は実質的に無限焦点の構成に制御可能に設定可能であり得る。無限焦点構成は、様々な値の無限焦点ビーム拡張を有し得る。
【0087】
無限焦点ビーム拡張は、物体に向けられた光路に関連し得る。別の表現では、無限焦点ビーム拡張は、光源側で可変光学組立体に入射する平行光束の直径(d)に対する物体側で可変光学組立体から出射する平行光束の直径(D)の比率として定義され得る。すなわち、無限焦点ビーム拡張はD/dとして計算され得る。
【0088】
本光学システムは、無限焦点ビーム拡張が、4未満の値及び4.5を超える値を有する調整範囲にわたり連続して及び/又は離散的に設定可能であるように実施され得る。代替的には、調整範囲は、3未満の値及び4.5を超える値を有し得る。代替的には、調整範囲は、2.5未満の値及び4.5を超える値を有し得る。代替的には、調整範囲は、2未満の値及び5を超える値を有し得る。代替的には、調整範囲は、6未満の値及び7を超える値を有し得る。代替的には、調整範囲は、5未満の値及び8を超える値を有し得る。代替的には、調整範囲は、4.5未満の値及び9を超える値を有し得る。
【0089】
本光学システムは、可変光学組立体の作動により又は可変光学組立体の作動により生じる方法で、測定フォーカスに向けて延びる測定ビームの部分の開口数が、0.02以下の値及び0.03以上の値を有する調整範囲にわたり連続して及び/又は離散的に設定可能であるように構成され得る。代替的には、調整範囲は、0.01以下の値及び0.04以上の値を有し得る。代替的には、調整範囲は、0.005以下の値及び0.08以上の値を有し得る。
【0090】
可変光学組立体の作動により又は可変光学組立体の作動により生じる方法で設定可能である、開口数の最小値(α
min)に対する開口数の最大値(α
max)の比率(すなわち、値α
max/α
min)は、1.5超、1.7超、1.8超、2超、又は4超であり得る。この比率は、10未満、20未満、又は30未満であり得る。
【0091】
更なる実施形態によれば、本光学システムは、測定ビームが、平行又は略平行として可変光学組立体に入射するように構成されるか、又は構成可能である。
【0092】
一実施形態によれば、可変光学組立体は第1の可動式光学ユニットを備える。第1の可動式光学ユニットは負の屈折力を有し得る。
【0093】
可変光学組立体の各可動式光学ユニットは、可変光学組立体の光軸に沿って及び/又は傾斜して移動を実行するように構成され得る。例として、可変光学組立体は1つ又は複数のアルバレスレンズを備え得る。代替的には、可動式光学ユニットの1つ又は複数は、測定ビームから選択的に導入され、測定ビームから選択的に除去されるように構成され得る。可動式光学ユニットは、各事例で、コントローラの制御信号に応じて移動可能であり得る。各可動式光学ユニットは、1つ又は複数のアクチュエータに駆動接続され得る。本光学システムは、アクチュエータに信号接続されたコントローラを備え得る。可動式光学ユニットは、コントローラから1つのアクチュエータ又は複数のアクチュエータに転送される制御信号に応じて移動可能であり得る。
【0094】
可動式光学ユニットは、特に、(a)可変光学組立体の物体側ビーム出力の主面の異なる焦点面位置を設定する場合、(b)この主面の焦点距離を設定する場合、及び/又は(c)可変光学組立体を無限焦点構成の1つに設定する場合に移動し得る。その際、複数の可動式光学ユニットは、互いに対する相対移動を実行し得る。
【0095】
代替又は追加として、可変光学組立体は、制御可能に変更可能な形態の屈折面若しくは反射面及び/又は制御可能に変更可能な屈折率を有する1つ又は複数の光学ユニットを備え得る。例として、光学ユニットは、レンズ、接合要素、及びミラーの1つ又は組合せであり得る。例として、可変光学組立体は、1つ又は複数の液体レンズを備え得る。
【0096】
更なる実施形態によれば、可変光学組立体は、第1の可動式光学ユニットと、第2の可動式光学ユニットとを備える。第1の可動式光学ユニット及び第2の可動式光学ユニットは、制御可能な方法で互いに相対して移動可能であり得る。
【0097】
更なる実施形態によれば、第1の可動式光学ユニットは負の屈折力を有し、第2の可動式光学ユニットは正の屈折力を有する。屈折力は、球面屈折力を意味するものとして理解し得る。
【0098】
更なる実施形態によれば、物体に向けられた光路での測定ビームは、第2の可動式光学ユニットを通して可変光学組立体に入る。別の表現では、第2の可動式光学ユニットは、測定ビームが可変光学組立体に入る光学的有効入射面を有する。
【0099】
更なる実施形態によれば、第1の可動式光学ユニットは、物体に向けられた測定ビームの光路に相対して見た場合、第2の可動式光学ユニットの下流に配置される。
【0100】
更なる実施形態によれば、可変光学組立体は第3の光学ユニットを備える。第3の光学ユニットは、物体に向けられた測定ビームの光路に相対して見た場合、第1の可動式光学ユニットの下流に配置され得る。第1の可動式光学ユニットは負の屈折力を有し得る。代替又は追加として、第3の光学ユニットは、第2の可動式光学ユニットの下流に配置され得る。第2の可動式光学ユニットは正の屈折力を有し得る。代替又は追加として、物体に向けられた光路に沿った測定ビームは、第3の光学ユニットを通して可変光学組立体から出射し得る。代替又は追加として、第3の光学ユニットは正の屈折力を有し得る。代替又は追加として、第3の光学ユニットの光源側ビーム出力の主面の焦点面の位置は、可変光学組立体内に配置され得る。第3の光学ユニットは、物体に向けられた光路での測定ビームが可変光学組立体から出射する光学的有効射出面を有し得る。
【0101】
可変光学組立体は第4の光学ユニットを備え得る。第4の光学ユニットは、第1の可動式光学ユニットと第3の光学ユニットとの間に配置され得る。第4の光学ユニットは、正又は負の屈折力を有し得る。第4の光学ユニットは視野レンズであり得る。
【0102】
更なる実施形態によれば、第2の可動式光学ユニットは、2つの別個の光学サブユニットを備える。別個のサブユニットはそれぞれ、正の光学屈折力を有し得る。サブユニットは互いに別個であり得る。
【0103】
例として、サブユニットは、レンズ、接合要素、又はミラーの1つ又は組合せであり得る。光源側光学サブユニットは、接合要素として実施され得る。物体側光学サブユニットはレンズとして実施され得る。
【0104】
上記特徴及び更なる有利な特徴は、添付図面を参照する以下の例示的な実施形態の詳細な説明からより明らかになる。可能な全ての実施形態が必ずしも、本明細書で特定される利点の全て又は幾つかを取得するわけではないことが強調される。